説明

データバックアップ装置

【課題】
複数の情報端末のデータバックアップ作業を容易とし、バックアップデータの消失を防止しながら記憶容量の浪費を抑えることを可能とする。
【解決手段】
それぞれの情報端末を自動的に識別し管理する手段と、それぞれの情報端末ごとに自動的に固有の記憶領域を割り当てる手段と、情報端末と外部記憶媒体のデータを比較し、バックアップ対象データを抽出し、当該バックアップ対象データが前記外部記憶媒体にバックアップ済みでなかった場合には前記の割り当てた記憶領域にバックアップする手段と、バックアップする際に同名のデータが既にバックアップされている場合は当該バックアップ済みのデータを別名で前記記憶領域に保存する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の情報端末のデータをバックアップするデータバックアップ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、携帯電話機やデジタルカメラ、携帯音楽プレイヤーなどの情報端末を個人で複数個所有するのはごく当たり前のものとなっている。
情報の電子化が進められる中、それぞれの端末が保持するデータの重要性は増してきており、データ喪失防止のためにパーソナルコンピュータ等の外部記憶媒体にバックアップをとることが好ましい。また、データの追加に伴い、端末に内蔵される記憶媒体の容量を超える場合にもバックアップが必要である。
外部記憶媒体にバックアップを実施するにあたっては通常、端末のシステムファイル等のデータについての上書きや削除などの処理は除外し、バックアップしたいデータ(例えばデジタルカメラであれば画像ファイルなど)のみをコピーする。ここでバックアップ対象データのキーとなるのは、ファイルの拡張子である。
本発明に関連する公知技術文献としては下記の特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008―234642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の情報端末のデータを外部記憶媒体にバックアップする場合、それぞれの端末ごとに領域を分けて保存することが多い。端末数が多くなればなるほど、バックアップ管理が煩雑となってくる。
また、バックアップは定期的に実施するのが好ましいとされる。ここで、ある端末のデータをバックアップする場合、前回のバックアップデータを上書きするか、別な領域にコピーすることが考えられる。
前回のバックアップデータを上書きする場合、上書きによって日付が書き換わり、古いデータは失われてしまう。一方、別な領域にコピーする場合、前回バックアップデータから変化の無いデータも保存することとなり、記憶容量を浪費してしまう。
【0005】
本発明は、複数の情報端末のデータを外部記憶媒体にバックアップする際、自動的にそれぞれの端末ごとに固有の記憶領域を割り当て、前回バックアップデータの消失を防ぎながら記憶領域の浪費を抑えることができるデータバックアップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のデータバックアップ装置は、それぞれの情報端末を自動的に識別し管理する手段と、それぞれの情報端末ごとに自動的に固有の記憶領域を割り当てる手段と、情報端末と外部記憶媒体のデータを比較し、バックアップ対象データを抽出し、当該バックアップ対象データが前記外部記憶媒体にバックアップ済みでなかった場合には前記の割り当てた記憶領域にバックアップする手段と、バックアップする際に同名のデータが既にバックアップされている場合は当該バックアップ済みのデータを別名で前記記憶領域に保存する手段とを設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のデータバックアップ装置によれば、複数の異なる情報端末のデータバックアップ作業を容易とし、バックアップデータの消失を防止しながら記憶容量の浪費を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】情報端末管理DBに格納されているデータの構成図である。
【図3】情報端末管理処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】バックアップ対象データ抽出処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】データバックアップ処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用したデータバックアップ装置の一実施形態について説明する。
図1は、本発明によるデータバックアップ装置の実施形態を示すシステム構成図である。
ここで示すデータバックアップ装置1は、複数の情報端末16のデータを管理する情報端末管理部11と、情報端末16のデータとバックアップ済みデータをチェックするデータ処理部12と、情報端末とのデータのやりとりをする入出力制御部13と、情報端末16のデータを保持する記憶媒体14と、情報端末16を接続するための外部インタフェース15を備えている。
情報端末16は、固有のデータ161を保持し、データバックアップ装置1と適切な外部接続インタフェース15を介して接続し、データのやりとりを行う。
記憶媒体14には、複数の情報端末16のデータを管理するための情報端末管理DB141と、それぞれの情報端末用のデータ格納領域142を保持している。
【0010】
情報端末管理DB141のデータ構成の一例を図2に示す。
情報端末管理DB141のデータは、情報端末名称21と、シリアルナンバー22と、データ格納場所23と、複数のバックアップ対象拡張子24とから構成されている。
情報端末名称21と、シリアルナンバー22は、情報端末16を一意に特定するために使用され、初回接続時に情報端末管理部11によって自動的に外部接続インタフェース15に接続された情報端末16から取得し、設定する。
