説明

データ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィスのメモリ内容を管理及び表示するための方法

本発明は、データ処理端末及び/又は通信端末のメモリ内容又はメモリ領域を管理するための乃至はデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィス(1)におけるメモリ内容又はメモリ領域の表示のための方法において、DRMファイル(2)に含まれる少なくとも1つの有効データオブジェクト(3)の名前乃至はタイトルは直接的にDRMファイル(2)の名前乃至はタイトルとともに及び/又は存在する場合には例えば画像、オーディオ又はテキストファイルのような他のファイル(4)の名前乃至はタイトルとともにデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィス(1)に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理端末及び/又は通信端末のメモリ内容又はメモリ領域を管理するための乃至はデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィス(User Surface)におけるメモリ内容又はメモリ領域の表示のための方法に関する。
【0002】
データ処理端末及び多くの場合には通信端末は少なくとも1つのメモリを使用し、このメモリには任意のファイル乃至はデータオブジェクトが格納されうる。たいていの場合、ユーザに対するこのメモリ又はメモリ領域の構造及び内容の視覚的な表示はソフトウェアによって可能となる。このソフトウェアはメモリの構造及び内容に関する必要とされる情報を読み込み、これらをグラフィカルにデータ処理端末又は通信端末のユーザーサーフィスに表示する。相応のことはファイルのオープン又は記憶のためのダイアログにも当てはまる。この場合にもメモリ及びこのメモリ内に格納されたファイルに関する情報が表示される。情報の表示は大抵の場合フォルダの名前、ファイル名及びファイルタイプを含み、このファイルタイプはファイルネームエクステンションに基づいてもとめられるか又はファイル自体における相応の情報エレメントから読み出される。
【0003】
ファイルのタイプとアプリケーションが結びつけられ、この結果、ファイルを開く際に同時にこのファイルの処理をすることができる相応のアプリケーションがスタートされる。相応のアプリケーションへの自動的なファイル転送によって、ファイルの快適なオープンが可能である。
【0004】
例えば画像、オーディオ又はテキストファイルのための通常のファイルフォーマットのほかに、暗号化された内容を有し、権利の管理のための方法、いわゆるデジタルライツマネージメント(Digital Rights Management=DRM)に従うファイルフォーマットも利用される。従って、DRMプロテクトされた内容を有するファイルの活性化の際には、最初にDRMファイルフォーマットの処理のための相応のアプリケーションがスタートされる。このアプリケーション、いわゆるDRMエージェントはDRMファイルに含まれる制御情報を評価し、ユーザがDRMファイルにおけるDRMプロテクトされたオブジェクトの利用のための権利を有するのかどうかを検査し、必要ならばDRMファイルに含まれる有効データオブジェクトを復号化し、これを有効データオブジェクトの処理のためのアプリケーションに転送する。ユーザに対しては、メモリ内に存在するファイルの表示はこのようなケースにおいてはDRMファイルだけを示す。つまり、従来技術による通常の表示は、DRMファイルに含まれるファイル、有効データオブジェクトがどのようなタイプを有するか、DRMファイルに含まれるファイルがどのような名前を有するか又はDRMファイルに含まれるファイルの利用のための権利が存在するかどうかに関する説明を与えない。
【0005】
これによって、ユーザにとっては、DRMファイルを見て所望の通りに有効データオブジェクトを探し出すことは非常に困難である。なぜなら、例えば名前、タイプ、サイズ又はオブジェクトに結びつけられている利用権のような重要な情報がダイレクトには見えないからである。よって、ユーザは、所望の有効データオブジェクトを見いだすために、探し出される有効データオブジェクトとDRMファイルとの間の割り当てを記憶しておくか又は存在するDRMファイルをすべてサーチするかのいずれかをしなければならない。
【0006】
