説明

デジタル放送受信機

【課題】デジタル放送において、デジタル映像のアスペクト情報が放送局によって常に入力されているとは限らず、また、サイドパネル部分も無信号であるとは限らないため、受信装置においてはアスペクト比変換された画像であるか否かを判別することが困難であった。
【解決手段】複数種類のアスペクト比の映像を扱う放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、映像デコーダによりデコードされた映像信号が格納された映像信号が、本来の映像のアスペクト比と異なるアスペクト比で送出するために付加的な画像が追加された映像であるか否かを判別する判別手段を備え、判別手段により、映像デコーダによりデコードする際に、映像信号中の特定領域の静止画像を検出することにより放送信号の付加的な画像の有無を判別することを特徴とするデジタル放送受信機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、放送方式のデジタル化により、従来のアナログ方式と比較して多数の番組を受信することが可能になり、また、視聴者としては、同時にたくさんの情報を入手したいため、複数の番組を同時に視聴したいという要望が多くなっている。そのため、放送受信機において、複数の番組を同時に視聴することが行われている。このような要望を満たすための従来の放送受信機の一般的な構成を図32に示す。図32は、2チャネルのデジタル放送受信機能を持つデジタル放送受信機の構成を示すブロック図である。
【0003】
図32において、10はアンテナ、101,102は同調・復調を行うフロントエンド、201、202は映像や音声を分離するトランスポートデコーダ、301,302は映像の復号を行う映像デコーダ、400はフレームメモリ、501、502は映像デコーダにより復号され、フレームメモリ400に格納された映像信号の拡大縮小を行う拡大縮小処理部、600は複数の経路により処理された映像信号の合成処理を行う多画面合成部、700はテレビ画面に表示を行うための表示処理を行う映像表示部である。また、900は上述した拡大縮小処理部501、502及び多画面合成部600を制御する制御部、50は外部から所定のリモコン信号を入力するためのリモコン、60はリモコン信号の受信部である。なお、一般的にデジタル放送受信機においては音声の処理も行われるが、本発明とは無関係のため音声処理部の記載は省略する。
【0004】
以上のように構成された図32の従来のデジタル放送受信機について、以下その動作を説明する。アンテナ10で受信された放送信号は、フロントエンド101に入力される。フロントエンド101は目的の放送周波数に同調し、放送方式に対応した復調方式で復調を行う。フロントエンド101から出力されたデータは、一般的にMPEG2−TS形式となっておりトランスポートデコーダ201に入力される。トランスポートデコーダ201では、MPEG2−TSから目的の番組のプログラム識別子(PID)にしたがって、映像ストリームが抽出され、出力される。トランスポートデコーダ201から出力された映像ストリームは、映像デコーダ301に入力され、映像データとしてデコードされ、フレームメモリ400に格納される。フロントエンド102、トランスポートデコーダ202、映像デコーダ302についても同様の処理が行われる。
【0005】
デコードされ、フレームメモリ400に格納された映像は、拡大縮小処理部501,502において表示サイズに拡大、または縮小され、多画面処理部600で1つの映像として合成され、映像表示部700に表示される。また、前記の各部は制御部900からの指示によって動作する。
【0006】
ここで、デジタル放送において、アスペクト比が4:3の元映像を16:9で送出する場合やアスペクト比が16:9の元映像を4:3で送出する場合、放送局側は図33のように両側(いわゆるサイドパネル方式又はピラーボックス方式)あるいは上下(いわゆるレターボックス方式)に無信号を付加して送信する。このような映像に対して、放送局側でsequence_header、sequence_display_extensionにパラメータを指定することがARIB TR−B15に規定されている。
【0007】
図34は、このようなパラメータを処理するための映像デコーダ301の内部の構成を示した図である。図34は、MPEG2形式で符号化されたストリームを復号化する映像デコーダの一実施形態である。図34において、310はパケットのヘッダ部分を解析するヘッダ解析部、320は可変長復号部(以下VLD)、330は逆量子化処理部(以下IQ)、340は逆離散コサイン変換部(以下IDCT)、350は動き補償処理部(以下MC)、360はフレームメモリ、370はデコード制御部、380はサイドパネル検出部である。
【0008】
映像デコーダ301にMPEG2ストリームが入力されると、ヘッダ解析部310は、シーケンス、ピクチャ、スライス、マクロブロック、ブロックの各層のヘッダ情報を抽出し、それらをデコード制御部370に伝える。
【0009】
一方、符号化データはVLD320で復号された後、IQ330で係数処理、IDCT340で空間情報に変換される。ピクチャタイプがIピクチャの場合にはそのままフレームメモリ360に書き込まれる。また、ピクチャタイプがPピクチャまたはBピクチャの場合にはフレームメモリ内の参照画像が読み出されてMC350において動き補償処理が行われ、結果がフレームメモリ360に書き込まれる。
【0010】
このとき、ヘッダ解析部310で抽出されたヘッダ情報のうち、上述したsequence_header、およびsequence_display_extensionのパラメータがサイドパネル検出部380に入力される。サイドパネル検出部380は、ARIB STD−B21の規定通りに、これらのパラメータを解釈し、サイドパネル情報として制御部900に伝える。
【0011】
制御部900は、伝えられたサイドパネル情報およびユーザーがリモコン50、リモコン受信部60を経由して指示した画面の表示方法にしたがって、適切な映像の切り出し位置および拡大縮小率を算出し、拡大縮小処理部501、502に伝える。また、適切な表示位置を算出し、多画面処理部に伝える。
【0012】
以上のように、放送信号の中にあらかじめ、サイドパネルあるいはレターボックスの情報が埋め込まれていた場合には、デコードされた映像を適切に切り出して表示することが可能である。
【特許文献1】特開2002−77767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、サイドパネル方式あるいはレターボックス方式の場合に、sequence_header、およびsequence_display_extensionの情報の埋め込みは義務化されているわけではないので、全ての番組で前記情報が埋め込まれているわけではない。この場合、従来のデジタル放送受信機では、受信した映像データがアスペクト比が4:3と16:9との間で、本来の映像のアスペクト比と異なるアスペクト比で送出するために付加的な画像が追加された映像であるか否かが不明であるため、画面の一部を切り出すことなく表示することになるため、サイドパネルあるいはレターボックス付きの放送の場合、無信号期間などの付加的な情報も表示してしまうため、実際の映像部分が小さく表示されてしまうという問題があった。
【0014】
また、アナログ映像に対して無信号部分を検出する回路を持つ先行技術があるが、これをデジタル映像に対して適用したとしても、サイドパネル部分は無信号とは限らず、むしろ表示デバイスの焼き付きの保護の観点から模様等が入っている場合が多いので、検出できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、複数種類のアスペクト比の映像を扱う放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、放送信号を受信する受信手段と、受信手段により受信した放送信号中の映像信号をデコードする映像デコーダと、映像デコーダによりデコードされた映像信号を格納するフレームメモリと、フレームメモリに格納される映像信号が本来の映像のアスペクト比と異なるアスペクト比で送出するために付加的な画像が追加された映像であるか否かを判別する判別手段と、フレームメモリに格納された映像信号を出力する出力手段とを備え、判別手段により、映像デコーダによりデコードする際に、映像信号中の特定領域の静止画像を検出することにより放送信号の付加的な画像の有無を判別し、放送信号の付加的な画像がある場合には、出力手段により、放送信号に含まれる画像領域外の信号を削除した映像信号を出力することを特徴とするデジタル放送受信機である。これにより、放送信号中に付加的な画像が追加されたことによりアスペクト比変換がなされた画像であることを示すパラメータが付加されていない場合であっても、適切にサイドパネル方式による放送信号であることが検出可能になり、画像表示する際に、無駄な画像部分を表示することによる画面の利用効率が低下することを防止することが可能になるものである。
【0016】
また、本発明は、画像領域と特定領域の符号量の差を検出することにより、特定領域が静止画像により構成されているサイドパネル方式の放送信号であることを検出するデジタル放送受信機である。本発明は、この構成により、データの差分量のみを検出することにより、サイドパネル方式の放送信号であるか否かを検出することが可能になり、さらに、マクロブロック単位で処理することが可能になるため、最小限の演算量でサイドパネル方式の放送信号であることを検出することが可能になるものである。
