説明

データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラム

【課題】 データの複数の部分を同種類の複数の処理でそれぞれ実行すること。
【解決手段】 MFPは、処理対象となるデータを取得するデータ取得部53と、複数の処理実行部のうちから第1処理実行部を選択する第1選択部55と、第1処理実行部に取得されたデータを与え、第1処理結果を取得する第1実行制御部57と、第1処理結果のうちに処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、取得されたデータのうちから失敗部分に対応する選択部分を抽出する抽出部63と、複数の処理実行手段のうちから第2処理実行部を選択する第2選択部65と、選択された第2処理実行部に選択部分を与え、第2処理実行部が出力する第2処理結果を取得する第2実行制御部67と、第1処理結果のうち失敗部分を第2処理結果で置き換える置換部71と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法およびデータ処理プログラムに関し、特に同じ種類の複数のデータ処理を実行可能なデータ処理装置、そのデータ処理装置で実行されるデータ処理方法およびデータ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機(以下「MFP」という)は、原稿を読み取って得られる原稿データに、画像を処理する機能を備えている。また、ネットワークに接続された外部サーバが、画像データを含むデータに処理するサービスを、有料で提供するものがある。外部サーバが提供するサービスは、依頼するデータ量が多ければ料金が高くなることが多い。
【0003】
一方、外部サーバが提供するサービスで実行される処理と、同じ種類の処理を実行する機能をMFPが有する場合、外部サーバが提供するサービスで実行される処理の方が、MFPが有する機能で実行する処理よりも、スペックが高い場合が多い。例えば、画像データ中の文字を認識するOCR(Optical Character Reader)処理で比較すると、MFPが有する機能では認識できない文字を、外部サーバが提供するサービスならば認識できる場合がある。
【0004】
このため、データのうちMFPで処理可能な部分のみをMFPに実行させ、MFPで処理不可能な部分を外部サーバに実行させることにより、データのすべてを外部サーバに実行させる場合よりも、部分的に実行させる場合の方が費用を節約でき、好ましい場合がある。画像データを複数部分に分割し、複数部分に異なるデータ処理を実行する技術が特開2004−104435号公報に記載されている。
【0005】
しかしながら、MFPに処理を実際に実行させなければ処理結果を判断できない場合があり、外部サーバに処理を依頼する部分を決定することが困難であるといった問題がある。
【特許文献1】特開2004−104435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、データの複数の部分を同種類の複数の処理でそれぞれ実行することが可能なデータ処理装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、データ処理装置は、与えられるデータに同種類の処理を実行し、処理結果を出力する複数の処理実行手段と、処理対象となるデータを取得するデータ取得手段と、複数の処理実行手段のうちから第1処理実行手段を選択する第1選択手段と、第1処理実行手段に取得されたデータを与え、第1処理実行手段が出力する第1処理結果を取得する第1実行制御手段と、第1処理結果のうちに第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、取得されたデータのうちから失敗部分に対応する選択部分を抽出する抽出手段と、複数の処理実行手段のうちから第1の処理実行手段とは別の第2処理実行手段を選択する第2選択手段と、選択された第2処理実行手段に選択部分を与え、第2処理実行手段が出力する第2処理結果を取得する第2実行制御手段と、第1処理結果のうち失敗部分を第2処理結果で置き換える置換手段と、を備える。
【0008】
この局面に従えば、同種類の複数の処理のうちから第1処理が選択され、取得されたデータに第1処理を実行した第1処理結果のうちに処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、取得されたデータのうちから失敗部分に対応する選択部分が抽出され、同種類の複数の処理のうちから第1処理とは別の第2処理が選択され、選択部分に第2処理を実行した第2処理結果が取得され、第1処理結果のうち失敗部分が第2処理結果で置き換えられる。このため、第1処理を実行して失敗した部分に第2処理を実行するので、第1処理を第2処理よりも優先して実行するとともに、第1処理で実行不可能な部分を第2処理で実行することにより補間することができる。その結果、データの複数の部分を同種類の複数の処理でそれぞれ実行することが可能なデータ処理装置を提供することができる。
【0009】
好ましくは、第1処理結果のうち失敗部分を失敗部分以外の成功部分と区別して表示する第1処理結果表示手段と、複数の処理実行手段が実行する処理とは別の種類の後段処理を実行する後段処理実行手段と、後段処理実行手段が後段処理を実行した処理条件を記憶する処理条件記憶手段と、第1処理結果のうち成功部分に対して後段処理実行手段に後段処理を実行させる第1後段処理制御手段と、後段処理実行手段が成功部分に対して後段処理を実行した処理条件を記憶する処理条件記憶手段と、第2処理結果に対して記憶された処理条件に従って、後段処理実行手段に後段処理を実行させる第2後段処理制御手段と、を備え、置換手段は、後段処理が実行された後の第1処理結果のうち失敗部分を後段処理が実行された後の第2処理結果で置き換える。
【0010】
この局面に従えば、後段処理が実行された後の第1処理結果のうち失敗部分が後段処理が実行された後の第2処理結果で置き換えられるので、第1処理結果および第2処理結果ともに後段処理が実行される。その結果、データの全体に対して後段処理を実行することができる。
【0011】
好ましくは、取得されたデータに対する処理の状態を記憶する処理状態記憶手段と、失敗部分を選択可能に表示する第1処理結果表示手段を、さらに備え、処理状態記憶手段は、第1処理結果のうちに第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合であって、失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示されない場合は、第1処理結果が出力された後に、処理状態を処理の終了を示す状態に設定し、第1処理結果のうちに第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合であって、失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示される場合は、置換手段による置換が完了するまで、処理状態を処理中を示す状態に設定する。
【0012】
この局面に従えば、第2処理が実行されている間は、処理状態が終了を示す状態に設定されないので、処理状態を正確に管理することできる。その結果、ユーザに正確な処理の状態を通知することができる。
【0013】
好ましくは、ネットワークに接続されたコンピュータと通信可能な通信手段を、さらに備え、複数の処理実行手段のうち1つの内部実行手段は、画像形成装置内部に備えられ、複数の処理実行手段のうち内部実行手段を除く他の1以上の外部実行手段各々は、通信手段に、ネットワークに接続されたコンピュータにデータを送信させ、該コンピュータがデータに対して処理を実行した実行結果を受信させる依頼手段を含む。
【0014】
好ましくは、第1選択手段は、内部実行手段を第1処理実行手段に選択する。
【0015】
好ましくは、複数の処理実行手段のうち1以上は、処理の実行に対して課金する課金手段を含み、第1選択手段は、複数の処理実行手段のうち課金手段を含まない処理実行手段を第1処理実行手段として選択する。
【0016】
この局面に従えば、複数の処理のうち課金されない処理が課金される処理よりも優先して選択されるので、同種の処理を実行する際のコストをできるだけ少なくすることができる。
【0017】
好ましくは、抽出手段は、失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示されることを条件に、データのうちから失敗部分に対応する選択部分を抽出する。
【0018】
好ましくは、失敗部分を選択可能に表示する第1処理結果表示手段を、さらに備える。
【0019】
