説明

データ多重化装置およびデータ分離装置

【課題】TSデータ処理装置において、省スペースおよび省コストを図るための技術を提供することを目的とする。
【解決手段】パラメータデータ多重化装置1は、TSデータ処理部11、パラメータデータ格納部12、パラメータデータ多重化部13から構成される。TSデータ処理部11は、TSデータを処理する。パラメータデータ格納部12は、パラメータデータを格納する。パラメータデータ多重化部13は、TSデータおよびパラメータデータを多重化して、多重化データを生成する。パラメータデータ多重化装置1は、TSデータをメモリにおいて格納することなく、パラメータデータをメモリにおいて格納すればよい。パラメータデータ多重化装置1は、大容量のメモリを必要としないため、省スペースおよび省コストを図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ多重化装置およびデータ分離装置において、省スペースおよび省コストを図るための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MPEG2は、画像データおよび音声データなどを圧縮する技術として、広く利用されている。MPEG2−TS(Transport−Stream)は、画像圧縮データおよび音声圧縮データなどを多重化して放送・通信する技術として、広く利用されている。
【0003】
TSデータは、エンコードからデコードまでのプロセスにおいて、数段階の処理を実行されることがある。前段のTSデータ処理装置は、後段のTSデータ処理装置に、TSデータのみならず、各種パラメータを出力する必要がある。
【0004】
特許文献1が開示する低速データ多重化装置は、TSデータおよび低速データを多重化することにより、放送・通信回線の利用効率を上げている。低速データ多重化装置は、ヌルパケットヘッダ検出部、メモリ、低速データパケット挿入部などから構成される。
【0005】
ヌルパケットヘッダ検出部は、TSパケットをメモリに出力して、ヌルパケットの格納位置を低速データパケット挿入部に通知する。低速データパケット挿入部は、低速データパケットをメモリに出力して、ヌルパケットを低速データパケットに書き換える。
【0006】
【特許文献1】特開平10−173622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1が開示する低速データ多重化装置は、ヌルパケットのみならず、ヌルパケットを含むTSパケットを、メモリにおいて格納する必要がある。低速データ多重化装置は、大容量のメモリを必要とするため、省スペースおよび省コストを図りにくい。
【0008】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、TSデータ処理装置において、省スペースおよび省コストを図るための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、データ多重化装置であって、第1データを入力して、前記第1データを処理する第1データ前段処理部と、第2データを生成して、前記第2データを格納する第2データ前段格納部と、前記第1データを前記第1データ前段処理部から入力して、前記第2データを前記第2データ前段格納部から入力して、前記第1データと前記第2データを多重化することにより、多重化データを生成するデータ多重化部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のデータ多重化装置において、前記データ多重化部は、前記第1データのうち全部のヌルデータを前記第2データに置換することにより、前記第1データと前記第2データを多重化するヌルデータ置換部、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載のデータ多重化装置において、前記データ多重化部は、前記第1データのうち一部のヌルデータを前記第2データに置換することにより、前記第1データと前記第2データを多重化するヌルデータ置換部と、前記第2データと残りのヌルデータを区別するデータ区別情報を、前記多重化データに付加するデータ区別情報付加部と、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、データ分離装置であって、請求項1または請求項2に記載のデータ多重化装置から前記多重化データを入力して、前記多重化データを分離することにより、前記第1データと前記第2データを抽出するデータ分離部と、前記第1データを前記データ分離部から入力して、前記第1データを処理する第1データ後段処理部と、前記第2データを前記データ分離部から入力して、前記第2データを格納する第2データ後段格納部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のデータ分離装置において、前記データ分離部は、前記第2データをヌルデータに置換することにより、前記多重化データを分離する第2データ置換部、を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、データ分離装置であって、請求項1または請求項3に記載のデータ多重化装置から前記多重化データを入力して、前記多重化データを分離することにより、前記第1データと前記第2データを抽出するデータ分離部と、前記第1データを前記データ分離部から入力して、前記第1データを処理する第1データ後段処理部と、前記第2データを前記データ分離部から入力して、前記第2データを格納する第2データ後段格納部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載のデータ分離装置において、前記データ分離部は、前記データ区別情報を前記多重化データから探索するデータ区別情報探索部と、前記第2データをヌルデータに置換することにより、前記多重化データを分離する第2データ置換部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るデータ多重化装置は、第1データ前段処理部、第2データ前段格納部、データ多重化部から構成される。第1データ前段処理部は、TSデータなどの第1データを処理する。第2データ前段格納部は、各種パラメータなどの第2データを格納する。データ多重化部は、第1データおよび第2データを多重化して、多重化データを生成する。
