説明

デバイス及びデバイス認識方法

【課題】コンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができること。
【解決手段】所定のデバイスに内蔵された任意のプログラムをインストールするインストールプログラムを有するコンピュータ装置10に接続し、任意のプログラムを内蔵するプログラム内蔵メモリ20であって、偽装信号送信部203bは、CD−ROMドライブであることを偽装する偽装信号をコンピュータ装置10に送信し、プログラム転送部203cは、任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送し、インストール制御部203aは、コンピュータ装置10に偽装信号を送信するよう制御し、また任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送するよう制御し、コンピュータ装置10は、偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵メモリ20から任意のプログラムをインストールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プログラム内蔵デバイスに関し、特に、コンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができるプログラム内蔵デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)のオペレーティングシステムを搭載したパソコンにUSBメモリやCD−ROMなどを起動するためには、オペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されているのでパソコンの機器インタフェース部に接続するだけで良かった。これに対して、デジタルカメラやスキャナなどをパソコンに接続し、操作する場合には、デバイスドライバが標準的に装備されていないのでCD−ROMやインターネットからデバイスドライバをインストールするインストール作業を行わなければならなかった。また、CD−ROMを紛失した場合や外出先でパソコンを借りてデバイスを利用する場合にデバイスドライバの入手が難しいという不便があった。
【0003】
そこで、デバイスにデバイスドライバを内蔵したプログラム内蔵デバイスに関する従来技術が開示されている。例えば、特許文献1〜3では、デバイスドライバを用いてプログラム内蔵デバイスに内蔵されたデバイスドライバをインストールする従来技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−53289号公報
【特許文献2】特開2000−194645号公報
【特許文献3】特開2003−150530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3の従来技術では、デバイスドライバを用いてプログラム内蔵デバイスに内蔵されたデバイスドライバをインストールすることができるが、デバイスドライバを予めパソコンにインストールしておく必要があったので、外出先でパソコンを借りてデバイスを利用することができなかった。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、コンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができるプログラム内蔵デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、実施形態に係るプログラム内蔵デバイスは、所定のデバイスに内蔵された任意のプログラムをインストールするインストールプログラムを有するコンピュータ装置に接続し、該任意のプログラムを内蔵するプログラム内蔵デバイスであって、前記コンピュータ装置の要求に応じて前記所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を取得し、取得した偽装信号を該コンピュータ装置に送信する偽装信号送信手段と、前記任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムを前記コンピュータ装置に転送するプログラム転送手段と、前記偽装信号送信手段によって前記コンピュータ装置に前記偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始する前記インストールプログラムの要求に応じて前記プログラム転送手段によって前記任意のプログラムを前記コンピュータ装置に転送するよう制御するインストール制御手段と、を備え、前記コンピュータ装置は、前記偽装信号送信手段によって送信された偽装信号をトリガとして起動を開始する前記インストールプログラムを用いて前記プログラム内蔵デバイスから前記プログラム転送手段によって転送された任意のプログラムをインストールすることを特徴とする。
【0008】
この実施形態によれば、コンピュータ装置の要求に応じて所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を取得し、取得した偽装信号を該コンピュータ装置に送信し、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置に転送し、コンピュータ装置に偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じて任意のプログラムをコンピュータ装置に転送するよう制御し、コンピュータ装置は、送信された偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵デバイスから転送された任意のプログラムをインストールすることとしたので、コンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができる。
【0009】
また、実施形態に係るプログラム内蔵デバイスは、請求項1の発明において、前記所定のデバイスは、前記コンピュータ装置のオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであることを特徴とする。
【0010】
この実施形態によれば、所定のデバイスは、コンピュータ装置のオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであることとしたので、例えば、CD−ROMドライブであると偽装することによりコンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができる。
【0011】
また、実施形態に係るプログラム内蔵デバイスは、請求項1の発明において、前記任意のプログラムは、前記プログラム内蔵デバイスを動作させるデバイスドライバであることを特徴とする。
【0012】
この実施形態によれば、任意のプログラムは、プログラム内蔵デバイスを動作させるデバイスドライバであることとしたので、例えば、CD−ROMドライブであると偽装することによりコンピュータ装置10の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易にデバイスドライバを起動し、プログラム内蔵プリンタ21を動作させることができる。
【0013】
また、実施形態に係るプログラム内蔵デバイスは、請求項1の発明において、前記任意のプログラムは、前記コンピュータ装置上で実行可能なアプリケーションプログラムに関する作業環境または開発環境であることを特徴とする。
【0014】
この実施形態によれば、任意のプログラムは、コンピュータ装置上で実行可能なアプリケーションプログラムに関する作業環境または開発環境であることとしたので、コンピュータ装置は、送信された偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵デバイスから転送された作業環境または開発環境をインストールすることができ、もってコンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易にアプリケーションプログラムを起動することができる。