この発明のさらに他の局面によれば、データ処理方法は、与えられるデータに同種類の処理を実行し、処理結果を出力する複数の処理実行手段を備えたデータ処理装置で実行されるデータ処理方法であって、処理対象となるデータを取得するステップと、複数の処理実行手段のうちから第1処理実行手段を選択する第1選択ステップと、第1処理実行手段に取得されたデータを与え、第1処理実行手段が出力する第1処理結果を取得するステップと、第1処理結果のうちに第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、取得されたデータのうちから失敗部分に対応する選択部分を抽出するステップと、複数の処理実行手段のうちから第1の処理実行手段とは別の第2処理実行手段を選択する第2選択ステップと、選択された第2処理実行手段に選択部分を与え、第2処理実行手段が出力する第2処理結果を取得するステップと、第1処理結果のうち失敗部分を第2処理結果で置き換えるステップと、を含む。
【0020】
この局面に従えば、データの複数の部分を同種類の複数の処理でそれぞれ実行することが可能なデータ処理方法を提供することができる。
【0021】
この発明のさらに他の局面によれば、データ処理プログラムは、与えられるデータに同種類の処理を実行し、処理結果を出力する複数の処理実行手段を備えたデータ処理装置を制御するコンピュータで実行されるデータ処理プログラムであって、処理対象となるデータを取得するステップと、複数の処理実行手段のうちから第1処理実行手段を選択する第1選択ステップと、第1処理実行手段に取得されたデータを与え、第1処理実行手段が出力する第1処理結果を取得するステップと、第1処理結果のうちに第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、取得されたデータのうちから失敗部分に対応する選択部分を抽出するステップと、複数の処理実行手段のうちから第1の処理実行手段とは別の第2処理実行手段を選択する第2選択ステップと、選択された第2処理実行手段に選択部分を与え、第2処理実行手段が出力する第2処理結果を取得するステップと、第1処理結果のうち失敗部分を第2処理結果で置き換えるステップと、をコンピュータに実行させる。
【0022】
この局面に従えば、データの複数の部分を同種類の複数の処理でそれぞれ実行することが可能なデータ処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおけるデータ処理システムの全体概要を示す図である。
【図2】本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】MFPが備えるCPUの機能の一例をEEPROMに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図5】データ処理一覧テーブルの一例を示す図である。
【図6】第1処理結果表示画面の一例を示す図である。
【図7】後段処理指定画面の一例を示す図である。
【図8】選択実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】第2処理選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるデータ処理システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、データ処理システム1は、ネットワーク11にそれぞれ接続された複合機(以下、「MFP」という)100と、サーバ31と、インターネット13に接続されたサーバ31A〜31Eと、を含む。
【0026】
ネットワーク11は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、有線または無線を問わない。またネットワーク11は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、または一般公衆回線を用いたネットワーク等であってもよい。ネットワーク11は、ゲートウェイを介してインターネット13に接続されている。
【0027】
MFP100は、データ処理装置の一例である。サーバ31、31A〜31Eは、一般的なコンピュータであり、それらのハードウエア構成は周知なのでここでは説明を繰り返さない。サーバ31、31A〜31Eは、Webサーバとして機能し、データ処理サービスを提供する。サーバ31、31A〜31Eのうちには、データ処理サービスを有料で提供するものと、無料で提供するものとがある。MFP100は、原稿をスキャンして取得される画像データを、自装置が有する機能に基づいてデータ処理が可能であり、また、サーバ31、31A〜31Eが提供するデータ処理サービスを利用することが可能である。サーバ31、31A〜31Eが提供するデータ処理サービスを利用する場合、MFP100は、原稿をスキャンして取得される画像データを、サーバ31、31A〜31Eのいずれか、例えば、サーバ31に送信し、サーバ31からデータ処理後の画像データを受信する。
【0028】
なお、ここでは、データ処理装置の一例としてMFP100を例に説明するが、ネットワーク11に接続されたパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)等の一般的なコンピュータを、データ処理装置としてもよい。PCにデータ処理プログラムをインストールすることにより、MFP100と同様に、外部から受信される画像データにデータ処理を実行する機能を設けることができ、ブラウジングプログラムをインストールすることにより、MFP100と同様に、サーバ31,31A〜31Eが提供するデータ処理サービスを利用することが可能である。換言すれば、PC21,23を、データ処理装置として機能させることができる。
【0029】
サーバ31,31A〜31Eそれぞれは、データ処理サービスを提供する。具体的には、サーバ31,31A〜31Eは、データ処理プログラムがインストールされており、インターネット13またはネットワーク11に接続された複数のコンピュータのいずれかからデータを受信し、受信したデータにデータ処理を実行して、データ処理を実行した後の処理後データを返信する。データ処理は、入力されるデータに実行される処理であり、例えば、画像中の文字を文字認識(OCR)して文字のデータに変換する文字認識処理、画像データ中の色を変換する色変換処理、画像データの輪郭を強調する輪郭強調処理、データのフォーマットを変換するフォーマット変換処理等を含む。
【0030】
サーバ31,31A〜31Eは、それらに同種のデータ処理プログラムがインストールされているが、スペックが異なる。ここでは、文字認識処理を実行するデータ処理プログラムが、サーバ31、31Aおよび31Bにインストールされており、サーバ31にインストールされているデータ処理プログラムは、日本語の文字認識に対応しているが、英語、韓国語および中国語の文字認識には対応しておらず、サーバ31Aにインストールされているデータ処理プログラムは、日本語および英語の文字認識に対応しているが、韓国語および中国語の文字認識には対応しておらず、サーバ31Bにインストールされているデータ処理プログラムは、日本語、英語、韓国語および中国語の文字認識に対応している。サーバ31、31Aおよび31B各々にインストールされているデータ処理プログラムはスペックが異なる。ここでのスペックは、文字認識することができる言語の種類である。
【0031】
また、サーバ31が提供するデータ処理サービスを利用する場合は無料であるが、サーバ31Aおよび31Bが提供するデータ処理サービスを利用する場合は有料である。さらに、サーバ31Bが提供するデータ処理サービスを利用する料金は、サーバ31Aが提供するデータ処理サービスを利用する料金よりも高い。
【0032】
なお、図1においては1台のMFP100、および6台のサーバ31,31A〜31Eを示しているが、それらの台数を限定するものではなく、1台以上のMFP100と、1台以上のサーバ31がネットワーク11またはインターネット13に接続されていればよい。
【0033】
図2は、本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する静止画像を用紙等に形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザインターフェースとしての操作パネル160と、コインベンダ170と、を含む。
【0034】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、コインベンダ170を制御するコインベンダ通信部118と、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。
【0035】
CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。ROM113は、CPU111が実行するプログラム、およびそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる静止画像を一時的に記憶する。