【0017】
本発明に係るデータ多重化装置は、TSデータなどの第1データをメモリにおいて格納することなく、各種パラメータなどの第2データをメモリにおいて格納すればよい。本発明に係るデータ多重化装置は、大容量のメモリを必要としないため、省スペースおよび省コストを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
{第1の実施の形態}
[パラメータデータ多重化装置およびパラメータデータ分離装置の構成要素]
以下、図面を参照しつつ、第1の実施の形態について説明する。図1は、パラメータデータ多重化装置1の構成要素を示すブロック図である。図2は、パラメータデータ分離装置2の構成要素を示すブロック図である。
【0019】
パラメータデータ多重化装置1は、前段のTSデータ処理装置として機能する。パラメータデータ分離装置2は、後段のTSデータ処理装置として機能する。
【0020】
パラメータデータ多重化装置1は、TSデータ処理部11、パラメータデータ格納部12、パラメータデータ多重化部13などから構成される。
【0021】
TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化装置1の外部から、TSデータを入力して、TSデータを処理する。パラメータデータ格納部12は、パラメータデータを生成して、パラメータデータを格納する。
【0022】
パラメータデータ多重化部13は、TSデータ処理部11から、TSデータを入力して、パラメータデータ格納部12から、パラメータデータを入力する。そして、パラメータデータ多重化部13は、TSデータとパラメータデータを多重化することにより、多重化データを生成して、パラメータデータ多重化装置1の外部に、多重化データを出力する。
【0023】
パラメータデータ分離装置2は、パラメータデータ分離部21、TSデータ処理部22、パラメータデータ格納部23などから構成される。
【0024】
パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ分離装置2の外部から、多重化データを入力して、多重化データを分離することにより、TSデータとパラメータデータを抽出する。そして、パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、TSデータを出力して、パラメータデータ格納部23に、パラメータデータを出力する。
【0025】
TSデータ処理部22は、TSデータを処理して、パラメータデータ分離装置2の外部に、TSデータを出力する。パラメータデータ格納部23は、パラメータデータを入力して、パラメータデータを格納する。
【0026】
[TSパケットのデータ構成]
図3は、パラメータデータの多重化処理が実行される前における、または、パラメータデータの分離処理が実行された後における、TSパケットのデータ構成を示す図である。図4は、パラメータデータの多重化処理が実行された後から、パラメータデータの分離処理が実行される前までにおける、TSパケットのデータ構成を示す図である。
【0027】
以下、同期バイトとは、各TSパケットの先頭を示す部分である。PID(Packet−Identifier)バイトとは、各TSパケットの種類を示す部分である。
【0028】
図3(a)に示したTSパケットVは、画像データを含むTSパケットである。図3(b)に示したTSパケットAは、音声データを含むTSパケットである。図3(c)に示したTSパケットNは、ヌルデータを含むTSパケットである。
【0029】
TSパケットVは、ヘッダV1、ペイロードV2から構成される。ヘッダV1は、同期バイトV11、画像用PIDバイトV12などから構成される。ペイロードV2は、画像データV21を含んでいる。
【0030】
TSパケットAは、ヘッダA1、ペイロードA2から構成される。ヘッダA1は、同期バイトA11、音声用PIDバイトA12などから構成される。ペイロードA2は、音声データA21を含んでいる。
【0031】
TSパケットNは、ヘッダN1、ペイロードN2から構成される。ヘッダN1は、同期バイトN11、ヌルPIDバイトN12などから構成される。ペイロードN2は、ヌルデータN21を含んでいる。
【0032】
図4に示したTSパケットNPは、TSパケットNにおいて、パラメータデータが多重化されたTSパケットである。第1の実施の形態においては、全ストリームのうち、全部のTSパケットNにおいて、ヌルデータがパラメータデータに置き換えられる。しかし、いずれのTSパケットNにおいても、ヌルPIDバイトは置き換えられない。
【0033】
TSパケットNPは、ヘッダNP1、ペイロードNP2から構成される。ヘッダNP1は、同期バイトNP11、ヌルPIDバイトNP12などから構成される。ペイロードNP2は、パラメータデータNP21を含んでいる。
【0034】
パラメータデータ多重化装置1は、ヌルPIDバイトN12を認識することにより、TSパケットNに、パラメータデータNP21を多重化すべきであると判断する。パラメータデータ分離装置2は、ヌルPIDバイトNP12を認識することにより、TSパケットNPから、パラメータデータNP21を分離すべきであると判断する。
【0035】
[パラメータデータの多重化処理]
図5は、パラメータ多重化処理の流れを示すフローチャートである。TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化部13に、TSパケットを出力する(ステップS1)。TSデータ処理部11は、出力したTSパケットのPIDバイトが、いずれのPIDバイトであるかを確認する(ステップS2)。
【0036】
