説明

デュアルカード用アンテナシートおよびそれを備えたデュアルカード

【課題】積層後のアンテナ接続部23に発生する厚み方向の変動を抑制し、ミリング加工によって露出させるアンテナ接続部の厚み方向の精度を改善し、接合の信頼性を向上させる、また外観不良を低減させるデュアルカード用アンテナシート及びデュアルカードを提供する。
【解決手段】絶縁フィルム21と、この片面上の銅箔からなる、アンテナコイル22と、並設された2つのアンテナ接続部と、2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部24とで構成される。他面上に並設された2つのアンテナ接続部及びアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に補強部が配設される。他面上に並設された2つのアンテナ接続部及び2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に補強部が配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1個で接触型ICカード用と非接触型ICカード用の両方の機能を有するICチップを備えたデュアルカードと、その製造に好適なデュアルカード用アンテナシートに関するものであり、特に、デュアルカードを製造する際の、アンテナ接続部の厚み方向の精度を改善して、ICモジュールとアンテナシートの接合の信頼性を向上させ、外観不良を低減することのできるデュアルカード用アンテナシートおよびそれを備えたデュアルカードに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、接触型非接触型共用ICカードの一例の平面図である。図2は、図1に示すICカードに埋設されたアンテナシートの平面図である。また、図3は、図1におけるA−A線での拡大した断面図である。図1〜図3に示すように、このICカードには、2つのアンテナコイル接続端子(接続部)(14)が並設されている。このICカードは、アンテナシート(2)を熱溶着によりカード基体(12)に埋設した後に、ICモジュールを装着する凹部(18)をミリング加工により設け、また、アンテナコイル接続端子(14)を露出させ、次に、この凹部(18)にICモジュールを装着し、ICモジュールとアンテナを接合するといった方法で製造される(特許文献1参照)。
【0003】
このICカードでは、熱溶着して積層する際に、コアシート(121)及びオーバーシート(123、124)としてPVC、PET−G等の100℃〜150℃で軟化・流動する熱可塑性材料を使用しているため、この温度付近での熱ラミネートが行われる。しかし、絶縁性のアンテナシートの厚みは30〜70μmと非常に薄く、アンテナシートの2つのアンテナコイル接続端子(接続部)(14)の間は絶縁性のフィルムのみであるため、熱ラミネート時の温度と圧力で変形しやすい。このため、積層後の2つのアンテナコイル接続端子(接続部)(14)の厚み方向の変動が大きく、ミリング加工により設けた凹部(18)に段差が発生しやすい。
【0004】
図4は、カード基体(12)に設ける凹部(18)を説明する平面図である。また、図5は、図4におけるB−B線での拡大した断面図である。図4、図5に示すように、カード基体(12)の所定の位置にミリング加工を施し、ICモジュールを埋設するための第一の凹部(181)、第二の凹部(182)を設け、また、アンテナコイル接続端子(14)を露出させる2つの第三の凹部(183)を設ける。しかし、上記のように、熱ラミネート時の温度と圧力で厚み方向の変動が大きく、図6に示すように、第二の凹部(182)に対する第三の凹部(183)の深さ(D)のバラツキによる段差(ΔD)が発生しやすい。
【0005】
この第三の凹部の深さのバラツキにより、ICモジュールとアンテナシートの接合の信頼性が損なわれる。また、この信頼性を確保するためには、第三の凹部の深さのバラツキを吸収するためのクリーム半田量、或いは導電性接着剤量を増量することになるが、これがはみ出すことによって外観不良が発生するといった問題がある。
【0006】
尚、特開平11−328347号公報には、ICモジュールの接続点と送受信アンテナとを導電接着で繋ぐ通電孔の深さを制御するために、渦電流式距離センサーで送受信アンテナの距離を測定し、この測定に基き座ぐり加工機を制御する技法が開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−182017号公報
【特許文献2】特開平11−328347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものあり、接触型ICカードと非接触型ICカードの機能を備えるデュアルカードを製造する際に、熱ラミネートによる積層後のアンテナシートのアンテナ接続部に発生する厚み方向の変動を抑制することによって、ミリング加工によって露出させるアンテナ接続部の厚み方向の精度を改善し、ICモジュールとアンテナの接合の信頼性を向上させることのできる、また、クリーム半田量、或いは導電性接着剤量を適量とし外観不良の発生を低減することのできるデュアルカード用アンテナシートおよびそれを備えたデュアルカードを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、1個で接触型ICカード用と非接触型ICカード用の両方の機能を有するICチップを備えたデュアルカードの製造に用いられるアンテナシートにおいて、前記アンテナシートは、
1)絶縁フィルムと、
