説明

データ処理システム、そのコンピュータプログラムおよびデータ処理方法

【課題】一般消費者が継続的に興味を持ちつづける所定サービスを提供することができるデータ処理システムを提供する。
【解決手段】喫煙スペースなどの特定スペースSSで、紙巻タバコなどの特定消費商品PTを消費する一般消費者を、個人識別部130で個人識別し、その一般消費者が消費する特定消費商品PTの特定温度をサーモグラフィ140で検出する。個人識別された一般消費者の識別結果と特定温度の検出とに対応して出力制御部150がデジタルコンテンツDCを出力させる。このため、例えば、特定スペースを頻繁に利用する一般消費者に、個人的なデジタルコンテンツDCを特定消費商品PTの消費状態に対応して継続的に提供するようなことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者に所定サービスを提供するためのデータ処理システムに関し、特に、特定温度を発生する特定消費商品が消費される特定スペースで利用されるデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、各所に喫煙スペースが用意されている。しかし、現在の喫煙スペースは、タバコ喫煙のみを目的とした隔離エリアでしかない。このため、一般的に喫煙者は手持ちぶさたである。
【0003】
そこで、本出願人が過去に出願したデータ処理システムでは、喫煙スペースにコンテンツ出力部を設置しておき、一般消費者に広告データを提供する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−126373号公報
【特許文献2】特開2003−330396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、日常的ではない特別な広告データを喫煙スペースで一般消費者に提供することができる。しかし、広告は提供する企業には重要であるが、視聴する一般ユーザに積極的に興味を持たせることは困難である。
【0005】
特に、喫煙者は喫煙スペースを毎日のように繰り返し利用する可能性がある。このような場合、喫煙スペースを利用する一般消費者は同一のコンテンツを繰り返し視聴することになる。従って、喫煙者が興味を継続するようなサービスを提供することは困難である。
【0006】
上述のように特定スペースで提供するコンテンツへの興味を強化するため、例えば、一般消費者の入場に連動してコンテンツを提供するシステムなどがある。しかし、これは一般消費者の入場を検知するとコンテンツの出力を開始しているだけであり、やはり良好な訴求効果は期待できない。
【0007】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者に継続的に所定サービスを提供することができるデータ処理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデータ処理システムは、特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者に所定サービスを提供するためのデータ処理システムであって、特定スペースで一般消費者を個人識別する個人識別部と、継続的に出力されるデジタルコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、特定スペースにデジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力部と、継続的なデジタルコンテンツの出力経過状況を一般消費者の識別結果ごとに記録する履歴記録部と、個人識別された一般消費者に消費される特定消費商品の特定温度を検出する温度検出部と、個人識別された一般消費者ごとに特定温度の検出と出力経過状況とに対応してデジタルコンテンツを継続的にコンテンツ出力部に出力させる出力制御部と、を有する。
【0009】
従って、本発明のデータ処理システムでは、コンテンツ記憶部には、継続的に出力されるデジタルコンテンツが記憶されており、継続的なデジタルコンテンツの出力経過状況が履歴記録部に一般消費者の識別結果ごとに記録される。そこで、特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者が個人識別部で個人識別されるとともに、個人識別された一般消費者に消費される特定消費商品の特定温度が温度検出部で検出される。すると、個人識別された一般消費者ごとに特定温度の検出と出力経過状況とに対応してデジタルコンテンツを継続的に出力制御部がコンテンツ出力部に出力させる。このため、例えば、いわゆる紙巻タバコが特定消費商品として一般消費者により特定スペースである喫煙スペースで喫煙されるようなときに、喫煙行為に連動して長大なデジタルコンテンツを継続的に出力するようなことができる。
【0010】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、出力制御部は、特定温度の検出時間を測定し、測定された検出時間に対応して個人識別された一般消費者ごとに継続的にデジタルコンテンツをコンテンツ出力部に出力させてもよい。
【0011】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、履歴記録部は、測定された検出時間も一般消費者の識別結果ごとに記録し、出力制御部は、個人識別された一般消費者ごとに記録されている検出時間に対応してデジタルコンテンツを継続的にコンテンツ出力部に出力させてもよい。
【0012】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、特定スペースで特定消費商品の商品IDデータを取得する商品読取部を、さらに有し、コンテンツ記憶部は、複数種類の商品IDデータごとにデジタルコンテンツを記憶し、特定スペースにデジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力部を、さらに有し、出力制御部は、取得された商品IDデータに対応したデジタルコンテンツを特定温度の検出に対応して個人識別された一般消費者ごとにコンテンツ出力部に継続的に出力させてもよい。
【0013】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、商品IDデータは、特定消費商品に表記されている商品バーコードに記録されており、商品読取部は、商品バーコードを読取走査するバーコードリーダを有してもよい。
