説明

データ編集方法、データ編集装置及びデータ編集プログラム

【課題】記録媒体内に断片化して記録された録画データを取りまとめることができない場合が発生する事態を低減するデータ編集方法を提供する。
【解決手段】記録媒体の先頭から終端へ連続して録画データを記録する録画データの編集方法であって、記録媒体に、録画データを格納する格納領域と録画データを編集する編集領域とを確保し、格納領域に格納された任意の録画データから削除する削除対象データを選択し(S11、S12)、削除対象データを除いた任意の録画データを、編集領域に連続させて複製して編集後の録画データを作成し(S13)、任意の録画データを格納領域から削除して空き領域を生成し(S14)、空き領域の最後尾に隣接して他の録画データが記録されている場合、他の録画データを空き領域の先端に連続させて移動し(S15、S16)、編集後の録画データを格納領域へ移動する(S17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録したデータの編集に関し、特に、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ等の記録機能を持つデジタルAV(Audio/Video)機器に適用可能なデータ編集に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では一般化しつつあるHDD(Hard disk drive)レコーダやDVDレコーダ等、デジタル方式による記録機能を持つデジタルAV機器において、長期間の使用などにより、記録媒体上への録画/消去が繰り返し行われたり、既に録画済のコンテンツにおいて、編集作業等で不要部分等を細かく消去することなどが行われる。これにより、記録媒体上に記録されているデータが断片化してしまい、記録媒体に対するアクセス速度低下を引き起こす。その結果、正常な録画/再生が出来なくなることや、まだ記録容量が十分であるにもかかわらず、録画が出来なくなる等の問題が発生する。
【0003】
図8は、従来の記録媒体内の最適化実施のためのプロセスを示している。記録媒体中に記録されている録画ファイル中に断片化されたブロックが、所定以上存在し、かつ、記録媒体内に連続した空き領域が存在する場合、その空き領域に録画ファイルを複製する。このとき録画ファイルを構成する各ブロックは、再生順に連続するように再配置され、複製元の録画ファイルについては削除され、空き領域となる。
【0004】
なお、最適化に必要な空き領域が無い場合には、最適化処理は実行されない。具体的には、録画データ1、2、3、4の間に断片化された空き領域1、2、3が存在している場合、録画データ1、2、3、4は、空き領域4に、録画データ1'、2'、3'、4'という順に複製される。録画データの複製後、録画データ1、2、3、4は削除され、空き領域1、2、3を含め、空き領域5とする。これにより、断片化された録画データは、一つに固められ、記録媒体内が最適化される。
【0005】
例えば、特許文献1に開示された技術では、連続した空き領域がない場合に録画ファイルを分散して格納せざるを得なかった。その結果、アクセス速度が低下し、記憶容量が十分であるにもかかわらず録画できなくなってしまうケースが生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−236089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術では、記録媒体内に断片化して記録された録画データを取りまとめられなくなるため、記録媒体内が断片化によって、アクセス速度の低下が生じ、記憶容量が十分であるにもかかわらず、正常な録画ができなくなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るデータ編集方法の一態様は、記録媒体の上位アドレス側から下位アドレス側へ連続して録画データを記録する録画データの編集方法であって、前記記録媒体に、録画データを格納する格納領域と前記録画データを編集する編集領域とを確保し、前記格納領域に格納された複数の録画データのうち任意の録画データから削除する削除対象データを選択し、前記任意の録画データから前記削除対象データを除いたデータを繋ぎ合わせて、前記編集領域に編集後の録画データを作成し、前記任意の録画データを前記格納領域から削除して空き領域を生成し、前記空き領域の前記下位アドレス側に他の録画データが記録されている場合、前記他の録画データを前記空き領域の前記上位アドレス側に連続するように移動し、前記編集後の録画データを前記格納領域の前記他の録画データに連続させて移動する。任意の録画データから削除対象データ(例えば、任意の録画データに含まれるチャプタ)を削除する場合、編集領域を用いて編集する。これにより、任意の録画データが記録された場所を空き領域とし、空き領域の先頭(上位アドレス側)から他の録画データを連続させて移動し、最後に任意の録画データを編集したものを編集領域から格納領域の末端に移動する。この動作により、断片化した空き領域を作ることなく、削除対象データを格納領域から取り除くことができる。このようにして、記録媒体の断片化を防止することが可能になる。
