説明

データセンター、冷却システムおよびIT機器の冷却方法

【課題】安全にIT機器を冷却することと、データセンター内の冷却効率を向上させることを課題とする。
【解決手段】データセンターは、IT機器を収容する収容室と、収容室内の空気を冷却して収容室の床下に供給する空調機と、床下に供給された空気を収容室内に流通させるグリルと、IT機器を格納するラック装置とを有する。そして、データセンター内の収容室において、ラック装置は、グリルを囲むように配置される。IT機器は、ラック装置によって囲まれた空間からグリルを介して空気を吸気し、収容室内に空気を排気するように前記ラック装置に格納される。空調機は、IT機器が空気を排気する側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データセンター、冷却システムおよびIT機器の冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータ、サーバ、ルータなどのIT(Information Technology)機器を搭載したラック装置を配置するデータセンターでは、温かい空気を吸って冷却風を供給する空調機を用いて、IT機器の冷却を行っている。
【0003】
一般的に利用される空調機52は、例えば図10に示すように、データセンター内のラック装置50に搭載されるIT機器から排出された排気を吸い込んで冷却した冷却風をデータセンター内の床下に供給する。そして、ラック装置に搭載されるIT機器は、床下に供給された冷却風を前面からファンなどで吸い込み、自装置内を通過させてCPU(Central Processing Unit)などの電子機器を冷却する。その後、IT機器は、電子機器を冷却したために温められた空気を背面から排気する。このようにして、データセンター内では、空調機52によって冷却風と排気が巡回し、ラック装置50内のIT機器の冷却を行っている。図10は、従来におけるデータセンター内に設置される空調機による冷却風と排気の巡回例を示す図である。
【0004】
ここで、上述したラック装置50や空調機52を配置したデータセンターを例示する。図11は、従来技術に係るデータセンター内の収容室を示す図である。図11に示すように、データセンター内には、複数の空調機52が設置されるとともに、IT機器の吸気側が向かい合うように複数のラック装置50が設置される。そして、IT機器の吸気側の床をグリルにしておくことで、IT機器は、グリルを介して、空調機52から床下に供給された冷却風を吸い込むことができる。また、IT機器は、自装置内の電子機器の冷却に使用した空気を背面から排気する。なお、ここでは、冷却風が集中する場所を冷気ゾーン60と呼び、排気が集中する場所を排気ゾーン70と呼ぶ。
【0005】
近年、IT機器の高機能化、高性能化に伴い、単位面積当たりの製品電力及びCPU電力が大幅に増大し、単位面積当たりの発熱量が増大している。そのため、IT機器の基準温度を超えたシステム運用やデータセンターの極端な温度分布、熱溜まりなどの危険状況を引き起こすことがある。そこで、このような危険状況を回避する手法として、例えば、高発熱量のラック装置50の上部に局所冷却ユニットを配置して、冷却風を局所的に供給する手法などが用いられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「ホットアイルコンテインメントとコールドアイルコンテインメントの比較」、ジョン・ニーマン、ヒューレットパッカート社ホワイトペーパー、LjTC040202TB、2004/02、APC社、White Paper#135、2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の技術では、漏水による危険があるという課題と、データセンター内の冷却効率が悪いという課題があった。
【0008】
例えば、局所冷却ユニットを用いる場合、水などの配管をラック装置50天井付近に配置することとなるため、漏水が発生した場合には、IT機器が濡れて壊れる危険性がある。また、例えば、発熱量が高くないIT機器を格納するラック装置50の中に、高発熱量のIT機器を増設した場合、空調機52が、高発熱量のIT機器から排気された排気の温度に連動して動作することがある。その場合、発熱量が高くないIT機器が必要以上に冷却されてしまい、却って、IT機器に不具合を生じさせる原因となる。
【0009】
また、図10や図11に示したZの領域、すなわち、空調機52よりも遠い位置に設置されるラック装置50では、冷却風ではなく、暖かい排気を吸引してしまって、電子機器を冷却することができない熱溜まりが発生してしまう。その結果、データセンター内に温度の高い領域(X)が発生し、データセンター内の冷却効率が低下する。
