説明

デジタル放送受信装置

【課題】アナログテレビ用リモコンを用いて所望のデジタル放送を視聴可能としつつ、ユーザの利便性を高めることができるようにする。
【解決手段】デジタル放送受信装置20は、外部入力端子とテレビ側リモコン受信部とを有するアナログテレビ30と共に使用されるものであって、デジタル放送波をアナログ映像・音声信号に変換して該アナログ映像・音声信号を外部入力端子に出力するチューナ本体200と、アナログテレビ30に取り付け可能であり、アナログテレビ用リモコン40から送信されるリモコン信号を遮るように構成された遮断ユニット250と、を備え、遮断ユニット250は、アナログテレビ用リモコン40からのリモコン信号を受信して該リモコン信号に対応する受信リモコン信号をチューナ本体200に出力し、チューナ本体200は、該受信リモコン信号に応じて、デジタル放送波に対する選局を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送波を受信するデジタル放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的にテレビ放送がアナログからデジタルに移行しつつある。従来のアナログテレビを利用してデジタル放送を視聴するには、別途デジタル放送受信装置を入手して、アナログテレビに接続する必要がある。
【0003】
この場合、アナログテレビはアナログテレビ用のリモコンで操作し、デジタル放送受信装置はデジタル放送受信装置用のリモコンで操作する必要があり、二つのリモコンを使い分ける必要があり煩わしい。
【0004】
デジタル放送受信装置のリモコンにアナログテレビの操作機能を付加する技術も存在するが、該技術では、使い慣れたアナログテレビ用リモコンのみを使い続けてデジタル放送も視聴したいというユーザの要望に応えることができない。
【0005】
このような要望に応えるために、アナログテレビ用のリモコンから送出されるリモコン信号に基づいて選局(tuning)を行い、アンテナからのデジタル放送波を、アナログテレビで受信できるアナログ放送波に変換してアナログテレビのアンテナ入力端子に出力するデジタル放送受信装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に記載の技術では、アナログテレビは、デジタル放送受信装置と共にリモコン信号を受信し、該リモコン信号に基づいて、アンテナ入力端子に入力されるアナログ放送波に対する選局を行って、映像及び音声を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−54153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、デジタル放送受信装置及びアナログテレビの何れか一方がリモコン信号を同時に受信できない場合、デジタル放送受信装置及びアナログテレビのそれぞれの選局状態に不一致が生じる。すなわち、デジタル放送受信装置が出力するアナログ放送波のチャンネル(周波数)と、アナログテレビが受信しようとするチャンネル(周波数)とに不一致が生じる。その結果、ユーザは所望のデジタル放送を試聴できない。
【0009】
このように、特許文献1に記載の技術は、アナログテレビ用のリモコンからのリモコン信号を、デジタル放送受信装置及びアナログテレビが共に受信する必要があるが、設置環境及び使用環境によっては、これら両装置が該リモコン信号を受信することは難しい。従って、特許文献1に記載のデジタル放送受信装置は、デジタル放送受信装置及びアナログテレビの設置環境及び使用環境が制限され、ユーザの利便性が低いという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、アナログテレビ用リモコンを用いて所望のデジタル放送を視聴可能としつつ、ユーザの利便性を高めることができるデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明に係るデジタル放送受信装置の特徴は、外部入力端子(映像信号入力端子30b、音声信号入力端子30c)とテレビ側リモコン受信部(テレビ側リモコン受信部301)とを有するアナログテレビ(アナログテレビ30)と共に使用されるデジタル放送受信装置(デジタル放送受信装置20)であって、アンテナ(アンテナ10)からのデジタル放送波が入力され、該デジタル放送波をアナログ映像・音声信号に変換して該アナログ映像・音声信号を前記外部入力端子に出力するチューナ本体(チューナ本体200)と、前記アナログテレビに取り付け可能であり、前記アナログテレビ用のリモコン(アナログテレビ用リモコン40)から前記テレビ側リモコン受信部に送信されるリモコン信号を遮るように構成された遮断ユニット(遮断ユニット250)と、を備え、前記遮断ユニットは、前記アナログテレビ用のリモコンからのリモコン信号を受信して該リモコン信号に対応する受信リモコン信号を前記チューナ本体に出力するユニット側リモコン受信部(ユニット側リモコン受信部251)を含み、前記チューナ本体は、前記ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号に応じて、前記デジタル放送波に対する選局を行うことを要旨とする。