つまり、従来技術では一般的な一覧においてユーザにはメモリ乃至はメモリ領域に存在するファイルがそれらの名前及びタイプの形においてのみ表示され、例えばテキスト、オーディオ及びビデオファイルのような「通常の」ファイルと大抵の場合少なくとも1つの有効データオブジェクトを含みうるDRMファイルとの間の区別がされない。DRMファイルの内容に関する情報を得るためには、ユーザは従来技術によれば最初にDRMファイルをDRMエージェントによって読み込み乃至は開いて相応に評価しなければならない。次いで、DRMエージェントはDRMファイルに含まれている1つの/複数の有効データオブジェクトの重要な情報をタイプ、名前及び場合によっては有効データオブジェクトに結びつけられた権利に関して表示する。ユーザはこれらの情報に基づいてDRMファイルに含まれる有効データオブジェクトを利用するか否かを決定することができる。この方法の不利な点は、計算パワーに関してきわめてコスト高であること及び所定の有効データオブジェクトを操作乃至は発見するための高い時間コストの点で不便であることである。ユーザに対しては様々なファイルフォーマットの一覧によってDRMファイルの1つ又は複数の有効データオブジェクトがこの一覧の代わりに又はこの一覧に加えて直接的には表示されない。これは所定の有効データオブジェクトのサーチを著しく長引かせる。なぜなら、所定の有効データオブジェクトを得るためにはユーザは相応の有効データオブジェクトの正確な位置を知らずに全DRMファイルを開かなければならないからである。
【0007】
本発明の課題は、メモリ又はメモリ領域の内容の管理乃至はデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィスにおける表示のための方法を提供し、この方法において、ユーザがメモリ又はメモリ領域の内容全体の迅速かつ包括的なオーバービューを得ることである。
【0008】
上記課題は、独立請求項1及び12の対象によって解決される。有利な実施形態は従属請求項の対象である。
【0009】
本発明の方法では、DRMファイルに含まれる少なくとも1つの有効データオブジェクトの名前乃至はタイトルは直接的にDRMファイルの名前乃至はタイトルとともに及び/又は例えば画像、オーディオ又はテキストファイルのような他のファイルの名前乃至はタイトルとともにデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィスに表示される。これによって、ユーザにはファイルの名前/タイトルが表示されるだけでなく、DRMファイルに含まれる有効データオブジェクトの名前/タイトルも表示される。ユーザは所定の有効データオブジェクトをサーチする場合に時間を失うことがない。なぜなら、ユーザは有効データオブジェクトに到達するために最初に個々のDRMファイルを読み込み乃至は開く必要がないからである。DRMプロテクトされたオブジェクトの固有の特性をメモリ内容又はメモリ領域の管理及び/又は表示のためのデータ処理端末及び/又は通信端末のアプリケーションの中に統合することは有利であり、DRMプロテクトされたオブジェクトの名前乃至はタイトルが直接的にユーザインターフェースに、つまりデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィスに表示されるという特別な特性を有する。データ処理端末及び/又は通信端末に存在するDRMプロテクトされたオブジェクトに所属のパラメータが評価され、この評価の結果がユーザインターフェースにグラフィカルに及び/又は文字画像で表示される。DRMファイルに含まれる有効データオブジェクトは例えばテキスト、画像又はオーディオファイルのような他のファイルとともに1つのレベルにおいて表示され、処理される。いわゆるファイルマネージャはオブジェクトマネージャの機能を得る。
【0010】
本発明の方法では、第1のステップにおいて、DRMファイルを開き、例えば少なくとも1つの有効データオブジェクトの名前、タイプ、サイズ等々のような基本パラメータが読み出される。第2のステップでは、名前、タイプ、サイズ等々のような相応のパラメータの代わりに又は名前、タイプ、サイズ等々のような相応のパラメータのほかに、有効データオブジェクトの予め読み出されたパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータがデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィスに表示される。少なくとも有効データオブジェクトの名前/タイトルが表示される。タイプ、サイズ等々のような更に別の特性パラメータは、この名前/タイトルに加えて表示されうる。
【0011】
メモリ内容乃至はメモリ領域の呼び出しの際に、ユーザーサーフィスにおいて自動的に例えば画像、オーディオ又はテキストファイルのような他のファイルの特性パラメータ、とりわけ名前/タイトルに加えて、DRMファイルの内容、有効データオブジェクトも表示される。すなわち、有効データオブジェクトの特性パラメータ、とりわけ名前/タイトルが表示される。これによって、データ処理端末及び/又は通信端末のユーザは、直接的にDRMファイルの有効データオブジェクトを含めて相応の機器のメモリ乃至はメモリ領域の内容に関する完全なオーバービューを得る。