【0015】
また、実施形態に係るプログラム内蔵デバイスは、請求項1、3または4の発明において、前記任意のプログラムは、前記プログラム内蔵デバイスが前記コンピュータ装置から抜き取られたことをトリガとしてアンインストールされることを特徴とする。
【0016】
この実施形態によれば、任意のプログラムは、プログラム内蔵デバイスがコンピュータ装置から抜き取られたことをトリガとしてアンインストールされることとしたので、プログラム内蔵デバイスをコンピュータ装置の機器IF部から抜くだけで、プログラムをアンインストールすることができる。
【発明の効果】
【0017】
実施形態によれば、コンピュータ装置の要求に応じて所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を取得し、取得した偽装信号を該コンピュータ装置に送信し、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置に転送し、コンピュータ装置に偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じて任意のプログラムをコンピュータ装置に転送するよう制御し、コンピュータ装置は、送信された偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵デバイスから転送された任意のプログラムをインストールするよう構成したので、コンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができるという効果を奏する。
【0018】
また、実施形態によれば、所定のデバイスは、コンピュータ装置のオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであるよう構成したので、例えば、CD−ROMドライブであると偽装することによりコンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができるという効果を奏する。
【0019】
また、実施形態によれば、任意のプログラムは、プログラム内蔵デバイスを動作させるデバイスドライバであるよう構成したので、例えば、CD−ROMドライブであると偽装することによりコンピュータ装置10の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易にデバイスドライバを起動し、プログラム内蔵プリンタ21を動作させることができるという効果を奏する。
【0020】
また、実施形態によれば、任意のプログラムは、コンピュータ装置上で実行可能なアプリケーションプログラムに関する作業環境または開発環境であるよう構成したので、コンピュータ装置は、送信された偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵デバイスから転送された作業環境または開発環境をインストールすることができ、もってコンピュータ装置の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易にアプリケーションプログラムを起動することができるという効果を奏する。
【0021】
また、実施形態によれば、任意のプログラムは、プログラム内蔵デバイスがコンピュータ装置から抜き取られたことをトリガとしてアンインストールされるよう構成したので、プログラム内蔵デバイスをコンピュータ装置の機器IF部から抜くだけで、プログラムをアンインストールすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、実施例1に係るコンピュータシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図2は、図1に示すプログラム内蔵メモリが偽装信号として送信するインタフェースディスクリプタをさらに詳細に説明する図である。
【図3】図3は、図1に示すプログラム内蔵メモリのプログラムインストール手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、実施例2に係るコンピュータシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、図4に示すプログラム内蔵プリンタのプログラムインストール手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施例3に係るコンピュータシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図7は、図6に示すプログラム内蔵デジタルカメラのドライバインストール/アンインストール手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例4に係るコンピュータシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図9】図9は、図8に示すプログラム内蔵メモリのメール作業環境インストール/アンインストール手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施例5に係るコンピュータシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図11】図11は、図10に示すプログラム内蔵メモリのバージョン更新手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るプログラム内蔵デバイスの好適な実施例を詳細に説明する。ここでは、以下の実施例について説明する。
(1)実施例1は、プログラム内蔵メモリに内蔵された任意のプログラムをインストール する場合について説明する。
(2)実施例2は、プログラム内蔵プリンタに内蔵されたデバイスドライバをインストー ルする場合について説明する。
(3)実施例3は、プログラム内蔵デジタルカメラに内蔵されたデバイスドライバをイン ストール/アンインストールする場合について説明する。
(4)実施例4は、プログラム内蔵メモリに内蔵されたメール作業環境をインストール/ アンインストールする場合について説明する。
(5)実施例5は、プログラム内蔵メモリに内蔵された任意のプログラムをバージョン更 新プログラムによって更新する場合について説明する。
【実施例1】
【0024】
実施例1は、プログラム内蔵メモリ、例えばUSB(Univaersal Serial Bus)メモリに内蔵された任意のプログラムをインストールする場合について説明する。ここでは、(1−1)プログラム内蔵メモリの概要と主要な特徴、(1−2)コンピュータシステムの構成、(1−3)機器属性情報の一例、(1−4)プログラム内蔵メモリのプログラムインストール手順の順番で説明する。
【0025】
(1−1)プログラム内蔵メモリの概要と主要な特徴
まず、図1を参照して、プログラム内蔵メモリの概要と主要な特徴について説明する。図1は、実施例1に係るコンピュータシステム1の構成を示す機能ブロック図である。本発明に係るプログラム内蔵メモリ20は、所定のデバイスに内蔵された任意のプログラムをインストールするインストールプログラムを有するコンピュータ装置10に接続し、任意のプログラムを内蔵するUSBメモリであって、コンピュータ装置10の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができることを特徴とする。なお、所定のデバイスは、コンピュータ装置10のオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであり、例えば、CD−ROMドライブである。
【0026】