【0014】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、商品IDデータは、特定消費商品に貼付されているRFIDチップに記録されており、商品読取部は、RFIDチップから商品IDデータを取得するRFIDリーダからなってもよい。
【0015】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、温度検出部は、特定消費商品の複数の特定温度を検出し、出力制御部は、検出される複数の特定温度に対応してデジタルコンテンツをコンテンツ出力部に出力させてもよい。
【0016】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、温度検出部は、特定温度に検出感度が対応しているIRセンサを有してもよい。
【0017】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、特定消費商品は、タバコからなり、特定スペースは、喫煙スペースからなり、温度検出部は、タバコの少なくとも燃焼時の特定温度を検出してもよい。
【0018】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、温度検出部が検出する特定温度により特定スペースでの火災発生を判定する火災判定部を、さらに有してもよい。
【0019】
また、本発明のデータ処理システムにおいて、個人識別部は、一般消費者が所持している個人識別媒体を確認してもよい。
【0020】
本発明のコンピュータプログラムは、特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者に所定サービスを提供するためのデータ処理システムのためのコンピュータプログラムであって、特定スペースに設置されている識別入力デバイスで一般消費者を個人識別する個人識別処理と、継続的に出力されるデジタルコンテンツを記憶するコンテンツ記憶処理と、特定スペースに設置されているコンテンツ出力デバイスにデジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力処理と、継続的なデジタルコンテンツの出力経過状況を一般消費者の識別結果ごとに記録する履歴記録処理と、個人識別された一般消費者に消費される特定消費商品の特定温度を検出する温度検出処理と、個人識別された一般消費者ごとに特定温度の検出と出力経過状況とに対応してデジタルコンテンツを継続的にコンテンツ出力部に出力させる出力制御処理と、をデータ処理システムに実行させる。
【0021】
本発明のデータ処理方法は、特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者に所定サービスを提供するためのデータ処理システムのデータ処理方法であって、特定スペースに設置されている識別入力デバイスで一般消費者を個人識別する個人識別工程と、継続的に出力されるデジタルコンテンツを記憶するコンテンツ記憶工程と、特定スペースに設置されているコンテンツ出力デバイスにデジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力工程と、継続的なデジタルコンテンツの出力経過状況を一般消費者の識別結果ごとに記録する履歴記録工程と、個人識別された一般消費者に消費される特定消費商品の特定温度を検出する温度検出工程と、個人識別された一般消費者ごとに特定温度の検出と出力経過状況とに対応してデジタルコンテンツを継続的にコンテンツ出力部に出力させる出力制御工程と、を有する。
【0022】
なお、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理システム、コンピュータプログラムによりデータ処理システムに実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0023】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0024】
また、本発明のデータ処理方法には複数の工程を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の工程を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明のデータ処理方法を実施するときには、その複数の工程の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0025】
さらに、本発明のデータ処理方法の複数の工程は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある工程の実行中に他の工程が発生すること、ある工程の実行タイミングと他の工程の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明のデータ処理システムは、コンテンツ記憶部には、継続的に出力されるデジタルコンテンツが記憶されており、継続的なデジタルコンテンツの出力経過状況が履歴記録部に一般消費者の識別結果ごとに記録される。そこで、特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者が個人識別部で個人識別されるとともに、個人識別された一般消費者に消費される特定消費商品の特定温度が温度検出部で検出される。すると、個人識別された一般消費者ごとに特定温度の検出と出力経過状況とに対応してデジタルコンテンツを継続的に出力制御部がコンテンツ出力部に出力させる。このため、例えば、いわゆる紙巻タバコが特定消費商品として一般消費者により特定スペースである喫煙スペースで喫煙されるようなときに、喫煙行為に連動して長大なデジタルコンテンツを継続的に出力するようなことができる。従って、一般消費者ごとに継続する所定サービスを特定スペースでの特定消費商品の消費行為ごとに効果的に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態のデータ処理システム100は、特定消費商品である紙巻タバコPTが消費される特定スペースである喫煙スペースSSで、一般消費者に所定サービスを提供するために利用される。
