説明

データキャリア又は文書キャリア

電気又は電子データキャリア又は文書キャリア(100)、並びに少なくとも1つの基地局又は中央局、特に少なくとも1つの読み取り/書き込み端末と、少なくとも1つの電気又は電子データキャリア又は文書キャリア(100)との間の通信、特にデータ及び/又はエネルギの非接触伝送及び/又は非接触交換の方法を、データ及び情報がデータキャリア又は文書キャリア(100)のユーザ又は所有者の同意、認識及び/又は援助無しでデータキャリア又は文書キャリア(100)から読み取られることができないように更に発展させるために、データキャリア又は文書キャリア(100)が、広げられた又は開いた状態として定義される第1の位置(A)と折り畳まれた又は閉じた状態として定義される第2の位置(B)との間で移動されることができること、及びデータキャリア又は文書キャリア(100)が、実質的に第1の位置(A)のみ若しくは実質的に第2の位置(B)のみ又は実質的に第1の位置(A)と第2の位置(B)との間の位置のみで前記基地局又は中央局に結合されることが提案されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの基地局又は中央局、特に少なくとも1つの読み取り/書き込み端末との通信、特にデータ及び/又はエネルギの非接触伝送及び/又は非接触交換に対して設計された電気又は電子データキャリア又は文書キャリアに関し、前記データキャリア又は文書キャリアは、少なくとも1つの電気又は電子回路及び前記回路に導電的に接続された少なくとも1つの結合素子、特に前記データキャリア又は文書キャリアを前記基地局又は中央局に結合する少なくとも1つの結合素子を持つ。
【0002】
本発明は、更に、少なくとも1つの基地局又は中央局、特に少なくとも1つの読み取り/書き込み端末と、少なくとも1つの電気又は電子データキャリア又は文書キャリアとの間で、通信、特にデータ及び/又はエネルギの非接触伝送及び/又は非接触交換に対する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
初めに述べられたタイプの非接触型データキャリア又は文書キャリアが、基地局又は中央局、例えば適切な読み取り/書き込み端末の対応して変調された電磁RF(無線周波数)場に入る、又はこのような電磁場にさらされる場合、一般に、前記データキャリア又は文書キャリアは、少なくともこれ自体がこのようなものとして識別されることを可能にする。
【0004】
これにより、前記データキャリア又は文書キャリアと前記基地局又は中央局との間のデータ及び/又は情報の伝送が開始されることができる。多くの場合、前記データキャリア又は文書キャリアが認識されることは、関連した理由、例えばデータ保護及び/又は感情的感覚の理由で望ましくない。
【0005】
したがって前記データキャリア又は文書キャリアの単純な応答によってでさえ、ユーザ又は所有者の許可、認識及び/又は援助無しで、特定の識別鍵を持つこのデータキャリア又は文書キャリアが前記基地局又は中央局の電磁場内にあることを検出することは可能である。
【0006】
これに関連して特定の意義を持つのは、銀行取引及び財務、並びに/又は保護を必要とする個人の、私有の若しくは極秘のデータの処理に関連した応用であり、これらのデータは、運転免許証、ID(識別)カード又はパスポートのような公式の又は中央政府の(sovereign)文書を含む。
【0007】
したがって、例えばローカルな公的輸送システムにおいて、前記非接触型データキャリア又は文書キャリアからの金銭の比較的単純な差し引きは、ユーザの利便性の理由で望ましいので、運賃を払う広く認められた手段を表すのに対し、他の応用の場合には前記データキャリア又は文書キャリアの所有者の許可、認識及び/又は援助無しで個人のデータが読み取られる可能性を防ぐのに必要であり、換言すると、これは個人データ及び情報の読み取りが、何らかの形で前記データキャリア又は文書キャリアのユーザ又は所有者の同意を必要とすべきであることを意味する。
【0008】