偽装信号送信部203bは、コンピュータ装置10の要求に応じて所定のデバイス、例えばCD−ROMドライブであることを偽装する偽装信号を送信する。プログラム転送部203cは、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送する。インストール制御部203aは、偽装信号送信部203bによってコンピュータ装置10に偽装信号を送信するよう制御し、この偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じてプログラム転送部203cによって任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送するよう制御することとした。そのため、コンピュータ装置10は、偽装信号送信部203bによって送信された擬似信号により、接続されたプログラム内蔵メモリ20をCD−ROMドライブと認識するため、この偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵メモリ20からプログラム転送部203cによって転送された任意のプログラムをインストールすることができる。したがって、コンピュータ装置10の機器インタフェース部101に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができる。
【0027】
(1−2)コンピュータシステムの構成
図1に示すように、実施例1に係るコンピュータシステム1は、コンピュータ装置10とプログラム内蔵メモリ20とを有する。コンピュータ装置10は、パーソナルコンピュータであり、機器IF部101、入力部102、出力部103、記憶部104、制御部105を有する。機器IF部101は、プログラム内蔵メモリ20との入出力インタフェースであり、SCSIなどのパラレルインタフェースおよびUSB、IEEE1394などのシリアルインタフェースである。
【0028】
入力部102は、ユーザの要求やデータを入力する入力装置であり、キーボード、マウスなどである。また、出力部103は、画像やデータを出力する出力装置であり、LCDなどの画像表示装置である。また、記憶部104は、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置であり、機器制御情報記憶部104a、リソース管理情報記憶部104b、インストールプログラム記憶部104cを有する。機器制御情報記憶部104aは、コンピュータ装置10と接続されている機器を制御する制御情報を記憶する記憶部であり、別途説明する機器属性情報を含む。また、リソース管理情報記憶部104bは、機器に割り当てる入出力ポートやアドレスなどのリソースの使用状況を管理する情報であるリソース管理情報を記憶する記憶部である。
【0029】
インストールプログラム記憶部104cは、所定のデバイスに内蔵された任意のプログラムをインストールするインストールプログラムを記憶する記憶部である。なお、所定のデバイスとは、コンピュータ装置10のオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであり、具体的にはCD−ROMドライブである。例えば、インストールプログラムは、CD−ROMのディスクが挿入されると自動的に起動して、CD−ROMドライブに搭載されたCD−ROMの任意のプログラムをインストールすることができる。
【0030】
制御部105は、コンピュータ装置10全体を制御する制御部であり、機器検出部105a、機器属性確認部105b、インストールプログラム起動部105cを有する。機器検出部105aは、機器が機器IF部101のポートに接続されているか否かを検出する検出部であり、機器が機器IF部101のポートに接続されているか否かを一定時間間隔で確認する。
【0031】
機器属性確認部105bは、機器IF部101のポートに機器が新たに接続されたことが機器検出部105aによって検出された場合、検出された機器に対して機器の種類、属性を識別する属性情報である機器属性情報を問い合わせて確認し、機器に入出力ポートやアドレスなどのリソースを配分する処理部である。また、インストールプログラム起動部105cは、所定のデバイスに内蔵された任意のプログラムをインストールするインストールプログラムを起動する処理部である。
【0032】
プログラム内蔵メモリ20は、任意のプログラムを内蔵したプログラム内蔵デバイスであり、IF部201、記憶部202、制御部203を有する。IF部201は、コンピュータ装置20との入出力インタフェ−スであり、SCSIなどのパラレルインタフェースおよびUSB、IEEE1394などのシリアルインタフェースである。
【0033】
記憶部202は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などであり、機器属性情報記憶部202a、プログラム記憶部202bを有する。機器属性情報記憶部202aは、機器の種類、属性を識別する情報である機器属性情報を記憶する記憶部である。なお、機器属性情報については、別途詳細に説明する。また、プログラム記憶部202bは、任意のプログラムを記憶する記憶部である。
【0034】
制御部203は、8ビットのマイコンであり、インストール制御部203a、偽装信号送信部203b、プログラム転送部203cを有する。偽装信号送信部203bは、コンピュータ装置10の要求に応じて所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を取得し、取得した偽装信号を送信する処理部である。また、プログラム転送部203cは、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送する処理部である。また、インストール制御部203aは、偽装信号送信部203bによってコンピュータ装置10に偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じてプログラム転送部203cによって任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送するよう制御する処理部である。
【0035】
(1−3)機器属性情報の一例
次に、図1に示すプログラム内蔵メモリ20の機器属性情報について説明する。プログラム内蔵メモリ20、例えばUSBメモリの機器属性情報には、デバイスディスクリプタ、コンフィグレーションディスクリプタ、インタフェースディスクリプタがある。デバイスディスクリプタは、どのメーカの製品かを識別する情報である。また、コンフィグレーションディスクリプタは、電力の消費量、機能を識別する情報である。また、インタフェースディスクリプタは、機器の種類を識別する情報である。ここでは、図2を参照して、図1に示すプログラム内蔵メモリ20が偽装信号として送信するインタフェースディスクリプタをさらに詳細に説明する。図2は、図1に示すプログラム内蔵メモリ20が偽装信号として送信するインタフェースディスクリプタをさらに詳細に説明する図である。
【0036】
同図に示すように、インタフェースディスクリプタは、2桁ごとに区切られた10進数の数列であり、偽装信号を生成する上で特に重要なものはクラスコード、サブクラスコードである。クラスコードが1ならばオーディオ関連機器、3ならばキーボードやマウス、7ならプリンタ、8なら記憶装置である。また、サブクラスコードは、機器をさらに具体的に識別するコードで、サブクラスコード6の場合はSCSI機器である。したがって、クラスコードが8で、サブクラスコードが6の場合は、SCSI機器の記憶装置である。
【0037】
コンピュータ装置10は、プログラム内蔵メモリ20、例えばUSBメモリからクラスコード8、サブクラスコード6という応答を受けると、HDD、MOドライブ、CD−ROMドライブ等のSCSI記憶装置の種類を問い合わせる。
【0038】
プログラム内蔵メモリ20は、コンピュータ装置10からの問合せに対してSCSI機器の記憶装置(ATAPI機器でも良い。)であるというインタフェースディスクリプタを送信し、さらにCD−ROMドライブであると送信することによってCD−ROMドライブであると偽装する。
