説明

トランスコードされるビデオの目視検査のための方法、装置およびシステム

本発明はビデオ・ファイルが別のビデオ・フォーマットなどに再エンコードされている際に該ビデオ・ファイルをその源に対して目視で比較するための方法、装置およびシステムを提供する。本発明のある実施形態によれば、ビデオ・フレームおよび対応する再エンコードされたビデオ・フレームが単一の幅広の(組み合わせ)ビデオ・フレームに入れられ、各画像が同じフレーム内でたとえば隣り合わせに表示される。源ビデオ・フレームを再エンコードされたビデオ・フレームと同期させ、それらを同じ幅広ビデオ・フレーム上に表示することによって、ビデオが所望の第二のビデオ・フォーマットに再エンコードされている際に、エンコード・プロセスなどによって引き起こされた差異を視覚的に判別しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビデオ・エンコード・システムに、より詳細にはビデオ・ファイルが別のビデオ・フォーマットなどに再エンコードされている際の該ビデオ・ファイルの目視検査のための方法、装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオをあるフォーマットから別のフォーマットに再エンコードするとき、さまざまなエンコード・パラメータが結果として得られるビデオ画像にどのように影響するかを判別するのは難しい。元のビデオを結果として得られる新たにエンコードされた対応物と比較するためのいくつかの従来技術の解決策は、ビデオ・ストリームをエンコードして、その後、元のビデオと新たにエンコードされたビデオの両方を別個に再生して差があればそれを検出するということを含む。しかしながら、エンコード・プロセスは長くかかることがあり、エンコード・プロセス完了後にビデオ・ストリームを比較するために待つのでは、エンコード・プロセスにおけるリアルタイムの調整はできず、最も効率的な解決策ではない。さらに、そのような従来技術の解決策では、ビデオ・ストリームを比較のために互いと同期させる確かな方法もない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、トランスコードされるビデオのリアルタイムでの目視検査のための方法、装置およびシステムを提供することにより従来技術の欠点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のある実施形態では、第二のビデオ・フォーマットに再エンコードされている際のビデオ・ストリームの目視検査のための方法は、デコードされたビデオ・ストリームを少なくとも第一および第二の部分に分割し、分割されたビデオ・ストリームの第一の部分を第二のビデオ・フォーマットに再エンコードし、分割されたビデオ・ストリームの第二の部分のデコードされたビデオのフレームと再エンコードされたビデオの対応するフレームとを組み合わせビデオ・フレームに配置し、デコードされたビデオ・フレームと対応する再エンコードされたビデオ・フレームが組み合わせビデオ・フレーム中に一緒に現れるようにすることを含む。
【0005】
本発明のある代替的な実施形態では、第二のビデオ・フォーマットに再エンコードされている際のビデオ・ファイルの目視検査を可能にするビデオ・ミキサーはプロセッサおよびメモリ・プールを含み、当該ビデオ・ミキサーは、デコードされた分割されたビデオ・ストリームの第二の部分を1フレームずつ受け取り、対応する再エンコードされた分割されたビデオ・ストリームの第一の部分を1フレームずつ受け取り、分割されたビデオ・ストリームの第二の部分のデコードされたビデオのフレームと再エンコードされたビデオの対応するフレームとを組み合わせビデオ・フレームに配置し、デコードされたビデオ・フレームと対応する再エンコードされたビデオ・フレームが組み合わせビデオ・フレーム中に一緒に現れるようにするよう適応されている。
【0006】
