説明

データ受信システムおよびデータ受信方法

【課題】プッシュ釦式電話端末からの信号をネットワークを介して受信するデータ受信装置により、プッシュ釦の操作と音声との組み合わせにより簡易な取扱いでデータ取得ができるデータ受信システムおよびデータ受信方法を得ること。
【解決手段】データ受信システム20は、プッシュ釦式電話端末13から送信されるプッシュ釦13aの操作に基づく音データsを受信するデータ受信装置12を備えたデータ受信システム11であって、データ受信装置12は、CTI15aを有するCPU15および表示装置16を備え、プッシュ釦式電話端末13のプッシュ釦13aの音データsを受信することにより、CTIによる音−文字変換機能により音データsを文字データrに変換して表示装置16に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プッシュ釦式電話端末を利用して統計調査等の多数のデータを集計して情報を作成するに適するデータ受信システムおよびデータ受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のデータ受信システムにあっては、特定の情報を得るために、例えば一般的アンケート調査に基づく情報を得るにあたって、先ずアンケート用紙等を通信回線を介してファックス送信を行い、回答は同様に通信回線を介して行なう簡易な方式が実用化されている。
【0003】
また、コールセンタCTI(Computer Telephony Integration)といわれるPCを利用してインターネット等の情報ネットワークに連結することにより、PC(パソコン)の画面を見ながら同じ回線により双方向に音声会話により行なっているのが通常である。
【0004】
前者の通信回線等の回線を利用するものとして、新聞・雑誌の閲覧調査等の多数の者を対象とした調査を実施できるようにしたデータ受信システムが開発されている。このデータ受信システムとして、以下の(特許文献1)に示されるようなものがある。
【0005】
このデータ受信システムを、図6を参照して説明する。図6は、従来のデータ受信システムの概要を示す構成図である。
【0006】
調査システム1は、複数の送信者側である調査対象者宅側Xと、この複数の調査対象者側Xから得られたデータを集計して特定の情報を得ることができる受信システム側であるセンタ側Yとの間で交換網(通信網)Zを介して交信することができるようにしたデータ受信システムである。
【0007】
調査対象者側Xには、座標入力装置2およびホームターミナル3が設けられ、このホームターミナル3とセンタ側Yとの間で、双方向に調査データが送信されるようになっている。また、座標入力装置2は、平板状のもので、その上面に回答紙4が載せられるようになっている。この回答紙4は、予めセンタ側Yから送信されてきたものであり、図示されない印刷機により印刷されている。そして、調査対象者が回答するにあたって座標入力装置2の上面に回答紙4を置いて、鉛筆のような筆圧のかかるもので手書きができるようになっている。
【0008】
一方、センタ側Yには、オンラインコンピュータ5,処理コンピュータ6,座標設定装置7および座標入力装置8が設けられている。オンラインコンピュータ5は、受信した調査データを処理コンピュータ6に送信するようになっている。処理コンピュータ6は、予め送信した回答紙4上の項目と座標との対応付けを行なった座標テーブルと照合されるようになっている。なお、座標テーブルの設定作業は、座標入力装置8により行なうことによって座標設定装置7に設定される。そして、この座標テーブルが前もって処理コンピュータ6に記憶される。
【0009】
当初は、センタ側Yから調査対象者宅側Xへ、設定装置7に設定された座標テーブルに対応した項目を表した回答紙4である、アンケート用紙や、新聞・雑誌等の抜粋等を予め作成したものをファクシミリもしくは郵便で送付しておかねばならない。そして、調査対象者は、この回答紙4を座標入力装置2の上面に置いて、鉛筆等で筆圧をかけて書き込むようにする。
【0010】
従って、回答紙4を介して筆圧の掛けられた座標入力装置2により調査データを取得して、これをホームターミナル3から、交換網Zを経由してオンラインコンピュータ5に送信される。オンラインコンピュータ5は、受信した調査データを処理コンピュータ6に送信されることにより、座標テーブルの対応関係により特定の情報として取得することができるようになっている。
【0011】
