説明

データ中継装置

【課題】最悪遅延時間を悪化させずに、複数の異なる多重通信システムにおいて用いることができるように共通化が図られたデータ中継装置を提供すること。
【解決手段】多重通信システムにおいて、一の通信線を通じて受信されたデータを、他の通信線へ送信する前に、データ種類ごとに異なるメモリ領域に一時的にバッファする、データ中継装置において、複数の異なる多重通信システムにおいて用いられ得るデータ種類の各々についてそれぞれ異なるメモリ領域を確保し、これらデータのいずれかを選択して上記他の通信線へ送信するために、上記メモリ領域の各々について送信すべきデータが一時的にバッファされているか否かを一領域ずつ探索するとき、探索されるデータ種類の順序を、上記一の通信線又は上記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて、使われないデータ種類が2以上連続して探索されないように決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、多重通信システムにおいて用いられるデータ中継装置に係り、特に、最悪遅延時間を悪化させずに、複数の異なる多重通信システムにおいて用いることができるように共通化が図られたデータ中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多重通信システムにおいて用いられるデータ中継装置(或いは、ゲートウェイ/ゲートウェイ装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、一の通信線(バス)を通じて受信されたデータを、他の通信線へ送信(転送)する前に、データ種類ごとに異なるメモリ領域に一時的にバッファし、この一時的にバッファされた転送すべきデータは同じ種類のデータによってのみ上書きされるようにすることによって、各データ種類について少なくとも最新の情報を常にバッファしておき、特定種類のデータが完全に消失してしまうことのないようにしたデータ中継装置が開示されている。
【0004】
以下、このような従来のデータ中継装置の概略的な構成及び機能について、図1を参照して説明する。
【0005】
図1に示したデータ中継装置101は、フレームを単位とした多重通信が行われる多重通信システムにおいて、一方の通信線(送信元バス)102から受信されたデータを他方の通信線(送信先バス)103へ転送するように構成・配置された従来型データ中継装置の一例である。
【0006】
送信元バス102に接続された通信ノード104から送信されたフレームデータがデータ中継装置101に取り込まれると、まず、FIFO(First In First Out)方式の受信側バッファ105に一時的に格納される。
【0007】
ここで、各フレームデータには、データ種類を表す識別子(ID)が含まれている。
【0008】
受信側バッファ105に一時的に蓄積されたフレームデータは、バッファが一杯になると、次いで、入力された順にID毎バッファ106へ送られる。
【0009】
ID毎バッファ106には、IDの数(ここでは、ID=1〜NまでのN個)と同数設けられた、各々が独立した複数のメモリ領域から構成される。1メモリ領域には1IDが割り当てられる。
【0010】
入力バッファ105から送出されたフレームデータは、そのIDが識別されて、ID毎バッファ106内の、そのフレームデータが持つIDに対応したいずれか1つのメモリ領域内へ格納される。
【0011】
各々のメモリ領域は、所定フレーム数(例えば、1フレーム)のフレームデータを一時的に格納するように構成される。各メモリ領域において、所定フレーム数を超えるフレームデータは、古いものから順に破棄される。逆に言えば、ID毎バッファ106には、ID毎の最新フレームデータが所定フレーム数、一時的に格納されていることになる。
【0012】
送信側バッファ107は、データ中継装置101から送信先バス103へ送出されるフレームデータを送信前に一時的に格納しておく、FIFO方式のバッファである。送信側バッファ107は、送信先バス103上の混雑具合等を監視・考慮しながら、適宜、一時的に格納しているフレームデータを送信先バス103へ送出する。
【0013】
送信先バス103に接続された通信ノード108は、送信先バス103を流れるフレームデータのIDを監視し、受信すべきか否かを判断し、自ノードにとって必要なフレームデータを取り込む。
【0014】
フレームデータの送出により空きができると、送信側バッファ107は、ID毎バッファ106内のいずれかのメモリ領域から送信待ち状態のフレームデータを取り込む。このとき、ID毎バッファ106内の各メモリ領域について、所定の順序で、送信待ちフレームデータが順に探索される。