【0017】
また、本発明は、スキップマクロブロックの有無を検出することにより、サイドパネル方式の放送信号であることを検出するデジタル放送受信機である。本発明は、この構成により、静止画を確実に検出することが可能になるものである。
【0018】
また、本発明は、画像領域外の量子化スケールを検出することにより、画像領域外が静止画像であることを判別することにより、サイドパネル方式の放送信号であることを検出するデジタル放送受信機である。本発明は、この構成により、最小限の演算量でサイドパネル方式の放送信号であることを検出することが可能になるものである。
【0019】
また、本発明は、画像領域外のDCT係数を検出することにより、画像領域外が静止画像であることを判別することにより、サイドパネル方式の放送信号であることを検出するデジタル放送受信機である。本発明は、この構成により、精度の高い検出を行うことが可能になるものである。
【0020】
また、本発明は、アスペクト比変換がなされた放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、放送信号を受信する受信手段と、受信手段により受信した放送信号中の映像信号をデコードする映像デコーダと、映像デコーダによりデコードされた映像信号を格納するフレームメモリと、フレームメモリに格納される映像信号がアスペクト比変換されているか否かを判別する判別手段と、フレームメモリに格納された映像信号を出力する出力手段とを備え、判別手段により、放送信号に含まれる画像領域と画像領域外の境界領域の各ブロックのDC成分の差分を算出して、放送信号のアスペクト比変換の有無を検出し、放送信号のアスペクト比変換がなされている場合には、出力手段により、放送信号に含まれる画像領域外の信号を削除した映像信号を出力することを特徴とするデジタル放送受信機である。本発明は、この構成により、一般的に誤検出が起こりえる映像は少ないため、誤検出の可能性を低減することが可能になるものである。
【0021】
また、本発明は、アスペクト比変換がなされた放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、放送信号を受信する受信手段と、受信手段により受信した放送信号中の映像信号をデコードする映像デコーダと、映像デコーダによりデコードされた映像信号を格納するフレームメモリと、フレームメモリに格納される映像信号がアスペクト比変換されているか否かを判別する判別手段と、フレームメモリに格納された映像信号を出力する出力手段とを備え、判別手段により、放送信号に含まれる画像領域外の色調が所定のパターンであるか否かにより放送信号のアスペクト比変換の有無を検出し、放送信号のアスペクト比変換がなされている場合には、出力手段により、放送信号に含まれる画像領域外の信号を削除した映像信号を出力することを特徴とするデジタル放送受信機である。本発明は、この構成により、画像領域外の色調パターンは限られているため、さらに、誤検出の可能性を低減することが可能になるものである。
【発明の効果】
【0022】
放送信号中に付加的な画像が追加されたことによりアスペクト比変換がなされた画像であることを示すパラメータが付加されていない場合であっても、適切にサイドパネル方式による放送信号であることが検出可能になり、画像表示する際に、無駄な画像部分を表示することによる画面の利用効率が低下することを防止することが可能になるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一つの実施例であり、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0024】
また、本実施の形態においては、放送局側においてアスペクト比変換器において、16:9のアスペクト比の映像信号を4:3のアスペクト比の映像信号に変換した場合にレターボックス方式で出力される場合や4:3のアスペクト比の映像信号を16:9のアスペクト比の映像信号に変換した場合にサイドパネル方式で出力される場合には、アスペクト比変換がなされる前の映像を「本来の映像」と定義し、アスペクト比変換がなされた映像信号中において、アスペクト比変換がなされる前の映像のみから構成され領域を「画像領域」と定義し、その画像領域に対して、アスペクト比変換を行うための付加的な画像が追加された領域を「特定領域」と定義する。
【0025】
また、本実施の形態においては、アスペクト比変換がなされた映像信号としてサイドパネル方式の映像信号の例について説明するが、レターボックス形式についても同様の構成及び処理により実現することが可能になるものである。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態においては、本来の映像に付加された特定領域においては、一般的に中央の動画像部分からなる画像領域の視聴に影響を与えないよう、以下の特徴を持っている点に着目している。一点目は、特定領域が静止画像により構成されている点に着目した構成及び処理について、また、二点目は、特定領域が単一色またはグラデーションのついた帯、または色調が統一された派手でない模様により構成されている点に着目した構成及び処理について、また、三点目は、中央の映像との境界は垂直に区分けされる点に着目した構成及び処理について説明を行う。本発明は、これらの構成により、放送局から送信されるパラメータに依存することなく、映像自体の特徴に基づいて、サイドパネル方式の放送信号であるか否かを検出することが可能になるものである。
【0027】
1.デコーダ部での特定領域の静止画像検出
(1−a) 符号量を利用した静止画像検出
以下、図1から図4を参照して、符号量により特定領域の静止画像を検出する方法について説明する。MPEG2規格に基づいた圧縮方式の場合、フレーム間予測符号化により時間軸方向の圧縮が行われるため、静止画の場合フレーム間の差分はほとんどなく、符号量は小さく抑えられる。これを利用して静止画かどうか判別し、サイドパネル付き映像の検出を行う。以下詳細に説明する。
【0028】
本実施の形態1における、映像デコーダは、パケットのヘッダ部分を解析するヘッダ解析部310、可変長復号部(以下VLD)320、逆量子化処理部(以下IQ)330、逆離散コサイン変換部(以下IDCT)340、動き補償処理部(以下MC)350、フレームメモリ360、デコード制御部370、サイドパネル検出部380aにより構成されている。映像デコーダ301にMPEG2ストリームが入力されると、ヘッダ解析部310は、シーケンス、ピクチャ、スライス、マクロブロック、ブロックの各層のヘッダ情報を抽出し、それらをデコード制御部370に伝える。ここで、サイドパネル検出部380aは、ヘッダ解析部310の出力及びVLD320の出力をもとにサイドパネルの検出を行う。
【0029】
一方、符号化データはVLD320で復号された後、IQ330で係数処理、IDCT340で空間情報に変換される。ピクチャタイプがIピクチャの場合にはそのままフレームメモリ360に書き込まれる。また、ピクチャタイプがPピクチャまたはBピクチャの場合にはフレームメモリ内の参照画像が読み出されてMC350において動き補償処理が行われ、結果がフレームメモリ360に書き込まれる。
【0030】
図2は、図1に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部380aにおけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。図2に示すように、まず、ステップS100において、符号量の総和を格納する変数NaおよびNbを0に初期化する。次にステップS101において、映像ストリーム中のピクチャヘッダを取得するため、picture_start_codeを見つけるまでストリームを検索する。次にステップS102において、取得したピクチャヘッダに含まれるpicture_coding_typeが2または3、すなわちPピクチャまたはBピクチャであればステップS103のスライス層処理を行い、それ以外、すなわちIピクチャの場合には処理を終了する。
【0031】
ステップS103のスライス層処理について、図3を参照して説明する。スライス層処理S103においては、まずステップS1030においてマクロブロックの水平方向の座標を示す変数Xを−1に初期化する。次にステップS1031において変数Xに前マクロブロックからの水平方向の差分量を示すmacroblock_address_incrementを加え、変数Xが現マクロブロックの水平座標を示すようにする。次にステップS1032において、現マクロブロックの水平位置が特定領域(図4の領域aをいう。以下サイドパネル部分とする)とそれ以外の画像領域(図4の領域bをいう。)のどちらに入るかを変数Xから判定する。サイドパネル方式の場合には予め所定の変数の値により特定領域と画像領域を判別することが可能となる。次に、領域aに入っていればステップS1033aに、領域bに入っていればステップS1033bに進む。ステップS1033aにおいては、ブロック層の符号量を変数Naに加算し、ステップS1033bにおいては、ブロック層の符号量を変数Nbに加算する。次にステップS1034において、ストリーム中の次データがmacroblock_escapeであれば次のマクロブロックに対する処理を行うため、ステップS1031に戻り、そうでなければスライスの終了であるため、スライス層処理S103を終わる。