【0012】
このような特徴によれば、テレビ側リモコン受信部に入力されるリモコン信号を遮断ユニットが遮る一方、該リモコン信号をユニット側リモコン受信部が受信し、チューナ本体は、ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号に応じてデジタル放送波に対する選局を行う。そして、チューナ本体は、デジタル放送波をアナログ映像・音声信号に変換してアナログテレビの外部入力端子に出力する。このように、上記特徴に係るデジタル放送受信装置によれば、ユニット側リモコン受信部がリモコン信号を受信できれば、ユーザは所望のデジタル放送を試聴可能であり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0013】
また、ユニット側リモコン受信部はアナログテレビに取り付け可能であるため、ユーザはアナログテレビに向けてリモコン操作を行うことができるため、従来と同様の操作感を実現でき、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0014】
以上より、上記特徴に係るデジタル放送受信装置は、アナログテレビ用リモコンを用いて所望のデジタル放送を視聴可能としつつ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0015】
本発明に係るデジタル放送受信装置の他の特徴は、上記特徴に係るデジタル放送受信装置において、前記チューナ本体は、前記ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号に応じて、前記アナログテレビに対して選局以外の所定の操作を行うための制御信号を出力し、前記遮断ユニットは、前記チューナ本体からの制御信号が入力され、該制御信号に対応するリモコン信号を前記テレビ側リモコン受信部に送信するユニット側リモコン送信部(ユニット側リモコン送信部252)をさらに含むことを要旨とする。
【0016】
このような特徴によれば、アナログテレビに対する選局以外の所定の操作、すなわち、外部入力端子を用いて実現できないような操作については、ユニット側リモコン送信部からテレビ側リモコン受信部にリモコン信号を送信することによって実現可能としている。
【0017】
本発明に係るデジタル放送受信装置の他の特徴は、上記特徴に係るデジタル放送受信装置において、前記所定の操作は、前記アナログテレビの電源オン又はオフ、外部入力切り替え、音量制御の何れかであることを要旨とする。
【0018】
このような特徴によれば、アナログテレビの電源オン又はオフ、外部入力切り替え、音量制御を、ユニット側リモコン送信部からテレビ側リモコン受信部にリモコン信号を送信することによって実現できる。
【0019】
本発明に係るデジタル放送受信装置の他の特徴は、上記特徴に係るデジタル放送受信装置において、前記チューナ本体は、前記デジタル放送波を前記アナログ映像・音声信号に変換して出力する受信処理部(受信処理部201)を含み、前記チューナ本体は、前記アナログテレビの電源オン又はオフを行うための制御信号を出力することに連動して、前記受信処理部の電源オン又はオフを行うことを要旨とする。
【0020】
このような特徴によれば、アナログテレビの電源オン又はオフと連動させてチューナ本体(具体的には、受信処理部)の電源オン又はオフを行う。従って、省電力に寄与できるとともに、アナログテレビ用リモコンを用いてチューナ本体の電源オン又はオフを行うことができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0021】
本発明に係るデジタル放送受信装置の他の特徴は、上記特徴に係るデジタル放送受信装置において、前記チューナ本体は、前記アナログテレビの電源オンを行うための制御信号を出力したことに連動して、前記アナログテレビの外部入力切り替えを行うための制御信号を出力することを要旨とする。
【0022】
このような特徴によれば、ユーザが外部入力切り替え操作を行う手間を省略することができ、且つ、従来と同様の操作感を実現できるため、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0023】