【0009】
本発明に係るデータ編集装置の一態様は、記録媒体の上位アドレス側から下位アドレス側へ連続して録画データを記録する録画データの編集装置であって、前記記録媒体に確保された格納領域に格納された複数の録画データのうち任意の録画データから削除する削除対象データを選択する削除対象データ選択部と、前記任意の録画データから前記削除対象データを除いたデータを繋ぎ合わせて、前記編集領域に編集後の録画データを作成し、前記任意の録画データを前記格納領域から削除して空き領域を生成する録画データ編集部と、前記空き領域の前記下位アドレス側に他の録画データが記録されている場合、前記他の録画データを前記空き領域の前記上位アドレス側に連続させて移動し、前記編集後の録画データを前記格納領域の前記他の録画データに連続するように移動する録画データ移動部と、を備える。
【0010】
本発明に係るプログラムの一態様は、記録媒体の上位アドレス側から下位アドレス側へ連続して録画データを記録する録画データを編集するプログラムであって、コンピュータに、前記記録媒体に、録画データを格納する格納領域と前記録画データを編集する編集領域とを確保する処理と、前記格納領域に格納された複数の録画データのうち任意の録画データから削除する削除対象データを選択する処理と、前記任意の録画データから前記削除対象データを除いたデータを繋ぎ合わせて、前記編集領域に編集後の録画データを作成する処理と、前記任意の録画データを前記格納領域から削除して空き領域を生成する処理と、前記空き領域の前記下位アドレス側に他の録画データが記録されている場合、前記他の録画データを前記空き領域の前記上位アドレス側に連続させて移動する処理と、前記編集後の録画データを前記格納領域の前記他の録画データに連続させて移動する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、記録媒体内に断片化して記録された録画データを取りまとめられなくなることを低減させることができる。これにより、記録媒体内の断片化によって、アクセス速度の低下が生じ、記憶容量が十分であるにもかかわらず、正常な録画ができなくなるという現象を防ぐことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用するデータ処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明のデータ編集処理の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明のデータ編集処理を実現するソフトウェアの論理的な構成例を表すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態2で、記録媒体上での録画データ編集時のデータ構造を示す図である。
【図5】本発明の実施形態2で、記録媒体上での録画データ移動について示す図である。
【図6】本発明の実施形態3で、記録媒体上での録画データ削除前のデータ構造を示す図である。
【図7】本発明の実施形態3で、記録媒体上での録画データ削除後のデータ移動について示す図である。
【図8】従来の記録媒体上での録画データのデータ移動について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0014】
図1は、本発明を適用するデータ処理装置の構成例を示すブロック図である。データ処理装置は、制御部100、記録媒体200、パネル300、チューナー401、外部入力402、及びテレビモニタ(TVモニタ)403を備える。
【0015】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、記録媒体I/F(Interface)104、データ入力部105、映像音声符号化部106、赤外線入力I/F107、キー入力I/F108、表示I/F109、映像音声復号部110、Display I/F111及びバス112を備える。
記録媒体200は、HDD201及びDVDドライブ202を備える。
パネル300は、リモコン受光部301、操作キー302、及び表示部303を備える。
【0016】
制御部100は、データ処理装置全体を制御する。制御部100は、CPU101、RAM102、ROM103によってシステムをコントロールし、各アプリケーションソフトウェアを実行させる。制御部100が備える各構成要素はバス112を介してCPU101と接続されている。