また、以下の(特許文献2)に示されるような、文字列を入力する文字列入力デバイスと、音声を入力する音声入力デバイスと、文字列を表示する表示デバイスとを備える情報処理装置も開示されている。すなわち、この情報処理装置は、文字列入力デバイスにより入力された文字列に続く文字列候補を予測する予測手段と、この予測手段により予測された文字列候補を表示デバイスに表示させる表示制御手段と、この表示デバイスに表示された文字列候補を認識対象語として、音声入力デバイスにより入力された音声に対し音声認識を行う音声認識手段と、この音声認識手段による認識結果である文字列を使用文字列として確定する確定処理手段とを有することを特徴とするものである。
【特許文献1】特開平5−143749号公報
【特許文献2】特開2005−182208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、(特許文献1)についての課題は、(1)ハードペーパの回答紙4は、前もってセンタ側Yから調査対象者宅側Xへファクシミリもしくは郵便で送信または送付しなければならないこと、(2)ファクシミリの場合は、調査対象者宅側Xで印刷機を備えておくこと、(3)その印刷機を都度操作して印刷しなければならないこと、(4)回答紙4を座標入力装置2の上面に置き、且つ筆圧を掛けて手書きしなければならないこと等の手数がかかること(5)調査対象者宅側Xでの設備の準備をしなければならないこと、(6)その設備の操作のできる取扱者がいなければならず甚だ不便であること、といったものがある。
【0013】
そして、(特許文献2)についての課題は、(1)特別な入力デバイス(特許文献2における図3で開示)を必要とすること、(2)定型文や登録学習した予測文の表示と読み上げを必要とすること(本発明は、定型文を選択させようとするものではなく、確定文章を一文字一文字(あるいは一音一音)で作り上げようとするもの)、(3)表示装置のある状況下での入力が必要となること、といったものがある。
【0014】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、プッシュ釦式電話端末からの信号をネットワークを介して受信するデータ受信装置により、プッシュ釦の操作と音声との組み合わせにより簡易な取扱いでデータ取得ができるデータ受信システムおよびデータ受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明によれば、プッシュ釦式電話端末から送信されるプッシュ釦の操作に基づく音データを受信するデータ受信装置を備えたデータ受信システムであって、前記データ受信装置は、CTIを有するCPUおよび表示装置を備え、前記プッシュ釦式電話端末のプッシュ釦の音データを受信することにより、前記CTIによる音−文字変換機能により、複数の前記音データの組み合わせを1つまたは複数の文字データに変換して前記表示装置に表示させるようにしたことを特徴とするデータ受信システムを提供する。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明によれば、プッシュ釦式電話端末から送信されるプッシュ釦の操作に基づく音データを受信するデータ受信装置を備えたデータ受信システムであって、前記データ受信装置は、前記プッシュ釦式電話端末のプッシュ式操作釦の釦操作により発する複数の音データの組み合わせを1つまたは複数の文字データに変換する音−文字変換手段と、CTIを有するCPUおよびスピーカとを備え、前記プッシュ釦式電話端末のプッシュ釦の音データを受信することにより、前記CTIの機能により、前記音データを前記スピーカにより文言として発声させるようにしたことを特徴とするデータ受信システムを提供する。
【0017】
上記目的を達成するために、本発明によれば、プッシュ釦式電話端末からプッシュ釦の操作音をデータ受信装置が受信するステップと、前記操作音を受信したデータ受信装置の音−文字変換手段が、複数の前記操作音に係る複数の音データの組み合わせを1つまたは複数の文字データに変換するステップと、前記文字データをデータ受信装置の表示装置に表示するステップと、を具備することを特徴とするデータ受信方法を提供する。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明によれば、プッシュ釦式電話端末からプッシュ釦の操作音をデータ受信装置が受信するステップと、前記操作音を受信したデータ受信装置の音−文字変換手段が、複数の前記操作音に係る複数の音データの組み合わせを1つまたは複数の文字データに変換するステップと、前記文字データをデータ受信装置のスピーカにて発声させるステップと、を具備することを特徴とするデータ受信方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、PCを持たない人あるいはPCの取扱いに不慣れな人でも、PCを用いる必要はなく、通常のプッシュ釦式電話端末を用いて、比較的簡単な操作で取扱うことができる。