【0039】
また、CD−ROMドライブと本来の機器を同時に偽装する場合は、USB機器のコンフィグレーションディスクリプタを使って二つの機器であると応答し、SCSI機器の記憶装置と本来の機器の二つのインタフェースディスクリプタを生成する。また、本来の機器が記憶装置やスキャナなどのSCSI機器である場合は、SCSI機器の記憶装置というインタフェースディスクリプタを使い、SCSIコマンドでLUN(Logical Unit Number)を使って複数の機能を応答する。
【0040】
(1−4)プログラム内蔵デバイスのプログラムインストール手順
次に、図3を参照して、図1に示すプログラム内蔵メモリ20のプログラムインストール手順について説明する。図3は、図1に示すプログラム内蔵メモリ20のプログラムインストール手順を示すフローチャートである。同図に示すように、コンピュータ装置10は、USBポートを一定時間間隔で確認し(ステップS301)、新たなデバイスが接続されているか否かを調べる(ステップS302)。
【0041】
その結果、新たなデバイスが接続されていない場合は(ステップS302否定)、コンピュータ装置10の機器検出部105aは、ステップS301に戻る。一方、新たなデバイスが接続された場合は(ステップS302肯定)、コンピュータ装置10の機器属性確認部105bは、プログラム内蔵メモリ20にデバイスの種類、属性を要求する(ステップS303)。さらに、コンピュータ装置10の要求に対してプログラム内蔵メモリ20のインストール制御部203aは、偽装信号送信部203bがCD−ROMドライブであることを偽装する偽装信号、すなわち図2に示すインタフェースディスクリプタにCD−ROMドライブと偽装する情報を含めて送信するよう制御する(ステップS304)。
【0042】
そして、コンピュータ装置10は、プログラム内蔵メモリ20から偽装信号を受信してプログラム内蔵メモリ20がCD−ROMドライブであると認識して、入出力ポートやアドレスなどのリソースを配分する(ステップS305)。続いて、インストールプログラムを起動し(ステップS306)、プログラム内蔵メモリ20に任意のプログラムの転送を要求する(ステップS307)。さらに、プログラム内蔵メモリ20のインストール制御部203aは、プログラム転送部203cがコンピュータ装置10に任意のプログラムを転送するよう制御する(ステップS308)。
【0043】
そして、コンピュータ装置10は、プログラム内蔵メモリ20から転送された任意のプログラムをインストールして(ステップS309)、プログラムを起動/実行する(ステップS310)。このように、本手順に依れば、プログラム内蔵メモリ20をコンピュータ装置10の機器IF部101に接続するだけで、プログラム内蔵メモリ20に内蔵されている任意のプログラムをインストールすることができる。
【0044】
上述してきたように、本実施例1では、偽装信号送信部203bは、コンピュータ装置10の要求に応じて所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を送信し、プログラム転送部203cは、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送し、インストール制御部203aは、偽装信号送信部203bによってコンピュータ装置10に偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じてプログラム転送部203cによって任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送するよう制御することとしたので、コンピュータ装置10は、偽装信号送信部203bによって送信された擬似信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵メモリ20からプログラム転送部203cによって転送された任意のプログラムをインストールすることができる。したがって、コンピュータ装置10の機器インタフェース部に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができる。
【0045】
また、所定のデバイスは、コンピュータ装置10のオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであることとしたので、例えば、CD−ROMドライブであると偽装することによりコンピュータ装置10の機器インタフェース部101に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができる。
【実施例2】
【0046】
実施例2は、プログラム内蔵プリンタに内蔵されたデバイスドライバをインストールする場合について説明する。ここでは、(2−1)コンピュータシステムの構成、(2−2)プログラム内蔵プリンタのドライバインストール手順の順番で説明する。
【0047】
(2−1)コンピュータシステムの構成
まず、図4を参照して、実施例2に係るコンピュータシステム1aの構成について説明する。図4は、実施例2に係るコンピュータシステム1aの構成を示す機能ブロック図である。実施例1の機能ブロック図との相違は、プログラム内蔵プリンタ21である。ここでは、実施例1と共通する内容については説明を省略し、相違する内容について説明する。
【0048】
プログラム内蔵プリンタ21は、デバイスドライバを内蔵したプログラム内蔵デバイスであり、IF部211、出力部212、記憶部213、制御部214を有する。IF部211は、コンピュータ装置20との入出力インタフェ−スであり、SCSIなどのパラレルインタフェースおよびUSB、IEEE1394などのシリアルインタフェースである。
【0049】
出力部212は、コンピュータ装置10の出力データを逐次印刷する印刷機構である。また、記憶部213は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などであり、機器属性情報記憶部213a、ドライバ記憶部213bを有する。機器属性情報記憶部213aは、機器の種類、属性を識別する情報である機器属性情報を記憶する記憶部である。なお、機器属性情報については、実施例1において詳細に説明した。また、ドライバ記憶部213bは、プログラム内蔵プリンタ21を駆動するデバイスドライバを記憶する記憶部である。
【0050】
制御部214は、8ビットのマイコンであり、インストール制御部214a、偽装信号送信部214b、プログラム転送部214cを有する。偽装信号送信部214bは、コンピュータ装置10の要求に応じて所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を取得し、取得した偽装信号を送信する処理部である。また、プログラム転送部214cは、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送する処理部である。また、インストール制御部214aは、偽装信号送信部214bによってコンピュータ装置10に偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じてプログラム転送部214cによって任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送するよう制御する処理部である。
【0051】
(2−2)プログラム内蔵プリンタのドライバインストール手順
次に、図5を参照して、図4に示すプログラム内蔵プリンタ21のプログラムインストール手順について説明する。図5は、図4に示すプログラム内蔵プリンタ21のプログラムインストール手順を示すフローチャートである。同図に示すように、コンピュータ装置10は、USBポートを一定時間間隔で確認し(ステップS501)、新たなデバイスが接続されているか否かを調べる(ステップS502)。
【0052】
