トランスポンダ、中継装置、及び端局装置
【課題】中継装置及び端局装置に備わるトランスポンダを共通化し、管理者による障害箇所の特定を容易にするトランスポンダを提供する。
【解決手段】クライアント側信号と伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダであって、クライアント側インタフェースと伝送路側インタフェースとを備え、クライアント側インタフェースには、他のクライアント側インタフェース、又は、クライアント装置が接続可能であって、クライアント側インタフェースの接続先を判定する接続判定部と、伝送路側の状態を通知する状態信号が伝送路側インタフェースに入力された場合、接続判定結果に基づいて伝達信号の態様を変更する。
【解決手段】クライアント側信号と伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダであって、クライアント側インタフェースと伝送路側インタフェースとを備え、クライアント側インタフェースには、他のクライアント側インタフェース、又は、クライアント装置が接続可能であって、クライアント側インタフェースの接続先を判定する接続判定部と、伝送路側の状態を通知する状態信号が伝送路側インタフェースに入力された場合、接続判定結果に基づいて伝達信号の態様を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント側信号と伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダに関し、特に、クライアント側信号を入出力するインタフェースの接続先を判定するトランスポンダに関する。
【背景技術】
【0002】
あるクライアント装置と、当該クライアント装置に対向するクライアント装置とが伝送路を介して接続される伝送システム(光伝送システム)において、伝送路等で障害が発生した場合、障害の発生をクライアント装置に通知する必要がある。
【0003】
この伝送システムは、二つのクライアント装置に接続される二つの端局装置を備え、これらの端局装置は伝送路を介して接続されるものが知られている。この端局装置は、クライアント装置との通信に用いられるクライアント側信号と、伝送路との通信に用いられる伝送路側信号との間で双方向に変換する一つのトランスポンダを備える。クライアント装置から信号を出力する場合、当該クライアント装置に接続された端局装置のトランスポンダはクライアント側信号を伝送路側信号へ変換して伝送路側へ出力する。一方、クライアント装置に信号が入力される場合、トランスポンダは、伝送路側信号をクライアント側信号へ変換してクライアント装置へ信号が入力される。
【0004】
また、一本の伝送路の長さは決まっているので、二つの端局装置の間に少なくとも一つの中継装置を備えることによって、伝送路の長さを長くすることができる。これは、一つの中継装置には二本の伝送路が接続されるためである。この中継装置は、二つのトランスポンダを備える。一方のトランスポンダによって伝送路側信号がクライアント側信号へ変換され、他方のトランスポンダによって一方のトランスポンダから出力されたクライアント側信号が伝送路側信号へ変換される。
【0005】
トランスポンダは、クライアント装置又は他のトランスポンダに接続されるクライアント側インタフェース、伝送路に接続される伝送路側インタフェースを備える。
【0006】
端局装置に備わるトランスポンダのクライアント側インタフェースはクライアント装置に接続され、伝送路側インタフェースは伝送路に接続される。中継装置に備わるクライアント側インタフェースは他方のトランスポンダに接続され、伝送路側インタフェースは伝送路に接続される。
【0007】
なお、以下では、端局装置及び中継装置を総称する場合には、通信装置との用語を用いる。
【0008】
ここで、上述した伝送システムにおいて、障害の発生をクライアント装置に通知する方式としては、障害が発生したことを示す障害情報を光信号のオーバーヘッド部に含める方式、及び、障害情報を転送するフレームが生成され、当該フレームをクライアント装置に転送する方式が知られている。
【0009】
例えば、前者の方式の場合、SDH(Syncronous Digital Hierarchy)システムでは、伝送路に流れる伝送信号のフレームにAIS(Alarm Indication Signal)と呼ばれる信号を含めることによって、障害情報がクライアント装置に転送される。
【0010】
また、後者の方式の場合、10ギガビットイーサネット(イーサネットは登録商標)のEthernet(登録商標)システムでは、LFS(Link Fault Signaling)と呼ばれる障害転送機能が規格化されている。
【0011】
しかし、通信装置が、これらの障害情報を検出するためには、光信号を高速に復号化して警報信号を読み出すことが必要となる。このため、通信装置の価格が上昇してしまうという問題点がある。
【0012】
これに対して、通信装置の価格を低減するために、障害が発生した場合、トランスポンダのクライアント側インタフェースでは光信号の出力を停止することによってクライアント装置に障害発生を通知し、伝送路側インタフェースでは障害が発生したことを通知するクライアント入力断信号をEther−OAM信号を用いて出力する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
この方法を図10〜図12を用いて説明する。
【0014】
図10は、従来例の伝送路で障害が発生した場合の障害通知方法の説明図である。
【0015】
伝送システムは、クライアント装置100、端局装置200、端局装置500、及びクライアント装置600を備える。端局装置200及び500は、伝送路440を介して接続される。
【0016】
端局装置200は、トランスポンダ420及び光合波器430を備える。トランスポンダ420は、クライアント装置100からのクライアント側信号を伝送路側信号に変換する。光合波器430は、トランスポンダ420からの伝送路側信号を合波して伝送路440側に出力する。
【0017】
端局装置500は、トランスポンダ460及び光分波器450を備える。光分波器450は、伝送路440からの伝送路側信号を分波してトランスポンダ460に出力する。トランスポンダ460は、光分波器450から出力された伝送路側信号をクライアント側信号に変換し、変換後のクライアント側信号をクライアント装置600に出力する。
【0018】
ここで、伝送路440で光ファイバが切断する等の障害が発生したとする(51)。この場合、光信号は障害発生箇所から下流に到達しなくなる。このため、端局装置500に備わるトランスポンダ460は入力断を検出し(52)、クライアント装置600に接続されたクライアント側インタフェースからの出力を停止する(53)。クライアント装置600は、入力断を検出し(54)、伝送システムで何らかの障害が発生したことを検出できる。
【0019】
図11は、従来例のクライアント装置100と端局装置200との間で障害が発生した場合の障害通知方法の説明図である。
【0020】
図11に示す伝送システムの構成は、図10に示す伝送システムの構成と同じであるので、説明を省略する。
【0021】
クライアント装置100と端局装置200との間で、光ファイバが切断する等の障害が発生した場合(51)、光信号は障害発生箇所から下流に到達しなくなる。このため、端局装置200に備わるトランスポンダ420は入力断を検出し(52)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を下流側に出力する(55)。
【0022】
トランスポンダ460にトランスポンダ420からのクライアント入力断信号が入力された場合、トランスポンダ460は、クライアント装置600に接続されたクライアント側インタフェースからの出力を停止する(53)。クライアント装置600は、入力断を検出し(54)、伝送システムで何らかの障害が発生したことを検出できる。
【0023】
図12は、従来例の多段伝送システムにおける障害通知方法の説明図である。
【0024】
図12に示す伝送システムは、二つの中継装置300及び400(以下、総称して中継装置300という)を備え、伝送路を延伸する多段伝送システムである。なお、中継装置300を一つでも備えれば、多段伝送システムという。
【0025】
図12に示すクライアント装置100及び410Bは、図10に示すクライアント装置100及び410Bと同じであり、図12に示す端局装置200及び500は、図10に示す端局装置200及び500と同じであるので、説明を省略する。
【0026】
中継装置300は、光分波器640、トランスポンダ650、トランスポンダ660、及び光合波器670を備える。
【0027】
光分波器640は図10に示す端局装置500に備わる光分波器450と同じであり、光合波器670は図10に示す端局装置200に備わる光合波器430と同じであるので、説明を省略する。
【0028】
トランスポンダ650は、伝送路側インタフェースが光分波器640に接続され、クライアント側インタフェースがトランスポンダ660に接続され、伝送路側信号をクライアント側信号に変換する。
【0029】
トランスポンダ660は、伝送路側インタフェースが光合波器679に接続され、クライアント側インタフェースがトランスポンダ650に接続され、クライアント側信号を伝送路側信号に変換する。
【0030】
なお、中継装置400は中継装置300と同じ構成であるので、説明を省略する。
【0031】
ここで、クライアント装置100と端局装置200との間で、光ファイバが切断する等の障害が発生した場合(810)、光信号は障害発生箇所から下流に到達しなくなる。このため、端局装置200に備わるトランスポンダ420は入力断を検出し(820)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する(830)。
【0032】
中継装置300に備わるトランスポンダ650にクライアント入力断信号が入力された場合、トランスポンダ650は、クライアント側インタフェースの出力を停止する(840)。
【0033】
トランスポンダ660は、トランスポンダ650がクライアント側インタフェースの出力を停止したことによって、入力断を検出し(850)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する(860)。
【0034】
中継装置400に備わるトランスポンダ690にクライアント入力断信号が入力された場合、トランスポンダ690は、クライアント側インタフェースの出力を停止する(870)。
【0035】
トランスポンダ700は、トランスポンダ690がクライアント側インタフェースの出力を停止したことによって、入力断を検出し(880)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する(890)。
【0036】
端局装置500に備わるトランスポンダ450にクライアント入力断信号が入力された場合、トランスポンダ450は、クライアント側インタフェースの出力を停止する(900)。
【0037】
クライアント装置600は、入力断を検出し(910)、伝送システムで何らかの障害が発生したことを検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特開2010−81223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0039】
図12に示す多段伝送システムは、端局装置200及び500に備わるトランスポンダと、中継装置300及び400に備わるトランスポンダとを共通化する観点から、クライアント装置に対して出力を停止して、障害発生を通知するため、すべてのトランスポンダで、伝送路側インタフェースにクライアント入力断信号が入力された場合、クライアント側インタフェースの出力を停止するものであった。
【0040】
このため、クライアント側インタフェースの一個所で障害が発生したにもかかわらず、伝送路に接続されたすべてのトランスポンダがクライアント断信号を出力するため、管理者はすべてのクライアント断信号を確認して、障害箇所を特定が困難であった。
【0041】
本発明の目的は、中継装置及び端局装置に備わるトランスポンダを共通化し、管理者による障害箇所の特定を容易にするトランスポンダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0042】