本発明に係るデジタル放送受信装置の他の特徴は、上記特徴に係るデジタル放送受信装置において、前記チューナ本体は、リモコン信号のコードと該コードに対応する操作とを関連付けたテーブルをテレビメーカー毎に記憶した記憶部(記憶部202)を含み、前記チューナ本体は、前記ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号が入力されると、該受信リモコン信号に対応する操作を、前記アナログテレビのメーカーに対応するテーブルを用いて判別することを要旨とする。
【0024】
このような特徴によれば、チューナ本体は、受信リモコン信号に対応する操作を、アナログテレビのメーカーに対応するテーブルを用いて判別する。リモコン信号のコード体系はメーカー毎に定められることが一般的であるため、メーカー毎のテーブルを用意しておくことによって、様々な種類のアナログテレビに対応可能なデジタル放送受信装置を提供できる。
【0025】
本発明に係るデジタル放送受信装置の他の特徴は、上記特徴に係るデジタル放送受信装置において、前記チューナ本体は、前記アナログテレビのメーカーを特定するためのモードへ移行するためのスイッチ部(スイッチ部204)をさらに含み、前記チューナ本体は、該モードに移行すると、前記ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号と、前記記憶部に記憶されているテーブルとに基づいて、前記アナログテレビのメーカーを特定することを要旨とする。
【0026】
このような特徴によれば、アナログテレビのメーカーを自動的に特定することができ、適切なテーブルを使用可能になるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、アナログテレビ用リモコンを用いて所望のデジタル放送を視聴可能としつつ、ユーザの利便性を高めることができるデジタル放送受信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタル放送視聴システムの全体概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデジタル放送視聴システムの機能ブロック構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る遮断ユニットの構造を説明するための図であって、図3(a)は遮断ユニットの表側の斜視図であり、図3(b)は遮断ユニットの裏側の斜視図であり、図3(c)は遮断ユニットとアナログテレビ30との取り付け部分の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るチューナ本体の初期設定動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るチューナ本体の通常動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面を参照して、本発明の実施形態について、(1)全体概略構成、(2)機能ブロック構成、(3)遮断ユニットの構造、(4)チューナ本体の動作、(5)実施形態の効果、(6)その他の実施形態の順に説明する。以下の実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0030】
(1)全体概略構成
図1は、本実施形態に係るデジタル放送視聴システムの全体概略構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係るデジタル放送視聴システムは、アンテナ10、チューナ本体200、遮断ユニット250、アナログテレビ30、及びアナログテレビ用リモコン40を備える。チューナ本体200及び遮断ユニット250は、デジタル放送受信装置20を構成する。
【0032】
アンテナ10は、デジタル放送波の受信に用いられる。チューナ本体200は、個別のケーブルを介して、アンテナ10、遮断ユニット250、及びアナログテレビ30に接続される。チューナ本体200は、アンテナ10からのデジタル放送波が入力され、デジタル放送波をアナログ映像・音声信号に変換し、アナログ映像信号及びアナログ音声信号をアナログテレビ30に出力する。また、チューナ本体200は、遮断ユニット250からの受信リモコン信号が入力され、制御信号を遮断ユニット250に出力する。
【0033】
遮断ユニット250は、アナログテレビ30に取り付けられており、ケーブルを介してチューナ本体200に接続される。遮断ユニット250は、チューナ本体200からの制御信号が入力され、受信リモコン信号をチューナ本体200に出力する。遮断ユニット250は、アナログテレビ用リモコン40からテレビ側リモコン受信部301(図2参照)に送信されるリモコン信号を遮るように構成される。
【0034】
アナログテレビ30は、アナログ放送波を受信可能であって、デジタル放送波を受信不能なテレビである。また、アナログテレビ30は、外部入力端子としての映像信号入力端子30b及び音声信号入力端子30c(図2参照)を含む。アナログテレビ30の映像信号入力端子30b及び音声信号入力端子30cは、ケーブルを介してチューナ本体200に接続される。
