説明

トリミング装置及びその制御方法

【課題】成形用シートの歩留まりを向上させ、成形品のコストを低減させることを課題とする。
【解決手段】成形用シートS1に形成された成形品P1を一度に複数個トリミングし、複数の前記成形品P1で囲まれた部分の前記成形用シートS1をスクラップS3としてトリミング時に分離するトリミング機構20と、分離後のスクラップS3を回収する分離スクラップ回収機構50とを設ける。分離スクラップ回収機構50は、分離後のスクラップS3を保持可能な分離スクラップ保持機構60と、上側切断部22と下側切断部26とが離反したときに上側切断部22と下側切断部26との間に進入して分離スクラップ保持機構60により保持されたスクラップS3を吸引して回収する吸引回収機構70とを有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用シートに形成された成形品を一度に複数個トリミングするトリミング装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のトリミング装置は、熱可塑性樹脂シートを差圧により熱成形して多数の成形品を形成した後、各成形品の形状に合わせた雄型を有するトリミング装置へシートを移送し、各成形品の周囲をトムソン刃でトリミングしている。
【0003】
図17は、従来例において熱可塑性樹脂シート900から成形品910が取り出されてスクラップシート920が巻き取られる様子を上から見て模式的に示す平面図である。熱可塑性樹脂シート900は、巻かれた状態からシート供給装置で解かれて所定の搬送方向930へ搬送され、差圧成形装置で成形品901が一度に複数個(図では9個)熱成形され、トリミング装置で成形品901が一度に複数個(図では9個)トリミングされ、成形品910が一度に複数個(図では9個)取り出される。シート900には、各成形品910に対応した抜き穴903が形成される。ここで、成形品910にスクラップが混入しないように、成形品901同士、すなわち、抜き穴903同士の間には隙間904が設けられている。そして、隙間904の部分を含めたスクラップシート920は、搬送方向930へ搬送され、スクラップ巻き取り装置で巻き取られて回収される。
【特許文献1】登録実用新案第3074055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
成形品のコストを低減させるため抜き穴903同士の間の隙間904を無くそうとすると、四つの抜き穴903に囲まれた星形のスクラップが分離されてしまい、成形品910に混入してしまう。
なお、登録実用新案第3074055号公報には、隣り合う刃材同士を接合した抜型が記載されているのみであり、四つの刃材を接合する記載は無く、四つの刃材に囲まれた星形のスクラップをどのようにして取り除くかの記載は無い。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、熱可塑性樹脂シートのような成形用シートの歩留まりを向上させ、成形品のコストを低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のトリミング装置は、成形用シートに形成された成形品を一度に複数個トリミングし、複数の前記成形品で囲まれた部分の前記成形用シートをスクラップとしてトリミング時に分離するトリミング機構と、分離後の前記スクラップを回収する分離スクラップ回収機構とを備えることを特徴とする。
また、本発明のトリミング装置の制御方法は、成形用シートに形成された成形品を一度に複数個トリミングして複数の前記成形品で囲まれた部分の前記成形用シートをスクラップとしてトリミング時に分離する処理を行うトリミング工程と、分離後の前記スクラップを回収する処理を行う分離スクラップ回収工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
すなわち、成形用シートに形成された成形品が一度に複数個トリミングされ、複数の前記成形品で囲まれた部分の前記成形用シートがスクラップとしてトリミング時に分離されて回収される。複数の成形品で囲まれた部分のスクラップが回収されるので、成形用シートの歩留まりが向上する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、請求項8に係る発明によれば、成形用シートの歩留まりを向上させ、成形品のコストを低減させることが可能になる。
請求項2に係る発明では、スクラップをより確実に回収することができ、成形用シートの歩留まりをさらに向上させることができる。
請求項3〜請求項5、請求項7に係る発明では、スクラップをさらに確実に回収することができ、成形用シートの歩留まりをさらに向上させることができる。
請求項6に係る発明では、分離後のスクラップが分離スクラップ保持機構に保持されているか否かを容易に確認することができるので、より確実に分離後のスクラップを回収して成形品をトリミングすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)トリミング装置の概略:
図1は本発明の一実施形態に係るトリミング装置2を有する成形品製造装置1の概略を示す正面図、図2はトリミング装置2の要部の垂直断面を差圧供給機構28,64とともに示す図、図3は下型27を取り付けず切刃26を取り付けた下テーブル25の外観を示す斜視図、図4は受け部材22を取り付けた上テーブル21の外観を示す斜視図、図5は成形用シートS1から形成される成形品及びスクラップを示す平面図、図6は成形品取出機構10及び吸引回収機構70を示す正面図、図7は成形品取出機構10及び周部スクラップ回収機構40を示す平面図、図8は差圧供給機構28,64及び圧力スイッチ82のエア結線を示す流路図、図9はトリミング装置2の電気回路構成を示すブロック図、図10はシート送り機構3、テーブル21,25、台車12,72、差圧供給機構28,64、負圧供給機構14、及び、昇降テーブル16の動作を示すタイミングチャート、図11はシート送り機構3の動作、テーブル21,25の位置、台車12,72の位置、エア通路62,29の空気の圧力、成形品吸着部12の内部空間の圧力、及び、昇降テーブル16の位置を示すタイミングチャート、図12〜図15はトリミング装置2の動作を示す垂直断面図、である。
図3では、下型27を取り付けていない状態で切刃26を取り付けた下テーブル25の外観を示している。
【0010】
成形品製造装置1は、例えば、ロール状の成形用シートS1を解いて所定の進行方向D1へ移送するシート供給装置91、このシート供給装置で供給されるシートS1を適宜加熱して成形する成形装置92、本発明に係るトリミング装置2、とを備える構成とすることができる。成形装置92は、熱可塑性シートを熱成形する熱成形装置が好ましく、シートをプレス成形するプレス成形装置でもよいが、シートを差圧成形する差圧成形装置が好ましい。差圧成形には、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、が含まれる。シートS1が熱可塑性である場合、差圧成形装置に設けた加熱機構によりシートを加熱して軟化させると、差圧によりシートを容易に熱成形することができる。
【0011】
本発明のトリミング装置2の基本部分は、トリミング機構20と分離スクラップ回収機構50からなる。本装置2は、さらに、シート送り機構3、成形品取出機構10、周部スクラップ回収機構40、を備える。
図5に示すように、トリミング機構20は、成形用シートS1に形成された成形品P1を一度に複数個(例えば9個といった所定数)トリミングし、複数(例えば4個)の成形品P1で囲まれた部分の成形用シートS1をスクラップ(第二のスクラップ)S3としてトリミング時に分離する。ここで、図17で示した従来例のように抜き穴903同士の間に隙間904を設けると、この隙間904の部分がスクラップとなり、その分、成形用のシート900に対する成形品の生産効率が低くなる。一方、単に隙間904を無くすだけでは四つの成形品901に囲まれた星形のスクラップが分離されてしまい、成形品910に混入してしまう。本発明の分離スクラップ回収機構50は、トリミング機構20で分離したスクラップS3を回収する。このように、複数の成形品P1で囲まれた部分のスクラップS3が回収されるので、分離後のスクラップS3が成形品P2に混入せず、成形用シートS1に対する成形品P2の生産効率が向上するうえ、分離後のスクラップS3を成形用シートS1として再利用することができ、シートS1の歩留まりが向上する。
【0012】
(2)トリミング装置の詳細:
成形用シートS1は、熱可塑性樹脂シートのような樹脂シート、熱可塑性を示す樹脂以外の熱可塑性シート、等を用いることができる。前記樹脂シートは、熱可塑性樹脂等の樹脂を含むシートであればよく、樹脂のみからなるシートでも、樹脂に充てん材等の添加剤が添加された材質からなるシートでもよく、単層シートでも、異なる材質をラミネートした積層シートでもよい。シートS1の素材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、等を利用可能である。また、シートS1は、シート状ないしフィルム状になっていればよく、ロール状に巻かれていても、所定の長さにカットされていてもよい。シートの厚みは、1〜2mm程度、0.25〜1mm程度、等、様々な厚みとすることが可能であり、0.25mm程度以下のフィルムでもよい。当該程度の厚みの熱可塑性シートを用いると、差圧成形を良好に行うことができる。
【0013】
本実施形態のトリミング機構20は、互いに近接及び離反可能な上側切断部(受け部材22)及び下側切断部(切刃26)を近接させて成形品P1を一度に複数個トリミングする機構とされている。分離スクラップ回収機構50は、分離後のスクラップS3を保持可能な分離スクラップ保持機構60と、上側切断部22と下側切断部26とが離反したときに上側切断部22と下側切断部26との間に進入して分離スクラップ保持機構60により保持されたスクラップS3を吸引して回収する吸引回収機構70とを有する。これにより、分離後のスクラップS3をより確実に回収することができ、シートS1の歩留まりをさらに向上させることができる。