【0032】
次にステップS104において次データがslice_start_codeかどうか調べ、一致すれば次のスライスに対する処理を行うためステップS103に戻り、そうでなければ処理を完了する。
【0033】
この結果、変数Naの値が大きく、変数Nbの値も大きい場合は、映像全体が動画であるため、サイドパネルなしと判定する。また、変数Naの値が大きく、変数Nbの値が小さい場合は、領域aが動画であるため、サイドパネルなしと判定する。一方、変数Naの値が小さく、変数Nbの値が大きい場合は、領域aが静止画、領域bが動画であるため、サイドパネル付きと判定する。なお、変数Naの値が小さく、変数Nbの値も小さい場合は、映像全体が静止画であり、どちらとも判定可能であるため、他の方法で検出した結果と合わせて総合的に判断するものとする。
【0034】
(1−b) スキップマクロブロックを利用した静止画像検出
以下、図5から図6を参照して、符号量により特定領域の静止画像を検出する方法について説明する。B、Pピクチャでは、あるマクロブロックが参照画像と完全に一致する場合、スキップマクロブロックとして符号化が省略される場合がある。例えば、静止画の場合、時間軸では映像が変化しないため参照画像と一致することになり、スキップマクロブロックが使用される。本実施の形態においては、そのスキップマクロブロックを利用して静止画像を検出する。この構成により、本実施の形態においては、上述した符号良による静止画像の検出の場合と比較して、スキップマクロブロックの存在を検出するため、より高精度の検出を行うことが可能になるものである。なお、映像デコーダの構成については、上述した構成と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0035】
図5は、図1に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部380aにおけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。図5に示すように、まず、ステップS110において、スキップマクロブロックの数の総和を格納する変数SaおよびSbを0に初期化する。次に、ステップS111において、映像ストリーム中のピクチャヘッダを取得するため、picture_start_codeを見つけるまでストリームを検索する。次にステップS112において、取得したピクチャヘッダに含まれるpicture_coding_typeが2または3、すなわちPピクチャまたはBピクチャであればステップS113のスライス層処理を行い、それ以外、すなわちIピクチャの場合には処理を終了する。
【0036】
ここで、ステップS113のスライス層処理について図6を参照して詳細に説明する。スライス層処理S113においては、まずステップS1130において変数Xをmacroblock_address_increment−1の値を代入することにより初期化し、スライス先頭のマクロブロック水平位置を設定する。次にステップS1131において変数MBAIに次のマクロブロックのmacroblock_address_incrementを代入する。
【0037】
ここで、macroblock_address_incrementは、次のマクロブロックの水平位置との差分量になるため、変数MBAIが1より大きい場合には(MBAI−1)個のスキップマクロブロックが含まれることになる。次にステップS1132において、変数MBAIを1と比較し、1より大きければスキップマクロブロックが含まれているので、ステップS1133aに進み、そうでなければ(MBAI=1の場合)、スキップマクロブロックは含まれていないので、次のマクロブロックの処理に進むため、ステップS1133bにおいて変数Xに1を加算して、ステップS1131に戻る。
【0038】
次に、ステップS1133aにおいて変数X0を0に初期化する。次にステップS1134において、スキップされる現マクロブロックの水平位置がサイドパネル部分(図4の領域a)とそれ以外の部分(図4の領域b)のどちらに入るかを変数Xから判定する。領域aに入っていればステップS1135aに、領域bに入っていればステップS1135bに進む。ステップS1135aにおいては、変数Saに1を加算し、ステップS1135bにおいては、変数Sbに1を加算する。次にステップS1136において、変数Xおよび変数X0にそれぞれ1を加算する。これにより、現マクロブロックの水平位置が1つ右に移動する。次にステップS1137において変数X0と変数MBAIを比較し、変数X0が変数MBAIよりも小さい場合には現マクロブロックもスキップマクロブロックであるので、ステップS1134に戻り、そうでなければ、ステップS1138に進む。
【0039】
次にステップS1138において、ストリーム中の次データがmacroblock_escapeであれば次のマクロブロックに対する処理を行うため、ステップS1131に戻り、そうでなければスライスの終了であるため、スライス層処理S113を終わる。次にステップS114において次データがslice_start_codeかどうか調べ、一致すれば次のスライスに対する処理を行うためステップS113に戻り、そうでなければ処理を完了する。
【0040】
この結果、変数Saの値が小さく、変数Sbの値も小さい場合は、映像全体が動画であるため、サイドパネルなしと判定する。また、変数Saの値が小さく、変数Sbの値が大きい場合は、領域aが動画であるため、サイドパネルなしと判定する。一方、変数Saの値が大きく、変数Sbの値が小さい場合は、領域aが静止画、領域bが動画であるため、サイドパネル付きと判定する。なお、変数Saの値が大きく、変数Sbの値も大きい場合は、映像全体が静止画であり、どちらとも判定可能であるため、他の方法で検出した結果と合わせて総合的に判断するものとする。
【0041】
(1−c) 量子化スケールを利用した静止画像検出
以下、図7から図8を参照して、量子化スケールを利用した静止画像の検出方法について説明する。量子化スケールを利用した方法では、静止画像の場合、映像フレーム間の差分がほとんどないことから、量子化スケールは小さい値になる。これを利用して静止画かどうか判別し、サイドパネル付き映像の検出を行う。この構成により、本願発明においては、量子化スケールの演算量が、マクロブロックに数個程度であるため、最小限の演算量でサイドパネル方式の放送信号であることを検出することが可能になるものである。以下詳細に説明する。なお、映像デコーダの構成については、上述した構成と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0042】
図7は、図1に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部380aにおけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。図7に示すように、まず、ステップS120において、量子化スケール値の総和を格納する変数QSCaおよびQSCbを0に初期化する。次にステップS121において、映像ストリーム中のピクチャヘッダを取得するため、picture_start_codeを見つけるまでストリームを検索する。次にステップS122において、取得したピクチャヘッダに含まれるpicture_coding_typeが2または3、すなわちPピクチャまたはBピクチャであればステップS123のスライス層処理を行い、それ以外、すなわちIピクチャの場合には処理を終了する。
【0043】
次に、図8を参照してスライス層処理S123について説明する。スライス層処理S123においては、まずステップS1230においてマクロブロックの水平方向の座標を示す変数Xを−1に初期化する。次にステップS1231において変数Xに前マクロブロックからの水平方向の差分量を示すmacroblock_address_incrementを加え、変数Xが現マクロブロックの水平座標を示すようにする。次にステップS1232において、現マクロブロックの水平位置がサイドパネル部分(図4の領域a)とそれ以外の部分(図4の領域b)のどちらに入るかを変数Xから判定する。領域aに入っていればステップS1233aに、領域bに入っていればステップS1233bに進む。ステップS1233aにおいては、現マクロブロックの量子化スケール値を変数QSCaに加算し、ステップS1233bにおいては、現マクロブロックの量子化スケール値を変数QSCbに加算する。次にステップS1234において、ストリーム中の次データがmacroblock_escapeであれば次のマクロブロックに対する処理を行うため、ステップS1231に戻り、そうでなければスライスの終了であるため、スライス層処理S123を終わる。
【0044】
次にステップS124において次データがslice_start_codeかどうか調べ、一致すれば次のスライスに対する処理を行うためステップS123に戻り、そうでなければ処理を完了する。
【0045】