【0035】
アナログテレビ用リモコン40は、例えばアナログテレビ30の付属品として提供されるものである。本実施形態では、アナログテレビ用リモコン40は、リモコン信号を赤外線により送信するように構成される。アナログテレビ用リモコン40は、選局ボタン、電源オン/オフボタン、音量アップ/ダウンボタン、ミュートボタン、外部入力切り替えボタン等の各種ボタンを含む。
【0036】
このように、本実施形態に係るデジタル放送受信装置20は、アンテナ10からのデジタル放送波が入力され、該デジタル放送波をアナログ映像・音声信号に変換して該アナログ映像・音声信号を映像信号入力端子30b及び音声信号入力端子30cに出力するチューナ本体200と、アナログテレビ30に取り付け可能であり、アナログテレビ用リモコン40からテレビ側リモコン受信部301に送信されるリモコン信号を遮るように構成された遮断ユニット250と、を備える。遮断ユニット250は、アナログテレビ用リモコン40からのリモコン信号を受信して該リモコン信号に対応する受信リモコン信号をチューナ本体200に出力するユニット側リモコン受信部251を含む。チューナ本体200は、ユニット側リモコン受信部251からの受信リモコン信号に応じて、デジタル放送波に対する選局を行う。
【0037】
(2)機能ブロック構成
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る機能ブロック構成について、(2.1)遮断ユニットの構成、(2.2)チューナ本体の構成、(2.3)アナログテレビの構成の順に説明する。図2は、本実施形態に係るデジタル放送視聴システムの機能ブロック構成を示す図である。
【0038】
(2.1)遮断ユニットの構成
図2に示すように、遮断ユニット250は、受信リモコン信号出力端子250a、制御信号入力端子250b、ユニット側リモコン受信部251、及びユニット側リモコン送信部252を含む。
【0039】
受信リモコン信号出力端子250aは、受信リモコン信号をチューナ本体200に出力するための端子であり、制御信号入力端子250bは、チューナ本体200からの制御信号が入力される端子である。
【0040】
ユニット側リモコン受信部251は、例えば受光素子を用いて構成されており、アナログテレビ用リモコン40から赤外線により送信されるリモコン信号1を、電気信号としての受信リモコン信号に変換して出力する。
【0041】
ユニット側リモコン送信部252は、例えば発光素子を用いて構成されており、電気信号としての制御信号を、赤外線により送信されるリモコン信号2に変換して出力する。アナログテレビ用リモコン40から赤外線により送信されるリモコン信号2は、アナログテレビ30のテレビ側リモコン受信部301によって受信される。
【0042】
(2.2)チューナ本体の構成
図2に示すように、チューナ本体200は、アンテナ入力端子200a、映像信号出力端子200b、音声信号出力端子200c、受信リモコン信号入力端子200d、制御信号出力端子200e、受信処理部201、記憶部202、制御部203、及びスイッチ部204を含む。受信処理部201、記憶部202、及びスイッチ部204は、制御部203に接続される。
【0043】
アンテナ入力端子200aは、アンテナ10からのデジタル放送波が入力される端子である。
【0044】
映像信号出力端子200bは、アナログ映像信号をアナログテレビ30に出力するための端子であり、音声信号出力端子200cは、アナログ音声信号をアナログテレビ30に出力するための端子である。
【0045】
受信リモコン信号入力端子200dは、遮断ユニット250からの受信リモコン信号が入力される端子であり、制御信号出力端子200eは、制御信号を遮断ユニット250に出力するための端子である。
【0046】
受信処理部201は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路を用いて構成される。受信処理部201は、アンテナ入力端子200aを介して入力されるデジタル放送波の増幅及びダウンコンバートを行った後、復調、復号、及びアナログ変換を行って、アナログ映像信号及びアナログ音声信号を映像信号出力端子200b及び音声信号出力端子200cにそれぞれ出力する。
【0047】
記憶部202は、例えばメモリを用いて構成され、制御部203での制御に用いられる各種の情報を記憶する。記憶部202は、リモコン信号のコードと該コードに対応する操作とを関連付けたテーブルをテレビメーカー毎に記憶している。これらのテーブルは、チューナ本体200が出荷される時点で予め記憶部202に記憶されているものとする。このように、リモコン信号のコード体系はメーカー毎に定められることが一般的であるため、メーカー毎のテーブルを用意しておく。
