説明

データ伝送方法及び端末

【課題】本発明によれば、端末においてより速くWebデータを伝送する効果を達成する。
【解決手段】本発明はデータ伝送方法及び端末を開示し、当該方法は、通信プロセッサがアプリケーションプロセッサからの接続確立リクエストを受信するステップと、通信プロセッサがアプリケーションプロセッサに接続確立成功を指示するための応答を送信し、そして応答に応じてアプリケーションプロセッサの多重モジュールに多重チャネルを割り当てることを指示するステップと、通信プロセッサの多重モジュールが多重チャネルを割り当てるステップと、通信プロセッサが多重チャネルを介してアプリケーションプロセッサとデータ伝送を行うステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、具体的には、データ伝送方法及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
グローバルモバイル通信システム連合(Global Systems for Mobile Communications Association:GSMA)が発展型近距離通信技術(enhanced Near Field Communication,eNFC)をサポートするキャリー電話に対する要求に応じて、携帯電話においてスマートカードウェブサーバー(Smart Card Web Server:SCWS)機能を実現する必要がある。
【0003】
スマートフォンの枠組みは一般的に1つのアプリケーションプロセッサ(Application Processor:AP)、及び1つ又は複数の通信プロセッサ(Communication Processor:CP)を含む。APはブラウザ、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol:TCP/IP)のプロトコルスタック、ワイファイ(Wireless Fidelity:WiFi)、ブルートゥース等を含む携帯電話のアプリケーションプログラム等を処理することに用い、1つ又は複数のCPは無線周波数信号処理、通信プロトコルスタック処理、及び汎用集積回路カード(Universal Integrated Circuit Card:UICC)インターフェースとの情報対話処理等を含む通信インターネット無線インターフェースに関する業務を担う。このようなモードにおいて、ブラウザ、javaプログラム及びその他のアプリケーションプログラムとUICCインターフェースとはそれぞれ異なるプロセッサにあり、機能の実現は2つのプロセッサ間のチャネルを通す必要があり、各機能の実現は単一のプロセッサ端末より複雑である。
【0004】
現在、関連技術において、複数のプロセッサ移動端末でSCWSの実現スキームを開示した。図1は関連技術に係るATコマンドを介してUICC内蔵WEBサーバー端末にアクセスするアーキテクチャであり、図1に示すように、ネットワークブラウザがTCP/IPプロトコルを介して代理サービスモジュールにリクエストを送信し、ATモジュールが当該リクエストをATコマンドを介してCPに送信し、そしてベアラー非依存プロトコル(Bearer Independent Protocol:BIP)ゲートウェイを介してUICCに送信し、これによって、APとCPとの間のシグナリングとデータともATコマンドを用いて伝送することである。ATコマンドメカニズムはデータ端末装置(Data Terminal Equipment:DTEと略称、即ちアプリケーションプロセッサ)とデータ通信装置(Data Communications Equipment:DCE)との間に応用され、ATコマンドとAT応答とのペアでの実現メカニズムを用いる必要があるが、ネットワークブラウザとWEBサーバーとの間のデータ伝送が必ずしもそれぞれに対応するものではなく、且つ複数のリクエスト応答データが並行伝送される可能性があり、そして、ATコマンドが実現される場合に一般的には、単一のコマンドのサイズに対して所定の制限があり、ビッグデータが複数のコマンドに分割されて伝送され、並行伝送リクエストがシリアルになって処理される必要がある。データ伝送量がより大きいため、ATコマンド伝送の速度がより遅いことであって、これによって、ユーザーがUICCにおけるウェブを閲覧する時に表示がより遅い。
【0005】
関連技術においてATコマンドでSCWSを実現してウェブを閲覧する時に表示がより遅い問題に対して、現時点、まだ有効的な解決策が提出されてない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