第1に、TSデータ処理部11が出力したTSパケットのPIDバイトが、ヌルPIDバイトであるときについて説明する(ステップS2において「ヌルPID」)。すなわち、TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化部13に、図3(c)に示したTSパケットNを出力している。
【0037】
TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化部13に、ヌルデータフラグとして“H”を出力する(ステップS3)。パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ格納部12から、パラメータデータを入力する(ステップS4)。
【0038】
パラメータ多重化部13は、入力したTSパケットに含まれるヌルデータを、入力したパラメータデータに置き換える。これにより、パラメータデータ多重化部13は、入力したTSパケットに、入力したパラメータデータを多重化する(ステップS5)。
【0039】
パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、パラメータデータを多重化しているTSパケットを出力する(ステップS6)。すなわち、パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、図4に示したTSパケットNPを出力している。
【0040】
第2に、TSデータ処理部11が出力したTSパケットのPIDバイトが、ヌルPIDバイト以外であるときについて説明する(ステップS2において「ヌルPID以外」)。すなわち、TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化部13に、図3(a)に示したTSパケットV、または、図3(b)に示したTSパケットAを出力している。
【0041】
TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化部13に、ヌルデータフラグとして“L”を出力する(ステップS7)。
【0042】
パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、パラメータデータを多重化していないTSパケットを出力する(ステップS6)。すなわち、パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、図3(a)に示したTSパケットV、または、図3(b)に示したTSパケットAを出力している。
【0043】
具体的には、パラメータデータ多重化部13は、セレクタ回路を備えている。パラメータデータ多重化部13は、ヌルデータフラグとして“L”を入力したときには、TSデータ処理部11から入力した信号を外部に出力する。パラメータデータ多重化部13は、ヌルデータフラグとして“H”を入力したときには、TSパケットNのヘッダN1に続いて、パラメータデータ格納部12から入力した信号を外部に出力する。パラメータデータ多重化部13は、以上に説明した処理を実行することにより、TSパケットをメモリに格納することなく外部に出力できる。
【0044】
[パラメータデータの分離処理]
図6は、パラメータ分離処理の流れを示すフローチャートである。パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ分離装置2の外部から、TSパケットを入力する(ステップS11)。パラメータデータ分離部21は、入力したTSパケットのPIDバイトが、いずれのPIDバイトであるかを確認する(ステップS12)。
【0045】
第1に、パラメータデータ分離部21が入力したTSパケットのPIDバイトが、ヌルPIDバイトであるときについて説明する(ステップS12において「ヌルPID」)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ分離装置2の外部から、図4に示したTSパケットNPを入力している。
【0046】
パラメータデータ分離部21は、入力したTSパケットに含まれるパラメータデータを、ヌルデータに置き換える。これにより、パラメータデータ分離部21は、入力したTSパケットから、パラメータデータを分離する(ステップS13)。
【0047】
パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ格納部23に、分離したパラメータデータを出力する(ステップS14)。パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、パラメータデータを分離しているTSパケットを出力する(ステップS15)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、図3(c)に示したTSパケットNを出力している。
【0048】
第2に、パラメータデータ分離部21が入力したTSパケットのPIDバイトが、ヌルPIDバイト以外であるときについて説明する(ステップS12において「ヌルPID以外」)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ分離装置2の外部から、図3(a)に示したTSパケットV、または、図3(b)に示したTSパケットAを入力している。
【0049】
パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、パラメータデータを分離していないTSパケットを出力する(ステップS15)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、図3(a)に示したTSパケットV、または、図3(b)に示したTSパケットAを出力している。
【0050】
{第2の実施の形態}
[TSパケットのデータ構成]
次に、図面を参照しつつ、第2の実施の形態について説明する。パラメータデータ多重化装置1の構成要素は、図1と同様である。パラメータデータ分離装置2の構成要素は、図2と同様である。パラメータデータの多重化処理が実行される前における、または、パラメータデータの分離処理が実行された後における、TSパケットのデータ構成は、図3と同様である。パラメータデータの多重化処理が実行された後から、パラメータデータの分離処理が実行される前までにおける、TSパケットのデータ構成は、図7に示す。