この結果、変数QSCaの値が大きく、変数QSCbの値も大きい場合は、映像全体が動画であるため、サイドパネルなしと判定する。また、変数QSCaの値が大きく、変数QSCbの値が小さい場合は、領域aが動画であるため、サイドパネルなしと判定する。一方、変数QSCaの値が小さく、変数QSCbの値が大きい場合は、領域aが静止画、領域bが動画であるため、サイドパネル付きと判定する。なお、変数QSCaの値が小さく、変数QSCbの値も小さい場合は、映像全体が静止画であり、どちらとも判定可能であるため、他の方法で検出した結果と合わせて総合的に判断するものとする。
【0046】
(1−d) DCT係数レベルを利用した静止画像検出
以下、図9から図10を参照して、DCT係数レベルを利用した静止画像の検出方法について説明する。DCT係数レベルを利用した検出方法は、静止画の場合、映像フレーム間の差分がほとんどないことから、DCT係数は小さい値になる。これを利用して静止画かどうか判別し、サイドパネル付き映像の検出を行う。本発明においては、この構成により、各ブロックの差分を確認しているため、精度の高い検出を行うことが可能になるものである。以下詳細に説明する。なお、映像デコーダの構成については、上述した構成と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0047】
図9は、図1に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部380aにおけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。図9に示すように、まず、ステップS130において、DCT係数値の総和を格納する変数DCTaおよびDCTbを0に初期化する。次にステップS131において、映像ストリーム中のピクチャヘッダを取得するため、picture_start_codeを見つけるまでストリームを検索する。次にステップS132において、取得したピクチャヘッダに含まれるpicture_coding_typeが2または3、すなわちPピクチャまたはBピクチャであればステップS133のスライス層処理を行い、それ以外、すなわちIピクチャの場合には処理を終了する。
【0048】
ここで、図10を参照してスライス層処理S133について説明する。スライス層処理S133においては、まずステップS1330においてマクロブロックの水平方向の座標を示す変数Xを−1に初期化する。次にステップS1331において変数Xに前マクロブロックからの水平方向の差分量を示すmacroblock_address_incrementを加え、変数Xが現マクロブロックの水平座標を示すようにする。
【0049】
次に、ステップS1332において、DCT係数の総和を示す変数Cを0に初期化する。次に、ステップS1333において変数CにDCT係数を加算し、これをステップS1334でブロック内の全DCT係数に対して処理を行うよう判定して、S1333を繰り返す。さらに、ステップS1335でマクロブロック内の全ブロックに対して処理を行うよう判定し、S1333およびS1334を繰り返す。
【0050】
次に、ステップS1336において、現マクロブロックの水平位置がサイドパネル部分(図4の領域a)とそれ以外の部分(図4の領域b)のどちらに入るかを変数Xから判定する。領域aに入っていればステップS1337aに、領域bに入っていればステップS1337bに進む。ステップS1337aにおいては、現マクロブロックのDCT係数の総和である変数Cを変数DCTaに加算し、ステップS1337bにおいては、変数Cを変数DCTbに加算する。次にステップS1338において、ストリーム中の次データがmacroblock_escapeであれば次のマクロブロックに対する処理を行うため、ステップS1331に戻り、そうでなければスライスの終了であるため、スライス層処理S133を終わる。次にステップS134において次データがslice_start_codeかどうか調べ、一致すれば次のスライスに対する処理を行うためステップS133に戻り、そうでなければ処理を完了する。
【0051】
この結果、変数DCTaの値が大きく、変数DCTbの値も大きい場合は、映像全体が動画であるため、サイドパネルなしと判定する。また、変数DCTaの値が大きく、変数DCTbの値が小さい場合は、領域aが動画であるため、サイドパネルなしと判定する。一方、変数DCTaの値が小さく、変数DCTbの値が大きい場合は、領域aが静止画、領域bが動画であるため、サイドパネル付きと判定する。なお、変数DCTaの値が小さく、変数DCTbの値も小さい場合は、映像全体が静止画であり、どちらとも判定可能であるため、他の方法で検出した結果と合わせて総合的に判断するものとする。
【0052】
2.デコーダ部でのサイドパネル部分の色調の特徴検出
次に、図11から図12を参照して、サイドパネル部分の色調の特徴を検出することによりサイドパネル部の有無を検出する方法について説明する。サイドパネル部分の色調を検出することによりサイドパネル部の有無を検出する方法においては、サイドパネル部分(図4の領域a)は、中央の画像領域(図4領域b)に対して視覚上邪魔にならないよう、一般的に特定の一色か、これに多少の模様が入ったもの、またはグラデーションのかかったパターンになっている。これらの映像に対しては、隣り合うブロックにおけるDC成分の差分値は小さいため、この特徴を利用してサイドパネルの検出が可能である。本発明においては、この構成により、サイドパネル部分の映像パターンは限られているため、より、精度の高い検出を行うことが可能になるものである。以下詳細に説明する。なお、映像デコーダの構成については、上述した構成と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0053】
図11は、図1に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部380aにおけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。図11に示すように、まず、ステップS140において、隣接ブロックのDC成分の差分の総和を格納する変数DIFaおよびDIFbを0に初期化する。次に、ステップS141において、映像ストリーム中のピクチャヘッダを取得するため、picture_start_codeを見つけるまでストリームを検索する。次に、ステップS142において、取得したピクチャヘッダに含まれるpicture_coding_typeが1、すなわちIピクチャであればステップS143のスライス層処理を行い、それ以外、すなわちBピクチャまたはPピクチャの場合には処理を終了する。
【0054】
ここで、図12を参照してスライス層処理S143について説明する。スライス層処理S143においては、まずステップS1430においてマクロブロックの水平方向の座標を示す変数Xを−1に初期化する。次にステップS1431において変数Xに前マクロブロックからの水平方向の差分量を示すmacroblock_address_incrementを加え、変数Xが現マクロブロックの水平座標を示すようにする。
【0055】
次に、ステップS1432において、前ブロックとのDC成分の差分値であるdct_dc_differentialの絶対値を変数DIFに代入する。次にステップS1433において、現マクロブロックの水平位置がサイドパネル部分(図4の領域a)とそれ以外の部分(図4の領域b)のどちらに入るかを変数Xから判定する。領域aに入っていればステップS1434aに、領域bに入っていればステップS1434bに進む。ステップS1434aにおいては、変数DIFを変数DIFaに加算し、ステップS1434bにおいては、変数DIFを変数DIFbに加算する。
【0056】
次に、ステップS1435でマクロブロック内の全ブロックに対して処理を行うよう判定し、S1432、S1433、S1434aおよびS1434bを繰り返す。次に、ステップS1436において、ストリーム中の次データがmacroblock_escapeであれば次のマクロブロックに対する処理を行うため、ステップS1431に戻り、そうでなければスライスの終了であるため、スライス層処理S143を終わる。次に、ステップS144において、次のデータがslice_start_codeかどうか調べ、一致すれば次のスライスに対する処理を行うためステップS143に戻り、そうでなければ処理を完了する。
【0057】
この結果、変数DIFaの値が大きい場合は、領域aが特定のパターンにはなっていないため、サイドパネルなしと判定する。また、変数DIFaの値が小さく、変数DIFbの値が大きい場合は、領域aが特定のパターンになっており、領域bが通常映像であるため、サイドパネル付きと判定する。なお、変数DIFaの値が小さく、変数DIFbの値も小さい場合は、映像全体が特定のパターンになっており、どちらとも判定可能であるため、他の方法で検出した結果と合わせて総合的に判断するものとする。
【0058】
3.デコーダ部でのサイドパネル境界検出することによる静止画像検出
以下、図13から図15を参照して、サイドパネル部と画像領域との境界を検出することにより、サイドパネル部の有無を判別する方法について説明する。サイドパネル部と画像領域との境界を検出する方法においては、サイドパネル部分(図4の領域a)と中央の映像(図4の領域b)とは垂直に区分けされている。この境界ではイントラブロックのDC成分が大きく変化する。この特徴を利用してサイドパネルの検出が可能である。本発明においては、この構成により、以下詳細に説明する。なお、映像デコーダの構成については上述した構成と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0059】
