説明

トリフェニレン化合物の製造方法

【課題】本発明は、実用的で工業的に有利なHHTPの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法は、カテコールを硫酸の存在下で電解酸化させることにより、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンを得る方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレン(以下「HHTP」ともいう)は、ディスコティック液晶を始めとする機能性有機材料の原料として有用な化合物である。
【0003】
HHTPは、例えば、ベラトロール等の1,2−ジアルコキシベンゼンを三量化してヘキサアルコキシトリフェニレン化合物(以下「HATP」ともいう)を生成させ、次いで脱アルキル化反応を行うことにより製造されている(この方法を以下「方法A」という)。
【0004】
方法Aにおいて、HATPは、今日まで、(1)1,2−ジアルコキシベンゼンに塩化第二鉄水溶液の存在下、濃硫酸を滴下する(特許文献1)、(2)有機溶媒中、1,2−ジアルコキシベンゼンにハロゲン化第二鉄を反応させる(特許文献2)、(3)アセトニトリル中、銀/硝酸銀の存在下に1,2−ジアルコキシベンゼンを電解酸化する(非特許文献1)等により製造する方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの方法は、いずれも実用的なものではない。例えば、特許文献1の方法は、反応液の濾過性が悪く、後処理に時間を要するために作業性が劣り、また、反応に大量の酸を使用するために廃液処理には発熱を伴う大量のアルカリ処理が必要になる等、実用的ではない。特許文献2の方法は、満足できる収量を得るためには相当の時間を要し、実用性に欠ける。非特許文献3の方法は、得られるHATPの収率はあまりにも低く、実用化に適していない。
【0006】
更に、方法Aにおいては、HATPからHHTPを製造するための脱アルキル化反応が必須である。このため、方法Aは、当量以上の脱アルキル化剤(3臭化ホウ素、臭化水素等)を使用することによるコスト高、反応工程数が増えることによる作業効率の悪さ、等の問題点を有している。しかも、該脱アルキル化反応では、全てのアルコキシ基の脱アルキル化を達成できずに一部アルコキシ基が残存する化合物が反応系内に混在してしまう致命的な問題があり、この致命的な問題が故に、目的とするHHTPの単離及び精製が困難となり、HHTPを効率的に且つ収率よく製造することは不可能である。
【0007】
一方、上記方法Aの他に、1,2−ジアルコキシベンゼンの代わりにカテコールを原料化合物として用い、このカテコールを還元してHHTPを製造する方法(この方法を以下「方法B」という)が提案されている(特許文献3、特許文献4、特許文献5及び特許文献6)。特許文献3には、カテコールと遷移金属化合物とを反応させてHHTPの金属錯体及び/又はキノン体を得、次いでこれを還元処理する方法が開示されている。特許文献4には、カテコールを触媒量の遷移金属化合物の存在下で酸化カップリングする方法が開示されている。特許文献5には、カテコールをプロトン酸存在下に有機酸化剤で酸化する方法が開示されている。特許文献6には、カテコールと過酸化物とを反応させる方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、これら特許文献3〜6の方法では、いずれも、得られるHHTPの収率は実用的なものとは言えず、満足できるものではない。この低い収率は、生成したHHTPの過剰な酸化反応が要因の一つと考えられており、過剰の酸化物の混入が目的のHHTPの分離精製を困難にしている。また、これら特許文献3〜6の方法では、HHTPが低収率でしか得られないにもかかわらず、原料のカテコールが反応で消費され他の化合物に変換されてしまうため、原料のカテコールを回収し、再利用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−330650号公報
【特許文献2】特開平9−40596号公報
【特許文献3】特開平9−118642号公報
【特許文献4】特開2005−104870号公報
【特許文献5】特開2005−225812号公報
【特許文献6】WO2005/037754号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Tetrahedron Letters, Vol.32, No.50, pp7405-7408 (1991)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、実用的で工業的に有利なHHTPの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カテコールを原料として用い、特定条件下で電解酸化反応を行うことにより実用的で工業的に有利にHHTPが製造できることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0013】
