説明

デュアル電動家具駆動装置

回転減速ギア機構12に伝動可能に結合される駆動モータ11が設けられるハウジングを有し、回転しないように固定されるスピンドル14を回転減速ギア機構12によってその長手方向に移動させることができ、少なくとも回転減速ギア機構およびスピンドルがハウジング内に配置され、各スピンドルの端部位置が少なくとも1つのエンドスイッチ17によって制限されるデュアル電動家具駆動装置10に関する。この装置は、部品の数が最小限に抑えられるとともに、取り付けが簡単で且つ容易であり、材料節約態様で製造され得るように設計され、内力プロファイルが最適化され、ハウジングの壁を通じた力伝達経路が短い。本発明によれば、スピンドルには、回転減速ギア機構から離れた側に、圧力ピース15が配置されて設けられ、前記圧力ピースは、移動する家具部品に固定的に装着される調整要素23に動作可能に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングを有し、このハウジングが少なくとも2つの部分で構成されるとともにU形状の開口を有し、この開口内には上記ハウジングに対して回動可能なシャフトが係合し、このシャフトが調整されるべき少なくとも1つの家具部品と動作可能に接続され、上記U形状開口がカバーを有し、このカバーを好ましくはシャフトの長手方向で形状適合して取り付けることができるとともに、シャフトの位置を固定するためにカバーがハウジングと接続されるデュアル電動家具駆動装置であって、回転減速ギアに伝動可能に結合される少なくとも1つの駆動モータが設けられ、回転しないように固定されるスピンドルを回転減速ギアによりその長手方向に移動させることができ、少なくとも回転減速ギアおよびスピンドルがハウジング内に配置され、スピンドルのそれぞれの端部位置が少なくとも1つのエンドスイッチによって制限されるデュアル電動家具駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジングは、少なくとも2つの部分で構成されるとともに、U形状開口を有し、この開口内には、ハウジングに対して回動でき且つ調整されるべき少なくとも1つの家具部品と動作可能に接続されるシャフトが係合し、U形状開口は、好ましくはシャフトの長手方向で形状適合して取り付けることができ且つシャフトの位置を固定するためにハウジングと接続されるカバーを有する。
【0003】
前述したデュアル電動家具駆動装置の2つの実施形態が知られている。第1の実施形態によれば、デュアル駆動装置には、ハウジングの側でモータポット内に配置される2つの駆動モータが設けられる。以下、単にデュアル駆動装置と称されるデュアル家具駆動装置には、対応する駆動モータとそれぞれ伝動可能に結合される2つの回転減速ギアが設けられる。回転ロックされるスピンドルナットが配置されるスピンドルは、各回転減速ギアの従動部材と一対一の対応で固定的に接続される。このスピンドルナットは、デュアル駆動装置の各駆動トレインの従動部材を形成する。例えば、接続される家具部品は、スピンドルナット上に配置固定されるリフティングチューブによって調整される。
【0004】
第2の実施形態によれば、デュアル駆動装置には駆動モータと回転減速ギアとが設けられる。この回転減速ギアは、回転ロックされたスピンドルの長手方向での移動を可能にするようになっている。スピンドルはデュアル駆動装置の従動部材を形成する。スピンドルの移動方向に応じて、2つの端面を、調整されるべき部品と伝動可能に結合することができる。
【0005】
エンドスイッチが、U形状断面を有するいわゆるエンドスイッチ・ストリップ内に挿入される。このエンドスイッチ・ストリップの中心脚部には、エンドスイッチをエンドスイッチ・ストリップの異なる位置に配置することができるように一列の穴が設けられる。最後に述べた実施形態は、有用であることが分かったが、不都合なことに、家具駆動装置を動作させるために比較的多数の部品を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、部品の数が最小限に抑えられるとともに、取り付けが簡単で且つ容易であり、内力伝達を最適化することにより少ない材料で製造できるとともに、ハウジングの壁を通じた力伝達のための経路が短く維持される一方で、操作が依然として安全な前述したタイプの電動デュアル家具駆動装置を構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、移動可能な家具部品に取り付け固定される調整要素に動作可能に接続される圧力ピースを、回転減速ギアと反対方向を向くスピンドルの側に取り付け固定することにより解決される。
【0008】