【0012】
とりわけ有利には、更なる方法ステップにおいて、少なくとも1つの有効データオブジェクトの利用権が探し出され、評価され、相応のDRMファイル乃至は相応の有効データオブジェクトの少なくとも1つの名前/タイトル及び/又は場合によっては残りのパラメータと組み合わせてデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィスに表示される。これによって、ユーザは個々の有効データオブジェクトの利用のための権利に関する付加的なオーバービューを得る。有効データオブジェクトの名前、タイプ又はサイズのような情報のほかに、ユーザは直接的にどのような利用権が有効データオブジェクトに結びつけられているのかを見ることができる。これはユーザに直接的にどのようなタイプの権利が問題となるのか又はどれほど多くの権利が大体存在するのかを知らせる。ユーザは有効データオブジェクトを利用する権限を与えられているのか否かを識別することができる。
【0013】
有利には、DRMファイルのパラメータ、とりわけ名前/タイトル及び/又はとりわけ少なくも1つの有効データオブジェクトのパラメータ、とりわけ名前/タイトルは、例えば付加的なシンボル、ファイル又は有効データオブジェクトの通常のシンボリックな表示に比べて修正されたシンボル又は表示色、表示輝度又は表示構造の変更のような別個の表示によって、他のファイルのパラメータから区別される。すなわち、いわゆる通常のファイルとDRMファイル及び/又はDRMファイルに含まれている有効データオブジェクトとの間の区別は、DRMファイル及び有効データオブジェクトのパラメータの特別な特徴付けによって行われる。付加的なシンボル又はファイルもしくはファイルオブジェクトの特性パラメータの通常の表示に比べて修正されたシンボルは、区別に特に良好に適している。更に別の方法は、DRMファイル及び有効データオブジェクトの特性パラメータはその表示色、表示色の輝度、その表示構造等々において、通常のファイルの又はファイルオブジェクトの特性パラメータとは異なることである。例えばDRMファイル乃至はDRMプロテクトされたオブジェクトの特性パラメータは点滅する表示形式を有することができる。ユーザには、異なる表示によってすぐにメモリ内容又はメモリ領域のオーバービュー全体の中でどのファイル及び/又はオブジェクトがDRMファイル及び/又は有効データオブジェクトであるのかが明白となる。
【0014】
有利には、さらに、DRMファイルの複数の有効データオブジェクトは独立したオブジェクトとして表示されうる。これによって、ユーザはすぐに所定の有効データオブジェクトを識別し、場合によってはアプリケーションによって利用することができる。ここでも、DRMファイルの複数の有効データオブジェクトが様々に表示されることが考えられる。これは、DRMファイルの個々の有効データオブジェクトがその色、その輝度又はその構造の点で異なる表示を有しうることを意味している。個々の有効データオブジェクトのパラメータを様々に表示することができる。
【0015】
DRMファイルの複数の有効データオブジェクト乃至はDRMファイルの複数の有効データオブジェクトのパラメータは、例えばDRMファイルの有効データオブジェクト乃至はDRMファイルの複数の有効データオブジェクトのパラメータを取り囲む括弧又はフレーム及び/又は共通の表示色、表示輝度又は表示構造のようなグラフィカルなコンポーネントによっても表示されうる。これによって、一方で、どの有効データオブジェクトがDRMファイルに所属するのかが表示される。他方で、DRMファイルの共通に所属する有効データオブジェクトが別のDRMファイルの有効データオブジェクトから区別される。グラフィカルなコンポーネントはDRMファイルに所属する全ての有効データオブジェクトファイルを乃至はDRMファイルの有効データオブジェクトの全てのパラメータを取り囲み、この結果、ユーザは直接的にどの有効データオブジェクトが共通に所属しているのかを識別できる。これらのグラフィカルなコンポーネントは、DRMファイル自体を表示することなしに、例えばDRMファイルの有効データオブジェクトだけが表示されることを可能にする。ユーザにはそれにもかかわらずどの有効データオブジェクトが共通に所属しているのかが示される。
【0016】