本発明の代表的な一例を示せば、クライアント装置との通信に使用されるクライアント側信号と、伝送路との通信に使用される伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダであって、前記クライアント側信号を入出力するクライアント側インタフェースと、前記伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースと、を備え、前記クライアント側インタフェースには、他のクライアント側インタフェース、又は、前記クライアント装置が接続可能であって、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェース及び前記クライアント装置のいずれが接続されているかを判定する接続判定部と、前記伝送路側の状態を通知する状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記状態信号が入力されたことを示す伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号生成部と、を備え、前記接続判定部は、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されたことを判定するための認識信号を前記クライアント側インタフェースから出力する認識信号出力部を備え、前記認識信号が前記クライアント側インタフェースに入力された場合、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定し、前記伝達信号生成部は、前記接続判定部による判定結果に基づいて、前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号の態様を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、中継装置及び端局装置に備わるトランスポンダを共通化でき、管理者による障害箇所の特定を容易にするトランスポンダを提供できる
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態の伝送システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の端局装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の中継装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の中継装置を備えない伝送システムにおける信号の変換の説明図である。
【図5】本発明の実施形態の多段伝送システムにおける信号の変換の説明図である。
【図6】本発明の実施形態のトランスポンダの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態の伝送システムにおける障害通知方法の説明図である。
【図8】本発明の実施形態の二つのトランスポンダがバックツーバック接続を判定するまでのシーケンス図である。
【図9】本発明の実施形態のトランスポンダによる接続判定処理のフローチャートである。
【図10】従来例の伝送路で障害が発生した場合の障害通知方法の説明図である。
【図11】従来例のクライアント装置と端局装置との間で障害が発生した場合の障害通知方法の説明図である。
【図12】従来例の多段伝送システムにおける障害通知方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態を図1〜図9を用いて説明する。
【0046】
図1は、本発明の実施形態の伝送システムの構成を示す図である。
【0047】
伝送システムは、クライアント装置1及び6、端局装置2及び5、並びに、中継装置3及び4を備え、距離の離れた二地点に設置されたクライアント装置1とクライアント装置6とを接続するものである。
【0048】
クライアント装置1からクライアント装置6への信号は、端局装置2、中継装置3、中継装置4、及び端局装置5を通じてクライアント装置6へ送信される。クライアント装置6からクライアント装置1への信号も同じように送信される。
【0049】
また、端局装置2及び5、並びに中継装置3及び4(以下、これらの装置を総称して通信装置という)は、監視ネットワーク7を介して監視制御装置8に接続される。通信装置は、クライアント入力断信号の警報信号を他の通信装置へ出力するとともに、監視ネットワーク7にも出力する。このため、監視制御装置8は、通信装置が出力した警報信号をリアルタイムで監視できる。
【0050】
図2は、本発明の実施形態の端局装置2及び5の構成を示すブロック図である。
【0051】
端局装置2及び5(以下、総称して端局装置)は、トランスポンダ11〜13(以下、総称してトランスポンダ)、光合波器14、光分波器15、及び監視制御部16を備える。
【0052】
トランスポンダは、クライアント装置1及び7(以下、総称してクライアント装置)との通信に用いられるクライアント側信号と伝送路との通信に用いられる伝送路側信号との間で双方向に変換する。
【0053】
具体的には、トランスポンダは、クライアント装置からのクライアント側信号を波長多重可能な予め決められた波長の伝送路側信号に変換し、光合波器14に出力する。この場合、トランスポンダは、誤り訂正符号及び遠隔制御のためのデータを付加して変換する場合もある。
【0054】
また、トランスポンダは、光分波器15から出力された伝送路側信号をクライアント側信号に変換し、クライアント装置に出力する。
【0055】
トランスポンダは、クライアント側信号が入出力されるクライアント側インタフェース、及び、伝送路側信号が入出力される伝送路側インタフェースを備える。
【0056】
光合波器14は、複数のトランスポンダからの伝送路側信号を合波して一本の光ファイバからなる伝送路に出力する。
【0057】
光分波器15は、伝送路から入力された信号を分波してトランスポンダに出力する。
【0058】
監視制御部16は、端局装置に備わるトランスポンダ、光合波器14、及び光分波器15の光入出力レベル、動作状態等を監視し、障害を検出した場合、監視ネットワーク7に入力断信号を送信する。
【0059】
図3は、本発明の実施形態の中継装置3及び4の構成を示すブロック図である。
【0060】
以下、中継装置3及び4を総称して中継装置という。
【0061】
中継装置は、光信号と電気信号との間で信号を変換せずに光増幅器を用いる方式、光信号から電気信号へ信号を変換後、電気信号を光信号へ変換する光再生中継器を用いる方式が知られているが、本実施形態の中継装置は二つのトランスポンダのクライアント側インタフェースを接続して構成される。トランスポンダのクライアント側インタフェースと他のトランスポンダのクライアント側インタフェースとの接続をバックツーバック接続という。
【0062】
中継装置は、光分波器21及び光分波器30、光合波器22及び29、トランスポンダ23〜28、並びに監視制御部31を備える。
【0063】
光分波器21及び光分波器30は、伝送路から入力された信号を分波してトランスポンダに出力する。なお、光分波器21は第1伝送路からの信号を分波し、光分波器30は第2伝送路からの信号を分波する。
【0064】
光合波器22及び29は、複数のトランスポンダからの信号を合波し、合成した信号を伝送路に出力する。光合波器22は、トランスポンダ23、25、及び27からの信号を合波し、合波した信号を第1伝送路に出力する。光合波器29は、トランスポンダ24、26、及び28からの信号を合波し、合波した信号を第2伝送路に出力する。
【0065】
トランスポンダ23のクライアント側インタフェース及びトランスポンダ24のクライアント側インタフェースが接続される。
【0066】
例えば、第1伝送路側から信号が入力された場合、光分波器21によって信号が分波され、分波された信号がトランスポンダ23の伝送路側インタフェースに入力される。トランスポンダ23は当該信号をクライアント側信号に変換し、変換後の信号をクライアント側インタフェースからトランスポンダ24に出力する。
【0067】
トランスポンダ24は当該クライアント側信号に変換された信号を伝送路側信号に変換し、変換後の信号を伝送路側インタフェースから光合波器29に出力する。光合波器29は、トランスポンダ24からの信号を他のトランスポンダ26及び28からの信号と合波して、第2伝送路に出力する。
【0068】
なお、第2伝送路からトランスポンダ24に信号が入力されても同じ信号の変換処理が実行される。また、トランスポンダ25及び26、並びにトランスポンダ27及び28についても同じである。
【0069】
監視制御部31は、中継装置に備わるトランスポンダ、光合波器22及び29、並びに光分波器21及び30の光入出力レベル、動作状態等を監視し、障害を検出した場合、監視ネットワーク7に入力断信号を送信する。
【0070】
次に、本発明の信号の変換について図4及び図5を用いて説明する。
【0071】
図4は、本発明の実施形態の中継装置を備えない伝送システムにおける信号の変換の説明図である。
【0072】
図4に示す伝送システムでは、端局装置2及び5が伝送路44を介して接続される。なお、端局装置2にはクライアント装置1が接続され、端局装置5にはクライアント装置6が接続される。
【0073】
クライアント装置1からの信号(クライアント側信号)は、トランスポンダ42のクライアント側インタフェースに入力される。トランスポンダ42は、クライアント側インタフェースに入力されたクライアント側信号を伝送路側信号に変換し、伝送路側インタフェースから光合波器43に出力する。光合波器43は、入力された伝送路側信号を他の波長の伝送路側信号と合波して、伝送路に出力する。
【0074】
伝送路に出力された伝送路側信号は、端局装置5に備わる光分波器45に入力される。光分波器45は入力された伝送路側信号を予め決められた波長に分波し、トランスポンダ46の伝送路側インタフェースに出力する。
【0075】
トランスポンダ46は、伝送路側インタフェースから伝送路側信号が入力された場合、入力された伝送路側信号をクライアント側信号に変換し、クライアント側信号をクライアント側インタフェースからクライアント装置6に出力する。
【0076】
図5は、本発明の実施形態の多段伝送システムにおける信号の変換の説明図である。
【0077】
図5に示す多段伝送システムでは、中継装置内で二つのトランスポンダをバックツーバック接続する。このように、二つのトランスポンダをバックツーバック接続することによって中継装置を構成すると、光増幅器を用いる中継装置と比較して、トランスポンダを他の通信装置と共通化することができ、既に構築されたネットワークを構成する伝送路を延伸することができる。
【0078】
図5に示す多段伝送システムの構成のうち図4に示す伝送システムの構成と同じ構成は同じ符号を付与し、説明を省略する。
【0079】
端局装置2の光合波器43から出力された伝送路側信号は伝送路を介して中継装置3の光分波器64に入力される。
【0080】
光分波器64は入力された伝送路側信号を予め決められた波長に分波し、トランスポンダ65の伝送路側インタフェースに出力する。
【0081】
トランスポンダ65は、伝送路側インタフェースに入力された伝送路側信号をクライアント側信号に変換し、変換したクライアント側信号をクライアント側インタフェースからトランスポンダ66に出力する。
【0082】
トランスポンダ66は、クライアント側インタフェースに入力されたクライアント側信号を伝送路側信号に変換し、変換した伝送路側信号を伝送路側インタフェースから光合波器67に出力する。
【0083】
光合波器67は、入力された伝送路側信号を他の波長の伝送路側信号と合波して、伝送路に出力する。
【0084】
なお、中継装置4内での信号の変換は、上述した中継装置3内での信号の変換と同じであるので、説明を省略する。
【0085】
図6は、本発明の実施形態のトランスポンダの構成を示すブロック図である。
【0086】
トランスポンダは、光モジュール91及び93、FEC(Forward Error Correction)回路92、認識信号挿入回路94、認識信号検出回路95、制御回路96、及び障害伝達信号挿入回路97を備える。
【0087】
光モジュール91はFEC回路92に接続され、FEC回路92は光モジュール93に接続される。認識信号挿入回路94及び障害伝達信号挿入回路(伝達信号生成部)97は、FEC回路92と光モジュール93とを接続する接続線のうち、光モジュール93へ信号を出力する接続線に接続される。また、認識信号検出回路95は、FEC回路92と光モジュール93とを接続する接続線のうち、FEC回路92へ信号を出力する接続線に接続される。
【0088】
光モジュール91は、伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースとして機能し、光信号である伝送路側信号を電気信号に変換する。
【0089】
光モジュール93は、クライアント側信号を入出力するクライアント側インタフェースとして機能し、光信号であるクライアント側信号を電気信号に変換する。
【0090】
FEC回路92は、伝送路側信号に含まれる誤り訂正符号(FEC)を符号化及び複号化する。
【0091】
認識信号挿入回路94は、クライアント側インタフェースから出力する認識信号を信号に挿入する。
【0092】
認識信号検出回路95は、クライアント側インタフェースに入力された信号から認識信号を検出する。認識信号検出回路95は、クライアント側インタフェースに入力された信号から認識信号を検出した場合、認識信号を検出した旨を制御回路96に通知する。
【0093】
また、認識信号検出回路95は、クライアント側インタフェースに入力された信号から障害伝達信号を検出する。認識信号検出回路95は、クライアント側インタフェースに入力された信号から障害伝達信号を検出した場合、障害伝達信号を検出した旨を制御回路96に通知する。
【0094】
制御回路96は、各種回路の制御を司る。制御回路96は、認識信号を検出した旨を認識信号検出回路95から通知された場合、クライアント側インタフェースに他のクライアント側インタフェースが接続されているバックツーバック接続であると判定し、クライアント側インタフェースからACK信号を出力する。
