説明

データ転送装置及び印刷システム

【課題】データ転送装置及び印刷システムにおいて、高コスト化を抑制すると共にデータ管理の煩雑化を抑制する。
【解決手段】情報処理装置15が有する初期運転データをリモコンデスク14の印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して印刷機コントローラ23が読込可能となると共に、印刷機コントローラ23により調整された調整運転データを保存して情報処理装置15が読込可能となるインターフェース装置17を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機などの産業機械の制御装置と情報処理装置との間で制御データのやり取りを行うデータ転送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業機械では、一般的に、制御装置が機械本体を制御しているが、この場合、制御装置は、オペレータが入力した加工データに基づいて機械本体を始動制御し、各種の作業を行う。例えば、産業機械としてのオフセット枚葉印刷機は、給紙部と印刷部と排紙部とから構成されている。そして、給紙台上に積み重ねられた印刷シートが、給紙部により吸引されて前方へ送り出され、印刷部で所定の印刷が施された後、排紙部により排紙台上に積み重ねられて排紙される。
【0003】
このような印刷機で印刷を行う場合、通常、作成したデザインデータに基づいてラスターイメージデータを生成し、このデータに基づいて刷版を製作し、製作された刷版を印刷部の版胴に装着する。一方、刷版から絵柄面積率を測定し、この絵柄面積率に基づいてインク元ローラの回転量とインキキー開度を算出する。そして、印刷機コントローラは、このインク元ローラの回転量とインキキー開度に基づいて印刷機を制御し、各種の印刷作業を行う。
【0004】
この場合、デミアにより絵柄面積率を測定し、フロッピー(登録商標)ディスクや磁気カードに格納し、印刷機のリモコンデスク(コントローラ)により格納したデータを読み取り、処理している。このような処理装置としては、下記特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平03−031580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の産業機械では、フロッピーディスクや磁気カードにより各種のデータのやり取りを行うことから、制御装置にフロッピーディスクドライブや磁気カードリーダを搭載する必要がある。上述した従来の印刷機の処理装置では、デミア及びリモコンデスクに、フロッピーディスクドライブや磁気カードリーダを搭載する必要がある。しかし、近年、フロッピーディスクや磁気カードの需要が減少しており、故障などが発生した場合には、その修理や交換が困難なものとなっている。この場合、フロッピーディスクドライブや磁気カードリーダを光学ドライブやフラッシュメモリなどの別の記憶装置に変更したり、全てをオンライン化したりして一括管理することも考えられるが、改造費用が高額なものとなってしまう。
【0007】
また、印刷作業では、1つの印刷作業の制御データ(1ジョブデータ)を1つのフロッピーディスクや磁気カードに格納することとなっており、保存用のフロッピーディスクや磁気カードが膨大なものとなり、その管理が困難なものとなってしまう。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するものであり、高コスト化を抑制すると共にデータ管理の煩雑化を抑制するデータ転送装置及び印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明のデータ転送装置は、情報処理装置と産業機械用制御装置との間で産業機械の運転データの転送を行うデータ転送装置において、前記情報処理装置が有する前記産業機械の初期運転データを前記産業機械用制御装置の読取形式に合わせて保存して前記産業機械用制御装置が読込可能となると共に、前記産業機械用制御装置により調整された調整運転データを保存して前記情報処理装置が読込可能となる記憶装置を設けることを特徴とするものである。
【0010】
従って、産業機械用制御装置に搭載している記憶装置の種類に拘らず、情報処理装置と産業機械用制御装置との間で運転データのやり取りが可能となり、且つ、運転データの更新が可能となり、高コスト化を抑制することができると共にデータ管理の煩雑化を抑制することができる。
【0011】
本発明のデータ転送装置では、前記情報処理装置と前記産業機械用制御装置に、それぞれ操作装置が接続され、前記情報処理装置における操作装置の読込ボタンの操作により初期運転データが前記記憶装置に書き込まれ、前記産業機械用制御装置における操作装置の読込ボタンの操作により初期運転データが前記産業機械用制御装置に転送されて保存されることを特徴としている。
【0012】
従って、読込ボタンの操作により初期運転データの書き込みや保存を行うことで、操作性を向上することができる。
【0013】
本発明のデータ転送装置では、前記産業機械用制御装置における操作装置の書込ボタンの操作により調整運転データが前記記憶装置に書き込まれ、前記情報処理装置における操作装置の書込ボタンの操作により前記調整運転データが前記情報処理装置に転送されて保存されることを特徴としている。
【0014】
従って、書込ボタンの操作により調整運転データの書き込みや保存を行うことで、操作性を向上することができる。
【0015】
本発明のデータ転送装置では、前記情報処理装置は、前記記憶装置に書き込まれた初期運転データの読込が禁止されることを特徴としている。
【0016】
従って、情報処理装置が保存している初期運転データの重複や上書きが防止され、高精度なデータ管理を可能とすることができる。
【0017】