本発明は、下記項1〜3に係るHHTPの製造方法を提供する。
項1.カテコールを硫酸の存在下で電解酸化させることによりHHTPを得る、HHTPの製造方法。
項2.硫酸が30〜90重量%硫酸水溶液である項1に記載の製造方法。
項3.硫酸が60〜80重量%硫酸水溶液である項1に記載の製造方法。
【0014】
本発明の製造方法においては、カテコールを硫酸の存在下で電解酸化させる。
【0015】
硫酸以外の無機酸及び有機酸では、本発明の効果を到底発現できない。例えば、塩酸の存在下でカテコールを電解酸化すると、カテコールの全量が消費されるものの、目的化合物であるHHTPは全く生成しない。また、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸又はリン酸の存在下でカテコールを電解酸化すると、カテコールの消費に見合った目的化合物が得られず、数%の収率に止まる。
【0016】
本発明においては、硫酸は、そのままもしくは溶媒に溶解させて反応用溶媒として使用される。硫酸を溶解させる溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール等の炭素数1〜5のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル、酢酸等のカルボン酸、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の1種もしくは2種以上の有機溶媒;或いはそれら有機溶媒と水との混合溶媒を挙げることができ、これらの中でも水、ニトロメタン又は水とニトロメタンとの混合溶媒が好ましく、水が特に好ましい。
【0017】
反応用溶媒中の硫酸の使用濃度は、通常、5重量%程度から飽和濃度までの範囲で任意に設定すればよいが、比較的高濃度とするのが好ましい。具体的には、通常5〜96重量%程度、好ましくは30〜90重量%、更に好ましくは60〜80重量%とすればよい。なお、ここでいう使用濃度とは、硫酸と上記溶解させる溶媒との関係における濃度であって、原料のカテコール及びその他添加物等の重量を考慮しない。また、水と水に相溶性の乏しい溶媒との混合溶媒のように層分離する溶媒である場合、硫酸が溶解している溶媒中の濃度を指す。
【0018】
硫酸の使用量は、カテコール1重量部に対して、例えば、通常1〜100重量部程度、好ましくは5〜80重量部程度とすればよい。
【0019】
本発明の製造方法において、電解酸化反応は、定電流電解法及び定電圧電解法のいずれをも採用することができるが、装置、操作の簡便さ等の点で定電流電解法を採用するのが好ましい。
【0020】
陽極材料としては、白金、スズ、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、酸化鉛、炭素、酸化鉄、チタン、チタンにルテニウム、イリジウム等をコーティングしたもの等を例示でき、白金、ステンレス及び炭素が好ましい。陰極材料としては、十分な耐酸性を有している限り公知の陰極材料を広く使用でき、例えば、白金、スズ、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、鉛、銅、炭素等が挙げられ、好ましくは白金、スズ、ステンレス及び炭素である。
【0021】
本電解酸化反応は、陽極と陰極とを隔膜で分離してもよいが、特に分離する必要もなく、単一槽中で行うこともできる。
【0022】
本電解酸化反応は、直流及び交流電解が可能であるが、電流方向を1〜60秒毎に切り替えて行うこともできる。電流密度は、通常1〜500mA/cm、好ましくは5〜100mA/cmの範囲とするのがよい。
【0023】
通電量は、用いる電解槽の形状、用いる溶媒の種類等により異なり一概に言えないが、通常2〜10F/mol、好ましくは2〜5F/molの電気量を通電するのがよい。
【0024】
本電解酸化反応においては、必要に応じて反応系内に支持電解質を使用してもよい。使用する支持電解質としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸アルカリ金属塩、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸金属塩;過塩素酸アンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム等の過塩素酸アンモニウム塩;テトラブチルアンモニウムトシレート等のスルホン酸アンモニウム塩;塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等のハロゲン化アンモニウム塩;トリエチルアミン、コリジン、ルチジン、ピリジン、ピペリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[3,4,0]ノネン−5(DBN)、1,5−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−5(DBU)等のアミン;酢酸、モノクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。これらの支持電解質は、1種単独で又は2種以上を混合して使用できるが、好ましくは、過硫酸アンモニウム塩又はスルホン酸アンモニウム塩が使用される。支持電解質の使用量としては、溶媒中、通常0.001〜10重量%程度、好ましく0.01〜5重量%程度とするのがよい。