【0014】
シート送り機構3は、制御盤80の制御に従って断続的に駆動し、所定数の成形品P1のトリミング動作に合わせて間欠的に成形用シートS1及びスクラップシート(第一のスクラップ)S2を所定の進行方向D1へ搬送する。例えば、シートS1,S2の幅方向D2(進行方向D1とは垂直な方向)の両側縁部S1a,S1aを所定のクランプ機構でクランプして進行方向D1へ間欠的に移動させることにより、シートS1,S2を搬送することができる。
【0015】
トリミング機構20は、互いに近接及び離反可能な切断部22,26を近接させることにより、進行方向D1に連続した成形用シートS1に形成された成形品P1を一度に複数個トリミングし、該複数個の成形品P1の周囲にあるシートS1を第一のスクラップS2としてトリミング時に分離するとともに、複数の成形品P1で囲まれた部分のシートS1を第二のスクラップS3としてトリミング時に分離する。切断部22,26を近接及び離反させるため、上下のテーブル21,25及びテーブル駆動機構30が設けられている。
【0016】
図2に示すように、下テーブル25の上には、各成形品P1の形状に合わせた雄型である各下型27、各下型27に位置決めされた成形品P1をトリミングするための押し切り刃でありトムソン刃である切刃(下側切断部)26、が設けられている。下型27や切刃26は、例えば、金属製とされる。図3にも示すように、切刃26は、成形品P1のそれぞれを囲む位置で刃先26aを上方へ向けている。シートの進行方向D1及び幅方向D2で隣り合う下型27同士の間の切刃26は、一枚の刃としている。各下型27には、成形品P1,P2を一時的に吸着するための吸引孔27aが形成されている。下テーブル25の内部には、各吸引孔27aに繋がるエア通路29が形成されている。下テーブルのエア通路29には、成形品P1,P2に負圧を作用させたり圧空を供給したりするための第一の差圧供給機構28が接続されている。
【0017】
上テーブル21の下には、テーブル21,25の近接時に切刃の刃先26aを当接させるための受け型である受け部材(上側切断部)22が設けられている。図4には、受け部材22への刃先26aの当接位置LI1を二点鎖線で示している。受け部材22は、例えば、金属製の板状部材とされる。図2と図4に示すように、受け部材22には、成形品P1を囲む切刃26の外側となる位置でスクラップS3よりも小さい第二の穴23が形成されている。本実施形態の穴23は、下型27上に載置される4個の成形品P1で囲まれる4箇所にあり、星形のスクラップS3のそれぞれを一時的に吸着するために設けられる貫通穴とされている。上テーブル21の内部には、各穴23に繋がるエア通路62が形成されている。上テーブルのエア通路62には、星形のスクラップS3に負圧を作用させたり圧空を供給したりするための第二の差圧供給機構64が接続されている。
【0018】
テーブル駆動機構30は、制御盤80の制御に従って上テーブル21を上下方向へ断続的に駆動する上テーブル駆動機構31と、制御盤80の制御に従って下テーブル25を上下方向へ断続的に駆動する下テーブル駆動機構32と、から構成されている。これらのテーブル駆動機構31,32は、例えばリンク機構及び駆動モータで構成され、互いに同期してテーブル21,25を間欠的に近接及び離反させる。
【0019】
成形品取出機構10は、切断部22,26が離反したときに切断部22,26の間に進入して下型27上に載置されているトリミング後の成形品P2を吸着可能な成形品吸着部12を有し、該成形品吸着部12にトリミング後の成形品P2を吸着させて回収する。本実施形態の成形品取出機構10は、成形品吸着部12の下面12aにトリミング後の成形品P2を吸着させて切断部22,26の間から退避させて回収する。図1と図6に示すように、本実施形態の成形品取出機構10は、成形品吸着部12、負圧供給機構14、昇降テーブル16、取出テーブル17、を備えている。
【0020】
成形品吸着部12は、略箱状とされ、図13に示すように内部に空間12bが形成されている。図6と図13に示すように、成形品吸着部12の下面12aには、負圧を外部に作用させるため、成形品P2よりも小さい吸引孔13が多数形成されている。負圧供給機構14は、成形品吸着部12に接続された接続管15や、図9に示す電磁弁14aを有し、該電磁弁28cが開いているときに接続管15から空気を吸引して負圧を発生させる。負圧供給機構14には、真空ポンプ等を用いることができる。接続管15には、自在に曲げ可能な耐圧ホース等を用いることができる。負圧供給機構14は、成形品吸着部の内部空間12bの空気を吸引することにより、成形品吸着部の下面12aに負圧を作用させて成形品P2を吸着させる。
【0021】