本発明のデータ転送装置では、前記産業機械用制御装置の読取形式とは、フロッピーディスクドライブまたは磁気カードリーダの読み取り形式であることを特徴としている。
【0018】
従って、フロッピーディスクや磁気カードが故障した場合であっても運転データのやり取りを可能とすることができる。
【0019】
本発明のデータ転送装置では、前記産業機械は、印刷機であり、前記情報処理装置は、初期運転データとしての絵柄面積率データを印刷機用制御装置の読取形式に合わせて前記記憶装置に保存する一方、前記印刷機用制御装置は、前記記憶装置の絵柄面積率データを読込んでインキキー開度またはインキ元ローラ送り量に変換して前記印刷機を制御することを特徴としている。
【0020】
従って、絵柄面積率データを転送し、インキキー開度またはインキ元ローラ送り量に変換して印刷機を制御することができ、適正な印刷機制御を可能とすることができる。
【0021】
本発明のデータ転送装置では、前記印刷機用制御装置は、印刷終了後に、調整運転データとしてのインキキー開度またはインキ元ローラ送り量を前記記憶装置に保存する一方、前記情報処理装置は前記記憶装置のインキキー開度またはインキ元ローラ送り量を読取って保存することを特徴としている。
【0022】
従って、調整後のインキキー開度またはインキ元ローラ送り量を保存することで、次回の印刷作業にて、調整作業を簡素化して作業性を向上することができる。
【0023】
本発明のデータ転送装置では、前記印刷機用制御装置は、印刷終了後に、調整運転データとしてのインキキー開度またはインキ元ローラ送り量を絵柄面積率データに変換して前記記憶装置に保存する一方、前記情報処理装置は前記記憶装置の絵柄面積率データを読取って保存することを特徴としている。
【0024】
従って、調整後の絵柄面積率データを保存することで、別の印刷機であっても、次回の印刷作業にて、調整作業を簡素化して作業性を向上することができる。
【0025】
本発明のデータ転送装置では、前記記憶装置は、リモコンデスク内に収容されることを特徴としている。
【0026】
従って、装置の簡素化を可能とすることができる。
【0027】
本発明のデータ転送装置では、前記産業機械は、印刷機であり、刷版絵柄測定装置が刷版から測定した絵柄面積率を印刷機用制御装置の読取形式に合わせて前記記憶装置に保存する一方、前記情報処理装置は、前記記憶装置の絵柄面積率を読込可能であることを特徴としている。
【0028】
従って、刷版絵柄測定装置から情報処理装置への絵柄面積率データのやり取りが可能となり、高コスト化を抑制することができると共に、データ管理の煩雑化を抑制することができ、また、各種データの転送をオンラインで行うことで、FDなどを完全に不要とすることができる。
【0029】
また、本発明の印刷システムは、情報処理装置と印刷機用制御装置との間で印刷機の運転データの転送を行い、印刷機用制御装置が運転データを調整しながら印刷機を制御して印刷作業を行う印刷システムにおいて、前記情報処理装置が前記印刷機の初期運転データを前記印刷機用制御装置の読取形式に合わせて記憶装置に保存する一方、前記印刷機用制御装置が前記記憶装置の初期運転データを読込んで印刷機を制御し、印刷終了後、前記印刷機用制御装置が調整運転データを前記記憶装置に保存する一方、前記情報処理装置が前記記憶装置の調整運転データを読取って保存することを特徴とするものである。
【0030】
従って、印刷機用制御装置に搭載している記憶装置の種類に拘らず、情報処理装置と印刷機用制御装置との間で運転データのやり取りが可能となり、且つ、運転データの更新が可能となり、高コスト化を抑制することができると共にデータ管理の煩雑化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明のデータ転送装置及び印刷システムによれば、情報処理装置が有する初期運転データを産業機械用制御装置の読取形式に合わせて保存して産業機械用制御装置が読込可能となると共に、産業機械用制御装置により調整された調整運転データを保存して情報処理装置が読込可能となるようにしたので、高コスト化を抑制することができると共にデータ管理の煩雑化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係るデータ転送装置を表す概略構成図である。
【図2】図2は、実施例1のデータ転送装置が適用されたオフセット枚葉印刷機を表す概略構成図である。
【図3】図3は、実施例1のデータ転送装置を用いた印刷作業前の印刷データの転送処理を表すフローチャートである。
【図4】図4は、実施例1のデータ転送装置を用いた印刷作業後の印刷データの転送処理を表すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施例2に係るデータ転送装置を表す概略構成図である。
【図6】図6は、本発明の実施例3に係るデータ転送装置を表す概略構成図である。
【図7】図7は、本発明の実施例4に係るデータ転送装置を表す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るデータ転送装置及び印刷システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0034】
図1は、本発明の実施例1に係るデータ転送装置を表す概略構成図、図2は、実施例1のデータ転送装置が適用されたオフセット枚葉印刷機を表す概略構成図、図3は、実施例1のデータ転送装置を用いた印刷作業前の印刷データの転送処理を表すフローチャート、図4は、実施例1のデータ転送装置を用いた印刷作業後の印刷データの転送処理を表すフローチャートである。
【0035】
図2に示すように、実施例1の印刷システム20にて、オフセット枚葉印刷機10は、給紙部11と印刷部12と排紙部13が印刷用紙(印刷シート)Sの搬送方向に直列に配置されてなり、印刷部12は、5つの印刷ユニット12a,12b,12c,12d,12eにより構成されている。
【0036】