関連技術においてATコマンドでSCWSを実現してウェブを閲覧する時に表示がより遅い問題に対して本発明を提出し、このため、本発明の主な目的は、上記問題を解決するために、改良されたデータ伝送スキームを提出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本発明の1つの側面に応じて、データ伝送方法が提出された。
【0008】
本発明に係るデータ伝送方法は、通信プロセッサがアプリケーションプロセッサからの接続確立リクエストを受信するステップと、通信プロセッサがアプリケーションプロセッサへ接続確立成功を指示するための応答を送信し、かつ応答に応じてアプリケーションプロセッサの多重モジュールが多重チャネルを割り当てることを指示するステップと、通信プロセッサの多重モジュールが多重チャネルを割り当てるステップと、通信プロセッサが多重チャネルを介してアプリケーションプロセッサとデータ伝送を行うステップとを含む。
【0009】
好ましくは、応答に応じてアプリケーションプロセッサの多重モジュールが多重チャネルを割り当てることを指示するステップは、アプリケーションプロセッサが応答を受信した後、アプリケーションプロセッサの多重モジュールが多重チャネルを割り当てることを含む。
【0010】
好ましくは、通信プロセッサが接続確立リクエストを受信した後、上記方法は、さらに、通信プロセッサが接続確立リクエストに応じて汎用集積回路カードUICCに接続確立を指示することに用いる通知メッセージを送信することを含み、通信プロセッサがUICCからのオープンチャネルリクエストを受信し、通信プロセッサがUICCとの間のチャネルをオープンする。
【0011】
好ましくは、通信プロセッサが多重チャネルを介してアプリケーションプロセッサとデータ伝送を行うステップは、通信プロセッサが多重チャネルを介してアプリケーションプロセッサからの所定フォーマットのデータを受信し、そしてデータをベアラー非依存プロトコルBIPフォーマットのデータに変換するステップと、通信プロセッサがBIPフォーマットのデータをチャネルを介してUICCに送信するステップとを含む。
【0012】
好ましくは、通信プロセッサが多重チャネルを介してアプリケーションプロセッサとデータ伝送を行うステップは、通信プロセッサがチャネルを介してUICCからのBIPフォーマットのデータを受信し、そしてBIPフォーマットのデータを所定フォーマットのデータに変換するステップと、通信プロセッサが所定フォーマットのデータをアプリケーションプロセッサに送信するステップとを含む。
【0013】
好ましくは、通信プロセッサが多重チャネルを介してアプリケーションプロセッサとデータ伝送を行うステップが終了した後、上記方法は、通信プロセッサがUICCからのクローズチャネルリクエストを受信してチャネルをクローズするステップと、通信プロセッサが多重チャネルをクローズし、そして、アプリケーションプロセッサがコマンドに応じて多重チャネルをクローズするように、アプリケーションプロセッサに接続が既にクローズしたコマンドを送信するステップとを更に含む。
【0014】
上記目的を達成するように、本発明のもう1つの側面に応じて、端末が提供された。
【0015】
本発明の端末によれば、アプリケーションプロセッサ及び通信プロセッサを含み、アプリケーションプロセッサは代理サービスモジュール及び第1の多重モジュールを含み、通信処理モジュールはBIPゲートウェイ及び第2の多重モジュールを含み、BIPゲートウェイが代理サービスモジュールからの接続確立リクエストを受信することに用いられ、BIPゲートウェイが代理サービスモジュールに接続確立成功を指示するための応答を送信し、そして多重チャネルを割り当てることを第1の多重モジュールに通知することに更に用いられ、代理サービスモジュールが応答を受信し、そして多重チャネルを割り当てることを第2の多重モジュールに通知することに用いられ、BIPゲートウェイが多重チャネルを介して代理サービスモジュールとデータ伝送を行うことに更に用いられる。
【0016】
好ましくは、BIPゲートウェイはUICCに確立接続を指示することに用いる通知メッセージを送信し、そしてUICCからのオープンチャネルリクエストを受信した後、UICCとの間のチャネルをオープンすることに更に用いられる。
【0017】