回転減速ギアの従動部材は、回転体として構成されるとともに、スピンドルの雄ねじと螺合する雌ねじを有する。圧力ピースを非常に短く形成することができるため、圧力ピースを回転減速ギアに近い第1の端部位置設定で移動させることができ、それにより、回転減速ギアが取り付けられたモータを移動可能な家具部品の調整要素に対して最小可能距離で配置でき、したがって、大きな調整力をハウジング壁の比較的小さいハウジング部位によって吸収できる。ここでは、モータ間のハウジング内に比較的大きい中空空間が形成されるため、モータの対応する電気制御装置をこの空間内に設置できる。
【0009】
圧力ピースは、デュアル家具駆動装置の調整要素と従動要素との間に適切な接触面を形成する。調整要素は、スラットのあるフレームのためにデュアル駆動装置が使用されるときには、背もたれ部またはフット部のシャフトに配置固定される調整レバーである。
【0010】
レバーとして構成される調整要素は、多くの用途において、角度のある形状を成す。少なくとも調整動作の初めに最大の可能な力をデュアル駆動装置の従動要素からレバーへと伝えるために、スピンドルは、デュアル家具駆動装置の設置位置に関して、水平に対して傾けられ、また、第2のスピンドルが好ましくは同様にデュアル家具駆動装置の設置位置に関して傾けられ、それにより、両方のスピンドルの長手中心軸が鈍角を成す。それにより、スピンドルの長手中心軸の方向に及ぶ力は、調整動作の初めに調整要素へ伝えられる。1つの実施形態によれば、デュアル駆動装置の両方のスピンドルが水平に対して傾けられるように構成される。その場合、スピンドルの長手中心軸は、鈍角、例えば170°の角度を成す。それにより、ハウジング壁を伝わる力が最適化されて、カバーに加えられる保持力が減少され、ハウジング部品のための材料要件も減少される。
【0011】
ブロック状圧力ピースを中空体として実施することにより、特に簡単な製造、したがって、低コスト製造も可能にされる。それは、これによって、少ない材料消費量を伴う実施形態がもたらされるからである。好ましい実施形態では、ブロック状圧力ピースが適切なプラスチックから形成される。
【0012】
デュアル家具駆動装置はホーム設定で使用されるのが好ましいため、減衰体を用いて少なくとも回転減速ギアを少なくとも部分的に取り囲むことにより、または、減衰体を回転減速ギアに取り付けることにより、調整中に発生されるノイズを減少させるための対策が講じられる。これは、いわゆる構造誘発ノイズを弱らせ、それにより、ノイズはノイズ発生モータからハウジングへと最小限にしか伝えられない。
【0013】
調整されるべき家具部品の調整速度は比較的低いため、回転減速ギアは、少なくとも1つのナットと回転ロック状態で接続されるウォームギアとして構成されてもよい。この場合、ナットのねじがスピンドルのねじと螺合し、または、ナットがウォームホイールとともに単一形状部を形成する。スピンドルの線速度は、駆動モータがONに切り換えられるときにウォームホイールを使用することにより最小限に抑えられる。ウォームホイールおよびナットは、プラスチック、好ましくはPOMから形成されることが有益である。ハウジングの幅を最小にするため、また、材料要件も最小にするため、駆動モータがモータポット内に挿入され、このモータポットは、ハウジングの側壁に外側からフランジ状に取り付けられ、またはハウジングとともに一体品として形成される。
【0014】
また、エンドスイッチを調整してエンドスイッチにアクセスできるようにするためにハウジングが開放されなければならないことは、家具駆動装置にとって不都合であるとも考えられる。しかしながら、エンドスイッチの位置は、調整されるべき家具部品の行程によって決まる。エンドスイッチを調整するためのこの態様は何らかの成功をもたらすが、デュアル駆動装置のユーザは、これを十分でないと感じる。これは、家具駆動装置の従動部材の端部位置がどのように設定されるのかを外側から判断できないからである。
【0015】
この問題を解決するため、従動要素および/またはハウジングに調整装置が設けられ、この調整装置によって少なくとも1つのエンドスイッチの切り換え閾値の位置をハウジングの外側から調整できる。
【0016】
調整装置と関連付けられるハウジングの壁には開口も設けられ、この開口を通じて調整装置の作動要素を案内できる。この場合、調整装置が少なくとも1つのエンドスイッチの切り換え閾値に結び付けられ、それにより、少なくとも1つのエンドスイッチのそれぞれの切り換え閾値を回転減速ギアに関して異なる間隔で設定できる。
【0017】
ここで、エンドスイッチは、デュアル家具駆動装置を分解することなく外側から移動させることができる。これは、例えばハウジング状エンドスイッチ・レセプタクル(エンドスイッチ受け具)として実施されるエンドスイッチ・レセプタクルが、適切な取り扱いによって移動または設定を行なうことができるように形成され、それにより、エンドスイッチ・レセプタクルの位置、したがってエンドスイッチの位置も移動後に固定されるからである。
