データ伝送システムおよび割り込み制御方法
【課題】データ伝送システムの低消費電力化および割り込み応答性を向上する。
【解決手段】ホスト装置(10)は、伝送路(30)を所定の状態に設定することで割り込み要求受付期間を設定する割り込み期間設定部(18)と、伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する割り込み検出部(17)とを備えている。デバイス装置(20)は、伝送路(30)の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する割り込み可否判定部(27)と、割り込み要求が可能であるとき、伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行う割り込み通知部(28)とを備えている。
【解決手段】ホスト装置(10)は、伝送路(30)を所定の状態に設定することで割り込み要求受付期間を設定する割り込み期間設定部(18)と、伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する割り込み検出部(17)とを備えている。デバイス装置(20)は、伝送路(30)の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する割り込み可否判定部(27)と、割り込み要求が可能であるとき、伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行う割り込み通知部(28)とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークなどで接続されたホスト装置とデバイス装置とからなるデータ伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の通信装置が接続されたネットワークにおいて、送信元(ホスト装置)から送信先の装置(スレーブ装置)にデータを送信する際、他の通信装置を経由する場合がある。このとき、ホスト装置とスレーブ装置との間に接続された通信装置は中継処理を行うために、常時動作している必要があり、消費電力が大きくなりやすい傾向があった。この対策として、ホスト装置(マスタ装置)からデバイス装置(スレーブ装置)にデータを送信する際、ホスト装置とデバイス装置間に接続された通信装置はLINK層を停止し、接続されたデバイスから入力された信号をPHY層のみで転送することによって、データ送信時に必要な消費電力の低減を図っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−65216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ホスト装置とデバイス装置がデータ通信を行っている間、LINK層を停止した通信装置は、ホスト装置に対して割り込み要求を通知することができない。また、LINK層が停止している通信装置がホスト装置に割り込み要求を通知するためには、LINK層の復帰処理を行う必要があり、割り込み要求を出すまでのレイテンシが大きいという問題がある。
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、データ伝送システムのデータ通信時の消費電力を低減しつつ割り込みに対する応答性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明によって次のような手段を講じた。すなわち、ホスト装置は、伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定する割り込み期間設定部と、伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する割り込み検出部とを備えている。デバイス装置は、LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他の装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有しており、さらに、伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する割り込み可否判定部と、割り込み要求が可能であるとき、伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行う割り込み通知部とを備えている。そして、上記ホスト装置と一または複数の上記デバイス装置とが伝送路で互いに接続されてデータ伝送システムが構成される。
【0007】
これによると、デバイス装置は、バイパスモードで動作していても、ホスト装置が設定した割り込み要求受付期間を識別して割り込み要求の可否を判断し、当該期間に割り込み通知をすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、デバイス装置がバイパスモードで動作していても割り込み要求を通知してホスト装置において割り込み処理を行うことができる。すなわち、データ伝送システムにおけるデータ通信時の消費電力を低減しつつ割り込みに対する即時応答が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るデータ伝送システムの構成図である。
【図2】図2は、伝送データフォーマットの一構成を表す模式図である。
【図3】図3は、第1の構成例に係る伝送路の状態の一例を示す図である。
【図4】図4は、第1の構成例に係るホスト装置の動作フローチャートである。
【図5】図5は、図4中のデータ転送処理の詳細フローチャートである。
【図6】図6は、第1の構成例に係るデバイス装置の動作フローチャートである。
【図7】図7は、図6中のデータ転送処理の詳細フローチャートである。
【図8】図8は、図6中の他デバイス装置への転送処理の詳細フローチャートである。
【図9】図9は、第2の構成例に係る伝送路の状態の一例を示す図である。
【図10】図10は、第3の構成例に係る伝送路の状態の一例を示す図である。
【図11】図11は、第4の構成例に係る伝送路の状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデータ伝送システムの構成を示す。本実施形態に係るデータ伝送システムにおいて、ホスト装置10はデバイス装置20_1〜20_Nの制御を行う機能を有する。ホスト装置10と各デバイス装置20は、伝送路30によって接続されており、データはホスト装置10からデバイス装置20_1、…、20_Nの方向にデータが伝送される。なお、伝送方向の切り替えが可能なシステムの場合、伝送方向が逆になってもよい。この場合、データはホスト装置10からデバイス装置20_N、…20_1の方向に伝送される。
【0011】
消費電力を低減するため、各デバイス装置20はLINK層を停止させてPHY層のみ動作させて、受信したデータをそのまま送信するバイパスモードを備える。ホスト装置10からあるデバイス装置20へのデータ転送を行う際、経路上の他デバイス装置20はバイパスモードに移行することができる。バイパスモードに移行後においても、各デバイス装置20は、伝送路30上の信号から割り込み要求受付期間を判別することにより、LINK層を停止させたままホスト装置10に割り込み要求を送信することができる。これにより、本データ伝送システムでは、消費電力を抑えながら遅滞の小さい割り込み処理を行うことが可能となる。
【0012】
図2は、本データ伝送システムで用いる伝送データフォーマットの一構成例を示す。伝送データフォーマットは、データタイプと、転送元アドレスと、転送先アドレスと、転送するデータを含んでいる。データタイプは伝送信号がコマンドであるかデータであるかを示す。コマンドには各デバイス装置20からのデータの読み出し、各デバイス装置20へのデータの書き込み、各デバイス装置20のデータの消去などを設定できる。転送元アドレスは伝送信号の送信元装置のアドレスを示す。転送先アドレスは伝送信号の送り先となる装置を示す。転送するデータは複数のデータパケットを含んでおり、データパケット間にはアイドル期間が設けられている。転送するデータには、データタイプがコマンドであればホスト装置10や各デバイス装置20から出力される制御データが含まれる。データタイプがデータであればホスト装置10や各デバイス装置20から出力される伝送データ(例えば、静止画データや動画データなど)が設定される。
【0013】
以下、本実施形態に係るデータ伝送システムについていくつかの構成例と動作例について説明する。
【0014】
(第1の構成例)
<伝送路30の構成および状態>
ホスト装置10および各デバイス装置20はLVDS(Low Voltage Differential Signaling)方式を用いてデータ伝送を行う。LVDSでは伝送路30は2本の信号線で構成される。2本の信号線の電圧D0,D1の組み合わせにより伝送路30の状態が表される。電圧D0,D1がHighの状態を“1”、Lowの状態を“0”でそれぞれ表すとすると、例えば、表1に示すように、(D0,D1)=(1,0)または(0,1)の組み合わせはデータ伝送を表し、それぞれ、High(ビットデータ“1”を伝送)およびLow(ビットデータ“0”を伝送)を表すものとする。(D0,D1)=(0,0)または(1,1)の組み合わせは各デバイス装置20の割り込み要求通知に用いられ、それぞれ、「アイドル」(割り込み要求なし)および「割り込み」(割り込み要求あり)を表す。
【0015】
【表1】
【0016】
図3は、伝送路30の状態の一例を示す。データ伝送はデータ伝送期間と割り込み要求受付期間に分けられる。データ伝送期間では、データが(D0,D1)=(1,0)または(0,1)に割り付けられて伝送される。割り込み要求受付期間では、各デバイス装置20の割り込み要求が(D0,D1)=(0,0)または(1,1)に割り付けられて伝送される。ホスト装置10および各デバイス装置20は、(D0,D1)=(1,0)または(0,1)のときはデータ伝送期間の信号を受信中であると判断し、(D0,D1)=(0,0)のときは割り込み要求受付期間の信号を受信中で割り込み要求なしと判断し(図3(a)参照)、(D0,D1)=(1,1)のときは割り込み要求受付期間の信号を受信中で割り込み要求ありと判断する(図3(b)参照)。以上のように、ホスト装置10および各デバイス装置20は、2本の信号線の電圧の組み合わせからデータ伝送期間と割り込み受付可能期間とを識別し、さらに、割り込み要求受付期間において割り込み要求の有無を検知することができる。
【0017】
<ホスト装置10の構成>
ホスト装置10は、制御部12と、伝送プロトコル処理部13と、入力制御部14と、出力制御部15と、消費電力制御部16と、割り込み検出部17と、割り込み期間設定部18を含む。ホスト装置10には、伝送プロトコル処理部13が停止状態のバイパスモードオンと、伝送プロトコル処理部13が動作状態のバイパスモードオフの2つの状態がある。ホスト装置10がデータ伝送を行っていないときなどに、伝送プロトコル処理部13を停止させることで消費電力の節減が可能となる。
【0018】
制御部12は、ホスト装置10の通信処理全体の動作に関する制御を行う。具体的には、以下の処理を行う。
【0019】
・伝送プロトコル処理部13に対して、いずれかのデバイス装置20に対するデータ読み出し、書き込み、消去といった処理指示を与える。
【0020】
・伝送プロトコル処理部13が上記伝送データフォーマットに従って解釈した各デバイス装置20の割り込みやデータ伝送要求などの内容に応じて、割り込み処理やデータ伝送処理のためのホスト装置10の動作制御を行う。
【0021】