図13は、図1に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部380aにおけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。図13に示すように、まず、ステップS150において、隣接ブロックのDC成分の差分の総和を格納する配列変数DCDIFの全要素を0に初期化する。ここで水平方向のブロック数をNとしたときに配列変数DCDIFはN−1個の要素を持つ。次に、ステップS151において、映像ストリーム中のピクチャヘッダを取得するため、picture_start_codeを見つけるまでストリームを検索する。次に、ステップS152において、取得したピクチャヘッダに含まれるpicture_coding_typeが1、すなわちIピクチャであればステップS153のスライス層処理を行い、それ以外、すなわちBピクチャまたはPピクチャの場合には処理を終了する。
【0060】
ここで、スライス層処理S153について、図14を参照して詳細に説明する。スライス層処理S153においては、まずステップS1530においてマクロブロックの水平方向の座標を示す変数Xを−1に初期化する。次にステップS1531において、マクロブロック中の上下左右に並んだ4個のブロックのうち、上側のブロックのDC成分の値を格納する変数DCPREV0を128に初期化し、ステップS1532において、同じく下側のブロックのDC成分の値を格納する変数DCPREV1を128に初期化する。
【0061】
次に、ステップS1533において、変数Xに前マクロブロックからの水平方向の差分量を示すmacroblock_address_incrementを加え、変数Xが現マクロブロックの水平座標を示すようにする。
【0062】
次に、ステップS1534において、現マクロブロックに対するマクロブロック層の処理を行う。ここで、図15を参照して、マクロブロック層処理S1534について詳細に説明する。マクロブロック層処理においては、まずステップS1534aにおいて、マクロブロック中の左上のブロックのDC成分の値を変数DCCURに代入する。次にステップS1534bにおいて、変数DCDIF[2X]に変数DCCURと変数DCPREV0との差分の絶対値を加算する。次にステップS1534cにおいて、変数DCPREV0に変数DCCURの値を代入する。
【0063】
次に、ステップS1534dにおいて、マクロブロック中の右上のブロックのDC成分の値を変数DCCURに代入する。次にステップS1534eにおいて、変数DCDIF[2X+1]に変数DCCURと変数DCPREV0との差分の絶対値を加算する。次にステップS1534fにおいて、変数DCPREV0に変数DCCURの値を代入する。
【0064】
次に、ステップS1534gにおいて、マクロブロック中の左下のブロックのDC成分の値を変数DCCURに代入する。次にステップS1534hにおいて、変数DCDIF[2X]に変数DCCURと変数DCPREV1との差分の絶対値を加算する。次にステップS1534iにおいて、変数DCPREV1に変数DCCURの値を代入する。
【0065】
次に、ステップS1534jにおいて、マクロブロック中の右下のブロックのDC成分の値を変数DCCURに代入する。次にステップS1534kにおいて、変数DCDIF[2X+1]に変数DCCURと変数DCPREV1との差分の絶対値を加算する。最後にステップS1534lにおいて、変数DCPREV1に変数DCCURの値を代入し、マクロブロック層の処理を完了する。
【0066】
次に、ステップS1535において、ストリーム中の次データがmacroblock_escapeであれば次のマクロブロックに対する処理を行うため、ステップS1533に戻り、そうでなければスライスの終了であるため、スライス層処理S153を終わる。次にステップS154において次データがslice_start_codeかどうか調べ、一致すれば次のスライスに対する処理を行うためステップS153に戻り、そうでなければ処理を完了する。
【0067】
この結果、配列変数DCDIFについて、領域aとbとの境界付近の水平位置に対する配列要素の値が、他の配列要素の値に比べて大きい場合、境界があると判別でき、サイドパネル付きと判断できる。なお、この実施例では1マクロブロックあたり4個のブロックが含まれる輝度信号に対する処理の場合を示したが、色差フォーマット4:2:0の色差信号の場合などマクロブロックあたりのブロック数が異なる場合についても、一部のステップが不要になるだけで処理手順は同じである。
【0068】
(実施の形態2)
上述した各処理においては、図1に示す映像デコーダ380によるデコード中に得たデータにより、サイドパネルの有無を検出していたが、実施の形態2においては、図16から図22を参照して、フレームメモリに格納された映像デコード後のデータを使ってサイドパネル検出を行う。以下図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0069】
実施の形態2におけるデジタル放送受信機は、図16に示すように、映像デコーダ301、302でデコードされた映像データ、外部アナログ入力からA/D変換部20を経由した入力データ、さらに外部デジタル入力からDVIレシーバー30を経由した入力データは、フレームメモリ400bに格納される。フレームメモリ400bから表示に必要なデータを読み出して、サイドパネル検出部451、452においてサイドパネル検出を行い、その結果に基づいて拡大縮小部501、502で適切な映像サイズに拡大縮小し、多画面合成部600で映像の合成を行って表示する。なお、外部デジタル入力からの一例としてDVIレシーバーについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、デジタル信号を入力することが可能なインターフェースであればよい。このような構成により、実施の形態1と比較した場合、実施の形態1が圧縮された周波数領域でのデータに基づいてサイドパネルの判定を行うのに対して、実施の形態2では非圧縮の空間領域のデータに基づいてサイドパネル判定を行う点が異なっている。この方法では、非圧縮データを扱うため、実施の形態1と比較した場合に、デジタル放送受信機の回路規模は増加するが、放送波のみならず、外部入力を含む映像信号に対して判定が可能であるという特徴を持つ。
【0070】
4.フレームメモリ後の映像処理でサイドパネル部分の静止画検出
以下に、図17から図18を参照して、フレームメモリに格納された映像データにより、サイドパネル部分が静止画像であるか否かを検出することにより、サイドパネルの有無を検出する方法について説明する。
【0071】
図17は、図16に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部451および452におけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。図17に示すように、まず、ステップS200において、映像フレーム間の差分値の総和を格納する変数DFSaおよびDFSbを0に初期化する。次にステップS201において、垂直方向のライン数を数える変数Yを0に初期化する。次にステップS202において、変数Yが画面全体のライン数に達したかどうか判定し、達していなければステップS203に進み、達していれば処理を終了する。
【0072】
その、ステップS203においては、水平方向の画素数を数える変数Xを0に初期化する。次に、ステップS204において、変数Xが画面全体の水平画素数に達したかどうか判定し、達していなければステップS205に進み、達していればステップS207に進む。
【0073】
ここで、ステップS205における画素単位の処理について、図18を参照して詳細に説明を行う。画素単位の処理においては、まずステップS2050において変数A1に現在の映像フレーム中の座標X,Yの位置の値をフレームメモリから読み出して代入する。次にステップS2051において変数A0に1つ前の映像フレーム中の座標X,Yの位置の値をフレームメモリから読み出して代入する。次にステップS2052において変数DFSに変数A1と変数A0の差分の絶対値を代入する。次にステップS2053において、現画素の水平位置がサイドパネル部分(図4の領域a)とそれ以外の部分(図4の領域b)のどちらに入るかを変数Xから判定する。領域aに入っていればステップS2054aに、領域bに入っていればステップS2054bに進む。ステップS2054aにおいては、変数DFSを変数DFSaに加算し、ステップS2054bにおいては、変数DFSを変数DFSbに加算し、画素単位処理を終了する。次に、画素単位処理終了後、ステップS206において、Xの値を1増やしてステップS204に戻る。また、ステップS207においては、Yの値を1増やした後、ステップS202に戻る。
【0074】
この結果、変数DFSaの値が大きく、変数DFSbの値も大きい場合は、映像全体が動画であるため、サイドパネルなしと判定する。また、変数DFSaの値が大きく、変数DFSbの値が小さい場合は、領域aが動画であるため、サイドパネルなしと判定する。一方、変数DFSaの値が小さく、変数DFSbの値が大きい場合は、領域aが静止画、領域bが動画であるため、サイドパネル付きと判定する。なお、変数DFSaの値が小さく、変数DFSbの値も小さい場合は、映像全体が静止画であり、どちらとも判定可能であるため、他の方法で検出した結果と合わせて総合的に判断するものとする。