【0018】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのエンドスイッチがハウジング状エンドスイッチ・レセプタクル内に挿入され、また、ハウジングの関連する壁には、エンドスイッチ・レセプタクルと隣接する領域に、開口を形成するスロットが設けられる。その場合、エンドスイッチ・レセプタクルをスリット内に回転減速ギアに関して異なる間隔で固定できる。
【0019】
第1の実施形態によれば、従動要素および/またはハウジングが調整装置を含み、また、調整装置と関連付けられるハウジングの壁が開口を含む。この場合、調整装置が少なくとも1つのエンドスイッチの切り換え閾値に結び付けられ、それにより、少なくとも1つのエンドスイッチのそれぞれの切り換え閾値を回転減速ギアに関して異なる間隔で固定できる。この手法は、従動要素または従動要素とともに移動する部品に少なくとも1つのエンドスイッチを配置できるようにする。
【0020】
他の実施形態によれば、各エンドスイッチ・レセプタクルがハウジングの壁に隣接するガイド内で移動可能に案内される。それにより、各エンドスイッチの位置が正確に固定され、その結果、エンドスイッチ・レセプタクルの移動中の曲げや引っ掛かりが防止される。
【0021】
他の実施形態によれば、ハウジングの壁の各スロットを画定する周縁領域が凹凸部を有し、エンドスイッチ・レセプタクルには少なくとも1つの対応する対向凹凸部が設けられる。このようにすると、エンドスイッチ・レセプタクル、したがってエンドスイッチも、意図しない動きをしないよう確保される。これらの対応する凹凸部をラッチ手段と見なすこともできる。
【0022】
他の実施形態によれば、エンドスイッチ・レセプタクルは、対向凹凸部が設けられ且つスロットを画定する周縁領域の凹凸部と係合するとともに凹凸部が離脱できるようにする印加力によって弾性的に変形できる柔軟リーフまたは柔軟舌部を含む。凹凸部が離脱されると、エンドスイッチ・レセプタクルをスピンドルの長手方向に移動させることができる。この構成を用いると、工具を使用することなく、指を用いて柔軟リーフまたは柔軟舌部を変形させることによりエンドスイッチ・レセプタクルを移動させることができる。
【0023】
エンドスイッチを作動させるため、デュアル駆動装置のハウジングの内側にはスピンドルの直線移動に追従する引き出しロッドが設けられる。この引き出しロッドは、移動可能なスピンドルを用いて調整され得る家具部品が、駆動モータをOFFに切り換えることによりそれぞれの端部位置にとどまるように配置されて構成される。
【0024】
好ましい実施形態では、引き出しロッドが少なくとも1つの長溝を有する平坦なロッドとして構成され、エンドスイッチ・レセプタクルのガイドウェブが上記長溝に係合する。長溝とガイドウェブとの間の協働により、引き出しロッドがそれぞれのエンドスイッチに対して適切な位置にあり、それにより、タペットが切り換えのために十分に操作される。タペットの軽い操作を確保するため、引き出しロッドは、それぞれのエンドスイッチと対向する自由端に、ストッパ面を形成する傾斜面を有してもよい。
【0025】
多くの用途は、格子フレームの調整可能部を調整するためにデュアル駆動装置を使用する。いわゆる関節レバーがバックレストおよびフットレストのための調整シャーシに回転ロック状態で配置される。関節レバーの自由端領域と家具駆動装置の従動要素との間の連続接触を確保するため、減速ギアと反対方向を向くスピンドルの端部にブロック状スライダが取り付け固定される。このスライダは、材料を節約するために中空体として構成され得る。この場合、スライダおよび/またはスピンドルが従動要素を形成する。好ましい実施形態では、引き出しロッドが中空体または従動要素に取り付けられるとともに、スピンドルから離間される。あるいは、引き出しロッドは、減速ギアと反対方向を向くねじの1つ以上の回転で固定されてもよい。
【0026】
家具駆動装置のユーザがスピンドルの最大移動を確認できるようにするため、スロットに隣接するハウジングの外面に目盛が配置されてもよい。目盛は、例えば数字の形態を成して、移動された距離を示してもよく、それにより、ユーザのための調整が容易となる。
【0027】
他の実施形態によれば、従動要素および/またはハウジングは、移動可能なエンドスイッチ・レセプタクルによって形成され得る調整装置を含む。
【0028】
調整装置は、直接に手で調整されてもよく、または、工具を使用して調整されてもよい。このため、ハウジングの壁は、調整装置の領域に、スロット、開口、または、スロットまたは開口を形成するセグメントを有し、それにより、調整装置をハウジングの外側からスロットに沿って移動させることができ、または、調整装置を孔内に位置させることができる。
【0029】