好ましくは、BIPゲートウェイは代理サービスモジュールからの所定フォーマットのデータをBIPフォーマットのデータに変換し、そしてBIPフォーマットのデータをチャネルを介してUICCに送信することに更に用いられ、BIPゲートウェイはUICCからのBIPフォーマットのデータを所定フォーマットのデータに変換し、そして変換後の所定フォーマットのデータを多重チャネルを介して代理サービスモジュールに送信することに更に用いられる。
【0018】
好ましくは、BIPゲートウェイはUICCからのクローズチャネルリクエストを受信し、そしてチャネルをクローズすることに更に用いられ、BIPゲートウェイは多重チャネルをクローズすることを第2の多重モジュールに通知し、そして代理サービスモジュールに接続が既にクローズしたコマンドを送信することに更に用いられ、代理サービスモジュールは接続が既にクローズしたコマンドを受信した後、多重チャネルをクローズすることを第1の多重モジュールに通知することに更に用いられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、端末にMUX(multiplexer)モジュールを追加し、そしてMUXモジュールを介してデータを伝送することで、ATコマンドでSCWSを実現してウェブを閲覧する時に表示がより遅い問題を解決し、さらに、端末においてWebデータをより速く伝送する効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】関連技術に係るATコマンドを介してUICC内蔵WEBサーバー端末にアクセスするアーキテクチャである。
【図2】本発明の実施例に係るデータ伝送方法のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る端末のシステムアーキテクチャである。
【図4】本発明の実施例に係るMUXモジュールを介してアプリケーションプロセッサと通信プロセッサとを接続してUICC Webサーバーの端末にアクセスするアーキテクチャである。
【図5】本発明の実施例に係るUICC内蔵WEBサーバーにアクセスするフローチャートである。
【図6】本発明の実施例に係る端末のアーキテクチャである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
関連技術においてATコマンドでSCWSを実現してウェブを閲覧する時に表示がより遅い問題に対して、本発明の実施例において、改良されたデータ伝送スキームが提出された。当該スキームの処理原則は、通信プロセッサがATコマンドを介してアプリケーションプロセッサからの接続確立リクエストを受信し、通信プロセッサがアプリケーションプロセッサに接続確立成功を指示するためのAT応答を送信し、そしてAT応答に応じてアプリケーションプロセッサのMUXモジュールがMUXチャネルを割り当てることを指示し、通信プロセッサのMUXモジュールがMUXチャネルを割り当て、通信プロセッサがMUXチャネルを介してアプリケーションプロセッサとデータ伝送を行う。
【0022】
なお、矛盾しない場合に、本発明における実施例及び実施例における特徴が相互に組合わせられる。以下、図面を参照しながら、実施例とともに本発明を詳しく説明する。
【0023】
以下の実施例において、図面のフローチャートに示したステップは、例えばコンピュータで実行可能なコマンド群のコンピュータシステムで実行してよい、且つ、フローチャートにロジック順序を示したが、ある場合に、これに異なる順序で示される又は説明されるステップを実行してもよい。
【0024】
本発明の実施例に応じて、データ伝送方法が提出された。図2は本発明の実施例に係るデータ伝送方法のフローチャートである。図2に示すように、当該方法は、以下のようなステップS202〜ステップS208を含む。
【0025】
ステップS202において、通信プロセッサがアプリケーションプロセッサからの接続確立リクエストを受信する。
【0026】
ステップS204において、通信プロセッサがアプリケーションプロセッサに接続確立成功を指示するためのAT応答を送信し、そしてAT応答に応じてアプリケーションプロセッサのMUXモジュールがMUXチャネルを割り当てることを指示し、即ち、アプリケーションプロセッサがAT応答を受信した後、アプリケーションプロセッサのMUXモジュールがMUXチャネルを割り当てる。
【0027】
ステップS206において、通信プロセッサのMUXモジュールがMUXチャネルを割り当てる。
【0028】
ステップS208において、通信プロセッサがMUXチャネルを介してアプリケーションプロセッサとデータ伝送を行う。
【0029】