世界中で全ての渡航文書を管理データ及び追加としてバイオメトリックデータを記憶する非接触型データキャリア又は文書キャリアに備えるという現行の意図により、前記ユーザ又は所有者の許可、認識及び/又は援助無しの前記データキャリア又は文書キャリアの自動応答の態様は、特に現在の状況に特に関連するようになる。
【0009】
データ及び情報が前記ユーザ又は所有者の許可、認識及び/又は援助無しで読み取られることに対する保護の欠如は、特にデータ保護責任者又は消費者組織により、非接触型データキャリア又は文書キャリアに備えられた渡航文書の計画された導入に対する大きなハードルと見なされている。
【0010】
一体化されたボタン又はスイッチを用いる、又は−読み取り装置のHF(高周波)電磁場をスクリーニングするいわゆる“ファラデー箱”としての−スリーブを用いるこれまでに提案された解決法は、あまり実際的ではなく、したがって市場で主張することができないことが証明されており、後者の場合、例えば、ID又は渡航パスは、常に使用前に前記スリーブから取り出されなければならず、これは面倒であり、扱いにくいとされる。
【0011】
ここで従来技術では、非接触型データキャリア又は文書キャリアの制御の一般的な領域に関して、特に折畳式のコイル又はアンテナを考慮して、データ記憶システムに関する欧州特許公開公報EP0292249A2に注目しなければならない。ここで紙の文書の場合に存在するセキュリティ問題を克服するために、文書又はオブジェクトに添付されるのは、例えば“オンボード”処理又は記憶を行う“スマートカード”のタイプの電子トークンである。
【0012】
使用時において、前記文書又はオブジェクトは、公開公報EP0292249A2による電子トークンが非接触の態様で外部の読み取り/書き込みユニットに結合されるように構成される。前記トークンによって、セキュリティ感受情報は、アクセス又は追加されることができ、実際に、正しいパスワードを持ち、これを行うことを許可された人により独占的に行われることができる。
【0013】
公開公報EP0292249A2による電子トークンは、パス及び小切手帳等に備えられることもでき、他の可能な使用法は、この方法で運転免許証及び税金、これまでの車の持ち主、及び/又は前記車の所有者及び運転者に関するデータに関する詳細を記憶するために、車に電子トークンを備えることにある。
【0014】
欧州特許公開公報EP0780007A1において、薄いフレキシブル電子高周波識別回路が開示され、これは、絶縁フレキシブル基板、アンテナ、回路チップ及び1つ以上の接続リードを持つ。前記基板は、前記チップが配置される凹所を持ち、前記チップは、前記凹所において前記基板と前記チップとの間の距離を埋める封止(encapsulation)により覆われる。
【0015】
欧州特許公開公報EP1258943A1から、シールドの1つを第2のアンテナとして使用する折畳式の携帯電話が知られている。
【0016】
更に、従来技術に関して、公開公報JP2000−301861、US2002/0129488A1及びUS2003/0050009A1も参照されることができる。
【0017】
更に、公開公報DE19721057から、少なくとも2つのカード素子を持つカードの形式のデータキャリアが知られており、前記少なくとも2つのカード素子の少なくとも1つは電気接続を持ち、前記少なくとも2つのカード素子は、前記カードの起動が閉じた状態のみに可能であるように実行されるデータ及びエネルギの伝送に対するコイルを持つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上で概説された不利点及び欠点から始めて、ここに概説される従来技術を認識すると、本発明の目的は、結合素子が可能な限り少ない費用で製造されることができるように、初めに述べられたタイプのデータキャリア又は文書キャリアを更に発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的は、請求項1に記載のフィーチャを持つデータキャリア又は文書キャリアにより達成される。本発明の有利な設計及び好都合な他のフィーチャは、夫々の従属請求項において特徴付けられる。
【0020】