調整装置は、ハウジングの外側から自由にアクセスできてもよく、または、例えば水分がハウジング内部に入らないようにカバーによって覆われてもよい。少なくとも1つの調整装置を調整することを除き、少なくともストッパ面とエンドスイッチまたはエンドスイッチのタペットアクチュエータとの間の距離が調整されるとともに調整後に所定位置に固定される。タペットアクチュエータまたはエンドスイッチは、ストッパ面による作動中に、エンドスイッチの少なくとも1つの切り換え接点を切り換える切り換え閾値を有する。この構成により、少なくとも1つのエンドスイッチの切り換え閾値が調整装置と結び付けられ、それにより、少なくとも1つのエンドスイッチの対応する切り換え閾値を回転減速ギアに関して異なる間隔に設定できる。
【0030】
この典型的な実施形態によれば、ストッパ面と、電気モータを家具部品の十分に作動された位置または十分に伸長された位置でOFFに切り換えるエンドスイッチとの間の距離が調整される。それにより、接続される家具部品の最大移動を調整でき、したがって、例えば格子フレームのフット部またはヘッド部の上昇が制限される。
【0031】
他の実施形態によれば、少なくとも1つのエンドスイッチが少なくとも1つの調整装置に結合され、または固定的に接続される。他の実施形態によれば、少なくとも1つのエンドスイッチのタペットが少なくとも1つの調整装置に結合され、または固定的に接続される。更に他の実施形態によれば、エンドスイッチを作動させるためのストッパ面が少なくとも1つの調整装置に結合され、または固定的に接続される。他の実施形態によれば、スピンドル、または、移動可能であるが回転ロックされたスライダ、または、引き出しロッドとして実施される直線移動可能な従動要素が少なくとも1つの調整装置に結合され、または固定的に接続される。特定の実施形態によれば、この実施形態は、前述した実施形態の組み合わせから実現される。
【0032】
1つの実施形態において、調整装置は、形状適合的なラッチ位置を有するエンドスイッチ・レセプタクルによって形成される。他の実施形態は、クランプねじまたは調整ねじを含んでもよく、それにより、連続調整装置を構成できる。少なくとも前述したように、調整装置は、デュアル駆動装置のハウジング上またはハウジング内に組み込まれ、ハウジングに取り付けられ、または、ハウジング内に挿入されてもよい。他の実施形態によれば、調整装置は、従動要素に取り付けられ、または、従動要素内に挿入され、または、従動要素と結合される。他の実施形態によれば、少なくとも1つのエンドスイッチがプリント回路基板上に配置され、プリント回路基板上には、少なくとも1つの電気モータを制御するための更なる制御要素が、例えば分岐線、電気端子の形態を成して、または、電気機械スイッチの形態を成して配置される。この実施形態によれば、プリント回路基板と関連付けられる少なくとも1つのエンドスイッチが少なくとも1つの調整装置に結合され、または固定的に接続される。
【0033】
ここで、添付図面を参照して、本発明を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るデュアル家具駆動装置の典型的な実施形態の簡略的な概略図である。
【図2】デュアル家具駆動装置のハウジングの部分図である。
【図3】エンドスイッチ・レセプタクルを示す単一ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1に示されるデュアル家具駆動装置10には、電動駆動モータ11と回転減速ギア12とが設けられる。回転減速ギア12は、ウォームと、駆動ナット13に固定的に接続される噛み合いウォームホイールとを含む。この例示とは異なり、ウォームホイールの孔を、雌ねじを有する孔として構成することもできる。図示の典型的な実施形態では、駆動ナット13が回転ロック状態でスピンドル14と接続される。この駆動ナット13が省かれた場合には、スピンドル14が回転ロック状態でウォームホイールの雌ねじ孔内に挿入される。図1から分かるように、回転ロックされたスピンドル14は、駆動モータがONに切り換えられると、その長手方向に沿って移動する。この場合、移動方向は、ウォームホイールの回転方向によって決まる。
【0036】
図示の典型的な実施形態では、中空体として構成されるブロック状スライダ15が、回転減速ギア12と反対方向を向くスピンドル14の端部に配置固定される。このブロック状スライダ15は、調整されるべき家具部品のシャフトに回転ロック状態で配置される関節レバー23と協働する。一端がハウジングの壁へ向けて開放するエンドスイッチ・レセプタクル16が、設置位置に関してハウジングの垂直壁に隣接して家具駆動装置10の内側に配置される。このエンドスイッチには、駆動モータ11を切り換えるように構成されるタペットが従来の態様で設けられる。スピンドル14から離間され、且つエンドスイッチ17と対向する端部に傾斜面またはストッパ面を有する引き出しロッド18が設けられる。
【0037】
図示の典型的な実施形態では、引き出しロッド18がロッド状スライダ15に固定される。結果として、引き出しロッド18がスピンドル14の動きに追従する。図1は、関節レバー23の所定の回動角でモータがOFFに切り換えられるようにエンドスイッチ17が調整されることを示している。