【0051】
図7(a)に示したTSパケットNQは、TSパケットNにおいて、パラメータデータが多重化されたTSパケットである。図7(b)に示したTSパケットNRは、TSパケットNにおいて、パラメータデータが多重化されていないTSパケットである。第2の実施の形態においては、全ストリームのうち、一部のTSパケットNにおいて、ヌルデータがパラメータデータに置き換えられて、残りのTSパケットNにおいて、ヌルデータがパラメータデータに置き換えられない。しかし、いずれのTSパケットNにおいても、ヌルPIDバイトは置き換えられない。
【0052】
TSパケットNQは、ヘッダNQ1、ペイロードNQ2から構成される。ヘッダNQ1は、同期バイトNQ11、ヌルPIDバイトNQ12などから構成される。ペイロードNQ2は、擬似同期バイトNQ21、パラメータデータNQ22を含んでいる。
【0053】
TSパケットNRは、ヘッダNR1、ペイロードNR2から構成される。ヘッダNR1は、同期バイトNR11、ヌルPIDバイトNR12などから構成される。ペイロードNR2は、ヌルデータNR21を含んでいる。
【0054】
パラメータデータ多重化装置1は、ヌルPIDバイトN12を認識することにより、一部のTSパケットNに、パラメータデータNQ22を多重化すべきであると判断する。パラメータデータ多重化装置1は、ヌルPIDバイトN12を認識したとしても、残りのTSパケットNに、パラメータデータを多重化すべきでないと判断する。
【0055】
パラメータデータ多重化装置1は、TSパケットNQがパラメータデータNQ22を含むことを示すために、擬似同期バイトNQ21を付加する。パラメータデータ多重化装置1は、TSパケットNRがパラメータデータを含まないことを示すために、擬似同期バイトを付加しない。
【0056】
パラメータデータ分離装置2は、ヌルPIDバイトNQ12を認識したうえに、擬似同期バイトNQ21を認識することにより、TSパケットNQから、パラメータデータNQ22を分離すべきであると判断する。パラメータデータ分離装置2は、ヌルPIDバイトNR12を認識したとしても、擬似同期バイトを認識しないことにより、TSパケットNRから、ヌルデータNR21を分離すべきでないと判断する。
【0057】
[パラメータデータの多重化処理]
図8は、パラメータ多重化処理の流れを示すフローチャートである。TSデータ処理部11は、ステップS1、S2と同様に、ステップS21、S22を実行する。
【0058】
第1に、TSデータ処理部11が出力したTSパケットのPIDバイトが、ヌルPIDバイトであるときについて説明する(ステップS22において「ヌルPID」)。すなわち、TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化部13に、図3(c)に示したTSパケットNを出力している。
【0059】
TSデータ処理部11は、出力したTSパケットに、パラメータデータが多重化されるべきかどうかを判断する(ステップS23)。
【0060】
TSデータ処理部11が出力したTSパケットが、パラメータデータを多重化されるべきであると判断されたときについて説明する(ステップS23においてYES)。
【0061】
TSデータ処理部11は、ステップS3と同様に、ステップS24を実行する。パラメータデータ多重化部13は、ステップS4と同様に、ステップS25を実行する。
【0062】
パラメータデータ多重化部13は、入力したTSパケットに含まれる一部のヌルデータを、擬似同期バイトに置き換える(ステップS26)。パラメータデータ多重化部13は、入力したTSパケットに含まれる残りのヌルデータを、入力したパラメータデータに置き換える。これにより、パラメータデータ多重化部13は、入力したTSパケットに、入力したパラメータデータを多重化する(ステップS27)。
【0063】
パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、パラメータデータを多重化しているTSパケットを出力する(ステップS28)。すなわち、パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、図7(a)に示したTSパケットNQを出力している。
【0064】
TSデータ処理部11が出力したTSパケットが、パラメータデータを多重化されるべきでないと判断されたときについて説明する(ステップS23においてNO)。
【0065】
TSデータ処理部11は、ステップS7と同様に、ステップS29を実行する。
【0066】
パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、パラメータデータを多重化していないTSパケットを出力する(ステップS28)。すなわち、パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、図7(b)に示したTSパケットNRを出力している。
【0067】
第2に、TSデータ処理部11が出力したTSパケットのPIDバイトが、ヌルPIDバイト以外であるときについて説明する(ステップS22において「ヌルPID以外」)。すなわち、TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化部13に、図3(a)に示したTSパケットV、または、図3(b)に示したTSパケットAを出力している。
【0068】
TSデータ処理部11は、ステップS7と同様に、ステップS29を実行する。
【0069】
パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、パラメータデータを多重化していないTSパケットを出力する(ステップS28)。すなわち、パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータ多重化装置1の外部に、図3(a)に示したTSパケットV、または、図3(b)に示したTSパケットAを出力している。