【0015】
ここでは、例えば、図1における上から下へ、すなわちID=1から順にID=Nまで探索されるものとする。探索中にID=Nに達し、それでも送信待ちフレームデータが見つからなかった場合には、ID=1へ戻る。
【0016】
また、特定のID(例えば、ID=1)を持つフレームデータばかりが優先的に送信されることにならないように、このような送信待ちフレームデータの探索は、前回終了箇所からの続きとして行われる。すなわち、例えば前回の探索でID=N−1が割り当てられたメモリ領域において送信待ちフレームデータが発見され、その発見されたフレームデータが送信側バッファ107に送られた場合、次回の送信待ちフレームデータの探索は、探索順序においてID=N−1の次に位置するID=Nに対応するメモリ領域から開始される。
【0017】
このように、データ中継装置にID毎バッファを設けることによって、データ種類ごとに一定量の最新のフレームデータが一時的に格納されるため、各ID間での破棄の程度が略均等になり、たとえ周期の短いデータ種類であっても、周期の長いデータ種類と比較して破棄されやすいといった、特定のデータ種類ばかりが破棄される又は遅延するといったID間の処理に偏りが生ずる事態の発生が適切に回避される。
【特許文献1】特開2000−244548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上に図1を用いて説明したような従来のデータ中継装置は、単一の装置を複数の異なる多重通信システムにおいて用いることができるように、複数の異なる多重通信システムに対して共通化された仕様とする場合に不都合が生じ得る。以下、一例を図2及び3を用いて説明する。
【0019】
今、図2(a)に示すような多重通信システムA用のID毎バッファ106と、図2(b)に示すような多重通信システムB用のID毎バッファ106とが存在し、これらを統合して、多重通信システムA及びBのいずれにおいても採用可能な単一のデータ中継装置101を作るものとする。
【0020】
ここで、多重通信システムAでは、ID=1〜4に対応するデータ種類がデータ中継装置を通過する可能性があり、多重通信システムBでは、ID=3〜6に対応するデータ種類がデータ中継装置を通過する可能性があるものとする。
【0021】
したがって、図2(a)に示した多重通信システムA用のID毎バッファ106には、ID=1〜4に対応した4つのメモリ領域が用意され、図2(b)に示した多重通信システムB用のID毎バッファ106には、ID=3〜6に対応した4つのメモリ領域が用意されているものとする。
【0022】
また、図2(a)に示した多重通信システムA用のID毎バッファ106では、図中に矢印で示したような順序で送信待ちフレームデータの探索が行われ、ID=4の次には最初に戻ってID=1が探索されるものとし、図2(b)に示した多重通信システムB用のID毎バッファ106では、図中に矢印で示したような順序送信待ちフレームデータの探索が行われ、ID=6の次には最初に戻ってID=3が探索されるものとする。
【0023】
これら2つのID毎バッファ106を多重通信システムA及びBのいずれにおいても利用可能な仕様を持つ単一のバッファへ共通化した場合、図3に示すように、ID=1〜6に対応した6つのメモリ領域が用意されたID毎バッファ106となる。
【0024】
この統合されたID毎バッファ106を多重通信システムAに適用した場合を図3(a)に、多重通信システムBに適用した場合を図3(b)に、それぞれ示す。
【0025】
上記前提により、ここでは、多重通信システムAにおいて、ID=5及び6を持つフレームデータがデータ中継装置101を通過することはないため、ID=5及び6のために確保されているメモリ領域はリザーブド領域(又は、空き領域)として扱われ、使用されることはない。同様に、ここでは、多重通信システムBにおいて、ID=1及び2を持つフレームデータがデータ中継装置101を通過することはないため、ID=1及び2のために確保されているメモリ領域はリザーブド領域(又は、空き領域)として扱われ、使用されることはない。
【0026】
図3に一例を示したように、複数の異なる多重通信システムに対して共通化されたID毎バッファ106を用意したときに、特定の多重通信システムにおいて結果的にリザーブド領域が連続している状態が発生すると、それらリザーブド領域をスルー(若しくは、スキップ)する時間が必要な分、処理の遅延を招くことになる。
【0027】
例えば、図3(a)に示した一例においては、共通化を図る前の図2(a)に示した場合と比較して、ID=4に対応するメモリ領域を探索した後、ID=1に対応するメモリ領域が探索されるまで、ID=5及び6に対応するID2つ分のメモリ領域をスルー若しくはスキップする時間分、処理に遅延が生じることになる。