【0036】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部160Aと操作部160Bとを含む。表示部160Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部160Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部160Bは、表示部160A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0037】
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク11に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してサーバ31との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク11を介してインターネット13に接続されたサーバ31A〜31Eと通信し、データを送受信する。
【0038】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0039】
コインベンダ通信部118は、コインベンダ170と接続され、CPU111がコインベンダ170と通信するための通信インターフェースである。
【0040】
コインベンダ170は、コイン投入口172と返却ボタン173と、表示部171と、コイン返却口174とを含む。コインベンダ170は、コイン投入口172に投入されるコインを受け付け、投入されるコインから残金を算出し、表示部171に残金を表示する。また、コインベンダ170は、残金に応じたデータ処理を、MFP100に許容する。また、コインベンダ170は、残金が残っている段階で、返却ボタン173が押下されると、残金に相当する枚数のコインをコイン返却口174に排出する。
【0041】
なお、本実施の形態においては、サーバ31Aおよび31Bが提供するデータ処理サービスを利用する場合、コインベンダ170によって課金する場合を例に説明するが、課金を管理する課金サーバをネットワーク11に接続し、課金サーバによって課金するようにしてもよい。この場合には、コインベンダ170は不要である。
【0042】
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置119に装表されたCD−ROM119Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク11に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク11に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0043】
なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM119Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
【0044】
図4は、MFPが備えるCPUの機能の一例をEEPROMに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111がROM114、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶されたデータ処理プログラムを実行することにより、実現される。
【0045】
図4を参照して、CPU111は、データ処理を実行するための指示を受け付ける実行指示受付部51と、処理対象となるデータを取得するデータ取得部53と、第1のデータ処理を選択する第1選択部55と、第1のデータ処理を実行する第1実行制御部57と、第1のデータ処理を実行した第1処理結果を表示する第1処理結果表示部59と、データのうちから失敗部分に対応する選択部分を抽出する抽出部63と、第1のデータ処理とは別の第2のデータ処理を選択する第2選択部65と、第2のデータ処理を実行する第2実行制御部67と、後段処理を実行する後段処理実行部69と、第1処理結果のうち失敗部分を第2のデータ処理を実行した第2処理結果で置き換える置換部71と、を含む。
【0046】
実行指示受付部51は、ユーザがデータ処理の実行を指示する操作を操作部160Bに入力すると、実行指示を受け付ける。実行指示は、処理対象となるデータを特定するデータ特定指示と、データ処理の種類を特定する種類特定指示と、を含む。
【0047】
データ特定指示は、スキャン指示と、読出指示を含む。ユーザがスキャン機能を有効にする設定を操作部160Bに入力した後に、操作部160Bが有するスタートキーを押下すれば、スキャン指示を受け付ける。実行指示受付部51は、また、HDD116に記憶されているデータのファイル名の一覧を表示部160Aに表示し、ユーザがファイルを指定する操作を操作部160Bに入力すれば、指定されたファイル名のデータを読み出す読出指示を受け付ける。読出指示は、指定されたファイル名を含む。実行指示受付部51は、スキャン指示を受け付ける場合は、スキャン指示をデータ取得部53に出力し、読出指示を受け付ける場合は、読出指示をデータ取得部53に出力する。
【0048】
また、実行指示受付部51は、データ処理を識別するための種類識別情報の一覧を表示部160Aに表示し、ユーザが種類識別情報を選択する操作を操作部160Bに入力すれば、選択された種類識別情報で識別されるデータ処理の種類を選択する種類特定指示を受け付ける。EEPROM115に、データ処理一覧テーブルを予め記憶しておき、そのデータ処理一覧テーブルに従って、データ処理の種類を識別するための種類識別情報の一覧を表示する。
【0049】
図5は、データ処理一覧テーブルの一例を示す図である。図5を参照して、データ処理一覧テーブルは、種類の項目と、装置の項目と、料金の項目と、スペックの項目と、を含む。データ処理一覧テーブルは、データ処理の種類ごとに、実行可能な装置の装置識別情報と、単価と、能力と、を定義する。種類の項目は、データ処理の種類を識別するための種類識別情報が設定される。データ処理の種類は、ここでは、文字認識処理の種類と、色変換処理の種類と、輪郭強調処理の種類と、フォーマット変換処理の種類と、を含む。文字認識処理の種類識別情報を「文字認識」とし、色変換処理の種類識別情報を「色変換」とし、輪郭協調処理の種類識別情報を「輪郭強調」とし、フォーマット変換処理の種類識別情報を「フォーマット変換」とする。
【0050】
装置の項目は、データ処理プログラムがインストールされた装置の装置識別情報が設定される。ここでは、MFP100の装置識別情報を「MFP」とし、サーバ31、31A〜31Eの装置識別情報をそれぞれ「第1サーバ」、「第2サーバ」、「第3サーバ」、「第4サーバ」、「第5サーバ」および「第6サーバ」としている。料金の項目は、データ処理を実行した場合の単価が設定される。スペックの項目には、データ処理の能力情報が設定される。
【0051】
図5に示すデータ処理一覧テーブルにおいて、種類の項目に種類識別情報「文字認識」が設定された4つのレコードについて説明する。装置の項目に「MFP」が設定されたレコードは、MFP100で文字認識処理を実行する場合に、料金は無料で、日本語を処理する能力があることを示している。装置の項目に「第1サーバ」が設定されたレコードは、サーバ31で文字認識処理を実行する場合に、料金は無料で、日本語を処理する能力があることを示している。装置の項目に「第2サーバ」が設定されたレコードは、サーバ31Aで文字認識処理を実行する場合に、料金は1文字当たり1円で、日本語および英語を処理する能力があることを示している。装置の項目に「第3サーバ」が設定されたレコードは、サーバ31Bで文字認識処理を実行する場合に、料金は1文字当たり2円で、日本語、英語、韓国語および中国語を処理する能力があることを示している。
【0052】
図4に戻って、実行指示受付部51は、ユーザによる種類特定指示を受け付けると、ユーザにより選択された種類識別情報を第1選択部55および第2選択部65に出力する。ここでは、種類特定指示により、ユーザにより種類識別情報「文字認識」が選択される場合を例に説明する。
【0053】
データ取得部53は、実行指示受付部51からスキャン指示が入力される場合、原稿読取部130に原稿を読み取らせ、原稿読取部130が出力する画像データを処理対象とするデータとして取得する。また、データ取得部53は、実行指示受付部51から読出指示が入力される場合、HDD116から読出指示に含まれるファイル名で特定されるデータを読み出し、読み出されたデータを処理対象として取得する。データ取得部53は、取得されたデータを第1実行制御部57および抽出部63に出力する。