ステップS202の後、通信プロセッサが接続確立リクエストに応じてUICCに通知メッセージを送信し、UICCが通知メッセージを受信した後、通信プロセッサにオープンチャネルリクエストを送信し、そして、通信プロセッサがUICCとの間のチャネルをオープンする。
【0030】
通信プロセッサはアプリケーションプロセッサとUICCとの間にデータ変換を行う必要がある。通信プロセッサがMUXチャネルを介してアプリケーションプロセッサからの所定フォーマットのデータを受信し、そしてデータをBIPフォーマットのデータに変換することと、通信プロセッサがBIPフォーマットのデータをUICCとの間のチャネルを介してUICCに送信することと、及び、通信プロセッサがUICCとの間のチャネルを介してUICCからのBIPフォーマットのデータを受信し、そしてBIPフォーマットのデータを所定フォーマットのデータに変換することと、通信プロセッサが所定フォーマットのデータをアプリケーションプロセッサに送信することとを含む。
【0031】
データ伝送が完了した後、既に確立した接続をクローズする必要があり、当該プロセスは、以下のようなステップを含む。
【0032】
ステップAにおいて、通信プロセッサがUICCからのクローズチャネルリクエストを受信し、そしてチャネルをクローズする。
【0033】
ステップBにおいて、通信プロセッサがMUXチャネルをクローズし、そしてアプリケーションプロセッサがATコマンドに応じてMUXチャネルをクローズするように、アプリケーションプロセッサに接続が既にクローズしたATコマンドを送信する。
【0034】
ステップCにおいて、アプリケーションプロセッサがATコマンドを受信した後、MUXチャネルをクローズする。
【0035】
以下、実例に合わせて本発明の実施例の実現過程を詳しく説明する。
【0036】
図3は本発明の実施例に係る端末のシステムアーキテクチャである。図3に示すように、当該移動端末はアプリケーションプロセッサ、1つ又は複数の通信プロセッサ、UICC及びプロセッサ間のチャネルを含み、その中、アプリケーションプロセッサは、ネットワークブラウザ、TCP/IPプロトコルスタック、代理サービスモジュール、プロセッサ間通信モジュール(ATコマンドモジュール及び/又は多重MUXモジュールでよい)を含み、それぞれの通信プロセッサは、TCP/IPプロトコルスタック(当該モジュールが選択可能)、BIPゲートウェイとBIPモジュール、及びプロセッサ間通信モジュール(ATコマンドモジュール及び/又はMUXモジュールでよい)を含む。
【0037】
なお、プロセッサ間の物理チャネルは複数の種類があってもよい。以下の実例はシリアルポートを例とするが、シリアルポートに限らない。
【0038】
実例1
図4は本発明の実施例に係るMUXモジュールを介してアプリケーションプロセッサと通信プロセッサとを接続してUICC Webサーバーの端末にアクセスするアーキテクチャである。図4に示すように、当該端末はデータを伝送する場合にMUXモジュールを用いた。当該実例において、アプリケーションプロセッサと1つの通信プロセッサとの接続を例として説明する。アプリケーションプロセッサは、ネットワークブラウザ、TCP/IPプロトコルスタック、代理サービスモジュール(代理サーバーに位置する)、ATコマンドモジュール、多重モジュールを含み、通信プロセッサは、ATコマンドモジュール、MUXモジュール、BIPゲートウェイ及びBIPモジュールを含み、BIPゲートウェイがBIPモジュールの機能を含んでよい。
【0039】
図5は本発明の実施例に係るUICC内蔵WEBサーバーにアクセスするフローチャートである。以下、図4に示す構造の上で、図5のプロセスを詳しく説明する。図5に示すように、当該プロセスは2つの部分に分けれてよい、即ち、第1の部分はATコマンドを介してAPとCPとの間の伝送チャネルを確立/閉鎖することであり、具体的に、以下のステップ1、ステップ4に対応する。第2の部分はMUXチャネルを介してAPとCPとの間にデータ伝送を行うことであり、具体的に、以下のステップ2、ステップ3対応する。図5を参照しながら、ステップ1〜ステップ4を詳しく説明する。
【0040】
ステップ1、ネットワークブラウザとUICCとが接続を確立する。当該ステップは具体的に以下のステップS501〜ステップS505を含み、当該ステップを詳しく説明する。
【0041】