【0075】
5.フレームメモリ後の映像処理でのサイドパネル部分の色信号の特徴(一定の色調)検出
以下に、図19から図20を参照して、フレームメモリに格納された映像データのサイドパネル部分が一定の色調のパターンであるか否かを検出することにより、サイドパネルの有無を検出する方法について説明する。図19は、図16に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部451および452におけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図19に示すように、まず、ステップS210において、画素間の差分値の総和を格納する変数DFHaおよびDFHbを0に初期化する。次にステップS211において、垂直方向のライン数を数える変数Yを0に初期化する。次にステップS212において、変数Yが画面全体のライン数に達したかどうか判定し、達していなければステップS213に進み、達していれば処理を終了する。
【0077】
次に、ステップS213において、水平方向の画素数を数える変数Xを0に初期化する。さらに、ステップS214において、変数Xが画面全体の水平画素数に達したかどうか判定し、達していなければステップS215に進み、達していればステップS217に進む。画素単位処理ステップS215においては、画素単位の処理を行う。
【0078】
ここで、図20を参照して、画素単位処理ステップS215画素単位の処理について説明する。画素単位処理ステップS215の処理においては、まずステップS2150において変数B1に現在の映像フレーム中の座標X,Yの位置の値をフレームメモリから読み出して代入する。次にステップS2151において変数B0に現在の映像フレーム中の座標X−1,Yの位置の値をフレームメモリから読み出して代入する。
【0079】
次に、ステップS2152において変数DFHに変数B1と変数B0の差分の絶対値を代入する。次に、ステップS2153において、現画素の水平位置がサイドパネル部分(図4の領域a)とそれ以外の部分(図4の領域b)のどちらに入るかを変数Xから判定する。領域aに入っていればステップS2154aに、領域bに入っていればステップS2154bに進む。ステップS2154aにおいては、変数DFHを変数DFHaに加算し、ステップS2154bにおいては、変数DFHを変数DFHbに加算し、画素単位処理を終了する。画素単位処理終了後、ステップS216において、Xの値を1増やしてステップS214に戻る。また、ステップS217においては、Yの値を1増やした後、ステップS212に戻る。
【0080】
この結果、変数DFHaの値が大きい場合は、領域aが特定のパターンにはなっていないため、サイドパネルなしと判定する。また、変数DFHaの値が小さく、変数DFHbの値が大きい場合は、領域aが特定のパターンになっており、領域bが通常映像であるため、サイドパネル付きと判定する。なお、変数DFHaの値が小さく、変数DFHbの値も小さい場合は、映像全体が特定のパターンになっており、どちらとも判定可能であるため、他の方法で検出した結果と合わせて総合的に判断するものとする。
【0081】
なお、本実施例では、隣り合う水平画素の差分により判定を行ったが、垂直方向の差分を元に判定を行ったり、水平垂直両方の差分を元に判定を行っても良い。
【0082】
5.フレームメモリ後の映像処理でサイドパネル境界検出
以下に、図21から図22を参照して、フレームメモリに格納された映像データのサイドパネル部分と画像領域との境界を検出することにより、サイドパネルの有無を検出する方法について説明する。
【0083】
図21は、図16に示すデジタル放送受信機のサイドパネル検出部451および452におけるサイドパネル検出処理を説明するためのフローチャートである。図21に示すように、まず、ステップS220において、画素間の差分値の総和を格納する配列変数DFSUMの各要素を0に初期化する。ここで配列変数DFSUMは、水平画素数をNとしてN個の要素を持っている。次に、ステップS221において、垂直方向のライン数を数える変数Yを0に初期化する。次に、ステップS222において、変数Yが画面全体のライン数に達したかどうか判定し、達していなければステップS223に進み、達していれば処理を終了する。
【0084】
ここで、ステップS223において、水平方向の画素数を数える変数Xを0に初期化する。次に、ステップS224において、変数Xが画面全体の水平画素数に達したかどうか判定し、達していなければステップS225に進み、達していればステップS227に進む。ステップS225においては、画素単位の処理を行う。
【0085】
ここで、画素単位処理ステップS225について、図22を参照して詳細に説明する。画素単位の処理においては、まずステップS2250において変数B1に現在の映像フレーム中の座標X,Yの位置の値をフレームメモリから読み出して代入する。次にステップS2251において変数B0に現在の映像フレーム中の座標X−1,Yの位置の値をフレームメモリから読み出して代入する。
【0086】
次に、ステップS2252において変数DFHに変数B1と変数B0の差分の絶対値を代入する。次に、ステップS2253において、配列変数DFSUMのX番目の要素にDFHを加算し、画素単位処理を終了する。画素単位処理終了後、ステップS226において、Xの値を1増やしてステップS224に戻る。また、ステップS227においては、Yの値を1増やした後、ステップS222に戻る。
【0087】
この結果、配列変数DFSUMについて、領域aとbとの境界付近の水平位置に対する配列要素の値が、他の配列要素の値に比べて大きい場合、境界があると判別でき、サイドパネル付きと判断することが可能になる。
【0088】
(実施の形態3)
上述したように、サイドパネル部分が静止画像により構成されている点に着目してサイドパネルを検出する方法、さらに、サイドパネル部分が単一色またはグラデーションのついた帯、または色調が統一された派手でない模様により構成されている点に着目してサイドパネルを検出する方法、さらに、中央の映像とサイドパネル部分との境界は垂直に区分けされる点に着目してサイドパネルを検出する方法について説明した。
【0089】
しかしながら、例えば、アナログ放送でも同じ番組を4:3のアスペクト比で放送している場合、4:3の放送でも不自然にならないような映像の構成にしているため、16:9の映像を4:3にカットして表示しても情報が著しく欠落するとは限らない。映像からサイドパネルを検出してカットするだけでなく、一定の受信条件を元にサイドパネル部分をカットするかどうかを判断することにより、サイドパネル検出の境界付近における頻繁な画面の切替により見にくくなることを、さけることが可能になる。また、受信条件に応じて、前記サイドパネル検出方法の判断レベルを変更することにより、より安定したサイドパネル検出が可能になる。
【0090】
具体的な受信条件としては、地上波や衛星放送やケーブル放送等の受信した放送の種類、受信した放送の放送局、PSI(Program Specific Informaton)/SI(Service Information)を参照して得た番組ジャンル情報などにより、16:9の映像であっても一律4:3に両サイドをカットして表示したり、上述した実施の形態1及び実施の形態2で示した、サイドパネルの検出方法の判断レベルを変更する。なお、これらの複数の情報を参照して判別することも可能である。
【0091】
以下、図23を参照して、一定の条件に基づいてサイドパネル部分を削除して表示するか否かを判別する方法について説明する。なお、デジタル放送受信機の構成については上述した構成と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0092】
図23に示すように、ステップS230において、映像デコーダ301において、最初にPAT(Program Association Table)を取得し、ステップS231において、取得したPAT(Program Association Table)によりPMT(Program Map Table)のPID(Packet Identifier)を指定する。次に、ステップS232において、指定されたPMT(Program Map Table)により各ES〈Elementary Stream〉のPIDを取得することにより、音声ストリームや映像ストリームをデコード(復号)する。ここで、ステップS233において、NIT(Network Information Table)、EIT(EventInformation Table)、SDT(Service Description Table)を参照して番組の情報を取得する。NITのパケットには、変調周波数など伝送路の情報と放送番組を関連付ける情報が伝送されており、また、EITのパケットには、番組の名称、放送日時、内容の説明などの番組に関する情報が伝送されており、また、SDTのパケットには、編成チャンネルの名称、放送事業者の名称などの編成チャンネルに関する情報が伝送されている。
【0093】