【0038】
図2はエンドスイッチ・レセプタクル16を単独で示している。挿入されたエンドスイッチ17は見えない。しかしながら、図2は、エンドスイッチ・レセプタクル16がハウジング壁と対向する側に弾性リーフ19を備え、外部から加えられる力によって弾性リーフをハウジング内に位置されるように変形できることを明確に示している。弾性リーブ19には縦方向の両側に矢印形状チップが設けられる。
【0039】
図3は、ハウジングにスロット20が設けられ、スロット20内で弾性リーフ19が移動可能に案内されることを示している。スロット20を画定するハウジングの周縁領域には幾つかの三角形凹凸部が設けられ、これらの凹凸部には弾性ストラップ19の矢印形状チップが選択的に係合する。ハウジングには、三角形凹凸部に相応する目盛が設けられる。目盛は、図示の典型的な実施形態ではスピンドル14の直線移動を23mm分だけ増大でき、または減少できることを示している。そのため、ユーザは、自分が弾性リーフ19を作動させた後にスピンドル14の移動をどの値まで変えることができるのかを直ぐに決定できる。
【0040】
図示の実施形態とは異なり、引き出しロッド18をスピンドル14に直接に取り付けることもできる。逆に、引き出しロッド18は、伸縮チューブを有するテレスコープとして構成され、それにより、スピンドル14の動きに追従してもよい。
【0041】
また、図2は、エンドスイッチ・レセプタクル16が弾性リーフ19と反対方向を向く側にガイド溝21を備えることも示しており、このガイド溝内には引き出しロッド19が案内のために係合する。
【0042】
本発明は図示の典型的な実施形態に限定されない。圧力ブロック15がスピンドル14に配置され、また、最適な力伝達のためにスピンドル14が水平に対して傾けられ、それにより、調整移動の初めにスピンドル14の長手方向に及ぶ力が調整要素23に作用するようにすることが重要である。また、構造誘発ノイズを減衰させるための減衰カバーを回転減速ギア12が有することも重要である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを備え、前記ハウジングが少なくとも2つの部分で構成されるとともにU形状の開口を有し、前記開口内には前記ハウジングに対して回動可能なシャフトが係合し、前記シャフトが調整されるべき少なくとも1つの家具部品と動作可能に接続され、前記U形状開口がカバーを有し、前記カバーを好ましくは前記シャフトの長手方向で形状適合して取り付けることができるとともに、前記シャフトの位置を固定するために前記カバーが前記ハウジングと接続されるデュアル電動家具駆動装置(10)であって、
回転減速ギア(12)に伝動可能に結合される少なくとも1つの駆動モータ(11)が設けられ、回転ロックされるスピンドル(14)を前記回転減速ギア(12)によりその長手方向に移動させることができ、少なくとも前記回転減速ギア(12)および前記スピンドル(14)が前記ハウジング内に配置され、前記スピンドル(14)のそれぞれの端部位置が少なくとも1つのエンドスイッチ(17)によって制限されるデュアル電動家具駆動装置(10)において、
前記スピンドル(14)には、前記回転減速ギア(12)と反対方向を向く前記スピンドル(14)の側に、圧力ピース(15)が配置され、前記圧力ピースは、移動可能な家具部品に固定的に装着される調整要素(23)に動作可能に接続されることを特徴とする、デュアル電動家具駆動装置(10)。
【請求項2】
前記スピンドル(14)は、デュアル家具駆動装置(10)の設置位置に関して、水平に対して傾けられ、第2のスピンドル(14)が好ましくは同様に前記デュアル家具駆動装置(10)の設置位置に関して傾けられ、それにより、両方の前記スピンドル(14)の長手中心軸が鈍角を成すことを特徴とする、請求項1に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項3】
前記圧力ピース(15)がブロック状中空体として構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項4】
少なくとも前記回転減速ギア(12)が減衰要素によって少なくとも部分的に取り囲まれ、または、前記減衰要素が前記回転減速ギア(12)に接続されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項5】
前記回転減速ギア(12)がウォームドライブとして構成され、前記ウォームホイールが少なくとも1つのナット(13)に対して回転ロック状態で接続されて、前記ナット(13)のねじが前記スピンドル(14)のねじと螺合し、または、前記ナット(13)が前記ウォームホイールとともに単一形状部を形成し、これらの部品がプラスチック、好ましくはPOMから形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項6】