【0070】
具体的には、パラメータデータ多重化部13は、セレクタ回路を備えている。パラメータデータ多重化部13は、入力したヌルデータフラグに基づいて、TSデータ処理部11またはパラメータデータ格納部12から入力した信号を外部に出力する。パラメータデータ多重化部13は、以上に説明した処理を実行することにより、TSパケットをメモリに格納することなく外部に出力できる。
【0071】
[パラメータデータの分離処理]
図9は、パラメータ分離処理の流れを示すフローチャートである。パラメータデータ分離部21は、ステップS11、S12と同様に、ステップS31、S32を実行する。
【0072】
第1に、パラメータデータ分離部21が入力したTSパケットのPIDバイトが、ヌルPIDバイトであるときについて説明する(ステップS32において「ヌルPID」)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ分離装置2の外部から、図7(a)に示したTSパケットNQ、または、図7(b)に示したTSパケットNRを入力している。
【0073】
パラメータデータ分離部21は、入力したTSパケットに、擬似同期バイトが含まれているかどうかを確認する(ステップS33)。
【0074】
パラメータデータ分離部21が入力したTSパケットが、擬似同期バイトを含んでいると確認されたときについて説明する(ステップS33においてYES)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ分離装置2の外部から、図7(a)に示したTSパケットNQを入力している。
【0075】
パラメータデータ分離部21は、入力したTSパケットに含まれる擬似同期バイトおよびパラメータデータを、ヌルデータに置き換える。これにより、パラメータデータ分離部21は、入力したTSパケットから、パラメータデータを分離する(ステップS34)。
【0076】
パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ格納部23に、分離したパラメータデータを出力する(ステップS35)。パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、パラメータデータを分離しているTSパケットを出力する(ステップS36)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、図3(c)に示したTSパケットNを出力している。
【0077】
パラメータデータ分離部21が入力したTSパケットが、擬似同期バイトを含んでいないと確認されたときについて説明する(ステップS33においてNO)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ分離装置2の外部から、図7(b)に示したTSパケットNRを入力している。
【0078】
パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、パラメータデータを分離していないTSパケットを出力する(ステップS36)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、図3(c)に示したTSパケットNを出力している。
【0079】
第2に、パラメータデータ分離部21が入力したTSパケットのPIDバイトが、ヌルPIDバイト以外であるときについて説明する(ステップS32において「ヌルPID以外」)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、パラメータデータ分離装置2の外部から、図3(a)に示したTSパケットV、または、図3(b)に示したTSパケットAを入力している。
【0080】
パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、パラメータデータを分離していないTSパケットを出力する(ステップS36)。すなわち、パラメータデータ分離部21は、TSデータ処理部22に、図3(a)に示したTSパケットV、または、図3(b)に示したTSパケットAを出力している。
【0081】
{変形例}
第1の実施の形態においては、図4に示したTSパケットNPに、パラメータデータNP21が含まれているが、ヌルデータが含まれていない。しかし、図4に示したTSパケットNPに、パラメータデータおよびヌルデータがともに含まれていてもよい。すなわち、ヌルデータN21の一部がパラメータデータに置き換えられて、ヌルデータN21の残りがパラメータデータに置き換えられていなくてもよい。
【0082】
第2の実施の形態においては、図7(a)に示したTSパケットNQに、パラメータデータNQ22が含まれているが、ヌルデータが含まれていない。しかし、図7(a)に示したTSパケットNQに、パラメータデータおよびヌルデータがともに含まれていてもよい。すなわち、ヌルデータN21の一部がパラメータデータに置き換えられて、ヌルデータN21の残りがパラメータデータに置き換えられていなくてもよい。
【0083】
ステップS3、S24において、TSデータ処理部11は、パラメータデータ多重化部13に、パラメータデータへの置き換え期間において、ヌルデータフラグとして“H”を出力すればよく、パラメータデータへの置き換え期間以外において、ヌルデータフラグとして“L”を出力すればよい。
【0084】
ステップS5、S27において、パラメータデータ多重化部13は、パラメータデータへの置き換え位置情報を、ペイロードNP2、NQ2に書き込めばよい。ステップS13、S34において、パラメータデータ分離部21は、パラメータデータへの置き換え位置情報に基づいて、TSパケットからパラメータデータを分離すればよい。
【0085】
{本発明のまとめ}
パラメータデータ格納部12は、TSデータを格納することなく、パラメータデータを格納すればよい。パラメータデータ多重化部13は、TSデータを格納することなく外部に出力できる。パラメータデータ多重化装置1は、大容量のメモリを必要としないため、省スペースおよび省コストを図ることができる。