・ホスト装置10の動作状態に応じて、消費電力制御部16に伝送プロトコル処理部13の起動または停止要求を出力する。
【0022】
・割り込み検出部17から各デバイス装置20の割り込み要求を検出したことが通知された場合、割り込み処理を行う。
【0023】
伝送プロトコル処理部13は、以下の処理を行う。
【0024】
・制御部12からいずれかのデバイス装置20に対するデータ読み出し、書き込み、消去といった要求を受けると、その要求内容を、上記伝送データフォーマットに従った信号に変換し、出力制御部15に出力する。
【0025】
・入力制御部14の受信信号を上記伝送データフォーマットに従って解釈し、解釈した内容を制御部12に送信する。
なお、伝送プロトコル処理部13は、消費電力制御部16からの電力供給のオン・オフによって、起動状態・停止状態の制御が行われる。
【0026】
入力制御部14は、ホスト装置10に接続されているデバイス装置20からの信号を受信し、受信した信号を伝送プロトコル処理部13に転送する。
【0027】
出力制御部15は、伝送プロトコル処理部13から入力される信号を受けて、ホスト装置10に接続されているデバイス装置20に送信する。
【0028】
消費電力制御部16は、制御部12から伝送プロトコル処理部13の停止指示を受けると、伝送プロトコル制御部13への電力供給を遮断し伝送プロトコル制御部13を停止状態にする。また、制御部12から伝送プロトコル処理部13の起動指示があった場合には、伝送プロトコル処理部13への電力供給を再開し伝送プロトコル制御部13を起動状態にする。
【0029】
割り込み検出部17は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧を検知することで、デバイス装置20の割り込み要求の有無を検出し、制御部12に通知する。
【0030】
割り込み期間設定部18は、接続されたデバイス装置20に出力制御部15からデータ転送がなければ、伝送路30の状態をアイドルにし、割り込み通知受付期間に変更する。出力制御部15からデータ転送要求がある場合には、割り込み期間設定部18は、出力制御部15から出力された信号を、接続されているデバイス装置20に送信する。
【0031】
<デバイス装置20の構成>
デバイス装置20は、制御部22と、伝送プロトコル処理部23と、入力制御部24と、出力制御部25と、消費電力制御部26と、割り込み可否判定部27と、割り込み通知部28を含む。伝送プロトコル処理部23がLINK層に相当し、入力制御部24および出力制御部25がPHY層に相当する。デバイス装置20には、伝送プロトコル処理部23が停止状態のバイパスモードオンと、伝送プロトコル処理部23が動作状態のバイパスモードオフの2つの状態がある。バイパスモードオフの場合、ホスト装置10または他デバイス装置20から受信した信号は、伝送プロトコル処理部23を介さずに次のデバイス装置20またはホスト装置10に転送される。バイパスモードオフの場合、受信した信号は伝送プロトコル処理部23で処理されて、必要に応じて他デバイス装置20またはホスト装置10に転送される。データ伝送が行われていないとき、または、ホスト装置10と他デバイス装置20間のデータ伝送が行われていて、自デバイス装置20は単に伝送信号の中継を行うだけで伝送プロトコル処理部23による処理が不要な場合に、バイパスモードをオンにし伝送プロトコル処理部23を停止させることで、消費電力の削減が可能となる。
【0032】
制御部22は、デバイス装置20の通信処理全体の動作に関する制御を行う。具体的には、以下の処理を行う。
【0033】
・ホスト装置10に割り込み要求をするために、バイパスモードオフの場合には、伝送プロトコル処理部23に対してホスト装置10に対する割り込み要求処理指示を与え、バイパスモードオンの場合には、割り込み通知部28に対して割り込み要求を出力する。
【0034】
・伝送プロトコル処理部23からデバイス装置20が受信した信号を上記伝送データフォーマットに従って解釈した内容を受けると、その内容に応じてデバイス装置20の動作制御を行う。
【0035】
・デバイス装置20の動作状態に応じて、バイパスモードのオン・オフを制御する。バイパスモードオンの場合には、消費電力制御部23に伝送プロトコル処理部23の停止要求を出力し、バイパスモードオフの場合には、伝送プロトコル処理部23の起動要求を出力する。例えば、プロトコル処理部23から、ホスト装置10から他デバイス装置20へのデータ伝送を開始する通知を受けると、バイパスモードオンにする。
【0036】
伝送プロトコル処理部23は、以下の処理を行う。
【0037】
・制御部22からの伝送要求を上記伝送データフォーマットに変換し、出力制御部25に出力する。
【0038】
・入力制御部24の受信信号を上記伝送データフォーマットに従って解釈し、解釈した内容を制御部22に送信する。
なお、伝送プロトコル処理部23は、消費電力制御部26からの電力供給のオン・オフによって、起動(バイパスモードオフ)・停止(バイパスモードオン)の制御が行われる。
【0039】
入力制御部24は、信号を受信し、伝送プロトコル処理部23が起動状態(バイパスモードオフの状態)の場合には、受信した信号を伝送プロトコル処理部23に転送する。伝送プロトコル処理部23が停止状態(バイパスモードオンの状態)の場合には、受信した信号を出力制御部25に出力する。
【0040】
出力制御部25は、伝送プロトコル処理部23または入力制御部24から入力される信号を、接続されている他デバイス装置20またはホスト装置10に送信する。
【0041】
消費電力制御部26は、制御部22から伝送プロトコル処理部23の停止指示を受けると、伝送プロトコル制御部23への電力供給を遮断し伝送プロトコル制御部23を停止状態にする(バイパスモードオン)。また、制御部22から伝送プロトコル処理部23の起動指示があった場合には、伝送プロトコル処理部23への電力供給を再開し伝送プロトコル制御部23を起動状態にする(バイパスモードオフ)。
【0042】
割り込み可否判定部27は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧を検知し、検知した結果に基づいて、割り込み通知が可能か不可能かを判定する。そして、判定結果を割り込み通知可否情報として割り込み通知部28に通知する。
【0043】
割り込み通知部28は、通常は、出力制御部25から入力される信号をそのまま、接続されている他デバイス装置20またはホスト装置10に送信する。制御部22から割り込み要求が入力されており、かつ、割り込み可否判定部27が割り込み要求可能であると判定した場合には、割り込み通知部28は、出力制御部25から入力される信号に割り込み通知信号を加えた信号を、接続されている他デバイス装置20またはホスト装置10に送信する。
【0044】
<ホスト装置10の伝送動作>
図4は、ホスト装置10の割り込み要求受付期間の設定およびデータ転送の処理手順を示す。制御部12が伝送プロトコル処理部13に割り込み要求受付期間設定要求を出すと、伝送プロトコル処理部13は上記伝送データフォーマットに従って信号を生成し、割り込み期間設定部18は伝送路30の状態を(D0,D1)=(0,0)に設定して割り込み要求受付期間が設定される(S10)。ホスト装置10は制御部12からの伝送要求を待機し(S11)、伝送要求があればデータ転送を開始し(S12)、伝送要求がなければ再度伝送要求の確認を行う。ステップS12の実行後に、さらにデータ転送を行うかどうかを確認し(S13)、転送終了であればホスト装置10は処理を終了し、転送継続であればステップS11に戻る。
【0045】
図5は、ステップS12の詳細フローを示す。制御部12は伝送プロトコル処理部13に伝送要求内容を通知し、伝送プロトコル処理部13は通知された内容に応じて上記伝送データフォーマットに従って信号を作成し、出力制御部15を介して、接続されているデバイス装置20に信号が出力される(S121)。その後、入力制御部14がデバイス装置20からの応答を受信し(S122)、伝送プロトコル処理部13が処理を行い、制御部12に処理結果を通知する。デバイス装置20からの応答を受信し、当該デバイス装置20とのハンドシェイクが完了した後、ホスト装置10はデータ転送を開始する。伝送プロトコル処理部13は、上記伝送データフォーマット40に従って伝送信号を生成する(S123)。このとき、図2中のデータパケット期間ではHigh、Lowの集合により形成される信号を設定し、アイドル期間ではアイドル信号を設定する。そして、生成した信号をデバイス装置20に転送する(S124)。データ転送後、デバイス装置20から転送応答を受信すると(S125)、伝送完了のチェックを行う(S126)。伝送が完了していればデータ転送処理は終了し、伝送が未完了であれば、ステップS123に戻って伝送信号を生成する。
【0046】
<ホスト装置10の割り込み処理>
データ転送中であっても、割り込み検出部17は割り込み要求受付期間であることを検出可能である。割り込み検出部17が割り込み要求があることを検出すると、制御部12は割り込みを認識し、割り込み処理を行う。なお、本構成例では、割り込み要求がどのデバイス装置20が出力したのかを判断することができないため、制御部12は割り込み要求をしたデバイス装置20を特定するための処理を行う。
【0047】
<デバイス装置20の伝送動作>
図6は、デバイス装置20がホスト装置10からの伝送要求に応じて行うデータ転送処理の流れを示している。データ伝送にあたり、デバイス装置20はホスト装置10から割り込み受付期間設定信号を受信する(S20)。受信した割り込み受付期間設定信号に応じた割り込み受付期間設定を行った後、ホスト装置10からの伝送要求の有無を確認し(S21)、伝送要求がない場合は伝送要求の有無の確認に戻る。伝送要求がある場合は、伝送要求を受けた伝送プロトコル制御部23が、転送されたデータを上記伝送データフォーマットに従って解釈し、転送先アドレスが自デバイス装置20宛てであるか他デバイス装置20宛てであるかの判定を行う(S22)。転送先アドレスが自デバイス装置20宛てである場合は、データ転送処理を行い(S23)、他デバイス装置20宛てである場合は、他デバイス装置20への転送処理を行う(S24)。ステップS23またはS24の動作終了後、制御部21はさらにデータ転送を行うかどうかを確認し(S25)、転送終了であればデバイス装置20は処理を終了し、転送継続であればステップS21に戻る。
【0048】
図7は、ステップS23の詳細フローを示す。デバイス装置20はまず、ホスト装置10から転送された伝送要求に対する応答を出力する(S231)。次に、上記伝送データフォーマットに従って作成されたデータの転送を開始する(S232)。データ転送後、伝送路30の状態を割り込み検出部27が確認する(S233)。割り込み要求受付期間が識別され、すなわち、割り込み通知が可能で、割り込み検出部27または制御部22から割り込み要求がある場合には、伝送路30の状態を「割り込み」にすることによって割り込み要求を通知する(S235)。そして、すべてのデータ転送が完了したかどうかを制御部22が判断し(S236)、完了していれば処理を終了し、完了していなければステップS232に戻ってデータ転送を開始する。ステップS233でデータ伝送期間が識別された場合、すなわち、割り込み通知不可能の場合、または、ステップS234で割り込み要求がなかった場合は、ステップS236に移行する。
【0049】