【0095】
また、制御回路96は、障害伝達信号を検出した旨を認識信号検出回路95から通知された場合、自身よりも上流側で障害が発生していることを示すクライアント入力断伝達信号を伝送路側インタフェースから出力する。
【0096】
以上より、認識信号挿入回路94、認識信号検出回路95、制御回路96、及び障害伝達信号挿入回路97は、クライアント側インタフェースに他のクライアント側インタフェースが接続されているか否かを判定する接続判定部となる。
【0097】
また、当該接続判定部の認識信号検出回路95及び制御回路96は、認識信号に対する返答信号であるACK信号をクライアント側インタフェースから出力する返答信号生成部となる。
【0098】
障害伝達信号挿入回路97は、バックツーバック接続であると判定された場合、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号又はクライアント入力断伝達信号を検出すると、障害伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する。一方、障害伝達信号挿入回路97は、バックツーバック接続でないと判定された場合、伝送路側インタフェースでクライアント入力断信号又はクライアント入力断伝達信号を検出すると、クライアント側インタフェースの出力を停止することによって障害伝達信号を出力する。なお、クライアント入力断信号は、クライアント側インタフェースで入力断が検出された場合、伝送路側インタフェースから出力される信号である。
【0099】
このように、バックツーバック接続されているトランスポンダは、当該トランスポンダの伝送路側インタフェースよりも上流で障害が発生した場合であっても、クライアント側インタフェースの出力を停止せず、伝達信号を送信するので、不要なクライアント入力断信号の出力を抑制できる。
【0100】
以上のように、障害伝達信号挿入回路97は、伝送路側インタフェースでクライアント入力断信号又はクライアント入力断伝達信号を検出した場合、接続判定部の判定結果に基づいて、クライアント側インタフェースから出力する障害伝達信号の態様を変更する。
【0101】
図7は、本発明の実施形態の伝送システムにおける障害通知方法の説明図である。
【0102】
図7に示す伝送システムの構成は、図5に示す伝送システムと同じであるので、説明を省略する。
【0103】
クライアント装置1と端局装置2との間で、光ファイバが断線する等の障害が発生した場合(81)、端局装置2に備わるトランスポンダ42は入力断を検出し(82)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する(83)。なお、クライアント入力断信号は警報信号として監視ネットワーク7にも出力される。
【0104】
次に、中継装置3に備わるトランスポンダ65は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断信号が入力された場合、当該トランスポンダ65はトランスポンダ66とバックツーバック接続されているため、伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する(84)。
【0105】
中継装置3に備わるトランスポンダ66は、クライアント側インタフェースに伝達信号が入力された場合、障害が発生したことを下流側に通知するためのクライアント入力断伝達信号を伝送路側インタフェースから伝送路に出力する(85)。なお、クライアント入力断伝達信号は、警報信号として監視ネットワーク7に出力されない。
【0106】
次に、中継装置4に備わるトランスポンダ69は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断伝達信号が入力された場合、当該トランスポンダ69はトランスポンダ70とバックツーバック接続されているため、伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する(85)。
【0107】
中継装置4に備わるトランスポンダ70は、クライアント側インタフェースに伝達信号が入力された場合、クライアント入力断伝達信号を伝送路側インタフェースから伝送路に出力する(86)。
【0108】
次に、端局装置5に備わるトランスポンダ46は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断伝達信号が入力された場合、当該トランスポンダ46はバックツーバック接続されていないので、クライアント側インタフェースの出力を停止する(87)。
【0109】
そして、クライアント装置6は、入力断を検出し(88)、伝送システムで何らかの障害が発生したことを検出できる。
【0110】
このように、本実施形態では、障害が発生したことを示す信号(クライアント入力断信号又はクライアント入力断伝達信号)がトランスポンダの伝送路側インタフェースに入力された場合、当該トランスポンダは、バックツーバック接続されていれば、伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する。また、当該トランスポンダは、バックツーバック接続されていなければ、つまり、クライアント側インタフェースにクライアント装置が接続されていれば、出力を停止する。このため、当該トランスポンダにバックツーバック接続されたトランスポンダがクライアント側インタフェースで入力断を検出し、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力することを防止できる。
【0111】
これによって、監視制御装置8の管理者は、クライアント入力断信号を出力した装置の上流で障害が発生していることを容易に特定できる。
【0112】
図7では、クライアント装置1と端局装置2との間で障害が発生したことを説明したが、次に、端局装置2と中継装置4との間の伝送路に障害が発生した場合について、図7を用いて説明する。
【0113】
中継装置3のトランスポンダ65の伝送路側インタフェースへの信号の入力がなくなるので、トランスポンダ65は伝送路側インタフェースで入力断を検出する。この場合、トランスポンダ65は、クライアント側インタフェースの出力を停止する。
【0114】
つまり、本実施形態のトランスポンダは、伝送路側インタフェースで入力断を検出すると、クライアント側インタフェースの出力を停止し、クライアント側インタフェースで入力断を検出すると、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力するように設定されている。
【0115】
トランスポンダ65のクライアント側インタフェースの出力が停止するので、トランスポンダ66は、クライアント側インタフェースで入力断を検出すると、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する。
【0116】
以降の処理は、クライアント装置1と端局装置2との間で障害が発生した場合と同じであるので、説明を省略する。
【0117】
このように、トランスポンダの伝送路側インタフェースで入力断を検出しても、当該トランスポンダのクライアント側インタフェースの出力を停止するので、当該トランスポンダにバックツーバック接続されるトランスポンダの伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号が出力される。そして、クライアント入力断信号を出力したトランスポンダよりも下流のトランスポンダはクライアント入力断信号を出力しないので、管理者は、障害箇所を容易に特定できる。
【0118】
図8は、本発明の実施形態の二つのトランスポンダ65及び66がバックツーバック接続を判定するまでのシーケンス図である。
【0119】
図8に示す各トランスポンダは、図7に示す各トランスポンダに対応する。なお、図8では、中継装置4を省略しているので、中継装置3に備わるトランスポンダ66に端局装置5のトランスポンダ46が接続されているものとする。
【0120】
まず、トランスポンダ65に電源が投入される(100)。トランスポンダ65の伝送路側インタフェースとトランスポンダ42との接続が確立していない場合、トランスポンダ65の伝送路側インタフェースに何も入力されないので(102)、トランスポンダ65はクライアント側インタフェースの出力を停止する(101)。
【0121】
なお、トランスポンダ65の伝送路側インタフェースとトランスポンダ42との接続が確立していない場合として、例えば、トランスポンダ65の伝送側インタフェースとトランスポンダ42の伝送側インタフェースとを接続する光ファイバが接続されていない場合、及び、トランスポンダ42に電源が投入されていない場合等が考えられる。
【0122】
次に、トランスポンダ42の伝送路側インタフェースとトランスポンダ65の伝送路側インタフェースとの接続が確立した場合、トランスポンダ42は、伝送路側インタフェースから信号を出力し、トランスポンダ65は、伝送路側インタフェースに信号が入力されたことを検出すると、伝送路側インタフェースとトランスポンダ42との接続が確立したと判定する(103)。そして、トランスポンダ65は、クライアント側インタフェースから正規の信号を出力する(104)。正規の信号とは、認識信号と異なり、トランスポンダのクライアント側インタフェースに入力されても伝送路側インタフェースに入力されても、トランスポンダが検出可能な信号である。
【0123】
トランスポンダ42とトランスポンダ65との接続と同じように、トランスポンダ46とトランスポンダ66との間でも、接続が確立していない場合、トランスポンダ66の伝送路側インタフェースには何も入力されず(105)、トランスポンダ66の伝送路側インタフェースに信号が入力されると、トランスポンダ46とトランスポンダ66との接続が確立したと判定する(106)。そして、トランスポンダ66は、クライアント側インタフェースから正規の信号を出力する(107)。
【0124】
トランスポンダ65及び66は、出力した信号が入力されることによって、両クライアント側インタフェース間のリンクが確立したことを確認する。
【0125】
そして、他方のトランスポンダから正規の信号がクライアント側インタフェースに入力された場合、一方のトランスポンダは、クライアント側インタフェースから認識信号を出力する(108)。図8では、トランスポンダ66の方がトランスポンダよりも早く正規の信号が入力されているので、トランスポンダ66が最初に認識信号を出力する。
【0126】
トランスポンダは、クライアント側インタフェースに認識信号が入力された場合、バックツーバック接続であると判定し、ACK信号をクライアント側インタフェースから出力する(109)。
【0127】
なお、認識信号が伝送路側インタフェースに入力されても、図6に示す認識信号検出回路95によって認識信号として検出されないので、トランスポンダはACK信号を出力しない。これは、認識信号は、通常の信号に用いられない特殊なパターンによって構成されるためである。
【0128】
このようにして、トランスポンダ65及び66は、バックツーバック接続であるか否かを判定し、バックツーバック接続であると判定された場合、バックツーバックモードでの動作を開始する(110、111)。
【0129】
ここで、図7と同じくクライアント装置1と端局装置2との間で障害が発生した場合、トランスポンダ42は、クライアント側インタフェースに入力がないことを検出し、クライアント入力断信号を伝送路側インタフェースから出力する(83)。
【0130】
トランスポンダ65は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断信号が入力されると、トランスポンダ65とトランスポンダ66とがバックツーバック接続されているので、伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する(85)。
【0131】
トランスポンダ66は、クライアント側インタフェースに伝達信号が入力された場合、クライアント入力伝達信号を伝送路側インタフェースから出力する(86)。
【0132】
トランスポンダ46は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断信号が入力された場合、バックツーバック接続されないので、クライアント側インタフェースの出力を停止する(87)。
【0133】
図9は、本発明の実施形態のトランスポンダによる接続判定処理のフローチャートである。
【0134】
接続判定処理は、トランスポンダに備わる制御回路96によって電源投入後の所定時間、所定のタイミングで実行される。
【0135】
まず、制御回路96は、伝送路側インタフェースに何らかの信号が入力されたか否かを判定する(901)。
【0136】
ステップ901の処理で、伝送路側インタフェースに何らかの信号が入力されていないと判定された場合、伝送路側での接続が確立されていないので、接続判定処理を終了する。
【0137】
一方、ステップ901の処理で、伝送路側インタフェースに何らかの信号が入力されたと判定された場合、制御回路96は、クライアント側インタフェースから正規信号を出力する(902)。