その結果、新たなデバイスが接続されていない場合は(ステップS502否定)、コンピュータ装置10の機器検出部105aは、ステップS501に戻る。一方、新たなデバイスが接続された場合は(ステップS502肯定)、コンピュータ装置10の機器属性確認部105bは、プログラム内蔵プリンタ21にデバイスの種類、属性を要求する(ステップS503)。さらに、プログラム内蔵プリンタ21のインストール制御部214aは、偽装信号送信部214bがコンピュータ装置10の要求に対してCD−ROMドライブであることを偽装する偽装信号、すなわち図2に示すインタフェースディスクリプタを送信するよう制御する(ステップS504)。
【0053】
そして、コンピュータ装置10は、プログラム内蔵プリンタ21から偽装信号を受信してプログラム内蔵プリンタ21がCD−ROMドライブであると認識して、入出力ポートやアドレスなどのリソースを配分する(ステップS505)。続いて、インストールプログラムを起動し(ステップS506)、プログラム内蔵プリンタ21にデバイスドライバの転送を要求する(ステップS507)。さらに、プログラム内蔵プリンタ21のインストール制御部214aは、プログラム転送部214cがコンピュータ装置10にプログラムを転送するよう制御する(ステップS508)。
【0054】
そして、コンピュータ装置10は、プログラム内蔵プリンタ21から転送されたデバイスドライバをインストールして(ステップS509)、プログラムを起動/実行すると(ステップS510)、プログラム内蔵プリンタ21は、プリントアウトを実施する(ステップS511)。このように、本手順に依れば、プログラム内蔵プリンタ21をコンピュータ装置10の機器IF部101に接続するだけで、プログラム内蔵プリンタ21に内蔵されているデバイスドライバをインストールし、プログラム内蔵プリンタ21を動作させることができる。
【0055】
上述してきたように、本実施例2では、偽装信号送信部214bは、コンピュータ装置10の要求に応じて所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を送信し、プログラム転送部214cは、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送し、インストール制御部214aは、偽装信号送信部214bによってコンピュータ装置10に偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じてプログラム転送部214cによって任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送するよう制御することとしたので、コンピュータ装置10は、偽装信号送信部214bによって送信された擬似信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵プリンタ21からプログラム転送部214cによって転送された任意のプログラムをインストールすることができる。したがって、コンピュータ装置10の機器インタフェース部101に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができる。
【0056】
また、任意のプログラムは、プログラム内蔵プリンタ21を動作させるデバイスドライバであることとしたので、例えば、CD−ROMドライブであると偽装することによりコンピュータ装置10の機器インタフェース部101に挿入するだけで、簡易にデバイスドライバを起動し、プログラム内蔵プリンタ21を動作させることができる。
【実施例3】
【0057】
実施例3は、プログラム内蔵デジタルカメラに内蔵されたデバイスドライバをインストール/アンインストールする場合について説明する。ここでは、(3−1)コンピュータシステムの構成、(3−2)プログラム内蔵デジタルカメラのドライバインストール/アンインストール手順の順番で説明する。
【0058】
(3−1)コンピュータシステムの構成
まず、図6を参照して、実施例3に係るコンピュータシステム1bの構成について説明する。図6は、実施例3に係るコンピュータシステム1bの構成を示す機能ブロック図である。実施例1の機能ブロック図との相違は、プログラム内蔵デジタルカメラ22である。ここでは、実施例1と共通する内容については説明を省略し、相違する内容について説明する。
【0059】
プログラム内蔵デジタルカメラ22は、デバイスドライバを内蔵したプログラム内蔵デバイスであり、IF部221、画像撮影部222、画像表示部223、記憶部224、制御部225を有する。IF部221は、コンピュータ装置10との入出力インタフェ−スであり、SCSIなどのパラレルインタフェースおよびUSB、IEEE1394などのシリアルインタフェースである。
【0060】
画像撮影部222は、画像を撮影する撮影部である。また、画像表示部223は、画像撮影部によって撮影された画像を静止画または動画で表示する表示部である。また、記憶部224は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などであり、機器属性情報記憶部224a、ドライバ記憶部224b、画像記憶部224cを有する。機器属性情報記憶部224aは、機器の種類、属性を識別する情報である機器属性情報を記憶する記憶部である。なお、機器属性情報については、実施例1において詳細に説明した。また、ドライバ記憶部224bは、プログラム内蔵デジタルカメラ22を駆動するデバイスドライバを記憶する記憶部である。また、画像記憶部224cは、画像撮影部222によって撮影された画像データを記憶する記憶部である。
【0061】
制御部225は、8ビットのマイコンであり、インストール制御部225a、偽装信号送信部225b、プログラム転送部225cを有する。偽装信号送信部225bは、コンピュータ装置10の要求に応じて所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を取得し、取得した偽装信号を送信する処理部である。また、プログラム転送部225cは、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送する処理部である。また、インストール制御部225aは、偽装信号送信部225bによってコンピュータ装置10に偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じてプログラム転送部225cによって任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送するよう制御する処理部である。
【0062】
(3−2)プログラム内蔵デジタルカメラのドライバインストール/アンインストール手順
次に、図7を参照して、図6に示すプログラム内蔵デジタルカメラ22のドライバインストール/アンインストール手順について説明する。図7は、図6に示すプログラム内蔵デジタルカメラ22のドライバインストール/アンインストール手順を示すフローチャートである。同図に示すように、コンピュータ装置10は、USBポートを一定時間間隔で確認し(ステップS701)、新たなデバイスが接続されているか否かを調べる(ステップS702)。
【0063】
その結果、新たなデバイスが接続されていない場合は(ステップS702否定)、コンピュータ装置10の機器検出部105aは、ステップS701に戻る。一方、新たなデバイスが接続された場合は(ステップS702肯定)、コンピュータ装置10の機器属性確認部105bは、プログラム内蔵デジタルカメラ22にデバイスの種類、属性を要求する(ステップS703)。さらに、コンピュータ装置10の要求に対してプログラム内蔵デジタルカメラ22のインストール制御部225aは、偽装信号送信部225bがCD−ROMドライブであることを偽装する偽装信号、すなわち図2に示すインタフェースディスクリプタを送信するよう制御する(ステップS704)。
【0064】