【0054】
第1選択部55は、実行指示受付部51からユーザにより選択されたデータ処理の種類の種類識別情報が入力される。ここでは、文字認識処理の種類識別情報「文字認識」が入力される。第1選択部55は、EEPROM115に記憶されたデータ処理一覧テーブルを参照して、種類識別情報「文字認識」の文字認識処理を実行可能な装置のうちから1つを選択する。ここでは、文字認識処理を実行可能な装置は、MFP100と、サーバ31、31Aおよび31Bなので、第1選択部55は、MFP100と、サーバ31、31Aおよび31Bのうちから1つを選択する。選択規則は、予め定めておけばよく、例えば、料金が最も安い装置を選択する。MFP100で文字認識処理を実行する場合は、無料であり、サーバ31が提供するデータ処理サービスを利用する場合は無料である。サーバ31Aおよび31Bが提供するデータ処理サービスを利用する場合は有料である。第1選択部55は、MFP100とサーバ31とで文字認識処理を実行する料金が最も料金が安いので、MFP100とサーバ31のいずれか一方を選択する。MFP100とサーバ31とのいずれを選択するかは任意であり、ここでは、実行指示が入力された装置であるMFP100を選択する場合を例に説明する。
【0055】
第1選択部55は、種類識別情報「文字認識」と、選択した装置を識別するための装置識別情報「MFP」との組を、第1実行制御部57に出力するとともに、選択した装置を識別するための装置識別情報「MFP」を第2選択部65に出力する。実行指示受付部51から入力される種類識別情報と、第1選択部55により選択された装置識別情報とで、第1のデータ処理が特定される。
【0056】
第1実行制御部57は、データ取得部53からデータが入力され、第1選択部55から種類識別情報と装置識別情報との組が入力される。第1実行制御部57は、データ取得部53から入力されるデータに対して、第1のデータ処理を実行する。第1のデータ処理は、種類識別情報と装置識別情報との組によって特定される。具体的には、画像データに対して、装置識別情報「MFP」で特定されるMFP100に、種類識別別情報「文字認識」で特定される文字認識処理を実行させる。第1実行制御部57は、HDD116に記憶された文字認識プログラムをRAM114にロードし、実行する。そして、データを文字認識処理した結果得られるデータを第1処理結果とし、第1処理結果を第1処理結果表示部59および抽出部63に出力する。
【0057】
第1実行制御部57は、第1のデータ処理を実行して得られる第1処理結果のうちにデータ処理に失敗した失敗部分が存在する場合には、その失敗部分の位置情報を、第1処理結果とともに抽出部63および第1処理結果表示部59に出力する。ここでは、第1のデータ処理は、種類識別情報「文字認識」で特定される文字認識処理である。失敗部分は、画像データ中で、文字を認識することができなかった領域である。失敗部分は、文字を含む領域として抽出されなかった領域、文字を含む領域として抽出されたが、文字として特定できなかった文字を含む領域を含む。ここでは、MFP100で実行される文字認識処理の能力は、日本語であり、英語、韓国語および中国語を含まない。このため、文字を含む領域として抽出される領域に、英語、韓国語または中国語の文字を含む場合には、英語、韓国語および中国語の文字情報を有しないために、文字を特定できない。したがって、失敗部分は、文字を含む領域として抽出されたが、文字として特定できなかった文字を含む領域を含む。
【0058】
第1実行制御部57は、第1のデータ処理の実行を開始すると、第1データ処理開始信号をジョブ管理部73に出力し、第1のデータ処理の実行が終了すると、第1データ処理終了をジョブ管理部73に出力する。
【0059】
第1処理結果表示部59は、第1実行制御部57から第1処理結果が入力されることに応じて、表示部160Aに第1処理結果を表示する。第1処理結果を含む第1処理結果表示画面を、表示部160Aに表示する。第1処理結果表示部59は、第1実行制御部57から失敗部分の位置情報が入力されるので、第1処理結果のうち失敗部分を選択可能に表示する。また、第1処理結果表示部59は、失敗部分を選択しやすいように、失敗部分を失敗部分以外の成功部分と区別して表示する。例えば、失敗部分の背景の色を、成功部分の背景の色と異ならせて表示する。第1処理結果表示部59は、失敗部分が複数存在する場合には、複数の失敗部分をそれぞれ選択可能に表示する。
【0060】
選択指示受付部61は、表示部160Aに表示された第1処理結果に失敗部分が含まれる場合、失敗部分の選択を受け付ける。ユーザが操作部160Bに入力する操作に従って、失敗部分の選択を受け付ける。第1処理結果が複数の失敗部分を含む場合、複数の失敗部分の1以上を受け付ける。選択指示受付部61は、選択された失敗部分の位置情報を抽出部63に出力する。失敗部分の位置情報は、失敗部分を矩形として、画像データ中で失敗部分の対向する2つの頂点の座標で表すことができる。複数の失敗部分が選択される場合、複数の失敗部分各々の位置情報を抽出部63に出力する。選択指示受付部61は、第1処理結果に失敗部分が含まれる場合であって、ユーザにより失敗部分が選択されない場合、ユーザにより選択されないことを示す不選択信号を抽出部63に出力する。
【0061】
抽出部63は、第1実行制御部57から第1処理結果が入力され、データ取得部53から処理対象となっているデータが入力され、選択指示受付部61から失敗部分の位置情報または不選択信号が入力される。抽出部63は、選択指示受付部61から失敗部分の位置情報が入力される場合、データ取得部53から入力される画像データのうち失敗部分の位置情報で特定される部分を選択部分として抽出する。抽出部63は、複数の失敗部分の位置情報が入力される場合、画像データのうち複数の失敗部分の位置情報でそれぞれ特定される複数の選択部分を抽出する。抽出部63は、選択部分と失敗部分の位置情報との組を第2実行制御部67に出力するとともに、第1処理結果を後段処理実行部69に出力する。
【0062】
抽出部63は、選択指示受付部61から不選択信号が入力される場合、第2実行制御部67に、実行禁止信号を出力するとともに、第1処理結果を後段処理実行部69に出力する。
【0063】
第2選択部65は、実行指示受付部51からユーザにより選択されたデータ処理の処理機別情報「文字認識」が入力され、第1選択部55から装置識別情報「MFP」が入力される。第2選択部65は、EEPROM115に記憶されたデータ処理一覧テーブルを参照して、文字認識処理を実行可能な装置であって、第1選択部55において選択された装置識別情報で特定される装置以外の装置のうちから1つを選択する。実行指示受付部51から入力される種類識別情報と、第2選択部65により選択された装置識別情報とで、第2のデータ処理が特定される。ここでは、文字認識処理を実行可能な装置は、MFP100と、サーバ31、31Aおよび31Bであり、第1選択部55より装置識別情報「MFP」で特定されるMFP100が選択されたので、第2選択部65は、第1選択部55により選択された装置が実行するデータ処理よりも能力の優れたデータ処理を実行可能な装置を選択する。MFP100で文字認識処理を実行可能な言語は、「日本語」なので、それよりも多くの言語の文字認識処理を実行可能な装置は、装置識別情報「第2サーバ」のサーバ31Aと、装置識別情報「第3サーバ」のサーバ31Bと、である。装置識別情報「第2サーバ」のサーバ31Aと、装置識別情報「第3サーバ」のサーバ31Bと、のいずれを選択するかは、任意に選択するようにしてもよいし、能力の高い装置識別情報「第3サーバ」のサーバ31Bを選択するようにしてもよいし、装置識別情報「第2サーバ」のサーバ31Aと、装置識別情報「第3サーバ」のサーバ31Bのうちからユーザが選択するようにしてもよい。ここでは、能力の高い装置識別情報「第3サーバ」のサーバ31Bを選択する場合を例に説明する。第2選択部65は、種類識別情報「文字認識」と、選択した装置を識別するための装置識別情報「第3サーバ」との組を、第2実行制御部57に出力する。
【0064】
第2実行制御部67は、抽出部63から選択部分と失敗部分の位置情報との組、または実行禁止信号のいずれかが入力され、第2選択部65から種類識別情報と装置識別情報との組が入力される。第2選択部65から入力される種類識別情報と装置識別情報との組によって第2のデータ処理が特定される。第2実行制御部67は、抽出部63から選択部分と失敗部分の位置情報との組が入力される場合、選択部分に対して、第2のデータ処理を実行する。具体的には、選択部分に対して、装置識別情報「第3サーバ」で特定されるサーバ31Bに、処理識別別情報「文字認識」で特定される文字認識処理を実行させる。より具体的には、選択部分と文字認識処理の実行を指示するコマンドとを、通信I/F112を介してサーバ31Bに送信し、サーバ31Bが返信する実行結果を通信I/F112が受信すると、受信された実行結果を第2実行結果として取得する。第2実行制御部67は、第2実行結果と失敗部分の位置情報との組を後段処理実行部69に出力する。