本発明は、非接触型データキャリア又は文書キャリアに対するアクセスの自動開放の原理、又は非接触型データキャリア又は文書キャリアに対する自動アクセス制御の原理、即ち、容量素子として設計された少なくとも1つの結合素子が非接触型データキャリア又は文書キャリアを持つ文書、例えばパスポート内に適切な態様で配置されることから、本発明によるデータキャリア又は文書キャリアが所望のアクセスと不正アクセスとの間で区別することを可能にする原理にも基づく。
【0021】
このような容量素子は、(例えば電気鍍金によって)製造するのが容易であり、したがって非常に経済的に配置されることができる。
【0022】
本発明の好都合な実施例において、典型的な機械可読渡航文書(いわゆるMRTD)のいわゆる“ブックレット”構造が使用されることができる。
【0023】
このデータキャリア又は文書キャリア及びこれに関する動作手順の他のフィーチャによると、容量結合は少なくとも2つのキャパシタによって生じる。前記キャパシタの一方の板が前記文書のフロントページに及び前記文書のバックページに夫々挿入される。前記キャパシタの対応する他方の板は前記基地局又は中央局の構成部分である。
【0024】
容量結合の他の設計は、前記文書の前記2つの容量板が接続軸を越えて延在するが、互いに噛み合う場合に得られる。これにより、前記文書が開かれる場合、非常に短い距離だけで通信が可能であり、更に、前記基地局又は中央局及び前記データキャリア又は文書キャリア内の結合素子が同じ構造を持ち、前記結合素子が互いに十分に位置合わせされている場合のみにこれが可能である。前記データキャリア又は文書キャリアと前記基地局又は中央局との間のより大きな距離の場合に、噛み合わされた(toothed)キャパシタ板の電場は、これら自体を大幅に補正し、この結果、データ伝送が行われることができない。したがって、無意図的に開かれた文書の場合でさえ、前記データは高度に保護される。
【0025】
追加の符号化を達成するために、噛み合わせ(toothing)は、特定的に各データキャリア又は文書キャリアに対してセットされることができる。いずれの噛み合わせが前記データキャリア又は文書キャリア内に存在するかだけが、例えば暗号化された態様で前記文書内に記憶されることができ、前記文書の信頼性が確認される場合に例えば光学的方法で読み取られることができる。前記基地局又は中央局は、この場合、対応する噛み合わせをセットすることができる。追加の符号化はこのように達成される。
【0026】
本発明は、更に、上述のタイプによる少なくとも1つの電気又は電子データキャリア又は文書キャリアとの通信、特にデータ及び/又はエネルギの非接触伝送及び/又は非接触交換に対する基地局又は中央局、特に読み取り/書き込み端末に関する。
【0027】
本発明は、更に、上述のタイプによる少なくとも1つの電気又は電子データキャリア又は文書キャリアと、上述のタイプによる少なくとも1つの基地局又は中央局、特に読み取り/書き込み端末とを持つ電気又は電子通信システムに関する。
【0028】
本発明は、最後に、特に少なくとも1つの機械可読文書、特に渡航文書(いわゆるMRTD(機械可読渡航文書))、例えば少なくとも1つの個人識別カードのような少なくとも1つの識別文書、又は例えば少なくとも1つのパスポートのような少なくとも1つのパス文書、又は例えば少なくとも1つの居住許可のような少なくとも1つのビザにおける、上述のタイプによる少なくとも1つの電気又は電子データキャリア又は文書キャリア、及び/又は上述のタイプによる少なくとも1つの基地局又は中央局、特に読み取り/書き込み端末、及び/又は上述のタイプによる少なくとも1つの電気又は電子通信システム、及び/又は上述のタイプによる方法の使用に関する。
【0029】
既に上で論じられたように、本発明の理論を有利に実施し、更に発展させる様々なオプションが存在する。これに関し、一方で、請求項1に従属する請求項に言及し、他方で本発明の他の設計、フィーチャ及び利点が、以下により詳細に説明され、前記例に基づき、図1Aないし6Bにより図示される6つの実施例の実施を含む。
【0030】