そして、コンピュータ装置10は、プログラム内蔵デジタルカメラ22から偽装信号を受信してプログラム内蔵デジタルカメラ22がCD−ROMドライブであると認識して、入出力ポートやアドレスなどのリソースを配分する(ステップS705)。続いて、コンピュータ装置10は、インストールプログラムを起動し(ステップS706)、プログラム内蔵デジタルカメラ22にデバイスドライバの転送を要求する(ステップS707)。さらに、プログラム内蔵デジタルカメラ22のインストール制御部225aは、プログラム転送部225cがコンピュータ装置10にデバイスドライバを転送するよう制御する(ステップS708)。
【0065】
そして、コンピュータ装置10は、プログラム内蔵デジタルカメラ22から転送されたデバイスドライバをインストールして(ステップS709)、デバイスドライバを起動/実行すると(ステップS710)、プログラム内蔵デジタルカメラ22は、画像を撮影する(ステップS711)。
【0066】
このようにして画像を撮影した後、プログラム内蔵デジタルカメラ22がコンピュータ装置10のUSBポートから抜かれると(ステップS712)、コンピュータ装置10は、プログラム内蔵デジタルカメラ22がコンピュータ装置10のUSBポートから抜かれ
たことを検出して(ステップS713)、デバイスドライバをアンインストールするか否かを確認する(ステップS714)。その結果、デバイスドライバをアンインストールする場合は(ステップS714肯定)、コンピュータ装置10は、デバイスドライバをアンインストールする(ステップS715)。
【0067】
一方、デバイスドライバをアンインストールしない場合は(ステップS714肯定)、コンピュータ装置10は、本手順を終了する。このように、本手順に依れば、プログラム内蔵デジタルカメラ22をコンピュータ装置10の機器IF部101に接続するだけで、プログラム内蔵デジタルカメラ22に内蔵されているデバイスドライバをインストールしてプログラム内蔵デジタルカメラ22を動作させることができ、またプログラム内蔵デジタルカメラ22をコンピュータ装置10の機器IF部101から抜くだけで、デバイスドライバをアンインストールすることができる。
【0068】
上述してきたように、本実施例3では、偽装信号送信部225bは、コンピュータ装置10の要求に応じて所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を送信し、プログラム転送部225cは、任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送し、インストール制御部225aは、偽装信号送信部225bによってコンピュータ装置10に偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムの要求に応じてプログラム転送部225cによって任意のプログラムをコンピュータ装置10に転送するよう制御することとしたので、コンピュータ装置10は、偽装信号送信部225bによって送信された擬似信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵デジタルカメラ22からプログラム転送部225cによって転送された任意のプログラムをインストールすることができる。したがって、コンピュータ装置10の機器インタフェース部101に挿入するだけで、簡易に任意のプログラムを起動することができる。
【0069】
また、任意のプログラムは、プログラム内蔵デジタルカメラ22を動作させるデバイスドライバであることとしたので、例えば、CD−ROMドライブであると偽装することによりコンピュータ装置10の機器インタフェース部101に挿入するだけで、簡易にデバイスドライバを起動し、プログラム内蔵デジタルカメラ22を動作させることができる。
【0070】
また、デバイスドライバは、プログラム内蔵デジタルカメラ22がコンピュータ装置10から抜き取られたことをトリガとしてアンインストールされることとしたので、プログラム内蔵デジタルカメラ22をコンピュータ装置10の機器IF部101から抜くだけで、デバイスドライバをアンインストールすることができる。
【実施例4】
【0071】
実施例4は、プログラム内蔵メモリに内蔵されたメール作業環境をインストール/アンインストールする場合について説明する。ここでは、(4−1)コンピュータシステムの構成、(4−2)プログラム内蔵メモリのメール作業環境インストール/アンインストール手順の順番で説明する。
【0072】
(4−1)コンピュータシステムの構成
まず、図8を参照して、実施例4に係るコンピュータシステム1cの構成について説明する。図8は、実施例4に係るコンピュータシステム1cの構成を示す機能ブロック図である。実施例1の機能ブロック図との相違は、メールサーバ装置2、通信端末装置4、ネットワーク5、コンピュータ装置10aのネットワークIF部106、プログラム内蔵メモリ20aのメール作業環境記憶部202c、メール作業環境転送部203dである。ここでは、実施例1と共通する内容については説明を省略し、相違する内容について説明する。
【0073】
メールサーバ装置2は、コンピュータ装置10aから送信された電子メールをメールアドレスで指定した通信端末装置4に配送し、通信端末装置4から届けられた電子メールをコンピュータ装置10aに振り分けるサーバである。また、通信端末装置4は、コンピュータ装置10aが通信を行う通信端末装置である。また、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルにしたがって通信をする通信ネットワークであり、インターネットやプロバイダの専用回線である。
【0074】
コンピュータ装置10aのネットワークIF部106は、ネットワーク5を介してメールサーバ装置2、通信端末装置4と通信を行う通信インタフェースであり、具体的にはネットワークインタフェースカードである。
【0075】
プログラム内蔵メモリ20aのメール作業環境記憶部202cは、電子メールを送受信するために必要な作業環境に関連する情報を記憶する記憶部である。メール作業環境は、SMTPサーバおよびPOPサーバなどのメールサーバ装置4のアドレス情報、ユーザの識別情報、アドレス情報およびパスワード、アドレス帳、メールログなどの情報を含む。
また、メール作業環境転送部203dは、メール作業環境をコンピュータ装置10aに転送する処理部である。
【0076】
(4−2)プログラム内蔵メモリのメール作業環境インストール/アンインストール手順
次に、図9を参照して、図8に示すプログラム内蔵メモリ20aのメール作業環境インストール/アンインストール手順について説明する。図9は、図8に示すプログラム内蔵メモリ20aのメール作業環境インストール/アンインストール手順を示すフローチャートである。図9のステップS801〜ステップS806の手順は、実施例1の図3のステップS301〜ステップS306の手順と全く同じなので、ステップS807〜ステップS815の手順について説明する。
【0077】
コンピュータ装置10aは、プログラム内蔵メモリ20aにメール作業環境の転送を要求する(ステップS807)。さらに、プログラム内蔵メモリ20aのインストール制御部203aは、メール作業環境転送部203dがコンピュータ装置10aにメール作業環境を転送するよう制御する(ステップS808)。そして、コンピュータ装置10aは、プログラム内蔵メモリ20aから転送されたメール作業環境をインストールして(ステップS809)、メールを起動/実行する(ステップS810)。
【0078】
このようにして電子メールを送受信した後、プログラム内蔵メモリ20aがコンピュータ装置10aのUSBポートから抜かれると(ステップS811)、コンピュータ装置10aは、プログラム内蔵メモリ20aがコンピュータ装置10aのUSBポートから抜かれたことを検出して(ステップS812)、メール作業環境をアンインストールするか否かを確認する(ステップS813)。その結果、メール作業環境をアンインストールする場合は(ステップS813肯定)、コンピュータ装置10aは、中間処理ファイルを消去して(ステップS814)、メール作業環境をアンインストールする(ステップS815)。