【0028】
本実施の形態のデータ処理システム100は、図1に示すように、喫煙スペースSSで一般消費者を個人識別する個人識別部130と、継続的に出力されるデジタルコンテンツDCを記憶するコンテンツ記憶部110と、喫煙スペースSSにデジタルコンテンツDCを出力するコンテンツ出力部120と、継続的なデジタルコンテンツDCの出力経過状況を一般消費者の識別結果ごとに記録する履歴記録部160と、個人識別された一般消費者に消費される紙巻タバコPTの特定温度を検出する温度検出部であるサーモグラフィ140と、個人識別された一般消費者ごとに特定温度の検出と出力経過状況とに対応してデジタルコンテンツDCを継続的にコンテンツ出力部120に出力させる出力制御部150と、を有する。
【0029】
より具体的には、本実施の形態のデータ処理システム100が適用される喫煙スペースSSは、例えば、建物に用意された一室などからなる。図2に示すように、その喫煙スペースSSには複数の座席PSが用意されている。
【0030】
コンテンツ出力部120は、コンテンツ出力デバイスであるディスプレイデバイス121を有し、個人識別部130は、識別入力デバイスであるキーボード131を有する。そこで、喫煙スペースSSでは、その座席PSごとにディスプレイデバイス121とキーボード131とが設置されている。
【0031】
ディスプレイデバイス121は、例えば、いわゆるベールビューLCD(Liquid Crystal Display)などの、視野角が所定範囲に限定されている狭視野角ディスプレイからなる。
【0032】
そして、相互に対応している座席PSとディスプレイデバイス121とは、ディスプレイデバイス121の視野角に座席PSが配置されているとともに、座席PSに着席した一般消費者の視認範囲にディスプレイデバイス121が配置されている。
【0033】
さらに、相互に対応していない座席PSとディスプレイデバイス121とは、ディスプレイデバイス121の視野角の外側に座席PSが配置されているとともに、座席PSに着席した一般消費者の視認範囲の外側にディスプレイデバイス121が配置されている。
【0034】
紙巻タバコPTは、当然ながら燃焼することで消費される。そこで、サーモグラフィ140は、IRセンサ141、ドライバ回路142、画像処理部143、光学フィルタ144、等を有する。
【0035】
IRセンサ141は、例えば、検出感度が2〜5μmの短波長用のPtSiタイプやInSbタイプ、0.9〜1.7μmの近赤外線用のInGaAsタイプ、8〜14μmの長波長用のMCTタイプ、8〜9.2μmの長波長用のQWIPタイプ、8〜14μmの長波長用のマイクロボロメータタイプやフェロエレクトリックタイプ、等からなる。
【0036】
ただし、このIRセンサ141は、所定特性の光学フィルタ144が装着されることにより、着火された紙巻タバコPTの燃焼温度に検出感度が対応している。ドライバ回路142は、IRセンサ141の出力信号から紙巻タバコPTの燃焼温度に対応した温度分布画像を生成する。画像処理部143は、ドライバ回路142が出力する温度分布画像から特定温度を検出する。
【0037】
IRセンサ141は、例えば、全部の座席PSを撮像できる喫煙スペースSSの天井などに設置されている。喫煙スペースSSのバックヤードにはデータベースサーバ101が設置されており、上述のIRセンサ141と複数のディスプレイデバイス121と複数のキーボード131とがデータベースサーバ101に接続されている。
【0038】
データベースサーバ101は適正なコンピュータプログラムが実装されている。このコンピュータプログラムに対応してデータベースサーバ101が各種の処理動作を実行することにより、上述の各部110〜160が論理的に実現されている。
【0039】
コンテンツ記憶部110は、データベースサーバ101がコンピュータプログラムに対応して認識する記憶エリアなどに相当する。コンテンツ出力部120は、データベースサーバ101がコンピュータプログラムに対応してディスプレイデバイス121を動作制御する機能などに相当する。
【0040】
サーモグラフィ140の画像処理部143は、データベースサーバ101がコンピュータプログラムに対応して画像処理を実行する機能などに相当する。出力制御部150は、データベースサーバ101がサーモグラフィ140の出力データとコンピュータプログラムとに対応して、ディスプレイデバイス121に出力させるデジタルコンテンツDCを選択する機能などに相当する。
【0041】
コンテンツ記憶部110は、複数種類のデジタルコンテンツDCを記憶している。このデジタルコンテンツDCは、例えば、リアルタイムに生成されるビデオゲームのキャラクタからなり、個人IDデータが属性データとして付与されている。
【0042】
このビデオゲームとしては、例えば、一連のストーリーがなく、不特定多数の一般消費者がリアルタイムに参加して無制限に継続する、いわゆるメタバースなどを利用することができる。
【0043】
個人識別部130は、いわゆるテンキーなどのキーボード131を有する。このため、例えば、一般消費者ごとのパスワードが入力操作されることにより、氏名や住所などの個人情報の入力操作を必要とすることなく、座席PSごとに一般消費者を個人識別する。
【0044】
個人識別部130は、上述のように複数のコンテンツ出力部120ごとに一般消費者を個人識別する。このため、出力制御部150は、一般消費者が個人識別された座席PSに対応した位置のコンテンツ出力部120にデジタルコンテンツDCを出力させる。
【0045】
紙巻タバコPTは、当然ながら燃焼することで消費される。そこで、サーモグラフィ140は、紙巻タバコPTの燃焼温度に対応した温度分布画像を撮像するIRセンサ141を有する。
【0046】
上述のようなデータ処理システム100のコンピュータプログラムは、例えば、喫煙スペースSSに設置されている識別入力デバイスで一般消費者を個人識別する個人識別処理と、継続的に出力されるデジタルコンテンツDCを記憶するコンテンツ記憶処理と、喫煙スペースSSに設置されているコンテンツ出力デバイスにデジタルコンテンツDCを出力するコンテンツ出力処理と、継続的なデジタルコンテンツDCの出力経過状況を一般消費者の識別結果ごとに記録する履歴記録処理と、個人識別された一般消費者に消費される紙巻タバコPTの特定温度を検出する温度検出処理と、個人識別された一般消費者ごとに特定温度の検出と出力経過状況とに対応してデジタルコンテンツDCを継続的にコンテンツ出力部120に出力させる出力制御処理と、をデータベースサーバ101に実行させるように記述されている。