2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイルと、b)並設された2つのアンテナ接続部と、c)該並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部、とで構成されることを特徴とするデュアルカード用アンテナシートである。
【0009】
また、本発明は、1個で接触型ICカード用と非接触型ICカード用の両方の機能を有するICチップを備えたデュアルカードの製造に用いられるアンテナシートにおいて、前記アンテナシートは、
1)絶縁フィルムと、
2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイルと、b)並設された2つのアンテナ接続部と、
3)該絶縁フィルムの他面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、上記並設された2つのアンテナ接続部及び並設された2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に配設された補強部、とで構成されることを特徴とするデュアルカード用アンテナシートである。
【0010】
また、本発明は、1個で接触型ICカード用と非接触型ICカード用の両方の機能を有するICチップを備えたデュアルカードの製造に用いられるアンテナシートにおいて、前記アンテナシートは、
1)絶縁フィルムと、
2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイルと、b)並設された2つのアンテナ接続部と、c)該並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部と、
3)該絶縁フィルムの他面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、上記並設された2つのアンテナ接続部及び並設された2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に配設された補強部、とで構成されることを特徴とするデュアルカード用アンテナシートである。
【0011】
また、本発明は、前記絶縁フィルムはPEN、PET、又はPIからなる厚み30〜70μmであり、前記銅箔又はアルミニウム箔は厚み20〜50μmであることを特徴とするデュアルカード用アンテナシートである。
ここで、絶縁フィルムは支持体の役割も持つ。絶縁フィルムがあまり厚すぎると、銅箔又
はアルミニウム箔による矯正が出来なくなり、また反対に、絶縁フィルムがあまり薄すぎると、絶縁フィルムの剛性が乏しくなり支持体としての役割を果たせなくなるので、いずれも好ましくない。
【0012】
また、本発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のデュアルカード用アンテナシートを備えたことを特徴とするデュアルカードである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、銅箔又はアルミニウム箔からなる、並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部が配設され、或いは補強部が絶縁フィルムを介して2つのアンテナ接続部に対向して配設され、或いは補強部が絶縁フィルムを介して2つのアンテナ接続部及び連結部に対向して配設されているので、デュアルカードを製造する際に、熱ラミネートによる積層後のアンテナシートのアンテナ接続部に発生する厚み方向の変動を抑制することができる。これにより、ミリング加工によって露出させるアンテナ接続部の厚み方向の精度が改善されICモジュールとアンテナの接合の信頼性を向上させた、また、クリーム半田量、或いは導電性接着剤量が適量となり外観不良の発生が低減したデュアルカード用アンテナシートとなる。
【0014】
また、本発明によるデュアルカード用アンテナシートを用いることにより、アンテナ接続部に発生する厚み方向の変動を抑制されるので、第三の凹部を加工する際に、前記特開平11−328347号公報に開示される技法による装置は必要とせず、従来のミリング装置を用いて第三の凹部の加工を行うことができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
接触型ICカードと非接触型ICカードの機能を備えるデュアルカードでは、アンテナシートをカード基材に挟み込み熱ラミネートして積層した後に、ICモジュールを埋設するための凹部をミリング加工により形成すると同時に、ICモジュールのアンテナ接続ランドと電気的に接続するためにアンテナシートのアンテナ接続部も露出させている。そして、ICモジュールを凹部に接着固定すると同時に、ICモジュールのアンテナ接続ランドとアンテナシートのアンテナ接続部とを半田或いは導電性接着剤により接続してデュアルカードとしている。
【0016】
本発明のアンテナシートを用いることにより、熱ラミネートして積層した後の厚み方向での位置の変動を少なくすることができ、ミリング加工によるアンテナ接続部の厚み方向を高い精度で露出させることができる。従って、導電性接着剤による接合品質が安定し、信頼性の高いデュアルカードとすることができる。
【0017】
図7は、デュアルカードの一例を示す平面図である。図7に示すように、デュアルカード(60)には、デュアル型ICモジュール(50)が埋設されている。図8(a)は、デュアル型ICモジュール(50)の裏面を示す平面図である。また、図8(b)は、デュアル型ICモジュール(50)の断面図である。図8(a)、(b)に示すように、接触型と非接触型ICカードの機能を備えたデュアル型ICモジュール(50)は、ガラスエポキシ等の絶縁基板(51)の片面に導体の外部接続端子(52)を有している。