【0065】
第2実行制御部67は、抽出部63から選択部分と失敗部分の位置情報との組が複数入力される場合、複数の選択部分を合成した合成データと文字認識処理の実行を指示するコマンドとを、通信I/F112を介してサーバ31に送信し、通信I/F112がサーバ31が返信する実行結果を受信すると、受信された実行結果を第2実行結果として受信する。第2実行制御部67は、第2実行結果は、合成データに対して文字認識処理した結果なので、第2実行結果を、複数の選択部分に対応する複数の部分に分割し、分割された複数の部分各々を対応する失敗部分の位置情報と組にして、後段処理実行部69に出力する。
【0066】
第2実行制御部67は、第2のデータ処理の実行を開始すると、第2データ処理開始信号をジョブ管理部73に出力し、第2のデータ処理の実行が終了すると、第2データ処理終了をジョブ管理部73に出力する。第2のデータ処理の実行の開始は、サーバ31への選択部分とコマンドとの送信であり、第2のデータ処理の実行の終了は、サーバ31から実行結果の受信である。
【0067】
第2実行制御部67は、抽出部63から実行禁止信号が入力される場合、第2データ処理を実行することなく、ジョブ管理部73に実行禁止信号を出力し、後段処理実行部69に何も出力しない。
【0068】
後段処理実行部69は、抽出部63から第1処理結果が入力された段階で、実行指示受付部51により受け付けられた種類特定指示で特定される種類とは別の種類のデータ処理である後段処理を第1処理結果に対して実行する。抽出部63から第1処理結果が入力された段階で、第1処理結果表示部59により第1処理結果が表示部160Aに表示されている。後段処理実行部69は、表示部160Aに第1処理結果を含む後段処理指示画面を表示し、第1処理結果を見るユーザが、後段処理指示画面に従って操作部160Bに入力する操作を受け付け、後段処理を実行する。後段処理は、例えば、第1処理結果の書式を変更する処理である。ここでは、データ処理特定指示で特定されるデータ処理の種類は、文字認識処理であった。第1処理結果は、文字データが表示されているので、ユーザが、文字のサイズ、フォント、文字数、行数等の書式を変更する操作を操作部160Bに入力すれば、入力された操作に従って、書式を変更する。後段処理実行部69は、後段処理を実行した後の第1処理結果を置換部71に出力するとともに、後段処理の処理条件を含む履歴情報としてEEPROM115に記憶する。後段処理の履歴情報に含まれる処理条件は、具体的には変更後の書式である。
【0069】
さらに、後段処理実行部69は、第2実行制御部67から第2実行結果と失敗部分の位置情報との組が入力されると、EEPROM115に記憶された履歴情報を読み出し、第2処理結果に対して、履歴情報に従って後段処理を実行する。ここでは、後段処理を書式を変更する処理としているので、第1処理結果に対して実行したのと同じ書式に、第2処理結果の書式を変更する。後段処理実行部69は、後段処理を実行した後の第2実行結果と失敗部分の位置情報との組を置換部71に出力する。これにより、第2処理結果の書式は、第1処理結果の書式と同じになる。
【0070】
置換部71は、後段処理実行部69から後段処理後の第1処理結果と、後段処理後の第2処理結果と失敗部分の位置情報との組が入力される。置換部71は、後段処理後の第1処理結果のうちから失敗部分を、失敗部分の位置情報に基づき特定し、失敗部分を後段処理後の第2処理結果で置き換える。置換部71は、第1処理結果の失敗部分を第2処理結果で置き換えたデータを、HDD116に所定のファイル名を付与して記憶する。なお、データの出力は、ユーザが指定するようにしてもよい。例えば、画像形成部140で用紙に画像形成してもよいし、電子メールに添付して送信するようにしてもよい。データの出力先は、実行指示受付部51がユーザから受け付けた指示により定まる。
【0071】
置換部71は、第1処理結果の失敗部分を第2処理結果で置き換えが終了すると、置換終了信号を、ジョブ管理部73に出力する。
【0072】
ここで、ユーザインターフェースについて説明する。図6は、第1処理結果表示画面の一例を示す図である。図6を参照して、第1処理結果表示画面201は、メッセージを表示する領域203と、第1処理結果を表示する領域205と、第2処理の内容を表示する領域207と、操作を入力する領域211、213、215、217と、を含む。領域203は、「OCR処理が完了し、失敗箇所が見つかりました。確認してください」のメッセージを含む。領域205には、第1処理結果が表示される。領域221,223は、失敗部分であり、ハッチングで、背景が赤色で表示されていることを示している。領域205のうち領域221,223以外の領域は、成功部分であり、背景が白色で表示される。失敗部分を示す領域221,223のうち領域223は、二重線で囲われており、選択された状態であることが示される。ユーザが領域223を、ダブルタッチすることで、選択された状態に切り換わる。領域221は、選択された状態ではないが、ユーザが領域221をダブルタッチすることで、選択された状態に切り換えることができる。
【0073】
領域207は、第2処理の内容が表示される。ここでは、種類識別情報「文字認識」と、装置識別情報「第3サーバ」との組で特定される第2処理が選択されるので、第2処理の内容として、第3サーバを管理する会社名「○×社」と、サービス名「OCRサービス」と、依頼先のURL(Uniform Resource Locator)と、能力情報として対応言語「日本語、英語、韓国語、中国語」を含む。
【0074】
領域211は「サービスに依頼」の文字が表されており、第2処理を実行するコマンドが割り当てられている。ユーザが領域211を指示すれば、領域205において選択された失敗部分223に対応する選択部分が、装置識別情報「第3サーバ」であるサーバ31Bに送信される。
【0075】
領域213は「選択エリア解除」の文字が表されており、領域205において選択された失敗部分223の選択を解除するコマンドが割り当てられている。ユーザが領域213を指示すれば、領域205において選択された失敗部分223の選択状態が解除される。
【0076】
領域215は「全て解除」の文字が表されており、領域205において選択された失敗部分223を含むすべての失敗部分の選択を解除するコマンドが割り当てられている。ユーザが領域215を指示すれば、領域205において選択された全ての失敗部分の選択状態が解除される。
【0077】
領域217は「設定終了」の文字が表されており、領域205に表示された失敗部分221,223に対して第2処理を実行しないコマンドが割り当てられている。ユーザが領域217を指示すれば、第2処理が実行されることなく、第1処理結果が出力される。
【0078】
図7は、後段処理指定画面の一例を示す図である。後段処理指定画面は、図6に示した第1処理結果表示画面の領域211が指示された後に表示される画面であり、第1処理結果の成功部分に後段処理の条件として書式を入力する画面である。図7を参照して、後段処理指定画面231は、メッセージを表示する領域203と、第1処理結果を表示する領域205と、後段処理条件を指定する領域233と、操作を入力する領域235、237と、を含む。領域203には、「文字情報を変更できます」のメッセージを含む。領域205には、図6に示した第1処理結果表示画面201の領域205と同じ情報が表示される。領域233には、後段処理の条件として書式を入力するための領域であり、文字サイズ、文字間隔、文字フォントを、指定することができる。領域235は「OK」の文字が表されており、領域233において指定された後段処理の処理条件で、後段処理を実行させるコマンドが割り当てられている。ユーザが領域235を指示すれば、第1処理結果の成功部分の書式を領域233において指定された書式に変更する後段処理が実行される。領域237は「Cancel」の文字が表されており、後段処理を実行しないコマンドが割り当てられている。ユーザが領域237を指示すれば、第1処理結果の成功部分に後段処理が実行されない。
【0079】