従って、プッシュ釦式電話端末を持っている人であればデータ提供者の対象とすることができ、特に郵送によるアンケート調査にあたっては、参加率向上にも寄与することができるデータ受信システムおよびデータ受信方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のデータ受信システムに係る実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明のデータ受信システム11におけるデータ受信装置12と、プッシュ釦式電話端末13の接続関係を示すブロック図である。図2は、本発明のデータ受信システム11のデータベース14に格納される各マスタ30〜35を示す説明図である。
【0022】
図1に示すデータ受信システム11は、調査対象者(図示せず)が所持するプッシュ釦式電話端末13と、この電話端末13からインターネット等のネットワークNを介して接続される調査会社等の調査機関側が所持するデータ受信装置12を具備するものである。このデータ受信システム11は、調査機関側で認定したプッシュ釦式電話端末13を所持する不特定多数の個人を対象とした、例えば郵送によるアンケート調査に用いるに好適するシステムである。
【0023】
また、データ受信システム11は、プッシュ釦式電話端末13を所持する調査対象者に対して、例えば種々の統計調査をする場合、調査対象者が調査機関側から郵送された調査票(調査対象者ID、確認コード、システムへの電話番号の各記載欄)を受領次第、対象者は、データ受信装置11へプッシュ釦式電話端末13により発呼(CTI機能への接続)を行ない、それによって調査対象者の個人認証がなされるようになっている。そして、調査対象者によるプッシュ釦式電話端末13のプッシュ釦13aの操作により発する音が音データsとしてデータ受信装置12側へ送信される機能を備える。
【0024】
このデータ受信装置12は、1つの音データs1または、複数の音データs2を受信することにより、いずれかの音データsに対応した文字データr、例えば1つの文字データr1または複数の文字データr2に変換されるように音−文字変換機能を備えている。また、音−文字変換機能により、複数の文字の組み合わせが生成されることにより、文字情報に変換される文字−音声変換機能を備えている。
【0025】
データ受信システム11のデータ受信装置12は、プッシュ釦式電話端末13から送信されるデータをCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)15に内蔵されたCTI15aに統合し、連携して設けられるデータベース14間で各種データのやり取りの結果、音−文字変換機能および文字−音声変換機能が働くようになっている。また、データ受信装置12は、表示装置16およびスピーカ17を備え、文字情報は表示装置16に、音声情報は、スピーカ17により表示されるようになっている。
【0026】
CPU15のCTI15aは、具体的には、資源管理部20、音声入力情報変換部21、音声出力情報変換部22、通信制御部23、音声ファイル再生部24、音声比較部25および候補文字検証部26を備える。
【0027】
資源管理部20は、情報をハードディスクから抽出/管理するためのものである。この資源管理部20は、調査が、例えば郵送によるアンケート調査の場合、対象者に郵送された調査票(調査対象者ID、確認コード、システムへの電話番号の各記載欄)を受領次第、対象者は、データ受信装置12へ発呼がなされ、個人認証がなされるようになっている。
【0028】
音声入力情報変換部21は、プッシュ釦式電話端末13のプッシュ釦13aから発せられるプッシュ音を認識し、1つの文字データr1および複数の文字データr2に変換する音−文字変換手段21aを備えている。音声出力情報変換部22は、文字データr1およびr2を音に変換する文字−音声変換手段22aを備えている。通信制御部23は、プッシュ釦式電話端末13との間の通信に伴う発呼制御や着信履歴制御等の通信全般を制御するものである。音声ファイル再生部24は、音声出力情報変換部22の文言ファイルを会話として再生するものである。音声比較部25は、プッシュ釦式電話端末13にて文字入力の際、発音された文字の音声と登録されている音声とを比較して、一致した場合には、その文字であると認識するものである。候補文字検証部26は、発音された文字と入力された画数から文字の候補一覧を作成するものである。
【0029】