本発明のある代替的な実施形態では、第二のビデオ・フォーマットに再エンコードされている際のビデオ・ファイルの目視検査を可能にするシステムは、受け取ったビデオ・ストリームをデコードするためのビデオ・デコーダと、デコードされたビデオ・ストリームを少なくとも第一および第二の部分に分割するためのストリーム分割器と、分割されたデコードされたビデオ・ストリームを受け取ってデコードされたビデオ・ストリームの受け取られた部分を第二のビデオ・フォーマットに再エンコードするエンコーダと、プロセッサおよびメモリ・プールを有するビデオ・ミキサーとを含む。本発明のビデオ・ミキサーは、分割されたデコードされたビデオ・ストリームの第二の部分を受け取り、ビデオ・ストリームの再エンコードされた第一の部分を受け取り、分割されたビデオ・ストリームの第二の部分のデコードされたビデオのフレームと再エンコードされたビデオの対応するフレームとを組み合わせビデオ・フレームに配置するステップを実行するよう適応されている。本発明のシステムは、さらに、デコードされたビデオのフレームおよび再エンコードされたビデオの対応するフレームを組み合わせビデオ・フレーム内に表示するための表示装置を含みうる。
【0007】
本発明の教示は、付属の図面とともに以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。
【0008】
理解を助けるため、複数の図面に共通した同一の要素を指示するのに、可能なところでは、同一の参照符号を用いた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は有利には、トランスコードされるビデオのリアルタイムでの目視検査のための方法、装置およびシステムを提供する。本発明について、主として、デコードされた元のビデオ・ストリームと再エンコードされたビデオ・ストリームのフレームの目視比較の背景内で述べるが、本発明が三つ以上のビデオ・ストリームの目視比較のために適用されてもよいことは、本発明の教示を受けた当業者には認識されるであろう。
【0010】
図1は、本発明のある実施形態に基づく、ビデオ・エンコードおよび目視比較(VEVC: video encoding and visual comparison)システムの高レベルのブロック図である。図1のVEVCシステム100は例示的に、ビデオ源102、ビデオ・デコーダ104、ビデオ・ストリーム分割器106、エンコーダ108、ビデオ・ミキサー110および表示装置(例示的にはビデオ・モニタ)112を有する。図1のVEVC100では、ビデオ源102からのビデオ・ストリームがビデオ・デコーダ104に通信される。ビデオ・デコーダ104では、ビデオ・ストリームがRGBまたはYUVなどにデコードされ、デコードされたビデオ・ストリームはストリーム分割器106に通信される。ストリーム分割器106はデコードされたストリームを二つの実質的に同一のストリームに分割する。第一のストリームはエンコーダ108に通信され、受け取られたデコードされたビデオ・ストリームは所望の第二のビデオ・フォーマットにエンコードされる。ストリーム分割器106からの第二のストリームはビデオ・ミキサー110に通信される。
【0011】
エンコーダ108は、新たにエンコードされたビットストリームを出力する一方、再エンコードされたプレビュー・フレームをビデオ・ミキサー110にも与える。エンコーダ108は、受け取ったビデオ・ストリームのフレーム・レートを調整せず、よって、ビデオ・ミキサー110に通信されたデコードされた元のビデオ・ストリームの各ビデオ・フレームは、エンコーダ108からビデオ・ミキサーに通信された同期されたビデオ・フレームをもつことになる。図1のVEVC100に例示されるように、ビデオ・ミキサー110は二つの入力115および117を有している。図1のVEVC100では、第一の入力115に通信されるビデオ・ストリームは、ストリーム分割器106から通信されたデコードされた元のビデオ・ストリームであり、第二の入力117に通信されるビデオ・ストリームはエンコーダ108から通信された再エンコードされたビデオ・ストリームである。ビデオ・ミキサー110の出力は、元のフレームと実質的に同じ高さだが2倍の幅をもつ単一の(組み合わせ)ビデオ・フレームを有する。これは、デコードされた元のビデオ・ストリームのビデオ画像と再エンコードされたビデオ・ストリームのビデオ画像が、何らかの差異の検出のための画像の目視検査のためにビデオ・モニタ112によって表示される組み合わせビデオ・フレーム内に位置されることを許容する。
【0012】