【0017】
次に、図1に示す各構成要素を用いて、入力されたデータの流れを示す。アンテナ入力は、チューナー401を介して入力される。アンテナ入力のうちデジタル放送はデータ入力部105から入力される。アンテナ入力のアナログ放送またはライン入力は、映像音声符号化部106により、デジタルデータ化され入力される。入力されたデータは、一旦、RAM102に展開された上、記録媒体I/F104を介し、記録媒体200に記録される。
【0018】
記録媒体200に記録されている入力データ(録画データ)は、符号化(圧縮)されたデータであり、再生するためには映像音声復号部110により、データ復号を行った上、Display I/F111を介してTVモニタ403に出力/表示される。
【0019】
アンテナから入力された放送データを記録せず再生する場合は、データの種類により次のように行う。デジタル放送であれば、データ入力部105を介し、一旦RAM102上に格納の上、映像音声復号部110によるデータ復号を行ない、Display I/F111を介してTVモニタ403へ出力/表示を行なう。アナログ放送または、ライン入力であれば、映像音声を符号化せずに、ダイレクトにDisplay I/F111を介してTVモニタ403へ出力/表示を行なう。
【0020】
パネル300は、各々のI/F(赤外線入力I/F107、キー入力I/F108、表示I/F109)を介して接続される。システムコントロールについては、CPU101が行う。
【0021】
本実施形態では、記録媒体200(HDD201またはDVDドライブ202)を、格納領域と編集領域とに分割して録画データを記録することを前提とする。格納領域は、保存する録画データを記録する領域であり、記録媒体200の上位アドレス側から下位アドレス側へ連続して録画データが記録される。編集領域は、格納領域に記録する録画データを、編集するための退避領域とする。例えば、録画データの一部分を取り出して一時的に複製する。従って、制御部100は、録画時点では、従来と同様に録画を行うが、編集領域を除いた格納領域のみに記録する点が異なる。また、制御部100は、一部分のデータを削除する場合に、編集領域を用いて、編集前の録画データから削除対象データを除いた編集後の録画データを生成する。
【0022】
以下、図面を用いて、データ編集処理の詳細について説明する。図2は、本発明のデータ編集処理の動作例を示すフローチャートである。ここでは、データ編集処理をプログラムによって実現する場合を一例として説明する。プログラムは、ROM103もしくは記録媒体に記録され、プログラム実行にあたってRAM102にロードされ、CPU101の制御のもとでプログラムを実現する命令群を実行する。
【0023】
また、図3にデータ編集処理を実現するソフトウェアの論理的な構成例を表したブロック図を示す。ここでは、図2に示す各処理を図3に表した論理的な構成を用いて説明する。まず、図3の構成例を説明する。データ編集処理を実現する一態様であるデータ編集装置10は、削除対象データ選択部20、削除対象情報記録部30、録画データ編集部40、及び、録画データ移動部50を備える。データ編集装置10は、例えばコンピュータを用いて各構成要素が実現する機能を実現する。
【0024】
削除対象データ選択部20は、格納領域に格納された任意の録画データから削除する削除対象データを選択する。例えば、削除対象データ選択部20は、パネル300を構成する各構成要素を介して、利用者から削除対象データの情報を取得する。
【0025】
削除対象情報記録部30は、削除対象データに関する削除対象情報を記録する。例えばRAM102に一時的に確保される領域である。削除対象情報は、例えば、編集対象となる任意の録画データを識別する番号と、任意の録画データから削除するデータ部分との情報を含む。データ部分は、例えば、チャプタ単位に削除するデータを特定する場合はチャプタの識別子を含む。
【0026】
録画データ編集部40は、任意の録画データから削除対象データを除き、任意の録画データのうち削除しないデータを繋ぎ合わせて編集後の録画データを作成する。また、作成した編集後の録画データに対応する任意の録画データを格納領域から削除し、空き領域を生成する。
【0027】
録画データ移動部50は、空き領域の最後尾(下位アドレス側)に隣接して他の録画データが記録されている場合、他の録画データを空き領域の先頭(上位アドレス側)に連続させて移動する。他の録画データが複数ある場合、他の録画データすべてを移動する。すべての他の録画データを移動した後に、編集後の録画データを格納領域へ移動する。
【0028】