【0138】
次に、制御回路96は、クライアント側インタフェースに正規信号が入力されたか否かを判定する(903)。
【0139】
ステップ903の処理で、クライアント側インタフェースに正規信号が入力されていないと判定された場合、クライアント側での接続が確立されていないので、接続判定処理を終了する。
【0140】
一方、ステップ903の処理で、クライアント側インタフェースに正規信号が入力されたと判定された場合、制御回路96は、クライアント側インタフェースから認識信号を出力する(904)。
【0141】
次に、制御回路96は、ステップ904の処理で出力した認識信号に対する認識信号がクライアント側インタフェースに入力されたか否かを判定する(905)。
【0142】
ステップ905の処理で、認識信号がクライアント側インタフェースに入力されたと判定された場合、バックツーバック接続であると判定し(906)、接続判定処理を終了する。
【0143】
一方、ステップ905の処理で、認識信号がクライアント側インタフェースに入力されていないと判定された場合、バックツーバック接続でないと判定し(907)、接続判定処理を終了する。
【0144】
なお、ステップ906又は907の処理で、バックツーバック接続であるか否かが判定された場合、接続判定処理は繰り返し実行されない。
【0145】
さらに、図9では、認識信号がクライアント側インタフェースに入力されたか否かによって、バックツーバック接続か否かを判定したが、制御回路96は、ステップ904の処理で出力した認識信号に対するACK信号が入力されていれば、バックツーバック接続と判定し、ACK信号が入力されていなければ、バックツーバック接続でないと判定してもよい。
【0146】
なお、本実施形態では、トランスポンダの上流側で発生した障害の通知について説明したが、障害だけに限定されず、トランスポンダの上流側の状態(障害を含む)を通知してもよい。この場合、図7に示すクライアント断信号及びクライアント断伝達信号は、状態信号となる。
【0147】
以上のように、本実施形態では、トランスポンダがクライアント側インタフェースから認識信号を出力し、認識信号に基づいてバックツーバック接続か否かを判定する。そして、バックツーバック接続であれば、伝送路側インタフェースから状態信号が入力された場合、クライアント側インタフェースから伝達信号を出力し、バックツーバック接続でなければクライアント側インタフェースの出力を停止する。
【0148】
これによって、中継装置及び端局装置に用いるトランスポンダを共通化でき、不要なクライアント断信号の出力も防止でき、障害箇所の特定を容易にする。
【符号の説明】
【0149】
1 クライアント装置
2、5 端局装置
3、4 中継装置
6 クライアント装置
7 監視ネットワーク
8 監視制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント側信号と伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダに関し、特に、クライアント側信号を入出力するインタフェースの接続先を判定するトランスポンダに関する。
【背景技術】
【0002】
あるクライアント装置と、当該クライアント装置に対向するクライアント装置とが伝送路を介して接続される伝送システム(光伝送システム)において、伝送路等で障害が発生した場合、障害の発生をクライアント装置に通知する必要がある。
【0003】
この伝送システムは、二つのクライアント装置に接続される二つの端局装置を備え、これらの端局装置は伝送路を介して接続されるものが知られている。この端局装置は、クライアント装置との通信に用いられるクライアント側信号と、伝送路との通信に用いられる伝送路側信号との間で双方向に変換する一つのトランスポンダを備える。クライアント装置から信号を出力する場合、当該クライアント装置に接続された端局装置のトランスポンダはクライアント側信号を伝送路側信号へ変換して伝送路側へ出力する。一方、クライアント装置に信号が入力される場合、トランスポンダは、伝送路側信号をクライアント側信号へ変換してクライアント装置へ信号が入力される。
【0004】
また、一本の伝送路の長さは決まっているので、二つの端局装置の間に少なくとも一つの中継装置を備えることによって、伝送路の長さを長くすることができる。これは、一つの中継装置には二本の伝送路が接続されるためである。この中継装置は、二つのトランスポンダを備える。一方のトランスポンダによって伝送路側信号がクライアント側信号へ変換され、他方のトランスポンダによって一方のトランスポンダから出力されたクライアント側信号が伝送路側信号へ変換される。
【0005】
トランスポンダは、クライアント装置又は他のトランスポンダに接続されるクライアント側インタフェース、伝送路に接続される伝送路側インタフェースを備える。
【0006】
端局装置に備わるトランスポンダのクライアント側インタフェースはクライアント装置に接続され、伝送路側インタフェースは伝送路に接続される。中継装置に備わるクライアント側インタフェースは他方のトランスポンダに接続され、伝送路側インタフェースは伝送路に接続される。
【0007】
なお、以下では、端局装置及び中継装置を総称する場合には、通信装置との用語を用いる。
【0008】
ここで、上述した伝送システムにおいて、障害の発生をクライアント装置に通知する方式としては、障害が発生したことを示す障害情報を光信号のオーバーヘッド部に含める方式、及び、障害情報を転送するフレームが生成され、当該フレームをクライアント装置に転送する方式が知られている。
【0009】
例えば、前者の方式の場合、SDH(Syncronous Digital Hierarchy)システムでは、伝送路に流れる伝送信号のフレームにAIS(Alarm Indication Signal)と呼ばれる信号を含めることによって、障害情報がクライアント装置に転送される。
【0010】
また、後者の方式の場合、10ギガビットイーサネット(イーサネットは登録商標)のEthernet(登録商標)システムでは、LFS(Link Fault Signaling)と呼ばれる障害転送機能が規格化されている。
【0011】
しかし、通信装置が、これらの障害情報を検出するためには、光信号を高速に復号化して警報信号を読み出すことが必要となる。このため、通信装置の価格が上昇してしまうという問題点がある。
【0012】
これに対して、通信装置の価格を低減するために、障害が発生した場合、トランスポンダのクライアント側インタフェースでは光信号の出力を停止することによってクライアント装置に障害発生を通知し、伝送路側インタフェースでは障害が発生したことを通知するクライアント入力断信号をEther−OAM信号を用いて出力する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
この方法を図10〜図12を用いて説明する。
【0014】
図10は、従来例の伝送路で障害が発生した場合の障害通知方法の説明図である。
【0015】
伝送システムは、クライアント装置100、端局装置200、端局装置500、及びクライアント装置600を備える。端局装置200及び500は、伝送路440を介して接続される。
【0016】
端局装置200は、トランスポンダ420及び光合波器430を備える。トランスポンダ420は、クライアント装置100からのクライアント側信号を伝送路側信号に変換する。光合波器430は、トランスポンダ420からの伝送路側信号を合波して伝送路440側に出力する。
【0017】
端局装置500は、トランスポンダ460及び光分波器450を備える。光分波器450は、伝送路440からの伝送路側信号を分波してトランスポンダ460に出力する。トランスポンダ460は、光分波器450から出力された伝送路側信号をクライアント側信号に変換し、変換後のクライアント側信号をクライアント装置600に出力する。
【0018】
ここで、伝送路440で光ファイバが切断する等の障害が発生したとする(51)。この場合、光信号は障害発生箇所から下流に到達しなくなる。このため、端局装置500に備わるトランスポンダ460は入力断を検出し(52)、クライアント装置600に接続されたクライアント側インタフェースからの出力を停止する(53)。クライアント装置600は、入力断を検出し(54)、伝送システムで何らかの障害が発生したことを検出できる。
【0019】
図11は、従来例のクライアント装置100と端局装置200との間で障害が発生した場合の障害通知方法の説明図である。
【0020】
図11に示す伝送システムの構成は、図10に示す伝送システムの構成と同じであるので、説明を省略する。
【0021】
クライアント装置100と端局装置200との間で、光ファイバが切断する等の障害が発生した場合(51)、光信号は障害発生箇所から下流に到達しなくなる。このため、端局装置200に備わるトランスポンダ420は入力断を検出し(52)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を下流側に出力する(55)。
【0022】
トランスポンダ460にトランスポンダ420からのクライアント入力断信号が入力された場合、トランスポンダ460は、クライアント装置600に接続されたクライアント側インタフェースからの出力を停止する(53)。クライアント装置600は、入力断を検出し(54)、伝送システムで何らかの障害が発生したことを検出できる。
【0023】
図12は、従来例の多段伝送システムにおける障害通知方法の説明図である。
【0024】
図12に示す伝送システムは、二つの中継装置300及び400(以下、総称して中継装置300という)を備え、伝送路を延伸する多段伝送システムである。なお、中継装置300を一つでも備えれば、多段伝送システムという。
【0025】
図12に示すクライアント装置100及び410Bは、図10に示すクライアント装置100及び410Bと同じであり、図12に示す端局装置200及び500は、図10に示す端局装置200及び500と同じであるので、説明を省略する。
【0026】
中継装置300は、光分波器640、トランスポンダ650、トランスポンダ660、及び光合波器670を備える。
【0027】
光分波器640は図10に示す端局装置500に備わる光分波器450と同じであり、光合波器670は図10に示す端局装置200に備わる光合波器430と同じであるので、説明を省略する。
【0028】
トランスポンダ650は、伝送路側インタフェースが光分波器640に接続され、クライアント側インタフェースがトランスポンダ660に接続され、伝送路側信号をクライアント側信号に変換する。
【0029】
トランスポンダ660は、伝送路側インタフェースが光合波器679に接続され、クライアント側インタフェースがトランスポンダ650に接続され、クライアント側信号を伝送路側信号に変換する。
【0030】
なお、中継装置400は中継装置300と同じ構成であるので、説明を省略する。
【0031】
ここで、クライアント装置100と端局装置200との間で、光ファイバが切断する等の障害が発生した場合(810)、光信号は障害発生箇所から下流に到達しなくなる。このため、端局装置200に備わるトランスポンダ420は入力断を検出し(820)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する(830)。
【0032】
中継装置300に備わるトランスポンダ650にクライアント入力断信号が入力された場合、トランスポンダ650は、クライアント側インタフェースの出力を停止する(840)。
【0033】
トランスポンダ660は、トランスポンダ650がクライアント側インタフェースの出力を停止したことによって、入力断を検出し(850)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する(860)。
【0034】
中継装置400に備わるトランスポンダ690にクライアント入力断信号が入力された場合、トランスポンダ690は、クライアント側インタフェースの出力を停止する(870)。
【0035】
トランスポンダ700は、トランスポンダ690がクライアント側インタフェースの出力を停止したことによって、入力断を検出し(880)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する(890)。
【0036】
端局装置500に備わるトランスポンダ450にクライアント入力断信号が入力された場合、トランスポンダ450は、クライアント側インタフェースの出力を停止する(900)。
【0037】
クライアント装置600は、入力断を検出し(910)、伝送システムで何らかの障害が発生したことを検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特開2010−81223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0039】
図12に示す多段伝送システムは、端局装置200及び500に備わるトランスポンダと、中継装置300及び400に備わるトランスポンダとを共通化する観点から、クライアント装置に対して出力を停止して、障害発生を通知するため、すべてのトランスポンダで、伝送路側インタフェースにクライアント入力断信号が入力された場合、クライアント側インタフェースの出力を停止するものであった。