従って、給紙部11から印刷部12に印刷用紙Sが供給されると、この印刷部12にて、5色のインキ(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ゴールド)が、印刷ユニット12a,12b,12c,12d,12eごとに、版胴及びブランケット胴を介して印刷面となる印刷用紙Sの表面に対して転写される。そして、表面に印刷が施された印刷用紙Sが、排紙部13にて排出される。
【0037】
本実施例の印刷システム20にて、排紙部13に隣接してリモコンデスク14が配置され、リモコンデスク14によりオフセット枚葉印刷機(他の印刷機にも同様に適用できるので、以下、印刷機と称する。)10を制御可能となっている。また、リモコンデスク14の近傍に情報処理装置(PC:Personal Computer)15が配置され、リモコンデスク14と情報処理装置15との間で印刷機運転データの送受信が可能となっている。具体的には、リモコンデスク14内に収容された後述する印刷機コントローラ23と情報処理装置(PC)15との間に本実施例のデータ転送装置16が配置される。
【0038】
データ転送装置16は、図1に示すように、情報処理装置15とリモコンデスク14との間に配置され、両者の間で運転データの転送を行うものである。このデータ転送装置16は、情報処理装置15が有する初期運転データをリモコンデスク14の読取形式に合わせて保存してリモコンデスク14が読込可能となると共に、リモコンデスク14により調整された調整運転データを保存して情報処理装置15が読込可能となる記憶装置としてのインターフェース装置(VBT基板)17を有している。
【0039】
リモコンデスク14は、操作部21と表示部22を有すると共に、印刷機10を制御する印刷機コントローラ(産業機械用制御装置)23を有している。この印刷機コントローラ23は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、このCPUの他に、処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などを有している。また、リモコンデスク14は、FD(フロッピーディスク)との間で運転データの送受信が可能なFDD(フロッピーディスクドライブ)24を有している。
【0040】
情報処理装置15は、操作部25と表示部26を有すると共に、図示しないが、CPU、ROM、RAM、GUI(Graphical User Interface)などを搭載しており、このCPUが記憶されたデータ転送プログラムを処理可能となっている。このデータ転送プログラムとは、後述するが、GUIの環境下で処理されるものであり、情報処理装置15とインターフェース装置17との間で運転データ(絵柄面積率データ、インキキー開度データ、インキ元ローラ送り量データ)の送受信を行うものである。また、情報処理装置15は、FDとの間で運転データの送受信が可能なFDD27を有している。
【0041】
インターフェース装置17は、実際には、リモコンデスク14内に搭載され、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU、RAMなどを搭載しており、リモコンデスク14(印刷機コントローラ23)または情報処理装置15からの指令によりRAMに運転データを書込み可能であると共に、読込可能となっている。この場合、RAMが記憶装置として機能する。そして、インターフェース装置17は、入出力ポート28を介して情報処理装置15に接続されると共に、入出力ポート29を介してリモコンデスク14(印刷機コントローラ23)と接続されている。この場合、入出力ポート28は、例えば、USBポートである。
【0042】
なお、リモコンデスク14に装着されたFDD24が不要である場合には、このFDD24に代えてインターフェース装置17を装着する。
【0043】
ここで、上述した本実施例の印刷システム20による印刷作業について、図3及び図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0044】
本実施例の印刷システム20において、図1及び図3に示すように、ステップS11にて、RIP(Raster Image Processor)31は、デザインデータに基づいて印刷機10の解像度に応じたビットマップのイメージ(ラスターデータ)を生成する。ステップS12にて、CTP(Computer to Plate/製版機)32は、このラスターデータに基づいて各色に応じた5枚の刷版33a,33b,33c,33d,33eを製作する。ステップS13にて、DEMIA(Demia/刷版絵柄測定装置)34は、各刷版33a,33b,33c,33d,33eを読み取り、インキの供給方向における絵柄面積率(デミア)データを測定する。このDEMIA34は、FDD34aを有しており、ステップS14にて、絵柄面積率データをこのFDD34aを用いてFDに格納する。この場合、絵柄面積率データは、5色のインキに対応した5つが1セットとなっている。
【0045】
ステップS15にて、オペレータは、絵柄面積率データが格納されたFDを情報処理装置15のFDD27に挿入し、FDD27から絵柄面積率データを読み出し、初期運転データとして、この絵柄面積率データを所定のフォルダに格納する。この場合、情報処理装置15には、他の絵柄面積率データなどを格納したフォルダが複数あることから、印刷に必要な絵柄面積率データを選択する。ステップS16にて、オペレータは、操作部25にある「読込」ボタンを押す(ON)と、ステップS17にて、情報処理装置15にあって選択された絵柄面積率データがFDのフォーマット形式でインターフェース装置17のRAMに書き込まれ、保存される。
【0046】