ここでは、データの編集処理の概略を図2,3を用いて説明する。その後、実施形態2、3において具体的な記録媒体のデータ構造を用いて、データの編集処理の動作例を説明する。
【0029】
まず、削除対象データ選択部20は、記録媒体に記録されたデータのうち、削除対象データを選択し、削除対象情報記録部30に記録する(S11)。削除対象データ選択部20は、例えば、利用者から削除対象データの情報の入力を操作キー302を介して受け付け、削除対象データの入力が継続する間(S12でNo)、削除対象データを選択・記録する。
【0030】
削除対象データの選択が終了すると(S12でYes)、録画データ編集部40は、削除対象情報記録部30に記録された情報に基づいて、編集対象となる録画データを選択し、選択した録画データのうち、削除しないデータを編集領域に複製する(S13)。録画データ編集部40は、編集領域への複製が終了すると、削除対象データを含む、選択した録画データを編集領域から削除し、空き領域とする(S14)。続いて、録画データ移動部50は、空き領域に隣接して配置された他の録画データ(選択した録画データ以外の録画データ)を空き領域に移動する(S15)。
【0031】
このとき、空き領域に隣接していた他の録画データに連続して録画された、他の録画データがある場合、空き領域に隣接していた他の録画データを移動し、この他の録画データに連続させて、さらに他の録画データを移動する(S16でNo)。録画データ移動部50は、すべての他の録画データの移動が終了すると(S16でYes)、編集領域に複製した編集後の録画データを格納領域の移動した他の録画データの最後尾に連続させて移動する(S17)。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の録画データの編集処理では、編集作業の際にチャプタごとに分割して削除対象データを特定するだけで、実際の消去を行わず、プレイリスト状態の削除対象情報を保持する。その後、削除部分を除いたものを録画データ(例えば、一つのタイトルの録画データ)として編集移動させることにより、データ断片化を低減することができる。また、編集領域を設け、必要なデータを移動することにより、編集時に削除するデータ領域が、録画データ内に残ることを防ぐことができる。これにより、録画タイトルの連続性が保たれ、記録媒体内の断片化を防ぐことが可能である。
【0033】
さらに、長期間の機器の使用において、記録媒体内が断片化することにより、アクセス速度低下を引き起こし、正常な録画/再生が出来なくなることのほか、記憶容量は十分あるが、録画できなくなることを防ぐことが可能になる。
【0034】
なお、編集領域のサイズは、一つの録画データ全体が複製できる大きさを確保することが好ましい。これにより、録画データの編集ができなくなる現象を回避することが可能になる。
また、上記実施形態では、プログラムによってデータ編集処理を実施する例を説明したが、プログラムを用いたソフトウェアによって実現する場合に限られるものではない。例えば、ソフトウェア、ファームウェア及びハードウェアとの組み合わせ、あるいは、三つのうちのいずれか二つの組み合わせによって実現する場合であってもよい。
【0035】
続いて、具体的な編集操作を説明する。
(実施形態2)
実施形態2では、記録媒体の後半に一定の容量の編集領域を確保し、一旦録画したものを編集するために退避する領域を設ける。ここでは、編集領域以外を格納領域として用いる。録画時点では、従来のものと同様に録画を格納領域へ行う。編集の際に削除するデータが発生するが、実際には消去せず必要なデータのみを編集領域へ複製を行う。複製後、編集に伴い複製される前の録画データが記録されていた領域については、空き領域となるため、他の録画データを空き領域へ移動する。全ての移動終了後、編集領域に移動した録画データを格納領域へ再移動を行うことで記録媒体内の断片化を防ぐ。以下図面を用いて具体的に説明する。
【0036】
図4に示すように記録媒体中に編集領域1を設け、ここを編集する録画データの退避領域として使用する。編集領域以外を格納領域とする。図4では、録画データ2に削除対象データを含み、その他の録画データ1及び録画データ3は、削除対象データを含んでいない最終録画データであること、格納領域には録画データが格納されていない空き領域1が存在していることを前提として説明する。また、一つの録画データは複数のチャプタから構成され、チャプタの単位で削除することができることを前提とする。図4では、録画データ2は、5つのチャプタ(チャプタ1から5)から構成され、二つのチャプタ2、4が削除対象データとなる場合を示している。図4中、チャプタ2、4は削除対象データ1,2として示している。
【0037】
