説明

トリテルペン組成物の製造方法

本発明は、バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導されるカルスを、インドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンとともに培養し、培養した前記カルスから、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むトリテルペン組成物を得るトリテルペン組成物の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリテルペン組成物の製造方法、トリテルペン組成物及びトリテルペン組成物の生産に用いるためのカルスに関する。
【背景技術】
【0002】
コロソリン酸、トルメンティック酸及びマスリン酸といったトリテルペンは、それぞれ血糖値低下作用などの薬理活性を示す有用な物質であることが知られており、天然の植物から抽出される成分として、これらトリテルペンが得られた例がこれまでにも報告されている。
【0003】
コロソリン酸を含有する植物としては、例えば、バナバ(Lagerstroemia speciosa)が知られており(例えば、非特許文献1)、トルメンティック酸を含有する植物としては、例えば、ズダヤクシュ(Tiarella polyphyla)が知られており(例えば、非特許文献2)、マスリン酸を含有する植物としては、例えば、オリーブ(Olea europasea)が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】国際公報03/057224号パンフレット
【非特許文献1】「薬理と治療」、1999年、27巻、6号、p.1075〜p.1077
【非特許文献2】アーカイブズ オブ ファーマカル リサーチ(Archives of Pharmacal Reserch)、韓国、2002年、25巻、1号、p.57〜p.60
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、植物中のトリテルペンの含有量は必ずしも多いものではなく、トリテルペンが効率的に得られるとはいえなかった。さらに、人工的に栽培する場合にもその生育には少なくとも数週間以上の期間を要し、トリテルペンの含有量は天候や栽培地の土壌の影響を受けやすいため、供給の安定性の点でも問題があった。
【0005】
また、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸といったトリテルペンを安価に化学合成できる手法も知られていない。
【0006】
そこで本発明の目的は、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種のトリテルペンを含むトリテルペン組成物を、安定して高効率で供給できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
カルス培養は、植物から切り出した葉、茎、根などの部位を培地上で培養することによって誘導されるカルスを培養する技術であり、代謝産物の生合成の基礎研究などに用いられることがある。
【0008】
本発明者らは、このカルス培養において、カルスを誘導する原植物としてバナバ、ビワ、シソ又はグアバを用い、誘導されたカルスを特定の植物ホルモンとともに培養することにより、培養されたカルス中に特定のトリテルペンが高効率に産生されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明のトリテルペン組成物の製造方法は、バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導されるカルスを、インドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンとともに培養し、培養したカルスから、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種のトリテルペンを含むトリテルペン組成物を得る製造方法である。
【0010】
本発明のトリテルペン組成物の製造方法では、カルスを継代培養することが好ましい。カルスを継代培養することで、バナバ等から誘導したカルスから、新たに別のカルスを誘導することなく継続的にトリテルペン組成物を得ることができる。
【0011】
カルスは、葉、種子、茎、茎頂、根又は胚細胞から誘導することができる。これらの部位からカルスを誘導することで、より短期間で効率よくトリテルペン組成物を得ることが可能になる。
【0012】
