説明

デュプリケートシステム

【課題】PCやカーナビなどに内蔵するHDDデータのコピー&コンペア作業を効率化し、時間短縮やコストダウンを図る。
【解決手段】LANのデータ転送速度の遅さを,システムにおけるロスタイムとしない目的で配置するサブシステムHDD(S1,S2)にサブシステムデータをLAN経由でストアし,得られたサブシステムデータをデータ内容に応じてグループ分けを行い,所定のグループデータを該当するグループHDD(G11〜G22)にストアし,グループHDDとグループを形成するターゲットHDD(T111〜T222)にコピー&コンペアする構成をとり,サーバー休止時にサーバー1のシステムデータを更新し,サーバーならびにサブシステムHDDの休止時にサブシステムHDDのサブシステムデータをサーバーからLAN経由で転送し更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
パソコン,カーナビなどに情報,映像,音響データを搭載,接続するターゲットHDDに,所定のデータをコピー・コンペアするシステムを,サーバー,サブシステムHDD,グループHDDで形成し,システムが扱うシステムデータはサーバーで一元管理し,システムデータに包含される個々のサブシステムが扱うサブシステムデータは,LANのデータ転送速度の遅さを,システムにおけるロスタイムとしない目的で配置するサブシステムHDDにLAN経由でストアし,得られたサブシステムデータをデータ内容に応じてグループ分けを行いない,所定のグループデータを該当するグループHDDにストアし,グループHDDとグループを形成するターゲットHDDにコピー・コンペアするデュプリケートシステム。
【背景技術】
【0002】
パソコン,カーナビなどの情報,映像,音響機器などに収納するデータ量は年々増大し,利用するストレージとしては,大容量のハードディスクドライブ(HDD)が主流となり,現在ではギガビット(GB),テラビット(TB)が実用化されている。このため,パソコン,カーナビなどを出荷する場合は,内装するHDDに必要とされるデータをコピー・コンペアする作業が必要であり,コピー・コンペア作業の高速化とともに,作業のロスタイム短縮,システムのコストダウンが強く求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パソコン,カーナビなどの情報,映像,音響機器などに収納するデータ量は年々増大し,利用するストレージとしては,大容量のハードディスクドライブ(HDD)が主流となっており,パソコン,カーナビなどを出荷する場合は,内装するHDDに必要とされるデータをコピー・コンペアする作業が必要であり,コピー・コンペア作業の高速化とともに,機種ごと,品種ごとにコピー・コンペアするデータも異なるため,生産工程において頻繁なデータの更新が必要となるため,データの一元管理が求められるとともに,設置場所を選ばず複数のシステムを離れた場所に配置してのセンター管理が求められる。このため,サーバーにデータをストアして,LANにより転送するシステムが種々実用化されているが,LANのデータ転送速度は遅く,多くのハードディスクドライブにコピー・コンペアする作業にとって大きなロスタイムを生じ,一日の出荷台数にも大きな影響を与えるため,HDDのコピー・コンペア作業の高速化とともに,ロスタイムの短縮,システムのコストダウンが大きな課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
システムが扱うシステムデータはサーバーで一元管理し,システムデータに包含される個々のサブシステムが扱うサブシステムデータは,LANのデータ転送速度の遅さを,システムにおけるロスタイムとしない目的で配置するサブシステムHDDにLAN経由でストアし,得られたサブシステムデータをデータ内容に応じてグループ分けを行いない,所定のグループデータを該当するグループHDDにストアし,グループHDDとグループを形成するターゲットHDDにコピー・コンペアする構成をとり,サーバーの休止時にサーバーのシステムデータを更新し,サーバーならびにサブシステムHDDの休止時にサブシステムHDDのサブシステムデータをサーバーからLAN経由で転送更新する。
【発明の効果】
【0005】