ステップS18にて、オペレータは、リモコンデスク14の操作部21によりインターフェース装置17のRAMに書き込まれたデータを読込み、ステップS19にて、操作部21にある「読込」ボタンを押す(ON)と、ステップS20にて、印刷機コントローラ23は、インターフェース装置17のRAMに書き込まれた絵柄面積率データを読込み、このデータを転送して印刷機10のインキキー開度及びインキ元ローラ送り量データに変換し、保存する。この場合、このステップS20では、インターフェース装置17は、RAMに書き込まれた絵柄面積率データを、印刷機コントローラ23が要求する形式で、且つ、同期タイミングで内部クロックを取っており、その結果、印刷機コントローラ23は、容易にこの絵柄面積率データを読込むことができる。なお、インキ元ローラ送り量とは、インキ元ローラ回転量またはインキ元ローラ回転数である。絵柄面積率データをインキキー開度やインキ元ローラ回転量(回転数)に変換する場合、所定のインキ元ローラ回転数に応じて、絵柄面積率データに対するインキキー開度が設定されるパラメータテーブルを複数用意しておき、パラメータテーブルを用いて最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータを設定すればよい。なお、印刷機コントローラ23は、インキキー開度及びインキ元ローラ回転量だけでなく、絵柄面積率データを保存してもよい。
【0047】
そして、ステップS21にて、オペレータは、リモコンデスク14により印刷機を稼動し、インキキー開度及びインキ元ローラ回転量を調整する色合わせ作業を行い、最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量を設定して保存する。ステップS22にて、オペレータは、設定した最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量を用いて印刷機10を稼動し、印刷作業を開始する。
【0048】
このようにして印刷機10が所定枚数の印刷物を印刷し、図1及び図4に示すように、ステップS31にて、印刷作業の終了が確認されると、ステップS32にて、リモコンデスク14にて、印刷に使用した調整運転データとして、最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータを選択する。ステップS33にて、オペレータは、操作部21にある「書込」ボタンを押す(ON)と、ステップS34にて、印刷機コントローラ23にあって選択された最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータがFDのフォーマット形式でインターフェース装置17のRAMに書き込まれ、保存される。この場合、RAMに書き込まれていた以前のデータに上書き処理される。
【0049】
ステップS35にて、オペレータは、情報処理装置15の操作部25によりインターフェース装置17のRAMに書き込まれたデータを読み込み、ステップS36にて、操作部25にある「書込」ボタンを押す(ON)と、ステップS37にて、情報処理装置15は、インターフェース装置17のRAMに書き込まれた最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータを読込み、転送して保存する。この場合、情報処理装置15には、最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータの基礎となる絵柄面積率データを格納したフォルダが既にあることから、この既存のフォルダに、絵柄面積率データと共に最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータが保存される。
【0050】
なお、上述の説明では、調整運転データとして、最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータを選択し、このデータを、インターフェース装置17を介して情報処理装置15に転送したが、この処理は簡易リピートデータとして転送しており、この方法に限るものではない。
【0051】
即ち、リモコンデスク14にて、印刷に使用した最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータを、上述したパラメータテーブルを用いて絵柄面積率データに逆変換し、調整運転データとして、この逆変換した絵柄面積率データを選択し、このデータをFDのフォーマット形式でインターフェース装置17のRAMに書き込む。そして、情報処理装置15の操作部25によりインターフェース装置17のRAMに書き込まれたデータ(逆変換した絵柄面積率データ)を読込んで保存する。この処理は、リピートデータとして転送することとなる。
【0052】
情報処理装置15が簡易リピートデータ(最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータ)保存した場合には、同じ印刷機を用いた次回の同様な印刷作業にて、このデータを使用することで、印刷機の色合わせ作業を短時間で容易に行うことができる。一方、リピートデータ(逆変換した絵柄面積率データ)保存した場合には、異なる印刷機を用いた次回の同様な印刷作業にて、このデータを使用することで、印刷機の色合わせ作業を短時間で容易に行うことができる。
【0053】
また、情報処理装置15は、インターフェース装置17のRAMに書き込まれた初期運転データ(絵柄面積率データ)の読込みが禁止されており、オペレータの誤操作により、RAMに書き込まれている初期運転データを情報処理装置15に保存しようとしても、この作業が禁止される。そのため、情報処理装置15が保存している初期運転データの重複や上書きが防止される。
【0054】
また、情報処理装置15や印刷機コントローラ23が、インターフェース装置17のRAMに書き込まれた各種データを保存する前に、オペレータが誤って電源をOFFすると、RAMの各種データが消えてしまうことから、コンデンサを搭載することで、所定時間にわたってデータを維持できるようにすることが望ましい。