培養したカルスには、マスリン酸と、マスリン酸の重量に対して4〜10倍量のコロソリン酸と、マスリン酸の重量に対して2〜8倍量のトルメンティック酸と、1.5〜4倍量の2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸とを含んでいることが好ましい。特に、血糖値低下作用などの点で有用性の高いコロソリン酸を高純度で得ることを容易にするため、マスリン酸に対するコロソリン酸の比率が高いことが重要である。
【0013】
本発明はまた、バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導され、上記製造方法に用いるためのカルスを提供する。バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導される本発明のカルスは、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸といったトリテルペンを多く含有する。
【0014】
従って、上記製造方法によって得られ、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むトリテルペン組成物が提供可能となる。このトリテルペン組成物は健康食品、医薬、化粧品などの原料として用いることができる。
【0015】
本発明はさらに、このトリテルペン組成物から、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸又はマスリン酸それぞれのトリテルペンを単離、精製して得る製造方法を提供する。この製造方法を適用することで、医薬品等に用いることの可能な高純度のトリテルペンを高効率で得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のトリテルペン組成物の製造方法によれば、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むトリテルペン組成物を、安定して高効率で供給できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
【0018】
本発明のトリテルペン組成物の製造方法においては、バナバ、ビワ、シソ又はグアバからカルス(植物細胞から誘導された未分化の細胞塊)を誘導する。
【0019】
これらの中でも、バナバからカルスを誘導することが好ましい。バナバ(学名:Lagerstroemia speciosa、Linn.又はPers.)は、ミソハギ科に属する植物であり、街路樹として用いられる他、その葉はフィリピンで伝承生薬として使用されている。
【0020】
カルスの誘導には、天然に自生しているか、或いは人工的に栽培したバナバ、ビワ、シソ又はグアバを用いることができる。短期間の培養で効率よくトリテルペン組成物を得るために、葉、種子、茎、茎頂、根又は胚細胞からカルスを誘導することが好ましく、葉又は種子から誘導することがより好ましい。また、これら部位から調製したプロトプラストからカルスを誘導してもよい。
【0021】
カルスの誘導は、例えば、バナバ等から切り出した葉などの部位を、次亜塩素酸ナトリウムなどで滅菌処理後、メスで適当な大きさに切るなどしてから培地に移植して培養する方法を採用できる。
【0022】
カルスは固体培地又は液体培地中で誘導できるが、リンスマイアー−スクーグ(Linsmaier−Skoog)寒天培地(以下、「LS寒天培地」という。)などの固体培地で誘導することが好ましい。
【0023】
誘導されたカルスを、インドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンを添加した培地で培養して増殖させることで、カルス中にトリテルペンが多く産生される。バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導されるカルスの培養においては、植物ホルモンとしてインドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンを組み合わせて用いることが特に重要であり、これら以外の植物ホルモンのみを用いた場合と比較して、カルス増殖及び該カルス中でトリテルペン産生の効率が著しく向上する。
【0024】
インドール酢酸と組み合わせて用いられる、インドール酢酸以外の植物ホルモンとしては、カイネチン、1−ナフタレン酢酸、6−ベンジルアデニン等が挙げられ、特にカイネチンが好適に採用できる。
【0025】
また、カルスの培養は、LS寒天培地等の固体培地において、無菌下、20〜30℃、暗所で行うことが好ましい。
【0026】
培養したカルスから直接トリテルペン組成物を得ることもできるし、培養したカルスの一部を別の新しい固体培地又は液体培地に移植して再度培養する、すなわち継代培養を行ったカルスからトリテルペン組成物を得ることもできる。継代培養を繰り返し行うことで、長期的に安定してトリテルペン組成物を得ることができる。
【0027】