図2は、図1のVEVCシステム100で使用するために好適なビデオ・ミキサー110のある実施形態の高レベルのブロック図である。図2のビデオ・ミキサー110はプロセッサ210ならびに制御プログラム、バッファ・プールなどを格納するためのメモリ220を有している。プロセッサ210は通常の支援回路230と協働するが、支援回路には、電源、クロック回路、キャッシュメモリなど、さらにはメモリ220に記憶されているソフトウェア・ルーチンを実行するのを支援する回路がある。よって、ここでソフトウェア・プロセスとして論じられるプロセス・ステップのいくつかはハードウェアで、たとえばさまざまなステップを実行するためにプロセッサ210と協働する回路として実装されてもよいことが考えられている。ビデオ・ミキサー110は、該ビデオ・ミキサー110と通信するさまざまな機能要素の間のインターフェースをなす入出力回路240をも含んでいる。たとえば、図1に描かれているように、ビデオ・ミキサー110はストリーム分割器106およびエンコーダ108と、それぞれ第一の経路S1および第二の経路S2を介して通信し、表示装置112と出力経路O1を介して通信する。
【0013】
図2のビデオ・ミキサー110は本発明に基づくさまざまな制御機能を実行するようプログラムされた汎用コンピュータとして描かれているが、本発明はハードウェアにおいて、たとえば特定用途向け集積回路(ASIC)として実装されることができる。よって、ここに記載されるプロセス・ステップは、ソフトウェア、ハードウェアまたはそれらの組み合わせによって等価に実行されるものとして広く解釈されることが意図されている。
【0014】
ストリーム分割器106およびエンコーダ108の両方によるビデオ・ミキサー110への接続は、ビデオ・サンプルのある種の詳細を用いてネゴシエーションされる。すなわち、ビデオ・ミキサー110は、第一の入力115が(フレーム・レート)の(幅×高さ)の画像を有しており、第二の入力117が(フレーム・レート)の(幅×高さ)の画像を有していることを通知される。本発明のある実施形態では、ビデオ・ミキサー110への両入力(たとえば、デコードされた元のビデオ・ストリームおよび再エンコードされたビデオ・ストリーム)は同じ高さおよび幅であり、再エンコードされたビデオ・ストリームは適正な同期のために、デコードされた元のビデオ・ストリームのフレーム・レートを保持している。そのような構成は、デコードされた元のビデオ・ストリームと再エンコードされたビデオ・ストリームの最善の場合の比較を容易にする。より具体的には、ビデオ・ミキサー110への両入力が同じ高さおよび幅であり、再エンコードされたビデオ・ストリームがデコードされた元のビデオ・ストリームのフレーム・レートを保持しているならば、出力画像は実質的に同じ大きさをもち、対応するビデオ・フレームどうしを表示する。それにより二つの出力ビデオ・画像の比較がずっと簡単になる。
【0015】
ビデオ・ミキサー110への両入力(たとえばデコードされた元のビデオ・ストリームと再エンコードされたビデオ・ストリーム)が同じ高さおよび幅でなく、再エンコードされたビデオ・ストリームが元のビデオ・ストリームのフレーム・レートを保持していない場合、図1のビデオ・ミキサー110のような本発明のビデオ・ミキサーは、代替的に、入力を拒否して何の処理もしなくてもよいし、あるいは入力の一方または両方に対してスケーリング・ルーチンを実行してもよい。すなわち、この後者の場合、ビデオ・ミキサーは入力の属性(たとえば高さ、幅およびレート)をスケーリングして、出力画像が実質的に同じ大きさをもち、対応するビデオ・フレームどうしが表示されるようにするよう試みうる。しかし、そのような実施形態では、調整されたビデオ・ストリームは劣化した画像につながりうる。
【0016】
先述したように、最初に、ビデオ・ストリームについての入力属性が判別される(たとえば、色空間、高さ、幅、フレーム・レートなど)。次に、幅広の(組み合わせ)フレーム(たとえば、{入力の高さ}×{入力の幅×2}×{量子化})のバッファ・プールがビデオ・ミキサー110内に生成される。ビデオ・ミキサー110によって受け取られた各フレームについて、該フレームのコピーが、バッファ・プールから選択された幅広フレームの適切な位置に記憶される。たとえば、第一の動作モードについては、デコードされた元のビデオ・フレームおよび対応する再エンコードされたビデオ・フレームが幅広フレームのそれぞれの位置にコピーされる。この第一の動作モードでは、ビデオ・ミキサー110は、デコードされた元のビデオ・フレームおよび対応する再エンコードされたビデオ・フレームを、ビデオ・モニタ112上で、幅広出力フレーム内で、隣り合わせに、実質的に同じ配向で表示させる。図3は、この動作モードについてのビデオ・ミキサー110の出力を図的に描いている。図3に描かれるように、デコードされた元のビデオ・フレームおよび対応する再エンコードされたビデオ・フレームが幅広出力フレーム内に実質的に同じ配向で表示される。本発明のそのような動作モードは、トランスコード・プロセスなどに起因する画像間の比較的大きな差異を検出するために実装されうる。