また、成形品吸着部12の上には、吸引回収機構70の分離スクラップ吸引部72が設けられている。成形品吸着部12と分離スクラップ吸引部72とは、一体となって所定の退避位置L1と所定の進出位置L2との間で水平方向に往復移動する製品取出台車とされている。ここで、進出位置L2はシートS1,S2の下側で受け部材22と切刃26との間となる位置であり、退避位置L1はシートS1,S2の下側で進出位置L2から進行方向D1へ退避した位置である。製品取出台車12,72を往復駆動するため、トリミング装置2に台車駆動機構78を設けている。負圧供給機構14は、成形品吸着部12が退避位置L1へ退避したときに負圧の供給を停止して下面12aから成形品P2を解放する。
【0022】
昇降テーブル16は、製品取出台車12,72の退避位置L1の下方に設けられ、該退避位置L1で成形品吸着部の下面12aから解放されて落下する成形品P2を上面に積載し、かつ、積載されるにつれて成形品P2の積載面を下方へ移動可能とされている。昇降テーブル16は、成形品P2の積載数が所定数に達すると成形品の積載面が取出テーブル17の上面とほぼ同じ高さとなり、所定数積載された成形品P2を取出テーブル17上へスライドさせて押し出す。このため、昇降テーブル16は、成形品P2の落下数をカウントするためのカウンタと、該カウント数に応じて徐々に成形品の積載面を下げていく高さ調整機構と、前記カウント数が前記所定数に達したときに該所定数積載された成形品P2を取出テーブル17上へスライドさせて押し出す押出機構とを備えている。ここで、押出機構は、成形品P2を取出テーブル17上へ押し出した後にカウンタのカウント数を0に戻す。高さ調整機構は、カウント数が0に戻ったときに成形品の積載面を元の高さまで上昇させる。
【0023】
高さ調整機構は、例えば、成形品の積載面を昇降可能なボールねじ機構と、このボールねじ機構のねじを回転駆動するねじ駆動機構とで構成することができる。押出機構は、例えば、積載された成形品に対して横から当接して取出テーブル17の方へスライドさせる板状部材と、前記カウント数が前記所定数に達したときに前記板状部材を往復駆動する駆動機構と、成形品P2を取出テーブル17上へ押し出したときにカウンタをリセットする制御機構とで構成することができる。
【0024】
取出テーブル17は、例えば、昇降テーブル16の成形品積載面の最も低い位置と略同じ上面のベルトコンベアで構成することができる。この場合、所定数積載された成形品P2は、ベルトコンベア上を移動し、例えば該ベルトコンベアの近傍にいる作業者により箱詰めされる。
【0025】
周部スクラップ回収機構40は、複数個の成形品P1の周囲にある成形用シートS1から生じるスクラップシートS2を成形用シートS1に繋がった状態で進行方向D1に移送して回収する。図7に示すように、本実施形態の周部スクラップ回収機構40は、スクラップシートS2を巻き取るための周部スクラップ巻取軸41、この巻取軸を回転駆動する周部スクラップ回転駆動機構42、を備えている。周部スクラップ回転駆動機構42は、回転モータ等で構成され、制御盤80の制御に従って断続的に巻取軸41を回転駆動して、複数個の成形品P1のトリミング動作に合わせて間欠的にスクラップシートS2を所定の回転方向に巻き取る。
【0026】
分離スクラップ保持機構60は、図12〜図14に示すように、切断部22,26が近接したときに分離後のスクラップS3を吸引して保持し、切断部22,26が離反して分離スクラップ吸引部72が切断部22,26の間に進入したときに分離後のスクラップS3の吸引を解除して該スクラップS3を分離スクラップ吸引部72上へ落下させる。本実施形態の分離スクラップ保持機構60は、制御盤80の制御に従って、切断部22,26が近接したときにエア通路62及び受け部材の穴23に負圧を作用させることにより星形のスクラップS3の上から負圧を作用させて該スクラップS23を穴23の周囲の受け部材22に吸着させて保持し、切断部22,26が離反して製品取出台車12,72が切断部22,26の間に進入したときに星形のスクラップS3に対して下方に向けた圧空を供給して該スクラップS3を分離スクラップ吸引部72上へ落下させる。
【0027】
吸引回収機構70は、図13〜図15に示すように、切断部22,26が離反したときに切断部22,26の間に進入して分離スクラップ保持機構60から落下する分離後のスクラップS3を吸引可能な分離スクラップ吸引部72を成形品吸着部12の上に有し、該分離スクラップ吸引部72に吸引させた分離後のスクラップS3を回収する。本実施形態の分離スクラップ吸引部72は、分離スクラップ保持機構60から落下する星形のスクラップS3に対応した位置の上面72aに該スクラップS3よりも大きい穴(第一の穴)73が形成され、該穴73から星形のスクラップS3を吸引可能である。吸引回収機構70は、分離スクラップ吸引部72に負圧を作用させて分離スクラップ保持機構60から落下する分離後のスクラップS3を分離スクラップ吸引部72の穴73から吸引して回収する。図1と図6に示すように、本実施形態の吸引回収機構70は、分離スクラップ吸引部72、負圧供給機構74、台車駆動機構78、を備えている。