【0010】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、安全にIT機器を冷却することが可能であり、データセンター内の冷却効率を向上させることが可能であるデータセンター、冷却システムおよびIT機器の冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の開示するデータセンター、冷却システムおよびIT機器の冷却方法は、一つの態様において、IT機器を収容する収容室と、前記収容室内の空気を冷却して前記収容室の床下に供給する空調機と、前記床下に供給された空気を前記収容室内に流通させるグリルと、前記IT機器を格納するラック装置と、を有し、前記ラック装置は、前記グリルを囲むように配置され、前記IT機器は、前記ラック装置によって囲まれた空間から前記グリルを介して空気を吸気し、前記収容室内に空気を排気するように前記ラック装置に格納され、前記空調機は、前記IT機器が空気を排気する側に配置される。
【0012】
また、本願の開示するデータセンター、冷却システムおよびIT機器の冷却方法は、他の態様において、IT機器を収容する収容室と、前記収容室内の空気を冷却して前記収容室の床下に供給する空調機と、前記床下に供給された空気を前記収容室内に流通させるグリルと、前記IT機器を格納するラック装置と、を有し、前記ラック装置は、前記空調機を囲むように配置され、前記IT機器は、前記床下に供給された空気をグリルから吸気し、前記ラック装置によって囲まれた領域に空気を排気するように前記ラック装置に格納され、前記空調機は、前記ラック装置によって囲まれた領域であり、前記IT機器が空気を排気する側に配置される。
【発明の効果】
【0013】
本願の開示するデータセンター、冷却システムおよびIT機器の冷却方法の一つの態様によれば、安全にIT機器を冷却することが可能であり、データセンター内の冷却効率を向上させることが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例1に係るデータセンター内の収容室を上から見た図である。
【図2】図2は、図1をA−A´面で切断した断面図である。
【図3】図3は、実施例2に係るデータセンター内の収容室を上から見た図である。
【図4】図4は、図3をB−B´面で切断した断面図である。
【図5】図5は、実施例3に係るデータセンター内の収容室を上から見た図である。
【図6】図6は、ラック装置10をひし形に配置させた場合の収容室を上から見た図である。
【図7】図7は、いずれかの壁5に対して平行になるようにグリル7およびラック装置10を配置させた場合の収容室を上から見た図である。
【図8】図8は、床下に板を設置する場合の例を示す図である。
【図9】図9は、床上に板を設置する場合の例を示す図である。
【図10】図10は、従来におけるデータセンター内に設置される空調機による冷却風と排気の巡回例を示す図である。
【図11】図11は、従来技術に係るデータセンター内の収容室を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願の開示するデータセンター、冷却システムおよびIT機器の冷却方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
まず、図1を用いて、本願が開示するデータセンターについて説明する。図1は、実施例1に係るデータセンター内の収容室を上から見た図である。
【0017】
図1に示すように、データセンターにおける収容室2は、壁5によって囲まれて他の収容室と分離されており、その内部に、グリル7と、ラック装置10と、空調機11と、入室扉12とを有する。
【0018】
グリル7は、収容室2の床に設置され、床下から収容室内に空気を流通させる通気口を有している。ラック装置10は、その内部に複数のIT(Information Technology)機器10aを格納する装置であり、収容室2の床下に配置されたグリル7を囲むように配置される。床下の空気は、グリル7を介して、つまり、グリル7の場所から収容室2内に流れる。
【0019】
IT機器10aは、後述する空調機11から供給された冷たい空気である冷却風をファンなどによって吸気して、内部に有するCPU(Central Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)等の電子機器を冷却する。そして、IT機器10aは、内部の電子機器を冷却したために温められた空気を背面より排気する。
【0020】
また、IT機器10aは、内部に格納する電子機器の状態や、当該IT機器10aが提供するシステムの状態を示すLED(Light Emitting Diode)を前面に有し、異常があった場合に、例えば赤色のLEDを点灯させることで、アラームを発生させる。このようなIT機器10aは、ラック装置10によって囲まれた空間からグリル7を介して空気を吸気し、収容室2内に空気を排気するようにラック装置10に格納される。
【0021】
空調機11は、IT機器10aから排気された空気など収容室2内の空気を吸気して冷却し、冷却した冷却風を収容室2の床下に供給する。このような空調機11は、収容室2において、IT機器10aが空気を排気する側に配置される。