ステップS501、ユーザーがネットワークブラウザでhttp://127.0.0.1:port(その中、portがUICCのあるサービスのインターフェースに対応し、デフォルトインターフェース80を用いる場合、インターフェース番号を入力しなくてもよい、http://127.0.0.1を直接入力する)を入力し、ユーザーがブラウザに予めに設定した、http://127.0.0.1:portに指向するブックマークを用いて上記アドレスを手動入力することを取り替えてもよく、また、UICCカードSTK(SIM Tool Kit)メニューにおける呼ぶブラウザにアクセスすることを介してSCWSのメニューにアクセスして、以上のステップを完了してもよい。そして、ネットワークブラウザはTCP/IPプロトコルスタックを介してTCP/IPプロトコルで伝送する接続リクエストを送信する。
【0042】
ステップS502、代理サービスモジュールが接続リクエストを受信してブラウザとの接続を確立する。同時に、代理サービスモジュールが接続リクエストをATコマンドで伝送する接続リクエストに変換し、%WEBOPCH = portをCPに送信し、接続確立をリクエストする。
【0043】
ステップS503、BIPゲートウェイがATコマンドで伝送した接続リクエストをBIPプロトコルで伝送する接続リクエストに変換し、CP側のBIPモジュールがUICCとの間の接続を確立することをリクエストする。BIPゲートウェイがローカル接続エンベロープメッセージ(Envelope(local connecting))を介してUICCに接続イベントがあることを通知する。
【0044】
ステップS504、UICCが通知を受信した後、BIPゲートウェイにオープンチャネルリクエスト(Fetch:open channel)を送信する。
【0045】
ステップS505、BIPゲートウェイがオープンチャネルリクエストを受信した後、UICCにチャネル識別子(channel ID)をキャリーする接続成功メッセージ(Terminal response)を返す。そしてMUXチャネルを割り当てるコマンドをCP側のMUXモジュールに送信する。同時に、代理サービスモジュールに接続確立成功AT応答(OK)を返す。代理サービスモジュールがMUXチャネルを割り当てるコマンドをAP側のMUXモジュールに送信する。APとCPとの間にデータ伝送するためのMUXチャネルを確立することが完了する。
【0046】
ステップ2、ネットワークブラウザがリクエストデータをUICCに送信する。当該ステップは具体的に以下のステップS506〜ステップS510を含み、以下、当該ステップを詳しく説明する。
【0047】
ステップS506、ネットワークブラウザがTCP/IPプロトコルで伝送するアクセスデータを代理サービスモジュールに送信する。
【0048】
ステップS507、代理サービスモジュールがTCP/IPプロトコルで伝送するアクセスデータをPort+dataのフォーマットに変換し、MUXチャネルを介してCP側のBIPゲートウェイに送信する。BIPゲートウェイがアクセスデータをBIPプロトコルがサポートするフォーマットに変換し、そしてUICCに送信を準備する。
【0049】
ステップS508、BIPゲートウェイが、チャネルデータが使用可能なエンベロープメッセージ(Envelope(channel data available))を送信してUICCにアクセスデータの送信があることを通知する。
【0050】
ステップS509、UICCがデータ受信リクエスト(Fetch:receive data)を返してアクセスデータの受信を要求する。
【0051】
ステップS510、BIPゲートウェイが端末応答(Terminal response(data))を介してUICCにアクセスデータを送信する。
【0052】
ステップ3、UICCが応答データをネットワークブラウザに送信する。当該ステップは具体的に以下のステップS511〜ステップS513を含み、以下、当該ステップを詳しく説明する。
【0053】
ステップS511、UICCがBIPプロトコルで伝送する応答データをBIPゲートウェイに送信し、即ち、UICCがデータ送信リクエスト(Fetch:send data)を介してBIPゲートウェイに応答データを送信する。
【0054】
ステップS512、BIPゲートウェイが応答データを受信した後、端末応答(Terminal response)を介して既に応答データを受信したことをUICCに通知し、そしてPort+dataのフォーマットでMUXチャネルを介して応答データをAP側代理サービスモジュールに伝送する。
【0055】
ステップS513、代理サービスモジュールが応答データを受信した後、ATコマンドで伝送する応答データをTCP/IPプロトコルで伝送する応答データに変換し、そしてTCP/IPプロトコルスタックでネットワークブラウザに返し、ブラウザがハイパーテキスト伝送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol:HTTP)データパケットを解析した後、ブラウザに表示する。