継代培養は、先に培養したカルスの一部をそのまま用いて培養してもよいし、培養したカルスの一部からマイクロプラストを調製し、そのマイクロプラストを液体培地中で懸濁培養させるなどしてもよい。継代培養を行う条件は、カルスを誘導する場合の、上記した条件と同様であることが好ましい。また、継代培養における一代の培養期間は5〜30日間が好ましい。継代培養は、目的とするトリテルペンのカルス中における産生量が著しく減少しない限り、世代を更新させながら継続することができる。
【0028】
上記のように培養されたカルス中に産生するトリテルペンの中でも、コロソリン酸及びトルメンティック酸が薬理活性等の点で有用性が大きく、カルス中のコロソリン酸及びトルメンティック酸の含有率が大きいことが好ましい。具体的には、マスリン酸と、マスリン酸の重量に対して4〜10倍量のコロソリン酸と、2〜6倍量のトルメンティック酸と、1.5〜4倍量の2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸とを含むことが好ましい。
【0029】
特に、大きな血糖値低下作用を示すコロソリン酸を高純度で得ることを容易にするために、カルス中におけるマスリン酸に対するコロソリン酸の比率が高いことが重要である。コロソリン酸とマスリン酸とは化学構造が極めて近いために、両者を分離することが困難だからである。
【0030】
カルス中に含まれるトリテルペンの含有量を定量する方法としては、培養したカルスからメタノール等を用いて抽出した成分を液体クロマトグラフィーで分析し、得られたクロマトグラムの面積から定量する方法を好適に採用できる。
【0031】
培養したカルスから、公知の方法を採用して抽出して得たエキスは、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸を多く含有するトリテルペン組成物である。このトリテルペン組成物を健康食品等の原料として用いることもできるし、さらに精製して不要成分を除去してもよい。
【0032】
培養したカルスからの抽出は、培養後の生のカルスを用いて行ってもよいし、乾燥させてから粉砕するなどしたカルスを用いて行ってもよい。
【0033】
抽出溶媒としては、水又はメタノール、エタノール等のアルコール等の親水性溶媒を用いることが好ましく、加温した水/アルコール混合溶媒を用いることがより好ましい。具体的には、乾燥したカルスの粉砕化物(原料)にエタノール又はエタノール水溶液(エタノール含量50〜80重量%)を原料に対して5〜20重量倍、好ましくは8〜10重量倍加えて、常温〜90℃好ましくは約50〜85℃の温度で30分〜2時間加熱還流し、この抽出を2〜3回繰り返す方法を好適に採用できる。
【0034】
上記のようにして得られるトリテルペン組成物から、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸又はマスリン酸を単離、精製してそれぞれのトリテルペンを得ることもできる。これらトリテルペンの単離と精製は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや、再結晶等の方法によって行うことができる。
【0035】
トリテルペン組成物の量が多い場合には、トリテルペン組成物を水に懸濁し、エーテルやヘキサン等に分配して低極性成分を除いてから、水層をダイアイオンHP-20カラムクロマトグラフィー等を用いて水、メタノール及びアセトンにて順次溶出し、メタノール溶出画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製を行うことが好ましい。
【0036】
また、単離、精製して得られるトリテルペンの純度を高めるために、トリテルペン組成物中のトリテルペンの水酸基をアセチル化したり、カルボキシル基をメチルエステル化したりした状態でカラムクロマトグラフィーや再結晶等による精製を行った後、加水分解して所望のトリテルペンを得る方法も好適に採用できる。
【0037】
上記のように単離、精製して得られるコロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸又はマスリン酸は、それぞれの一種のトリテルペンを少なくとも90.0重量%以上含むものであり、
98.0重量%以上含むことがより好ましく、99.9重量%以上含むことがさらに好ましい。
【0038】
本発明のトリテルペン組成物は、上述した方法によって得られ、下記化学式(1)で示されるコロソリン酸、下記化学式(2)で示されるトルメンティック酸、下記化学式(3)で示される2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及び下記化学式(4)で示されるマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むトリテルペン組成物である。
【0039】
【化1】