【0055】
なお、印刷機10にて、過去に印刷作業で使用した刷版で再び印刷作業を行う場合、情報処理装置15には、既にこの使用する刷版に対応して絵柄面積率データ、並びに、調整済の最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータが1つのフォルダに保存されていることから、このデータを用いて印刷を行う。この場合、オペレータは、情報処理装置15に保存されている、初期運転データとして、調整済の最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータを適用し、この調整済の最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータをFDのフォーマット形式でインターフェース装置17のRAMに保存することとなる。
【0056】
そして、オペレータは、リモコンデスク14側からインターフェース装置17のRAMに書き込まれた調整済の最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータを読込み、印刷機コントローラ23は、このデータを保存する。但し、インキキー開度やインキ元ローラ回転量は、その日の気温や湿度などにより最適なものが異なることから、オペレータは、この調整済の最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量のデータを再調整し、再調整した最適なインキキー開度及びインキ元ローラ回転量を用いて印刷機10を稼動すると共に保存し、これを調整運転データとする。
【0057】
なお、ここでは、印刷機の場合について説明していたが、一般の産業機械の場合も、運転に影響しうる資材や環境の因子に応じて、最適なものが多少異なる場合は、オペレータが運転にかかる諸条件を調整して最適化し、産業機械を稼動すると共に保存し、これを調整運転データとする。
【0058】
なお、本実施例では、リモコンデスク14及び情報処理装置15にFDD24,27を搭載していることから、印刷機コントローラ23の読取形式とは、FDDの読取形式としている。
【0059】
このように実施例1のデータ転送装置16並びに印刷システム20にあっては、情報処理装置15が有する初期運転データをリモコンデスク14の印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して印刷機コントローラ23が読込可能となると共に、印刷機コントローラ23により調整された調整運転データを保存して情報処理装置15が読込可能となるインターフェース装置17を設けている。
【0060】
従って、リモコンデスク14に搭載しているFDD24などの種類に拘らず、情報処理装置15と印刷機コントローラ23との間で運転データのやり取りが可能となり、且つ、運転データの更新が可能となり、高コスト化を抑制することができると共に、データ管理の煩雑化を抑制することができる。
【0061】
また、実施例1のデータ転送装置16では、情報処理装置15とリモコンデスク14にそれぞれ操作部25,21を接続し、情報処理装置15における操作部25の読込ボタンの操作により初期運転データをインターフェース装置17に書き込み、リモコンデスク14における操作部21の読込ボタンの操作により初期運転データを印刷機コントローラ23に保存するようにしている。従って、読込ボタンの操作により初期運転データの書き込みや保存を行うことで、操作性を向上することができる。
【0062】
また、実施例1のデータ転送装置16では、リモコンデスク14における操作部21の書込ボタンの操作により調整運転データをインターフェース装置17に書き込み、情報処理装置15における操作部25の書込ボタンの操作により調整運転データを情報処理装置15に保存するようにしている。従って、書込ボタンの操作により調整運転データの書き込みや保存を行うことで、操作性を向上することができる。
【0063】
また、実施例1のデータ転送装置16では、情報処理装置15によるインターフェース装置17に書き込まれた初期運転データの読込を禁止している。従って、情報処理装置15が保存している初期運転データの重複や上書きが防止され、高精度なデータ管理を可能とすることができる。
【0064】
また、実施例1のデータ転送装置16では、印刷機コントローラ23の読取形式をフロッピーディスクドライブの読取形式としている。従って、フロッピーディスクが故障した場合であっても運転データのやり取りを可能とすることができる。
【0065】
また、実施例1のデータ転送装置16では、情報処理装置15は、初期運転データとして絵柄面積率データを印刷機コントローラ23の読取形式に合わせてインターフェース装置17に保存する一方、印刷機コントローラ23はインターフェース装置17の絵柄面積率データを読込ってインキキー開度またはインキ元ローラ回転量に変換して印刷機10を制御している。従って、絵柄面積率データを転送し、インキキー開度またはインキ元ローラ回転量に変換して印刷機10を制御することができ、適正な印刷機制御を可能とすることができる。
【0066】
また、実施例1のデータ転送装置16では、リモコンデスク14の印刷機コントローラ23は、印刷終了後にインキキー開度またはインキ元ローラ回転量をインターフェース装置17に保存する一方、情報処理装置15は、インターフェース装置17のインキキー開度またはインキ元ローラ回転量を読取って保存している。従って、調整後のインキキー開度またはインキ元ローラ回転量を保存することで、次回の印刷作業にて、調整作業を簡素化して作業性を向上することができる。
【0067】