一方、プッシュ釦式電話端末13に連携して設けられるデータベース14は、音声情報マスタ30、電子調査票情報マスタ31、調査対象者情報マスタ32、調査票回答情報マスタ33、音声ライブラリマスタ34および候補文字マスタ35を備える。
【0030】
音声情報マスタ30は、音声ファイル、すなわち、ファイル名、グループID、ファイルを列に持っており、ガイダンスで使用する音声ファイルが格納されている。グループIDは、ファイルの分類時に使用することができるようになっている。電子調査票情報マスタ31は、調査票ID、調査票グループおよびファイル列を持っており、質問する内容に関して電子調査票が拡張子、例えばxml形式で格納されているものである。調査票グループは、調査票のファイル分類時に使用している。この電子調査票情報マスタ31は、電子調査票の1項目が抽出され、音声出力情報変換部22により音声ファイル化されるようになっている。
【0031】
調査対象者情報マスタ32は、調査対象者ID、氏名、住所、電話番号、FAX番号を列に持っており、質問する対象者の情報が格納されたファイルである。
【0032】
調査票回答情報マスタ33は、調査票グループ、調査票ID、調査対象者ID、確認コード、完了フラグ、完了確認コードをファイル列を持っているもので、対象者が質問に回答したデータがxml形式で格納されている。また、調査票回答情報マスタ33は、電子調査票情報マスタ31中のタグにより、過去情報が引き継げるかどうかが判断されるようになっており、引き継げると判断した場合には、該当する項目のみ過去の引継情報が登録されるようになっている。
【0033】
調査票グループは、回答されたデータファイルの分類に使用されており、調査対象者IDは、調査対象者情報マスタ32の調査対象者IDに紐付けされている。ここでの調査対象者IDと確認コードは、ログイン時の認証に使用される。完了フラグは、対象者が回答を完了しているがどうかのフラグとなる。回答が完了している場合、一意に完了確認コードに割り当てられる。
【0034】
音声ライブラリマスタ34は、音声ID、音声ファイル、文字区分、画数を列に持っており、音声入力時に比較するデータのファイルが格納されている。文字区分は、文字が漢字、ひらがな、カタカナを区分しており、文字IDは、候補文字の文字IDに紐付けされている。また、候補文字マスタ35は、文字ID、文字、画数、例文音声ファイルを列に持ち、文字入力でシステムが認識した文字の候補を音声として出力するための音声ファイルが格納される。
【0035】
これらの各マスタ30〜35は、具体的には図2に示すように、各情報マスタを備えている。すなわち、音声情報マスタ30には、「ファイル名」、「グループID」および「ファイル」が、電子調査票情報マスタ31には、「調査票ID」、「調査票グループ」および「ファイル」が、調査対象者情報マスタ32には、「調査票対象者ID」、「氏名」、「住所」、「電話番号」および「FAX番号」が、調査表回答情報マスタ33には、「調査票グループ」、「調査票ID」「調査票対象者ID」、「確認コード」「完了フラグ」、「完了確認コード」および「ファイル」が、音声ライブラリマスタ34には、「音声ID」、「文字ID」、「音声ファイル」、「文字区分」および「画数」が、更に、候補文字マスタ35には、「文字ID」、「文字」、「画数」および「例文音声ファイル」が、それぞれ設けられる。
【0036】
次に、データ受信システム11の作用について、図3および図4に示すフローにより説明する。
【0037】
図3は、データ受信システム11のデータ受信装置12と、プッシュ釦式電話端末13の作動ステップの一部を示すフロー図である。図4は、図3に示す作動ステップの他のステップを示すフロー図である。
【0038】
調査機関側から調査対象者に送付された調査票を受領次第、調査対象者は、データ受信装置12のCPU15に発呼する<ST1>と、CPU15のCTI15aが機能し、調査対象者IDおよび確認コードを入力する旨の音声を流す<ST2>。その際、音声情報マスタ30から音声情報を引き出し、音声ファイルを再生する。
【0039】
次に、調査対象者は、調査対象者IDおよび確認コードをプッシュ釦式電話端末13の複数のプッシュ釦13aの1つまたは複数を音がでるまで押して入力する<ST3>。
【0040】
具体的には、例えば「東芝ソリューション」という文言を、調査対象者から調査機関側へ伝えたいとする。この場合、図5(a)に示すように、「東」、「芝」、「ソ」、「リュー」、「ショ」および「ン」を別々に入力する。
【0041】