前記駆動モータ(11)がモータポット内に挿入され、前記モータポットは、前記ハウジングの側壁の外面にフランジ状に取り付けられ、または前記ハウジングとともに一体品として形成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項7】
前記従動要素(14,15)および/または前記ハウジングが調整装置(16)を有し、前記調整装置によって少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)の切り換え閾値の位置を前記ハウジングの外側から調整できることを特徴とする、請求項1に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項8】
前記調整装置(16)と関連付けられる前記ハウジングの壁が開口(20)を有し、前記開口を通じて前記調整装置(16)の作動要素を案内できることを特徴とする、請求項7に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項9】
前記調整装置(16)が少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)の切り換え閾値に結び付けられ、それにより、少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)のそれぞれの切り換え閾値を前記回転減速ギア(12)に関して異なる間隔で設定できることを特徴とする、請求項7または8に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項10】
前記各エンドスイッチ(17)がハウジング状エンドスイッチ・レセプタクル(16)内に挿入され、前記エンドスイッチ・レセプタクル(16)を移動させるために、前記ハウジングの関連する壁にスロット(20)が設けられ、前記スロット内に前記エンドスイッチ・レセプタクル(16)を前記回転減速ギア(12)に関して異なる間隔で固定できることを特徴とする、請求項7に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項11】
前記各エンドスイッチ・レセプタクル(16)が前記ハウジングの壁に隣接するガイド内で移動可能に案内されることを特徴とする、請求項10に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項12】
前記ハウジングの壁の前記各スロット(20)を画定する周縁領域が凹凸部を有し、前記エンドスイッチ・レセプタクル(16)には少なくとも1つの対向する凹凸部が設けられることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項13】
前記各エンドスイッチ・レセプタクル(16)は、前記スロットを画定する前記周縁領域に対応する対向凹凸部が設けられる弾性リーフ(19)または弾性舌部を含むことを特徴とする、請求項12に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項14】
デュアル電動家具駆動装置(10)の前記ハウジングの内側には前記スピンドル(14)の直線移動に追従する少なくとも1つの引き出しロッドが配置されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項15】
前記引き出しロッド(18)が少なくとも1つの長溝を有する平坦なロッドであり、前記エンドスイッチ・レセプタクル(16)のガイドウェブが前記長溝に係合することを特徴とする、請求項14に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項16】
前記引き出しロッド(18)は、ブロック状圧力ピース(15)に固定されるとともに、前記ハウジングの2つの関連する壁から離間されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項17】
前記引き出しロッド(18)は、前記回転減速ギア(12)と反対方向を向くスピンドル(14)の側に固定されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項18】
前記引き出しロッド(18)がテレスコープとして構成され、前記可変長伸縮チューブが前記スピンドル(14)の直線移動に追従することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項19】
前記ハウジングの外側には前記スロットに隣接する側に目盛が配置されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項20】