まず、制御部100は、削除対象データ選択部20により削除対象情報を生成する(図2のS11)。図4に示すように録画データ2において、不要部分の削除を行なう場合、削除対象データ1、削除対象データ2というチャプタ分割のみ行なう。この時点では削除を行なわない。削除対象データ選択部20は、録画データ2のうち、削除対象データ1と削除対象データ2とを削除対象のチャプタとして選択し、削除対象情報記録部30へ記録する。例えば、削除対象情報記録部30は、編集対象ブロックの格納領域へ、「録画データ2」を記録し、削除対象データの格納領域へ、「削除対象データ1(チャプタ2)」と「削除対象データ2(チャプタ4)」とを、削除対象情報として記録する。削除対象情法記録部30には、削除対象データの情報のみ記録され、チャプタそのものが格納されるわけではない。
【0038】
削除対象データの選択が終了した後(図2のS12でYes)、録画データ編集部40は、録画データ2の編集を行う。まず、必要な録画データのみ編集領域1に録画データ2'として複製を行なう(図2のS13)。具体的には、録画データ編集部40は、削除対象情報記録部30に記憶された削除対象情報を参照して、削除対象データとなっていない、チャプタ1、3、5のデータを編集領域1へ複製する。このような手順で録画データ2を編集し、編集領域1へ退避させ、録画データ2'を作成する。この段階で、録画データ2'は、削除対象データを含まない。
【0039】
その後、録画データ編集部40は、図5に示すように録画データ2を削除する(図2のS14)。削除した領域を空き領域2とする。次に、録画データ移動部50は、空き領域2に隣接した録画データ3を空き領域に移動し、録画データ3'とする。録画データ3'は、最後の録画データであるため(図2のS16でYes)、編集領域1に編集、退避してある、録画データ2'を録画データ3'に続く領域に移動させ、録画データ2''とする。
【0040】
図5に示すような最適化処理を実行することによって、断片化された領域がなくなる。このため、記録媒体内が連続領域となる。また、録画データを個別に移動/削除等を行なうため、従来例と比較すると、空き領域が少なくてすむことから、記録媒体内の容量が比較的少ない状況においても、最適化が実現できる。
【0041】
(実施形態3)
実施形態3では、単純に録画データを削除した場合においても、同様に最適化を行なうことができ、断片化を防ぐことについて説明する。
【0042】
図6に記録媒体内の構成を示す。図6では、格納領域へ録画データ1から4を記録している場合に録画データ2を削除する動作を説明する。録画データ4以降は空き領域1となっている。なお、記録媒体中に編集領域1を設けているが、本実施形態では録画データの退避する領域として使用しなくても録画データの移動は可能である。図6の例では、削除対象データ選択部20は、編集対象ブロックとして、「録画データ2」であり、削除対象データとして、「録画データ2」(または、「全チャプタ」など、削除対象を示す情報であれば他の表し方でもよい)とを、削除対象情報として記録する(図2のS11)。図6の場合、録画データ2全部を削除することになり、録画データの編集を必要としないため、録画データ編集部40は、録画データ2を削除する(図2のS14)。削除した領域を空き領域2とする。
【0043】
次に、録画データ移動部50は、データの移動を開始する(図2のS15)。図7に示すように空き領域2に、隣接する録画データ3を移動し、録画データ3'として格納する。
更に、録画データ4も同様に録画データ3'の後ろへ移動させ、録画データ4'として格納する。すべての移動が終了した後(図2のS16でYes)、編集領域1に録画データを記録していないため、処理を終了する。
【0044】
記録媒体中に編集領域1がなくても、削除のみであれば、実施形態2に示す一部の処理でも断片化を防ぐことが可能となる。
【0045】
以上説明したように、上記各実施形態のいずれかによれば、記録媒体内の断片化をなくすことができる。これにより、アクセス速度低下を防ことが可能であるため、常に正常な録画/再生が出来る他、記憶容量が十分であるにもかかわらず、録画できなくなることを防ぐことが可能となる。
【0046】
また、編集領域1を持つことにより、記録媒体内の容量が比較的少ない状況においても、記録媒体内の断片化した録画データの編集が可能になるため、記録媒体の最適化が実現できる。
【0047】
このように、本発明の一態様によれば、記録媒体内に編集領域を有し、編集等の録画データを退避した上で、他録画データを移動させ編集領域へ退避した録画データを最終録画データの後に書き戻すことにより、録画データの連続性を保ち断片化を防ぐことが可能になる。
【0048】
上述したように、編集領域を持つことにより、記録媒体内の容量が比較的少ない状況においても、最適化を実現することができる。従って、最適化時に録画データの複製を行うための領域として、録画データと同等以上の空き領域が確保されていないということに起因して、最適化処理を実行することが出来ないという状況を回避することが可能になる。