【0028】
分離スクラップ吸引部72は、略箱状とされ、図13に示すように内部に空間72bが形成されている。図6と図13に示すように、分離スクラップ吸引部72の上面72aには、負圧を外部に作用させるため、内部空間72bに繋がる穴73が四箇所形成されている。負圧供給機構74は、分離スクラップ吸引部72に接続された接続管75と、吸引したスクラップS3を収容する収容室76とを有し、接続管75から空気を吸引して負圧を発生させ、吸引したスクラップS3を収容室76へ導く。負圧供給機構74には、真空ポンプ等を用いることができる。接続管75には、自在に曲げ可能な耐圧ホース等を用いることができる。負圧供給機構74は、分離スクラップ吸引部の内部空間72bの空気を吸引することにより、分離スクラップ吸引部の穴73に負圧を作用させて星形のスクラップS3を吸引する。
【0029】
製品取出台車12,72を往復駆動する台車駆動機構78は、図6と図7に示すように、無端チェーン駆動機構78a、この無端チェーン駆動モータにより周回駆動される一対の無端チェーン78b,78b、該無端チェーンの回転動作の中心となる一対の回転軸78c,78c、製品取出台車12,72を無端チェーン78b,78bに結合する複数の結合部78d、を備えている。各部78b,78c,78dは、例えば、金属製とされる。結合部78dにより、台車12,72が無端チェーン78b,78bの周回動作に応じて退避位置L1と進出位置L2との間で往復移動する。無端チェーン駆動機構78aは、回転モータ等で構成され、制御盤80の制御に従って断続的に回転軸78cを回転駆動して、複数個の成形品P1のトリミング動作に合わせて間欠的に台車12,72を退避位置L1と進出位置L2との間で双方向に移動させる。
【0030】
なお、本実施形態の分離スクラップ回収機構50は、分離スクラップ保持機構60でスクラップS3が保持されるときのエア通路62の負圧を検出して該検出した負圧が所定の負圧に達しているか否かの少なくとも一方を通知する分離スクラップ保持判定手段を備えている。これにより、分離後のスクラップが分離スクラップ保持機構に保持されているか否かの確認が容易となる。
【0031】
図8は、トリミング機構20の一部を構成する第一の差圧供給機構28、分離スクラップ保持機構60の一部を構成する第二の差圧供給機構64、及び、分離スクラップ保持判定手段の一部を構成する圧力スイッチ82のエア結線を示している。第一の差圧供給機構28は、負圧供給機構28a、圧空供給機構69a、電磁弁28b,28c、エア通路28d〜28h,69b、により構成される。第二の差圧供給機構64は、負圧供給機構64a、圧空供給機構69a、電磁弁64b,64c、エア通路64d〜64h,69b、により構成される。負圧供給機構28a,68aには、真空ポンプ等を用いることができる。圧空供給機構69aには、圧空ポンプ等を用いることができる。各電磁弁には、通電されると開となる一方で通電されていないときにはばねの力により閉となる非通電時閉のばね付き電磁弁を用いることができる。
【0032】
電磁弁28bは、エア通路28dで負圧供給機構28aに接続され、エア通路28e,28fで下テーブルのエア通路29に接続されている。電磁弁28cは、エア通路28g,69bで圧空供給機構69aに接続され、エア通路28h,28fで下テーブルのエア通路29に接続されている。電磁弁64bは、エア通路64dで負圧供給機構64aに接続され、エア通路64e,64fで上テーブルのエア通路62に接続されている。電磁弁64cは、エア通路64g,69bで圧空供給機構69aに接続され、エア通路64h,64fで上テーブルのエア通路62に接続されている。
また、上テーブルのエア通路62に繋がるエア通路64fには、分離スクラップ保持機構60でスクラップS3が保持されるときのエア通路62の負圧を検出する圧力スイッチ82が接続されている。圧力スイッチ82は、エア通路64f内、実質的にはエア通路62内の空気圧Pn(単位:MPa)と所定の設定空気圧Pt(単位:MPa)との大小を検出し、対応する検出信号を生成する。大気圧をPat(単位:MPa)とすると、Pt<Patであり、例えば、設定圧Ptから高い空気圧になると内蔵するばねの付勢力に逆らってスイッチをオンにし、設定圧Ptから低い空気圧になるとスイッチをオフにする。設定圧Ptは、穴23の周囲の受け部材22に星形のスクラップS3が全て吸着されたときに想定されるエア通路62の空気圧よりも高く、穴23の周囲の受け部材22にスクラップS3が一つ吸着されなかったときに想定されるエア通路62の空気圧よりも低くすればよい。
【0033】