また、実施例1のデータ転送装置16では、印刷機コントローラ23は、印刷終了後にインキキー開度またはインキ元ローラ回転量を絵柄面積率データに逆変換してインターフェース装置17に保存する一方、情報処理装置15は、インターフェース装置17の絵柄面積率データを読取って保存するようにしてもよい。従って、調整後の絵柄面積率データを保存することで、別の印刷機であっても、次回の印刷作業にて、調整作業を簡素化して作業性を向上することができる。
【0068】
また、実施例1のデータ転送装置16では、印刷機コントローラ23とインターフェース装置17を構成するVBT基板をリモコンデスク14内に収容しており、装置の簡素化を可能とすることができる。
【実施例2】
【0069】
図5は、本発明の実施例2に係るデータ転送装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0070】
図5に示すように、実施例2の印刷システム20Aにて、データ転送装置40は、情報処理装置15とリモコンデスク14の印刷機コントローラ23との間で運転データの転送を行うものであり、情報処理装置15が有する初期運転データをリモコンデスク14内の印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して印刷機コントローラ23が読込可能となると共に、印刷機コントローラ23により調整された調整運転データを保存して情報処理装置15が読込可能となるインターフェース装置17を有している。
【0071】
本実施例では、CTP32と情報処理装置15との間にPPC(Press CIP3/4 Control System)サーバ41がケーブルによりオンラインで接続されている。このPPCサーバ41は、CTP32からCIP3/4のイメージデータを受信し、制御用データに変換して蓄積する。蓄積された制御用データは、情報処理装置15へ送信される。そのため、DEMIA34やFDが不要となる。
【0072】
従って、RIP31が、デザインデータに基づいて印刷機10の解像度に応じたビットマップのイメージ(ラスターデータ)を生成し、CTP32が、このラスターデータに基づいて各色に応じた5枚の刷版を製作すると共に、PPCサーバ41にラスターデータを送信する。PPCサーバ41は、CTP32からラスターデータを受信し、これを制御用データ、つまり、絵柄面積率データに変換して蓄積する。
【0073】
情報処理装置15は、PPCサーバ41から絵柄面積率データを受取り、初期運転データとして、この絵柄面積率データを所定のフォルダに格納する。オペレータは、操作部25にある「読込」ボタンを押す(ON)と、情報処理装置15にあって選択された絵柄面積率データがFDのフォーマット形式でインターフェース装置17のRAMに書き込まれ、保存される。以下の処理は、上述した実施例1と同様であるため、説明は省略する。
【0074】
このように実施例2のデータ転送装置40にあっては、情報処理装置15が有する初期運転データをリモコンデスク14の印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して印刷機コントローラ23が読込可能となると共に、印刷機コントローラ23により調整された調整運転データを保存して情報処理装置15が読込可能となるインターフェース装置17を設けており、RIP31、CTP32、PPCサーバ41、情報処理装置15をオンラインで接続されている。
【0075】
従って、情報処理装置15と印刷機コントローラ23との間で運転データのやり取りが可能となり、且つ、運転データの更新が可能となり、高コスト化を抑制することができると共に、データ管理の煩雑化を抑制することができる。また、各種データの転送をオンラインで行うことで、FDなどを完全に不要とすることができる。
【実施例3】
【0076】
図6は、本発明の実施例3に係るデータ転送装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0077】
図6に示すように、実施例3の印刷システム20Bにて、データ転送装置50は、情報処理装置15とリモコンデスク14の印刷機コントローラ23との間で運転データの転送を行うものであり、情報処理装置15が有する初期運転データをリモコンデスク14内の印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して印刷機コントローラ23が読込可能となると共に、印刷機コントローラ23により調整された調整運転データを保存して情報処理装置15が読込可能となるインターフェース装置17を有している。
【0078】
また、本実施例では、DEMIA34と情報処理装置15との間でデータの転送を可能とするため、両者の間にデータ転送装置50Aが設けられている。このデータ転送装置50Aは、DEMIA34から受取った絵柄面積率データを情報処理装置15の読取形式、つまり、印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して情報処理装置15が読込可能となる第2記憶装置としての第2インターフェース装置(VBT基板)54を有しており、この第2インターフェース装置54に第2情報処理装置51を接続され、第2情報処理装置51が第2情報処理装置15に接続されている。
【0079】
第2情報処理装置51は、操作部52と表示部53を有すると共に、図示しないが、CPU、ROM、RAM、GUIなどを搭載しており、このCPUが記憶されたデータ転送プログラムを処理可能となっている。このデータ転送プログラムとは、GUIの環境下で処理されるものであり、DEMIA34から第2インターフェース装置54へ運転データ(絵柄面積率データ)の送信、第2インターフェース装置54から第2情報処理装置51への運転データの送信を行うものである。そのため、FDが不要となる。
【0080】
また、第2インターフェース装置54は、FPGA、CPU、RAMなどを搭載しており、DEMIA34からの運転データ(絵柄面積率データ)の書込が可能となっている。この場合、RAMが記憶装置として機能する。そして、第2インターフェース装置54は、入出力ポート55を介してDEMIA34に接続されると共に、入出力ポート56を介して第2情報処理装置51と接続されている。この場合、入出力ポート28は、例えば、USBポートである。