【0022】
入室扉12は、ラック装置10が格納するIT機器10aの保守やIT機器10aの増設、並びに、ラック装置10自体の増設など、データセンター内の保守を行う保守者が利用する扉である。この入室扉12は、ラック装置10と並んで配置される。
【0023】
上述したように、ラック装置10がグリル7を囲むとともに、格納するIT機器10aの吸気側がグリル7側になるように配置させ、IT機器10aの排気が集中する領域に空調機11を設置する。このようにすることで、ラック装置10によって、グリル7を介して床下から収容室2内に流れ込む冷却風が集中する冷気ゾーン20と、IT機器10aが冷却に使用した後の暖められた空気である排気が集中する排気ゾーン30とを分離することができる。
【0024】
したがって、IT機器10aは、排気が含まれにくい冷気ゾーン20から冷却風が吸気して、内部の電子機器を冷却することができ、空調機11は、IT機器10aからの排気を素早く吸気することができる。その結果、局所冷却ユニットを用いる必要も無く、安全にIT機器を冷却することが可能であり、データセンター内の冷却効率を向上させることが可能である。また、IT機器10aの吸気側、すなわち、LEDを有する前面が、冷気ゾーン20側に位置するので、保守者は、入室扉12より冷気ゾーン20に入ることで、全てのIT機器のLEDを見渡すことができ、アラームの早期発見にも繋がる。
【0025】
次に、図2を用いて、図1に示した収容室2内における空気の流れについて説明する。図2は、図1をA−A´面で切断した断面図である。図2に示すように、床下に供給された冷却風は、排気と混ざることなく、グリル7を介して収容室2内に循環し、ラック装置10に格納されるIT機器10aに吸気される。また、IT機器10aから排出された空気(排気)は、冷却風と混ざることなく、床下に流れることもなく、空調機11によって吸気される。したがって、IT機器10aは、より冷たい空気を吸気することができ、さらに、収容室2内に排気が溜まることを防止することができる。その結果、排気がIT機器10aによって吸気されてしまい、IT機器10aを冷却することができない熱溜まりの発生を極力防止することができる。
【実施例2】
【0026】
ところで、本願が開示するデータセンターの収容室では、実施例1とは異なる配置でも、安全にIT機器を冷却することができる。そこで、実施例2では、図3と図4を用いて、本願が開示するデータセンターの別例について説明する。図3は、実施例2に係るデータセンター内の収容室を上から見た図である。
【0027】
図3に示すように、ラック装置10は、空調機11を囲むように配置され、IT機器10aは、床下に供給された空気をグリル7から吸気し、ラック装置10によって囲まれた領域に空気を排気するようにラック装置10に格納される。そして、空調機11は、ラック装置10によって囲まれた領域であり、IT機器10aが空気を排気する側に、自装置の配管を収容する空調機配管スペース11aを囲むように配置される。すなわち、IT機器10aの吸気側である前面がグリル7側になり、排気側である背面が空調機11側になる。
【0028】
このように配置させることで、ラック装置10によって、グリル7を介して床下から収容室2内に流れ込む冷却風が集中する冷気ゾーン20と、IT機器10aが冷却に使用した後の暖められた空気である排気が集中する排気ゾーン30とを分離することができる。その結果、局所冷却ユニットを用いる必要も無く、安全にIT機器を冷却することが可能であり、データセンター内の冷却効率を向上させることが可能である。また、実施例1と比較して、実施例2の排気ゾーンはラック装置10によって囲まれた領域であり、その排気ゾーン内に空調機11が設置されることとなることから、排気がより早く空調機11によって吸気される。したがって、実施例1と比較して、データセンター全体の温度上昇を抑止し、冷却効率を向上させることが可能である。
【0029】
次に、図4を用いて、図3に示した収容室2内における空気の流れについて説明する。図4は、図3をB−B´面で切断した断面図である。図4に示すように、床下に供給された冷却風は、壁5の近くからグリル7を介して床上に流通する。したがって、冷却風は、排気ゾーンの床下を通ることなり、排気と混ざることがない。また、IT機器10aから排出された空気(排気)は、空調機11によって直ぐに吸気されるので、グリル7を通過する冷却風と混ざることがない。以上より、実施例1に比べて、熱溜まりの発生をより強固に防止することもできる。
【実施例3】
【0030】
ところで、本願が開示するデータセンターの収容室では、実施例1と比較して、よりIT機器を効率的に冷却するように、ラック装置を配置させることもできる。そこで、実施例3では、図5を用いて、本願が開示するデータセンターの別例について説明する。図5は、実施例3に係るデータセンター内の収容室を上から見た図である。
【0031】