システムの全てのデータがサーバーで一元管理されるため,同一データを複数回,処理・更新するなどの無駄が防がれるとともに,複数のシステムを離れた場所に配置することも可能であり,設置場所を選ばず,センター管理が可能であるとともに,サーバーの休止時にサーバーのシステムデータを更新し,サーバーならびにサブシステムHDDの休止時にサブシステムHDDのサブシステムデータをサーバーからLAN経由で転送更新することにより,LANのデータ転送速度はそれ程の高速を必要とせず,作業中のターゲットHDDへのコピー・コンペア作業が終了すると,直ちにグループHDDはサブシステムHDDから次の作業のグループデータを入手することができるため,低コストで,かつシステムのロスタイムが大幅に短縮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は本発明によるデュプリケートシステムにおける2系統のサブシステム例を示す。1はサーバー,S1,S2は2系統のサブシステムHDDを示す。G11,G12,G21,G22はグループHDDで,それぞれのグループHDDがターゲットHDDと繋がって,G11と(T111,T112),G12と(T121,T122),G21と(T211,T212),G22と(T221,T222)でグループを構成している。それぞれのサブシステムが扱うデータはサーバーにより一元化管理され,それぞれのサブシステムに適応したサブシステムデータがLANによりサブシステムHDDに転送され,それぞれのターゲットHDDはグループHDDが保有する所定のグループデータでコピー・コンペアされる。
【0007】
図2は単一のサブシステム例を示す。2はサーバ〜PC,PC〜サブシステムHDDを制御する第一のコントローラーを示し,PCを採用した。5はサブシステムHDD〜グループHDD〜ターゲットHDDを制御する第二のコントローラーを示す。3はサーバーからのデータ伝送路LAN,4はPCとサブシステムHDD間のデータバスeSATA,6はハードディスク間のデータバスSATAを示し,データーの転送レートは,LANは100BaseT:100Mbps,eSATA:3Gbps,SATA:2,4Gbps程度であり,LANのデータ転送速度がロスタイムを生ずる最大のネックとなる。この問題を解決するために,サーバーとグループHDDとの間にサブシステムHDDを配置して,サーバーの休止時にはサーバー自体のシステムデータを更新し,ターゲットHDDがグループHDDとコピー・コンベア作業中,かつサーバーが休止時にサーバーからサブシステムデータをLAN経由でサブシステムHDDに転送更新することにより,LANのデータ転送速度はそれ程の高速を必要とせず,ターゲットHDDへのコピー・コンペア作業が終了すると,直ちにグループHDDはサブシステムHDDから次のコピー・コンペア作業のためのグループデータを入手することができるため,低コストで,かつシステムのロスタイムが大幅に短縮され,システム稼動中であってもデータ更新が可能となる。
【0008】
図3は,グループを複数のグループHDDで構成するシステムを示し,請求項2に示す個々のグループにG11,G111,ならびにG12,G121のグループHDDを二個づつ配置し,ターゲットHDDがグループHDDとの間でコピー・コンペア作業中であっても,二個のうち休止している側のグループHDDのグループデータをサブシステムHDDにストアされている最新データに更新することにより,作業中のターゲットHDDのコピー・コンペア作業が終了すると,直ちにデータ更新されたグループHDDよりターゲットHDDのコピー・コンペアが可能となり,ロスタイムが大幅に短縮される。
【0009】
請求項3は専用のグループHDDを配置せず,特定のターゲットHDDをテンポラリー・グループHDDとしてグループHDDの代わりに使用するものであり,ターゲットHDDへのコピー・コンペア作業が完了した時点では,テンポラリー・グループHDDをターゲットHDDとして出荷することが出来るため,システム構成コストは大幅に低減される。請求項4はサーバー,サブシステムHDD,グループHD,ターゲットHDDに関して,データの更新,転送タイミングを表示したり,更新,転送を可能とするなどにより,操作性を高めるとともに,誤操作を防止する効果がある。
【実施例】
【0010】
サーバーのストレージ容量は3.5インチ400GB,LANは100Base−T,第一のコントローラーとしてはPC,サブシステムHDDは3.5インチ250GB,マスターHDDは2.5インチ80GB,第二のコントローラーとしてはディスクリート回路,高速バスとしてeSATA,ならびにSATAでシステムを構成した。また,サーバーからサブシステムHDDのデータ転送においては,転送データの誤りを検出するCRCやエラー訂正処理を適用した。また,サブシステムHDD〜グループHDD〜ターゲットHDD間のデータ転送においては,データバッファを介して1:nの一斉コピー・コンペア処理を適用して,処理時間を短縮した。また,LANはより高速の1000Base−T,高速バスとしてSASを採用することも可能であるが,1000Base−Tの転送速度は1000Mbps程度であり,ハードディスク間の転送速度には達しないとともに,システム構成コストが高価になる。また,コントローラーとしては,PC,ディスクリートいずれにて構成しても良いとともに,サブシステムHDDはPCに内装するハードディスクを利用しても良い。ストレージの容量に関しても,それぞれのシステムに最適なものを採用するなど,本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば種々の変形実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0011】