具体的には、「東」を入力するとき、「♯」釦13a1を押す。次に「ひがし」を発声する。そして、また、「♯」釦13a1を押す。この両「♯」釦13a1の間が漢字1文字であることを示す。次に、「東」の画数が8であるので、「8」をプッシュ釦13a2を押す。続いて、米印の「*」印釦13a3を押す。
【0042】
なお、「8」は、入力がカタカナである場合には、例えば「0」の数字の釦13aを押す。このようにして、順次、入力作業(プッシュ釦操作)を行なう。
【0043】
ここで、「東」および「8」の画数を入力しても、文字が定まらない場合がある。そこで、図5(c)に示すように、「東西南北の“とう”」または「砂糖の“とう”」というように、候補の文字の音読みまたは訓読みで発声する。そして、一致した場合、図5(d)に示すように、その何番目が一致したのかを、数字のプッシュ釦13aを押す。そして、「♯」釦13a1を押して確定する。なお、キャンセルする場合は、「*」印釦13a3を押す。
【0044】
このように、一連の作業を繰り返すことにより、プッシュ釦式電話端末13側から調査機関側へ文言、例えば会話文字が伝達される。
【0045】
次に、調査機関側から例えば会話文字が音声となって送信される。この送信により、調査票の項目に目を通して作成作業を開始することができる<ST4>。
【0046】
そして、作成された調査票を作成し、プッシュ釦式電話端末13のブッシュ釦13aを操作して入力する<ST5>。
【0047】
この<ST5>の作業に際して、音声入力情報変換部21のデータから必要な対応する音声データが抽出される。
【0048】
そして、調査票への文字入力(回答)の段階に入る。スタンバイOK(YES表示)であれば、最初の文字入力を行なう<ST6>。なお、スタンバイNO(NO表示)であれば中断する。文字入力が行なわれれば、音声入力情報変換部21により音声に変換され、音声比較部25で音声比較がなされる。その際に、音声比較部25は、音声ライブラリマスタ34に保存された音声データと音声比較がなされ、一致しない場合には候補文字マスタ35から候補文字が照会される。
【0049】
そして、候補が絞られることによって、音声情報マスタ30から絞られた文字に対応した音声が、音声情報マスタ30から抽出され、音声としてプッシュ釦式電話端末13側に送信される<ST7>。
【0050】
次に、調査対象者は、プッシュ釦13aを操作して2つ目の文字入力するにあたり、1つ目の文字入力と同様に行なう<ST8>。この際に、データ受信装置12の音声入力情報変換部21のデータから2つ目の文字入力に対応した音声データが抽出する。
【0051】
また、数字のプッシュ釦13aやその他のプッシュ釦13aが入力された場合や、これらのプッシュ釦13aの複数の釦操作による漢字、ひらがなやアルファベット文字等の文字に置き換えることが可能な対応表を用いたり、そのための辞書をCPU15に内蔵させ、プッシュ釦式電話端末13側でアクセスして用いる方法を採用することもできる。そして、調査対象者側からの回答を登録する。この登録にあたっては、データ受信装置12の調査票回答情報マスタ33へ入力情報として格納する。
【0052】
更に、調査票回答情報マスタ33へ登録されると同時に確認コードが発行され、当該調査票回答情報マスタ33へ登録される。そして、音声情報マスタ30を用いて音声出力情報変換部22の文字−音声変換手段22aにて音声に変換され、プッシュ釦式電話端末13側へ回答完了メッセージが出力される<ST9>。
【0053】
以上のように、ステップ<ST1>〜ステップ<ST9>を踏むことにより、郵送によるアンケート調査の手続を完了することができる。
【0054】
従って、データ受信システム11によれば、PCを持たない人あるいはPCの取扱いに不慣れな人でも、PCを用いる必要はなく、通常のプッシュ釦式電話端末を用いて、比較的簡単な操作で取扱うことができる。従って、プッシュ釦式電話端末を持っている人であればデータ提供者の対象とすることができ、アンケート調査等の調査にあたっては、参加率向上にも寄与することができるデータ受信システムおよびデータ受信方法を提供することができる。
【0055】
更に、この種の調査に限れば、調査員に渡す回答完了証明書は、完了確認コードのみのため、第三者に個人情報が漏れる心配がなくなる。そのため、調査対象者は電話端末だけを用いればよいことに加えて、安心して調査に応じることができるので、より一層の参加率(回答率)の向上に寄与することができる。
【0056】
なお、本発明のデータ受信システム11よれば、郵送によるアンケート調査の場合について例示したが、音声入力情報変換部21や音声出力情報変換部22に用いられる音声認識手段の精度を高めることができれば、各種申請システム等のさまざまなオンラインシステムに応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のデータ受信システムにおけるデータ受信装置と、プッシュ釦式電話端末の接続関係を示すブロック図。