同じ又は同様な設計、要素又はフィーチャは、図1Aないし6Bにおいて同一の参照番号を与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1Aないし6Bにより図示された本発明の6つの実施例において、各場合において、電気又は電子回路10(=いわゆるIC(集積回路))を持つデータキャリア又は文書キャリア100が示されている。データキャリア又は文書キャリア100は、本発明による方法により動作し、基地局又は中央局、特に読み取り/書き込み端末と通信するように設計される。
【0032】
図1A及び1Bによる第1の実施例の場合、象徴的に3巻きを持つコイルが、非接触型データキャリア又は文書キャリア100の誘導結合素子36としてマルチページ文書、例えばパスポートに一体化される。このコイル36は、集積回路(構成)10に導電的に接続され(20)、データキャリア又は文書キャリア100を前記基地局又は中央局に結合する働きをする。
【0033】
本発明の重要なフィーチャは、ここで、この誘導素子36が、従来的のように、フロントページ12(=図1Aにおける左半分)のみ又はバックページ16(=図1Aにおける右半分)のみのいずれかに設計されることはないが、フロントページ12及びバックページ16における共通コイルとして設計されることであると見られることができる(図1Aから見られることができるように、フロントページ12とバックページ16との間に走っているのは共通接続軸14であり、共通接続軸14の周りで、フロントページ12及びバックページ16は、互いに対して折り畳まれ、又は傾けられることができる)。
【0034】
これにより、本発明によると、前記文書が開いた状態(=図1Aによるいわゆる第1の位置A、即ち広げられた又は開いた状態)にある場合、HF(高周波)電磁場が統合的に検出されることが保証され、図1Aによると、前記パスが開かれた場合、コイル36は完全な領域を持ち、これにより前記基地局又は中央局による前記データ及び情報に対するアクセスが可能になることが保証される。
【0035】
前記パスポートの折り畳まれた状態(図1Bによるいわゆる第2の位置B、即ち折り畳まれた又は閉じた状態)において、他方では、コイル36の巻きは、誘導電圧が前記誘導電圧自体を補正し、外側からの、例えば前記基地局又は中央局によるデータキャリア又は文書キャリア100へのアクセスが可能でない(図1B参照、前記パスは閉じられ、前記データ及び情報に対するアクセスは可能ではない)ように互いの上に位置する。
【0036】
前記パスが光学的又は視覚的読み取りに対して開かれている場合にのみ、コイル36の巻きは、対応する読み取り/書き込み端末と結合するのに十分な領域を形成するように自由である。
【0037】
代替的に、データキャリア又は文書キャリア100の第1の領域又は第1のページ12、特にフロント領域又はフロントページの代わりに、及びデータキャリア又は文書キャリア100の第2の領域又は第2のページ16、特にバック領域又はバックページの代わりに、前記文書の他の適切なページも本発明の意味で使用されることができる。
【0038】
図2により図示される本発明の変形例の場合、コイル36’をカバー12及びバックページ16上にストリップSとしてのみ配置することも可能である。これは、特に、コストの利点をもたらすことができる(図2参照、ストリップSとして小さなコイル36’を持つ第2の実施例、開いた状態A)。残りの部分に対して、図2による第2の実施例の設計、フィーチャ及び利点に関して、不必要な繰り返しを避けるために、図1A及び1Bによる第1の実施例に関して上で与えられた説明を明示的に参照する。
【0039】
図3により図示された本発明の他の変形例において、コイル34は、広げられた文書の第2のページ−図3における右側のページ16−に置かれておらず、第2の領域又は第2のページ16には、代わりに板30の形の金属領域が設けられ、これによりコイル34は、データキャリア又は文書キャリア100の閉じた状態Bにおいて完全に覆われ、この結果、金属板30によるコイル34の補正が行われる。
【0040】
第1の領域又は第1のページ12内に配置されたコイル34の完全な被覆を保証するために、金属板30は、少なくともコイル34のサイズであり、データキャリア又は文書キャリア100の開いた状態Aにおいて(図3参照)、接続軸14に関して、実際のコイル34に対する鏡に映したような位置を仮定する。