図8は、ステップ24の詳細フローを示す。伝送プロトコル処理部23は受信したデータを出力制御部25に出力し、割り込み通知部28を経て、他デバイス装置20に転送する(S241)。次に、伝送プロトコル処理部23は制御部22に伝送要求が他デバイス装置20宛であったことを通知する。通知を受けた制御部22は消費電力制御部26に動作停止要求を出力し、消費電力制御部26はその制御に応じて、伝送プロトコル制御部23の動作を停止させる(S242)。伝送プロトコル処理部23の動作停止後は伝送路30の状態を割り込み検出部27が確認する(S243)。伝送路30の状態が割り込み通知可能であれば、制御部22からの割り込み要求があるがあるかどうかを確認する(S244)。割り込み要求がある場合には、接続された他デバイス装置20に割り込み要求を通知する(S245)。そして、制御部22は伝送完了かどうかのチェックを行い(S246)、伝送完了であれば消費電力制御部26に伝送プロトコル処理部23の動作再開要求を通知し、伝送プロトコル処理部26は動作を再開する(S247)。伝送未完了であればステップS243に戻る。
【0050】
(第2の構成例)
第2の構成例に係るデータ伝送システムは、ホスト装置10が割り込み要因の発生しているデバイス装置20を特定する処理を短くする場合に有効である。以下、第1の構成例と異なる点のみ説明する。
【0051】
<伝送路30の構成および状態>
本構成例においても、ホスト装置10および各デバイス装置20はLVDS方式を用いてデータ伝送を行う。伝送路30の状態も例えば表1に示した通りである。ただし、図9に示すように、割り込み要求受付期間においてデバイス装置20ごとに割り込み要求可能期間が決められている。すなわち、各デバイス装置20は、自デバイス装置20に割り当てられた割り込み発生期間においてのみ、割り込み要求を送信することができる。図9に示した例は、デバイス装置20_2から割り込み要求があることを示している。
【0052】
<ホスト装置10の構成>
制御部12は、デバイス装置20ごとに割り込み要求可能期間を決定し、その情報を割り込み検出部17に通知する。割り込み検出部17は、割り込み要求受付期間のどの位置で割り込み要求を受信したかを検出し、その検出結果から割り込み要求の送信元デバイス装置20を特定し、制御部12に割り込み要求の受信と送信元デバイス装置20を通知する。割り込み要求受付期間のどの位置で割り込み要求を受信したかの判定は、例えば、割り込み検出部17にカウンタを設けて、割り込み要求受付期間を検知した時点から割り込み要求を受信した時点までの時間をカウントすることで行うことができる。なお、当該判定にはこれ以外の方法を用いても構わない。
【0053】
<デバイス装置20の構成>
制御部22は、割り込み通知部28に自デバイス装置20の割り込み要求可能期間情報を通知する。当該情報は、割り込み要求受付期間において、自デバイス装置20に割り当てられた割り込み通知可能期間の位置を特定するための情報である。
【0054】
割り込み通知部28は、制御部212から上記情報を受信し、自デバイス装置20に割り当てられた割り込み通知可能期間に伝送路30の状態を「割り込み」に変更することにより自デバイス装置20の割り込み要求を送信する。
【0055】
<ホスト装置10およびデバイス装置20の動作>
ホスト装置10およびデバイス装置20の動作は基本的に第1の構成例と同じである。ただし、データ伝送を行うにあたり、ホスト装置10は、割り込み検出部17に各デバイス装置20の割り込み通知可能期間情報を通知するとともに、各デバイス装置20にそのデバイス装置20の割り込み通知可能期間情報を通知する。また、デバイス装置20は、ホスト装置10から受信した割り込み通知可能期間情報に基づいて自デバイス装置20の割り込み通知可能期間を更新する。
【0056】
以上、本構成例によると、ホスト装置10において割り込み要求を受信した際に、割り込み要求を送信したデバイス装置20を特定することが可能となる。これにより、ホスト装置20が割り込み送信元を特定するための通信を行う必要がなく、システムの処理量および通信量を減らすことができるとともに、速やかな割り込み処理が可能となる。
【0057】
なお、割り込み要求可能期間は各デバイス装置20で同じであってもよい。また、各デバイス装置20に割り込み優先度に応じて、割り込み要求可能期間の発生回数、長さをさまざまに設定してもよい。
【0058】
また、ホスト装置10がデータ伝送を行うにあたり、割り込み優先度の変更対象のデバイス装置20に対してのみ割り込み通知可能期間情報を通知するようにしてもよい。これにより、システム処理量および通信量を減らすことができるとともに、速やかなデータ伝送処理の開始が可能となる。
【0059】
さらに、割り込み通知可能期間情報の通知に先立って、通知先のデバイス装置20に対して、バイパスモードをオフにし伝送プロトコル処理部23を起動させるための起動通知信号を送信してもよい。これにより、割り込み通知可能期間の変更がないデバイス装置20はバイパスモードを維持して、不要な消費電力を削減することができる。
【0060】
(第3の構成例)
第3の構成例に係るデータ伝送システムは、転送路30を構成する信号線の本数を少なくする場合に有効である。以下、第1の構成例と異なる点のみ説明する。
【0061】
<伝送路30の構成および状態>
ホスト装置10および各デバイス装置20は単一のデータ信号線で接続されている。当該信号線の電圧レベルにより伝送路30の状態が表される。例えば、表2に示すように、VDDhighまたはVDDlowはデータ伝送を表し、それぞれ、High(ビットデータ“1”を伝送)およびLow(ビットデータ“0”を伝送)を表すものとする。VDDidleまたはVDDintは割り込み要求通知に用いられ、それぞれ、「アイドル」(割り込み要求なし)および「割り込み」(割り込み要求あり)を表す。
【0062】
【表2】
【0063】
図10は、伝送路30の状態の一例を示す。データ伝送はデータ伝送期間と割り込み要求受付期間に分けられる。データ伝送期間では、データがVDDhighまたはVDDlowに割り付けられて伝送される。割り込み要求受付期間では、各デバイス装置20の割り込み要求がVDDidleまたはVDDintに割り付けられて伝送される。ホスト装置10および各デバイス装置20は、VDDhighまたはVDDlowのときはデータ伝送期間の信号を受信中であると判断し、VDDidleのときは割り込み要求受付期間の信号を受信中で割り込み要求なしと判断し(図10(a)参照)、VDDintのときは割り込み要求受付期間の信号を受信中で割り込み要求ありと判断する(図10(b)参照)。以上のように、ホスト装置10および各デバイス装置20は、伝送路30の電圧レベルからデータ伝送期間と割り込み受付可能期間とを識別し、さらに、割り込み要求受付期間において割り込み要求の有無を検知することができる。
【0064】
<ホスト装置10の構成>
割り込み検出部17は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧レベルを検知することで、デバイス装置20の割り込み要求の有無を検出し、制御部12に通知する。
【0065】
割り込み期間設定部18は、接続されたデバイス装置20に出力制御部15からデータ転送がなければ、伝送路30の電圧レベルをVDDidleにして伝送路30の状態をアイドルにし、割り込み通知受付期間に変更する。
【0066】
<デバイス装置20の構成>
割り込み可否判定部27は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧レベルを検知し、検知した結果に基づいて、割り込み通知が可能か不可能かを判定する。そして、判定結果を割り込み通知可否情報として割り込み通知部28に通知する。
【0067】
割り込み通知部28は、制御部22から割り込み要求が入力されており、かつ、割り込み可否判定部27が割り込み要求可能であると判定した場合には、伝送路30の電圧レベルをVDDintに設定する。
【0068】
(第4の構成例)
第4の構成例に係るデータ伝送システムは、伝送路30を構成する信号線の本数を少なくし、かつ、ホスト装置10が割り込み要因が発生しているデバイス装置20を特定する処理を短くする場合に有効である。以下、第3の構成例と異なる点のみ説明する。
【0069】
<伝送路30の構成および状態>
本構成例においても、ホスト装置10および各デバイス装置20は単一のデータ信号線で接続されている。ただし、表3に示すように、割り込み通知に係る電圧レベルがデバイス装置20ごとに決められている。例えば、図11に示した例は、デバイス装置20_1から割り込み要求があることを示している。
【0070】
【表3】
【0071】
<ホスト装置10の構成>
制御部12は、デバイス装置20ごとに割り込み通知に係る電圧レベルを決定し、その情報を割り込み検出部17に通知する。割り込み検出部17は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧レベルを検知することで、割り込み要求の有無を検出する。さらに、割り込み要求があることを検出した場合には、電圧レベルに基づいて割り込み要求の送信元デバイス装置20を特定し、制御部12に割り込み要求の受信と送信元デバイス装置20を通知する。
【0072】
<デバイス装置20の構成>
制御部22は、割り込み通知部28に、自デバイス装置20に割り当てられた電圧レベル情報を通知する。
【0073】
割り込み可否判定部27は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧レベルを検知し、検知した結果に基づいて、割り込み通知が可能か不可能かを判定する。
【0074】
割り込み通知部28は、制御部22から割り込み要求が入力されており、かつ、割り込み可否判定部27が割り込み要求可能であると判定した場合には、伝送路30の電圧レベルを自デバイス装置20に割り当てられている電圧レベルに設定する。
【0075】
<ホスト装置10およびデバイス装置20の動作>
ホスト装置10およびデバイス装置20の動作は基本的に第3の構成例と同じである。ただし、データ伝送を行うにあたり、ホスト装置10は、割り込み検出部17に各デバイス装置20の割り込み通知に係る電圧レベル情報を通知するとともに、各デバイス装置20にそのデバイス装置20の割り込み通知に係る電圧レベル情報を通知する。また、デバイス装置20は、ホスト装置10から受信した電圧レベル情報に基づいて自デバイス装置20の割り込み通知に係る電圧レベルを更新する。
【0076】
以上、本構成例によると、伝送路30を構成する信号線の本数が少なく、かつ、ホスト装置10において割り込み要求を受信した際に、割り込み要求を送信したデバイス装置20を特定することが可能となる。
【0077】
なお、伝送路30の電圧レベルとデバイス装置20の割り込み優先度とを対応付けておくことで、検知した伝送路30の電圧レベルから割り込み優先度を判定することができる。また、ホスト装置10がデータ伝送を行うにあたり、各デバイス装置20にそのデバイス装置20の割り込み通知に係る電圧レベルを通知することで、各デバイス装置20の割り込み優先度を設定することができる。この場合、割り込み優先度の変更対象のデバイス装置20に対してのみ割り込み通知に係る電圧レベルを通知するようにしてもよい。これにより、システム処理量および通信量を減らすことができるとともに、速やかなデータ伝送処理の開始が可能となる。
【0078】
さらに、割り込み通知に係る電圧レベルの通知に先立って、通知先のデバイス装置20に対して、バイパスモードをオフにし伝送プロトコル処理部23を起動させるための起動通知信号を送信してもよい。これにより、割り込み通知に係る電圧レベルの変更がないデバイス装置20はバイパスモードを維持して、不要な消費電力を削減することができる。
【0079】