【0048】
制御部203は、記憶部202に記憶されているプログラムを実行することによって、後述する各種の制御を行う。制御部203は、受信リモコン信号入力端子200dを介して受信リモコン信号が入力され、制御信号出力端子200eを介して制御信号を出力する。具体的には、制御部203は、受信リモコン信号に応じて、アナログテレビ30に対して選局以外の所定の操作を行うための制御信号を出力する。ここで、所定の操作とは、アナログテレビ30の電源オン又はオフ、外部入力切り替え、音量制御の何れかである。
【0049】
ここで、制御部203は、受信リモコン信号が入力されると、記憶部202を参照し、該受信リモコン信号に対応する操作を、アナログテレビ30のメーカーに対応するテーブルを用いて判別する。
【0050】
また、制御部203は、アナログテレビ30の電源オン又はオフを行うための制御信号を出力することに連動して、受信処理部201の電源オン又はオフを行う。具体的には、制御部203は、アナログテレビ30の電源オンを行うための制御信号を出力する際に受信処理部201の電源オンを行い、アナログテレビ30の電源オフを行うための制御信号を出力する際に受信処理部201の電源オフを行う。ここで、受信処理部201の電源オフとは、受信処理部201全体に対する給電を停止することであってもよく、受信処理部201の一部に対する給電を停止することであってもよい。
【0051】
スイッチ部204は、ユーザによって押下される機械式スイッチであり、押下されたことに応じて電気信号を制御部203に出力する。スイッチ部204は、アナログテレビ30のメーカーを特定するためのメーカー特定モードへ移行するために用いられる。
【0052】
制御部203は、スイッチ部204からの電気信号に応じてメーカー特定モードに移行すると、ユニット側リモコン受信部251からの受信リモコン信号と、記憶部202に記憶されているメーカー毎のテーブルとに基づいて、アナログテレビ30のメーカーを特定する。
【0053】
(2.3)アナログテレビの構成
図2に示すように、アナログテレビ30は、アンテナ入力端子30a、映像信号入力端子30b、音声信号入力端子30c、テレビ側リモコン受信部301、受信処理部302、スピーカ303、モニタ304、及び制御部305を含む。
【0054】
アンテナ入力端子30aは、アナログ放送波を入力するための端子である。本実施形態では、外部入力端子(映像信号入力端子30b及び音声信号入力端子30c)を用いてデジタル放送を視聴する形態であるため、アンテナ入力端子30aは使用されていない。
【0055】
映像信号入力端子30bは、チューナ本体200からのアナログ映像信号が入力される端子であり、音声信号入力端子30cは、チューナ本体200からのアナログ音声信号が入力される端子である。
【0056】
テレビ側リモコン受信部301は、例えば受光素子を用いて構成される。本実施形態では、テレビ側リモコン受信部301は、遮断ユニット250のユニット側リモコン送信部252からのリモコン信号2を受信する。
【0057】
受信処理部302は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路を用いて構成される。本実施形態では、外部入力端子(映像信号入力端子30b及び音声信号入力端子30c)を用いてデジタル放送を視聴する形態であるため、受信処理部302は使用されていない。
【0058】
スピーカ303は、アナログ音声信号を音声に変換して出力するものであり、モニタ304は、アナログ映像信号を映像に変換して表示するものである。
【0059】
制御部305は、受信処理部302からの受信リモコン信号に応じて、受信処理部302、スピーカ303、及びモニタ304を制御する。具体的には、制御部305は、電源オン又はオフを示す受信リモコン信号が入力されると、スピーカ303やモニタ304、受信処理部302等に対する給電を停止するよう制御する。また、制御部305は、外部入力切り替えを示す受信リモコン信号が入力されると、受信処理部302の出力信号をスピーカ303やモニタ304に入力するか、外部入力端子(映像信号入力端子30b及び音声信号入力端子30c)に入力される信号をスピーカ303やモニタ304に入力するかを切り替える。制御部305は、音量制御を示す受信リモコン信号が入力されると、音量アップ/ダウン/ミュートを行うようにスピーカ303を制御する。
【0060】
(3)遮断ユニットの構造
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係る遮断ユニット250の構造について説明する。図3は、遮断ユニット250の構造を説明するための図である。図3(a)は遮断ユニット250の表側の斜視図であり、図3(b)は遮断ユニット250の裏側の斜視図であり、図3(c)は遮断ユニット250とアナログテレビ30との取り付け部分の斜視図である。