【0041】
金属板30内で生じる渦電流損により、誘導結合素子(=コイル34)に対する金属板30の接近は、コイル34に対する1つ以上の基地局又は中央局、例えば1つ以上の読み取り/書き込み端末によるアクセスを防ぐ。しかしながら、開いた状態Aにおいては(図3参照)、この板30は効果が無いままである。
【0042】
真ん中の点線により図3から見られることができるように、板30は、導電的態様(<−>導体素子30と結合素子34との間の導電接続32)においてコイル34に接続されることができ、又は完全に絶縁されて挿入されることができる。
【0043】
平らな文書に対して関連することができる他の実行及び設計オプションは、接続軸14の領域、即ち図4の真ん中におけるコイル38の交差した構成の場合に得られる。コイル38の巻きが交差点38k上で真ん中に通される場合、データ及び情報は、閉じた状態Bのみに読み取られることができる。
【0044】
他方で開いた状態Aにおいて(図4参照)、データキャリア又は文書キャリア100は、読み取り/書き込み端末による読み取り又は接触を禁じられ、又は読み取りは、非常に狭い結合を持つ対応して設計された読み取り/書き込み端末を用いてのみ可能である(図4参照、本発明の第4の実施例としての交差された巻きを持つ構成)。
【0045】
図5A及び5Bにより図示された本発明の第5の実施例の場合に、誘導結合の代わりに、容量結合40a、40bが採用され、ここで容量結合データキャリア又は文書キャリア100は、一般に、コイルの代わりに2つの板の対、即ち読み取り/書き込みモジュール(=基地局又は中央局)において互いに隣接している2つの板、及びデータキャリア又は文書キャリア100において互いに隣接している2つの板40a、40bを使用する。
【0046】
データキャリア又は文書キャリア100及び前記読み取り/書き込みモジュールの板の対が互いに近くに移動される場合、これらの板の対の間でのエネルギ及びデータの伝送、並びに前記読み取り/書き込みモジュールとデータキャリア又は文書キャリア100との間の通信は、誘導システムと同等に行われることができる。
【0047】
本発明の精神において、ここで、キャパシタ板40aをフロントページ12に対して及びキャパシタ板40bをバックページ16に対して夫々(又はデータキャリア若しくは文書キャリア100の内側のページに適宜)適合することができる(図5A参照、横領結合40a及び40bを持つ開かれたパス)。
【0048】
閉じた文書の場合(図5B参照、容量結合40a及び40bを持つ閉じたパス)、これらの板40a及び40bは、差分信号が前記読み取り/書き込みモジュールに供給され、且つ評価されなければならないので、エネルギ及びデータの伝送、並びに前記読み取り/書き込みモジュールとデータキャリア又は文書キャリア100との間の通信が行われることができるように互いの上に位置する。
【0049】
図6は、前記キャパシタ板の代替的な実行を表す。ここで、容量素子40a及び40bは、互いに噛み合わされ、互いに適切に接続された異なる素子の形で設計されている。これらの相互に連動する素子は、異なる長さであることができ、これは個別の符号化に使用されることができる。
【0050】
締めくくりに、上で使用される用語“通信”が、データ及び/若しくはエネルギの無線若しくは非接触交換、又はデータ及び/若しくはエネルギの無線若しくは非接触伝送を意味すると取られることに注意する。
【0051】
これは、特に、本発明を通して、データ通信を目的とする結合素子、例えばデータ通信を目的とするコイルが、データキャリア又は文書キャリア100の前記第1の領域又は第1のページ、例えば前記フロント領域又はフロントページのみに提供される(これは従来技術による構成に対応する)のに対し、エネルギ伝送を目的とする結合素子、例えばエネルギ伝送を目的とするコイルが、前記第1の領域又は第1のページ及び前記第2の領域又は第2のページ、即ち例えばバック領域又はバックページの両方にわたり延在する例示的実施例も含まれ、これにより上述の効果が本発明の意味で得られることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1A】広げられた又は開いた状態における、本発明による方法により動作する本発明によるデータキャリア又は文書キャリアに対する第1の実施例を概略的な態様で示す。