【0047】
上述のような構成において、本実施の形態のデータ処理システム100は、一般消費者による喫煙スペースSSの利用を促進するため、喫煙スペースSSを利用する一般消費者にデジタルコンテンツDCを提供する。
【0048】
より詳細には、本実施の形態のデータ処理システム100では、IRセンサ141により喫煙スペースSSの全部の座席PSを常時撮像している。また、喫煙スペースSSの一般消費者が着座する座席PSごとのコンテンツ出力部120のディスプレイデバイス121に、図3に示すように、「コンテンツの継続利用を要望される方は、以下の方法で識別を御願いします。初めての方は、以下の方法で登録を御願いします。なお、登録データはコンテンツの継続提供以外に利用されることはなく、本システムの外部に提供されることもありません」などのガイダンスメッセージが、個人識別方法の説明とともに出力されている(ステップS1)。
【0049】
そこで、デジタルコンテンツDCの利用を要望する一般消費者は、例えば、ガイダンスメッセージに対応してキーボード131に手の平を対向させることにより個人識別や初回登録を実行する。
【0050】
データ処理システム100は、上述のようなデータ入力が実行されると(ステップS2−Y)、その入力データで一般消費者の個人識別処理を実行する(ステップS3)。この場合、初回登録ならば入力データが登録され、継続利用ならば入力データに一致する登録データが検索される(ステップS3)。
【0051】
この継続利用で個人識別に失敗すると(ステップS4−N)、「登録ユーザと確認できませんでした、初回登録を御願いします」などのエラーガイダンスがディスプレイデバイス121に表示出力されてから(ステップS13)、初期状態に復帰する(ステップS1)。
【0052】
一方、上述の個人識別処理に成功すると(ステップS4−Y)、識別結果である個人IDデータに対応してデジタルコンテンツDCの出力経過状況が読み出される(ステップS5)。さらに、その出力経過状況と個人IDデータとに対応してデジタルコンテンツDCの対応部分が読み出され(ステップS6)、その読み出されたデジタルコンテンツDCがディスプレイデバイス121に表示出力される(ステップS7)。
【0053】
本実施の形態のデータ処理システム100では、例えば、前述のようにデジタルコンテンツDCがビデオゲームの一般消費者ごとのキャラクタからなる。そして、この一般消費者ごとのゲームキャラクタは、例えば、図4(a)に示すように、初期状態ではビデオゲームの仮想空間で休止している。
【0054】
このとき、例えば、「あなたのキャラクタです。タバコを喫煙すると活動します」などのガイダンスメッセージもディスプレイデバイス121に表示出力される。そこで、これを確認した一般消費者がタバコパックTPから紙巻タバコPTを取り出して着火すると、これが紙巻タバコPTの特定温度としてIRセンサ141により検知される(ステップS8−Y)。
【0055】
すると、本実施の形態のデータ処理システム100では、上述の喫煙開始の検出に対応してデジタルコンテンツDCの出力を制御することにより、例えば、図4(b)に示すように、仮想空間で休止していたゲームキャラクタが活動を開始する。
【0056】
そして、紙巻タバコPTの特定温度の検出終了により喫煙終了が判定されるまで(ステップS10−N)、デジタルコンテンツDCが出力されることにより(ステップS9)、例えば、上述のゲームキャラクタが活動してデジタルコンテンツDCが進行する。
【0057】
そして、喫煙を完了した一般消費者が、紙巻タバコPTを消火すると(ステップS10−Y)、これに対応してデジタルコンテンツDCが出力されることにより、例えば、図4(a)に示すように、上述のゲームキャラクタは初期の休止状態に移行してビデオゲームの進行が停止する。この場合、上述のデジタルコンテンツDCの表示出力が終了され(ステップS11)、その経過状況が次回のために記録される(ステップS12)。
【0058】
従って、一般消費者は喫煙スペースSSの使用ごとに、自身専用のデジタルコンテンツDCを継続的に利用することができる。このため、例えば、上述のようにデジタルコンテンツDCがビデオゲームなどの場合は進行を再開することができ、ゲームキャラクタの経験値なども継続することができる。
【0059】
本実施の形態のデータ処理システム100では、上述のように喫煙スペースSSで一般消費者を個人識別部130で個人識別するとともに、その一般消費者が消費する紙巻タバコPTの特定温度をサーモグラフィ140で検出し、個人識別された一般消費者の識別結果と特定温度の検出とに対応して出力制御部150がデジタルコンテンツDCを出力させる。
【0060】
従って、例えば、喫煙スペースで紙巻タバコPTが喫煙する一般消費者に、各々ごとのデジタルコンテンツDCを喫煙行為ごとに提供することができる。特に、一般消費者に個々人ごとのデジタルコンテンツDCを継続的に提供することができ、しかも、そのデジタルコンテンツDCの出力が紙巻タバコPTの喫煙行為に連動されるので、一般消費者に良好にサービスを提供することができる。
【0061】
また、データ処理システム100は、一般消費者ごとにデジタルコンテンツDCを継続的に提供するため、その一般消費者を個人識別している。しかし、その個人識別は一般消費者を個別に区分するためのみ実行されている。
【0062】
このため、データ処理システム100に一般消費者が姓名や住所などのプライバシ情報を登録する必要がない。従って、一般消費者のプライバシが侵害されることがなく、喫煙者も抵抗なくデータ処理システム100を利用することができる。
【0063】
また、サーモグラフィ140は、紙巻タバコPTの着火と消火との特定温度を検出し、出力制御部150は、紙巻タバコPTの着火と消火とにデジタルコンテンツDCの開始と終了とを連動させる。このため、簡単なデータ処理でデジタルコンテンツDCの出力と紙巻タバコPTの喫煙とを連動させることができる。
【0064】
さらに、データ処理システム100は、IRセンサ141により温度分布画像を撮像して紙巻タバコPTの燃焼温度を検出する。このため、一台のIRセンサ141により複数の座席PSでの紙巻タバコPTの燃焼温度を簡単に検出することができる。
【0065】