【0040】
このため、クライアント側インタフェースの一個所で障害が発生したにもかかわらず、伝送路に接続されたすべてのトランスポンダがクライアント断信号を出力するため、管理者はすべてのクライアント断信号を確認して、障害箇所を特定が困難であった。
【0041】
本発明の目的は、中継装置及び端局装置に備わるトランスポンダを共通化し、管理者による障害箇所の特定を容易にするトランスポンダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0042】
本発明の代表的な一例を示せば、クライアント装置との通信に使用されるクライアント側信号と、伝送路との通信に使用される伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダであって、前記クライアント側信号を入出力するクライアント側インタフェースと、前記伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースと、を備え、前記クライアント側インタフェースには、他のクライアント側インタフェース、又は、前記クライアント装置が接続可能であって、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェース及び前記クライアント装置のいずれが接続されているかを判定する接続判定部と、前記伝送路側の状態を通知する状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記状態信号が入力されたことを示す伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号生成部と、を備え、前記接続判定部は、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されたことを判定するための認識信号を前記クライアント側インタフェースから出力する認識信号出力部を備え、前記認識信号が前記クライアント側インタフェースに入力された場合、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定し、前記伝達信号生成部は、前記接続判定部による判定結果に基づいて、前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号の態様を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、中継装置及び端局装置に備わるトランスポンダを共通化でき、管理者による障害箇所の特定を容易にするトランスポンダを提供できる
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態の伝送システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の端局装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の中継装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の中継装置を備えない伝送システムにおける信号の変換の説明図である。
【図5】本発明の実施形態の多段伝送システムにおける信号の変換の説明図である。
【図6】本発明の実施形態のトランスポンダの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態の伝送システムにおける障害通知方法の説明図である。
【図8】本発明の実施形態の二つのトランスポンダがバックツーバック接続を判定するまでのシーケンス図である。
【図9】本発明の実施形態のトランスポンダによる接続判定処理のフローチャートである。
【図10】従来例の伝送路で障害が発生した場合の障害通知方法の説明図である。
【図11】従来例のクライアント装置と端局装置との間で障害が発生した場合の障害通知方法の説明図である。
【図12】従来例の多段伝送システムにおける障害通知方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態を図1〜図9を用いて説明する。
【0046】
図1は、本発明の実施形態の伝送システムの構成を示す図である。
【0047】
伝送システムは、クライアント装置1及び6、端局装置2及び5、並びに、中継装置3及び4を備え、距離の離れた二地点に設置されたクライアント装置1とクライアント装置6とを接続するものである。
【0048】
クライアント装置1からクライアント装置6への信号は、端局装置2、中継装置3、中継装置4、及び端局装置5を通じてクライアント装置6へ送信される。クライアント装置6からクライアント装置1への信号も同じように送信される。
【0049】
また、端局装置2及び5、並びに中継装置3及び4(以下、これらの装置を総称して通信装置という)は、監視ネットワーク7を介して監視制御装置8に接続される。通信装置は、クライアント入力断信号の警報信号を他の通信装置へ出力するとともに、監視ネットワーク7にも出力する。このため、監視制御装置8は、通信装置が出力した警報信号をリアルタイムで監視できる。
【0050】
図2は、本発明の実施形態の端局装置2及び5の構成を示すブロック図である。
【0051】
端局装置2及び5(以下、総称して端局装置)は、トランスポンダ11〜13(以下、総称してトランスポンダ)、光合波器14、光分波器15、及び監視制御部16を備える。
【0052】
トランスポンダは、クライアント装置1及び7(以下、総称してクライアント装置)との通信に用いられるクライアント側信号と伝送路との通信に用いられる伝送路側信号との間で双方向に変換する。
【0053】
具体的には、トランスポンダは、クライアント装置からのクライアント側信号を波長多重可能な予め決められた波長の伝送路側信号に変換し、光合波器14に出力する。この場合、トランスポンダは、誤り訂正符号及び遠隔制御のためのデータを付加して変換する場合もある。
【0054】
また、トランスポンダは、光分波器15から出力された伝送路側信号をクライアント側信号に変換し、クライアント装置に出力する。
【0055】
トランスポンダは、クライアント側信号が入出力されるクライアント側インタフェース、及び、伝送路側信号が入出力される伝送路側インタフェースを備える。
【0056】
光合波器14は、複数のトランスポンダからの伝送路側信号を合波して一本の光ファイバからなる伝送路に出力する。
【0057】
光分波器15は、伝送路から入力された信号を分波してトランスポンダに出力する。
【0058】
監視制御部16は、端局装置に備わるトランスポンダ、光合波器14、及び光分波器15の光入出力レベル、動作状態等を監視し、障害を検出した場合、監視ネットワーク7に入力断信号を送信する。
【0059】
図3は、本発明の実施形態の中継装置3及び4の構成を示すブロック図である。
【0060】
以下、中継装置3及び4を総称して中継装置という。
【0061】
中継装置は、光信号と電気信号との間で信号を変換せずに光増幅器を用いる方式、光信号から電気信号へ信号を変換後、電気信号を光信号へ変換する光再生中継器を用いる方式が知られているが、本実施形態の中継装置は二つのトランスポンダのクライアント側インタフェースを接続して構成される。トランスポンダのクライアント側インタフェースと他のトランスポンダのクライアント側インタフェースとの接続をバックツーバック接続という。
【0062】
中継装置は、光分波器21及び光分波器30、光合波器22及び29、トランスポンダ23〜28、並びに監視制御部31を備える。
【0063】
光分波器21及び光分波器30は、伝送路から入力された信号を分波してトランスポンダに出力する。なお、光分波器21は第1伝送路からの信号を分波し、光分波器30は第2伝送路からの信号を分波する。
【0064】
光合波器22及び29は、複数のトランスポンダからの信号を合波し、合成した信号を伝送路に出力する。光合波器22は、トランスポンダ23、25、及び27からの信号を合波し、合波した信号を第1伝送路に出力する。光合波器29は、トランスポンダ24、26、及び28からの信号を合波し、合波した信号を第2伝送路に出力する。
【0065】
トランスポンダ23のクライアント側インタフェース及びトランスポンダ24のクライアント側インタフェースが接続される。
【0066】
例えば、第1伝送路側から信号が入力された場合、光分波器21によって信号が分波され、分波された信号がトランスポンダ23の伝送路側インタフェースに入力される。トランスポンダ23は当該信号をクライアント側信号に変換し、変換後の信号をクライアント側インタフェースからトランスポンダ24に出力する。
【0067】
トランスポンダ24は当該クライアント側信号に変換された信号を伝送路側信号に変換し、変換後の信号を伝送路側インタフェースから光合波器29に出力する。光合波器29は、トランスポンダ24からの信号を他のトランスポンダ26及び28からの信号と合波して、第2伝送路に出力する。
【0068】
なお、第2伝送路からトランスポンダ24に信号が入力されても同じ信号の変換処理が実行される。また、トランスポンダ25及び26、並びにトランスポンダ27及び28についても同じである。
【0069】
監視制御部31は、中継装置に備わるトランスポンダ、光合波器22及び29、並びに光分波器21及び30の光入出力レベル、動作状態等を監視し、障害を検出した場合、監視ネットワーク7に入力断信号を送信する。
【0070】
次に、本発明の信号の変換について図4及び図5を用いて説明する。
【0071】
図4は、本発明の実施形態の中継装置を備えない伝送システムにおける信号の変換の説明図である。
【0072】
図4に示す伝送システムでは、端局装置2及び5が伝送路44を介して接続される。なお、端局装置2にはクライアント装置1が接続され、端局装置5にはクライアント装置6が接続される。
【0073】
クライアント装置1からの信号(クライアント側信号)は、トランスポンダ42のクライアント側インタフェースに入力される。トランスポンダ42は、クライアント側インタフェースに入力されたクライアント側信号を伝送路側信号に変換し、伝送路側インタフェースから光合波器43に出力する。光合波器43は、入力された伝送路側信号を他の波長の伝送路側信号と合波して、伝送路に出力する。
【0074】
伝送路に出力された伝送路側信号は、端局装置5に備わる光分波器45に入力される。光分波器45は入力された伝送路側信号を予め決められた波長に分波し、トランスポンダ46の伝送路側インタフェースに出力する。
【0075】
トランスポンダ46は、伝送路側インタフェースから伝送路側信号が入力された場合、入力された伝送路側信号をクライアント側信号に変換し、クライアント側信号をクライアント側インタフェースからクライアント装置6に出力する。
【0076】
図5は、本発明の実施形態の多段伝送システムにおける信号の変換の説明図である。
【0077】
図5に示す多段伝送システムでは、中継装置内で二つのトランスポンダをバックツーバック接続する。このように、二つのトランスポンダをバックツーバック接続することによって中継装置を構成すると、光増幅器を用いる中継装置と比較して、トランスポンダを他の通信装置と共通化することができ、既に構築されたネットワークを構成する伝送路を延伸することができる。
【0078】
図5に示す多段伝送システムの構成のうち図4に示す伝送システムの構成と同じ構成は同じ符号を付与し、説明を省略する。
【0079】
端局装置2の光合波器43から出力された伝送路側信号は伝送路を介して中継装置3の光分波器64に入力される。
【0080】
光分波器64は入力された伝送路側信号を予め決められた波長に分波し、トランスポンダ65の伝送路側インタフェースに出力する。
【0081】
トランスポンダ65は、伝送路側インタフェースに入力された伝送路側信号をクライアント側信号に変換し、変換したクライアント側信号をクライアント側インタフェースからトランスポンダ66に出力する。
【0082】
トランスポンダ66は、クライアント側インタフェースに入力されたクライアント側信号を伝送路側信号に変換し、変換した伝送路側信号を伝送路側インタフェースから光合波器67に出力する。
【0083】
光合波器67は、入力された伝送路側信号を他の波長の伝送路側信号と合波して、伝送路に出力する。
【0084】
なお、中継装置4内での信号の変換は、上述した中継装置3内での信号の変換と同じであるので、説明を省略する。
【0085】
図6は、本発明の実施形態のトランスポンダの構成を示すブロック図である。
【0086】
トランスポンダは、光モジュール91及び93、FEC(Forward Error Correction)回路92、認識信号挿入回路94、認識信号検出回路95、制御回路96、及び障害伝達信号挿入回路97を備える。
【0087】
光モジュール91はFEC回路92に接続され、FEC回路92は光モジュール93に接続される。認識信号挿入回路94及び障害伝達信号挿入回路(伝達信号生成部)97は、FEC回路92と光モジュール93とを接続する接続線のうち、光モジュール93へ信号を出力する接続線に接続される。また、認識信号検出回路95は、FEC回路92と光モジュール93とを接続する接続線のうち、FEC回路92へ信号を出力する接続線に接続される。