【0079】
一方、メール作業環境をアンインストールしない場合は(ステップS813否定)、コンピュータ装置10aは、本手順を終了する。このように、本手順に依れば、プログラム内蔵メモリ20aをコンピュータ装置10aの機器IF部101に接続するだけで、プログラム内蔵メモリ20aに内蔵されているメール作業環境をインストールすることができ、またプログラム内蔵メモリ20aをコンピュータ装置10aの機器IF部101から抜くだけで、メール作業環境をアンインストールすることができる。
【0080】
上述してきたように、本実施例4では、任意のプログラムは、コンピュータ装置上で実行可能なアプリケーションプログラムに関する作業環境または開発環境であることとしたので、コンピュータ装置10aは、偽装信号送信部203bによって送信された偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵メモリ20aからメール作業環境転送部203dによって転送された作業環境をインストールすることができる。したがって、プログラム内臓メモリ20aをコンピュータ装置10aの機器インタフェース部101に挿入するだけで、簡易にメール作業環境をインストールすることができる。
【0081】
また、メール作業環境は、プログラム内蔵メモリ20aがコンピュータ装置10から抜き取られたことをトリガとしてアンインストールされることとしたので、プログラム内蔵メモリ20aをコンピュータ装置10の機器IF部101から抜くだけで、メール作業環境をアンインストールすることができる。
【実施例5】
【0082】
実施例5は、プログラム内蔵メモリに内蔵された任意のプログラムをバージョン更新プログラムによって更新する場合について説明する。ここでは、(5−1)コンピュータシステムの構成、(5−2)プログラム内蔵メモリのバージョン更新手順の順番で説明する。
【0083】
(5−1)コンピュータシステムの構成
まず、図10を参照して、実施例5に係るコンピュータシステム1dの構成について説明する。図10は、実施例5に係るコンピュータシステム1dの構成を示す機能ブロック図である。実施例1の機能ブロック図との相違は、サーバ装置3、ネットワーク5、コンピュータ装置10bのネットワークIF部106、プログラム転送部105d、プログラム内蔵メモリ20bのバージョン更新プログラム記憶部202d、バージョン更新部203eである。ここでは、実施例1と共通する内容については説明を省略し、相違する内容について説明する。
【0084】
サーバ装置2は、コンピュータ装置10bからの要求によって任意のプログラムの最新バージョンをコンピュータ装置10bに送信するサーバである。また、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルにしたがって通信をする通信ネットワークであり、インターネットやプロバイダの専用回線である。
【0085】
コンピュータ装置10bのネットワークIF部106は、ネットワーク5を介してサーバ装置3と通信を行う通信インタフェースであり、具体的にはネットワークインタフェースカードである。
【0086】
プログラム内蔵メモリ20bのバージョン更新プログラム記憶部202dは、任意のプログラムのバージョン情報を管理し、コンピュータ装置10bに接続されたネットワーク5を介してサーバ装置3から任意のプログラムの最新版を取得し、プログラム内蔵メモリ20bに転送するバージョン更新プログラムを記憶する記憶部である。また、バージョン更新部203eは、プログラム記憶部202bに記憶された任意のプログラムをコンピュータ装置10bから転送された任意のプログラムの最新版で更新する処理部である。
【0087】
(5−2)プログラム内蔵メモリのバージョン更新手順
次に、図11を参照して、図10に示すプログラム内蔵メモリ20bのバージョン更新手順について説明する。図11は、図10に示すプログラム内蔵メモリ20bのバージョン更新手順を示すフローチャートである。図11のステップS1001〜ステップS1009の手順は、実施例1の図3のステップS301〜ステップS309の手順と全く同じなので、ステップS1010〜ステップS1015の手順について説明する。
【0088】
コンピュータ装置10bは、任意のプログラムが最新版であるか否かを調べる(ステップS1010)。その結果、任意のプログラムが最新版である場合は(ステップS1010肯定)、コンピュータ装置10bは、任意のプログラムを起動/実行する(ステップS1015)。
【0089】
一方、任意のプログラムが最新版でない場合は(ステップS1010否定)、コンピュータ装置10bは、ネットワーク5を介してサーバ装置3から任意のプログラムの最新版をダウンロードし(ステップS1011)、任意のプログラムを最新版に更新する(ステップS1012)。そして、コンピュータ装置10bは、任意のプログラムの最新版をプログラム内蔵メモリ20bに転送する(ステップS1013)。さらに、バージョン更新部203eは、プログラム記憶部202dに記憶されている任意のプログラムをコンピュータ装置10bから転送された任意のプログラムの最新版で更新する(ステップS1014)。
【0090】
このように、本手順に依れば、プログラム内蔵メモリ20bをコンピュータ装置10aの機器IF部101に接続するだけで、プログラム内蔵メモリ20bに内蔵されているバージョン更新プログラムをインストールして、起動/実行し、任意のプログラムを更新することができる。
【0091】
上述してきたように、本実施例5では、バージョン更新プログラム記憶部202dは、任意のプログラムのバージョン情報を管理し、コンピュータ装置10bに接続されたネットワークを介して任意のプログラムの最新バージョンを取得し、取得した最新バージョンで任意のプログラムの古いバージョンを更新するバージョン更新プログラムを記憶し、コンピュータ装置10bは、偽装信号送信部203bによって送信された偽装信号をトリガとして起動を開始するインストールプログラムを用いてプログラム内蔵メモリ20bからプログラム転送部203cによって転送されたバージョン更新プログラムをインストールすることができる。
【0092】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施されてもよいものである。
【0093】
例えば、実施例4では、メール作業環境をインストールする場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、ソフトウエア開発環境をインストールする場合についても適用することができる。
【0094】
また、実施例1〜4では、プログラム内蔵デバイスをユーザが自由に使用する場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、プログラム内臓デバイスの不正使用を防止するために認証手段を設ける場合に適用することができる。例えば、指紋や網膜などの生体認証や本人確認などを適用することができる。
【0095】
(付記1)所定のデバイスに内蔵された任意のプログラムをインストールするインストールプログラムを有するコンピュータ装置に接続し、該任意のプログラムを内蔵するプログラム内蔵デバイスであって、
前記コンピュータ装置の要求に応じて前記所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を取得し、取得した偽装信号を該コンピュータ装置に送信する偽装信号送信手段と、
前記任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムを前記コンピュータ装置に転送するプログラム転送手段と、
前記偽装信号送信手段によって前記コンピュータ装置に前記偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始する前記インストールプログラムの要求に応じて前記プログラム転送手段によって前記任意のプログラムを前記コンピュータ装置に転送するよう制御するインストール制御手段と、
を備え、