【0028】
同様に、例えば、図3(b)に示した一例においては、共通化を図る前の図2(b)に示した場合と比較して、ID=6に対応するメモリ領域を探索した後、ID=3に対応するメモリ領域が探索されるまで、ID=1及び2に対応するID2つ分のメモリ領域をスルー若しくはスキップする時間分、処理に遅延が生じることになる。
【0029】
このように、従来のID毎バッファを備えたデータ中継装置には、複数の異なる多重通信システムに対して共通化された仕様にしようとすると、特定の多重通信システムにおいて、送信待ちフレームデータ探索順序の中に2つ以上のリザーブド領域が連続して存在する状況が発生し、特定のIDのフレームデータ転送だけが特に大きく遅延する可能性がある。換言すれば、発生し得る最も大きい遅延の時間(以下、「最悪遅延時間」と称す)が悪化する(より長くなる)可能性がある。
【0030】
当業者には明らかなように、共通化により対応させようとする多重通信システムの数(厳密には、送信元バス及び/又は送信先バスに接続された通信ノードの種類数、より厳密には、データ中継装置を通過し得るデータ種類(又はID)の数)が多くなるほど、上記のような共通化による最悪遅延時間の悪化が発生しやすくなると共に、発生した際の悪化の程度も大きくなり得る。
【0031】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、最悪遅延時間を悪化させずに、複数の異なる多重通信システムにおいて用いることができるように共通化が図られたデータ中継装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、多重通信システムにおいて、一の通信線(バス)を通じて受信されたデータを、他の通信線へ送信する前に、データ種類ごとに異なるメモリ領域に一時的にバッファする、データ中継装置(例えばゲートウェイ)であって、複数の異なる多重通信システムにおいて用いられ得るデータ種類の各々について、それぞれ異なるメモリ領域が確保され、これらデータ種類ごとに一時的にバッファされたデータのいずれかを選択して上記他の通信線へ送信するために、上記メモリ領域の各々について送信すべきデータが一時的にバッファされているか否かを一領域ずつ探索するとき、探索されるデータ種類の順序は上記一の通信線又は上記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて決定される、データ中継装置である。
【0033】
上記一態様において、データ種類探索順序は、A)上記一の通信線又は上記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて、上記メモリ領域の探索順序は変えずに、上記メモリ領域に対するデータ種類の割当を変えることによって変更されてもよく、或いは、B)上記一の通信線又は上記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて、上記メモリ領域に対するデータ種類の割当を変えずに、上記メモリ領域の探索順序を変えることによって変更されてもよい。
【0034】
上記一態様によれば、複数の異なる多重通信システムに対して共通化されたデータ中継装置において、データをID毎にバッファする各メモリ領域に対して送信待ちデータを探索する順序が、送信元バス又は送信先バスに接続された通信ノードの種類(換言すれば、当該データ中継装置により転送され得るデータ種類)によって決められるため、対応するいずれの多重通信システムにおいても探索がスルー又はスキップされるメモリ領域が連続しないように探索順序を設定することにより、特定の多重通信システムにおいて特定のIDを持つデータの処理だけが特に大きく遅延する(すなわち、最悪遅延時間が悪化する)という事態の発生を適切に回避することができる。
【0035】
なお、上記一態様において、データ種類探索順序は、上記一の通信線又は上記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて、使われないデータ種類が2以上連続して探索されないように決定される、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、最悪遅延時間を悪化させずに、複数の異なる多重通信システムにおいて用いることができるように共通化が図られたデータ中継装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、多重通信システムやゲートウェイ装置の基本概念、主要なハードウェア構成、作動原理、及び基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明を省略する。
