説明

デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法

【課題】デジタル放送番組の三桁番号による選局をなるべく簡単にすること。
【解決手段】三桁番号入力選局モードに設定され(S310“YES”)、数字の入力があると(S320“YES”)、入力された数字をもとに選局対象サービスを検索し(S330)、検出できた場合(S340“YES”)、イベント共有情報を参照してイベント共有情報が同一の選局対象サービスが複数あるか否かを判断し(S350)、複数ある場合(S350“YES”)、イベント共有情報が同一の選局対象サービスを1つにする(S360)。次に選局対象サービスを1つに特定できるか否かを判断し(S370)、1つに特定できない場合(S370“NO”)、S320の処理に戻り、さらに次の数字の入力を待つ一方、選局対象サービスを1つに特定できた場合(S370“YES”)、その一つに特定された選局対象サービスを選局する(S380)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三桁番号の入力によりデジタル放送番組を選局し受信するデジタル放送受信装置およびデジタル放送受信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル放送受信機における選局方法として、視聴中サービスの前後のサービスを選局するアップダウン選局、リモコンボタンにあらかじめ割り当てられたサービスを選局するワンタッチボタン選局があり、デジタル放送のような多数のサービスの中から不特定の一つのサービスを選局することができる方法として、サービスの三桁番号を入力し選局を行なう三桁番号入力選局があった。本装置では、三桁番号入力の際、三桁番号入力途中に選局対象を候補としてユーザに提示し、ユーザ操作によって選択させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−94889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の三桁番号入力選局においても、提供されるすべてのサービスの中から所望のサービスにダイレクトに選局することが可能となっているが、三桁番号をすべて入力する必要があるため、その他の選局方法に比べユーザが多くの操作を行なわなくてはならない、という問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、デジタル放送番組の三桁番号による選局をなるべく簡単にすることができるデジタル放送受信装置およびデジタル放送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のデジタル放送受信装置では、三桁番号の入力によりデジタル放送番組を選局し受信するデジタル放送受信装置であって、前記デジタル放送番組の三桁番号を入力する入力手段と、前記入力手段によって三桁番号が入力された場合、前記デジタル放送番組間の番組共有情報を参照して前記デジタル放送番組を選局する選局手段と、を有するものである。
【0006】
ここで、例えば、前記番組共有情報は、前記デジタル放送番組と共に放送されるSI(Service Information)情報に含まれるEIT(Event Information Table)情報のイベント共有情報である。
【0007】
また、本発明のデジタル放送受信方法では、三桁番号の入力によりデジタル放送番組を選局し受信する際のデジタル放送受信方法であって、前記デジタル放送番組の三桁番号を入力するステップと、前記入力手段によって三桁番号が入力された場合、前記デジタル放送番組間の番組共有情報を参照して前記デジタル放送番組を選局するステップと、を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のデジタル放送受信装置およびデジタル放送受信方法によれば、デジタル放送番組の三桁番号を入力した場合、番組案内データに含まれるデジタル放送番組間の番組共有情報を参照してデジタル放送番組を選局するので、三桁番号入力途中であっても選局対象のサービスが一つに特定でき、従来の三桁番号入力選局よりも少ない操作で選局を完了することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
次に、本発明の実施の形態1を説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、このデジタル放送受信装置は、デジタル放送番組の番組データや番組案内データを受信する受信部11と、デジタル放送の番組を選局する選局手段としての選局部12と、ユーザから三桁番号入力選局モードの設定から三桁番号入力選局によるチャンネル選局指令や音量調整指令等の各種操作指令を受け付ける入力受付け部13と、受信部11が受信したデジタル放送で送出されている番組案内データとしてのるEIT(Event Information Table)などのSI(Service Information)情報を蓄積するSI情報蓄積部14と、ユーザ等が三桁番号入力選局モードの設定や三桁番号入力選局によるチャンネル選局指令や音量調整指令等の各種操作指令を送信する入力手段としてのリモコン15とを有している。
【0012】
図2は、このデジタル放送受信装置が受信するSI(Service Information)情報の一例を示している。
【0013】
SI(Service Information)情報21は、放送電波内で映像や音声とは別に、sectionという形でデジタル放送番組に挿入されている。SI情報21は、受信部11、選局部12を経て抽出されデジタルデータとしてSI情報蓄積部14に入力され蓄積される。SI情報21には、番組毎に電子番組案内表の元となるEIT(Event Information Table)が含まれており、EIT(Event Information Table)は、イベント名(番組名)やイベント内容(番組内容)などイベント(番組)に関する情報が記載されている。そして、EITには、他サービス(チャンネル)と同一内容の番組を放送するサービスを指定する番組共有情報であるイベント共有情報もここに含まれ、これはevent_group_descriptorに記載されている。