さらに、本実施の形態のデータ処理システム100では、ディスプレイデバイス121が狭視野角ディスプレイからなり、そのディスプレイデバイス121の視野角の内側に対応する座席PSが配置されている。
【0066】
また、座席PSに着席した一般消費者の視認範囲にディスプレイデバイス121が配置されており、その一般消費者の視認範囲の外側に隣接するディスプレイデバイス121が配置されている。
【0067】
このため、一般消費者は自身のデジタルコンテンツDCは問題なく視認できるが、隣席などのデジタルコンテンツDCを視認することはない。従って、一般消費者には自身のデジタルコンテンツDCのみを視認させることができる。
【0068】
つまり、自身のデジタルコンテンツDCの継続部分に該当する他人のデジタルコンテンツDCを視認するようなことがないので、一般消費者による喫煙スペースSSの継続利用を促進することができる。さらに、喫煙スペースSSが隔離された室内ではなく、屋外のオープンスペースの場合でも(図示せず)、適正な一般消費者のみにデジタルコンテンツDCを提供することができる。
【0069】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では消費により特定温度となる特定消費商品が紙巻タバコPTからなることを例示した。しかし、このような特定消費商品が加温や加冷されている缶詰飲料などでもよい(図示せず)。
【0070】
また、上記形態ではタバコパックTPとの差異を明確とするため、実際に喫煙されるタバコを紙巻タバコPTと称呼した。しかし、この喫煙される特定消費商品が、いわゆる葉巻でもよい(図示せず)。
【0071】
さらに、上記形態では一般消費者ごとに継続的に提供されるデジタルコンテンツDCとして、無制限に継続するメタバースなどのビデオゲームを想定した。しかし、このようなデジタルコンテンツDCとして、ストーリーや終了があるビデオゲームや動画やデジタルコミックなどを利用することもできる。
【0072】
より具体的には、数回の喫煙時間に対応した長時間のデジタルコミックなどのデジタルコンテンツDCの場合、図5に示すように、最初に一般消費者が視聴を開始したときに、そのコンテンツ開始が個人IDデータと関連されて登録される。
【0073】
このような状態で、その一般消費者がデジタルコンテンツDCの視聴を途中で終了すると、そのデジタルコンテンツDCの終了時点が個人IDデータと関連されて登録される。
【0074】
そこで、その一般消費者がデータ処理システム100に個人IDデータを入力して認証されると、その個人IDデータで前回の終了時点が読み出され、これを第二回目の開始時点としてデジタルコンテンツDCが出力される。
【0075】
そして、上述のようにデジタルコンテンツDCが継続的に出力されることにより最終的に完了すると、そのデジタルコンテンツDCの完了が個人IDデータと関連されて登録される。
【0076】
このように第一のデジタルコンテンツDCの出力が完了すると、データ処理システム100は、第二のデジタルコンテンツDCの出力を開始する。この場合、当然ながら、そのコンテンツ開始が個人IDデータと関連されて登録され、その終了時点も個人IDデータと関連されて登録される。
【0077】
なお、短時間のビデオゲームや動画などの複数のデジタルコンテンツDCがデータ処理システム100に事前に用意されており、その複数のデジタルコンテンツDCが一般消費者により選択されてもよい。
【0078】
例えば、図6に示すように、そのようなデジタルコンテンツDCとしてコンテンツA〜Dが用意されている場合、データ処理システム100に個人IDデータを入力して認証された一般消費者がコンテンツAを選択すると、そのコンテンツAの開始が個人IDデータと関連されて登録される。
【0079】
このような状態で、その一般消費者がコンテンツAの視聴を途中で終了すると、その終了時点がコンテンツAのコンテンツIDと個人IDデータとともに関連されて登録される。
【0080】
つぎに、その一般消費者がデータ処理システム100に個人IDデータを入力して認証されたとき、その一般消費者は、コンテンツAを選択すれば前回の終了時点から出力を再開させることができる。
【0081】
一方、コンテンツB〜を選択すれば、そのコンテンツBの開始が個人IDデータと関連されて登録される。その一般消費者がコンテンツBの視聴を途中で終了すると、そのコンテンツBの終了時点が個人IDデータと関連されて登録される。
【0082】
このような状態でも、一般消費者はコンテンツA,Bの視聴を各々の前回の終了時点から再開することができ、さらに、未見のコンテンツC,Dの視聴を開始することもできる。
【0083】
さらに、図7に示すように、上述のような短時間の複数のデジタルコンテンツDCが順番に出力されるようにデータ処理システム100に用意されていてもよい。その場合でも、一般消費者による各コンテンツの視聴が終了された時点で、その終了時点がコンテンツIDと個人IDとともに登録されるので、そのコンテンツの出力を再開することができる。
【0084】
この場合、あるデジタルコンテンツDCの出力が完了すると自動的に次段のデジタルコンテンツの出力が開始される。そのとき、出力が完了したデジタルコンテンツDCの完了がコンテンツIDと個人IDデータとともに登録され、出力が開始されたデジタルコンテンツDCの開始がコンテンツIDと個人IDデータとともに登録される。
【0085】
なお、上述のように複数の短時間のデジタルコンテンツDCが連続的に出力される場合、まだ出力が開始されていないデジタルコンテンツDCの内容が自動的に変更されてもよい。
【0086】
例えば、デジタルコンテンツDCがニュースなどの場合、最新版が優先的に出力されてもよい。より具体的には、途中まで出力されているデジタルコンテンツDCは、その途中から出力が再開され、まだ出力されていないデジタルコンテンツDCは最新版と置換されればよい。
【0087】
この場合、一般消費者は途中まで視聴したデジタルコンテンツDCは継続的に視聴することができ、まだ視聴していないデジタルコンテンツDCに関しては、意識することなく最新版を最初から視聴することができる。
【0088】
なお、上述のようにデジタルコンテンツDCを完了せずに中断するときには、いわゆるフェードアウェイの手法で一般消費者の違和感を緩和してもよい(図示せず)。また、上述のように複数の短時間のデジタルコンテンツDCが連続的に出力される場合、図示するように、当然ながら、その複数のデジタルコンテンツDCの出力時間は相違していてもよい。