【0061】
図3(a)、図3(b)、及び図3(c)に示すように、遮断ユニット250は、ユニット側リモコン受信部251、ユニット側リモコン送信部252、及び遮断部材253を含む。ユニット側リモコン受信部251は、ドーム状に形成された遮断部材253の表面に設けられ、ユニット側リモコン送信部252は、該遮断部材253の裏面に設けられる。
【0062】
遮断部材253は、光を透過しない材料によって構成されており、例えば樹脂を用いて構成される。遮断部材253の外周部分は、接着部材によって、アナログテレビ30のテレビ側リモコン受信部301の周囲に接着される。具体的には、遮断部材253の裏面に設けられたユニット側リモコン送信部252が、アナログテレビ30のテレビ側リモコン受信部301に対向するように、遮断部材253がアナログテレビ30に取り付けられる。
【0063】
(4)チューナ本体の動作
次に、チューナ本体200の動作について、(4.1)初期設定動作、(4.2)通常動作の順に説明する。初期設定動作は例えばデジタル放送受信装置20の使用を開始する際に行われる動作である。通常動作は、初期設定動作後の実際の使用時の動作である。
【0064】
(4.1)初期設定動作
図4は、チューナ本体200の初期設定動作を示すフローチャートである。
【0065】
図4に示すように、スイッチ部204の押下を制御部203が検知することによって、初期設定動作(すなわちメーカー特定モード)が開始される。該モードが開始されると、ユーザは、アナログテレビ用リモコン40に対し、予め定められた操作(例えば、特定のチャンネルを選局する操作)を行う。
【0066】
ステップS101において、ユニット側リモコン受信部251は、アナログテレビ用リモコン40からのリモコン信号1を受信し、受信リモコン信号を出力する。該受信リモコン信号は、制御部203に伝達される。
【0067】
ステップS102において、制御部203は、ユニット側リモコン受信部251からの受信リモコン信号と、記憶部202に記憶されているメーカー毎のテーブルとに基づいて、アナログテレビ30のメーカーを特定する。具体的には、制御部203は、ユニット側リモコン受信部251からの受信リモコン信号のコードと一致するコードであって、上記予め定められた操作に対応するコードを有するテーブルを記憶部202から検索する。ここで検索されたテーブルに対応付けられたメーカーが、アナログテレビ30のメーカーということになる。
【0068】
ステップS103において、制御部203は、ステップS102で検索されたテーブルを、通常動作において使用するテーブルとして設定する。テーブルの設定が完了すると、初期設定動作が完了する。
【0069】
(4.2)通常動作
図5は、チューナ本体200の通常動作を示すフローチャートである。通常動作では、制御部203は、ユニット側リモコン受信部251からの受信リモコン信号が入力されると、記憶部202を参照し、該受信リモコン信号に対応する操作を、初期設定動作で設定されたテーブルを用いて判別する。
【0070】
図5に示すように、ステップS201において、制御部203は、上記テーブルを参照し、入力された受信リモコン信号のコード種別を判別する。具体的には、制御部203は、入力された受信リモコン信号のコード種別が、電源オン/オフ操作、選局操作、音量制御操作、外部入力切り替え操作の何れであるかを判別する。
【0071】
入力された受信リモコン信号のコード種別が電源オン/オフ操作である場合、ステップS202において制御部203は、上記テーブルを参照し、電源オン/オフ用の制御信号をユニット側リモコン送信部252に出力する。ユニット側リモコン送信部252は、電源オン/オフ用のリモコン信号2を送信する。また、ステップS203において制御部203は、受信処理部201の電源オン/オフを行う。
【0072】
入力された受信リモコン信号のコード種別が選局操作である場合、ステップS204において制御部203は、上記テーブルを参照し、選局を行うように受信処理部201を制御する。具体的には、制御部203は、現在視聴中のチャンネルと異なるチャンネルの選局がなされた場合には、該異なるチャンネルに切り替えるよう受信処理部201を制御する。
【0073】
入力された受信リモコン信号のコード種別が音量制御である場合、ステップS205において制御部203は、上記テーブルを参照し、音量制御用の制御信号をユニット側リモコン送信部252に出力する。ユニット側リモコン送信部252は、音量制御用のリモコン信号2を送信する。
【0074】
入力された受信リモコン信号のコード種別が外部入力切り替えである場合、ステップS206において制御部203は、上記テーブルを参照し、外部入力切り替え用の制御信号をユニット側リモコン送信部252に出力する。ユニット側リモコン送信部252は、外部入力切り替え用のリモコン信号2を送信する。