前記従動要素(14,15)および/または前記ハウジングが調整装置(16)を有し、前記調整装置によって少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)の切り換え閾値の位置を前記ハウジングの外側から調整できることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項21】
前記調整装置(16)と関連付けられる前記ハウジングの壁が開口(20)を有し、前記開口を通じて前記調整装置の作動要素を案内できることを特徴とする、請求項7に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項22】
前記調整装置(16)が少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)の切り換え閾値に結び付けられ、それにより、少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)のそれぞれの切り換え閾値を前記回転減速ギア(12)に関して異なる間隔で設定できることを特徴とする、請求項7または8に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項23】
少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)がハウジング状エンドスイッチ・レセプタクル(16)内に挿入され、前記エンドスイッチ・レセプタクル(16)に隣接する領域の前記ハウジングの関連する壁には開口を形成するスロット(20)が設けられ、前記スロット内に前記エンドスイッチ・レセプタクル(16)を前記回転減速ギア(12)に関して異なる間隔で固定できることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項24】
前記各エンドスイッチ・レセプタクル(16)が前記ハウジングの壁に隣接するガイド内で移動可能に案内されることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項25】
前記ハウジングの壁の前記各スロット(20)を画定する周縁領域が凹凸部を有し、前記エンドスイッチ・レセプタクル(16)には少なくとも1つの対向する凹凸部が設けられることを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項26】
前記各エンドスイッチ・レセプタクル(16)は、前記スロットを画定する前記周縁領域に対応する対向凹凸部が設けられる弾性リーフ(19)または弾性舌部を含むことを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項27】
デュアル電動家具駆動装置(10)の前記ハウジングの内側には前記スピンドル(14)の直線移動に追従する少なくとも1つの引き出しロッド(18)が配置されることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項28】
前記引き出しロッド(18)が少なくとも1つの長溝を備える平坦なロッドであり、前記エンドスイッチ・レセプタクル(16)のガイドウェブが前記長溝に係合することを特徴とする、請求項1〜27のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項29】
前記回転減速ギア(12)と反対方向を向く前記スピンドル(14)の端部にブロック状スライダ(15)が取り付け固定されることを特徴とする、請求項1〜28のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項30】
前記引き出しロッド(18)は、前記ブロック状スライダ(15)に固定されるとともに、前記ハウジングの2つの関連する壁から離間されることを特徴とする、請求項1〜29のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項31】
前記引き出しロッド(18)は、前記回転減速ギア(12)と反対方向を向くスピンドル(14)の側に固定されることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項32】
前記ハウジングの外側には前記スロットに隣接する側に目盛が配置されることを特徴とする、請求項1〜31のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項33】
前記従動要素(14,15)および/または前記ハウジングは、移動可能なエンドスイッチ・レセプタクルによって好ましくは形成される調整装置(16)を含むことを特徴とする、請求項1〜32のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項34】