少なくとも1つの有効データオブェクトがDRMフォルダのサブフォルダとして、例えばツリー構造の形式において表示されることを可能にする本発明の方法は有利である。これによって、ユーザはデータ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィスの観察によってどの有効データオブジェクトがどのDRMファイルに所属するかがわかる。上位の及び下位のフォルダを有するツリー構造の形式は、とりわけ良好にこのような表示に適している。DRMファイルの名前、タイプ、サイズ等々のような固有パラメータが直接ユーザに表示されるだけでなく、このDRMファイルに所属する個々の有効データオブジェクト乃至はこの有効データオブジェクトの名前、タイプ、サイズ、利用権等々のような固有パラメータ及び特性も直接ユーザに表示される。とりわけDRMファイルのためのメモリ内容乃至はメモリ領域の枝分かれ構造の表示方法は、相応のファイル及びそのサブファイル乃至はサブオブジェクトの識別の簡単かつ分かりやすい方法である。
【0017】
とりわけ有利には、有効データオブジェクトに所属する利用権の管理のアプリケーションが、データ処理端末及び/又は通信端末のユーザーサーフィスにおけるメモリ内容又はメモリ領域の表示のためのアプリケーションの中に統合されている。データ処理及び/又は通信端末のメモリ内容又はメモリ領域の表示を観察することによって、観察者はさらに相応の有効データオブジェクトの利用権の表示を得る。メモリ内容又はメモリ領域の表示のためのアプリケーションがユーザによって呼び出されると、自動的にバックグラウンドで有効データオブジェクトに所属の利用権を管理するアプリケーション、いわゆるDRMエージェントが実行され、この結果、個々の有効データオブジェクトの利用権は直接データ処理端末及び/又は通信端末のメモリ内容とともに表示される。
【0018】
有効データオブジェクトの活性化の際に、既存の利用権の検査が実施され、ポジティブな結果の場合には有効データオブジェクトが復号化され、相応のアプリケーションにこの有効データオブジェクトの利用のために転送され、乃至は、ネガティブな結果の場合にはこの有効データオブジェクトの利用が阻止される本発明の方法は有利である。これはいわゆるDRMエージェントによって行われる。このDRMエージェントはDRMファイルに含まれる制御情報を評価し、ユーザがDRMファイルの中のDRMプロテクトされたオブジェクトの利用のための権利を有するかどうかを検査する。イエスの場合、DRMエージェントはDRMファイルに含まれる有効データオブジェクトを復号化し、これをこの有効データオブジェクトの処理のためのアプリケーションに転送する。ユーザがこの有効データオブジェクトの利用のための権利を有していない場合には、DRMエージェントは有効データオブジェクトの復号化を阻止し、この有効データオブジェクトを相応のアプリケーションに転送しない。有効データオブジェクトに所属の利用権を管理するアプリケーション、いわゆるDRMエージェントの統合によって、ユーザが有効データオブジェクトの利用のために権限を与えられているか否かが検査される。オブジェクトへの権限のないアクセスの際にはこのDRMエージェントはアクセスを阻止する。DRMエージェントの統合は、データ処理端末及び/又は通信端末のメモリシステムからの有効データオブジェクトのダイレクトな選択を可能にし、有効データオブジェクトの即座の活性化及び/又は利用を許可する。
【0019】
さらに、有利には、有効データオブジェクトの更に別の特性パラメータとして、有効データオブジェクトに対して利用権が存在するか否か、及び/又は、どのようなタイプ及び/又はどのような範囲を利用権が有するのかが表示される。このような表示によって、ユーザはそもそも利用権が存在するかどうかを即座にひと目で理解することが可能になる。簡単な表示はシンプルな「イエス/ノー」表示で行われ、又は、相応の利用権が存在する場合にはこれがグラフィカルな又は例えば「x」のような文字画像キャラクタによって行われる。すなわち、この簡単な変形実施形態は、そもそもDRMプロテクトされたオブジェクトに対して有効な利用の権利が存在するかどうかを表示する。よりコスト高な変形実施形態は、利用権のタイプ及び/又は範囲の表示を含む。例えば、DRMプロテクトされたオブジェクトに1つ又は複数の別個の利用権が存在すること乃至は存在するかどうか及びこの権利はどのようなタイプであるのかが表示される。利用権のタイプは、例えば有効データオブジェクトの専用利用回数に対する権利、例えば「プレビューのみ」「見るだけでプリントしない」「見るだけでバックグラウンドイメージとしてインストールしない」のような所定の利用に対する権利がある。
【0020】
さらに、有利には、異なるタイプの利用権は相応の異なるグラフィカルな及び/又は文字による表示によって表示される。これは、表示の仕方がグラフィカルに行われ、この表示の仕方ではDRMプロテクトされたオブジェクトに対する画像シンボルは既存の権利に依存して変化されるか又はDRMプロテクトされたオブジェクトの表示のために更に別の文字画像による及び/又はグラフィカルなエレメントが付加され、これらの更に別の文字画像による及び/又はグラフィカルなエレメントによってこれに結びつけられる権利がシンボライズされることを意味する。これによって、ユーザは直接的にどのタイプの利用権があるのか識別することができる。DRMプロテクトされたオブジェクトに対する画像シンボルの異なる色表示は簡単な表示の仕方である。