前記コンピュータ装置は、
前記偽装信号送信手段によって送信された偽装信号をトリガとして起動を開始する前記インストールプログラムを用いて前記プログラム内蔵デバイスから前記プログラム転送手段によって転送された任意のプログラムをインストールすることを特徴とするプログラム内蔵デバイス。
【0096】
(付記2)前記所定のデバイスは、前記コンピュータ装置のオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであることを特徴とする付記1に記載のプログラム内蔵デバイス。
【0097】
(付記3)前記任意のプログラムは、前記プログラム内蔵デバイスを動作させるデバイスドライバであることを特徴とする付記1に記載のプログラム内蔵デバイス。
【0098】
(付記4)前記任意のプログラムは、前記コンピュータ装置上で実行可能なアプリケーションプログラムに関する作業環境または開発環境であることを特徴とする付記1に記載のプログラム内蔵デバイス。
【0099】
(付記5)前記任意のプログラムは、前記プログラム内蔵デバイスが前記コンピュータ装置から抜き取られたことをトリガとしてアンインストールされることを特徴とする付記1、3または4に記載のプログラム内蔵デバイス。
【0100】
(付記6)前記任意のプログラムのバージョン情報を管理し、前記コンピュータ装置に接続されたネットワークを介して前記任意のプログラムの最新バージョンを取得し、取得した最新バージョンで該任意のプログラムの古いバージョンを更新するバージョン更新プログラムを記憶するバージョン更新プログラム記憶手段をさらに備え、
前記コンピュータ装置は、
前記偽装信号送信手段によって送信された偽装信号をトリガとして起動を開始する前記インストールプログラムを用いて前記プログラム内蔵デバイスから前記プログラム転送手段によって転送された前記バージョン更新プログラムをインストールすることを特徴とする付記1、3または4に記載のプログラム内蔵デバイス。
【0101】
(付記7)前記プログラム内蔵デバイスの起動時に、前記プログラム内蔵デバイスの使用者が該プログラム内蔵デバイスを使用することが認証されているか否かを確認するための認証手段をさらに備えたことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載のプログラム内蔵デバイス。
【0102】
(付記8)所定のデバイスに内蔵された任意のプログラムをインストールするインストールプログラムを有するコンピュータ装置に接続し、該任意のプログラムを内蔵するプログラム内蔵デバイスに用いられるプログラムインストール方法であって、
前記コンピュータ装置の要求に応じて前記所定のデバイスであることを偽装する偽装信号を取得し、取得した偽装信号を該コンピュータ装置に送信する偽装信号送信工程と、
前記任意のプログラムを取得し、取得した任意のプログラムを前記コンピュータ装置に転送するプログラム転送工程と、
前記偽装信号送信工程によって前記コンピュータ装置に前記偽装信号を送信するよう制御し、制御した偽装信号をトリガとして起動を開始する前記インストールプログラムの要求に応じて前記プログラム転送工程によって前記任意のプログラムを前記コンピュータ装置に転送するよう制御するインストール制御工程と、
を含み、
前記コンピュータ装置は、
前記偽装信号送信工程によって送信された偽装信号をトリガとして起動を開始する前記インストールプログラムを用いて前記プログラム内蔵デバイスから前記プログラム転送工程によって転送された任意のプログラムをインストールすることを特徴とするプログラムインストール方法。
【0103】
(付記9)前記所定のデバイスは、前記コンピュータ装置のオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであることを特徴とする付記8に記載のプログラムインストール方法。
【0104】
(付記10)前記任意のプログラムは、前記プログラム内蔵デバイスが前記コンピュータ装置から抜き取られたことをトリガとしてアンインストールされることを特徴とする付記8に記載のプログラムインストール方法。
【産業上の利用可能性】
【0105】
以上のように、本発明にかかるプログラム内蔵デバイスは、汎用のコンピュータ装置に有用であり、特に、パーソナルコンピュータ装置に適している。
【符号の説明】
【0106】
1、1a、1b、1c、1d コンピュータシステム
2 メールサーバ装置
3 サーバ装置
4 通信端末装置
5 ネットワーク
10、10a、10b コンピュータ装置
20、20a、20b プログラム内蔵メモリ
21 プログラム内蔵プリンタ
22 プログラム内蔵デジタルカメラ
101 機器IF部
102 入力部
103 出力部
104 記憶部
104a 機器制御情報記憶部
104b リソース管理情報記憶部
104c インストールプログラム記憶部
105 制御部
105a 機器検出部
105b 機器属性確認部
105c インストールプログラム起動部
105d プログラム転送部
106 ネットワークIF部
201、211、221 IF部
212 出力部
202、213 記憶部
202a、213a、224a 機器属性情報記憶部
202b プログラム記憶部
202c メール作業環境記憶部
202d バージョン更新プログラム記憶部
213b、224b ドライバ記憶部
203、214、225 制御部
203a、214a、225a インストール制御部
203b、214b、225b 偽装信号送信部
203c、214c、225c プログラム転送部
203d メール作業環境転送部
203e バージョン更新部
222 画像撮影部
223 画像表示部
224c 画像記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続されたデバイスから受信する属性情報に応じて前記接続されたデバイスの種類を認識するコンピュータに接続可能なデバイスであって、
当該デバイスを検知した前記コンピュータから当該デバイスについての属性情報の取得要求を受信した場合に、当該デバイスと異なる種類のデバイスであると偽装する属性情報を、前記コンピュータに検知された当該デバイスから前記コンピュータに送信する送信手段、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
当該デバイスと異なる種類のデバイスは、前記コンピュータのオペレーティングシステムにデバイスドライバが標準的に装備されたデバイスであることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記送信手段が、
当該デバイスと異なる種類のデバイスであると偽装する属性情報と、前記デバイスの種類を示す属性情報とを、前記コンピュータに送信すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
制御に応じてデータを記憶する記憶手段と、
前記コンピュータからの書込み要求又は読み出し要求を含むアクセスに応じて、前記記憶手段へのデータの書込み又は読み出しを行なう制御手段と、を含み、
前記制御手段が、
前記記憶手段が備える一部の記憶領域に対して、前記デバイスの種類に応じたアクセス制御を行ない、前記記憶手段が備える前記一部の記憶領域と異なる他の記憶領域に対して、当該デバイスと異なる前記種類に応じたアクセス制御を行なうこと
を特徴とする請求項3に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−96285(P2011−96285A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21193(P2011−21193)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【分割の表示】特願2004−114402(P2004−114402)の分割
【原出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】