図5に示すように、実施例3に係るデータセンター内の収容室2では、実施例1と同じように、グリル7、ラック装置10、空調機11を配置している。すなわち、ラック装置10がグリル7を囲むとともに、格納するIT機器10aの吸気側がグリル7側になるように配置させ、IT機器10aの排気が集中する領域に空調機11を設置する。ラック装置10によって、グリル7を介して冷気ゾーン20と、IT機器10aが冷却に使用した排気ゾーン30とを分離することができる。
【0032】
ところが、実施例1と異なり、ラック装置10には、高性能なIT機器10aを複数有している発熱量の高い高発熱ラック装置10bと、比較的性能の低いIT機器10aを複数有している発熱量の低い低発熱ラック装置10cとが存在する。高発熱ラック装置10bは、低発熱ラック装置10cよりも高温の空気を排気する。
【0033】
このような場合、図5に示すように、空調機11により近い場所に、高発熱ラック装置10bを配置させる。こうすることで、より高温の排気を収容室2内に充満させることなく、高発熱ラック装置10bから排気されると素早く、空調機11に吸収させることができる。その結果、高発熱ラック装置10bや低発熱ラック装置10cの配置を考慮しない場合と比べると、データセンター内の冷却効率をより向上させることが可能であり、収容室2内の温度の向上を防止することもできる。
【実施例4】
【0034】
ところで、実施例1ではラック装置10を矩形に配置する例について説明したが、本願はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、グリル7をひし形に配置し、ラック装置10もグリル7を囲むように、ひし形に配置することもできる。また、ひし形に限定されるものでもなく、例えば、円形や多角形など、冷気ゾーン20と排気ゾーン30とが分離できれば、どのような形であってもよい。また、実施例2で説明した配置例についても、上述したように、例えば、ひし形、円形、多角形など、冷気ゾーン20と排気ゾーン30とが分離できれば、どのような形であってもよい。図6は、ラック装置10をひし形に配置させた場合の収容室を上から見た図である。
【実施例5】
【0035】
また、本願が開示するデータセンターの収容室では、グリル7を必ずしも囲むようにラック装置10を配置する必要はない。例えば、図7に示すように、いずれかの壁5に対して、平行になるように、グリル7およびラック装置10を配置させることもできる。こうすることにより、冷気ゾーン20と排気ゾーン30と分断することができる。図7は、いずれかの壁5に対して平行になるようにグリル7およびラック装置10を配置させた場合の収容室を上から見た図である。
【0036】
もっとも、この場合であっても、IT機器10aは、吸気側がグリル7側になり、グリル7から冷却風を吸気するようにラック装置10に格納される。さらに、空調機11は、IT機器10aの排気側、すなわち、ラック装置10におけるグリル7とは反対側の領域である排気ゾーン30に配置される。
【0037】
このようにすることで、1つの冷気ゾーン20と、2つの排気ゾーン30とに領域を分断することができる。したがって、実施例1〜4と同様、安全にIT機器を冷却することが可能であり、データセンター内の冷却効率を向上させることが可能である。
【実施例6】
【0038】
ところで、本願が開示するデータセンターの収容室では、床下の冷却風がグリル7を通過し易いように、様々な手法を用いることができる。
【0039】
例えば、図8に示すように、グリル7が設置される床下に、グリル7におけるラック装置10と反対側の面と直角に交わるように板7aを設置する。このようにすることで、床下の冷却風は、グリル7の床下で板7aにぶつかって上昇する。その結果、空調機11から供給された床下の冷却風全てがグリル7を介して、収容室2内に流通され、効率よく冷却風を冷気ゾーン20に送り込むことができる。図8は、床下に板を設置する場合の例を示す図である。
【0040】
例えば、図9に示すように、グリル7が設置される床上に、グリル7におけるラック装置10と反対側の面と直角に交わるように板7bを設置する。このようにすることで、床下からグリル7を介して収容室2内に流通させられる冷却風が、ラック装置10と反対方向、言い換えると、ラック装置10から離れる方向に流通されるのを防ぐことができる。すなわち、収容室2内に流通させられる冷却風が、ラック装置10側、言い換えると、ラック装置10に向かう方向に流通される。その結果、ラック装置10に格納されるIT機器10aは、効率よく冷却風を吸気することができる。なお、ここで説明した板7aおよび7bの素材としては、ベニヤ板、アクリル板、コンクリートによる衝立等、どのような素材のものを用いてもよい。図9は、床上に板を設置する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
2 収容室
5 壁
7 グリル
7a、7b 板
10 ラック装置
10a IT機器