【0021】
通信端末はとりわけ移動無線端末を意味しているが、例えばコードレス電話、スマートフォン(小型携帯コンピュータと移動電話との結合)、PDA (Personal Digital Assistant)又はオーガナイザのようなあらゆる他のタイプの通信端末も含まれる。有効データオブジェクトはテキストデータ、画像データ、ビデオデータ、オーディオデータ、実行可能なプログラム、ソフトウェアコンポーネント又はこれらのデータタイプの結合の形のデータであり、すなわちマルチメディアデータ乃至はコンテンツである。
【0022】
本発明は、さらに、請求項1〜11のうちの1項記載の方法を実施するために設計された少なくとも1つのデータ処理端末及び/又は通信端末を含む遠隔通信装置を含む。
【0023】
本発明の方法について言及されるあらゆる詳細は遠隔通信装置に関する。
【0024】
本発明の有利な実施形態を以下において添付した図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0025】
図1は従来技術によるディレクトリのメモリ領域の内容のテーブル状の表示を示し、
図2は個々のDRMプロテクトされたオブジェクトを有するディレクトリのメモリ領域の内容のテーブル状の表示を示し、
図3はDRMファイルに含まれている複数のDRMプロテクトされたオブジェクトを有するディレクトリのメモリ領域の内容のテーブル状の表示を示し、
図4は複数のDRMプロテクトされたオブジェクトを有するディレクトリのメモリ領域の内容のテーブル状の表示を示し、付加的に各DRMプロテクトされたオブジェクトの利用権が示されている。
【0026】
以下の例は、従来技術によるフォルダのメモリ内容乃至はメモリ領域の表示に基づきかつグラフィカルなユーザインターフェース(1)におけるメモリ内容の管理及び表示のためのアプリケーションへのDRM機能の統合による本発明の付加的な方法の様々な変形実施例による本発明の作用を説明する。
【0027】
図1は所定のディレクトリ(.../パス名/ディレクトリ名)に含まれる複数のファイル(2、4)のテーブル状の表示を表す。ファイルごとにはっきりとファイルの名前、タイプ及びサイズ(5)が示される。有効データオブジェクト(3)の表示はこの表示には示されていない。従来技術から公知のこの表示方法では、ファイル「ファイル名C」がタイプDRMファイル(2)のファイルであることが識別可能であるだけである。
【0028】
図2は、DRMファイル(2)乃至はDRMファイル(2)のパラメータの代わりに、このDRMファイル(2)に含まれるDRMプロテクトされたオブジェクト(3)が表示される乃至はDRMプロテクトされたオブジェクト(3)のパラメータが表示されるように本発明により変更された図1のテーブル状の表示を示す。従って、図2のテーブルにはDRMプロテクトされたオブジェクト(3)の名前「ファイル名C*」がDRMファイル(2)の名前「ファイル名C」の代わりに記されている。表示されるファイルタイプ(5)はDRMプロテクトされるオブジェクト(3)のタイプ(BMP)であり、オブジェクトサイズはほんの少ししかファイル「ファイル名C」のサイズと変わらず、丸めによって相変わらず20kBと示される。新しいエレメントとしてこのテーブル表示は列(8)を含み、この列(8)は表示されるオブジェクトごとにそれがDRMプロテクトされているか否かを示す。この例ではオブジェクト「ファイル名C*」に対してのみこれが当てはまる。
【0029】
図3のテーブルは画像ファイル(「ファイル名A」)及びオーディオファイル(「ファイル名B」)(4)のほかに例としてDRMファイル(2)に含まれている3つの有効データオブジェクト(3)に対する記述を含む。これらの有効データオブジェクト(3)はファイル名「ファイル名C1」、「ファイル名C2」及び「ファイル名C3」を有し、これらは一般的に任意に選択されうる。ファイル名「ファイル名C1」、「ファイル名C2」及び「ファイル名C3」はDRMプロテクトされたオブジェクト(3)であることは、図2に記述されているように、特別な列(8)によって示されている。列「DRM」(8)における「x」は、DRMプロテクトされたオブジェクト(3)であることを示す。さらに、全ての3つのDRMプロテクトされたオブジェクト(3)はグラフィカルなエレメント(7)、この例では2つの括弧によって取り囲まれている。これは、ただ一のDRMファイル(2)への3つの有効データオブジェクト(3)の共通所属を示す。各有効データオブジェクト(3)はここでもその名前、そのタイプ及びそのサイズ(5)によって記述され、個々の有効データオブジェクト(3)「ファイル名C1」、「ファイル名C2」及び「ファイル名C3」は異なるファイルタイプを有している。