データ格納場所23は、記憶媒体14内のデータ格納場所を特定するために使用され、初回接続時に情報端末管理部11によって自動的に生成するか、もしくはユーザ入力により任意の場所を指定可能とする。バックアップ対象拡張子24は、情報端末16内の各ファイルについて、バックアップするか否かを決定するために使用され、ユーザ入力により複数個を指定可能とする。
【0011】
以下、本発明を実施する場合の処理の流れを、フローチャートを用いて具体的に説明する。
図3は、情報端末16をデータバックアップ装置1に接続した場合に、情報端末管理部11によって実行される情報端末管理処理の概要を示すフローチャートである。
まず、情報端末16を識別するための識別情報として、情報端末16が保持する情報端末名称とシリアルナンバーを取得する(ステップ301)。
次に、取得した情報について情報端末管理DB141を検索し(ステップ302)、登録済みの端末かどうかチェックする(ステップ303)。登録済みであれば処理終了する。未登録であれば、情報端末管理DB141への登録処理を実行する(ステップ304)。この登録処理においては、ユーザによるバックアップ対象拡張子の入力が必要となる。また、データ格納場所を自動設定せず、任意の場所に設定する場合にもユーザ入力が必要である。この登録処理が完了することにより、図2に示す情報が全て確定し、次回の接続以降では本処理フローは自動的に実行される。
【0012】
図4は、図3の処理完了後に、データ処理部12によって実行されるバックアップ対象データ抽出処理の概要を示すフローチャートである。
まず、情報端末16が保持するファイルを探索し(ステップ401)、全てのファイルについてステップ403以降の処理が完了するまで繰り返す(ステップ402)。当該ファイルの拡張子が、情報端末管理DB141が保持するバックアップ対象拡張子と一致するかチェックし(ステップ403)、一致しなければ次のファイルの処理に移る。一致した場合、記憶媒体14の当該情報端末用データ格納領域142内に当該ファイルと同一のファイルが存在するかチェックし(ステップ404)、存在する場合は次のファイルの処理に移る。
【0013】
存在しない場合は、当該ファイルをバックアップ対象としてリスト化する(ステップ405)。ここでステップ404のチェックにおいては、ファイル名だけでなく、作成日付やファイルサイズもチェックする。ファイル名だけでは同一ファイルと言い切れないためである。これにより、バックアップが漏れてしまうことを防ぐことができる。
【0014】
図5は、図4の処理完了後に、入出力制御部13によって実行されるデータバックアップ処理の概要を示すフローチャートである。
まず、ステップ405で作成したバックアップ対象リストから、追加で必要な記憶領域のサイズを算出する(ステップ501)。ステップ501で算出したサイズが、記憶媒体14の残容量よりも小さければ、そのサイズの分だけ当該情報端末16用に記憶領域を割り当てる(ステップ503)。残容量が足りない場合は、バックアップ失敗として処理終了する。
【0015】
記憶領域の割り当てに成功したら、ステップ405で作成したバックアップ対象リストからファイル名を抽出し(ステップ504)、当該ファイルを情報端末16から当該情報端末用データ格納領域142へコピーする(ステップ508)。
ここで、ステップ508の前に、当該ファイルと同名のファイルがバックアップ済みかどうかチェックし(ステップ506)、バックアップ済みであればバックアップ済みのファイルを別名に変更する(ステップ507)。例えば、ファイル名がa.txtであれば、a-2.txtなどのように他ファイルと重複しないファイル名をつける。これにより、前回バックアップデータを上書きすることを防止可能となる。
【0016】
以上のように本実施形態によれば、それぞれの情報端末を自動的に識別し管理する手段と、それぞれの情報端末ごとに自動的に固有の記憶領域を割り当てる手段と、情報端末と外部記憶媒体のデータを比較し、バックアップ対象データを抽出し、当該バックアップ対象データが前記外部記憶媒体にバックアップ済みでなかった場合には前記の割り当てた記憶領域にバックアップする手段と、バックアップする際に同名のデータが既にバックアップされている場合は当該バックアップ済みのデータを別名で前記記憶領域に保存する手段とを設けたため、複数の異なる情報端末のデータバックアップ作業を容易とし、バックアップデータの消失を防止しながら記憶容量の浪費を抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0017】
1 データバックアップ装置
11 情報端末管理部
12 データ処理部
13 入出力制御部
14 記憶媒体
15 外部接続インタフェース
16 情報端末
141 情報端末管理DB
142 情報端末用データ格納領域
161 データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報端末装置に保持されたデータをバックアップするデータバックアップ装置であって、
それぞれの情報端末を自動的に識別し管理する手段と、それぞれの情報端末ごとに自動的に固有の記憶領域を割り当てる手段と、情報端末と外部記憶媒体のデータを比較し、バックアップ対象データを抽出し、当該バックアップ対象データが前記外部記憶媒体にバックアップ済みでなかった場合には前記の割り当てた記憶領域にバックアップする手段と、バックアップする際に同名のデータが既にバックアップされている場合は当該バックアップ済みのデータを別名で前記記憶領域に保存する手段とを備えることを特徴とするデータバックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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