説明

トイレ室の空気制御システム及び空気制御方法

【課題】本発明は、使用者がトイレ室を快適に使用でき、しかも、エネルギーの消費を極力小さくして使用コストを低く抑えることのできるトイレ室の空気制御システム及び空気制御方法の提供を目的とする。
【解決手段】エアコン2と、換気扇31を有する換気装置3と、コントローラ4とを備える。コントローラ4は、トイレ室使用開始信号及びトイレ室使用終了信号をエアコン2に送信するとともに、トイレ室使用終了信号及び換気扇作動停止信号を換気装置3に送信する。エアコン2は、トイレ室使用開始信号を受信すると作動を開始し、トイレ室使用終了信号を受信すると作動を停止する。換気装置3は、トイレ室使用終了信号を受信するとその受信時から換気扇の作動を開始し、換気扇作動停止信号を受信すると換気扇の作動を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ室の空気を制御する空気制御システム及び空気制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレ室の空気を制御するシステム等は知られている。例えばトイレ室内を暖房する暖房機器を有する便所装置が提案されている。この装置は、便所装置の使用者の操作に適した場所に設置可能であり、便所装置に対して操作指令を行うための遠隔操作盤を有し、暖房機器を、前記遠隔操作盤に設けた温度検出手段が検出した温度に応じて制御するようにしたものである(特許文献1参照)。こうすることにより、使用者が常時快適に便所装置を使用することが可能となる。
【特許文献1】特開平10−204959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1に記載のものでは、温度検出手段が検出した温度に応じて暖房機器を制御して作動させている。換言すれば、便所装置を使用していない場合にまで、暖房機器を制御して作動させている。したがって、使用者が常時快適に便所装置を使用できるとしても、エネルギーの消費が大きく、使用コストが高くついてしまうという問題点がある。
【0004】
本発明は、使用者がトイレ室を快適に使用でき、しかも、エネルギーの消費を極力小さくして使用コストを低く抑えることのできるトイレ室の空気制御システム及び空気制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1は、トイレ室に設けられ冷房手段と暖房手段との少なくとも一方の手段を有する室温調整装置と、トイレ室の空気を換気する換気扇を有する換気装置と、これらの室温調整装置及び換気装置に制御信号を送信可能な管理装置とを備えたトイレ室の空気制御システムであって、前記管理装置は、トイレ室の使用開始および使用終了を判定するトイレ室使用開始終了判定手段を備え、このトイレ室使用開始終了判定手段によって、トイレ室の使用が開始されたと判定した場合に、トイレ室使用開始信号を室温調整装置に送信するとともに、トイレ室の使用が終了したと判定した場合に、トイレ室使用終了信号を室温調整装置及び換気装置に送信し、前記室温調整装置は、前記トイレ室使用開始信号を受信した場合にそのトイレ室使用開始信号に基づいて、作動を開始し、前記トイレ室使用終了信号を受信した場合にそのトイレ室使用終了信号に基づいて、作動を停止し、前記換気装置は、前記トイレ室使用終了信号を受信した場合にその信号に基づいて、その信号の受信時から換気扇の作動を開始し、その受信時から一定時間経過した後に換気扇の作動を停止することを特徴とするトイレ室の空気制御システムを提供する。
【0006】
請求項2のように、前記管理装置は、トイレ室に設けられた検出装置から使用開始検出信号及び使用終了検出信号を受信し、その受信した信号に基づいてトイレ室の使用開始および使用終了を判定し、前記使用開始検出信号は、検出装置に設けられた検出センサによって、使用者がトイレ室に入室したことを検出された場合、又は、トイレ室に設けられた便座に使用者が着座したことを検出された場合に、前記検出装置から前記管理装置に送信され、前記使用終了検出信号は、前記検出センサによって、使用者がトイレ室から退室したことを検出された場合、又は、使用者が着座した便座から離れたことを検出された場合に、前記検出装置から前記管理装置に送信されることが好ましい。
【0007】