11 空調機
11a 空調機配管スペース
12 入室扉
20 冷気ゾーン
30 排気ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IT機器を収容する収容室と、
前記収容室内の空気を冷却して前記収容室の床下に供給する空調機と、
前記床下に供給された空気を前記収容室内に流通させるグリルと、
前記IT機器を格納するラック装置と、を有し、
前記ラック装置は、前記グリルを囲むように配置され、
前記IT機器は、前記ラック装置によって囲まれた空間から前記グリルを介して空気を吸気し、前記収容室内に空気を排気するように前記ラック装置に格納され、
前記空調機は、前記IT機器が空気を排気する側に配置されることを特徴とするデータセンター。
【請求項2】
IT機器を収容する収容室と、
前記収容室内の空気を冷却して前記収容室の床下に供給する空調機と、
前記床下に供給された空気を前記収容室内に流通させるグリルと、
前記IT機器を格納するラック装置と、を有し、
前記ラック装置は、前記空調機を囲むように配置され、
前記IT機器は、前記床下に供給された空気をグリルから吸気し、前記ラック装置によって囲まれた領域に空気を排気するように前記ラック装置に格納され、
前記空調機は、前記ラック装置によって囲まれた領域であり、前記IT機器が空気を排気する側に配置されることを特徴とするデータセンター。
【請求項3】
前記ラック装置は、高性能のIT機器を有する発熱量の高い高発熱ラック装置と、低性能のIT機器を有する発熱量の低い低発熱ラック装置とを有するものであって、
前記高発熱ラック装置は、前記低発熱ラック装置よりも前記空調機に近い場所に設置されることを特徴とする請求項1または2に記載のデータセンター。
【請求項4】
IT機器を収容する収容室と、
前記収容室内の空気を冷却して前記収容室の床下に供給する空調機と、
前記床下に供給された空気を前記収容室内に流通させるグリルと、
前記IT機器を格納するラック装置と、を有し、
前記ラック装置は、前記収容室を第一領域と第二領域に分割するように配置され、
前記グリルは、前記第一領域に配置され、
前記IT機器は、前記第一領域に配置されたグリルから吸気し、前記第二領域に空気を排気するように前記ラック装置に格納され、
前記空調機は、前記第二領域に配置されることを特徴とするデータセンター。
【請求項5】
IT機器を収容する収容室内の空気を冷却して前記収容室の床下に供給する空調部と、
前記床下に供給された空気を前記収容室内に流通させる流通部と、
前記IT機器を格納する機器格納部と、を有し、
前記機器格納部は、前記グリルを囲むように配置され、
前記IT機器は、前記機器格納部によって囲まれた空間から前記流通部を介して空気を吸気して、内部の電子機器を冷却し、冷却後の空気を前記収容室内に排気するように前記機器格納部に格納され、
前記空調部は、前記IT機器が空気を排気する側に配置されることを特徴とする冷却システム。
【請求項6】
IT機器を収容する収容室内の空気を冷却して前記収容室の床下に供給する空調部と、
前記床下に供給された空気を前記収容室内に流通させる流通部と、
前記IT機器を格納する機器格納部と、を有し、
前記機器格納部は、前記空調部を囲むように配置され、
前記IT機器は、前記床下に供給された空気をグリルから吸気して、内部の電子機器を冷却し、冷却後の空気を前記ラック装置によって囲まれた領域に排気するように前記機器格納部に格納され、
前記空調部は、前記機器格納部によって囲まれた領域であり、前記IT機器が空気を排気する側に配置されることを特徴とする冷却システム。
【請求項7】
IT機器は、
空調機によって当該IT機器が収容される収容室の床下に供給された冷却風を、前記収容室内に流通させるグリルを囲むように設置されたラック装置に保持され、
前記グリルから冷却風を吸気して、内部の電子機器を冷却し、
前記内部の電子機器の冷却に使用した冷却風を、当該IT機器の排気側に設置された空調機に対して排気することを特徴とするIT機器の冷却方法。
【請求項8】
IT機器は、
当該IT機器が収容される収容室の床下に冷却風を供給する空調機を囲むように設置されたラック装置に保持され、
前記床下に供給された空気を前記収容室内に流通させるものであって、前記ラック装置を囲むように設置されたグリルから冷却風を吸気して、内部の電子機器を冷却し、
前記内部の電子機器の冷却に使用した冷却風を、前記ラック装置によって囲まれた領域であって、当該IT機器の排気側に設置された空調機に対して排気することを特徴とするIT機器の冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−59741(P2011−59741A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205327(P2009−205327)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】