【0088】
光モジュール91は、伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースとして機能し、光信号である伝送路側信号を電気信号に変換する。
【0089】
光モジュール93は、クライアント側信号を入出力するクライアント側インタフェースとして機能し、光信号であるクライアント側信号を電気信号に変換する。
【0090】
FEC回路92は、伝送路側信号に含まれる誤り訂正符号(FEC)を符号化及び複号化する。
【0091】
認識信号挿入回路94は、クライアント側インタフェースから出力する認識信号を信号に挿入する。
【0092】
認識信号検出回路95は、クライアント側インタフェースに入力された信号から認識信号を検出する。認識信号検出回路95は、クライアント側インタフェースに入力された信号から認識信号を検出した場合、認識信号を検出した旨を制御回路96に通知する。
【0093】
また、認識信号検出回路95は、クライアント側インタフェースに入力された信号から障害伝達信号を検出する。認識信号検出回路95は、クライアント側インタフェースに入力された信号から障害伝達信号を検出した場合、障害伝達信号を検出した旨を制御回路96に通知する。
【0094】
制御回路96は、各種回路の制御を司る。制御回路96は、認識信号を検出した旨を認識信号検出回路95から通知された場合、クライアント側インタフェースに他のクライアント側インタフェースが接続されているバックツーバック接続であると判定し、クライアント側インタフェースからACK信号を出力する。
【0095】
また、制御回路96は、障害伝達信号を検出した旨を認識信号検出回路95から通知された場合、自身よりも上流側で障害が発生していることを示すクライアント入力断伝達信号を伝送路側インタフェースから出力する。
【0096】
以上より、認識信号挿入回路94、認識信号検出回路95、制御回路96、及び障害伝達信号挿入回路97は、クライアント側インタフェースに他のクライアント側インタフェースが接続されているか否かを判定する接続判定部となる。
【0097】
また、当該接続判定部の認識信号検出回路95及び制御回路96は、認識信号に対する返答信号であるACK信号をクライアント側インタフェースから出力する返答信号生成部となる。
【0098】
障害伝達信号挿入回路97は、バックツーバック接続であると判定された場合、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号又はクライアント入力断伝達信号を検出すると、障害伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する。一方、障害伝達信号挿入回路97は、バックツーバック接続でないと判定された場合、伝送路側インタフェースでクライアント入力断信号又はクライアント入力断伝達信号を検出すると、クライアント側インタフェースの出力を停止することによって障害伝達信号を出力する。なお、クライアント入力断信号は、クライアント側インタフェースで入力断が検出された場合、伝送路側インタフェースから出力される信号である。
【0099】
このように、バックツーバック接続されているトランスポンダは、当該トランスポンダの伝送路側インタフェースよりも上流で障害が発生した場合であっても、クライアント側インタフェースの出力を停止せず、伝達信号を送信するので、不要なクライアント入力断信号の出力を抑制できる。
【0100】
以上のように、障害伝達信号挿入回路97は、伝送路側インタフェースでクライアント入力断信号又はクライアント入力断伝達信号を検出した場合、接続判定部の判定結果に基づいて、クライアント側インタフェースから出力する障害伝達信号の態様を変更する。
【0101】
図7は、本発明の実施形態の伝送システムにおける障害通知方法の説明図である。
【0102】
図7に示す伝送システムの構成は、図5に示す伝送システムと同じであるので、説明を省略する。
【0103】
クライアント装置1と端局装置2との間で、光ファイバが断線する等の障害が発生した場合(81)、端局装置2に備わるトランスポンダ42は入力断を検出し(82)、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する(83)。なお、クライアント入力断信号は警報信号として監視ネットワーク7にも出力される。
【0104】
次に、中継装置3に備わるトランスポンダ65は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断信号が入力された場合、当該トランスポンダ65はトランスポンダ66とバックツーバック接続されているため、伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する(84)。
【0105】
中継装置3に備わるトランスポンダ66は、クライアント側インタフェースに伝達信号が入力された場合、障害が発生したことを下流側に通知するためのクライアント入力断伝達信号を伝送路側インタフェースから伝送路に出力する(85)。なお、クライアント入力断伝達信号は、警報信号として監視ネットワーク7に出力されない。
【0106】
次に、中継装置4に備わるトランスポンダ69は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断伝達信号が入力された場合、当該トランスポンダ69はトランスポンダ70とバックツーバック接続されているため、伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する(85)。
【0107】
中継装置4に備わるトランスポンダ70は、クライアント側インタフェースに伝達信号が入力された場合、クライアント入力断伝達信号を伝送路側インタフェースから伝送路に出力する(86)。
【0108】
次に、端局装置5に備わるトランスポンダ46は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断伝達信号が入力された場合、当該トランスポンダ46はバックツーバック接続されていないので、クライアント側インタフェースの出力を停止する(87)。
【0109】
そして、クライアント装置6は、入力断を検出し(88)、伝送システムで何らかの障害が発生したことを検出できる。
【0110】
このように、本実施形態では、障害が発生したことを示す信号(クライアント入力断信号又はクライアント入力断伝達信号)がトランスポンダの伝送路側インタフェースに入力された場合、当該トランスポンダは、バックツーバック接続されていれば、伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する。また、当該トランスポンダは、バックツーバック接続されていなければ、つまり、クライアント側インタフェースにクライアント装置が接続されていれば、出力を停止する。このため、当該トランスポンダにバックツーバック接続されたトランスポンダがクライアント側インタフェースで入力断を検出し、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力することを防止できる。
【0111】
これによって、監視制御装置8の管理者は、クライアント入力断信号を出力した装置の上流で障害が発生していることを容易に特定できる。
【0112】
図7では、クライアント装置1と端局装置2との間で障害が発生したことを説明したが、次に、端局装置2と中継装置4との間の伝送路に障害が発生した場合について、図7を用いて説明する。
【0113】
中継装置3のトランスポンダ65の伝送路側インタフェースへの信号の入力がなくなるので、トランスポンダ65は伝送路側インタフェースで入力断を検出する。この場合、トランスポンダ65は、クライアント側インタフェースの出力を停止する。
【0114】
つまり、本実施形態のトランスポンダは、伝送路側インタフェースで入力断を検出すると、クライアント側インタフェースの出力を停止し、クライアント側インタフェースで入力断を検出すると、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力するように設定されている。
【0115】
トランスポンダ65のクライアント側インタフェースの出力が停止するので、トランスポンダ66は、クライアント側インタフェースで入力断を検出すると、伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号を出力する。
【0116】
以降の処理は、クライアント装置1と端局装置2との間で障害が発生した場合と同じであるので、説明を省略する。
【0117】
このように、トランスポンダの伝送路側インタフェースで入力断を検出しても、当該トランスポンダのクライアント側インタフェースの出力を停止するので、当該トランスポンダにバックツーバック接続されるトランスポンダの伝送路側インタフェースからクライアント入力断信号が出力される。そして、クライアント入力断信号を出力したトランスポンダよりも下流のトランスポンダはクライアント入力断信号を出力しないので、管理者は、障害箇所を容易に特定できる。
【0118】
図8は、本発明の実施形態の二つのトランスポンダ65及び66がバックツーバック接続を判定するまでのシーケンス図である。
【0119】
図8に示す各トランスポンダは、図7に示す各トランスポンダに対応する。なお、図8では、中継装置4を省略しているので、中継装置3に備わるトランスポンダ66に端局装置5のトランスポンダ46が接続されているものとする。
【0120】
まず、トランスポンダ65に電源が投入される(100)。トランスポンダ65の伝送路側インタフェースとトランスポンダ42との接続が確立していない場合、トランスポンダ65の伝送路側インタフェースに何も入力されないので(102)、トランスポンダ65はクライアント側インタフェースの出力を停止する(101)。
【0121】
なお、トランスポンダ65の伝送路側インタフェースとトランスポンダ42との接続が確立していない場合として、例えば、トランスポンダ65の伝送側インタフェースとトランスポンダ42の伝送側インタフェースとを接続する光ファイバが接続されていない場合、及び、トランスポンダ42に電源が投入されていない場合等が考えられる。
【0122】
次に、トランスポンダ42の伝送路側インタフェースとトランスポンダ65の伝送路側インタフェースとの接続が確立した場合、トランスポンダ42は、伝送路側インタフェースから信号を出力し、トランスポンダ65は、伝送路側インタフェースに信号が入力されたことを検出すると、伝送路側インタフェースとトランスポンダ42との接続が確立したと判定する(103)。そして、トランスポンダ65は、クライアント側インタフェースから正規の信号を出力する(104)。正規の信号とは、認識信号と異なり、トランスポンダのクライアント側インタフェースに入力されても伝送路側インタフェースに入力されても、トランスポンダが検出可能な信号である。
【0123】
トランスポンダ42とトランスポンダ65との接続と同じように、トランスポンダ46とトランスポンダ66との間でも、接続が確立していない場合、トランスポンダ66の伝送路側インタフェースには何も入力されず(105)、トランスポンダ66の伝送路側インタフェースに信号が入力されると、トランスポンダ46とトランスポンダ66との接続が確立したと判定する(106)。そして、トランスポンダ66は、クライアント側インタフェースから正規の信号を出力する(107)。
【0124】
トランスポンダ65及び66は、出力した信号が入力されることによって、両クライアント側インタフェース間のリンクが確立したことを確認する。
【0125】
そして、他方のトランスポンダから正規の信号がクライアント側インタフェースに入力された場合、一方のトランスポンダは、クライアント側インタフェースから認識信号を出力する(108)。図8では、トランスポンダ66の方がトランスポンダよりも早く正規の信号が入力されているので、トランスポンダ66が最初に認識信号を出力する。
【0126】
トランスポンダは、クライアント側インタフェースに認識信号が入力された場合、バックツーバック接続であると判定し、ACK信号をクライアント側インタフェースから出力する(109)。
【0127】
なお、認識信号が伝送路側インタフェースに入力されても、図6に示す認識信号検出回路95によって認識信号として検出されないので、トランスポンダはACK信号を出力しない。これは、認識信号は、通常の信号に用いられない特殊なパターンによって構成されるためである。
【0128】
このようにして、トランスポンダ65及び66は、バックツーバック接続であるか否かを判定し、バックツーバック接続であると判定された場合、バックツーバックモードでの動作を開始する(110、111)。
【0129】
ここで、図7と同じくクライアント装置1と端局装置2との間で障害が発生した場合、トランスポンダ42は、クライアント側インタフェースに入力がないことを検出し、クライアント入力断信号を伝送路側インタフェースから出力する(83)。
【0130】
トランスポンダ65は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断信号が入力されると、トランスポンダ65とトランスポンダ66とがバックツーバック接続されているので、伝達信号をクライアント側インタフェースから出力する(85)。