前記調整装置(16)は、前記ハウジングの外側から自由にアクセスでき、および/または、カバー要素によって覆われることを特徴とする、請求項1〜33のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項35】
ストッパ面と、電気モータスイッチが家具部品の十分に作動された位置または十分に伸長された位置のそれぞれでOFFに切り換わる場所との間の距離を調整できることを特徴とする、請求項1〜34のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項36】
少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)が前記調整装置(16)に結合され、または固定的に接続されることを特徴とする、請求項1〜35のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項37】
少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)のタペットが前記調整装置(16)に結合され、または固定的に接続されることを特徴とする、請求項18に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項38】
少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)を作動させるためのストッパ面が少なくとも1つの調整装置(16)に結合され、または固定的に接続されることを特徴とする、請求項1〜37のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項39】
直線移動可能な従動要素(14,15)が少なくとも1つの調整装置(16)に結合され、または固定的に接続されることを特徴とする、請求項1〜38のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項40】
前記調整装置(16)は、形状適合して係合する位置を有するエンドスイッチ・レセプタクルによって形成されることを特徴とする、請求項1〜39のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項41】
前記調整装置(16)は、ねじを用いて連続的に調整できるとともに移動しないように固定されることを特徴とする、請求項1〜40のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項42】
前記調整装置(16)は、従動要素(14,15)に取り付けられ、または従動要素(14,15)内に取り付けられ、従動要素(14,15)内に挿入され、または、従動要素(14,15)に結合されることを特徴とする、請求項1〜41のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項43】
少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)がプリント回路基板上に配置されることを特徴とする、請求項1〜42のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。
【請求項44】
プリント回路基板上に配置される少なくとも1つの前記エンドスイッチ(17)が少なくとも1つの調整装置(16)に結合され、または、固定的に接続されることを特徴とする、請求項1〜43のいずれか一項に記載のデュアル電動家具駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−506871(P2011−506871A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537388(P2010−537388)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066789
【国際公開番号】WO2009/074505
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(593178878)デヴェルト アントリープス− ウント ジステームテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (8)
【氏名又は名称原語表記】Dewert Antriebs− und Systemtechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Weststrasse 1,Kirchlengern,Germany
【Fターム(参考)】