【0081】
従って、RIP31が、デザインデータに基づいて印刷機10の解像度に応じたビットマップのイメージ(ラスターデータ)を生成し、CTP32が、このラスターデータに基づいて各色に応じた5枚の刷版33a,33b,33c,33d,33eを製作する。DEMIA34は、各刷版33a,33b,33c,33d,33eを読み取り、絵柄面積率データを第2情報処理装置51に保存する。
【0082】
オペレータが、DEMIA34を操作すると、絵柄面積率データがFDのフォーマット形式で第2インターフェース装置54のRAMに書き込まれ、保存される。オペレータは、第2情報処理装置51の操作部52により第2インターフェース装置54のRAMに書き込まれデータを読み込み、操作部52にある「読込」ボタンを押す(ON)と、第2インターフェース装置54のRAMに書き込まれた絵柄面積率データを読込み、保存する。そして、第2情報処理装置51は、読込んだ絵柄面積率データを情報処理装置15へ送信する。以下の処理は、上述した実施例1と同様であるため、説明は省略する。
【0083】
このように実施例3のデータ転送装置50にあっては、DEMIA34と情報処理装置15との間に、第2情報処理装置51、第2インターフェース装置54を接続し、DEMIA34が有する初期運転データを第2インターフェース装置54に情報処理装置15、つまり、リモコンデスク14の印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して情報処理装置51,15が読込可能としている。
【0084】
従って、DEMIA34と情報処理装置15との間で運転データのやり取りが可能となり、高コスト化を抑制することができると共に、データ管理の煩雑化を抑制することができる。また、各種データの転送をオンラインで行うことで、FDなどを完全に不要とすることができる。
【実施例4】
【0085】
図7は、本発明の実施例4に係るデータ転送装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0086】
図7に示すように、実施例4の印刷システム20Cにて、データ転送装置60は、情報処理装置15とリモコンデスク14の印刷機コントローラ23との間で運転データの転送を行うものであり、情報処理装置15が有する初期運転データをリモコンデスク14内の印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して印刷機コントローラ23が読込可能となると共に、印刷機コントローラ23により調整された調整運転データを保存して情報処理装置15が読込可能となるインターフェース装置17を有している。
【0087】
この場合、本実施例では、リモコンデスク14の印刷機コントローラ23の読取形式を、磁気カードCの読取形式としている。そのため、リモコンデスク14は、磁気カードリーダ62を搭載している。一方、DEMIA34も、磁気カードリーダ34bを搭載している。
【0088】
また、本実施例では、磁気カードCのデータをFDの形式に変換する変換機61が設けられている。
【0089】
従って、RIP31が、デザインデータに基づいて印刷機10の解像度に応じたビットマップのイメージ(ラスターデータ)を生成し、CTP32が、このラスターデータに基づいて各色に応じた5枚の刷版33a,33b,33c,33d,33eを製作する。DEMIA34は、各刷版33a,33b,33c,33d,33eを読み取り、磁気カードリーダ34bを用いてこの絵柄面積率データを磁気カードCに書き込む。
【0090】
オペレータは、絵柄面積率データが書き込まれた磁気カードCを変換機61に通すことで、絵柄面積率データをFDの記録形式に変換し、FDに格納する。この場合、変換機61は、FDDを搭載している。
【0091】
続いて、オペレータは、絵柄面積率データが格納されたFDを情報処理装置15のFDD27に挿入し、FDD27から絵柄面積率データを読み出し、初期運転データとして、この絵柄面積率データを所定のフォルダに格納する。そして、オペレータは、操作部25にある「読込」ボタンを押す(ON)と、情報処理装置15にあって選択された絵柄面積率データが磁気カードCのフォーマット形式でインターフェース装置17のRAMに書き込まれ、保存される。
【0092】
オペレータは、リモコンデスク14の操作部21によりインターフェース装置17のRAMに書き込まれデータを読み込み、操作部21にある「読込」ボタンを押す(ON)と、印刷機コントローラ23は、インターフェース装置17のRAMに書き込まれた絵柄面積率データを読込み、印刷機10のインキキー開度及びインキ元ローラ送り量データに変換し、保存する。以下の処理は、上述した実施例1と同様であるため、説明は省略する。
【0093】
このように実施例4のデータ転送装置60にあっては、情報処理装置15が有する初期運転データをリモコンデスク14の印刷機コントローラ23の読取形式に合わせて保存して印刷機コントローラ23が読込可能となると共に、印刷機コントローラ23により調整された調整運転データを保存して情報処理装置15が読込可能となるインターフェース装置17を設けている。
【0094】
従って、印刷機コントローラ23の読取形式が磁気カードリーダ62の読取形式であっても、情報処理装置15と印刷機コントローラ23との間で運転データのやり取りが可能となり、且つ、運転データの更新が可能となり、高コスト化を抑制することができると共に、データ管理の煩雑化を抑制することができる。
【0095】