【0131】
トランスポンダ66は、クライアント側インタフェースに伝達信号が入力された場合、クライアント入力伝達信号を伝送路側インタフェースから出力する(86)。
【0132】
トランスポンダ46は、伝送路側インタフェースにクライアント入力断信号が入力された場合、バックツーバック接続されないので、クライアント側インタフェースの出力を停止する(87)。
【0133】
図9は、本発明の実施形態のトランスポンダによる接続判定処理のフローチャートである。
【0134】
接続判定処理は、トランスポンダに備わる制御回路96によって電源投入後の所定時間、所定のタイミングで実行される。
【0135】
まず、制御回路96は、伝送路側インタフェースに何らかの信号が入力されたか否かを判定する(901)。
【0136】
ステップ901の処理で、伝送路側インタフェースに何らかの信号が入力されていないと判定された場合、伝送路側での接続が確立されていないので、接続判定処理を終了する。
【0137】
一方、ステップ901の処理で、伝送路側インタフェースに何らかの信号が入力されたと判定された場合、制御回路96は、クライアント側インタフェースから正規信号を出力する(902)。
【0138】
次に、制御回路96は、クライアント側インタフェースに正規信号が入力されたか否かを判定する(903)。
【0139】
ステップ903の処理で、クライアント側インタフェースに正規信号が入力されていないと判定された場合、クライアント側での接続が確立されていないので、接続判定処理を終了する。
【0140】
一方、ステップ903の処理で、クライアント側インタフェースに正規信号が入力されたと判定された場合、制御回路96は、クライアント側インタフェースから認識信号を出力する(904)。
【0141】
次に、制御回路96は、ステップ904の処理で出力した認識信号に対する認識信号がクライアント側インタフェースに入力されたか否かを判定する(905)。
【0142】
ステップ905の処理で、認識信号がクライアント側インタフェースに入力されたと判定された場合、バックツーバック接続であると判定し(906)、接続判定処理を終了する。
【0143】
一方、ステップ905の処理で、認識信号がクライアント側インタフェースに入力されていないと判定された場合、バックツーバック接続でないと判定し(907)、接続判定処理を終了する。
【0144】
なお、ステップ906又は907の処理で、バックツーバック接続であるか否かが判定された場合、接続判定処理は繰り返し実行されない。
【0145】
さらに、図9では、認識信号がクライアント側インタフェースに入力されたか否かによって、バックツーバック接続か否かを判定したが、制御回路96は、ステップ904の処理で出力した認識信号に対するACK信号が入力されていれば、バックツーバック接続と判定し、ACK信号が入力されていなければ、バックツーバック接続でないと判定してもよい。
【0146】
なお、本実施形態では、トランスポンダの上流側で発生した障害の通知について説明したが、障害だけに限定されず、トランスポンダの上流側の状態(障害を含む)を通知してもよい。この場合、図7に示すクライアント断信号及びクライアント断伝達信号は、状態信号となる。
【0147】
以上のように、本実施形態では、トランスポンダがクライアント側インタフェースから認識信号を出力し、認識信号に基づいてバックツーバック接続か否かを判定する。そして、バックツーバック接続であれば、伝送路側インタフェースから状態信号が入力された場合、クライアント側インタフェースから伝達信号を出力し、バックツーバック接続でなければクライアント側インタフェースの出力を停止する。
【0148】
これによって、中継装置及び端局装置に用いるトランスポンダを共通化でき、不要なクライアント断信号の出力も防止でき、障害箇所の特定を容易にする。
【符号の説明】
【0149】
1 クライアント装置
2、5 端局装置
3、4 中継装置
6 クライアント装置
7 監視ネットワーク
8 監視制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置との通信に使用されるクライアント側信号と、伝送路との通信に使用される伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダであって、
前記クライアント側信号を入出力するクライアント側インタフェースと、
前記伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースと、を備え、
前記クライアント側インタフェースには、他のクライアント側インタフェース、又は、前記クライアント装置が接続可能であって、
前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェース及び前記クライアント装置のいずれが接続されているかを判定する接続判定部と、
前記伝送路側の状態を通知する状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記状態信号が入力されたことを示す伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号生成部と、を備え、
前記接続判定部は、
前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されたことを判定するための認識信号を前記クライアント側インタフェースから出力する認識信号出力部を備え、
前記認識信号が前記クライアント側インタフェースに入力された場合、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定し、
前記伝達信号生成部は、前記接続判定部による判定結果に基づいて、前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号の態様を変更することを特徴とするトランスポンダ。
【請求項2】
前記伝達信号生成部は、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定した場合、前記伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力し、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記クライアント装置が接続されていると判定した場合、前記クライアント側インタフェースからの信号の出力を停止することを特徴とする請求項1に記載のトランスポンダ。
【請求項3】
前記状態信号は、前記伝送路側で障害が発生したことを伝達する障害信号であることを特徴とする請求項2に記載のトランスポンダ。
【請求項4】
前記認識信号出力部は、
前記伝送路側インタフェースに何らかの信号の入力があると、前記伝送路との接続が確立したことを判定し、
前記伝送路との接続が確立したと判定した場合、前記クライアント側インタフェースから前記認識信号と異なる所定の信号を出力し、
前記伝送路との接続が確立したと判定し、かつ、前記クライアント側インタフェースに所定の信号が入力された場合、前記認識信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のトランスポンダ。
【請求項5】
前記接続判定部は、
前記認識信号が前記クライアント側インタフェースに入力された場合、前記認識信号に対する返答信号を前記クライアント側インタフェースから出力する返答信号生成部を備え、
前記出力した認識信号に対する返答信号が前記クライアントインタフェースに入力されることによって、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定することを特徴とする請求項1から請求項4に記載のトランスポンダ。
【請求項6】
対向する二つのクライアント装置の通信に使用される二つの伝送路を中継する中継装置において、
一方の伝送路に接続される第1トランスポンダ、及び他方の伝送路に接続される第2トランスポンダを備え、
前記第1トランスポンダ及び第2トランスポンダは、前記クライアント装置との通信に使用されるクライアント側信号と前記伝送路との通信に使用される伝送路側信号との間で双方向に変換し、
前記第1トランスポンダ及び第2トランスポンダは、前記クライアント側信号を入出力する前記クライアント装置クライアント側インタフェースと、前記伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースと、を備え、
前記クライアント側インタフェースには、他の前記クライアント側インタフェース又は前記クライアント装置が接続可能であって、
前記第1トランスポンダの前記クライアント側インタフェースと前記第2トランスポンダの前記クライアント側インタフェースとが接続され、前記第1トランスポンダの前記伝送路側インタフェースに前記一方の伝送路が接続され、前記第1トランスポンダの前記伝送路側インタフェースに前記他方の伝送路が接続され、
前記第1トランスポンダ及び前記第2トランスポンダは、
前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェース及び前記クライアント装置のいずれが接続されているかを判定する接続判定部と、
前記伝送路側の状態を通知する状態信号が一方のトランスポンダの前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記状態信号が入力されたことを示す伝達信号を前記一方のトランスポンダの前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号生成部と、を備え、
前記伝達信号生成部は、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定した場合、前記伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力し、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記クライアント装置が接続されたと判定した場合、前記クライアント側インタフェースからの信号の出力を停止し、
前記第1トランスポンダ及び前記第2トランスポンダの前記接続判定部は、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定し、
前記状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された一方のトランスポンダの前記伝達信号生成部は、前記伝達信号を前記クライアント側インタフェースから前記他方のトランスポンダの前記クライアント側インタフェースに出力し、
前記他方のトランスポンダは、前記クライアント側インタフェースに前記伝達信号が入力された場合、前記状態信号を前記伝送路インタフェースから出力することを特徴とする中継装置。
【請求項7】
前記状態信号は、前記伝送路側で障害が発生したことを伝達する障害信号であることを特徴とする請求項6に記載の中継装置。
【請求項8】
前記認識信号出力部は、
前記伝送路側インタフェースに何らかの信号の入力があると、前記伝送路との接続が確立したことを判定し、
前記伝送路との接続が確立したと判定した場合、前記クライアント側インタフェースから前記認識信号と異なる所定の信号を出力し、
前記伝送路との接続が確立したと判定し、かつ、前記クライアント側インタフェースに所定の信号が入力された場合、前記認識信号を出力することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の中継装置。
【請求項9】
前記接続判定部は、
前記認識信号が前記クライアントインタフェースに入力された場合、前記認識信号に対する返答信号を前記クライアント側インタフェースから出力する返答信号生成部を備え、
前記出力した認識信号に対する返答信号が前記クライアント側インタフェースに入力されることによって、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一つに記載の中継装置。
【請求項10】
クライアント装置及び伝送路に接続される端局装置において、
前記クライアント装置との通信に使用されるクライアント側信号と前記伝送路との通信に使用される伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダを備え、
前記トランスポンダは、
前記クライアント側信号を入出力する前記クライアント装置クライアント側インタフェースと、前記伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースと、を備え、
前記クライアント側インタフェースには、他の前記クライアント側インタフェース又は前記クライアント装置が接続可能であって、
前記クライアント側インタフェースに前記クライアント計算機が接続され、前記伝送路側インタフェースに前記伝送路が接続され、
前記トランスポンダは、
前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェース及び前記クライアント装置のいずれが接続されているかを判定する接続判定部と、