【0049】
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 データ編集装置
20 削除対象データ選択部
30 削除対象情報記録部
40 録画データ編集部
50 録画データ移動部
100 制御部
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 記録媒体I/F
105 データ入力部
106 映像音声符号化部
107 赤外線入力I/F
108 キー入力I/F
109 表示I/F
110 映像音声復号部
111 Display I/F
112 バス
200 記録媒体
201 HDD
202 DVDドライブ
300 パネル
301 リモコン受光部
302 操作キー
303 表示部
401 チューナー
402 外部入力
403 テレビモニタ(TVモニタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の上位アドレス側から下位アドレス側へ連続して録画データを記録する録画データの編集方法であって、
前記記録媒体に、録画データを格納する格納領域と前記録画データを編集する編集領域とを確保し、
前記格納領域に格納された複数の録画データのうち任意の録画データから削除する削除対象データを選択し、
前記任意の録画データから前記削除対象データを除いたデータを繋ぎ合わせて、前記編集領域に編集後の録画データを作成し、
前記任意の録画データを前記格納領域から削除して空き領域を生成し、
前記空き領域の前記下位アドレス側に他の録画データが記録されている場合、前記他の録画データを前記空き領域の前記上位アドレス側に連続させて移動し、
前記編集後の録画データを前記格納領域の前記他の録画データに連続するように移動するデータ編集方法。
【請求項2】
前記編集後の録画データは、前記他の録画データが複数ある場合、前記他の録画データすべてを移動した後に、前記編集後の録画データを移動することを特徴とする請求項1記載の録画データの編集方法。
【請求項3】
前記任意の録画データを全部削除する場合、前記任意の録画データを削除した後、前記他の録画データを移動することを特徴とする請求項1または2記載のデータ編集方法。
【請求項4】
前記編集領域は、前記任意の録画データ全体を複製できるサイズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデータ編集方法。
【請求項5】
記録媒体の上位アドレス側から下位アドレス側へ連続して録画データを記録する録画データの編集装置であって、
前記記録媒体に確保された格納領域に格納された複数の録画データのうち任意の録画データから削除する削除対象データを選択する削除対象データ選択部と、
前記任意の録画データから前記削除対象データを除いたデータを繋ぎ合わせて、前記編集領域に編集後の録画データを作成し、前記任意の録画データを前記格納領域から削除して空き領域を生成する録画データ編集部と、
前記空き領域の前記下位アドレス側に他の録画データが記録されている場合、前記他の録画データを前記空き領域の前記上位アドレス側に連続させて移動し、前記編集後の録画データを前記格納領域の前記他の録画データに連続するように移動する録画データ移動部と、を備えるデータ編集装置。
【請求項6】
記録媒体の上位アドレス側から下位アドレス側へ連続して録画データを記録する録画データを編集するプログラムであって、
コンピュータに、
前記記録媒体に、録画データを格納する格納領域と前記録画データを編集する編集領域とを確保する処理と、
前記格納領域に格納された複数の録画データのうち任意の録画データから削除する削除対象データを選択する処理と、
前記任意の録画データから前記削除対象データを除いたデータを繋ぎ合わせて、前記編集領域に編集後の録画データを作成する処理と、
前記任意の録画データを前記格納領域から削除して空き領域を生成する処理と、
前記空き領域の前記下位アドレス側に他の録画データが記録されている場合、前記他の録画データを前記空き領域の前記上位アドレス側に連続させて移動する処理と、
前記編集後の録画データを前記格納領域の前記他の録画データに連続させて移動する処理と、を実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−238269(P2010−238269A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81671(P2009−81671)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】