【0018】
他面にはICチップ(54)を搭載し、ICチップの接触型ICカードとしての機能をもつ信号パッドは接続ワイヤー(55)により外部接続端子(52)に接続され、また、非接触型ICカードのとしての機能をもつ信号パッドは接続ワイヤー(55)によりアンテナ接続ランド(53)に接続されている。ICチップ(54)及び接続ワイヤー(55)はエポキシ系のモールド樹脂(56)により封止されている。また、デュアル型ICモジュール(50)のモールド樹脂(56)の周囲にはホットメルトテープ(図示せず)が仮貼りされている。
【0019】
デュアルカード(60)の製造方法は、先ず、アンテナシートをPVC、PET、PET−Gなどの熱可塑性樹脂シートからなるカード基材間に挟み込み、熱ラミネートを行うことにより積層体とする。次に、この積層体の所定の位置をミリング加工してICモジュールを埋設するための第一の凹部、第二の凹部を設け、同時に、アンテナシートのアンテナ接続部を露出させる2つの第三の凹部を設ける。
【0020】
続いて、カード基材の、上記により設けた2つの第三の凹部にクリーム半田、或いは銀系の導電性接着剤を塗布し、前記デュアル型ICモジュール(50)を嵌め込み、加熱・加圧してホットメルトテープによりデュアル型ICモジュールとカード基材を接着固定し、同時にクリーム半田或いは導電性接着剤の加熱硬化によりデュアル型ICモジュールのアンテナ接続ランドとアンテナシートのアンテナ接続部を電気的に接続固定して、デュアルカードとするといった製造方法である。尚、実際の量産では、単位カードを多面付けした状態で製造する。
【実施例】
【0021】
以下に実施例により、本発明によるデュアルカード用アンテナシートを説明する。本実施例では、アンテナシートの絶縁フィルムとしては厚み38μmのPENを使用し、アンテナ接続部としては厚み30μmの銅箔、補強部としては厚み20μmの銅箔を使用した。
【0022】
<実施例1>
実施例1は、請求項1に係わるデュアルカード用アンテナシートの例である。図9は、実施例1におけるデュアルカード用アンテナシート(20−1)の平面図、図10は、図9におけるC−C線での拡大した断面図である。
図9及び図10に示すように、デュアルカード用アンテナシート(20−1)は、1)絶縁フィルム(21)と、2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイル(22)と、b)並設された2つのアンテナ接続部(23)と、c)該並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部(24)とで構成されている。アンテナコイル(22)の図9中右方の端部(T1)は、並設された2つのアンテナ接続部の右方のアンテナ接続部(23)に接続されている。また、図9中左方の端部(T2)は、左方のアンテナ接続部(23)に接続されている。
【0023】
図11は、デュアルカード用アンテナシート(20−1)をカード基材(35)間に挟み込み、熱ラミネートを行うことによって得られた積層体(30)の断面図である。また、図12は、得られた積層体(30)の所定の位置をミリング加工してデュアル型ICモジュール(50)を埋設するための凹部(40)が設けられた積層体(30−1)の平面図、図13は、図12におけるD−D線での拡大した断面図である。
【0024】
図12、図13に示すように、積層体(30)の所定の位置をミリング加工してデュアル型ICモジュール(50)を埋設するための第一の凹部(41)、及び第二の凹部(41)が設けられ、同時に、デュアルカード用アンテナシート(20−1)のアンテナ接続部(23)を露出させる2つの第三の凹部(43)が設けられている。
この凹部が設けられた積層体(30−1)では、本発明によるデュアルカード用アンテナシート(20−1)、すなわち、並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部(24)が設けられたアンテナシートが用いられているため、第三の凹部(43)の深さ(D1)のバラツキは、前記図6に示す深さ(D)のバラツキより低減されたものとなっている。
【0025】
図14は図13に示す、凹部が設けられた積層体(30−1)にデュアル型ICモジュール(50)を埋設した状態の断面図である。図14に示すように、ホットメルトテープ(51)によりデュアル型ICモジュール(50)と積層体(30−1)は接着固定され、同時にクリーム半田或いは導電性接着剤(52)の加熱硬化によりデュアル型ICモジュール(50)のアンテナ接続ランド(53)とアンテナシート(20−1)のアンテナ接続部(23)は電気的に接続固定されている。
【0026】
実施例1において作製した積層体(30)にミリング加工を施さずにカードを作製し、その断面の状態を観察した結果、後述するように段差は大幅に改善されたものとなっている。
【0027】
<実施例2>
実施例2は、請求項2に係わるデュアルカード用アンテナシートの例である。図15は、実施例2におけるデュアルカード用アンテナシート(20−2)の一隅の平面図、図16は、図15におけるE−E線での拡大した断面図である。