パソコン,カーナビなどに情報,映像,音響データを搭載,接続するターゲットHDDに,所定のデータをコピー・コンペアするシステムを,サーバー,サブシステムHDD,グループHDDで形成し,システムが扱うシステムデータはサーバーで一元管理し,システムデータに包含される個々のサブシステムが扱うサブシステムデータは,LANのデータ転送速度の遅さが,システムにおけるロスタイムとならない目的で配置するサブシステムHDDにLAN経由でストアし,得られたサブシステムデータをデータ内容に応じてグループ分けを行ない,所定のグループデータを該当するグループHDDにストアし,グループHDDに繋がるターゲットHDDにコピー・コンペアするデュプリケートシステム。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のデュプリケートシステムの構成概念図
【図2】単一のサブシステムのシステム構成概念図
【図3】グループを複数のグループHDDで構成するシステム構成概念図
【符号の説明】
1 サーバー
2 第一のコントローラー
3 LAN
4 eSATA
5 第二のコントローラー
6 SATA
7 ハブ
S サブシステムHDD
G グループHDD
T ターゲットHDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコン,カーナビなどに情報,映像,音響データを搭載,接続するターゲットHDDに,所定のデータをコピー・コンペアするシステムを,サーバー,サブシステムHDD,グループHDDで形成し,システムが扱うシステムデータはサーバーで一元管理し,システムデータに包含される個々のサブシステムが扱うサブシステムデータは,LANのデータ転送速度の遅さを,システムにおけるロスタイムとしない目的で配置するサブシステムHDDにLAN経由でストアし,得られたサブシステムデータをデータ内容に応じてグループ分けを行いない,該当するグループHDDに所定のグループデータをストアし,グループHDDとグループを形成するターゲットHDDにコピー・コンペアする構成をとり,サーバーの休止時にサーバーのシステムデータを更新し,サーバーならびにサブシステムHDDの休止時にサブシステムデータをLAN経由でサーバーからサブシステムHDDに転送更新することにより,LANのデータ転送速度はそれ程の高速を必要とせず,作業中のターゲットHDDへのコピー・コンペア作業が終了すると,直ちにグループHDDはサブシステムHDDから次のコピー・コンペア作業のグループデータを入手することができるため,低コストで,システムのロスタイムが大幅に短縮されるデュプリケートシステム。
【請求項2】
グループを複数のグループHDDとターゲットHDDで形成し,ターゲットHDDがコピー・コンペア作業中であっても,休止しているグループHDDのデータをサブシステムHDDの最新データに更新することにより,サーバー〜サブシステムHDD〜グループHDDにおけるデータの更新のロスタイムが無く,ターゲットHDDのコピー・コンペア作業が終了すると,直ちにデータ更新されたグループHDDによりターゲットHDDのコピー・コンペアが可能な請求項1に記載するデュプリケートシステム。
【請求項3】
専用のグループHDDを備えず,特定のターゲットHDDをテンポラリー・グループHDDとしてグループHDDの役割を担わせるとともに,ターゲットHDDへのコピー・コンペア作業が完了した時点では,テンポラリー・グループHDDをターゲットHDDとして出荷することが出来る,請求項1,請求項2に記載するデュプリケートシステム。
【請求項4】
サーバー,サブシステムHDD,グループHD,ターゲットHDDに関して,動作中表示,休止中表示,休止中のみデータの転送,更新を可能とする手段などの何れか,または全てを備える請求項1,請求項2,請求項3に記載するデュプリケートシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−86506(P2010−86506A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277360(P2008−277360)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(396014636)株式会社ワイ・イー・シー (13)
【出願人】(507160344)株式会社メイルリバー (6)
【Fターム(参考)】