【0014】
event_group_descriptorには、イベント共有情報以外の情報も記載されるが、group_typeにより区別される。つまり、group_typeに1が記載された場合にイベント共有情報であると判断できる。group_typeが1の場合は、イベント共有先のservice_idと、イベント共有先のevent_idがあわせて記載される。
【0015】
次に、本実施の形態1の動作を説明する。
【0016】
図3は、本実施の形態1のデジタル放送受信装置における三桁番号による番組選局手順を示すフローチャートである。
【0017】
まず、選局部12では、入力受付け部13を介してリモコン15よりユーザからの選局指令を受け付けており、リモコン15から選局指令を受けると、その選局指令がリモコン15上に設けられた三桁番号入力選局モード選択キー等の押下による三桁番号入力選局モードの指令であるか否かを判断する(S310“YES”)。ここで、三桁番号入力選局モードでなければ(S310“NO”)、他の選局モード、例えば、放送チャンネル(サービス)番号の直接入力モードにより、放送チャンネルの選局を行い(S315)、選局処理を終了する。
【0018】
これに対し、三桁番号入力選局モードである場合には(S310“YES”)、選局部12は、ユーザ操作によりリモコンなどから三桁番号の数字キー(0-9)の入力が行なわれるのを待ち、入力受付け部13を介し数字キーの入力を1桁ずつ受け付ける(S320)。
【0019】
そして、数字キー1桁の入力があると、選局部12は、1桁毎に入力された数字をもとに、選局対象となるサービス(チャンネル)を検索し(S330)、選局対象サービスが検出されたか否かを判定する(S340)。ここで、選局部12は、選局対象となるサービスを検索するステップ330の処理では、入力された数字を蓄積しておき、順に3桁目,2桁目,1桁目として認識し、この情報をもとに選局対象となるサービスを検索する。なお、3桁番号入力のサービス(チャンネル)は、例外的に4桁以上の場合もあるが、基本的には3桁で一意に識別できるため、基本的には3回以上繰り返すことはない。
【0020】
図4は、サービス一覧から一致するサービスを検索した状態の一例を示した図である。
【0021】
図4において、410は3桁番号入力の全サービスの一覧を示しており、例えば、3桁番号として、“111、112、121、122、123、201、211、333、…”の番組があるものとする。
【0022】
ここで、ユーザにより最初の桁として“2”が入力された場合、三桁目が“2”で始まるサービスの検索を行い、選局部12は、検索結果として“201”、“211”の選局可能サービス420を得る。
【0023】
三桁目に”2”が入力された状態で、二桁目に”1”が入力された場合は、三桁目が“2”、二桁目が“1”で始まるサービスの検索を行い、検索結果として“211”の選局可能サービス430を得ることになる。もし、入力途中において選局対象となるセービスがなくなった場合は、メッセージ等を表示することによって、ユーザに選局対象となるサービスがなくなった事を通知することが可能である。
【0024】
図3に戻り、選局対象サービスが検出されない場合(S340“NO”)、選局部12は、ステップS320の処理に戻り、ユーザ操作による次の数字キーの入力を受け付ける。
【0025】
これに対し、選局対象サービスが検出された場合(S340“YES”)、選局部12は、SI情報蓄積部15に蓄積されたSI情報中のEIT情報に記載されているイベント共有情報を参照して、検出した選局対象サービスの中に、同一のイベントを共有した選局対象サービスが複数あるか否かを判断する(S350)。
【0026】
そして、同一のイベントを共有した選局対象サービスが複数ある場合(S350“YES”)、選局部12は、イベント共有情報が同一の選局対象サービスを1つにまとめる処理を行う(S360)。選局対象サービスを1つにまとめる処理とは、例えば、図4に示すように、ユーザが“12”まで入力したところで、選局部12により、同一のイベントを共有した選局対象サービスとして“121”、“122”、“123”の3つがある場合、例えば、一番、番号の小さい“121”にまとめたりする。勿論、“122”にまとめたり、重複しない新規なサービス“129”」等にまとめるようにしても勿論よい。
【0027】
なお、同一のイベントを共有した選局対象サービスが複数ない場合(S350“NO”)、選局部12は、S360のイベント共有情報が同一の選局対象サービスを1つにまとめる処理は、行わない。
【0028】
次に、イベント共有情報が同一の選局対象サービスを1つにまとめるステップ360の処理について説明する。
【0029】
図5は、イベントが共有されている場合のサービスと放送イベントとの一例を示す図である。
【0030】
図5は、三桁番号の111、112のサービス(チャンネル)は、それぞれ、放送イベントのイベントA、イベントBが対応しており、三桁番号の121、122、123のサービス(チャンネル)は、放送イベントのイベントCを共有、すなわち同じ放送番組に対応しているものとし、イベント共有情報により共通のイベントを共有している。
【0031】
図5において、選局可能サービス510は、三桁目に“1”が入力された状態であり、三桁目が“1”で始まるサービスの検索がおこなわれた結果として、5つのサービスが選局対象となっている。
【0032】
しかし、サービス121,122,123がSI情報のEIT情報によりイベント共有によって同一のイベントを放送しているため、実際は、イベント(番組)はA、B、Cの3種類のみである。
【0033】
このため、本実施の形態では、図2に示すように、SI情報の一つであるEITに記載されているevent_group_descriptor内の、group_typeと、service_id、event_idのイベント共有情報をもとに、イベントの共有を検出し、同一のイベント(番組)を放送しているサービスの重複を取り除く処理を行なう。
【0034】