【0025】
本電解酸化反応においては、上記支持電解質の他にさらなる添加物を加えると反応収率が向上する場合がある。斯かる添加物としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸アルカリ金属塩;硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の硫酸アルカリ土類金属塩;N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド、N,N’−ビストリメチルシリルウレア等のシリル化合物を例示できる。上記添加物を用いる場合には、特に支持電解質を使用しなくてもよい場合がある。
【0026】
本電解酸化反応は、冷却下、室温下及び加温下のいずれでも行われるが、通常−40℃から溶媒の還流温度、好ましくは−10〜60℃付近とすればよい。
【0027】
生成したHHTPは、反応溶媒中から、濾過、溶媒抽出等の通常の方法により単離することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の製造方法によれば、過剰な酸化反応が抑制される。そのため、HHTPへの変換に使用されなかった原料のカテコールが消費されずにそのまま反応液に残っているので、未反応のカテコールを再使用することができる。
【0029】
本発明によれば、原料カテコールの過剰酸化を抑制し、再利用を可能としたことにより工業的製造において簡便で効果的なHHTPの製造法を提供できる。
【0030】
本発明の電解酸化反応においては、過剰な酸化反応が抑制されるため、生成したHHTPの収率低下を抑制することができると共に、HHTPへの変換に利用されなかった原料カテコールを有効に回収又は再利用することができる。特に、HHTPを濾過等により分離した濾液(反応液)には、未反応のカテコールと高濃度の酸性溶液が残存しており、反応に使用(消費)されたカテコール量を補充することで、反応を繰り返し行うことが可能である。
【0031】
本発明の電解酸化反応においては、一回のHHTPへの反応収率は、大抵は40〜80%程度である。しかしながら、上記のように反応分の原料カテコールを補充しながら反応を繰り返すことで、使用した原料カテコール量に対する目的とするHHTPの変換率(反応収率)を飛躍的に向上できるので、工業的極めて有利な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより一層明らかにするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
なお、以下の各実施例で得られたHHTPは、プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトル(400MHz,DMSO−d):δ7.59(s,Ar)、9.27(s,OH)よりHHTPであることを確認した。
【0034】
実施例1
カテコール16.5g(0.15モル)を70%硫酸水溶液50mlに分散させ、硫酸ナトリウム0.213g(0.0015モル)を加えた。この溶液に2枚の白金電極(15mm×20mm)を取り付け、室温で攪拌しながら、電流密度10mA/cmにて2.5F/molの電気量を通電し、電解酸化反応を行った。反応終了後、反応液中に生成する沈殿物を濾過して採り、減圧乾燥して目的とするHHTP結晶8.09g(収率49.9%)を得た。
【0035】
また、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)から濾液中にカテコール8.05gの存在を確認した。これは濾液中に存在するカテコールの理論重量の97.8%(回収率)に相当し、殆ど過剰な酸化反応を受けずに未反応カテコールとして存在していることが分かる。なお、当該回収率は濾液中に存在するカテコールの理論量に対する実測値(量)の割合として表され、次式によって算出される。
【0036】
回収率(%)=[(ピロカテコール量A)/(ピロカテコール量B)]×100
ピロカテコール量A:高速液体クロマトグラフィーから求めた、濾液中の未反応カテコール重量
ピロカテコール量B:濾液中の未反応カテコール理論重量
高速液体クロマトグラフィー分析条件:
カラム:ODS−3(4.6mmφ×250mm)
移動層:水/メタノール=6/4(容積/容積)(3%メタンスルホン酸含有)
検出:UV検出器
検出波長:245nm
当該濾液は硫酸水溶液であり、消費したカテコール量を補充することで、引続き電解酸化に供することができる。
【0037】
実施例2〜5
実施例1の硫酸水溶液濃度と量、他の溶媒の有無、電流密度及び通電電気量を表1に記載したものとする以外は、実施例1と同様にして目的物とするHHTPを得た。結果(収率(%)及び回収率(%))を表1に併せて示す。
【0038】
【表1】

【0039】
比較例1
攪拌器、冷却管及び測温管を設置した2リットルの4つ口フラスコに、45%塩化第二鉄水溶液82.2g及び1,2−ジメトキシベンゼン9.0gを加えた。次に、攪拌器で激しく攪拌しながら、氷冷下、濃硫酸(反応溶媒)130.6gを3時間かけてゆっくり添加した。滴下終了後、室温にて攪拌を5時間継続したのち、水270mlが入った500mlの4つ口フラスコに30℃以下を維持しながら反応液を滴下し、1時間後、反応混合物をグラスフィルターで濾過し(濾過性はかなり悪い)、2,3,6,7,10,11−ヘキサメトキシトリフェニレンを得た。
【0040】
一方、この反応で副生する廃液を、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5付近まで中和したところ200gの水酸化ナトリウム水溶液が使用され、生成した硫酸ナトリウムの溶解と中和熱の媒体として水が約1リットル必要であった。また水酸化第二鉄の沈殿が生じ、作業性も悪かった。
【0041】
比較例2
攪拌器、冷却管及び測温管を設置した2リットルの4つ口フラスコに70%硫酸水溶液900g及び1,2−ジヒドロキシベンゼン100.0gを加えた。次に、攪拌器で激しく攪拌しながら、氷冷下、過硫酸アンモニウム246gをゆっくり添加した。滴下終了後、室温にて攪拌を5時間継続したのち、水1000mlに30℃以下を維持しながら滴下し、1時間後、反応混合物をグラスフィルターで濾過し(濾過性はかなり悪い)、HHTPの結晶(収率40.0%)を得たが、多量体の混入が確認された。液体クロマトグラフィーで定量した結果、濾液中のカテコールの量が2.5gであり、回収率は14.7%と低かった。また水を加えて酸の濃度を約30%まで薄めているため、次バッチには使用不可能である。その廃硫酸液を、水酸化ナトリウム水溶液でpH5.5付近まで中和したところ、500gの水酸化ナトリウム水溶液が使用され、生成した硫酸ナトリウムの溶解と中和熱の媒体として水が約3リットル必要であった。また水酸化第二鉄の沈殿が生じ、作業性も悪かった。
【0042】
比較例3
70%硫酸水溶液50mlの代わりに、35%塩酸水溶液50mlを使用する以外は、実施例1と同様に電解酸化反応を行った。電解酸化反応により、カテコールの全量が消費されるものの、目的化合物であるHHTPは全く生成しておらず構造不明のものができていた。
【0043】
比較例4
70%硫酸水溶液50mlの代わりに、70%リン酸水溶液50mlを使用する以外は、実施例1と同様に電解酸化反応を行った。電解酸化反応により、カテコールの18%が消費されたが、目的化合物であるHHTPはHPLC上痕跡程度であった。
【0044】
比較例5
70%硫酸水溶液50mlの代わりに、70%トリフルオロ酢酸水溶液50mlを使用する以外は、実施例1と同様に電解酸化反応を行った。電解酸化反応により、カテコールの34%が消費されたが、目的化合物であるHHTPの収率は7%程度であった
比較例6
70%硫酸水溶液50mlの代わりに、70%メタンスルホン酸水溶液50mlを使用する以外は、実施例1と同様に電解酸化反応を行った。電解酸化反応により、カテコールの18%が消費されたが、目的化合物であるHHTPの収率は2%程度であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテコールを硫酸の存在下で電解酸化させることにより2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンを得る、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンの製造方法。
【請求項2】
硫酸が30〜80重量%硫酸水溶液である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
硫酸が60〜80重量%硫酸水溶液である項1に記載の製造方法。

【公開番号】特開2010−260810(P2010−260810A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112039(P2009−112039)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(000206901)大塚化学株式会社 (55)
【Fターム(参考)】