【0030】
図4にはデータ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のディレクトリのメモリ領域のテーブル表示が示されており、この表示は図3の拡張を示す。図4のテーブルは、オブジェクトがDRMプロテクトされているかという基本情報のほかに、DRMプロテクトされたオブジェクト(3)に結びつけられた利用権(6)のタイプも示す。図4では、有効データオブジェクト(3)「ファイル名C1」、「ファイル名C2」及び「ファイル名C3」に対して権利(6)が存在している。「ファイル名C1」及び「ファイル名C3」は制限なしに表示され、「ファイル名C2」は10回再生できる。「ファイル名D」には権利(6)は存在しない。有効データオブジェクト「ファイル名D」は現在は利用できない。必要な場合には「ファイル名D」の利用のための新しい権利(6)がサーバからロードされるかもしれない。
【0031】
図2〜図4に表示された情報は選択的にシンボルによっても表示される。例えば、BMPファイルのようなファイルタイプに対するシンボルはシンボリックな南京錠(padlock)の形式の小さな補足によって補足され、これによりDRMとしてプロテクトされていることが示される。更に別のシンボル又はシンボルのバリエーションも既存の利用権(6)の表示のために使用されうる。
【0032】
図5は複数の基地局(12)を有する遠隔通信装置(9)を示し、これらの基地局(12)は有効データオブジェクト(3)をここには図示されていない中継コンポーネントからデータ処理端末(10)及び通信端末(11)へと伝送する。データ処理端末(10)及び通信端末(11)はそれぞれマイクロコントローラ(13)を有し、このマイクロコントローラ(13)は伝送された有効データオブジェクト(3)の変換を端末(10、11)において担当している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来技術によるディレクトリのメモリ領域の内容のテーブル状の表示を示す。
【図2】個々のDRMプロテクトされたオブジェクトを有するディレクトリのメモリ領域の内容のテーブル状の表示を示す。
【図3】DRMファイルに含まれている複数のDRMプロテクトされたオブジェクトを有するディレクトリのメモリ領域の内容のテーブル状の表示を示す。
【図4】複数のDRMプロテクトされたオブジェクトを有するディレクトリのメモリ領域の内容のテーブル状の表示を示し、付加的に各DRMプロテクトされたオブジェクトの利用権が示されている。
【図5】複数の基地局を有する遠隔通信装置を示す。
【符号の説明】
【0034】
1 ユーザーサーフィス
2 ファイル
3 有効データオブジェクト
4 ファイル
5 名前、タイプ、サイズ
6 利用権
7 グラフィカルなエレメント
8 列(DRM)
9 遠隔通信装置
10 データ処理端末
11 通信端末
12 基地局
13 マイクロコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のメモリ内容又はメモリ領域を管理するための乃至はデータ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のユーザーサーフィス(User Surface)(1)におけるメモリ内容又はメモリ領域の表示のための方法において、
DRMファイル(2)に含まれる少なくとも1つの有効データオブジェクト(3)の名前乃至はタイトルは直接的にDRMファイル(2)の名前乃至はタイトルとともに及び/又は存在する場合には例えば画像、オーディオ又はテキストファイルのような他のファイル(4)の名前乃至はタイトルとともにデータ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のユーザーサーフィス(1)に表示されることを特徴とする、データ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のメモリ内容又はメモリ領域を管理するための乃至はデータ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のユーザーサーフィス(1)におけるメモリ内容又はメモリ領域の表示のための方法。
【請求項2】
前記方法は次のステップを有し、すなわち、
DRMファイル(2)を開き、例えば少なくとも1つの有効データオブジェクトの名前、タイプ、サイズ等々のような基本パラメータ(5)を読み出すステップ、