請求項3のように、前記管理装置は、前記使用終了検出信号を受信した後、設定時間経過前に、前記使用開始検出信号を受信したか否かを判定する設定時間経過判定手段を備え、この設定時間経過判定手段によって、前記設定時間経過前に受信していないと判定した場合に、換気扇作動停止信号を、直ちに換気装置に送信し、前記設定時間経過前に受信したと判定した場合に、前記換気扇作動停止信号を、前記使用終了検出信号を受信してから前記設定時間経過後に換気装置に送信し、前記換気装置は、前記トイレ室使用終了信号を受信しその受信した信号に基づいて、そのトイレ室使用終了信号の受信時から換気扇の作動を開始し、前記換気扇作動停止信号を受信した場合にその信号に基づいて、換気扇の作動を停止することが好ましい。
【0008】
本発明の請求項4は、トイレ室に設けられ冷房手段と暖房手段との少なくとも一方の手段を有する室温調整装置とトイレ室の空気を換気する換気扇を有する換気装置とこれらの室温調整装置及び換気装置に制御信号を送信可能な管理装置とを用いてトイレ室の空気を制御する空気制御方法であって、前記管理装置に、トイレ室の使用の開始及び終了を判定させ、トイレ室の使用が開始されたと判定した場合に、トイレ室使用開始信号を前記室温調整装置に送信させるとともに、トイレ室の使用が終了したと判定した場合に、トイレ室使用終了信号を前記室温調整装置及び前記換気装置に送信させることによって、前記室温調整装置に、前記トイレ室使用開始信号を受信した場合にその信号に基づいて作動を開始させ、前記トイレ室使用終了信号を受信した場合にその信号に基づいてその作動を終了させ、前記換気装置に、前記トイレ室使用終了信号を受信した場合にその信号に基づいて、その信号の受信時から換気扇の作動を開始させ、その信号の受信時から一定時間経過した後に換気扇の作動を停止させるようにしたことを特徴とするトイレ室の空気制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び請求項4によれば、トイレ室が使用される場合には、室温調整装置の作動によって、トイレの使用者に快適感を与えることができる。また、トイレ室の使用終了後は、換気装置の換気扇の作動によって、臭気をトイレ室の外に排出でき、その後にトイレ室を使用する者に不快感を与えることを防止できる。
【0010】
又、その際、室温調整装置を、トイレ室が使用されている間だけ、作動させるとともに、換気装置の換気扇を、トイレ室の使用後の一定時間だけ、作動させるため、エネルギーの消費を極力抑えることができ、トイレ室の使用コストを低く抑えることができる。
【0011】
請求項2によれば、検出装置の検出センサによって、使用者のトイレ室への入退室、又は、トイレ室の便座への着脱が検出された場合に検出装置から送信されてくる信号に基づいて管理装置がトイレ室の使用開始および使用終了を判定するため、トイレ室の使用の開始および終了の判定を正確且つ確実なものにできる。
【0012】
請求項3によれば、換気装置は、トイレ室使用終了信号に基づいて、そのトイレ室使用終了信号の受信時から換気扇の作動を開始するため、トイレ室を使用している間は、室温調整装置の作動による冷気等がトイレ室の外に逃げるのを防止でき、使用者に快適感を与え続けることができる。
【0013】
又、トイレ室を使用している間は、必ず、換気扇の作動を停止できる。これにより、換気扇の作動に伴う音の発生を防止でき、使用者の耳障りになるようなことを防止でき、使用者に落ち着いた雰囲気を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態のトイレ室の空気制御システムの概略図、図2は、本発明の一実施の形態のトイレ室の空気制御システムに用いられるコントローラを説明するためのブロック図、図3は、同システムに用いられるエアコンを説明するためのブロック図、図4は、同システムに用いられる換気装置のブロック図である。
【0016】
この実施形態のトイレ室の空気制御システムは、図1に示すように、トイレ室1に設けられた室温調整装置としてのエアコンディショナー(エアコン)2と、トイレ室1の空気を換気する及び換気装置3と、これらのエアコン2及び換気装置3と相互に制御信号を有線又は無線(この実施形態では無線)により送受信可能な管理装置としてのコントローラ4とを備えている。
【0017】
コントローラ4は、この実施形態では、トイレ室1内に設けられており、図2に示すように冷暖房モード判定手段41と、トイレ室使用開始終了判定手段としての入退室判定手段42と、設定時間経過判定手段43と、送信手段44と、受信手段45とを備えている。
【0018】
冷暖房モード判定手段41は、後述するエアコン2が有する冷房手段を作動させる冷房モードか、又はエアコン2が有する暖房手段を作動させる暖房モードかを判定するもので、この実施形態では、コントローラ4に付設された温度センサ(図示せず)によって検出したトイレ室1の室温の温度情報とコントローラ4に適宜設定される冷暖房モード設定温度とに基づいて判定する。