また、割り込み通知部28は、割り込み可否判定部27が検知した電圧レベルに対応する割り込み優先度と自デバイス装置の割り込み優先度とを比較し、伝送路30を割り込み優先度の高い方の電圧レベルに設定してもよい。これにより、複数のデバイス装置20から割り込み要求が競合した場合に、割り込み優先度がより高いデバイス装置20がホスト装置10において割り込み処理される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係るデータ伝送システムは、低消費電力かつ割り込みに対して即時応答が可能であるので、AV機器やモバイル機器などの低消費電力技術およびユーザーの処理要求に対するレスポンスの高速性が必要とされる機器に有用である。
【符号の説明】
【0081】
10 ホスト装置
17 割り込み検出部
18 割り込み期間設定部
20 デバイス装置
23 伝送プロトコル処理部(LINK層)
24 入力制御部(PHY層)
25 出力制御部(PHY層)
27 割り込み検出部
28 割り込み通知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークなどで接続されたホスト装置とデバイス装置とからなるデータ伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の通信装置が接続されたネットワークにおいて、送信元(ホスト装置)から送信先の装置(スレーブ装置)にデータを送信する際、他の通信装置を経由する場合がある。このとき、ホスト装置とスレーブ装置との間に接続された通信装置は中継処理を行うために、常時動作している必要があり、消費電力が大きくなりやすい傾向があった。この対策として、ホスト装置(マスタ装置)からデバイス装置(スレーブ装置)にデータを送信する際、ホスト装置とデバイス装置間に接続された通信装置はLINK層を停止し、接続されたデバイスから入力された信号をPHY層のみで転送することによって、データ送信時に必要な消費電力の低減を図っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−65216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ホスト装置とデバイス装置がデータ通信を行っている間、LINK層を停止した通信装置は、ホスト装置に対して割り込み要求を通知することができない。また、LINK層が停止している通信装置がホスト装置に割り込み要求を通知するためには、LINK層の復帰処理を行う必要があり、割り込み要求を出すまでのレイテンシが大きいという問題がある。
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、データ伝送システムのデータ通信時の消費電力を低減しつつ割り込みに対する応答性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明によって次のような手段を講じた。すなわち、ホスト装置は、伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定する割り込み期間設定部と、伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する割り込み検出部とを備えている。デバイス装置は、LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他の装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有しており、さらに、伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する割り込み可否判定部と、割り込み要求が可能であるとき、伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行う割り込み通知部とを備えている。そして、上記ホスト装置と一または複数の上記デバイス装置とが伝送路で互いに接続されてデータ伝送システムが構成される。
【0007】
これによると、デバイス装置は、バイパスモードで動作していても、ホスト装置が設定した割り込み要求受付期間を識別して割り込み要求の可否を判断し、当該期間に割り込み通知をすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、デバイス装置がバイパスモードで動作していても割り込み要求を通知してホスト装置において割り込み処理を行うことができる。すなわち、データ伝送システムにおけるデータ通信時の消費電力を低減しつつ割り込みに対する即時応答が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るデータ伝送システムの構成図である。
【図2】図2は、伝送データフォーマットの一構成を表す模式図である。
【図3】図3は、第1の構成例に係る伝送路の状態の一例を示す図である。
【図4】図4は、第1の構成例に係るホスト装置の動作フローチャートである。
【図5】図5は、図4中のデータ転送処理の詳細フローチャートである。
【図6】図6は、第1の構成例に係るデバイス装置の動作フローチャートである。
【図7】図7は、図6中のデータ転送処理の詳細フローチャートである。
【図8】図8は、図6中の他デバイス装置への転送処理の詳細フローチャートである。
【図9】図9は、第2の構成例に係る伝送路の状態の一例を示す図である。
【図10】図10は、第3の構成例に係る伝送路の状態の一例を示す図である。
【図11】図11は、第4の構成例に係る伝送路の状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデータ伝送システムの構成を示す。本実施形態に係るデータ伝送システムにおいて、ホスト装置10はデバイス装置20_1〜20_Nの制御を行う機能を有する。ホスト装置10と各デバイス装置20は、伝送路30によって接続されており、データはホスト装置10からデバイス装置20_1、…、20_Nの方向にデータが伝送される。なお、伝送方向の切り替えが可能なシステムの場合、伝送方向が逆になってもよい。この場合、データはホスト装置10からデバイス装置20_N、…20_1の方向に伝送される。
【0011】
消費電力を低減するため、各デバイス装置20はLINK層を停止させてPHY層のみ動作させて、受信したデータをそのまま送信するバイパスモードを備える。ホスト装置10からあるデバイス装置20へのデータ転送を行う際、経路上の他デバイス装置20はバイパスモードに移行することができる。バイパスモードに移行後においても、各デバイス装置20は、伝送路30上の信号から割り込み要求受付期間を判別することにより、LINK層を停止させたままホスト装置10に割り込み要求を送信することができる。これにより、本データ伝送システムでは、消費電力を抑えながら遅滞の小さい割り込み処理を行うことが可能となる。
【0012】
図2は、本データ伝送システムで用いる伝送データフォーマットの一構成例を示す。伝送データフォーマットは、データタイプと、転送元アドレスと、転送先アドレスと、転送するデータを含んでいる。データタイプは伝送信号がコマンドであるかデータであるかを示す。コマンドには各デバイス装置20からのデータの読み出し、各デバイス装置20へのデータの書き込み、各デバイス装置20のデータの消去などを設定できる。転送元アドレスは伝送信号の送信元装置のアドレスを示す。転送先アドレスは伝送信号の送り先となる装置を示す。転送するデータは複数のデータパケットを含んでおり、データパケット間にはアイドル期間が設けられている。転送するデータには、データタイプがコマンドであればホスト装置10や各デバイス装置20から出力される制御データが含まれる。データタイプがデータであればホスト装置10や各デバイス装置20から出力される伝送データ(例えば、静止画データや動画データなど)が設定される。
【0013】
以下、本実施形態に係るデータ伝送システムについていくつかの構成例と動作例について説明する。
【0014】
(第1の構成例)
<伝送路30の構成および状態>
ホスト装置10および各デバイス装置20はLVDS(Low Voltage Differential Signaling)方式を用いてデータ伝送を行う。LVDSでは伝送路30は2本の信号線で構成される。2本の信号線の電圧D0,D1の組み合わせにより伝送路30の状態が表される。電圧D0,D1がHighの状態を“1”、Lowの状態を“0”でそれぞれ表すとすると、例えば、表1に示すように、(D0,D1)=(1,0)または(0,1)の組み合わせはデータ伝送を表し、それぞれ、High(ビットデータ“1”を伝送)およびLow(ビットデータ“0”を伝送)を表すものとする。(D0,D1)=(0,0)または(1,1)の組み合わせは各デバイス装置20の割り込み要求通知に用いられ、それぞれ、「アイドル」(割り込み要求なし)および「割り込み」(割り込み要求あり)を表す。
【0015】
【表1】
【0016】
図3は、伝送路30の状態の一例を示す。データ伝送はデータ伝送期間と割り込み要求受付期間に分けられる。データ伝送期間では、データが(D0,D1)=(1,0)または(0,1)に割り付けられて伝送される。割り込み要求受付期間では、各デバイス装置20の割り込み要求が(D0,D1)=(0,0)または(1,1)に割り付けられて伝送される。ホスト装置10および各デバイス装置20は、(D0,D1)=(1,0)または(0,1)のときはデータ伝送期間の信号を受信中であると判断し、(D0,D1)=(0,0)のときは割り込み要求受付期間の信号を受信中で割り込み要求なしと判断し(図3(a)参照)、(D0,D1)=(1,1)のときは割り込み要求受付期間の信号を受信中で割り込み要求ありと判断する(図3(b)参照)。以上のように、ホスト装置10および各デバイス装置20は、2本の信号線の電圧の組み合わせからデータ伝送期間と割り込み受付可能期間とを識別し、さらに、割り込み要求受付期間において割り込み要求の有無を検知することができる。
【0017】
<ホスト装置10の構成>
ホスト装置10は、制御部12と、伝送プロトコル処理部13と、入力制御部14と、出力制御部15と、消費電力制御部16と、割り込み検出部17と、割り込み期間設定部18を含む。ホスト装置10には、伝送プロトコル処理部13が停止状態のバイパスモードオンと、伝送プロトコル処理部13が動作状態のバイパスモードオフの2つの状態がある。ホスト装置10がデータ伝送を行っていないときなどに、伝送プロトコル処理部13を停止させることで消費電力の節減が可能となる。
【0018】
制御部12は、ホスト装置10の通信処理全体の動作に関する制御を行う。具体的には、以下の処理を行う。
【0019】
・伝送プロトコル処理部13に対して、いずれかのデバイス装置20に対するデータ読み出し、書き込み、消去といった処理指示を与える。
【0020】
・伝送プロトコル処理部13が上記伝送データフォーマットに従って解釈した各デバイス装置20の割り込みやデータ伝送要求などの内容に応じて、割り込み処理やデータ伝送処理のためのホスト装置10の動作制御を行う。
【0021】
・ホスト装置10の動作状態に応じて、消費電力制御部16に伝送プロトコル処理部13の起動または停止要求を出力する。
【0022】
・割り込み検出部17から各デバイス装置20の割り込み要求を検出したことが通知された場合、割り込み処理を行う。
【0023】
伝送プロトコル処理部13は、以下の処理を行う。
【0024】
・制御部12からいずれかのデバイス装置20に対するデータ読み出し、書き込み、消去といった要求を受けると、その要求内容を、上記伝送データフォーマットに従った信号に変換し、出力制御部15に出力する。
【0025】
・入力制御部14の受信信号を上記伝送データフォーマットに従って解釈し、解釈した内容を制御部12に送信する。