【0086】
パラメータデータ多重化装置1は、全部のヌルデータをパラメータデータに置き換えるときには、容易に省スペースおよび省コストを図ることができる。
【0087】
パラメータデータ多重化装置1は、一部のヌルデータをパラメータデータに置き換えて、残りのヌルデータをパラメータデータに置き換えないときには、更なる省スペースおよび省コストを図ることができる。
【0088】
パラメータデータ多重化装置1およびパラメータデータ分離装置2は、エンコーダまたはデコーダに配置することができる。パラメータデータ多重化装置1およびパラメータデータ分離装置2は、インターネットを介して配置することができる。
【0089】
パラメータデータ多重化装置1およびパラメータデータ分離装置2は、TSデータの伝送経路、パラメータデータの伝送経路、パラメータデータの伝送制御信号の伝送経路を別個に必要としないため、出入力ピン数および回路規模の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】パラメータデータ多重化装置の構成要素を示すブロック図である。
【図2】パラメータデータ分離装置の構成要素を示すブロック図である。
【図3】TSパケットのデータ構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態におけるTSパケットのデータ構成を示す図である。
【図5】第1の実施の形態におけるパラメータデータの多重化処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態におけるパラメータデータの分離処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態におけるTSパケットのデータ構成を示す図である。
【図8】第2の実施の形態におけるパラメータデータの多重化処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態におけるパラメータデータの分離処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1 パラメータデータ多重化装置
2 パラメータデータ分離装置
11 TSデータ処理部
12 パラメータデータ格納部
13 パラメータデータ多重化部
21 パラメータデータ分離部
22 TSデータ処理部
23 パラメータデータ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1データを入力して、前記第1データを処理する第1データ前段処理部と、
第2データを生成して、前記第2データを格納する第2データ前段格納部と、
前記第1データを前記第1データ前段処理部から入力して、前記第2データを前記第2データ前段格納部から入力して、前記第1データと前記第2データを多重化することにより、多重化データを生成するデータ多重化部と、
を備えることを特徴とするデータ多重化装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ多重化装置において、
前記データ多重化部は、
前記第1データのうち全部のヌルデータを前記第2データに置換することにより、前記第1データと前記第2データを多重化するヌルデータ置換部、
を含むことを特徴とするデータ多重化装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ多重化装置において、
前記データ多重化部は、
前記第1データのうち一部のヌルデータを前記第2データに置換することにより、前記第1データと前記第2データを多重化するヌルデータ置換部と、
前記第2データと残りのヌルデータを区別するデータ区別情報を、前記多重化データに付加するデータ区別情報付加部と、
を含むことを特徴とするデータ多重化装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のデータ多重化装置から前記多重化データを入力して、前記多重化データを分離することにより、前記第1データと前記第2データを抽出するデータ分離部と、
前記第1データを前記データ分離部から入力して、前記第1データを処理する第1データ後段処理部と、
前記第2データを前記データ分離部から入力して、前記第2データを格納する第2データ後段格納部と、
を備えることを特徴とするデータ分離装置。
【請求項5】
請求項4に記載のデータ分離装置において、
前記データ分離部は、
前記第2データをヌルデータに置換することにより、前記多重化データを分離する第2データ置換部、
を含むことを特徴とするデータ分離装置。
【請求項6】
請求項1または請求項3に記載のデータ多重化装置から前記多重化データを入力して、前記多重化データを分離することにより、前記第1データと前記第2データを抽出するデータ分離部と、
前記第1データを前記データ分離部から入力して、前記第1データを処理する第1データ後段処理部と、
前記第2データを前記データ分離部から入力して、前記第2データを格納する第2データ後段格納部と、
を備えることを特徴とするデータ分離装置。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ分離装置において、
前記データ分離部は、
前記データ区別情報を前記多重化データから探索するデータ区別情報探索部と、
前記第2データをヌルデータに置換することにより、前記多重化データを分離する第2データ置換部と、
を含むことを特徴とするデータ分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−239605(P2009−239605A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82976(P2008−82976)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】