図15及び図16に示すように、デュアルカード用アンテナシート(20−2)は、1)絶縁フィルム(21)と、2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイル(22)と、b)並設された2つのアンテナ接続部(23)と、3)該絶縁フィルムの他面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、上記並設された2つのアンテナ接続部及び並設された2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に配設された補強部(25)、とで構成されている。補強部(25)は、絶縁フィルム(21)を介して2つのアンテナ接続部(23)に対向して配設されている。
【0028】
図17は、デュアルカード用アンテナシート(20−2)をカード基材(35)間に挟み込み、熱ラミネートを行うことによって得られた積層体の所定の位置をミリング加工してデュアル型ICモジュール(50)を埋設するための凹部(40)が設けられた積層体(30−2)の断面図である。
【0029】
この凹部が設けられた積層体(30−2)では、本発明によるデュアルカード用アンテナシート(20−2)、すなわち、絶縁フィルムの他面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、並設された2つのアンテナ接続部及び並設された2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に配設された補強部(25)が設けられたアンテナシートが用いられているため、第三の凹部(43)の深さ(D2)のバラツキは、前記図6に示す深さ(D)のバラツキより低減されたものとなっている。
【0030】
<実施例3>
実施例3は、請求項3に係わるデュアルカード用アンテナシートの例である。図18は、実施例3におけるデュアルカード用アンテナシート(20−3)の一隅の平面図、図19は、図18におけるF−F線での拡大した断面図である。
図18及び図19に示すように、デュアルカード用アンテナシート(20−3)は、1)絶縁フィルム(21)と、2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイル(22)と、b)並設された2つのアンテナ接続部(23)と、c)該並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部(24)と、3)該絶縁フィルムの他面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、上記並設された2つのアンテナ接続部及び並設された2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に配設された補強部(25)、とで構成されている。補強部(25)は、絶縁フィルム(21)を介して2つのアンテナ接続部(23)及び連結部(24)に対向して配設されている。
【0031】
図20は、デュアルカード用アンテナシート(20−3)をカード基材(35)間に挟み込み、熱ラミネートを行うことによって得られた積層体の所定の位置をミリング加工してデュアル型ICモジュール(50)を埋設するための凹部(40)が設けられた積層体(30−3)の断面図である。
【0032】
この凹部が設けられた積層体(30−3)では、本発明によるデュアルカード用アンテナシート(20−3)、すなわち、絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部(24)と、絶縁フィルムの他面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、上記並設された2つのアンテナ接続部及び並設された2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に配設された補強部(25)とが設けられたアンテナシートが用いられているため、第三の凹部(43)の深さ(D3)のバラツキは、前記図6に示す深さ(D)のバラツキより低減されたものとなっている。
【0033】
実施例1、実施例3により作製した積層体、及び従来技術により作製した積層体にミリング加工を施さずにカードを作製し、その断面の状態を観察した。図21は、観察した部位を説明する断面図である。図21(a)は従来技術により作製した積層体、図21(b)は実施例1により作製した積層体、図21(c)は実施例3により作製した積層体を示している。
カード上面よりアンテナ接続部の銅箔面までの寸法(Ha、Hb)を、各々10mm間隔で測定し、その差を求めた。その結果を表1に示すように、実施例1、実施例3においては、段差は大幅に改善されたものとなっている。
【0034】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】接触型非接触型共用ICカードの一例の平面図である。
【図2】図1に示すICカードに埋設されたアンテナシートの平面図である。
【図3】図1におけるA−A線での断面図である。
【図4】カード基体に設ける凹部(18)を説明する平面図である。
【図5】図4におけるB−B線での拡大した断面図である。
【図6】第三の凹部)の深さのバラツキによる段差の説明図である。
【図7】デュアルカードの一例を示す平面図である。
【図8】(a)は、デュアル型ICモジュールの裏面を示す平面図である。(b)は、デュアル型ICモジュールの断面図である。
【図9】実施例1におけるデュアルカード用アンテナシートの平面図である。
【図10】図9におけるC−C線での拡大した断面図である。
【図11】デュアルカード用アンテナシートをカード基材間に挟み込み、熱ラミネートを行うことによって得られた積層体の断面図である。
【図12】得られた積層体の所定の位置に凹部が設けられた積層体の平面図である。