なお、伝送プロトコル処理部13は、消費電力制御部16からの電力供給のオン・オフによって、起動状態・停止状態の制御が行われる。
【0026】
入力制御部14は、ホスト装置10に接続されているデバイス装置20からの信号を受信し、受信した信号を伝送プロトコル処理部13に転送する。
【0027】
出力制御部15は、伝送プロトコル処理部13から入力される信号を受けて、ホスト装置10に接続されているデバイス装置20に送信する。
【0028】
消費電力制御部16は、制御部12から伝送プロトコル処理部13の停止指示を受けると、伝送プロトコル制御部13への電力供給を遮断し伝送プロトコル制御部13を停止状態にする。また、制御部12から伝送プロトコル処理部13の起動指示があった場合には、伝送プロトコル処理部13への電力供給を再開し伝送プロトコル制御部13を起動状態にする。
【0029】
割り込み検出部17は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧を検知することで、デバイス装置20の割り込み要求の有無を検出し、制御部12に通知する。
【0030】
割り込み期間設定部18は、接続されたデバイス装置20に出力制御部15からデータ転送がなければ、伝送路30の状態をアイドルにし、割り込み通知受付期間に変更する。出力制御部15からデータ転送要求がある場合には、割り込み期間設定部18は、出力制御部15から出力された信号を、接続されているデバイス装置20に送信する。
【0031】
<デバイス装置20の構成>
デバイス装置20は、制御部22と、伝送プロトコル処理部23と、入力制御部24と、出力制御部25と、消費電力制御部26と、割り込み可否判定部27と、割り込み通知部28を含む。伝送プロトコル処理部23がLINK層に相当し、入力制御部24および出力制御部25がPHY層に相当する。デバイス装置20には、伝送プロトコル処理部23が停止状態のバイパスモードオンと、伝送プロトコル処理部23が動作状態のバイパスモードオフの2つの状態がある。バイパスモードオフの場合、ホスト装置10または他デバイス装置20から受信した信号は、伝送プロトコル処理部23を介さずに次のデバイス装置20またはホスト装置10に転送される。バイパスモードオフの場合、受信した信号は伝送プロトコル処理部23で処理されて、必要に応じて他デバイス装置20またはホスト装置10に転送される。データ伝送が行われていないとき、または、ホスト装置10と他デバイス装置20間のデータ伝送が行われていて、自デバイス装置20は単に伝送信号の中継を行うだけで伝送プロトコル処理部23による処理が不要な場合に、バイパスモードをオンにし伝送プロトコル処理部23を停止させることで、消費電力の削減が可能となる。
【0032】
制御部22は、デバイス装置20の通信処理全体の動作に関する制御を行う。具体的には、以下の処理を行う。
【0033】
・ホスト装置10に割り込み要求をするために、バイパスモードオフの場合には、伝送プロトコル処理部23に対してホスト装置10に対する割り込み要求処理指示を与え、バイパスモードオンの場合には、割り込み通知部28に対して割り込み要求を出力する。
【0034】
・伝送プロトコル処理部23からデバイス装置20が受信した信号を上記伝送データフォーマットに従って解釈した内容を受けると、その内容に応じてデバイス装置20の動作制御を行う。
【0035】
・デバイス装置20の動作状態に応じて、バイパスモードのオン・オフを制御する。バイパスモードオンの場合には、消費電力制御部23に伝送プロトコル処理部23の停止要求を出力し、バイパスモードオフの場合には、伝送プロトコル処理部23の起動要求を出力する。例えば、プロトコル処理部23から、ホスト装置10から他デバイス装置20へのデータ伝送を開始する通知を受けると、バイパスモードオンにする。
【0036】
伝送プロトコル処理部23は、以下の処理を行う。
【0037】
・制御部22からの伝送要求を上記伝送データフォーマットに変換し、出力制御部25に出力する。
【0038】
・入力制御部24の受信信号を上記伝送データフォーマットに従って解釈し、解釈した内容を制御部22に送信する。
なお、伝送プロトコル処理部23は、消費電力制御部26からの電力供給のオン・オフによって、起動(バイパスモードオフ)・停止(バイパスモードオン)の制御が行われる。
【0039】
入力制御部24は、信号を受信し、伝送プロトコル処理部23が起動状態(バイパスモードオフの状態)の場合には、受信した信号を伝送プロトコル処理部23に転送する。伝送プロトコル処理部23が停止状態(バイパスモードオンの状態)の場合には、受信した信号を出力制御部25に出力する。
【0040】
出力制御部25は、伝送プロトコル処理部23または入力制御部24から入力される信号を、接続されている他デバイス装置20またはホスト装置10に送信する。
【0041】
消費電力制御部26は、制御部22から伝送プロトコル処理部23の停止指示を受けると、伝送プロトコル制御部23への電力供給を遮断し伝送プロトコル制御部23を停止状態にする(バイパスモードオン)。また、制御部22から伝送プロトコル処理部23の起動指示があった場合には、伝送プロトコル処理部23への電力供給を再開し伝送プロトコル制御部23を起動状態にする(バイパスモードオフ)。
【0042】
割り込み可否判定部27は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧を検知し、検知した結果に基づいて、割り込み通知が可能か不可能かを判定する。そして、判定結果を割り込み通知可否情報として割り込み通知部28に通知する。
【0043】
割り込み通知部28は、通常は、出力制御部25から入力される信号をそのまま、接続されている他デバイス装置20またはホスト装置10に送信する。制御部22から割り込み要求が入力されており、かつ、割り込み可否判定部27が割り込み要求可能であると判定した場合には、割り込み通知部28は、出力制御部25から入力される信号に割り込み通知信号を加えた信号を、接続されている他デバイス装置20またはホスト装置10に送信する。
【0044】
<ホスト装置10の伝送動作>
図4は、ホスト装置10の割り込み要求受付期間の設定およびデータ転送の処理手順を示す。制御部12が伝送プロトコル処理部13に割り込み要求受付期間設定要求を出すと、伝送プロトコル処理部13は上記伝送データフォーマットに従って信号を生成し、割り込み期間設定部18は伝送路30の状態を(D0,D1)=(0,0)に設定して割り込み要求受付期間が設定される(S10)。ホスト装置10は制御部12からの伝送要求を待機し(S11)、伝送要求があればデータ転送を開始し(S12)、伝送要求がなければ再度伝送要求の確認を行う。ステップS12の実行後に、さらにデータ転送を行うかどうかを確認し(S13)、転送終了であればホスト装置10は処理を終了し、転送継続であればステップS11に戻る。
【0045】
図5は、ステップS12の詳細フローを示す。制御部12は伝送プロトコル処理部13に伝送要求内容を通知し、伝送プロトコル処理部13は通知された内容に応じて上記伝送データフォーマットに従って信号を作成し、出力制御部15を介して、接続されているデバイス装置20に信号が出力される(S121)。その後、入力制御部14がデバイス装置20からの応答を受信し(S122)、伝送プロトコル処理部13が処理を行い、制御部12に処理結果を通知する。デバイス装置20からの応答を受信し、当該デバイス装置20とのハンドシェイクが完了した後、ホスト装置10はデータ転送を開始する。伝送プロトコル処理部13は、上記伝送データフォーマット40に従って伝送信号を生成する(S123)。このとき、図2中のデータパケット期間ではHigh、Lowの集合により形成される信号を設定し、アイドル期間ではアイドル信号を設定する。そして、生成した信号をデバイス装置20に転送する(S124)。データ転送後、デバイス装置20から転送応答を受信すると(S125)、伝送完了のチェックを行う(S126)。伝送が完了していればデータ転送処理は終了し、伝送が未完了であれば、ステップS123に戻って伝送信号を生成する。
【0046】
<ホスト装置10の割り込み処理>
データ転送中であっても、割り込み検出部17は割り込み要求受付期間であることを検出可能である。割り込み検出部17が割り込み要求があることを検出すると、制御部12は割り込みを認識し、割り込み処理を行う。なお、本構成例では、割り込み要求がどのデバイス装置20が出力したのかを判断することができないため、制御部12は割り込み要求をしたデバイス装置20を特定するための処理を行う。
【0047】
<デバイス装置20の伝送動作>
図6は、デバイス装置20がホスト装置10からの伝送要求に応じて行うデータ転送処理の流れを示している。データ伝送にあたり、デバイス装置20はホスト装置10から割り込み受付期間設定信号を受信する(S20)。受信した割り込み受付期間設定信号に応じた割り込み受付期間設定を行った後、ホスト装置10からの伝送要求の有無を確認し(S21)、伝送要求がない場合は伝送要求の有無の確認に戻る。伝送要求がある場合は、伝送要求を受けた伝送プロトコル制御部23が、転送されたデータを上記伝送データフォーマットに従って解釈し、転送先アドレスが自デバイス装置20宛てであるか他デバイス装置20宛てであるかの判定を行う(S22)。転送先アドレスが自デバイス装置20宛てである場合は、データ転送処理を行い(S23)、他デバイス装置20宛てである場合は、他デバイス装置20への転送処理を行う(S24)。ステップS23またはS24の動作終了後、制御部21はさらにデータ転送を行うかどうかを確認し(S25)、転送終了であればデバイス装置20は処理を終了し、転送継続であればステップS21に戻る。
【0048】
図7は、ステップS23の詳細フローを示す。デバイス装置20はまず、ホスト装置10から転送された伝送要求に対する応答を出力する(S231)。次に、上記伝送データフォーマットに従って作成されたデータの転送を開始する(S232)。データ転送後、伝送路30の状態を割り込み検出部27が確認する(S233)。割り込み要求受付期間が識別され、すなわち、割り込み通知が可能で、割り込み検出部27または制御部22から割り込み要求がある場合には、伝送路30の状態を「割り込み」にすることによって割り込み要求を通知する(S235)。そして、すべてのデータ転送が完了したかどうかを制御部22が判断し(S236)、完了していれば処理を終了し、完了していなければステップS232に戻ってデータ転送を開始する。ステップS233でデータ伝送期間が識別された場合、すなわち、割り込み通知不可能の場合、または、ステップS234で割り込み要求がなかった場合は、ステップS236に移行する。
【0049】
図8は、ステップ24の詳細フローを示す。伝送プロトコル処理部23は受信したデータを出力制御部25に出力し、割り込み通知部28を経て、他デバイス装置20に転送する(S241)。次に、伝送プロトコル処理部23は制御部22に伝送要求が他デバイス装置20宛であったことを通知する。通知を受けた制御部22は消費電力制御部26に動作停止要求を出力し、消費電力制御部26はその制御に応じて、伝送プロトコル制御部23の動作を停止させる(S242)。伝送プロトコル処理部23の動作停止後は伝送路30の状態を割り込み検出部27が確認する(S243)。伝送路30の状態が割り込み通知可能であれば、制御部22からの割り込み要求があるがあるかどうかを確認する(S244)。割り込み要求がある場合には、接続された他デバイス装置20に割り込み要求を通知する(S245)。そして、制御部22は伝送完了かどうかのチェックを行い(S246)、伝送完了であれば消費電力制御部26に伝送プロトコル処理部23の動作再開要求を通知し、伝送プロトコル処理部26は動作を再開する(S247)。伝送未完了であればステップS243に戻る。