【0056】
UICCにおいてすべてのデータが送信されているまで、以上のステップ2、ステップ3は数回に繰り返す可能性がある。
【0057】
ステップ4、接続をクローズする。当該ステップは具体的に以下のステップS514〜ステップS517を含み、以下、当該ステップを詳しく説明する。
【0058】
ステップS514、UICCからBIPゲートウェイへクローズチャネルリクエストを送信し、そしてチャネル識別子(Fetch:close channel(channel ID))をキャリーし、チャネルをクローズすることをリクエストする。
【0059】
ステップS515、BIPゲートウェイが接続をクローズした後、UICCへ端末応答(Terminal response(channel status:link not established))を送信することを介してチャネルをクローズすることを確認し、そしてCP側MUXモジュールにMUXチャネルをクローズするコマンドを送信し、同時に、代理サービスモジュールにATコマンド、AT+WEBCIS=<port>を送信して、今回の接続が既にクローズしたことをAPに通知する。
【0060】
ステップS516、代理サービスモジュールがTCP/IPプロトコルスタックを介してクローズ接続メッセージをネットワークブラウザに返し、そしてAP側MUXモジュールにクローズMUXチャネルコマンドを送信し、MUXチャネルのクローズを完了する。
【0061】
ステップS517、ブラウザがクローズ応答を送信する。
【0062】
上記実施例によれば、MUXチャネルを介してAPとCPとの間にデータ伝送を行い、伝送速度がもっと速く、もっと安定になり、同時に、複数のリクエストのデータを同時に伝送することもサポートできる。
【0063】
本発明の実施例によれば、端末が提供された、アプリケーションプロセッサ62及び通信プロセッサ64を含み、図6は本発明の実施例に係る端末のアーキテクチャであり、図6に示すように、アプリケーションプロセッサ62は代理サービスモジュール622及び第1のMUXモジュール624を含み、通信プロセッサ64はBIPゲートウェイ642及び第2のMUXモジュール644を含む。以下、それぞれのモジュールの機能を詳しく説明する。
【0064】
BIPゲートウェイ642は代理サービスモジュール622からの接続確立リクエストを受信し、BIPゲートウェイ642は代理サービスモジュール622に接続確立成功を指示するための応答を送信し、そして第1のMUXモジュール624にMUXチャネルを割り当てることを通知することに更に用いられ、代理サービスモジュール622は応答を受信し、そして第2のMUXモジュール644にMUXチャネルを割り当てることを通知することに更に用いられ、BIPゲートウェイ642はMUXチャネルを介して代理サービスモジュール622とデータ伝送を行うことに更に用いられる。
【0065】
BIPゲートウェイ642はUICCに確立接続を指示することに用いる通知メッセージを送信し、そしてUICCからのオープンチャネルリクエストを受信した後、UICCとの間のチャネルをオープンすることに更に用いられる。
【0066】
BIPゲートウェイ642は代理サービスモジュール622からの所定フォーマットのデータをBIPフォーマットのデータに変換し、そしてBIPフォーマットのデータをチャネルを介してUICCに送信することに更に用いられ、BIPゲートウェイ642はUICCからのBIPフォーマットのデータを所定フォーマットのデータに変換し、そして変換後の所定フォーマットのデータをMUXチャネルを介して代理サービスモジュール622に送信することに更に用いられる。
【0067】
BIPゲートウェイ642はUICCからのクローズチャネルリクエストを受信し、チャネルをクローズし、そして第2のMUXモジュール644にMUXチャネルをクローズすることを通知し、代理サービスモジュール622に接続が既にクローズしたコマンドを送信することに更に用いられ、代理サービスモジュール622は接続が既にクローズしたコマンドを受信した後、第1のMUXモジュール624にMUXチャネルをクローズすることを通知することに更に用いられる。
【0068】
以上の記載によれば、本発明は以下のような技術的な効果を達成することが分かった。
【0069】