【図1B】折り畳まれた又は閉じた状態における図1Aからのデータキャリア又は文書キャリアを概略的な態様で示す。
【図2】広げられた又は開いた状態における、本発明による方法により動作する本発明によるデータキャリア又は文書キャリアに対する第2の実施例を概略的な態様で示す。
【図3】広げられた又は開いた状態における、本発明による方法により動作する本発明によるデータキャリア又は文書キャリアに対する第3の実施例を概略的な態様で示す。
【図4】広げられた又は開いた状態における、本発明による方法により動作する本発明によるデータキャリア又は文書キャリアに対する第4の実施例を概略的な態様で示す。
【図5A】広げられた又は開いた状態における、本発明による方法により動作する本発明によるデータキャリア又は文書キャリアに対する第5の実施例を概略的な態様で示す。
【図5B】折り畳まれた又は閉じた状態における図5Aからのデータキャリア又は文書キャリアを概略的な態様で示す。
【図6A】広げられた又は開いた状態における符号化された噛み合わせを持つキャパシタ板の代替的な設計を概略的な態様で示す。
【図6B】折り畳まれた又は閉じた状態における図6Aからのデータキャリア又は文書キャリアを概略的な態様で示す。
【符号の説明】
【0053】
100:電気又は電子データキャリア又は文書キャリア
10:電気又は電子回路
12:データキャリア又は文書キャリア100の第1の領域又は第1のページ、特にフロント領域又はフロントページ
14:第1の領域又は第1のページ12と第2の領域又は第2のページ16との間の接続軸
16:データキャリア又は文書キャリア100の第2の領域又は第2のページ、特にバック領域又はバックページ
20:電気又は電子回路10と結合素子34、36、36’、38、40a、40bとの間の導電接続
30:導体素子、特に金属板
32:導体素子30と結合素子34との間の導電接続
34:結合素子、特に誘導素子、例えばコイル(第3の実施例、図3参照)
36:結合素子、特に誘導素子、例えばコイル(第1の実施例、図1A及び1B参照)
36’:結合素子、特に誘導素子、例えばコイル(第2の実施例、図2参照)
38:結合素子、特に誘導素子、例えばコイル(第4の実施例、図4参照)
38k:結合素子38の巻きの交差点
40a、40b:結合素子、特に容量素子、例えばキャパシタ(第5の実施例、図5参照)
40a:容量素子40a、40bの第1の板
40b:容量素子40a、40bの第2の板
A:第1の位置、即ち広げられた又は開いた状態
B:第2の位置、即ち折り畳まれた又は閉じた状態
S:ストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基地局又は中央局、特に少なくとも1つの読み取り/書き込み端末との通信、特にデータ及び/又はエネルギの非接触伝送及び/又は非接触交換を行うように設計された電気又は電子データキャリア又は文書キャリアであって、前記データキャリア又は文書キャリアは、少なくとも1つの第1の領域又は少なくとも1つの第1のページ、特にフロント領域又はフロントページ、少なくとも1つの第2の領域又は少なくとも1つの第2のページ、特にバック領域又はバックページ、及び前記第1の領域又は第1のページと前記第2の領域又は第2のページとの間に設けられた少なくとも1つの接続軸を持ち、前記少なくとも1つの接続軸の周りで前記第1の領域又は第1のページ及び前記第2の領域又は第2のページが、広げられた又は開いた状態として定義される第1の位置と折り畳まれた又は閉じた状態として定義される第2の位置との間で互いから離れるように又は互いに向かって折り曲げられることができ、前記データキャリア又は文書キャリアは、少なくとも1つの電気又は電子回路と、前記データキャリア又は文書キャリアを前記基地局又は中央局に結合するように前記回路に導電的に接続された少なくとも1つの結合素子とを持ち、前記結合素子は、前記第1の領域又は第1のページに部分的に埋め込まれ又は一体化され、且つ前記第2の領域又は第2のページに部分的に埋め込まれ又は一体化され、前記データキャリア又は文書キャリアが、実質的に前記第1の位置においてのみ、若しくは実質的に前記第2の位置においてのみ、又は実質的に前記第1の位置と前記第2の位置との間の位置においてのみ前記基地局又は中央局に結合されることができるように設計され、前記結合素子が少なくとも1つの容量素子、例えば少なくとも1つのキャパシタとして設計されることを特徴とするデータキャリア又は文書キャリア。