前記伝送路側の状態を通知する状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記状態信号が入力されたことを示す伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号生成部と、を備え、
前記伝達信号生成部は、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定した場合、前記伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力し、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記クライアント装置が接続されていると判定した場合、前記クライアント側インタフェースからの信号の出力を停止し、
前記接続判定部は、前記クライアント側インタフェースに前記クライアント計算機が接続されていないと判定し、
前記状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記クライアント側インタフェースからの信号の出力を停止することを特徴とする端局装置。
【請求項11】
前記状態信号は、前記伝送路側で障害が発生したことを伝達する障害信号であることを特徴とする請求項10に記載の端局装置。
【請求項12】
前記認識信号出力部は、
前記伝送路側インタフェースに何らかの信号の入力があると、前記伝送路との接続が確立したことを判定し、
前記伝送路との接続が確立したと判定した場合、前記クライアント側インタフェースから前記認識信号と異なる所定の信号を出力し、
前記伝送路との接続が確立したと判定し、かつ、前記クライアント側インタフェースに所定の信号が入力された場合、前記認識信号を出力することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の端局装置。
【請求項1】
クライアント装置との通信に使用されるクライアント側信号と、伝送路との通信に使用される伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダであって、
前記クライアント側信号を入出力するクライアント側インタフェースと、
前記伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースと、を備え、
前記クライアント側インタフェースには、他のクライアント側インタフェース、又は、前記クライアント装置が接続可能であって、
前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェース及び前記クライアント装置のいずれが接続されているかを判定する接続判定部と、
前記伝送路側の状態を通知する状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記状態信号が入力されたことを示す伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号生成部と、を備え、
前記接続判定部は、
前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されたことを判定するための認識信号を前記クライアント側インタフェースから出力する認識信号出力部を備え、
前記認識信号が前記クライアント側インタフェースに入力された場合、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定し、
前記伝達信号生成部は、前記接続判定部による判定結果に基づいて、前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号の態様を変更することを特徴とするトランスポンダ。
【請求項2】
前記伝達信号生成部は、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定した場合、前記伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力し、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記クライアント装置が接続されていると判定した場合、前記クライアント側インタフェースからの信号の出力を停止することを特徴とする請求項1に記載のトランスポンダ。
【請求項3】
前記状態信号は、前記伝送路側で障害が発生したことを伝達する障害信号であることを特徴とする請求項2に記載のトランスポンダ。
【請求項4】
前記認識信号出力部は、
前記伝送路側インタフェースに何らかの信号の入力があると、前記伝送路との接続が確立したことを判定し、
前記伝送路との接続が確立したと判定した場合、前記クライアント側インタフェースから前記認識信号と異なる所定の信号を出力し、
前記伝送路との接続が確立したと判定し、かつ、前記クライアント側インタフェースに所定の信号が入力された場合、前記認識信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のトランスポンダ。
【請求項5】
前記接続判定部は、
前記認識信号が前記クライアント側インタフェースに入力された場合、前記認識信号に対する返答信号を前記クライアント側インタフェースから出力する返答信号生成部を備え、
前記出力した認識信号に対する返答信号が前記クライアントインタフェースに入力されることによって、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定することを特徴とする請求項1から請求項4に記載のトランスポンダ。
【請求項6】
対向する二つのクライアント装置の通信に使用される二つの伝送路を中継する中継装置において、
一方の伝送路に接続される第1トランスポンダ、及び他方の伝送路に接続される第2トランスポンダを備え、
前記第1トランスポンダ及び第2トランスポンダは、前記クライアント装置との通信に使用されるクライアント側信号と前記伝送路との通信に使用される伝送路側信号との間で双方向に変換し、
前記第1トランスポンダ及び第2トランスポンダは、前記クライアント側信号を入出力する前記クライアント装置クライアント側インタフェースと、前記伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースと、を備え、
前記クライアント側インタフェースには、他の前記クライアント側インタフェース又は前記クライアント装置が接続可能であって、
前記第1トランスポンダの前記クライアント側インタフェースと前記第2トランスポンダの前記クライアント側インタフェースとが接続され、前記第1トランスポンダの前記伝送路側インタフェースに前記一方の伝送路が接続され、前記第1トランスポンダの前記伝送路側インタフェースに前記他方の伝送路が接続され、
前記第1トランスポンダ及び前記第2トランスポンダは、
前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェース及び前記クライアント装置のいずれが接続されているかを判定する接続判定部と、
前記伝送路側の状態を通知する状態信号が一方のトランスポンダの前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記状態信号が入力されたことを示す伝達信号を前記一方のトランスポンダの前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号生成部と、を備え、
前記伝達信号生成部は、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定した場合、前記伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力し、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記クライアント装置が接続されたと判定した場合、前記クライアント側インタフェースからの信号の出力を停止し、
前記第1トランスポンダ及び前記第2トランスポンダの前記接続判定部は、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定し、
前記状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された一方のトランスポンダの前記伝達信号生成部は、前記伝達信号を前記クライアント側インタフェースから前記他方のトランスポンダの前記クライアント側インタフェースに出力し、
前記他方のトランスポンダは、前記クライアント側インタフェースに前記伝達信号が入力された場合、前記状態信号を前記伝送路インタフェースから出力することを特徴とする中継装置。
【請求項7】
前記状態信号は、前記伝送路側で障害が発生したことを伝達する障害信号であることを特徴とする請求項6に記載の中継装置。
【請求項8】
前記認識信号出力部は、
前記伝送路側インタフェースに何らかの信号の入力があると、前記伝送路との接続が確立したことを判定し、
前記伝送路との接続が確立したと判定した場合、前記クライアント側インタフェースから前記認識信号と異なる所定の信号を出力し、
前記伝送路との接続が確立したと判定し、かつ、前記クライアント側インタフェースに所定の信号が入力された場合、前記認識信号を出力することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の中継装置。
【請求項9】
前記接続判定部は、
前記認識信号が前記クライアントインタフェースに入力された場合、前記認識信号に対する返答信号を前記クライアント側インタフェースから出力する返答信号生成部を備え、
前記出力した認識信号に対する返答信号が前記クライアント側インタフェースに入力されることによって、前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一つに記載の中継装置。
【請求項10】
クライアント装置及び伝送路に接続される端局装置において、
前記クライアント装置との通信に使用されるクライアント側信号と前記伝送路との通信に使用される伝送路側信号との間で双方向に変換するトランスポンダを備え、
前記トランスポンダは、
前記クライアント側信号を入出力する前記クライアント装置クライアント側インタフェースと、前記伝送路側信号を入出力する伝送路側インタフェースと、を備え、
前記クライアント側インタフェースには、他の前記クライアント側インタフェース又は前記クライアント装置が接続可能であって、
前記クライアント側インタフェースに前記クライアント計算機が接続され、前記伝送路側インタフェースに前記伝送路が接続され、
前記トランスポンダは、
前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェース及び前記クライアント装置のいずれが接続されているかを判定する接続判定部と、
前記伝送路側の状態を通知する状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記状態信号が入力されたことを示す伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力する伝達信号生成部と、を備え、
前記伝達信号生成部は、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記他のクライアント側インタフェースが接続されていると判定した場合、前記伝達信号を前記クライアント側インタフェースから出力し、
前記接続判定部が前記クライアント側インタフェースに前記クライアント装置が接続されていると判定した場合、前記クライアント側インタフェースからの信号の出力を停止し、
前記接続判定部は、前記クライアント側インタフェースに前記クライアント計算機が接続されていないと判定し、
前記状態信号が前記伝送路側インタフェースに入力された場合、前記クライアント側インタフェースからの信号の出力を停止することを特徴とする端局装置。
【請求項11】
前記状態信号は、前記伝送路側で障害が発生したことを伝達する障害信号であることを特徴とする請求項10に記載の端局装置。
【請求項12】
前記認識信号出力部は、
前記伝送路側インタフェースに何らかの信号の入力があると、前記伝送路との接続が確立したことを判定し、
前記伝送路との接続が確立したと判定した場合、前記クライアント側インタフェースから前記認識信号と異なる所定の信号を出力し、
前記伝送路との接続が確立したと判定し、かつ、前記クライアント側インタフェースに所定の信号が入力された場合、前記認識信号を出力することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の端局装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−244217(P2012−244217A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109207(P2011−109207)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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