次に、ステップS234において、S233により取得したNIT、EIT、SDTの内容に基づいて、サイドパネル部分を削除するか否かを判別する。ここで、サイドパネル部分を削除するか否かは、例えば、ある放送局aには、サイドパネル方式による放送番組が多く、一方、別の放送局bにはサイドパネル方式による放送番組が少ない場合には、上述したNITのパケットを参照して、放送局aの場合にはサイドパネルを削除する一方(ステップS234)、放送局bの場合にはサイドパネルを削除することなく、拡大縮小処理部501及び拡大縮小処理部502において各番組の映像信号の拡大縮小の処理を行うとともに、それらの複数の画面を多画面合成部600により合成し、映像表示部700に表示して処理を終了する。
【0094】
なお、この処理においては、放送波の内容や伝送経路に基づいて一律にサイドパネルを削除するか否かを判別する構成としたが、実施の形態1又は2で示した本発明の際のサイドパネルの検出方法の判断レベルを変更することも可能である。例えば、図3に示すブロック層の符号量を取得した場合において、Na及びNbの値に基づいて、サイドパネル領域において静止画像と判別する基準を変更することも可能である。
【0095】
このような処理により、地上波や衛星放送やケーブル放送等の受信した放送の種類、受信した放送の放送局、PSI(Program Specific Informaton)/SI(Service Information)を参照して得た番組ジャンル情報などにより、16:9の映像であっても一律4:3に両サイドをカットして表示したり、上述した実施の形態1及び実施の形態2で示した、サイドパネルの検出方法の判断レベルを変更することが可能になる。
【0096】
なお、本実施の形態における処理は、上述した実施の形態1から2処理と組み合わせてサイドパネルの処理を行うことも可能である。
【0097】
さらに、ユーザーの指示で表示方法を変更した場合も含め、過去の判断結果を記憶しておき、同じ番組を視聴する場合にその設定で表示する。ユーザーの指示を判断に加えることができるため、より安定した判断が可能になる。また、番組の開始タイミングから切替が可能になる
さらに、放送局毎に実施の形態1又は2のサイドパネル部の特徴量を記憶しておき、受信中の映像のサイドパネル部の特徴量が記憶しているものと一致すれば、サイドパネル切り出しを行う。これにより、判断を誤る確率を減らすことができる。
【0098】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について、図24から図31を参照して、説明する。上述した実施の形態1から3においては、サイドパネル部分を検出した場合に、番組の内容を表示する画像領域を拡大するために、サイドパネル部分を削除することにより、サイドパネル部分を表示することなく、画像領域を拡大して表示することが可能になるデジタル放送受信機について説明した。しかしながら、図24に示すように、サイドパネル付きの映像のサイドパネル部分に、放送局のロゴマーク、時刻などが表示されている場合がある。これを二画面表示などの際に図25のようにカットして表示してしまうと、これらの情報が欠けてしまうという問題がある。
【0099】
そこで、本発明の実施の形態4においては、サイドパネル部分に有用なデータが組み込まれている場合には、例えば、二画面表示の際、図26に示すようにカットしたサイドパネル部分の一方を反対側に表示すれば、少なくともサイドパネルの上半分は表示することができ、通常右上、または左上に表示される前記ロゴマーク、時刻表示などは隠れず表示可能である。以下詳細に説明する。
【0100】
まず、第1の方法としては、サイドパネル付の映像信号を2領域に分割して処理することにより実現する方法が考えられる。第1の方法においては、図27に示すように、本実施の形態4のデジタル放送受信機は、上述した実施の形態1から3の構成に加えて、拡大縮小回路503を追加している。この拡大縮小回路503は、フレームメモリ400bから画面の表示位置を移動させるサイドパネル部分のデータを読み出して多画面合成回路600aに出力するようにする。具体的には、図28に示す領域b1に対する拡大縮小処理を拡大縮小回路501で行い、領域a1に対する拡大縮小処理を拡大縮小回路503で行い、多画面合成回路600aに対して領域a1を領域b1の右側に表示するように設定することにより、図26のような映像表示が可能となる。
【0101】
次に、第2の方法としては、読み出しアドレス回路を使用して処理することにより実現する方法が考えられる。第2の方法においては、図29のように、映像の各画素の座標(wx, wy)に対して、フレームメモリへの書き込みアドレスをWADRとした場合に、
WADR = BASE + (wy・W) + wx
の関係で書き込まれるとする。このとき、フレームメモリからの読み出しアドレスRADRについて、図30のように、画面の幅をL、切り出して反対側に表示する領域の幅をPとして、画面の表示座標(rx, ry)に対して
RADR = BASE + (ry・W) + rx + P (rx + P < Lのとき)
RADR = BASE + (ry・W) + rx + P − L (rx + P ≧ Lのとき)
という式にしたがって計算されるような回路を設けることにより、図26のような画面表示が実現できる。この場合、第1の方法と比較して、表示の自由度は減るもののアドレス生成回路の追加だけで実現できる。
【0102】
さらに、第3の方法としては、アドレスマップを利用して処理することにより実現する方法が考えられる。図31のように、映像の各画素の座標(wx, wy)に対して、フレームメモリへの書き込みアドレスをWADR、画面の幅をLとした場合に、
WADR = BASE + (wy・L) + wx
の関係で書き込まれ、wxがLよりも大きな値となったときに、折り返って次のラインの左端にアクセスするようなアドレスマップとする。このとき、フレームメモリからの読み出しアドレスRADRについて、切り出して反対側に表示する領域の幅をPとして、画面の表示座標(rx, ry)に対して
RADR = BASE + (ry・L) + rx + P
という式にしたがって計算されるような回路を設けることにより、図26のような画面表示が実現できる。
【0103】
実際には、右側の映像は1ラインずれて表示されてしまうが、一般的にこの程度のずれは視覚上問題とならない場合が多く、もっとも簡単な構成で実現できる。
【0104】
以上の処理により、サイドパネル付きの映像のサイドパネル部分に、放送局のロゴマーク、時刻などが表示されている映像を二画面表示する際に、サイドパネル部分のデータを削除することなく、二画面表示の際の無信号期間を利用して、サイドパネル部分のデータを適切に表示することが可能になるものである。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のデジタル放送受信機は、サイドパネル方式の放送信号を検出し、適切に画像部分を表示処理を行い、画面の利用効率の低下を防止するデジタル放送受信機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施の形態1における映像デコーダのブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1における表示領域を説明する図
【図5】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図6】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図7】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図10】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図11】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図12】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図13】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図14】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図15】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図16】本発明の実施の形態2におけるデジタル放送受信機のブロック図
【図17】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図18】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図19】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図20】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図21】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図22】本発明の実施の形態2におけるフローチャート
【図23】本発明の実施の形態3におけるフローチャート
【図24】本発明の実施の形態4における画面表示を説明する図
【図25】本発明の実施の形態4における画面表示を説明する図