【0050】
(第2の構成例)
第2の構成例に係るデータ伝送システムは、ホスト装置10が割り込み要因の発生しているデバイス装置20を特定する処理を短くする場合に有効である。以下、第1の構成例と異なる点のみ説明する。
【0051】
<伝送路30の構成および状態>
本構成例においても、ホスト装置10および各デバイス装置20はLVDS方式を用いてデータ伝送を行う。伝送路30の状態も例えば表1に示した通りである。ただし、図9に示すように、割り込み要求受付期間においてデバイス装置20ごとに割り込み要求可能期間が決められている。すなわち、各デバイス装置20は、自デバイス装置20に割り当てられた割り込み発生期間においてのみ、割り込み要求を送信することができる。図9に示した例は、デバイス装置20_2から割り込み要求があることを示している。
【0052】
<ホスト装置10の構成>
制御部12は、デバイス装置20ごとに割り込み要求可能期間を決定し、その情報を割り込み検出部17に通知する。割り込み検出部17は、割り込み要求受付期間のどの位置で割り込み要求を受信したかを検出し、その検出結果から割り込み要求の送信元デバイス装置20を特定し、制御部12に割り込み要求の受信と送信元デバイス装置20を通知する。割り込み要求受付期間のどの位置で割り込み要求を受信したかの判定は、例えば、割り込み検出部17にカウンタを設けて、割り込み要求受付期間を検知した時点から割り込み要求を受信した時点までの時間をカウントすることで行うことができる。なお、当該判定にはこれ以外の方法を用いても構わない。
【0053】
<デバイス装置20の構成>
制御部22は、割り込み通知部28に自デバイス装置20の割り込み要求可能期間情報を通知する。当該情報は、割り込み要求受付期間において、自デバイス装置20に割り当てられた割り込み通知可能期間の位置を特定するための情報である。
【0054】
割り込み通知部28は、制御部212から上記情報を受信し、自デバイス装置20に割り当てられた割り込み通知可能期間に伝送路30の状態を「割り込み」に変更することにより自デバイス装置20の割り込み要求を送信する。
【0055】
<ホスト装置10およびデバイス装置20の動作>
ホスト装置10およびデバイス装置20の動作は基本的に第1の構成例と同じである。ただし、データ伝送を行うにあたり、ホスト装置10は、割り込み検出部17に各デバイス装置20の割り込み通知可能期間情報を通知するとともに、各デバイス装置20にそのデバイス装置20の割り込み通知可能期間情報を通知する。また、デバイス装置20は、ホスト装置10から受信した割り込み通知可能期間情報に基づいて自デバイス装置20の割り込み通知可能期間を更新する。
【0056】
以上、本構成例によると、ホスト装置10において割り込み要求を受信した際に、割り込み要求を送信したデバイス装置20を特定することが可能となる。これにより、ホスト装置20が割り込み送信元を特定するための通信を行う必要がなく、システムの処理量および通信量を減らすことができるとともに、速やかな割り込み処理が可能となる。
【0057】
なお、割り込み要求可能期間は各デバイス装置20で同じであってもよい。また、各デバイス装置20に割り込み優先度に応じて、割り込み要求可能期間の発生回数、長さをさまざまに設定してもよい。
【0058】
また、ホスト装置10がデータ伝送を行うにあたり、割り込み優先度の変更対象のデバイス装置20に対してのみ割り込み通知可能期間情報を通知するようにしてもよい。これにより、システム処理量および通信量を減らすことができるとともに、速やかなデータ伝送処理の開始が可能となる。
【0059】
さらに、割り込み通知可能期間情報の通知に先立って、通知先のデバイス装置20に対して、バイパスモードをオフにし伝送プロトコル処理部23を起動させるための起動通知信号を送信してもよい。これにより、割り込み通知可能期間の変更がないデバイス装置20はバイパスモードを維持して、不要な消費電力を削減することができる。
【0060】
(第3の構成例)
第3の構成例に係るデータ伝送システムは、転送路30を構成する信号線の本数を少なくする場合に有効である。以下、第1の構成例と異なる点のみ説明する。
【0061】
<伝送路30の構成および状態>
ホスト装置10および各デバイス装置20は単一のデータ信号線で接続されている。当該信号線の電圧レベルにより伝送路30の状態が表される。例えば、表2に示すように、VDDhighまたはVDDlowはデータ伝送を表し、それぞれ、High(ビットデータ“1”を伝送)およびLow(ビットデータ“0”を伝送)を表すものとする。VDDidleまたはVDDintは割り込み要求通知に用いられ、それぞれ、「アイドル」(割り込み要求なし)および「割り込み」(割り込み要求あり)を表す。
【0062】
【表2】
【0063】
図10は、伝送路30の状態の一例を示す。データ伝送はデータ伝送期間と割り込み要求受付期間に分けられる。データ伝送期間では、データがVDDhighまたはVDDlowに割り付けられて伝送される。割り込み要求受付期間では、各デバイス装置20の割り込み要求がVDDidleまたはVDDintに割り付けられて伝送される。ホスト装置10および各デバイス装置20は、VDDhighまたはVDDlowのときはデータ伝送期間の信号を受信中であると判断し、VDDidleのときは割り込み要求受付期間の信号を受信中で割り込み要求なしと判断し(図10(a)参照)、VDDintのときは割り込み要求受付期間の信号を受信中で割り込み要求ありと判断する(図10(b)参照)。以上のように、ホスト装置10および各デバイス装置20は、伝送路30の電圧レベルからデータ伝送期間と割り込み受付可能期間とを識別し、さらに、割り込み要求受付期間において割り込み要求の有無を検知することができる。
【0064】
<ホスト装置10の構成>
割り込み検出部17は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧レベルを検知することで、デバイス装置20の割り込み要求の有無を検出し、制御部12に通知する。
【0065】
割り込み期間設定部18は、接続されたデバイス装置20に出力制御部15からデータ転送がなければ、伝送路30の電圧レベルをVDDidleにして伝送路30の状態をアイドルにし、割り込み通知受付期間に変更する。
【0066】
<デバイス装置20の構成>
割り込み可否判定部27は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧レベルを検知し、検知した結果に基づいて、割り込み通知が可能か不可能かを判定する。そして、判定結果を割り込み通知可否情報として割り込み通知部28に通知する。
【0067】
割り込み通知部28は、制御部22から割り込み要求が入力されており、かつ、割り込み可否判定部27が割り込み要求可能であると判定した場合には、伝送路30の電圧レベルをVDDintに設定する。
【0068】
(第4の構成例)
第4の構成例に係るデータ伝送システムは、伝送路30を構成する信号線の本数を少なくし、かつ、ホスト装置10が割り込み要因が発生しているデバイス装置20を特定する処理を短くする場合に有効である。以下、第3の構成例と異なる点のみ説明する。
【0069】
<伝送路30の構成および状態>
本構成例においても、ホスト装置10および各デバイス装置20は単一のデータ信号線で接続されている。ただし、表3に示すように、割り込み通知に係る電圧レベルがデバイス装置20ごとに決められている。例えば、図11に示した例は、デバイス装置20_1から割り込み要求があることを示している。
【0070】
【表3】
【0071】
<ホスト装置10の構成>
制御部12は、デバイス装置20ごとに割り込み通知に係る電圧レベルを決定し、その情報を割り込み検出部17に通知する。割り込み検出部17は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧レベルを検知することで、割り込み要求の有無を検出する。さらに、割り込み要求があることを検出した場合には、電圧レベルに基づいて割り込み要求の送信元デバイス装置20を特定し、制御部12に割り込み要求の受信と送信元デバイス装置20を通知する。
【0072】
<デバイス装置20の構成>
制御部22は、割り込み通知部28に、自デバイス装置20に割り当てられた電圧レベル情報を通知する。
【0073】
割り込み可否判定部27は、接続されたデバイス装置20から入力された信号の電圧レベルを検知し、検知した結果に基づいて、割り込み通知が可能か不可能かを判定する。
【0074】
割り込み通知部28は、制御部22から割り込み要求が入力されており、かつ、割り込み可否判定部27が割り込み要求可能であると判定した場合には、伝送路30の電圧レベルを自デバイス装置20に割り当てられている電圧レベルに設定する。
【0075】
<ホスト装置10およびデバイス装置20の動作>
ホスト装置10およびデバイス装置20の動作は基本的に第3の構成例と同じである。ただし、データ伝送を行うにあたり、ホスト装置10は、割り込み検出部17に各デバイス装置20の割り込み通知に係る電圧レベル情報を通知するとともに、各デバイス装置20にそのデバイス装置20の割り込み通知に係る電圧レベル情報を通知する。また、デバイス装置20は、ホスト装置10から受信した電圧レベル情報に基づいて自デバイス装置20の割り込み通知に係る電圧レベルを更新する。
【0076】
以上、本構成例によると、伝送路30を構成する信号線の本数が少なく、かつ、ホスト装置10において割り込み要求を受信した際に、割り込み要求を送信したデバイス装置20を特定することが可能となる。
【0077】
なお、伝送路30の電圧レベルとデバイス装置20の割り込み優先度とを対応付けておくことで、検知した伝送路30の電圧レベルから割り込み優先度を判定することができる。また、ホスト装置10がデータ伝送を行うにあたり、各デバイス装置20にそのデバイス装置20の割り込み通知に係る電圧レベルを通知することで、各デバイス装置20の割り込み優先度を設定することができる。この場合、割り込み優先度の変更対象のデバイス装置20に対してのみ割り込み通知に係る電圧レベルを通知するようにしてもよい。これにより、システム処理量および通信量を減らすことができるとともに、速やかなデータ伝送処理の開始が可能となる。
【0078】
さらに、割り込み通知に係る電圧レベルの通知に先立って、通知先のデバイス装置20に対して、バイパスモードをオフにし伝送プロトコル処理部23を起動させるための起動通知信号を送信してもよい。これにより、割り込み通知に係る電圧レベルの変更がないデバイス装置20はバイパスモードを維持して、不要な消費電力を削減することができる。
【0079】
また、割り込み通知部28は、割り込み可否判定部27が検知した電圧レベルに対応する割り込み優先度と自デバイス装置の割り込み優先度とを比較し、伝送路30を割り込み優先度の高い方の電圧レベルに設定してもよい。これにより、複数のデバイス装置20から割り込み要求が競合した場合に、割り込み優先度がより高いデバイス装置20がホスト装置10において割り込み処理される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係るデータ伝送システムは、低消費電力かつ割り込みに対して即時応答が可能であるので、AV機器やモバイル機器などの低消費電力技術およびユーザーの処理要求に対するレスポンスの高速性が必要とされる機器に有用である。
【符号の説明】
【0081】
10 ホスト装置
17 割り込み検出部
18 割り込み期間設定部
20 デバイス装置
23 伝送プロトコル処理部(LINK層)
24 入力制御部(PHY層)