【0019】
より詳しくは、例えば管理者や使用者等によって、冷暖房モード設定温度が25°Cと設定された場合は、温度センサによって検出された検出温度が25°C未満(検出温度<冷暖房モード設定温度)であると、暖房モードと判定し、一方、検出された温度が25°C以上(検出温度>冷暖房モード設定温度及び検出温度=冷暖房モード設定温度)であると、冷房モードと判定する。
【0020】
又、コントローラ4は、冷暖房モード判定手段41によって、暖房モードと判定した場合は、暖房モード信号を生成し、冷房モードと判定した場合は、冷房モード信号を生成する。
【0021】
入退室判定手段42は、トイレ室に設けられた検出装置から受信した使用開始検出信号及び使用終了検出信号に基づいて、トイレ室の使用開始および使用終了を判定する。
【0022】
詳しくは、トイレ室1には、図示しないが、検出センサを有する検出装置が設けられている。また、この実施形態の検出センサは、トイレ室1の内壁面に設置された赤外線センサから構成され、使用者がトイレ室1に入ってくる(入室)とその入室を検出するとともに、その入室した使用者がトイレ室1から出て行く(退室)とその退室を検出する。
【0023】
又、検出装置は、検出センサが入室を検出した場合に、トイレ室1の使用開始を検出した旨の使用開始検出信号をコントローラ4に送信し、一方、検出センサが退室を検出した場合に、トイレ室1の使用終了を検出した旨の使用終了検出信号をコントローラ4に送信する。
【0024】
そして、それらを受信したコントローラ4は、使用開始検出信号を受信した場合にその信号に基づいてトイレ室の使用が開始されたと判定し、使用終了検出信号を受信した場合にその信号に基づいてトイレ室の使用が終了したと判定する。
【0025】
又、コントローラ4は、トイレ室の使用が開始されたと判定した場合は、トイレ室1の使用が開始された旨のトイレ室使用開始信号を生成し、一方、トイレ室の使用が終了したと判定した場合は、トイレ室1の使用が終了した旨のトイレ室使用終了信号を生成する。
【0026】
設定時間経過判定手段43は、上記使用終了検出信号を検出装置から受信した後、後述の換気扇31のディレイオフ時間(遅れて切る時間)として設定した設定時間(例えば5分)経過前に、検出装置から使用開始検出信号を受信したか否かを判定する。
【0027】
送信手段44は、例えば上記トイレ室使用開始信号をエアコン2及び換気装置3に送信する。又、送信手段44は、例えば上記トイレ室使用終了信号をエアコン2に送信する。更には、送信手段44は、例えば暖房モード信号あるいは冷房モード信号をエアコン2に送信する。
【0028】
受信手段45は、例えば上記トイレ室使用開始信号等を受信した旨の応答信号をエアコン2及び換気装置3から受信する。
【0029】
又、コントローラ4は、図示しないが、記録装置であるメモリ、制御装置であるCPU、表示装置である表示部、入力装置であるボタンキー、エアコン2及び換気装置3と通信するための通信インターフェース等を備えている。
【0030】
そして、上記CPUは、図2の冷暖房モード判定手段41、入退室判定手段42、設定時間経過判定手段43、送信手段44、受信手段45として機能する。
【0031】
次に、エアコン2について説明する。この実施形態のエアコン2は、冷房手段と、暖房手段と、送風ファン26とを備えたヒートポンプ式冷温風発生装置から構成されている。
【0032】
冷房手段及び暖房手段は、例えば図1に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機21、室外熱交換機22、室内熱交換機24等を備えており、これらによって発生させた冷気又は暖気を、室内熱交換機24の上部側に開設された開口部25からトイレ室1内に放出する。又、この実施形態では、開口部25は、トイレ室1の内部におけるほぼ下方部に配設されている。
【0033】
送風ファン26は、開口部25に設けられており、この送風ファン26が作動することによって、上記発生させた冷気又は暖気を開口部25から冷風又は温風にしてトイレ室1内に出すようになっている。
【0034】
エアコン2は、図3に示すように、作動開始手段27と、作動停止手段28と、受信手段29と、送信手段30とを備えている。
【0035】
作動開始手段27は、コントローラ4からトイレ室使用開始信号を受信した場合にそのトイレ室使用開始信号に基づいてその受信時から冷房又は暖房手段を作動させる。