図8は、選択実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。選択実行処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM114、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶されたデータ処理プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、実行指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ユーザが操作部160Bに実行指示を入力したか否かを判断する。実行指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、実行指示を受け付けたならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。実行指示は、処理対象となるデータを特定するデータ特定指示と、データ処理の種類を特定する種類特定指示とを含む。ユーザがスキャン指示または読出指示を入力すれば、データ特定指示を受け付け、EEPROM115に、記憶されたデータ処理一覧テーブルに従って、データ処理の種類を識別するための種類識別情報の一覧を表示し、ユーザが種類識別情報を選択すれば種類特定指示を受け付ける。
【0080】
ステップS02においては、ジョブの状態を実行中状態に設定する。次のステップS03においては、データを取得する。ステップS01において受け付けられたデータ特定指示がスキャン指示ならば、原稿読取部130に原稿を読み取らせ、原稿読取部130が出力する画像データを処理対象としてのデータとして取得し、データ特定指示が読出指示ならば、HDD116から読出指示に含まれるファイル名で特定されるデータを読み出し、読み出されたデータを取得する。
【0081】
ステップS04においては、第1処理を選択し、処理をステップS05に進める。EEPROM115に記憶されたデータ処理一覧テーブルを参照して、ステップS01において受け付けられた種類特定指示に含まれる種類識別情報「文字認識」で特定される文字認識処理を実行可能な装置のうちから1つを選択する。ここでは、選択規則を、料金が最も安い装置としている。EEPROM115に記憶されたデータ処理一覧テーブルにおいて、文字認識処理を実行可能な装置は、MFP100と、サーバ31、31Aおよび31Bであり、料金の最も安い装置識別情報「MFP」および「第1サーバ」のいずれか一方の装置を選択する。装置識別情報「MFP」および「第1サーバ」のいずれを選択してもよく、ここでは、データが取得された「MFP」を選択する場合を例に説明する。これにより、種類識別情報「文字認識」と、装置識別情報「MFP」とで特定される第1処理を選択する。
【0082】
ステップS05においては、第1処理を実行する。具体的には、ステップS03において取得された画像データに対して、第1処理を実行する。第1処理は、装置識別情報「MFP」で特定されるMFP100によって実行され、種類識別情報「文字認識」で特定される文字認識処理である。このため、CPU111は、文字認識プログラムをEEPROM115から読み出し、ステップS03において取得されたデータに対して文字認識処理を実行する。
【0083】
次のステップS06において、第1処理を実行した第1処理結果を取得する。そして、第1処理結果を、表示部160Aに表示する(ステップS07)。第1処理結果は、第1処理を実行した結果が失敗を示す失敗部分を含む場合がある。ステップS07においては、第1処理結果が少なくとも1つの失敗部分を含む場合、失敗部分を選択可能な状態で、かつ、成功部分特別した状態で、第1処理結果を表示部160Aに表示する。ここでは、失敗部分の背景の色を赤色で、成功部分の背景の色を白色で表示する。
【0084】
次のステップS08においては、ユーザにより失敗部分が選択されたか否かを判断する。失敗部分が選択されたならば処理をステップS09に進め、そうでなければステップS09をスキップして、処理をステップS10に進める。
【0085】
ステップS09においては、ステップS03において取得されたデータから、ステップS09においてユーザにより選択された失敗部分に対応する部分を選択部分として抽出する。次のステップS10においては、選択終了指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが操作部160Bに選択終了指示が予め割り当てられたキーを押下することにより、選択終了指示を受け付ける。選択終了指示を受け付けたならば処理をステップS11に進めるが、そうでなければ処理をステップS08に進める。したがって、第1処理結果に複数の失敗部分が存在する場合には、1以上の失敗部分を選択することが可能である。
【0086】
ステップS11においては、1以上の失敗部分が選択されたか否かを判断する。1以上の失敗部分が選択されたならば、処理をステップS12に進めるが、選択部分が1つも選択されなければ処理をステップS23に進める。ステップS12においては、抽出された選択部分が複数か否かを判断する。複数の選択部分が抽出されたならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければステップS13をスキップして処理をステップS14に進める。ステップS13においては、複数の選択部分を合成することによって1つのデータとし、処理をステップS14に進める。
【0087】
ステップS14においては、第2処理選択処理を実行し、処理をステップS15に進める。第2処理選択処理の詳細は後述するが、第1処理とは異なる第2処理を選択する処理である。第2処理は、データ処理の種類と、実行する装置の装置識別情報で特定され、データ処理の種類が、ステップS01において受け付けられた実行指示に含まれる種類特定指示で特定され、装置識別情報が第1処理の装置識別情報と異なる。ここでは、処理実行指示に含まれる種類特定指示で特定されるデータ処理の種類は「文字認識」であり、第2処理として、データ処理の種類「文字認識」、装置識別情報「3サーバ」が選択される場合を例に説明する。
【0088】
ステップS15においては、ステップS14において選択された第2処理の実行を開始し、処理をステップS16に進める。具体的には、ステップS09において抽出された選択部分が1つの場合はその選択部分を、ステップS09において抽出された選択部分が複数の場合にはステップS13において合成された1つのデータに対して、第2処理の実行を開始する。ここでは、ステップS14において第2処理として、装置識別情報「第3サーバ」で特定されるサーバ31Bによって実行され、種類識別情報「文字認識」で特定される文字認識処理とした。このため、選択部分と文字認識処理の実行を指示するコマンドとを、通信I/F112を介してサーバ31Bに送信する。これにより、サーバ31による第2処理が実行され、後述するステップS19において、サーバ31が返信する実行結果を通信I/F112が受信すると、受信された実行結果を第2実行結果として取得する。
【0089】
次のステップS16においては、第1処理結果のうち成功部分に後段処理を実行する指示が受け付けられたか否かを判断する。後段処理は、ステップS01において受け付けられた実行指示に含まれる種類特定指示で特定されるデータ処理の種類とは異なる種類の処理である。ここでは、後段処理を、書式を変更する書式変更処理としている。次のステップS17においては、後段処理を実行する。そして、後段処理を実行した処理条件を含む履歴情報をEEPROM115に記憶し(ステップS18)、処理をステップS19に進める。履歴情報は、処理条件として変更後の書式を含む。
【0090】
ステップS19においては、第2処理結果を取得したか否かを判断する。第2処理結果を取得するまで待機状態となり(ステップS19でNO)、第2処理結果を取得したならば(ステップS19でYES)、処理をステップS20に進める。ステップS20においては、後段処理が実行されたが否かを判断する。ステップS17において、第1処理結果の成功部分に対して後段処理が実行されたか否かを判断する。後段処理が実行されたならば、処理をステップS21に進めるが、そうでなければステップS21をスキップして処理をステップS22に処理に進める。
【0091】
ステップS21においては、ステップS19において取得された第2処理結果に対して後段処理を実行する。この際に、ステップS18においてEEPROM115に記憶された履歴情報に基づいて、ステップS17において成功部分に後段処理を実行した処理条件と同じ処理条件で、第2処理結果に後段処理を実行する。ここでは、ステップS17において実行する後段処理を書式変更処理としているので、第1処理結果の成功部分の書式と、第2処理結果の書式とを同じにすることができる。
【0092】
次のステップS22においては、第1処理結果の失敗部分を第2処理結果で置き換える。ステップS08において複数の失敗部分が選択される場合には、第2処理結果は複数の失敗部分にそれぞれ対応する複数の部分を含む。複数の失敗部分に対応する第2処理結果中の部分を、第1処理結果中の失敗部分の位置情報に基づいて特定するようにする。
【0093】