【0040】
【化2】

【0041】
【化3】

【0042】
【化4】

【0043】
これらのトリテルペンを含むトリテルペン組成物は、それぞれ血糖値低下作用や抗腫瘍活性等の薬理活性を有することが知られており、健康食品や医薬などの原料として用いることができる。また、これらのトリテルペンの中でも、薬理活性の強いコロソリン酸及びトルメンティック酸を含んでいるトリテルペン組成物が特に有用性が高い。
【実施例】
【0044】
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0045】
(カルスの誘導)
バナバから切り取った葉を次亜塩素酸ナトリウムに15分間浸漬して滅菌処理した。植物ホルモンとしてインドール酢酸10μM及びカイネチン10μMを加え、pHを5.8としたLS寒天培地を三角フラスコ中に調製しておき、そこへ滅菌処理したバナバの葉を置床し、25℃、暗所下にて培養することにより、カルスが誘導された。
また、誘導されたカルスを30日間培養した後、カルスの一部を別のLS寒天培地に移植して培養したところ、移植したカルスが再び増殖するのが確認された。すなわち、バナバから誘導したカルスの継代培養を行うことができた。
【0046】
(カルスの培養及びカルス中のトリテルペン含有量)
誘導されたカルスを、インドール酢酸10μM及びカイネチン10μMを加えたLS寒天培地にて3週間培養して増殖させ、増殖したカルスをメタノールに冷浸して抽出した成分について、高速液体クロマトグラフィー分析を行うことによって得たクロマトグラム(紫外吸光光度計、検出波長:220nm)における、各トリテルペンに対応するピークの面積から、培養したカルスのトリテルペン含有量を求めた。また、カルス誘導前の原植物(バナバ葉)中のトリテルペン含有量も同様の方法で求めた。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
カルス中のコロソリン酸の含有量は、原植物に対して約10倍に増加した。また、原植物中には検出されなかったトルメンティック酸及び2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸は、カルスを誘導することによって初めて産生することがわかった。
【0049】
一方、植物ホルモンとしてインドール酢酸のみ、又はカイネチンのみをそれぞれ加えたLS寒天培地や、植物ホルモンを加えないLS寒天培地でのカルスの培養を試みたが、これらの場合にはカルスの実質的な増殖は少なかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導されるカルスを、インドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンとともに培養し、培養した前記カルスから、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むトリテルペン組成物を得るトリテルペン組成物の製造方法。
【請求項2】
前記培養が前記カルスの継代培養である、請求項1に記載のトリテルペン組成物の製造方法。
【請求項3】
前記カルスが、バナバ、ビワ、シソ又はグアバの、葉、種子、茎、茎頂、根又は胚細胞から誘導されるカルスである、請求項1又は2に記載のトリテルペン組成物の製造方法。
【請求項4】
培養した前記カルスが、マスリン酸と、マスリン酸の重量に対して4〜10倍量のコロソリン酸と、2〜6倍量のトルメンティック酸と、1.5〜4倍量の2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトリテルペン組成物の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のトリテルペン組成物の製造方法によって得られ、コロソリン酸、トルメンティック酸、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸及びマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むトリテルペン組成物。
【請求項6】
バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導され、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトリテルペン組成物の製造方法に用いるためのカルス。
【請求項7】
バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導されるカルスを、インドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンとともに培養し、培養した前記カルスから、コロソリン酸を含むトリテルペン組成物を得、当該トリテルペン組成物からコロソリン酸を得るコロソリン酸の製造方法。
【請求項8】
前記培養がカルスの継代培養である、請求項7に記載のコロソリン酸の製造方法。
【請求項9】
前記カルスが、バナバ、ビワ、シソ又はグアバの、葉、種子、茎、茎頂、根又は胚細胞から誘導されるカルスである、請求項7又は8に記載のコロソリン酸の製造方法。
【請求項10】
バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導されるカルスを、インドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンとともに培養し、培養した前記カルスから、トルメンティック酸を含むトリテルペン組成物を得、当該トリテルペン組成物からトルメンティック酸を得るトルメンティック酸の製造方法。
【請求項11】
前記培養がカルスの継代培養である、請求項10に記載のトルメンティック酸の製造方法。
【請求項12】
前記カルスが、バナバ、ビワ、シソ又はグアバの、葉、種子、茎、茎頂、根又は胚細胞から誘導されるカルスである、請求項10又は11に記載のトルメンティック酸の製造方法。
【請求項13】
バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導されるカルスを、インドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンとともに培養し、培養した前記カルスから、2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸を含むトリテルペン組成物を得、当該トリテルペン組成物から2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸を得る2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸の製造方法。
【請求項14】
前記培養がカルスの継代培養である、請求項13に記載の2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸の製造方法。
【請求項15】
前記カルスが、バナバ、ビワ、シソ又はグアバの、葉、種子、茎、茎頂、根又は胚細胞から誘導されるカルスである、請求項13又は14に記載の2α,19α−ジヒドロキシ−3−オキソ−ウルス−12−エン−28−オイック酸の製造方法。
【請求項16】
バナバ、ビワ、シソ又はグアバから誘導されるカルスを、インドール酢酸及びこれ以外の植物ホルモンとともに培養し、培養した前記カルスから、マスリン酸を含むトリテルペン組成物を得、当該トリテルペン組成物からマスリン酸を得るマスリン酸の製造方法。
【請求項17】
前記培養がカルスの継代培養である、請求項16に記載のマスリン酸の製造方法。
【請求項18】
前記カルスが、バナバ、ビワ、シソ又はグアバの、葉、種子、茎、茎頂、根又は胚細胞から誘導されるカルスである、請求項16又は17に記載のマスリン酸の製造方法。

【国際公開番号】WO2005/063227
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516669(P2005−516669)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019428
【国際出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(598169491)株式会社ユース・テクノコーポレーション (9)
【Fターム(参考)】