【0089】
さらに、上記形態では説明を簡単とするため、一般消費者ごとに一つのデジタルコンテンツDCが継続的に出力されることを例示した。しかし、一般消費者ごとに複数種類のデジタルコンテンツDCが用意されており、メニュー表示される複数種類のデジタルコンテンツDCを一般消費者が所望により選択してもよい。
【0090】
また、上記形態では一般消費者の個人識別ごとに紙巻タバコPTの燃焼温度のみに対応してデジタルコンテンツDCを出力することを例示した。しかし、紙巻タバコPTの銘柄も検出してデジタルコンテンツDCを出力してもよい。
【0091】
より具体的には、図8に示すように、紙巻タバコPTのタバコパックTPには、JAN(Japanese Article Number)コードなどの商品IDデータが商品バーコードTBとして表記されている。
【0092】
そこで、データ処理システム100の座席PSごとにバーコードリーダ(図示せず)を設置しておき、一般消費者にタバコパックTPの商品バーコードTBをバーコードリーダでデータ処理システム100に入力させる。
【0093】
この場合、データ処理システム100は、一般消費者が喫煙する紙巻タバコPTの銘柄を認識できるので、その銘柄に対応して複数種類のデジタルコンテンツDCを選択し、一般消費者ごとに継続的に出力するようなことができる。
【0094】
例えば、座席PSに着席した一般消費者がタバコパックTPの商品バーコードTBをバーコードリーダに読取操作させると、そのタバコ銘柄に対応した装備がデジタルコンテンツDCのゲームキャラクタに付与されるようなこともできる。
【0095】
このため、一般消費者が自身のデジタルコンテンツDCを継続的に利用するときに新規のタバコパックTPの商品バーコードTBをバーコードリーダに読取操作させることで、例えば、デジタルコンテンツDCのゲームキャラクタの装備を充実させるようなことができる(図示せず)。
【0096】
なお、同一種類のタバコパックTPの商品バーコードTBが毎回入力されるような場合でも、例えば、デジタルコンテンツDCのゲームキャラクタの同一装備の経験値を増加させるようなことができる(図示せず)。
【0097】
当然ながら、喫煙スペースSSで喫煙する一般消費者はタバコパックTPを所持しているので、一般消費者から問題なくタバコパックTPの商品IDデータを取得することができる。
【0098】
なお、特定消費商品であるタバコパックTPにRFIDチップが貼付されており、このRFIDチップに商品IDデータが記録されており、データ処理システムがRFIDリーダで商品IDデータを取得してもよい(図示せず)。
【0099】
さらに、上記形態では一般消費者による喫煙状況を判定するために喫煙スペースSSにIRセンサ141を設置しておくことを例示した。しかし、このようなデータ処理システムが、IRセンサ141が検出する特定温度により喫煙スペースSSでの火災発生を判定してもよい(図示せず)。
【0100】
当然ながら、喫煙スペースSSには火災報知システムが必要である。つまり、上述のようなデータ処理システムは、火災報知システムのIRセンサ141を利用して喫煙状況を判定できることになる。
【0101】
また、上記形態ではIRセンサ141により紙巻タバコPTの着火と消火との特定温度に単純にデジタルコンテンツDCの出力を連動させることを例示した。しかし、紙巻タバコPTの燃焼温度は、一般消費者が紙巻タバコPTを吸引すると上昇し、手指やアッシュトレイに放置すると所定温度まで低下する。また、吸引の強度によっても特定温度は相違する。
【0102】
そこで、上述のような紙巻タバコPTの複数段階の特定温度の検出に対応して、デジタルコンテンツDCを各種に出力してもよい。例えば、一般消費者が紙巻タバコPTを吸引して燃焼温度が上昇すると、デジタルコンテンツDCのゲームキャラクタの活動が促進され、紙巻タバコPTが手指やアッシュトレイに放置されて燃焼温度が低下すると、ゲームキャラクタの活動が緩慢となる、等でもよい。
【0103】
さらに、上記形態では紙巻タバコPTの特定温度の検出に対応して一般消費者ごとにデジタルコンテンツDCが出力されることを例示した。しかし、紙巻タバコPTの特定温度の検出を検出日時とともに出力し、デジタルコンテンツDCを検出日時にも対応して出力してもよい。この場合、平日と休日で相違するデジタルコンテンツDCを提供するようなことができる。
【0104】
さらに、上記形態では喫煙スペースSSには一般消費者が自由に出入りできることを例示した。しかし、上述のような個人識別やタバコパックTPの確認により喫煙スペースSSへの入場を制限してもよい。
【0105】
その場合、例えば、喫煙スペースSSの入口に電動ゲートとバーコードリーダを設置しておき(図示せず)、タバコパックTPの商品バーコードを確認できないと喫煙スペースSSへの入場を許可しないようなことができる(図示せず)。
【0106】
当然ながら、喫煙スペースSSの一般消費者はタバコパックTPを所持しており、タバコパックTPを所持していない一般消費者が喫煙スペースSSに入場することはない。このため、適正な一般消費者は問題なく喫煙スペースSSに入場させることができる。
【0107】
さらに、上記形態では喫煙スペースSSが建物に用意された一室からなることを例示した。しかし、喫煙スペースSSが、飲食店に用意された喫煙席、屋外に用意されたオープンスペース、等でもよい(図示せず)。
【0108】
このように喫煙スペースが屋外に用意されている場合、例えば、複数の狭視野角のディスプレイデバイス121を個人識別部130とともに設置しておき、その個人識別部130により一般消費者を識別したら、対応するディスプレイデバイス121でデジタルコンテンツDCを表示すればよい。
【0109】
この場合、屋外のオープンスペースに設置されているディスプレイデバイス121は周囲から自由に視認されるが、このディスプレイデバイス121が狭視野角であるため、正面に相対する一般消費者でないとデジタルコンテンツDCの視認は困難である。このため、デジタルコンテンツDCを正当な一般消費者のみに提供することができる。
【0110】
さらに、視野角が下方に設定されているディスプレイデバイス121を上方に配置し、その表示画面を下側に傾斜させておくようなこともできる。この場合も、上方に位置するディスプレイデバイス121は周囲から自由に視認されるが、その下方に位置する一般消費者でないとデジタルコンテンツDCを視認することは困難である。