【実施例】
【0038】
以下、図4及び5を参照して、本発明の一実施例について説明する。
【0039】
図4は、本発明の一実施例に係るデータ中継装置401の概略構成図である。図1と同一の構成要素には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0040】
本実施例に係るデータ中継装置401は、複数の異なる多重通信システムのいずれにおいても用いることができるように共通化されたデータ中継装置である。ここでは、一例として、データ中継装置401が対応する複数の異なる多重通信システムにおいては、ID=1〜Nを持つN種類のフレームデータがデータ中継装置401を通る可能性があるものとする。
【0041】
したがって、データ中継装置401のID毎バッファ402には、データ種類(ID)別のフレームデータの一時的格納を実現するために、ID=1〜Nの各々に対応したN個のメモリ領域が設けられる。
【0042】
加えて、本実施例に係るデータ中継装置401においては、図示するように、ID毎バッファ402内でのメモリ領域の配置が必ずしもID順とはなっていない。
【0043】
代わりに、本実施例に係るデータ中継装置401においては、図4にも一例を示すように、ID毎バッファ402内でのメモリ領域の配置が、送信元バス102に接続された通信ノード104の種類や、送信先バス103に接続された通信ノード108の種類などに応じて、特定の多重通信システムにおいて使用されないIDに対応するメモリ領域(換言すれば、送信待ちフレームデータの探索時にスルー若しくはスキップされるリザーブド領域)が、送信待ちフレームデータの探索順序において、できる限り2つ以上連続しないように決定される。すなわち、いずれの多重通信システムにおいて用いられる場合であっても、当該多重通信システムにおいてリザーブド領域となるIDが割り当てられたメモリ領域がID毎バッファ402内に偏りなく散らばるように、ID毎バッファ402内の各メモリ領域に対するIDの割り当てが決定される。
【0044】
ID割当の一例を図5に示す。図5は、図2及び3に関連して既に説明した多重通信システムA及びBに対して共通化されたID毎バッファ402の一例を示しており、ID毎バッファ402のメモリ領域には、上から順に、ID=1、ID=3、ID=5、ID=2、ID=4、及び、ID=6がそれぞれ割り当てられている。
【0045】
このように各IDに対応するメモリ領域を定めることにより、いずれの多重通信システムについても、リザーブド領域を平均的に分散させることができる。
【0046】
図5(a)は、ID=1〜4を持つフレームデータが当該データ中継装置により転送され得る既述の多重通信システムAに対して適用された場合を示している。この場合、ID=5及び6に対応するメモリ領域がリザーブド領域となるが、図示するようにリザーブド領域の位置が探索順序上、連続しておらず、適当に分散しているため、図3(a)に示した場合と異なり、特定のIDを持つフレームデータの処理のみに特に大きな遅延が生じるといった事態の発生が回避される。
【0047】
同様に、図5(b)は、ID=3〜6を持つフレームデータが当該データ中継装置により転送され得る既述の多重通信システムBに対して適用された場合を示している。この場合、ID=1及び2に対応するメモリ領域がリザーブド領域となるが、図示するようにリザーブド領域の位置が探索順序上、連続しておらず、適当に分散しているため、図3(b)に示した場合と異なり、特定のIDを持つフレームデータの処理のみに特に大きな遅延が生じるといった事態の発生が回避される。
【0048】
このように、本実施例によれば、ID毎バッファを備えたデータ中継装置を複数の異なる多重通信システムに対して共通化された単一の装置とする際に、対応する多重通信システムの各々においてどのような通信ノード接続状況に応じて使用されるかを考慮して、いずれの多重通信システムにおいてもリザーブド領域となるメモリ領域が探索順序上、適当に分散しているようにメモリ領域に対するIDの割り当てを行うため、ID毎バッファに対して送信待ちフレームデータの探索が行われる際に、特定のIDを持つフレームデータの探索についてのみ特に大きい遅延が生ずるといった最悪遅延時間が悪化する事態の発生が回避される。
【0049】