【0017】
第二の動作モードでは、デコードされた元のビデオ・フレームは幅広フレーム内の適切な位置にコピーされ、対応する再エンコードされたビデオ・フレームは幅広フレーム内で、ビデオ・モニタ112上に表示されたときに両ビデオ・フレームが互いに対してx軸方向に反転して見えるような位置にコピーされる。すなわち、この第二の動作モードについては、ビデオ・ミキサー110は、デコードされた元のビデオ・フレームおよび対応する再エンコードされたビデオ・フレームを、ビデオ・モニタ112上で、隣り合わせに、実質的に互いに逆の配向で表示させる。より具体的には、この第二の動作モードでは、ビデオ・フレームの一方は普通に表示されるのに対し、第二のビデオ・フレームはx軸方向にひっくり返される。それによりピクセルごとの差異をいくぶんより明瞭にするためである。たとえば、本発明のある実施形態では、デコードされた元のビデオ・フレームは普通に表示され、対応する再エンコードされたビデオ・フレームはx軸方向にひっくり返される。本発明のある代替的な実施形態では、再エンコードされたビデオ・フレームは普通に表示され、対応するデコードされた元のフレームはx軸方向にひっくり返される。図4は、この動作モードで、デコードされた元のビデオ・フレームが普通に表示されて対応する再エンコードされたビデオ・フレームがx軸方向に反転される場合についてのビデオ・ミキサー110の出力を図的に描いている。
【0018】
本発明のある代替的な実施形態では、本発明のビデオ・ミキサーは、デコードされた元のビデオ・フレームおよび対応する再エンコードされたビデオ・フレームが幅広フレーム内で、両ビデオ・フレームがビデオ・モニタ112上に蝶々配位(butterfly configuration)で表示されるような位置にコピーされる。蝶々配位とは、デコードされた元のビデオ・フレームの半分が対応する再エンコードされたビデオ・フレームのそれぞれの半分の隣に表示されるものである。すなわち、幅広フレームの一方の側(たとえば左半分)には、デコードされた元のビデオ・フレームの第一の半分が、対応する再エンコードされたビデオ・フレームのそれぞれの第一の半分の隣に表示され、幅広フレームの反対側(たとえば右半分)には、デコードされた元のビデオ・フレームの第二の半分が、対応する再エンコードされたビデオ・フレームのそれぞれの第二の半分の隣に表示される。しかし、そのような実施形態は、ビデオ・ミキサーにおいて、ビデオ・フレームを幅広フレーム内で適正に位置させるために追加的な処理を必要とする。
【0019】
図1および図2の参照に戻ると、ビデオ・ミキサー110において、はいってくるビデオ・フレームのための順序を定義するために、バッファ・プールの幅広フレームのための待ち行列が実装される。ある実施形態では、待ち行列は二つのブール識別子を有する。一方は幅広フレームの埋められた左半分のため、一つは幅広フレームの埋められた右半分のためで、各半分はデコードされた元のビデオ・ストリームまたは再エンコードされたビデオ・ストリームのどちらかの完全なビデオ・フレームを表している。待ち行列内のフレームには逐次番号が付けられ、待ち行列は各フレーム自身として扱われる。幅広フレームの両側、左半分および右半分が埋められると、幅広フレーム内の画像がビデオ・モニタ112に通信される。次いで待ちが、待ち行列中の次のバッファにインクリメントされる。
【0020】
図5は、本発明のある実施形態に基づく、ビデオ・ストリーム入力を受け取り、完成されたビデオ・フレームを目視比較のために表示装置に通信するためのビデオ・ミキサーにおける方法の流れ図を描いている。ステップ502で図5の方法500にはいる。ここでは、本発明のビデオ・ミキサーが入力ビデオ・フレームを受け取る。方法500は次いでステップ504に進む。図5の方法500の諸ステップは、デコードされた元のビデオ・ストリームおよび再エンコードされたビデオ・ストリームの両方を表すことを注意しておくべきであろう。両ストリームとも、幅広フレームの同じバッファ・プールを用いて動作するからである。