【0036】
作動停止手段28は、トイレ室使用終了信号を受信した場合にそのトイレ室使用終了信号に基づいて上記作動を停止させる。
【0037】
受信手段29は、例えば上記トイレ室使用開始信号、トイレ室使用終了信号、暖房モード信号あるいは冷房モード信号をコントローラ4から受信する。
【0038】
送信手段30は、例えば上記トイレ室使用開始信号等を受信した旨の応答信号をコントローラ4に送信する。
【0039】
又、エアコン2は、図示しないが、記録装置であるメモリ、制御装置であるCPU、表示装置である表示部、入力装置であるボタンキー、コントローラ4と通信するための通信インターフェース等を備えている。
【0040】
そして、上記CPUは、図3の作動開始手段27、作動停止手段28、受信手段29、送信手段30として機能する。
【0041】
次に、換気装置3について説明する。この換気装置3は、図1に示すように、換気扇31を備え、トイレ室1における上方側であって、トイレ室1内に設けられた便器5を挟んで上記エアコン2の開口部25のななめ上方側に配設されている。
【0042】
又、換気装置3は、図4に示すように、換気扇作動開始手段32と、換気扇作動停止手段33と、受信手段34と、送信手段35とを備えている。この実施形態における換気扇作動開始手段32は、前記トイレ室使用終了信号をコントローラ4から受信した場合にその信号に基づいて、その信号の受信時から換気扇31の作動を開始する。
【0043】
換気扇作動停止手段33は、前記換気扇作動停止信号をコントローラ4から受信した場合にその信号に基づいて、換気扇31の作動を停止する。
【0044】
受信手段34は、例えばトイレ室使用終了信号、換気扇作動停止信号をコントローラ4から受信する。
【0045】
送信手段35は、例えば上記トイレ室使用開始信号等を受信した旨の応答信号をコントローラ4に送信する。
【0046】
又、換気装置3は、図示しないが、記録装置であるメモリ、制御装置であるCPU、表示装置である表示部、入力装置であるボタンキー、コントローラ4と通信するための通信インターフェース等を備えている。
【0047】
そして、上記CPUは、図4の換気扇作動開始手段32、換気扇作動停止手段33、受信手段34、送信手段35として機能する。
【0048】
以上のように構成された上記実施形態におけるコントローラ4とエアコン2との相互の動作について、図5を参照して説明する。
【0049】
尚、コントローラ4は、上述のように管理者等によって冷暖房モード設定温度が入力されると、その入力された温度と、温度センサによる検出温度とに基づいて暖房モード又は冷房モードと判定し、暖房モードと判定した場合は、暖房モード信号を生成してエアコン2に送信し、冷房モードと判定した場合は、冷房モード信号を生成してエアコン2に送信する。そして、エアコン2は、暖房モード信号を受信した場合は、その信号に基づいて暖房手段を作動させて暖房モードで低出力運転を行い、一方、冷房モード信号を受信した場合は、その信号に基づいて冷房手段を作動させて冷房モードで低出力運転を行う。以下、この状態から説明する。
【0050】
まず、コントローラ4は、検出装置からの使用開始検出信号の受信に基づいて、トイレ室1に使用者が入室されたか否かを判定する(図5、ステップS1)。
【0051】
上記ステップS1において、トイレ室1に使用者が入室されたと判定した場合、コントローラ4は、トイレ室使用開始信号をエアコン2に送信する(図5、ステップS2)。一方、トイレ室1に使用者が未だ入室されないと判定した場合は、コントローラ4は、トイレ室1への使用者の入室を待つ。このステップS1が上記入退室判定手段42に対応する。
【0052】
トイレ室使用開始信号を受信したエアコン2は、その信号に基づいてその受信時から作動を開始する(図5、ステップS11)。尚、トイレ室使用開始信号を受信したエアコン2は、受信した旨の応答信号をコントローラ4に送信するが、この説明は省略している。以下の説明においても同じである。
【0053】
コントローラ4は、検出装置からの使用終了検出信号の受信に基づいて、入室された使用者が退出されたか否かを判定する(図5、ステップS3)。
【0054】
ステップS3において、退出されたと判定した場合、コントローラ4は、トイレ室使用終了信号をエアコン2(及び換気装置3)に送信する(図5、ステップS4)。一方、未だ退室されてないと判定した場合、コントローラ4は、退室を待つ。
【0055】
トイレ室使用終了信号を受信したエアコン2は、その信号に基づいて作動を停止する(図5、ステップS12)。
【0056】
