説明

トラックボール装置

【課題】本発明は、1個のトラックボール本体の各ポートに複数の外部装置を接続し、各ポートの切替によって各外部装置を選択的に操作することを目的とする。
【解決手段】本発明によるトラックボール装置は、トラックボール(1A)を有するトラックボール本体(1)に切替可能な複数のポート(P1〜Pn)を設け、各ポート(P1〜Pn)に外部装置(20a〜20n)を接続し、各ポート(P1〜Pn)を切替ることにより、1台のトラックボール本体(1)で複数の外部装置(20a〜20n)を選択的に操作できる構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックボール装置に関し、特に、1個のトラックボール本体に複数のパソコン等の外部装置を接続し、各外部装置を切替ることにより、1個のトラックボール本体からの出力信号を用いて複数の外部装置を作動させるようにするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のトラックボール装置としては、例えば、トラックボールを内蔵したマウス装置として、特許文献1及び2に開示された構成を挙げることができる。
前述の各特許文献1及び2に開示されたマウス装置は、基本的には図3で示されるように構成され、トラックボール本体1のポート2にはパソコン等の外部装置3の外部ポート4がライン5を介して接続されている。
【0003】
前述の構成においては、1台のトラックボール本体1と外部装置3は1対1で対応し、複数の外部装置3を作動させるには、各々トラックボール装置を接続させる必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開平11−353105号公報
【特許文献2】特開平11−149346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトラックボール装置は、以上のように構成されているため、次のような課題が存在していた。
すなわち、トラックボール本体には1個のポートのみしか設けられていないため、1台のトラックボール本体には1台の外部装置しか接続することができず、複数の外部装置を用いる場合には、複数のトラックボール本体を用意しなければならず、机上において複数のトラックボール本体を配設することはスペースを必要とし、使用上、極めて不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるトラックボール装置は、トラックボールを回転自在に設けたトラックボール本体と、前記トラックボール本体に設けられた複数のポートと、前記トラックボール本体に設けられ前記各ポートを選択的に切替るためのポート切替スイッチとを備え、前記各ポートに接続された複数の外部装置に対し、前記ポート切替スイッチの切替えにより、前記トラックボール本体の前記トラックボールの動作に基づく出力信号を入力することができるようにした構成であり、また、前記各ポートには、機能切替スイッチが設けられ、前記機能切替スイッチの切替により、各ポートはPS2通信部とUSB通信部の何れかに切替ができるようにした構成であり、また、前記外部装置は、パソコンよりなる構成であり、また、前記トラックボール本体には、前記出力信号の信号内容を切替るための選択スイッチが設けられている構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるトラックボール装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、トラックボール本体に複数のポートが設けられ、各ポートにはパソコンからなる外部装置が接続され、トラックボール本体に各ポートを切替るための切替スイッチが設けられていることにより、この切替スイッチの切替によって1個のトラックボール本体からの出力信号を各外部装置に切替供給することができ、複数の外部装置を1個のトラックボール本体で駆動させることができ、省スペース化及び省配線化を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、1個のトラックボール本体に複数のパソコン等の外部装置を接続し、各外部装置を切替ることにより、1個のトラックボール本体からの出力信号を用いて複数の外部装置を作動させるようにしたトラックボール装置を提供することを目的とする。
【実施例】
【0009】
以下、図面と共に本発明によるトラックボール装置の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を用いて説明する。
図1において、符号1で示されるものは、図2のように1個のトラックボール1Aを有する1台のトラックボール本体であり、このトラックボール本体1には、第1〜第n機能切替スイッチ10a〜10n及び第1〜第nポートP1〜Pnが設けられ、さらに、前記各ポートP1〜Pnはポート切替スイッチ11によって切替られるように構成されている。
【0010】
前記ポート切替スイッチ11は、前記トラックボール本体1の座標信号からなる出力信号を前記各ポートP1〜Pnの何れを介して外部に出力するかを切替るためのスイッチであり、前記各機能切替スイッチ10〜10nは、前記各ポートP1〜PnがPS2通信部PS2かUSB通信部USBかを切替るためのスイッチである。尚、PS2はパソコンのキーボード、マウスを接続するためのポートである。
【0011】
前記各ポートP1〜Pnには、ライン5を介して、パソコンからなる第1〜第n外部装置20a〜20nの外部ポート4に接続され、この各ポート4はPS2通信部PS2又はUSB通信部USBが各外部装置20a〜20nの種類に応じて設けられている。
【0012】
前記トラックボール本体1には、トラックボール1Aを用いて得られる座標信号からなる出力信号の内容を変えるための第1、第2選択スイッチ30,31が設けられており、各ポートP1〜Pnを介して各外部装置20a〜20nに選択的に供給されるように構成されている。
【0013】
次に、動作について述べる。図1の構成において、各ポートP1〜Pnにパソコンからなる外部装置20a〜20nをライン5を介して接続し、ポート切替スイッチ11を第1ポートP1に切替、さらに第1機能切替スイッチ10をUSB通信部USBに切替ておくと、前記トラックボール1Aを用いた出力信号は、第1ポートP1からライン5及び外部ポート4を経て第1外部装置20aに送られ、この第1外部装置20aの操作を行うことができる。
【0014】
また、第1機能切替スイッチ10をUSBからPS2通信部PS2に切替えると、第1外部装置20aを第2外部装置に交換してトラックボール本体1による操作を行うことができる。
【0015】
従って、トラックボール本体1の各ポート切替スイッチ11で各ポートP1〜Pnの位置を切替後、各機能切替スイッチ10〜10nで各外部装置20a〜20nの内容に応じてPS2通信部PS2又はUSB通信部USBに切替ることによって、1個のトラックボール本体1のみで複数の種類の異なる外部装置20a〜20nの操作を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、パソコン以外に、PS2ポート、USBポートを有する各種制御装置のマルチ制御にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるトラックボール装置を示す構成図である。
【図2】図1の要部を示す構成図である。
【図3】従来構成のブロック図である。
【符号の説明】
【0018】
1 トラックボール本体
1A トラックボール
P1〜Pn ポート
11 ポート切替スイッチ
20a〜20n 外部装置
10〜10n 機能切替スイッチ
PS2 PS2通信部
USB USB通信部
30,31 選択スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックボール(1A)を回転自在に設けたトラックボール本体(1)と、前記トラックボール本体(1)に設けられた複数のポート(P1〜Pn)と、前記トラックボール本体(1)に設けられ前記各ポート(P1〜Pn)を選択的に切替るためのポート切替スイッチ(11)とを備え、前記各ポート(P1〜Pn)に接続された複数の外部装置(20a〜20n)に対し、前記ポート切替スイッチ(11)の切替えにより、前記トラックボール本体(1)の前記トラックボール(1A)の動作に基づく出力信号を入力することができるように構成したことを特徴とするトラックボール装置。
【請求項2】
前記各ポート(P1〜Pn)には、機能切替スイッチ(10〜10n)が設けられ、前記機能切替スイッチ(10〜10n)の切替により、各ポート(P1〜Pn)はPS2通信部(PS2)とUSB通信部(USB)の何れかに切替ができるように構成したことを特徴とする請求項1記載のトラックボール装置。
【請求項3】
前記外部装置(20a〜20n)は、パソコンよりなることを特徴とする請求項1又は2記載のトラックボール装置。
【請求項4】
前記トラックボール本体(1)には、前記出力信号の信号内容を切替るための選択スイッチ(30,31)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のトラックボール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−18085(P2007−18085A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196517(P2005−196517)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)
【Fターム(参考)】