速度が速い、WEBサービスのビッグデータ量伝送に適応する。ATコマンドメカニズムはデータ端末装置とデータ通信装置との間に設計され、ATコマンドとAT応答とのペアでの実現メカニズムを用い、しかし、ブラウザとWEBサーバーとの間のデータ伝送が必ずしもそれぞれに対応するものではなく、且つATコマンドが実現される場合に一般的には、単一のコマンドのサイズに対して所定の制限があり、ビッグデータが複数のコマンドに分割されて伝送される必要がある。多重モジュールがデータ伝送することはデータストリームのモードで伝送するため、データのサイズ及びフォーマットの制限がなく、それぞれのMUXのチャネルが相互に単独であり、様々なメモリエリアとフロー制御があり、様々なチャネルで同時に伝送することをサポートする。これによって、MUXチャネルを介してデータ伝送を行うことは、伝送速度を大きく向上させられ、データ伝送の信頼性を増加し、そして同時にパラレルリクエストのデータ伝送が完了できる。
【0070】
明らかに、本分野の当業者が了解すべきなのは、上記本発明の各モジュール又は各ステップが汎用の計算装置で実現できて、それらが単一の計算装置に集中してもいい、或いは複数の計算する装置で組み立てるネットワークに配布されてもいい、選択的に、それらが、計算装置で実行可能のプログラムコードで実現できて、だから、それらを記憶装置に記憶され計算装置で実行してもいい、或いは、それらをそれぞれ各集積回路モジュールを作成してもいい、それらの中に複数のモジュール又はステップを単一の集積回路モジュールを作成して実現してもいい。そうしたら、本発明がいかなる特定されたハードウェアとソフトウェアの組み合わせに制限されない。
【0071】
以上は、本発明の最適的な実施例に過ぎなく、本発明を制限せず、本分野の当業者に対して、本発明が各種類の変更と変化がある。本発明の主旨精神と原則以内に、いかなる改修、同等入れ替わり、改良等が、本発明の保護範囲以内に含まれるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信プロセッサ及びアプリケーションプロセッサを含む端末に用いるデータ伝送方法であって、
通信プロセッサがアプリケーションプロセッサからの接続確立リクエストを受信するステップと、
前記通信プロセッサが前記アプリケーションプロセッサに接続確立成功を指示するための応答を送信し、且つ前記応答に応じて前記アプリケーションプロセッサが多重チャネルを割り当てることを指示するステップと、
前記通信プロセッサが前記多重チャネルを割り当てるステップと、
前記通信プロセッサが前記多重チャネルを介して前記アプリケーションプロセッサとデータ伝送を行うステップとを含むことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項2】
前記応答に応じて前記アプリケーションプロセッサが多重チャネルを割り当てることを指示するステップは、
前記アプリケーションプロセッサが前記応答を受信した後、前記多重チャネルを割り当てることを指示することを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信プロセッサが前記接続確立リクエストを受信した後、前記方法は、
前記通信プロセッサが前記接続確立リクエストに応じて汎用集積回路カードUICCに接続確立を指示することに用いる通知メッセージを送信するステップと、
前記通信プロセッサが前記UICCからのオープンチャネルリクエストを受信した後、前記通信プロセッサと前記UICCとの間のチャネルをオープンするステップとを更に含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記通信プロセッサが前記多重チャネルを介して前記アプリケーションプロセッサとデータ伝送を行うステップは、
前記通信プロセッサが前記多重チャネルを介して前記アプリケーションプロセッサからの所定フォーマットのデータを受信し、そして前記データをベアラー非依存プロトコルBIPフォーマットのデータに変換するステップと、
前記通信プロセッサが前記BIPフォーマットのデータを前記通信プロセッサと前記UICCとの間のチャネルを介してUICCに送信するステップとを含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記通信プロセッサが前記多重チャネルを介して前記アプリケーションプロセッサとデータ伝送を行うステップは、
前記通信プロセッサが前記通信プロセッサと前記UICCとの間のチャネルを介して前記UICCからのBIPフォーマットのデータを受信した後、前記BIPフォーマットのデータを前記所定フォーマットのデータに変換するステップと、