【0075】
(5)実施形態の効果
以上説明したように、本実施形態によれば、テレビ側リモコン受信部301に入力されるリモコン信号を遮断ユニット250が遮る一方、該リモコン信号をユニット側リモコン受信部251が受信し、チューナ本体200は、ユニット側リモコン受信部251からの受信リモコン信号に応じてデジタル放送波に対する選局を行う。そして、チューナ本体200は、デジタル放送波をアナログ映像・音声信号に変換してアナログテレビ30の映像信号入力端子30b及び音声信号入力端子30cに出力する。このように、上記特徴に係るデジタル放送受信装置20によれば、ユニット側リモコン受信部251がリモコン信号を受信できれば、ユーザは所望のデジタル放送を試聴可能であり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0076】
また、ユニット側リモコン受信部251はアナログテレビ30に取り付け可能であるため、ユーザはアナログテレビ30に向けてリモコン操作を行うことができるため、従来と同様の操作感を実現でき、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0077】
以上より、上記特徴に係るデジタル放送受信装置20は、アナログテレビ30用リモコンを用いて所望のデジタル放送を視聴可能としつつ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0078】
さらに、本実施形態によれば、アナログテレビ30に対する選局以外の所定の操作、すなわち、映像信号入力端子30b及び音声信号入力端子30cを用いて実現できないような操作については、ユニット側リモコン送信部252からテレビ側リモコン受信部301にリモコン信号を送信することによって実現することができる。具体的には、アナログテレビ30の電源オン又はオフ、外部入力切り替え、音量制御を実現できる。
【0079】
本実施形態によれば、アナログテレビ30の電源オン又はオフと連動させてチューナ本体200(具体的には、受信処理部201)の電源オン又はオフを行う。従って、省電力に寄与できるとともに、アナログテレビ30用リモコンを用いてチューナ本体200の電源オン又はオフを行うことができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0080】
本実施形態によれば、チューナ本体200は、受信リモコン信号に対応する操作を、アナログテレビ30のメーカーに対応するテーブルを用いて判別する。リモコン信号のコード体系はメーカー毎に定められることが一般的であるため、メーカー毎のテーブルを用意しておくことによって、様々な種類のアナログテレビ30に対応可能なデジタル放送受信装置20を提供できる。
【0081】
本実施形態によれば、アナログテレビ30のメーカーを自動的に特定することができ、適切なテーブルを使用可能になるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0082】
(6)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0083】
上述した実施形態では、アナログテレビ用リモコン40は、リモコン信号を赤外線により送信していたが、リモコン信号を電波により送信するタイプであってもよい。この場合、遮断ユニット250の遮断部材253は、電波吸収性の部材によって構成される。
【0084】
上述した実施形態では、チューナ本体200の制御部203は、入力された受信リモコン信号のコード種別が電源オン/オフ操作である場合、電源オン/オフ用の制御信号をユニット側リモコン送信部252に出力し、ユニット側リモコン送信部252は、電源オン/オフ用のリモコン信号2を送信していた。このような方法に加えて、次のような制御を行ってもよい。具体的には、アナログテレビ30は、電源オン時にはアンテナ入力状態であるが、本実施形態の方法を利用するには外部入力状態に切り替える必要がある。そこで、チューナ本体200の制御部203は、入力された受信リモコン信号のコード種別が電源オン/オフ操作である場合、電源オン/オフ用の制御信号をユニット側リモコン送信部252に出力すると、外部入力切り替え用の制御信号をユニット側リモコン送信部252に出力する。その結果、ユニット側リモコン送信部252は、電源オン/オフ用のリモコン信号2の送信に続けて、外部入力切り替え用のリモコン信号2を送信する。このような制御を行うことにより、ユーザが外部入力切り替え操作を行う手間を省略することができ、且つ、従来と同様の操作感を実現できるため、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0085】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0086】