【0021】
ステップ504では、ビデオ・ミキサーは、受け取ったビデオ・フレームのためにバッファ(幅広フレーム)が利用可能であるかどうかを判別する。バッファが利用可能でなければ、方法500はステップ506に進む。バッファが利用可能であれば、方法500はステップ508に飛ぶ。
【0022】
ステップ506では、バッファが利用可能になるまで、受け取られたビデオ・フレームが遮られる。次いで方法500はステップ508に進む。
【0023】
ステップ508では、受け取られた入力ビデオ・フレームが待ち行列内の第一の論理バッファに記憶される。次いで方法500はステップ510に進む。
【0024】
ステップ510では、幅広フレームの左側と右側がそれぞれ受け取られた入力フレームで埋められる。幅広フレームの各半分は、埋められると、ビデオ・ミキサーに対して、その半分が埋められたことを指示する。次いで方法500はステップ512に進む。
【0025】
ステップ512では、完成された幅広フレームが表示装置に通信される。次いで方法500はステップ514に進む。
【0026】
ステップ514では、通信された幅広フレームに関連付けられたバッファが待ち行列に解放される。次いで方法500は終了する。
【0027】
本発明のある代替的な実施形態では、本発明に基づくビデオ・ミキサーは、幅広フレームおよびそのようなものとして該幅広フレームの各側が埋められているかどうかおよび埋められたときを判別するために待ち行列をモニタリングするために別個のスレッドを含んでいてもよい。そのような実施形態では、幅広フレームが完全に埋められると、そのスレッドが画像のディスプレイへの送信を引き起こし、関連付けられたバッファの待ち行列への解放を引き起こす。
【0028】
以上は本発明のさまざまな実施形態に向けられているが、本発明の他のおよびさらなる実施形態も、その基本的な範囲から外れることなく考案されうる。よって、本発明の適切な範囲は、付属の請求項に従って決定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のある実施形態に基づく、ビデオ・エンコードおよび目視比較(VEVC)システムの高レベルのブロック図である。
【図2】図1のVEVCシステム100で使用するために好適なビデオ・ミキサーのある実施形態の高レベルのブロック図である。
【図3】対応するビデオ・フレームが隣り合わせに実質的に同じ配向で表示される動作モードについてのビデオ・ミキサーの出力を図的に描いた図である。
【図4】デコードされた元のビデオ・フレームは通常に表示され、対応する再エンコードされたビデオ・フレームはx軸方向に反転される動作モードについてのビデオ・ミキサーの出力を図的に描いた図である。
【図5】本発明のある実施形態に基づく、ビデオ・ストリーム入力を受け取って、目視比較のために表示装置に完成された幅広フレームを通信するビデオ・ミキサーにおける方法の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第二のビデオ・フォーマットに再エンコードされている際のビデオ・ストリームの目視検査のための方法であって:
デコードされたビデオ・ストリームを少なくとも第一および第二の部分に分配する段階と;
前記の分配されたビデオ・ストリームの第一の部分を第二のビデオ・フォーマットに再エンコードする段階と;
前記の分配されたビデオ・ストリームの第二の部分のデコードされたビデオのフレームと前記の再エンコードされたビデオの対応するフレームとを組み合わせビデオ・フレームに配置し、前記のデコードされたビデオ・フレームと前記の対応する再エンコードされたビデオ・フレームが前記組み合わせビデオ・フレーム中に一緒に現れるようにする段階、
とを有する方法。
【請求項2】