【請求項2】
前記結合素子が、例えば板の形で設計された少なくとも1つのキャパシタとして設計され、容量素子の少なくとも1つの第1の板が前記第1の領域又は第1のページに埋め込まれ、前記容量素子の少なくとも1つの第2の板が前記第2の領域又は第2のページに埋め込まれ、これらの埋め込みは、前記第1の位置において、前記データキャリア又は文書キャリアに対する前記基地局又は中央局によるアクセスが可能にされるように、前記容量素子が前記データキャリア又は文書キャリアの完全な領域を仮定し、前記第2の位置において、前記データキャリア又は文書キャリアに対する前記基地局又は中央局によるアクセスが可能でなくなるように、前記容量素子の前記第1の板及び前記容量素子の前記第2の板が互いの上に位置するような態様で行われることを特徴とする、請求項1に記載のデータキャリア又は文書キャリア。
【請求項3】
前記容量素子の前記第1の板及び前記容量素子の前記第2の板が、個別に互いに接続される異なる領域上に形成され、
個別の部分領域間の選択された電気接続が個別の符号化に対して使用されることができるように、前記容量素子の前記第1の板及び前記容量素子の前記第2の板が、前記接続軸を越えて延在する噛み合わせを持つ、
ことを特徴とする、請求項2に記載のデータキャリア又は文書キャリア。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の少なくとも1つの電気又は電子データキャリア又は文書キャリアとの通信、特にデータ及び/又はエネルギの非接触伝送及び/又は非接触交換に対する基地局又は中央局、特に読み取り/書き込み端末。
【請求項5】
前記中央局が、請求項3に記載のデータキャリア又は文書キャリアの前記容量素子の部分領域の幾何学的構造に適合された幾何学的構造を持ち、前記データキャリア又は文書キャリアに含まれた情報により前記符号化の情報を与えられ、これにより個別の板の表面の電気接続の同一の選択の場合のみに通信が行われることができる、請求項4に記載の基地局又は中央局。
【請求項6】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の少なくとも1つの電気又は電子データキャリア又は文書キャリアと、請求項3に記載の少なくとも1つの基地局又は中央局、特に読み取り/書き込み端末とを持つ電気又は電子通信システム。
【請求項7】
少なくとも1つの特定の機械可読文書、特に渡航文書(いわゆるMRTD(機械可読渡航文書))、例えば少なくとも1つの個人識別カードのような少なくとも1つの識別文書、又は例えば少なくとも1つのパスポートのような少なくとも1つのパス文書、又は例えば少なくとも1つの居住許可証のような少なくとも1つのビザにおける、請求項1ないし3の何れか一項に記載の少なくとも1つの電気又は電子データキャリア又は文書キャリア、請求項4又は5に記載の少なくとも1つの基地局又は中央局、特に読み取り/書き込み端末、及び/又は請求項6に記載の少なくとも1つの電気又は電子通信システムの使用。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate


【公表番号】特表2007−510983(P2007−510983A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537528(P2006−537528)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052221
【国際公開番号】WO2005/045754
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】