【0111】
なお、現在では視野角の方向を制御できるディスプレイデバイスもある(図示せず)。そこで、このようなコンテンツ出力部を屋外に設置しておき、IRセンサ141の撮像画像により一般消費者が識別されたときに、その方向にディスプレイデバイスの視野角を制御してデジタルコンテンツDCを提供してもよい。
【0112】
また、上記形態ではディスプレイデバイス121が狭視野角ディスプレイからなり、一対一に対応する座席PSの一般消費者のみにデジタルコンテンツDCを提供することを例示した。
【0113】
しかし、ディスプレイデバイス121が、複数のデジタルコンテンツDCを各々所定の視野角で複数方向に出力するマルチビューディスプレイからなり、相互に対応している座席PSとディスプレイデバイス121とは、ディスプレイデバイス121の複数の視野角の各々に座席PSが配置されているとともに、座席PSに着席した一般消費者の視認範囲にディスプレイデバイス121が配置されていてもよい(図示せず)。
【0114】
この場合、個人識別部130は、座席PSごとに一般消費者を個人識別し、出力制御部150は、一般消費者が個人識別された座席PSに対応した表示方向でディスプレイデバイス121にデジタルコンテンツDCを出力させる。
【0115】
上述のようなディスプレイデバイス121は、複数方向に相違するデジタルコンテンツDCを同時に出力することができる。このため、一個のディスプレイデバイス121で複数の一般消費者に個々にデジタルコンテンツDCを提供することができる。
【0116】
また、上記形態ではデータ処理システム100が一つの喫煙スペースSSで一般消費者の喫煙状況を判定してデジタルコンテンツDCを出力することを例示した。しかし、このようなデータ処理システムが、判定した喫煙状況をデータ収集してもよい。
【0117】
この場合、タバコパックTPの販売やアンケート調査ではデータ収集できない実際の喫煙状況をデータ収集できるので、その収集データを新製品の開発や販売戦略の立案などに有効利用することができる。
【0118】
さらに、このようなデータ処理システムが、複数の喫煙スペースSSを横断して喫煙状況を判定してもよい。この場合、例えば、オフィス街、繁華街、サービスエリア、などの喫煙スペースSSの属性データとともに、喫煙状況を判定することができる。同様に、通勤時間、昼休み、帰宅時間、などの時間帯の属性データとともに、上述のような喫煙状況のデータ収集を実行してもよい。
【0119】
また、コンテンツ出力部120と個人識別部130とが複数の喫煙スペースSSに設置されており、履歴記録部160は、複数の喫煙スペースSSを横断して一般消費者ごとに出力経過状況を記録し、出力制御部150は、一般消費者が個人識別された喫煙スペースSSに出力経過状況に対応したデジタルコンテンツDCを配信してもよい(図示せず)。
【0120】
この場合、一般消費者は複数の喫煙スペースSSの何処でも、デジタルコンテンツDCを継続的に利用することができる。このため、平日はオフィス街の喫煙スペースSSでデジタルコンテンツDCを視認し、休日は繁華街の喫煙スペースSSでデジタルコンテンツDCを視認する、などのことができる。
【0121】
さらに、上記形態ではデータ処理システム100が一般消費者を生体認証により個人識別することを例示した。しかし、このような個人識別のデータ入力が、例えば、運転免許証などの個人識別媒体の画像データの取得、クレジットカードなどの個人識別媒体の磁気データの取得、ICカードなどの個人識別媒体の記録データの取得、等で実行されてもよい。
【0122】
また、上記形態ではデータ処理システム100がサービス用のデジタルコンテンツDCを出力することのみ例示した。しかし、このようなデジタルコンテンツDCとして、サービス用の特定コンテンツの他、常時出力コンテンツ、終了直後コンテンツ、等が登録されていてもよい。
【0123】
例えば、常時出力コンテンツは、喫煙スペースSSの利用方法の案内ガイダンスなどからなり、一般消費者の有無などに関係なく常時出力される。終了直後コンテンツは、次回の喫煙スペースSSの利用の案内ガイダンスなどからなり、喫煙終了にリアルタイムに連動して出力される。この場合、より良好に一般消費者を訴求することができる。
【0124】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施の形態のデータ処理システムの論理構造を示す模式的なブロック図である。
【図2】データ処理システムの物理構造を示す模式的なブロック図である。
【図3】データ処理システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図4】ディスプレイデバイスにデジタルコンテンツが表示出力されている状態を示す模式的な正面図である。
【図5】一変形例のデジタルコンテンツの出力形態を示す模式的なタイムチャートである。
【図6】他の変形例のデジタルコンテンツの出力形態を示す模式的なタイムチャートである。
【図7】さらに他の変形例のデジタルコンテンツの出力形態を示す模式的なタイムチャートである。
【図8】特定消費商品であるタバコパックの外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0126】
100 データ処理システム
101 データベースサーバ
110 コンテンツ記憶部
120 コンテンツ出力部
121 ディスプレイデバイス
130 個人識別部
131 キーボード
140 サーモグラフィ
141 IRセンサ
142 ドライバ回路
143 画像処理部
144 光学フィルタ
150 出力制御部
160 履歴記録部
DC デジタルコンテンツ
PS 座席
PT 紙巻タバコ
SS 喫煙スペース
TB 商品バーコード
TP タバコパック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者に所定サービスを提供するためのデータ処理システムであって、
前記特定スペースで前記一般消費者を個人識別する個人識別部と、
継続的に出力されるデジタルコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、
前記特定スペースに前記デジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力部と、