前記ビデオ・ストリームの前記のデコードされた部分または前記ビデオ・ストリームの前記の対応する再エンコードされた部分に対して、表示される画像が実質的に同じ大きさを有するよう、前記ビデオ・ストリームの両部分をスケーリングするためのスケーリング・ルーチンを実行する段階をさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ビデオ・ストリームの部分のうち少なくとも一つの高さ、幅またはフレーム・レートのうち少なくとも一つがスケーリングされる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記のデコードされたビデオ・フレームと前記の対応する再エンコードされたビデオ・フレームが、前記組み合わせビデオ・フレームにおいて隣り合わせに見えるように配置される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記のデコードされたビデオ・フレームと前記の対応する再エンコードされたビデオ・フレームが、前記組み合わせビデオ・フレームにおいて、両ビデオ・フレームが互いに対してx軸に沿って反転しているように見えるように配置される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記のデコードされたビデオ・フレームと前記の対応する再エンコードされたビデオ・フレームが、前記組み合わせビデオ・フレームにおいて、デコードされたビデオ・フレームの半分が対応する再エンコードされたビデオ・フレームのそれぞれの半分の隣に現れるように配置される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記の組み合わされたデコードされたビデオ・フレームおよび対応する再エンコードされたビデオ・フレームを格納するための幅広フレームのバッファ・プールを維持することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
格納されたビデオ・フレームのための順序を定義するために、前記バッファ・プールの幅広フレームのための待ち行列が実装される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記待ち行列は二つのブール識別子を有しており、その一つは幅広フレームの埋められた左半分のため、一つは幅広フレームの埋められた右半分のためであり、各半分は前記ビデオ・ストリームのデコードされた部分または前記ビデオ・ストリームの再エンコードされた部分のどちらかの完全なビデオ・フレームを表している、請求項8記載の方法。
【請求項10】
第二のビデオ・フォーマットに再エンコードされている際のビデオ・ストリームの目視検査のための、プロセッサおよびメモリを有する装置であって:
前記ビデオ・ストリームのデコードされ、分配された第二の部分を受け取る段階と;
前記ビデオ・ストリームの対応する再エンコードされた分配された第一の部分を受け取る段階と;
前記の分配されたビデオ・ストリームの第二の部分のデコードされたビデオのフレームと前記の再エンコードされたビデオの対応するフレームとを組み合わせビデオ・フレームに配置し、前記のデコードされたビデオ・フレームと前記の対応する再エンコードされたビデオ・フレームが前記組み合わせビデオ・フレーム中に一緒に現れるようにする段階、
とを実行するよう適応されている装置。
【請求項11】
前記ビデオ・ストリームの前記の受け取られたデコードされた部分または前記ビデオ・ストリームの前記の受け取られた対応する再エンコードされた部分に対して、表示される画像が実質的に同じ大きさを有するよう、前記ビデオ・ストリームの受け取られた両部分をスケーリングするためのスケーリング・ルーチンを実行するようさらに適応されている、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記メモリが、前記の組み合わされたデコードされたビデオ・フレームおよび対応する再エンコードされたビデオ・フレームを格納するための幅広フレームのバッファ・プールを有する、請求項10記載の装置。
【請求項13】
受け取られたビデオ・フレームのための順序を定義するために、前記バッファ・プールの幅広フレームのための待ち行列が実装される、請求項12記載の装置。
【請求項14】
受け取られたデコードされたビデオ・フレームと受け取られた対応する再エンコードされたビデオ・フレームを、それぞれの組み合わせビデオ・フレームにおいて隣り合わせに見えるように配置する、請求項12記載の装置。
【請求項15】