前記通信プロセッサが前記所定フォーマットのデータを前記アプリケーションプロセッサに送信するステップとを含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記通信プロセッサが前記多重チャネルを介して前記アプリケーションプロセッサとデータ伝送を完了した後、前記方法は、
前記通信プロセッサがUICCからのクローズチャネルリクエストを受信し、前記通信プロセッサと前記UICCとの間のチャネルをクローズするステップと、
前記通信プロセッサが前記多重チャネルをクローズし、そして前記アプリケーションプロセッサに接続が既にクローズしたコマンドを送信するステップとを更に含むことを特徴とする
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
アプリケーションプロセッサと通信プロセッサとを含む端末であって、
前記アプリケーションプロセッサは、代理サービスモジュール及び第1の多重モジュールを含み、前記通信処理モジュールは、BIPゲートウェイ及び第2の多重モジュールを含み、
前記BIPゲートウェイは、前記代理サービスモジュールからの接続確立リクエストを受信することに用いられ、
前記BIPゲートウェイは、前記代理サービスモジュールに接続確立成功を指示するための応答を送信し、そして多重チャネルを割り当てることを前記第1の多重モジュールに通知することに更に用いられ、
前記代理サービスモジュールは、前記応答を受信し、そして前記多重チャネルを割り当てることを前記第2の多重モジュールに通知することに用いられ、
前記BIPゲートウェイは、前記多重チャネルを介して前記代理サービスモジュールとデータ伝送を行うことに更に用いられることを特徴とする端末。
【請求項8】
前記BIPゲートウェイは、UICCに確立接続を指示することに用いる通知メッセージを送信し、そして前記UICCからのオープンチャネルリクエストを受信した後、UICCとの間のチャネルをオープンすることに更に用いられることを特徴とする
請求項7に記載の端末。
【請求項9】
前記BIPゲートウェイは、前記代理サービスモジュールからの所定フォーマットのデータをBIPフォーマットのデータに変換し、そして前記BIPフォーマットのデータを前記通信プロセッサと前記UICCとの間のチャネルを介してUICCに送信することに更に用いられ、
前記BIPゲートウェイは、前記UICCからのBIPフォーマットのデータを前記所定フォーマットのデータに変換し、そして変換後の前記所定フォーマットのデータを前記多重チャネルを介して前記代理サービスモジュールに送信することに更に用いられることを特徴とする
請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記BIPゲートウェイは、UICCからのクローズチャネルリクエストを受信し、そして前記通信プロセッサと前記UICCとの間のチャネルをクローズすることに更に用いられ、
前記BIPゲートウェイは、前記多重チャネルをクローズすることを前記第2の多重モジュールに通知し、そして前記代理サービスモジュールに接続が既にクローズしたコマンドを送信することに更に用いられ、
前記代理サービスモジュールは、前記接続が既にクローズしたコマンドを受信した後、前記多重チャネルをクローズすることを前記第1の多重モジュールに通知することに更に用いられることを特徴とする
請求項7〜9のいずれか1項に記載の端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−531846(P2012−531846A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517999(P2012−517999)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/CN2009/075180
【国際公開番号】WO2010/145122
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(510020354)中▲興▼通▲訊▼股▲ふぇん▼有限公司 (21)
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza Keji Road South,Hi−Tech Industrial Park,Nanshan District Shenzhen,Guangdong 518057 China
【Fターム(参考)】