25 出力制御部(PHY層)
27 割り込み検出部
28 割り込み通知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有する一または複数のデバイス装置と、当該デバイス装置との間でデータ伝送を行うホスト装置とが伝送路で互いに接続されているデータ伝送システムであって、
前記ホスト装置は、
前記伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定する割り込み期間設定部と、
前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する割り込み検出部とを備えたものであり、
前記デバイス装置は、
前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する割り込み要求可否判定部と、
割り込み要求が可能であるとき、前記伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行う割り込み通知部とを備えたものである
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項2】
請求項1のデータ伝送システムにおいて、
前記デバイス装置およびホスト装置は前記伝送路によってリング接続されており、
前記伝送路上でデータパケットが一方向に伝送される
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項3】
請求項1のデータ伝送システムにおいて、
前記デバイス装置およびホスト装置は前記伝送路によってリング接続されており、
前記伝送路上でデータパケットが双方向に伝送される
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項4】
伝送路を介して接続されたデバイス装置との間でデータ伝送を行うホスト装置であって、
前記伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定する割り込み期間設定部と、
前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する割り込み検出部とを備えている
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項5】
請求項4のホスト装置において、
前記伝送路は差動伝送路であり、
前記割り込み検出部は、前記差動伝送路の差動信号の各電圧の組み合わせに基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項6】
請求項4および5のいずれか一つのホスト装置において、
割り込み要求受付期間においてデバイス装置ごとに割り込み要求可能期間が決められており、
前記割り込み検出部は、各割り込み要求可能期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求を通知したデバイス装置を特定する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項7】
請求項6のホスト装置において、
割り込み優先度に応じて前記割り込み要求可能期間が決められており、
割り込み優先度変更対象のデバイス装置に対して割り込み要求受付期間における割り込み要求可能期間を通知する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項8】
請求項7のホスト装置において、
前記割り込み要求可能期間の通知に先立って、前記割り込み優先度変更対象のデバイス装置に対してバイパスモードからの復帰を指示する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項9】
請求項4のホスト装置において、
前記割り込み検出部は、前記伝送路の電圧レベルを検知し、当該電圧レベルに基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項10】
請求項9のホスト装置において、
デバイス装置ごとに割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルが決められており、
前記割り込み検出部は、割り込み要求受付期間における前記伝送路の電圧レベルに基づいて割り込み要求を通知したデバイス装置を特定する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項11】
請求項10のホスト装置において、
割り込み優先度に応じて割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルが決められており、
前記割り込み検出部は、割り込み要求受付期間における前記伝送路の電圧レベルに基づいて、前記特定したデバイス装置の割り込み優先度を判定する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項12】
請求項11のホスト装置において、
割り込み優先度変更対象のデバイス装置に対して割り込み要求時に設定すべき前記伝送路の電圧レベルを通知する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項13】
請求項12のホスト装置において、
前記電圧レベルの通知に先立って、前記割り込み優先度変更対象のデバイス装置に対してバイパスモードからの復帰を指示する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項14】
LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他の装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有するデバイス装置であって、
伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する割り込み可否判定部と、
割り込み要求が可能であるとき、前記伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行う割り込み通知部とを備えている
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項15】
請求項14のデバイス装置において、
割り込み要求受付期間において自デバイス装置に固有の割り込み要求可能期間が割り当てられており、
前記割り込み可否判定部は、自デバイス装置に割り当てられている割り込み要求可能期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項16】
請求項15のデバイス装置において、
割り込み要求可能期間の変更指示に従って、自デバイス装置の割り込み要求可能期間を変更する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項17】
請求項14のデバイス装置において、
前記割り込み可否判定部は、前記伝送路の電圧レベルを検知し、当該電圧レベルに基づいて割り込み要求の可否を判定する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項18】
請求項17のデバイス装置において、
割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルとして自デバイス装置に固有の電圧レベルが決められており、
前記割り込み通知部は、前記伝送路を自デバイス装置に割り当てられている電圧レベルに設定することで割り込み通知を行う
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項19】
請求項18のデバイス装置において、
割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルの変更指示に従って、自デバイス装置の割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルを変更する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項20】
請求項18のデバイス装置において、
割り込み優先度に応じて割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルが決められており、
前記割り込み通知部は、前記割り込み可否判定部が検知した電圧レベルに対応する割り込み優先度と自デバイス装置の割り込み優先度とを比較し、前記伝送路を割り込み優先度の高い方の電圧レベルに設定する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項21】
LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有する一または複数のデバイス装置と、ホスト装置とが伝送路で互いに接続されているデータ伝送システムにおける割り込み制御方法であって、
前記ホスト装置が、前記伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定するステップと、
前記ホスト装置が、前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別するステップと、
前記ホスト装置が、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出するステップと、
前記デバイス装置が、前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別するステップと、
前記デバイス装置が、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定するステップと、
前記デバイス装置が、割り込み要求が可能であるとき、前記伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行うステップとを備えている
ことを特徴とする割り込み制御方法。
【請求項22】
伝送路を介して接続されたデバイス装置との間でデータ伝送を行うホスト装置における割り込み検出方法であって、
前記伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定するステップと、
前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別するステップと、
割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出するステップとを備えている
ことを特徴とする割り込み検出方法。
【請求項23】
LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有するデバイス装置における割り込み通知方法であって、
伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別するステップと、
割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定するステップと、
割り込み要求が可能であるとき、前記伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行うステップとを備えている
ことを特徴とする割り込み通知方法。
【請求項1】
LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有する一または複数のデバイス装置と、当該デバイス装置との間でデータ伝送を行うホスト装置とが伝送路で互いに接続されているデータ伝送システムであって、
前記ホスト装置は、
前記伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定する割り込み期間設定部と、
前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する割り込み検出部とを備えたものであり、
前記デバイス装置は、
前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する割り込み要求可否判定部と、
割り込み要求が可能であるとき、前記伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行う割り込み通知部とを備えたものである
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項2】
請求項1のデータ伝送システムにおいて、
前記デバイス装置およびホスト装置は前記伝送路によってリング接続されており、
前記伝送路上でデータパケットが一方向に伝送される
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項3】
請求項1のデータ伝送システムにおいて、
前記デバイス装置およびホスト装置は前記伝送路によってリング接続されており、
前記伝送路上でデータパケットが双方向に伝送される
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項4】
伝送路を介して接続されたデバイス装置との間でデータ伝送を行うホスト装置であって、
前記伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定する割り込み期間設定部と、
前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する割り込み検出部とを備えている
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項5】
請求項4のホスト装置において、
前記伝送路は差動伝送路であり、
前記割り込み検出部は、前記差動伝送路の差動信号の各電圧の組み合わせに基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項6】
請求項4および5のいずれか一つのホスト装置において、
割り込み要求受付期間においてデバイス装置ごとに割り込み要求可能期間が決められており、
前記割り込み検出部は、各割り込み要求可能期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求を通知したデバイス装置を特定する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項7】
請求項6のホスト装置において、
割り込み優先度に応じて前記割り込み要求可能期間が決められており、
割り込み優先度変更対象のデバイス装置に対して割り込み要求受付期間における割り込み要求可能期間を通知する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項8】
請求項7のホスト装置において、
前記割り込み要求可能期間の通知に先立って、前記割り込み優先度変更対象のデバイス装置に対してバイパスモードからの復帰を指示する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項9】
請求項4のホスト装置において、
前記割り込み検出部は、前記伝送路の電圧レベルを検知し、当該電圧レベルに基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項10】
請求項9のホスト装置において、
デバイス装置ごとに割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルが決められており、
前記割り込み検出部は、割り込み要求受付期間における前記伝送路の電圧レベルに基づいて割り込み要求を通知したデバイス装置を特定する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項11】
請求項10のホスト装置において、
割り込み優先度に応じて割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルが決められており、
前記割り込み検出部は、割り込み要求受付期間における前記伝送路の電圧レベルに基づいて、前記特定したデバイス装置の割り込み優先度を判定する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項12】
請求項11のホスト装置において、
割り込み優先度変更対象のデバイス装置に対して割り込み要求時に設定すべき前記伝送路の電圧レベルを通知する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項13】
請求項12のホスト装置において、
前記電圧レベルの通知に先立って、前記割り込み優先度変更対象のデバイス装置に対してバイパスモードからの復帰を指示する
ことを特徴とするホスト装置。
【請求項14】
LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他の装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有するデバイス装置であって、
伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別し、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する割り込み可否判定部と、
割り込み要求が可能であるとき、前記伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行う割り込み通知部とを備えている
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項15】
請求項14のデバイス装置において、
割り込み要求受付期間において自デバイス装置に固有の割り込み要求可能期間が割り当てられており、
前記割り込み可否判定部は、自デバイス装置に割り当てられている割り込み要求可能期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項16】
請求項15のデバイス装置において、
割り込み要求可能期間の変更指示に従って、自デバイス装置の割り込み要求可能期間を変更する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項17】
請求項14のデバイス装置において、
前記割り込み可否判定部は、前記伝送路の電圧レベルを検知し、当該電圧レベルに基づいて割り込み要求の可否を判定する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項18】
請求項17のデバイス装置において、
割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルとして自デバイス装置に固有の電圧レベルが決められており、
前記割り込み通知部は、前記伝送路を自デバイス装置に割り当てられている電圧レベルに設定することで割り込み通知を行う
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項19】
請求項18のデバイス装置において、
割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルの変更指示に従って、自デバイス装置の割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルを変更する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項20】
請求項18のデバイス装置において、
割り込み優先度に応じて割り込み通知に係る前記伝送路の電圧レベルが決められており、
前記割り込み通知部は、前記割り込み可否判定部が検知した電圧レベルに対応する割り込み優先度と自デバイス装置の割り込み優先度とを比較し、前記伝送路を割り込み優先度の高い方の電圧レベルに設定する
ことを特徴とするデバイス装置。
【請求項21】
LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有する一または複数のデバイス装置と、ホスト装置とが伝送路で互いに接続されているデータ伝送システムにおける割り込み制御方法であって、
前記ホスト装置が、前記伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定するステップと、
前記ホスト装置が、前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別するステップと、
前記ホスト装置が、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出するステップと、
前記デバイス装置が、前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別するステップと、
前記デバイス装置が、割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定するステップと、
前記デバイス装置が、割り込み要求が可能であるとき、前記伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行うステップとを備えている
ことを特徴とする割り込み制御方法。
【請求項22】
伝送路を介して接続されたデバイス装置との間でデータ伝送を行うホスト装置における割り込み検出方法であって、
前記伝送路を所定の状態に設定することで、デバイス装置から割り込み要求を受け付ける割り込み要求受付期間を設定するステップと、
前記伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別するステップと、
割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいてデバイス装置の割り込み要求の有無を検出するステップとを備えている
ことを特徴とする割り込み検出方法。
【請求項23】
LINK層を停止させてPHY層のみ動作させて他装置宛ての信号を中継するバイパスモードを有するデバイス装置における割り込み通知方法であって、
伝送路の状態に基づいてデータ伝送期間および割り込み要求受付期間を識別するステップと、
割り込み要求受付期間における前記伝送路の状態に基づいて割り込み要求の可否を判定するステップと、
割り込み要求が可能であるとき、前記伝送路を所定の状態に設定することで割り込み通知を行うステップとを備えている
ことを特徴とする割り込み通知方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−259196(P2011−259196A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131782(P2010−131782)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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