次に、図6、図7を参照して、コントローラ4と換気装置3との相互の動作について説明する。コントローラ4は、上述のステップS1〜ステップS3を経て、ステップS4でトイレ室使用終了信号をエアコン及び換気装置3に送信すると、これを受信した換気装置3は、その信号に基づいてその受信時から換気扇31の作動を開始させる(図5、ステップS21)。
【0057】
その後、コントローラ4は、検出装置から使用終了検出信号を受信した後、設定時間経過前に、再度、トイレ室への入室があったか否か、換言すれば、設定時間経過前に、再度、検出装置から使用開始検出信号を受信したか否かを判定する(図7、ステップS5)。このステップS5が、設定時間経過判定手段43に対応する。
【0058】
そして、上記ステップS5において、再度の入室があったと判定した場合、コントローラ4は、換気扇作動停止信号を、直ちに換気装置3に送信する(図7、ステップS6)。
【0059】
一方、上記ステップS5において、再度の入室がなかったと判定した場合、コントローラ4は、換気扇作動停止信号を、検出装置から使用終了検出信号を受信してから設定時間経過後に換気装置3に送信する(図7、ステップS7)。
【0060】
これを受信した換気装置3は、換気扇の作動を停止する(図7、ステップS22)。以上のエアコン2と換気装置3との動作による運転状況を、時間軸に沿って表すと図8に示すものとなる。尚、この図8では、設定時間の経過前に再度の入室がない場合を例示している。
【0061】
尚、上記実施形態では、コントローラ4は、使用者の入退室を検出する検出センサによる検出に基づいて、トイレ室の使用の開始及び終了を判定しているが、この形態のものに限らず、適宜変更し得る。
【0062】
例えば便器5に設けられた便座又は便器近傍の床面に圧力センサを設けておき、使用者が着座した場合に圧力センサにかかる圧力の変化によって、あるいは、便器の下部に距離センサを設けておき、使用者が着座した場合に使用者の足が距離センサを遮ることによる距離の変化によって、使用者が便座への着座を検出した場合の信号に基づいてトイレ室の使用の開始を判定するとともに、使用者が着座した便座から離れたことを検出した場合の信号に基づいてトイレ室の使用の終了を判定するようにしても良い。
【0063】
更には、トイレ室のドアの開閉を検出する検出センサを設置してその開閉検出センサによるドアの開閉の検出に基づいてトイレ室の使用の開始及び終了を判定しても良い。
【0064】
又、上記実施形態では、室温調整装置2として暖房手段及び冷房手段を有するエアコンから構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更でき、例えば室温調整装置2を、冷房手段を有さない暖房装置から構成し、あるいは、暖房手段を有さない冷房装置から構成しても良い。又、室温調整装置2を、例えばヒーターパネル等の輻射手段を備えたもの、あるいは、ガス又は電気式のストーブ等から構成しても良い。
【0065】
又、上記実施形態では、換気扇を、コントローラ4から受信した換気扇停止信号に基づいて停止させているが、例えば換気装置がコントローラ4から換気扇停止信号を受信することなくトイレ室使用終了信号の受信時から予め定めた一定時間経過後に換気扇の作動を停止するようにしても良い。コントローラ4が換気扇停止信号を換気装置に送信する場合において、その送信する時期は、特に限定されず、適宜変更できる。
【0066】
また、上記実施形態では、コントローラ4を、室温調整装置及び換気装置と別体のものから構成しているが、この形態のものに限らず、室温調整装置と換気装置との一方または両方に組み込むようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態のトイレ室の空気制御システムの概略図である。
【図2】本発明の一実施の形態のトイレ室の空気制御システムに用いられるコントローラを説明するためのブロック図である。
【図3】同システムに用いられるエアコンを説明するためのブロック図である。
【図4】同システムに用いられる換気装置のブロック図である。
【図5】コントローラとエアコンとの相互の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】コントローラと換気装置との相互の動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図7】コントローラと換気装置との相互の動作を説明するためのフローチャートの他の一部である。
【図8】エアコンと換気装置との運転状況の説明図である。