次のステップS23においては、処理結果を出力する。ステップS08において1以上の失敗部分が選択される場合には、第1処理結果の失敗部分を第2処理結果宛置き換えた処理結果が出力され、ステップS08において失敗部分が選択されない場合には、第1処理結果が処理結果として出力される。出力方法は、ステップS01において受け付けられる実行指示により特定される。例えば、画像形成部140に処理結果の画像を形成させる。また、処理結果を含む電子メールを生成し、通信I/F部112から電子メールを送信するようにしてもよい。さらに、HDD116に処理結果を記憶するようにしても良い。次のステップS24においては、ジョブの状態を終了状態に設定し、処理を終了する。
【0094】
図9は、第2処理選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2処理選択処理は、図8のステップS14において実行される処理である。図9を参照して、CPU111は、第1処理の能力情報を取得する(ステップS31)。第1処理は、データ処理の種類は「文字認識」であり、装置識別情報「MFP」であった。CPU111は、EEPROM115に記憶されているデータ処理一覧テーブルを参照し、「種類」の項目に「文字認識」が設定され、「装置」の項目に「MFP」が設定されているレコードを特定し、特定されたレコードの「スペック」の項目に設定されている能力情報を取得する。ここでは、「スペック」の項目に文字認識可能な言語が設定されており、第1処理の能力情報は、「日本語」である。
【0095】
次のステップS32においては、第1処理とは異なる処理を候補処理として選択する。第1処理とは、データ処理の種類が同じ処理であって、実行される装置の異なる処理を候補処理として選択する。具体的には、EEPROM115に記憶されているデータ処理一覧テーブルを参照し、ステップS31で特定されたレコードと種類の項目に設定されている種類識別情報が同じレコードであって、装置の項目に設定されている装置識別情報が異なる別のレコードを選択することにより候補処理を選択する。
【0096】
次のステップS33においては、候補処理の能力が第1処理の能力よりも優れているか否かを判断する。ステップS31において取得された能力情報と、ステップS32において選択されたレコードの「スペック」の項目に設定されている能力情報を比較する。候補処理の能力が第1処理の能力よりも優れているならば処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS32に戻す。ステップS34においては、候補処理を第2処理に設定し、処理を選択実行処理に戻す。すなわち、データ処理一覧テーブルに含まれる複数のレコードを順に選択することにより、候補処理を順に選択するが、第1処理の能力よりも優れている能力の候補処理が選択されるまで候補処理の選択を繰り返す。
【0097】
なお、第1処理の能力よりも優れている能力の候補処理が複数選択される場合には、複数の候補処理のうちから任意に選択された候補処理を第2処理に設定するようにしてもよい。
【0098】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、EEPROM115に記憶されたデータ処理一覧テーブルを参照して、実行指示により指示された種類特定指示で特定される種類の複数の処理のうちから第1処理を選択し、取得されたデータに第1処理を実行した第1処理結果を取得する。例えば、種類特定指示により文字認識処理が特定される場合、料金の最も安い処理であって、自装置で実行される処理を第1処理として選択し、データに文字認識処理を実行する。そして、MFP100は、第1処理結果のうちに処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、取得されたデータのうちから失敗部分に対応する選択部分を抽出し、第1処理とは別の文字認識処理の種類の第2処理を選択し、サーバ31Bに文字認識処理の実行を依頼し、第2処理結果を取得する。さらに、第1処理結果のうち失敗部分を第2処理結果で置き換える。このため、第1処理を実行して失敗した部分に第2処理を実行するので、第1処理を第2処理よりも優先して実行するとともに、第1処理で実行不可能な部分を第2処理で実行することにより補間することができる。その結果、データの複数の部分を同種類の複数の処理でそれぞれ実行することができる。また、第1処理に料金の安い処理を優先して選択するので、データ処理のコストでできるだけ少なくすることができる。さらに、第1処理で文字認識できなかった失敗部分のみを、サーバ31Bに文字認識させるので、サーバ31Bに依頼する処理量を少なくして、コストを少なくすることができる。
【0099】
また、第1処理結果の成功部分に、文字認識処理とは種類の異なる後段処理を実行した場合、例えば、書式変更処理を後段処理として実行した場合、第2処理結果に、第1処理結果に後段処理を実行した処理条件と、同じ処理条件で後段処理を実行するので、データ全体に同じ処理条件で後段処理を実行することができる。
【0100】
また、第1処理の実行が終了した場合であっても、第2処理が実行される場合は、第2処理が実行されている間は、処理状態が終了を示す状態に設定されない。このため、処理状態を正確に管理することできる。その結果、ユーザに正確な処理の状態を通知することができる。
【0101】
なお、上述した実施の形態においては、データ処理装置の一例としてMFP100を例に説明したが、図8および図9に示した選択実行処理をMFP100に実行させるデータ処理方法、または、そのデータ処理方法をMFP100を制御するCPU111に実行させるためのデータ処理プログラムとして、発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0102】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0103】
<付記>
(1)前記抽出するステップは、前記失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示されることを条件に、前記データのうちから前記失敗部分に対応する選択部分を抽出するステップを含む、請求項9に記載のデータ処理方法。
(2) 前記失敗部分を選択可能に表示するステップを、さらに含む、(1)に記載のデータ処理方法。
(3) 前記データ処理装置は、前記複数の処理実行手段が実行する処理とは別の種類の後段処理を実行する後段処理実行手段を、さらに備え、
前記第1処理結果のうち前記失敗部分を前記失敗部分以外の成功部分と区別して表示するステップと、
前記後段処理実行手段が前記後段処理を実行した処理条件を記憶するステップと、
前記第1処理結果のうち成功部分に対して前記後段処理実行手段に前記後段処理を実行させるステップと、
前記後段処理実行手段が前記成功部分に対して前記後段処理を実行した処理条件を記憶するステップと、
前記第2処理結果に対して前記記憶された処理条件に従って、前記後段処理実行手段に前記後段処理を実行させるステップと、を含み、
前記置換するステップは、前記後段処理が実行された後の前記第1処理結果のうち前記失敗部分を前記後段処理が実行された後の前記第2処理結果で置き換えるステップを含む、請求項9、(1)および(2)のいずれかに記載のデータ処理方法。
(4) 前記取得されたデータに対する処理の状態を記憶するステップと、
前記失敗部分を選択可能に表示するステップと、をさらに含み、
前記処理状態を記憶するステップは、前記第1処理結果のうちに前記第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合であって、前記失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示されない場合は、前記第1処理結果が出力された後に、処理状態を処理の終了を示す状態に設定するステップと、
前記第1処理結果のうちに前記第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合であって、前記失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示される場合は、前記置換するステップにおいて置換が完了するまで、処理状態を処理中を示す状態に設定するステップと、を含む、請求項9、(1)〜(3)のいずれかに記載のデータ処理方法。
(5) 前記データ処理装置は、ネットワークに接続されたコンピュータと通信可能な通信手段を、さらに備え、
前記複数の処理実行手段のうち1つの内部実行手段は、前記画像形成方法内部に備えられ、
前記複数の処理実行手段のうち前記内部実行手段を除く他の1以上の外部実行手段各々は、前記通信手段に、前記ネットワークに接続されたコンピュータにデータを送信させ、該コンピュータが前記データに対して処理を実行した実行結果を受信させる依頼手段を含む、請求項9、(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成方法。