図9は、制御盤80を中心としたトリミング装置2の電気回路構成を示している。制御盤80は、該制御盤全体の動作を制御する中央制御回路81、接続したシート送り機構3の動作を制御するシート送り制御回路80a、接続した上テーブル駆動機構31及び下テーブル駆動機構32の動作を制御するテーブル駆動制御回路80b、接続した台車駆動機構78の動作を制御する台車駆動制御回路80c、接続した電磁弁64b,64c,28b,28c,14aの動作をそれぞれ制御する電磁弁制御回路80d,80e,80f,80g,80j、接続した圧力スイッチ82の状態を読み込むスイッチ状態読込回路80h、該スイッチ状態読込回路に接続された警報出力回路80i、接続した昇降テーブル16の動作を制御する昇降制御回路80k、等を備えている。
【0034】
警報出力回路80iは、設定圧Ptから高い空気圧であることを表す検出信号がスイッチ状態読込回路80hで読み込まれたときに警報を外部へ出力する。警報を外部へ出力することには、ブザー音等の所定の警報音を外部へ出力すること、電球等の照明を点灯すること、印刷用紙に所定の警報内容を印刷すること、これらの組み合わせ、等が含まれる。また、警報出力回路80iは、設定圧Ptから低い空気圧であることを表す検出信号がスイッチ状態読込回路80hで読み込まれたときに、設定圧Ptから低い空気圧である旨を外部へ出力してもよい。さらに、設定圧Ptから低い空気圧である旨のみを外部へ出力する出力回路を制御盤80に設けてもよい。
以上より、制御盤80は、圧力スイッチ82とともに、該圧力スイッチで検出した負圧が所定の負圧に達しているか否かの少なくとも一方を通知する分離スクラップ保持判定手段を構成する。
【0035】
(3)トリミング装置の動作並びに作用及び効果:
本トリミング装置2は、図10に示したタイミングで、シート送り機構3、テーブル21,25、台車12,72、差圧供給機構28,64、負圧供給機構14、昇降テーブル16、を繰り返し動作させ、成形品P1を一度に所定数(複数個)トリミングしてスクラップS2,S3を回収する処理を連続して行う。本処理は、制御盤80の制御により行われる。なお、「シート送り」はシート送り装置3の動作、「テーブル」はテーブル21,25の動作、「台車」は製品取出台車12,72の動作、「上負圧」は負圧用電磁弁64bの動作、「上圧空」は圧空用電磁弁64cの動作、「下負圧」は負圧用電磁弁28bの動作、「下圧空」は圧空用電磁弁28cの動作、「成形品吸着」は成形品吸着用電磁弁14a、「昇降テーブル」は昇降テーブル16の動作、を示している。また、図11には、シート送り装置3の動作とともに、テーブル21,25や台車12,72の位置、エア通路62,29内の空気圧の状態を示している。「上差圧」は上テーブルのエア通路62の空気圧、「下差圧」は下テーブルのエア通路29の空気圧、「成形品吸着」は成形品吸着部の内部空間12bの空気圧、を示している。
【0036】
まず、複数個の成形品P1を隣接して形成した成形用シートS1がシート送り装置3によりトリミング装置2に搬入される(タイミングt1〜t2)。この状態を、図2に示している。このとき、上テーブル21は最も上の全開位置LU1にあり、下テーブル25は最も下の全開位置LD1にあり、台車12,72は図2に示されない退避位置L1にあり、電磁弁64b,64c,28b,28c,14aは閉とされ、昇降テーブル16は停止している。
タイミングt2〜t3では、テーブル駆動機構31,32の制御によりテーブル21,25を閉じ、電磁弁制御回路80d,80fの制御により、負圧用電磁弁64b,28bを開く。なお、これらの動作は、同時でなくてもよい。同タイミングで、図11に示すように、テーブル21,25が閉じ、エア通路62,29の空気が負圧になる。この状態を、図12に示している。このとき、上テーブル21は最も下の閉位置LU2にあり、下テーブル25は最も上の閉位置LD2にあり、各成形品P1が下型27上に載置されて位置決めされ、切刃の刃先26aが受け部材の下面22aに押し当てられて成形品P1が複数個トリミングされる。このトリミング時に、複数の成形品P2で囲まれた部分の成形用シートS1がスクラップS3として分離される。また、下テーブルのエア通路29に繋がった吸引孔27aに負圧が作用して各成形品P1が各下型27に吸着され、上テーブルのエア通路62に繋がった穴23に負圧が作用して各スクラップS3が受け部材22に吸着される。ここで、穴23がスクラップS3よりも小さいので、スクラップS3はエア通路62内に吸い込まれない。
【0037】
タイミングt3〜t4では、テーブル21,25を閉じた状態で停止させておき、負圧用電磁弁64b,28bも開いたままとしておく。
タイミングt4〜t5では、テーブル駆動機構31,32の制御によりテーブル21,25を全開位置LU1,LD1まで開く。このタイミングで、図11に示すように、テーブル21,25が全開位置まで開く。このとき、各成形品P2が各下型27に吸着されてスクラップシートS2から離れ、各スクラップS3が穴23の周囲の受け部材22に吸着されて成形品P2及びスクラップシートS2から離れ、スクラップシートS2に抜き穴S4が形成されている。
【0038】