【図2】本発明のデータ受信システムのデータベースに格納される各マスタを示す説明図。
【図3】本発明のデータ受信システムのデータ受信装置と、プッシュ釦式電話端末の作動ステップの一部を示すフロー図。
【図4】図3に示す作動ステップの他の一部を示すフロー図。
【図5】本発明のデータ受信システムに用いられるプッシュ釦式電話端末からの入力方法を示すフロー図で、(a)は、データ受信システム側へ伝達しようとする文言を示す図で、(b)は、(a)の入力ステップを示す図、(c)は、(b)の入力ステップの次のステップに入る例を示す図、(d)は、更に次のステップに入る例を示す図。
【図6】従来の調査システム(データ受信システム)を示す概要図。
【符号の説明】
【0058】
11 データ受信システム
12 データ受信装置
13 プッシュ釦式電話端末
14 データベース
15 CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)
15a CTI(Computer Telephony Integration)
16 表示装置
17 スピーカ
20 資源管理部
21 音声入力情報変換部
21a 音−文字変換手段
22 音声出力情報変換部
22a 文字−音声変換手段
23 通信制御部
24 音声ファイル再生部
25 音声比較部
26 候補文字検証部
30 音声情報マスタ
31 電子調査票情報マスタ
32 調査対象者情報マスタ
33 調査票回答情報マスタ
34 音声ライブラリマスタ
35 候補文字マスタ
N ネットワーク(インターネット)
r 文字データ
r1 1つの文字データ
r2 複数の文字データ
s 文言データ
s1 1つの音データ
s2 複数の音データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プッシュ釦式電話端末から送信されるプッシュ釦の操作に基づく音データを受信するデータ受信装置を備えたデータ受信システムであって、
前記データ受信装置は、CTIを有するCPUおよび表示装置を備え、前記プッシュ釦式電話端末のプッシュ釦の音データを受信することにより、前記CTIによる音−文字変換機能により、複数の前記音データの組み合わせを1つまたは複数の文字データに変換して前記表示装置に表示させるようにしたことを特徴とするデータ受信システム。
【請求項2】
プッシュ釦式電話端末から送信されるプッシュ釦の操作に基づく音データを受信するデータ受信装置を備えたデータ受信システムであって、
前記データ受信装置は、前記プッシュ釦式電話端末のプッシュ式操作釦の釦操作により発する複数の音データの組み合わせを1つまたは複数の文字データに変換する音−文字変換手段と、CTIを有するCPUおよびスピーカとを備え、前記プッシュ釦式電話端末のプッシュ釦の音データを受信することにより、前記CTIの機能により、前記音データを前記スピーカにより文言として発声させるようにしたことを特徴とするデータ受信システム。
【請求項3】
前記音−文字変換手段は、音−文字変換辞書である音声情報マスタを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデータ受信システム。
【請求項4】
プッシュ釦式電話端末からプッシュ釦の操作音をデータ受信装置が受信するステップと、
前記操作音を受信したデータ受信装置の音−文字変換手段が、複数の前記操作音に係る複数の音データの組み合わせを1つまたは複数の文字データに変換するステップと、
前記文字データをデータ受信装置の表示装置に表示するステップと、を具備することを特徴とするデータ受信方法。
【請求項5】
プッシュ釦式電話端末からプッシュ釦の操作音をデータ受信装置が受信するステップと、
前記操作音を受信したデータ受信装置の音−文字変換手段が、複数の前記操作音に係る複数の音データの組み合わせを1つまたは複数の文字データに変換するステップと、
前記文字データをデータ受信装置のスピーカにて発声させるステップと、を具備することを特徴とするデータ受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−243137(P2008−243137A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86741(P2007−86741)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】