継続的な前記デジタルコンテンツの出力経過状況を前記一般消費者の識別結果ごとに記録する履歴記録部と、
個人識別された前記一般消費者に消費される前記特定消費商品の特定温度を検出する温度検出部と、
個人識別された前記一般消費者ごとに前記特定温度の検出と前記出力経過状況とに対応して前記デジタルコンテンツを継続的に前記コンテンツ出力部に出力させる出力制御部と、
を有するデータ処理システム。
【請求項2】
前記出力制御部は、前記特定温度の検出時間を測定し、測定された前記検出時間に対応して個人識別された前記一般消費者ごとに継続的に前記デジタルコンテンツを前記コンテンツ出力部に出力させる請求項1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記履歴記録部は、測定された前記検出時間も前記一般消費者の識別結果ごとに記録し、
前記出力制御部は、個人識別された前記一般消費者ごとに記録されている前記検出時間に対応して前記デジタルコンテンツを継続的に前記コンテンツ出力部に出力させる請求項2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記特定スペースで前記特定消費商品の商品ID(Identity)データを取得する商品読取部を、さらに有し、
前記コンテンツ記憶部は、複数種類の前記商品IDデータごとに前記デジタルコンテンツを記憶し、
前記特定スペースに前記デジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力部を、さらに有し、
前記出力制御部は、取得された前記商品IDデータに対応した前記デジタルコンテンツを前記特定温度の検出に対応して個人識別された前記一般消費者ごとに前記コンテンツ出力部に継続的に出力させる請求項1ないし3の何れか一項に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
前記商品IDデータは、前記特定消費商品に表記されている商品バーコードに記録されており、
前記商品読取部は、前記商品バーコードを読取走査するバーコードリーダを有する請求項4に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
前記商品IDデータは、前記特定消費商品に貼付されているRFID(Radio Frequency Identification)チップに記録されており、
前記商品読取部は、前記RFIDチップから前記商品IDデータを取得するRFIDリーダからなる請求項4に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
前記温度検出部は、前記特定消費商品の複数の前記特定温度を検出し、
前記出力制御部は、検出される複数の前記特定温度に対応して前記デジタルコンテンツを前記コンテンツ出力部に出力させる請求項1ないし6の何れか一項に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
前記温度検出部は、前記特定温度に検出感度が対応しているIR(infrared)センサを有する請求項1ないし7の何れか一項に記載のデータ処理システム。
【請求項9】
前記特定消費商品は、タバコからなり、
前記特定スペースは、喫煙スペースからなり、
前記温度検出部は、前記タバコの少なくとも燃焼時の前記特定温度を検出する請求項1ないし8の何れか一項に記載のデータ処理システム。
【請求項10】
前記温度検出部が検出する前記特定温度により前記特定スペースでの火災発生を判定する火災判定部を、さらに有する請求項9に記載のデータ処理システム。
【請求項11】
前記個人識別部は、前記一般消費者が所持している個人識別媒体を確認する請求項1ないし10の何れか一項に記載のデータ処理システム。
【請求項12】
特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者に所定サービスを提供するためのデータ処理システムのためのコンピュータプログラムであって、
前記特定スペースに設置されている識別入力デバイスで前記一般消費者を個人識別する個人識別処理と、
継続的に出力されるデジタルコンテンツを記憶するコンテンツ記憶処理と、
前記特定スペースに設置されているコンテンツ出力デバイスに前記デジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力処理と、
継続的な前記デジタルコンテンツの出力経過状況を前記一般消費者の識別結果ごとに記録する履歴記録処理と、
個人識別された前記一般消費者に消費される前記特定消費商品の特定温度を検出する温度検出処理と、
個人識別された前記一般消費者ごとに前記特定温度の検出と前記出力経過状況とに対応して前記デジタルコンテンツを継続的に前記コンテンツ出力部に出力させる出力制御処理と、
を前記データ処理システムに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項13】
特定スペースで特定消費商品を消費する一般消費者に所定サービスを提供するためのデータ処理システムのデータ処理方法であって、
前記特定スペースに設置されている識別入力デバイスで前記一般消費者を個人識別する個人識別工程と、
継続的に出力されるデジタルコンテンツを記憶するコンテンツ記憶工程と、
前記特定スペースに設置されているコンテンツ出力デバイスに前記デジタルコンテンツを出力するコンテンツ出力工程と、
継続的な前記デジタルコンテンツの出力経過状況を前記一般消費者の識別結果ごとに記録する履歴記録工程と、
個人識別された前記一般消費者に消費される前記特定消費商品の特定温度を検出する温度検出工程と、
個人識別された前記一般消費者ごとに前記特定温度の検出と前記出力経過状況とに対応して前記デジタルコンテンツを継続的に前記コンテンツ出力部に出力させる出力制御工程と、
を有するデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−134494(P2009−134494A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309843(P2007−309843)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】