(6) 前記第1選択ステップは、前記内部実行手段を前記第1処理実行手段に選択するステップを含む、(5)に記載のデータ処理方法。
(7) 前記複数の処理実行手段のうち1以上は、処理の実行に対して課金する課金手段を含み、
前記第1選択ステップは、前記複数の処理実行手段のうち前記課金手段を含まない処理実行手段を前記第1処理実行手段として選択するステップを含む、請求項9、(1)〜(6)のいずれかに記載のデータ処理方法。
【符号の説明】
【0104】
1 データ処理システム、11 ネットワーク、13 インターネット、31,31A〜31E サーバ、51 実行指示受付部、53 データ取得部、55 選択部、57 実行制御部、59 処理結果表示部、61 選択指示受付部、63 抽出部、65 選択部、67 実行制御部、69 後段処理実行部、71 置換部、73 ジョブ管理部、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 EEPROM、116 HDD、117 ファクシミリ部、118 コインベンダ通信部、119 外部記憶装置、119A CD−ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、160A 表示部、160B 操作部、170 コインベンダ、171 表示部、172 コイン投入口、173 返却ボタン、174 コイン返却口。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
与えられるデータに同種類の処理を実行し、処理結果を出力する複数の処理実行手段と、
処理対象となるデータを取得するデータ取得手段と、
前記複数の処理実行手段のうちから第1処理実行手段を選択する第1選択手段と、
前記第1処理実行手段に前記取得されたデータを与え、前記第1処理実行手段が出力する第1処理結果を取得する第1実行制御手段と、
前記第1処理結果のうちに前記第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、前記取得されたデータのうちから前記失敗部分に対応する選択部分を抽出する抽出手段と、
前記複数の処理実行手段のうちから前記第1処理実行手段とは別の第2処理実行手段を選択する第2選択手段と、
前記選択された第2処理実行手段に前記選択部分を与え、前記第2処理実行手段が出力する第2処理結果を取得する第2実行制御手段と、
前記第1処理結果のうち前記失敗部分を前記第2処理結果で置き換える置換手段と、を備えたデータ処理装置。
【請求項2】
前記第1処理結果のうち前記失敗部分を前記失敗部分以外の成功部分と区別して表示する第1処理結果表示手段と、
前記複数の処理実行手段が実行する処理とは別の種類の後段処理を実行する後段処理実行手段と、
前記後段処理実行手段が前記後段処理を実行した処理条件を記憶する処理条件記憶手段と、
前記第1処理結果のうち成功部分に対して前記後段処理実行手段に前記後段処理を実行させる第1後段処理制御手段と、
前記後段処理実行手段が前記成功部分に対して前記後段処理を実行した処理条件を記憶する処理条件記憶手段と、
前記第2処理結果に対して前記記憶された処理条件に従って、前記後段処理実行手段に前記後段処理を実行させる第2後段処理制御手段と、を備え、
前記置換手段は、前記後段処理が実行された後の前記第1処理結果のうち前記失敗部分を前記後段処理が実行された後の前記第2処理結果で置き換える、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記取得されたデータに対する処理の状態を記憶する処理状態記憶手段と、
前記失敗部分を選択可能に表示する第1処理結果表示手段を、さらに備え、
前記処理状態記憶手段は、前記第1処理結果のうちに前記第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合であって、前記失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示されない場合は、前記第1処理結果が出力された後に、処理状態を処理の終了を示す状態に設定し、前記第1処理結果のうちに前記第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合であって、前記失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示される場合は、前記置換手段による置換が完了するまで、処理状態を処理中を示す状態に設定する、請求項1または2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
ネットワークに接続されたコンピュータと通信可能な通信手段を、さらに備え、
前記複数の処理実行手段のうち1つの内部実行手段は、前記画像形成装置内部に備えられ、
前記複数の処理実行手段のうち前記内部実行手段を除く他の1以上の外部実行手段各々は、前記通信手段に、前記ネットワークに接続されたコンピュータにデータを送信させ、該コンピュータが前記データに対して処理を実行した実行結果を受信させる依頼手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1選択手段は、前記内部実行手段を前記第1処理実行手段に選択する、請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記複数の処理実行手段のうち1以上は、処理の実行に対して課金する課金手段を含み、
前記第1選択手段は、前記複数の処理実行手段のうち前記課金手段を含まない処理実行手段を前記第1処理実行手段として選択する、請求項1〜5のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記抽出手段は、前記失敗部分に対する処理の実行がユーザにより指示されることを条件に、前記データのうちから前記失敗部分に対応する選択部分を抽出する、請求項1〜6のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記失敗部分を選択可能に表示する第1処理結果表示手段を、さらに備えた、請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
与えられるデータに同種類の処理を実行し、処理結果を出力する複数の処理実行手段を備えたデータ処理装置で実行されるデータ処理方法であって、
処理対象となるデータを取得するステップと、
前記複数の処理実行手段のうちから第1処理実行手段を選択する第1選択ステップと、
前記第1処理実行手段に前記取得されたデータを与え、前記第1処理実行手段が出力する第1処理結果を取得するステップと、
前記第1処理結果のうちに前記第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、前記取得されたデータのうちから前記失敗部分に対応する選択部分を抽出するステップと、
前記複数の処理実行手段のうちから前記第1処理実行手段とは別の第2処理実行手段を選択する第2選択ステップと、
前記選択された第2処理実行手段に前記選択部分を与え、前記第2処理実行手段が出力する第2処理結果を取得するステップと、
前記第1処理結果のうち前記失敗部分を前記第2処理結果で置き換えるステップと、を含むデータ処理方法。
【請求項10】
与えられるデータに同種類の処理を実行し、処理結果を出力する複数の処理実行手段を備えたデータ処理装置を制御するコンピュータで実行されるデータ処理プログラムであって、
処理対象となるデータを取得するステップと、
前記複数の処理実行手段のうちから第1処理実行手段を選択する第1選択ステップと、
前記第1処理実行手段に前記取得されたデータを与え、前記第1処理実行手段が出力する第1処理結果を取得するステップと、
前記第1処理結果のうちに前記第1処理実行手段が処理の実行に失敗した失敗部分が存在する場合、前記取得されたデータのうちから前記失敗部分に対応する選択部分を抽出するステップと、
前記複数の処理実行手段のうちから前記第1処理実行手段とは別の第2処理実行手段を選択する第2選択ステップと、
前記選択された第2処理実行手段に前記選択部分を与え、前記第2処理実行手段が出力する第2処理結果を取得するステップと、
前記第1処理結果のうち前記失敗部分を前記第2処理結果で置き換えるステップと、を前記コンピュータに実行させるデータ処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−199777(P2012−199777A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62614(P2011−62614)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】