【図26】本発明の実施の形態4における画面表示を説明する図
【図27】本発明の実施の形態4におけるデジタル放送受信機のブロック図
【図28】本発明の実施の形態4における表示領域を説明する図
【図29】本発明の実施の形態4における画面表示を説明する図
【図30】本発明の実施の形態4における画面表示を説明する図
【図31】本発明の実施の形態4における画面表示を説明する図
【図32】従来のデジタル放送受信機のブロック図
【図33】サイドパネル方式及びレターボックス方式の表示画面を説明する図
【図34】従来の映像デコーダのブロック図
【符号の説明】
【0107】
10 アンテナ
50 リモコン
60 リモコン受信部
101 フロントエンド
102 フロントエンド
201 トランスポートデコーダ
202 トランスポートデコーダ
301 映像デコーダ
302 映像デコーダ
400 フレームメモリ
501 拡大縮小処理部
502 拡大縮小処理部
600 多画面合成部
700 映像表示部
900 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のアスペクト比の映像を扱う放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、前記放送信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した放送信号中の映像信号をデコードする映像デコーダと、前記映像デコーダによりデコードされた映像信号を格納するフレームメモリと、前記フレームメモリに格納される映像信号が本来の映像のアスペクト比と異なるアスペクト比で送出するために付加的な画像が追加された映像であるか否かを判別する判別手段と、前記フレームメモリに格納された映像信号を出力する出力手段とを備え、前記判別手段により、前記映像デコーダによりデコードする際に、前記映像信号中の特定領域の静止画像を検出することにより前記放送信号の付加的な画像の有無を判別し、前記放送信号の付加的な画像がある場合には、前記出力手段により、前記放送信号に含まれる特定領域の信号を削除した映像信号を出力することを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項2】
前記デジタル放送受信機は、前記映像信号中の前記画像領域及び特定領域の符号量を検出し、前記画像領域よりも前記特定領域の符号量が小さい場合には前記特定領域が静止画であると判別することにより、前記放送信号がアスペクト比変換なされていることを識別することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信機。
【請求項3】
前記デジタル放送受信機は、前記映像信号中の前記画像領域及び特定領域のスキップマクロブロックの有無を検出し、前記画像領域よりも前記特定領域のスキップマクロブロックが多い場合には前記特定領域が静止画であると判別することにより、前記放送信号がアスペクト比変換なされていることを識別することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信機。
【請求項4】
前記デジタル放送受信機は、前記映像信号中の前記特定領域の量子化スケールを検出し、前記量子化スケールの値が所定の値よりも小さい場合には、前記特定領域が静止画であると判別することにより、前記放送信号がアスペクト比変換なされていることを識別することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信機。
【請求項5】
前記デジタル放送受信機は、前記映像信号中の前記特定領域のDCT係数を検出し、前記DCT係数の値が所定の値よりも小さい場合には、前記特定領域が静止画であると判別することにより、前記放送信号がアスペクト比変換なされていることを識別することを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信機。
【請求項6】
アスペクト比変換がなされた放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、前記放送信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した放送信号中の映像信号をデコードする映像デコーダと、前記映像デコーダによりデコードされた映像信号を格納するフレームメモリと、前記フレームメモリに格納される映像信号がアスペクト比変換されているか否かを判別する判別手段と、前記フレームメモリに格納された映像信号を出力する出力手段とを備え、前記判別手段により、前記放送信号に含まれる画像領域と特定領域の境界領域の各ブロックのDC成分の差分を算出して、前記放送信号のアスペクト比変換の有無を検出し、前記放送信号のアスペクト比変換がなされている場合には、前記出力手段により、前記放送信号に含まれる特定領域の信号を削除した映像信号を出力することを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項7】
デジタル放送受信機は、前記画像領域と前記特定領域との境界領域のDC成分の差分が、前記画像領域よりも大きい場合には、前記放送信号はアスペクト比変換がなされていると判別することを特徴とする請求項6記載のデジタル放送受信機。
【請求項8】
アスペクト比変換がなされた放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、前記放送信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した放送信号中の映像信号をデコードする映像デコーダと、前記映像デコーダによりデコードされた映像信号を格納するフレームメモリと、前記フレームメモリに格納される映像信号がアスペクト比変換されているか否かを判別する判別手段と、前記フレームメモリに格納された映像信号を出力する出力手段とを備え、前記判別手段により、前記放送信号に含まれる特定領域の色調が所定のパターンであるか否かにより前記放送信号のアスペクト比変換の有無を検出し、前記放送信号のアスペクト比変換がなされている場合には、前記出力手段により、前記放送信号に含まれる特定領域の信号を削除した映像信号を出力することを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項9】
アスペクト比変換がなされた放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、前記放送信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した放送信号中の映像信号をデコードする映像デコーダと、前記映像デコーダによりデコードされた映像信号を格納するフレームメモリと、前記フレームメモリに格納される映像信号がアスペクト比変換されているか否かを判別する判別手段と、前記フレームメモリに格納された映像信号を出力する出力手段とを備え、前記判別手段により、前記フレームメモリに格納された映像信号のフレーム間の差分量により前記放送信号のアスペクト比変換の有無を検出し、前記放送信号のアスペクト比変換がなされている場合には、前記出力手段により、前記放送信号に含まれる特定領域の信号を削除した映像信号を出力することを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項10】
前記デジタル放送受信機は、前記映像信号中の前記画像領域及び特定領域のフレーム間の差分量を検出し、前記画像領域の差分量が大きく、前記特定領域の差分量が小さい場合には前記放送信号はアスペクト比変換された放送信号であると判別することを特徴とする請求項9記載のデジタル放送受信機。
【請求項11】
前記デジタル放送受信機は、前記特定領域に画像以外の情報が含まれている場合には、前記出力手段により前記放送信号に含まれる特定領域の信号を削除することなく出力することを特徴とする請求項1から10いずれか記載のデジタル放送受信機。
【請求項12】
アスペクト比変換がなされた放送信号を受信可能なデジタル放送受信機であって、複数の放送信号を受信可能な受信手段と、前記受信手段により受信した複数の放送信号の映像信号をデコードする映像デコーダと、前記映像デコーダによりデコードされた映像信号を格納するフレームメモリと、前記フレームメモリに格納される映像信号がアスペクト比変換されているか否かを判別する判別手段と、前記フレームメモリに格納された映像信号を拡大又は縮小する処理を行う処理手段と、前記処理手段により拡大又は縮小した複数の映像信号を出力する出力手段とを備え、前記判別手段により、アスペクト比変換がなされていると判別し、且つ、前記映像信号に含まれる特定領域に情報が含まれている場合には、前記処理手段により、少なくとも一つの映像信号を縮小し、前記特定領域の情報の信号を削除することなく、画面中の前記複数の放送信号の画像領域以外の領域に出力することを特徴とするデジタル放送受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−339737(P2006−339737A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158703(P2005−158703)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】