なお、上記一実施例においては、一例として、ID毎バッファに対する送信待ちフレームデータの探索は、いずれの多重通信システムにおいても図中の上から下へ行われる点で固定されており、ID毎バッファ内の各メモリ領域に対するIDの割り当てを変えることによって探索されるIDの順序を変更するものとしたが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、ID毎バッファ内でのIDとメモリ領域との対応関係が固定されているものとして、ID毎バッファ内での各メモリ領域の探索順序を変更することによって探索されるIDの順序を変更するものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、多重通信システムにおいて、通信線(バス)と通信線との間に設けられ、両通信線間でのデータの送受信を可能にし、ID毎バッファを備えた、あらゆるデータ中継装置に利用できる。通信線に接続される通信ノードの種類や個数或いは通信線に流れるデータの種類の情報内容などについてはいずれも不問である。
【0051】
より具体的な用途として、本発明は、自動車の車載LANに適用可能である。近年の車載LANでは、複数のバスが用意されると共に、バス間でデータをやりとりするためにゲートウェイが設けられるのが一般的である。
【0052】
車載LANでは、車両装備・機能に応じて、搭載されるバスの数や、各バスに接続される通信ノード(例えばECU)の数/種類が異なり得るが、本発明に係るデータ中継装置を車載LANのゲートウェイとして採用すると、車両装備・機能が異なる複数の車種について、最悪遅延時間を悪化させずにゲートウェイ装置を共通部品化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】従来のデータ中継装置の概略構成図である。
【図2】従来のデータ中継装置において用いられるID毎バッファの一例を示す図である。
【図3】従来のデータ中継装置において用いられるID毎バッファを複数の異なる多重通信システムに対して共通化した場合の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係るデータ中継装置の概略構成図である。
【図5】本発明の一実施例に係るデータ中継装置において用いられるID毎バッファの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
102 送信元バス
103 送信先バス
105 受信側バッファ
107 送信側バッファ
401 データ中継装置
402 ID毎バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重通信システムにおいて、一の通信線を通じて受信されたデータを、他の通信線へ送信する前に、データ種類ごとに異なるメモリ領域に一時的にバッファする、データ中継装置であって、
複数の異なる多重通信システムにおいて用いられ得るデータ種類の各々について、それぞれ異なるメモリ領域が確保され、
これらデータ種類ごとに一時的にバッファされたデータのいずれかを選択して前記他の通信線へ送信するために、前記メモリ領域の各々について送信すべきデータが一時的にバッファされているか否かを一領域ずつ探索するとき、探索されるデータ種類の順序は前記一の通信線又は前記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて決定される、ことを特徴とするデータ中継装置。
【請求項2】
請求項1記載のデータ中継装置であって、
データ種類探索順序は、前記一の通信線又は前記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて、前記メモリ領域の探索順序は変えずに、前記メモリ領域に対するデータ種類の割当を変えることによって変更される、ことを特徴とするデータ中継装置。
【請求項3】
請求項1記載のデータ中継装置であって、
データ種類探索順序は、前記一の通信線又は前記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて、前記メモリ領域に対するデータ種類の割当を変えずに、前記メモリ領域の探索順序を変えることによって変更される、ことを特徴とするデータ中継装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項記載のデータ中継装置であって、
データ種類探索順序は、前記一の通信線又は前記他の通信線に接続された1以上の通信ノードの種類に応じて、使われないデータ種類が2以上連続して探索されないように決定される、ことを特徴とするデータ中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−148151(P2008−148151A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334941(P2006−334941)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】