【図13】図12におけるD−D線での拡大した断面図である。
【図14】図13に示す、凹部が設けられた積層体にデュアル型ICモジュールを埋設した状態の断面図である。
【図15】実施例2におけるデュアルカード用アンテナシートの一隅の平面図である。
【図16】図15におけるE−E線での拡大した断面図である。
【図17】実施例2における凹部が設けられた積層体の断面図である。
【図18】実施例3におけるデュアルカード用アンテナシートの一隅の平面図である。
【図19】図18におけるF−F線での拡大した断面図である。
【図20】実施例3における凹部が設けられた積層体の断面図である。
【図21】(a)は従来技術により作製した積層体の断面図である。(b)は実施例1により作製した積層体の断面図である。(c)は実施例3により作製した積層体の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
2・・・アンテナシート
10・・・接触型非接触型共用ICカードの一例の平面図である。
12・・・カード基体
13、22・・・アンテナコイル
14・・・アンテナコイル接続端子(接続部)
18、40・・・凹部
19・・・導電性接着剤
20−1・・・実施例1におけるデュアルカード用アンテナシート
20−2・・・実施例2におけるデュアルカード用アンテナシート
20−3・・・実施例3におけるデュアルカード用アンテナシート
21・・・絶縁フィルム
22・・・アンテナコイル
23・・・アンテナ接続部
24・・・連結部
25・・・補強部
30・・・積層体
30−1・・・実施例1における凹部が設けられた積層体
30−2・・・実施例2における凹部が設けられた積層体
30−3・・・実施例3における凹部が設けられた積層体
35・・・カード基材
41、181・・・第一の凹部
42、182・・・第二の凹部
43、183・・・第三の凹部
50・・・デュアル型ICモジュール
51・・・絶縁基板
52・・・外部接続端子
53・・・アンテナ接続ランド
54・・・ICチップ
55・・・接続ワイヤー
56・・・モールド樹脂
60・・・デュアルカード
D、D1、D2、D3・・・第三の凹部の深さ
ΔD、ΔD2、ΔD3・・・段差
T1、T2・・・アンテナコイルの右方の端部、左方の端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個で接触型ICカード用と非接触型ICカード用の両方の機能を有するICチップを備えたデュアルカードの製造に用いられるアンテナシートにおいて、前記アンテナシートは、
1)絶縁フィルムと、
2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイルと、b)並設された2つのアンテナ接続部と、c)該並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部、とで構成されることを特徴とするデュアルカード用アンテナシート。
【請求項2】
1個で接触型ICカード用と非接触型ICカード用の両方の機能を有するICチップを備えたデュアルカードの製造に用いられるアンテナシートにおいて、前記アンテナシートは、
1)絶縁フィルムと、
2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイルと、b)並設された2つのアンテナ接続部と、
3)該絶縁フィルムの他面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、上記並設された2つのアンテナ接続部及び並設された2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に配設された補強部、とで構成されることを特徴とするデュアルカード用アンテナシート。
【請求項3】
1個で接触型ICカード用と非接触型ICカード用の両方の機能を有するICチップを備えたデュアルカードの製造に用いられるアンテナシートにおいて、前記アンテナシートは、
1)絶縁フィルムと、
2)該絶縁フィルムの片面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、a)アンテナコイルと、b)並設された2つのアンテナ接続部と、c)該並設された2つのアンテナ接続部を一体的に連結する連結部と、
3)該絶縁フィルムの他面上に積層された銅箔又はアルミニウム箔からなる、上記並設された2つのアンテナ接続部及び並設された2つのアンテナ接続部間部分の領域に対向した位置に配設された補強部、とで構成されることを特徴とするデュアルカード用アンテナシート。
【請求項4】
前記絶縁フィルムはPEN、PET、又はPIからなる厚み30〜70μmであり、前記銅箔又はアルミニウム箔は厚み20〜50μmであることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のデュアルカード用アンテナシート。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のデュアルカード用アンテナシートを備えたことを特徴とするデュアルカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−141461(P2009−141461A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313175(P2007−313175)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】