タイミングt5〜t6では、テーブル21,25を全開状態で停止させておき、台車駆動機構78の制御により台車12,72を退避位置L1から進出位置L2まで移動させる。この状態を、図13に示している。このとき、各成形品P2が各下型27上に存在し、各スクラップS3が穴23近傍の受け部材22の下に存在し、スクラップシートS2の抜き穴S4の下で受け部材22と切刃26の間に台車12,72が進入している。ここで、成形品吸着部の吸引孔13に負圧が作用し、分離スクラップ吸引部の穴73に負圧が作用している。
タイミングt6〜t7では、台車12,72を進出位置L2で停止させておき、下型27上の成形品P2が成形品吸着部の下面12aに近づく中間位置までテーブル21,25をテーブル駆動機構31,32の制御により閉じる。この状態を、図14に示している。このとき、上テーブル21は全開位置LU1と閉位置LU2との間の中間位置LU3にあり、下テーブル25は全開位置LD1と閉位置LD2との間の中間位置LD3にある。
【0039】
タイミングt7〜t8では、電磁弁制御回路80d〜80g,80jの制御により、負圧用電磁弁64b,28bを閉じ、圧空用電磁弁64c,28cを開いて所定時間経過後に閉じ、成形品吸着用電磁弁14aを開く。なお、これらの動作は、同時でなくてもよい。同タイミングで、図11に示すように、エア通路62,29に圧空が供給され、成形品吸着部の下面12aに負圧が供給される。このとき、下テーブルのエア通路29に繋がった吸引孔27aから空気が噴出して各成形品P2が各下型27から離れて成形品吸着部の下面12aに吸着され、上テーブルのエア通路62に繋がった穴23からも空気が噴出して各スクラップS3が受け部材22から落下する。ここで、分離スクラップ吸引部の穴73がスクラップS3よりも大きいので、スクラップS3が穴73から分離スクラップ吸引部の内部空間72bへ吸い込まれる。
タイミングt8〜t9では、テーブル駆動機構31,32の制御によりテーブル21,25を全開位置LU1,LD1まで開く。この状態を、図15に示している。このとき、各成形品P2は成形品吸着部の下面12aに吸着されたままであり、各スクラップS3は分離スクラップ吸引部の内部空間72bから接続管75を経て収容室76まで導かれる。
【0040】
タイミングt9〜t10では、テーブル21,25を全開状態で停止させておき、台車駆動機構78の制御により台車12,72を進出位置L2から退避位置L1まで移動させる。
タイミングt10〜t11では、電磁弁制御回路80jの制御により成形品吸着用電磁弁14aを閉じ、昇降制御回路80kの制御により昇降テーブル16を動作させる。なお、これらの動作は、同時でなくてもよい。すると、退避位置L1に搬送された成形品P2は、成形品吸着部の下面12aから解放されて落下し、昇降テーブル16に積載され、所定数積載されると取出テーブル17上へ押し出される。このようにして、トリミング後の成形品P2が取り出される。
【0041】
その後、上述したタイミングt1〜t11に従った動作を繰り返す。タイミングt1〜t2では、受け部材22と切刃26との間に存在するスクラップシートS2がシート送り装置3により周部スクラップ回収機構40の方へ移送され、新たに複数個の成形品P1がシート送り装置3によりトリミング装置2に搬入される。タイミングt1〜t11に従った動作が繰り返されると、周部スクラップ回収機構40により、スクラップシートS2が成形用シートS1に繋がった状態で進行方向D1に移動して回収される。
なお、シートS1,S2の移送を開始するタイミングt1は、昇降テーブル16の動作が停止するタイミングt11の前とすることも可能であり、台車12,72が退避するタイミングt9から前記タイミングt11までの間としてもよい。
以上説明したようにして、成形用シートに形成された成形品を一度に複数個トリミングして複数の前記成形品で囲まれた部分の前記成形用シートをスクラップとしてトリミング時に分離する処理を連続して行い、分離後の前記スクラップを回収する処理を連続して行う。
【0042】
本トリミング装置及びその制御方法によると、シートの進行方向D1及び幅方向D2に隣り合う成形品P1同士の間に隙間を設ける必要が無いので、成形用シートS1に対する成形品P2の生産効率が向上する。また、複数の成形品P1で囲まれた部分のスクラップS3が回収されるので、分離後のスクラップS3が成形品P2に混入しない。その上、回収した分離後のスクラップS3を成形用シートS1として再利用することができるので、シートS1の歩留まりが向上する。従って、成形品のコストを低減させることが可能になる。
さらに、分離後の第二のスクラップS3を保持するときのエア通路62の負圧が所定の負圧に達しているか否かの少なくとも一方が通知されるので、分離後のスクラップが分離スクラップ保持機構に保持されているか否かを容易に確認することができ、より確実に分離後のスクラップを回収して成形品をトリミングすることが可能になる。
【0043】
(4)変形例:
トリミング機構は、トムソン刃と受け部材とで成形用シートを切断する以外にも、上刃と下刃とを摺接させる等して成形用シートを切断してもよい。