【符号の説明】
【0068】
1 トイレ室
2 エアコン(室温調整装置)
3 換気装置
4 コントローラ(管理装置)
31 換気扇

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室に設けられ冷房手段と暖房手段との少なくとも一方の手段を有する室温調整装置と、トイレ室の空気を換気する換気扇を有する換気装置と、これらの室温調整装置及び換気装置に制御信号を送信可能な管理装置とを備えたトイレ室の空気制御システムであって、
前記管理装置は、トイレ室の使用開始および使用終了を判定するトイレ室使用開始終了判定手段を備え、このトイレ室使用開始終了判定手段によって、トイレ室の使用が開始されたと判定した場合に、トイレ室使用開始信号を室温調整装置に送信するとともに、トイレ室の使用が終了したと判定した場合に、トイレ室使用終了信号を室温調整装置及び換気装置に送信し、
前記室温調整装置は、前記トイレ室使用開始信号を受信した場合にそのトイレ室使用開始信号に基づいて、作動を開始し、前記トイレ室使用終了信号を受信した場合にそのトイレ室使用終了信号に基づいて、作動を停止し、
前記換気装置は、前記トイレ室使用終了信号を受信した場合にその信号に基づいて、その信号の受信時から換気扇の作動を開始し、その受信時から一定時間経過した後に換気扇の作動を停止することを特徴とするトイレ室の空気制御システム。
【請求項2】
前記管理装置は、トイレ室に設けられた検出装置から使用開始検出信号及び使用終了検出信号を受信し、その受信した信号に基づいてトイレ室の使用開始および使用終了を判定し、
前記使用開始検出信号は、検出装置に設けられた検出センサによって、使用者がトイレ室に入室したことを検出された場合、又は、トイレ室に設けられた便座に使用者が着座したことを検出された場合に、前記検出装置から前記管理装置に送信され、
前記使用終了検出信号は、前記検出センサによって、使用者がトイレ室から退室したことを検出された場合、又は、使用者が着座した便座から離れたことを検出された場合に、前記検出装置から前記管理装置に送信されることを特徴とする請求項1記載のトイレ室の空気制御システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記使用終了検出信号を受信した後、設定時間経過前に、前記使用開始検出信号を受信したか否かを判定する設定時間経過判定手段を備え、この設定時間経過判定手段によって、前記設定時間経過前に受信したと判定した場合に、換気扇作動停止信号を、直ちに換気装置に送信し、前記設定時間経過前に受信していないと判定した場合に、前記換気扇作動停止信号を、前記使用終了検出信号を受信してから前記設定時間経過後に換気装置に送信し、
前記換気装置は、前記トイレ室使用終了信号を受信しその受信した信号に基づいて、そのトイレ室使用終了信号の受信時から換気扇の作動を開始し、前記換気扇作動停止信号を受信した場合にその信号に基づいて、換気扇の作動を停止することを特徴とする請求項2記載のトイレ室の空気制御システム。
【請求項4】
トイレ室に設けられ冷房手段と暖房手段との少なくとも一方の手段を有する室温調整装置とトイレ室の空気を換気する換気扇を有する換気装置とこれらの室温調整装置及び換気装置に制御信号を送信可能な管理装置とを用いてトイレ室の空気を制御する空気制御方法であって、
前記管理装置に、トイレ室の使用の開始及び終了を判定させ、トイレ室の使用が開始されたと判定した場合に、トイレ室使用開始信号を前記室温調整装置に送信させるとともに、トイレ室の使用が終了したと判定した場合に、トイレ室使用終了信号を前記室温調整装置及び前記換気装置に送信させることによって、前記室温調整装置に、前記トイレ室使用開始信号を受信した場合にその信号に基づいて作動を開始させ、前記トイレ室使用終了信号を受信した場合にその信号に基づいてその作動を終了させ、前記換気装置に、前記トイレ室使用終了信号を受信した場合にその信号に基づいて、その信号の受信時から換気扇の作動を開始させ、その信号の受信時から一定時間経過した後に換気扇の作動を停止させるようにしたことを特徴とするトイレ室の空気制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−79799(P2009−79799A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247662(P2007−247662)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】