10…アンテナ、20…デジタル放送受信装置、30…アナログテレビ、30a…アンテナ入力端子、30b…映像信号入力端子、30c…音声信号入力端子、40…アナログテレビ用リモコン、200…チューナ本体、200a…アンテナ入力端子、200b…映像信号出力端子、200c…音声信号出力端子、200d…受信リモコン信号入力端子、200e…制御信号出力端子、201…受信処理部、202…記憶部、203…制御部、204…スイッチ部、250…遮断ユニット、250a…受信リモコン信号出力端子、250b…制御信号入力端子、251…ユニット側リモコン受信部、252…ユニット側リモコン送信部、253…遮断部材、301…テレビ側リモコン受信部、302…受信処理部、303…スピーカ、304…モニタ、305…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部入力端子とテレビ側リモコン受信部とを有するアナログテレビと共に使用されるデジタル放送受信装置であって、
アンテナからのデジタル放送波が入力され、該デジタル放送波をアナログ映像・音声信号に変換して該アナログ映像・音声信号を前記外部入力端子に出力するチューナ本体と、
前記アナログテレビに取り付け可能であり、前記アナログテレビ用のリモコンから前記テレビ側リモコン受信部に送信されるリモコン信号を遮るように構成された遮断ユニットと、を備え、
前記遮断ユニットは、前記アナログテレビ用のリモコンからのリモコン信号を受信して該リモコン信号に対応する受信リモコン信号を前記チューナ本体に出力するユニット側リモコン受信部を含み、
前記チューナ本体は、前記ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号に応じて、前記デジタル放送波に対する選局を行うことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記チューナ本体は、前記ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号に応じて、前記アナログテレビに対して選局以外の所定の操作を行うための制御信号を出力し、
前記遮断ユニットは、前記チューナ本体からの制御信号が入力され、該制御信号に対応するリモコン信号を前記テレビ側リモコン受信部に送信するユニット側リモコン送信部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記所定の操作は、前記アナログテレビの電源オン又はオフ、外部入力切り替え、音量制御の何れかであることを特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記チューナ本体は、前記デジタル放送波を前記アナログ映像・音声信号に変換して出力する受信処理部を含み、
前記チューナ本体は、前記アナログテレビの電源オン又はオフを行うための制御信号を出力することに連動して、前記受信処理部の電源オン又はオフを行うことを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記チューナ本体は、前記アナログテレビの電源オンを行うための制御信号を出力したことに連動して、前記アナログテレビの外部入力切り替えを行うための制御信号を出力することを特徴とする請求項3に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
前記チューナ本体は、リモコン信号のコードと該コードに対応する操作とを関連付けたテーブルをテレビメーカー毎に記憶した記憶部を含み、
前記チューナ本体は、前記ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号が入力されると、該受信リモコン信号に対応する操作を、前記アナログテレビのメーカーに対応するテーブルを用いて判別することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記チューナ本体は、前記アナログテレビのメーカーを特定するためのモードへ移行するためのスイッチ部をさらに含み、
前記チューナ本体は、該モードに移行すると、前記ユニット側リモコン受信部からの受信リモコン信号と、前記記憶部に記憶されているテーブルとに基づいて、前記アナログテレビのメーカーを特定することを特徴とする請求項6に記載のデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−109793(P2012−109793A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257002(P2010−257002)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】