受け取られたデコードされたビデオ・フレームと受け取られた対応する再エンコードされたビデオ・フレームを、それぞれの組み合わせビデオ・フレームにおいて、両ビデオ・フレームが互いに対してx軸に沿って反転しているように見えるように配置する、請求項12記載の装置。
【請求項16】
受け取られたデコードされたビデオ・フレームと受け取られた対応する再エンコードされたビデオ・フレームを、それぞれの組み合わせビデオ・フレームにおいて、デコードされたビデオ・フレームの半分が対応する再エンコードされたビデオ・フレームのそれぞれの半分の隣に現れるように配置する、請求項12記載の装置。
【請求項17】
第二のビデオ・フォーマットに再エンコードされている際のビデオ・ストリームの目視検査のためのシステムであって:
受け取ったビデオ・ストリームをデコードするためのビデオ・デコーダと;
デコードされたビデオ・ストリームを少なくとも第一および第二の部分に分配するためのストリーム分配器と;
分配されたデコードされたビデオ・ストリームの第一の部分を受け取ってデコードされたビデオ・ストリームの受け取られた部分を第二のビデオ・フォーマットに再エンコードするエンコーダと;
プロセッサおよびメモリを有するビデオ・ミキサーであって:
分配されたデコードされたビデオ・ストリームの第二の部分を受け取る段階と;
ビデオ・ストリームの再エンコードされた第一の部分を前記エンコーダから受け取る段階と;
前記の分配されたビデオ・ストリームの第二の部分のデコードされたビデオのフレームと前記再エンコードされたビデオの対応するフレームとを、前記のデコードされたビデオ・フレームおよび前記の対応する再エンコードされたビデオ・フレームが前記組み合わせビデオ・フレーム内で一緒に現れるように組み合わせビデオ・フレームに配置する段階、
とを実行するよう適応されたビデオ・ミキサーと;
前記のデコードされたビデオのフレームおよび前記の再エンコードされたビデオの対応するフレームを組み合わせビデオ・フレーム内に表示するための表示装置、
とを有するシステム。
【請求項18】
前記ビデオ・ミキサーが、前記ビデオ・ストリームの前記の受け取られたデコードされた部分または前記ビデオ・ストリームの前記の受け取られた対応する再エンコードされた部分に対して、表示される画像が実質的に同じ大きさを有するよう、前記ビデオ・ストリームの受け取られた部分をスケーリングするためのスケーリング・ルーチンを実行するようさらに適応されている、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記ビデオ・ミキサーが、受け取られたデコードされたビデオ・フレームと受け取られた対応する再エンコードされたビデオ・フレームを、それぞれの組み合わせビデオ・フレームにおいて、受け取られた両ビデオ・フレームが前記表示装置によって表示されたときに隣り合わせに見えるように配置する、請求項17記載のシステム。
【請求項20】
前記ビデオ・ミキサーが、受け取られたデコードされたビデオ・フレームと受け取られた対応する再エンコードされたビデオ・フレームを、それぞれの組み合わせビデオ・フレームにおいて、両ビデオ・フレームが前記表示装置によって表示されたときに互いに対してx軸に沿って反転しているように見えるように配置する、請求項17記載のシステム。
【請求項21】
前記ビデオ・ミキサーが、受け取られたデコードされたビデオ・フレームと受け取られた対応する再エンコードされたビデオ・フレームを、それぞれの組み合わせビデオ・フレームにおいて、前記表示装置によって表示されたときに、デコードされたビデオ・フレームの半分が対応する再エンコードされたビデオ・フレームのそれぞれの半分の隣に現れるように配置する、請求項17記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−529348(P2008−529348A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552107(P2007−552107)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/018822
【国際公開番号】WO2006/080943
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】