DRMファイル(2)の名前、タイプ、サイズ等々のような相応のパラメータ(5)の代わりに又はDRMファイル(2)の名前、タイプ、サイズ等々のような相応のパラメータ(5)のほかに、有効データオブジェクト(3)の予め読み出されたパラメータ(5)のうちの少なくとも1つのパラメータをデータ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のユーザーサーフィス(1)に表示するステップ
を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
更なる方法ステップにおいて、少なくとも1つの有効データオブジェクト(3)の利用権が探し出され、評価され、相応のDRMファイル(2)乃至は相応の有効データオブジェクト(3)の少なくとも名前/タイトル及び場合によっては残りのパラメータ(3)と組み合わせてデータ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のユーザーサーフィス(1)に表示されることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
DRMファイル(2)のパラメータ、とりわけ名前/タイトル及び/又は少なくも1つの有効データオブジェクト(3)のパラメータ(5)、とりわけ名前/タイトルは、例えば付加的なシンボル、ファイル又は有効データオブジェクトの通常のシンボリックな表示に比べて修正されたシンボル又は表示色、表示輝度又は表示構造の変更のような別個の表示によって、他のファイル(4)のパラメータ(5)から区別されることを特徴とする、請求項1〜3のうちの1項記載の方法。
【請求項5】
DRMファイル(2)の複数の有効データオブジェクト(3)は独立したオブジェクトとして表示されることを特徴とする、請求項1〜4のうちの1項記載の方法。
【請求項6】
DRMファイル(2)の複数の有効データオブジェクト(3)乃至はDRMファイル(2)の複数の有効データオブジェクト(3)のパラメータ(5)は、例えばDRMファイル(2)の有効データオブジェクト(3)乃至はDRMファイル(2)の複数の有効データオブジェクト(3)のパラメータ(5)を取り囲む括弧又はフレーム及び/又は共通の表示色、表示輝度又は表示構造のようなグラフィカルなコンポーネント(7)によって表示されることを特徴とする、請求項1〜5のうちの1項記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの有効データオブジェクト(3)はDRMフォルダのサブフォルダとして、例えばツリー構造の形式において表示されることを特徴とする、請求項1〜6のうちの1項記載の方法。
【請求項8】
有効データオブジェクト(3)に所属する利用権(6)の管理のアプリケーションは、データ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)のユーザーサーフィス(1)におけるメモリ内容又はメモリ領域の表示のためのアプリケーションに統合されていることを特徴とする、請求項1〜7のうちの1項記載の方法。
【請求項9】
有効データオブジェクト(3)の活性化の際には既存の利用権(6)の検査が実施され、ポジティブな結果の場合には有効データオブジェクト(3)が復号化され、相応のアプリケーションにこの有効データオブジェクト(3)の利用のために転送され、乃至は、ネガティブな結果の場合にはこの有効データオブジェクト(3)の利用が阻止されることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
有効データオブジェクト(3)の更に別の特性パラメータとして、有効データオブジェクト(3)に対する利用権(6)が存在するか否か、及び/又は、どのようなタイプ及び/又はどのような範囲を利用権(6)が有するのかが表示されることを特徴とする、請求項2〜9のうちの1項記載の方法。
【請求項11】
異なるタイプの利用権(6)は相応に異なるグラフィカルな及び/又は文字による表示によって示されることを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜11のうちの1項記載の方法を実施するために設計された少なくとも1つのデータ処理端末(10)及び/又は通信端末(11)を含む遠隔通信装置(9)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−524138(P2007−524138A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500013(P2006−500013)
【出願日】平成16年1月26日(2004.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000625
【国際公開番号】WO2004/097672
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】