その結果、本実施の形態によれば、選局対象となるサービスは、選局可能サービス520のように3つのサービスにまとめることができる。なお、同一放送のイベント共有を行なっている複数のサービスから、一つのサービスを選択する方法はイベント共有先を優先する、サービス番号の小さいものを優先する、などが考えられる。
【0035】
そして、選局部12は、選局対象サービスが1つに特定できたか否かを判断し(S370)、選局対象サービスが放送イベント1つに特定されない場合(S370“NO”)、ステップS320の処理に戻り、ユーザ操作による数字の入力を受け付けに戻る一方、選局対象サービスが放送イベント1つに特定された場合(S370“YES”)、その1つに特定された選局対象サービスを選局する(S380)。
【0036】
これにより、例えば、ユーザが“12”まで入力したところで、図5の選局可能サービス510に示すように、選局部12により、同一のイベントを共有した選局対象サービスとして“121”、“122”、“123”の3つある場合でも、ステップ370の処理により、例えば図5の選局可能サービス520に示すように一番番号の小さい“121”にまとめられるので、ユーザが“12”まで入力したところで、“121”のサービス(チャンネル)により、放送イベントCを選局することが可能となる。
【0037】
このように、本実施の形態1によれば、ユーザが多数の不特定なサービスの中から一つのサービスを選局しようとする際に、三桁番号入力途中であっても、EIT情報に記載されているイベント共有情報を参照することにより、イベント(番組)が同一である複数の選局対象サービスを一つにまとめるようにしたので、従来の三桁番号入力選局よりも少ない操作で選局を完了することができる。
【0038】
なお、上記実施の形態では、イベント(番組)の選局時にEIT情報に記載されているイベント共有情報を参照することにより、イベント(番組)が同一である複数の選局対象サービスを一つにまとめるようにしたが、本発明では、これに限らず、EPG(電子番組表)などの各番組案内サービス情報を提示する場面のように、ユーザに複数のサービスから特定のサービスを選択してもらう場面において、イベント共有情報を参照することにより、イベント(番組)が同一である複数の選局対象サービスを一つにまとめるようにしても勿論よい。
【0039】
また、上記実施の形態では、図3に示すように、ステップ340の判断にて選局対象サービスが検出された場合(S340“YES”)、続いてステップS350によりSI情報蓄積部15を参照して、検出した選局対象サービスの中に、同一のイベントを共有した選局対象サービスが複数あるか否かを判断するように説明したが、本発明では、これに限らず、例えば、図6に示すように、ステップ340の判断にて選局対象サービスが検出された場合(S340“YES”)、続いて選局対象サービスが1つに特定できたか否かを判断し(S345)、選局対象サービスが放送イベント1つに特定されない場合(S345“NO”)、ステップS350によりSI情報蓄積部15を参照して、検出した選局対象サービスの中に、同一のイベントを共有した選局対象サービスが複数あるか否かを判断する一方、選局対象サービスが放送イベント1つに特定された場合(S345“YES”)、ステップ350〜370の処理をスキップしてステップS380の1つに特定された選局対象サービスを選局する処理を行うようにしても勿論よい。
【0040】
また、本実施の形態では、番組共有情報の一例として、デジタル放送番組と共に放送されるSI(Service Information)情報に含まれるEIT(Event Information Table)情報のイベント共有情報により説明したが、本発明では、これに限らず、番組共有情報がインターネット等により供給されるようにしても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】EIT(Event Information Table)情報の構造の一例を示す図である。
【図3】実施の形態1のデジタル放送受信装置における三桁番号による番組選局手順を示すフローチャートである。
【図4】サービス一覧から一致するサービスを検索した状態の一例を示した図である。
【図5】イベントが共有されている場合のサービスと放送イベントとの一例を示す図である。
【図6】実施の形態1のデジタル放送受信装置における他の三桁番号による番組選局手
【符号の説明】
【0042】
11 受信部
12 選局部
13 入力受付け部
14 SI情報蓄積部
15 リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三桁番号の入力によりデジタル放送番組を選局し受信するデジタル放送受信装置であって、
前記デジタル放送番組の三桁番号を入力する入力手段と、
前記入力手段によって三桁番号が入力された場合、前記デジタル放送番組間の番組共有情報を参照して前記デジタル放送番組を選局する選局手段と、
を有するデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記番組共有情報は、前記デジタル放送番組と共に放送されるSI(Service Information)情報に含まれるEIT(Event Information Table)情報のイベント共有情報である、ことを特徴とする請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
三桁番号の入力によりデジタル放送番組を選局し受信する際のデジタル放送受信方法であって、
前記デジタル放送番組の三桁番号を入力するステップと、
前記入力手段によって三桁番号が入力された場合、前記デジタル放送番組間の番組共有情報を参照して前記デジタル放送番組を選局するステップと、
を有するデジタル放送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−35030(P2008−35030A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204346(P2006−204346)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】