なお、上述の各実施例では、本発明のデータ転送装置及び印刷システムをオフセット枚葉印刷機に適用したが、輪転印刷機に使用することもできる。また、本発明のデータ転送装置を印刷機に適用したが、工作機械などの他の産業機械に使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上のように、本発明に係るデータ転送装置及び印刷システムは、初期運転データを所定の読取形式に合わせて保存すると共に、調整された調整運転データを保存する記憶装置を設けることで、高コスト化を抑制すると共にデータ管理の煩雑化を抑制するものであり、いずれの産業機械、印刷機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
10 オフセット枚葉印刷機
14 リモコンデスク
15 情報処理装置
16,40,50,50A,60 データ転送装置
17 インターフェース装置、VBT基板(記憶装置)
20,20A,20B,20C 印刷システム
21,25,52 操作部
22,26,53 表示部
23 印刷機コントローラ(産業機械用制御装置、印刷機用制御装置)
24,27 FDD、フロッピーディスクドライブ
34 DEMIA、(刷版絵柄測定装置)
41 PPCサーバ
51 第2情報処理装置
54 第2インターフェース装置、VBT基板(第2記憶装置)
61 変換機
62 磁気カードリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と産業機械用制御装置との間で産業機械の運転データの転送を行うデータ転送装置において、
前記情報処理装置が有する前記産業機械の初期運転データを前記産業機械用制御装置の読取形式に合わせて保存して前記産業機械用制御装置が読込可能となると共に、前記産業機械用制御装置により調整された調整運転データを保存して前記情報処理装置が読込可能となる記憶装置を設けることを特徴とするデータ転送装置。
【請求項2】
前記情報処理装置と前記産業機械用制御装置に、それぞれ操作装置が接続され、前記情報処理装置における操作装置の読込ボタンの操作により初期運転データが前記記憶装置に書き込まれ、前記産業機械用制御装置における操作装置の読込ボタンの操作により初期運転データが前記産業機械用制御装置に転送されて保存されることを特徴とする請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項3】
前記産業機械用制御装置における操作装置の書込ボタンの操作により調整運転データが前記記憶装置に書き込まれ、前記情報処理装置における操作装置の書込ボタンの操作により前記調整運転データが前記情報処理装置に転送されて保存されることを特徴とする請求項2に記載のデータ転送装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記記憶装置に書き込まれた初期運転データの読込が禁止されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のデータ転送装置。
【請求項5】
前記産業機械用制御装置の読取形式とは、フロッピーディスクドライブまたは磁気カードリーダの読み取り形式であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のデータ転送装置。
【請求項6】
前記産業機械は、印刷機であり、前記情報処理装置は、初期運転データとしての絵柄面積率データを印刷機用制御装置の読取形式に合わせて前記記憶装置に保存する一方、前記印刷機用制御装置は、前記記憶装置の絵柄面積率データを読込んでインキキー開度またはインキ元ローラ送り量に変換して前記印刷機を制御することを特徴とする請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項7】
前記印刷機用制御装置は、印刷終了後に、調整運転データとしてのインキキー開度またはインキ元ローラ送り量を前記記憶装置に保存する一方、前記情報処理装置は前記記憶装置のインキキー開度またはインキ元ローラ送り量を読取って保存することを特徴とする請求項6に記載のデータ転送装置。
【請求項8】
前記印刷機用制御装置は、印刷終了後に、調整運転データとしてのインキキー開度またはインキ元ローラ送り量を絵柄面積率データに変換して前記記憶装置に保存する一方、前記情報処理装置は前記記憶装置の絵柄面積率データを読取って保存することを特徴とする請求項6に記載のデータ転送装置。
【請求項9】
前記記憶装置は、リモコンデスク内に収容されることを特徴とする請求項6から8のいずれか一つに記載のデータ転送装置。
【請求項10】
前記産業機械は、印刷機であり、刷版絵柄測定装置が刷版から測定した絵柄面積率を印刷機用制御装置の読取形式に合わせて前記記憶装置に保存する一方、前記情報処理装置は、前記記憶装置の絵柄面積率を読込可能であることを特徴とする請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項11】
情報処理装置と印刷機用制御装置との間で印刷機の運転データの転送を行い、印刷機用制御装置が運転データを調整しながら印刷機を制御して印刷作業を行う印刷システムにおいて、
前記情報処理装置が前記印刷機の初期運転データを前記印刷機用制御装置の読取形式に合わせて記憶装置に保存する一方、前記印刷機用制御装置が前記記憶装置の初期運転データを読込んで印刷機を制御し、印刷終了後、前記印刷機用制御装置が調整運転データを前記記憶装置に保存する一方、前記情報処理装置が前記記憶装置の調整運転データを読取って保存することを特徴とする印刷システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−107743(P2011−107743A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258802(P2009−258802)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】