分離スクラップ吸引部の穴73に負圧を作用させる負圧供給機構74は、常時負圧を作用させる以外にも、電磁弁を断続的に開閉させる等により負圧を間欠的に作用させてもよい。
分離スクラップ回収機構50で回収するスクラップは、4個の成形品に囲まれた部分のシートから生じるスクラップ以外にも、図16に示すように2個の成形品P3に囲まれた部分のシートS3bから生じるスクラップ等、4個以外の成形品に囲まれた部分のシートから生じるスクラップでもよい。むろん、ドーナツ状の成形品のように、1個の成形品に囲まれた部分のシートから生じるスクラップでもよい。
【0044】
なお、トリミング装置の基本部分であるトリミング機構20及び分離スクラップ回収機構50のみでも、成形用シートの歩留まりを向上させる効果が得られる。また、成形装置が併設されていないトリミング装置でも、同じ効果が得られる。
むろん、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】成形品製造装置の概略を例示する正面図。
【図2】トリミング装置の要部の垂直断面を差圧供給機構とともに例示する図。
【図3】切刃を取り付けた下テーブルの外観を例示する斜視図。
【図4】受け部材を取り付けた上テーブルの外観を例示する斜視図。
【図5】成形用シートから形成される成形品及びスクラップを模式的に例示する平面図。
【図6】成形品取出機構及び吸引回収機構を模式的に例示する正面図。
【図7】成形品取出機構及び周部スクラップ回収機構を模式的に例示する平面図。
【図8】差圧供給機構及び圧力スイッチのエア結線を例示する流路図。
【図9】トリミング装置の電気回路構成の概略を例示するブロック図。
【図10】シート送り機構、テーブル、台車、差圧供給機構、負圧供給機構、及び、昇降テーブルの動作を例示するタイミングチャート。
【図11】シート送り機構の動作、テーブルの位置、台車の位置、エア通路のエアの圧力、成形品吸着部の内部空間の圧力、及び、昇降テーブルの位置を例示するタイミングチャート。
【図12】上下テーブル近接時におけるトリミング装置の要部の垂直断面を例示する図。
【図13】台車進入時におけるトリミング装置の要部の垂直断面を例示する図。
【図14】上下テーブルが中間位置まで近接した時におけるトリミング装置の要部の垂直断面を例示する図。
【図15】上下テーブル離反時におけるトリミング装置の要部の垂直断面を例示する図。
【図16】変形例において成形用シートから形成される成形品及びスクラップを模式的に例示する平面図。
【図17】従来例において熱可塑性樹脂シートから形成される成形品及びスクラップを模式的に例示する平面図。
【符号の説明】
【0046】
1…成形品製造装置、2…トリミング装置、3…シート送り機構、
10…成形品取出機構、
12…成形品吸着部、12a…下面、12b…空間、13…吸引孔、
14…負圧供給機構、14a…電磁弁、15…接続管、
16…昇降テーブル、17…取出テーブル、
20…トリミング機構、
21…上テーブル、22…受け部材(上側切断部)、22a…下面、23…第二の穴、
25…下テーブル、26…切刃(下側切断部)、26a…刃先、
27…下型、27a…吸引孔、
28…第一の差圧供給機構、28a…負圧供給機構、28b,28c…電磁弁、
29…エア通路、
30…テーブル駆動機構、31…上テーブル駆動機構、32…下テーブル駆動機構、
40…周部スクラップ回収機構、
41…周部スクラップ巻取軸、42…周部スクラップ回転駆動機構、
50…分離スクラップ回収機構、
60…分離スクラップ保持機構、62…エア通路、64…第二の差圧供給機構、
64a…負圧供給機構、64b,64c…電磁弁、
69a…圧空供給機構、
70…吸引回収機構、
72…分離スクラップ吸引部、72a…上面、72b…空間、73…穴、
74…負圧供給機構、75…接続管、76…収容室、
78…台車駆動機構、78a…無端チェーン駆動機構、78b…無端チェーン、
78c…回転軸、78d…結合部、
80…制御盤、82…圧力スイッチ(分離スクラップ保持判定手段の一部)、
91…シート供給装置、92…成形装置、
D1…進行方向、D2…幅方向、
L1…退避位置、L2…進出位置、
LI1…刃先の当接位置、
P1,P2…成形品、
S1…成形用シート、S2…スクラップシート(第一のスクラップ)、
S3…第二のスクラップ、S4…抜き穴、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形用シートに形成された成形品を一度に複数個トリミングし、複数の前記成形品で囲まれた部分の前記成形用シートをスクラップとしてトリミング時に分離するトリミング機構と、
分離後の前記スクラップを回収する分離スクラップ回収機構とを備えることを特徴とするトリミング装置。
【請求項2】
前記トリミング機構は、互いに近接及び離反可能な上側切断部及び下側切断部を近接させて前記成形品を一度に複数個トリミングする機構とされ、
前記分離スクラップ回収機構は、前記分離後のスクラップを保持可能な分離スクラップ保持機構と、前記上側切断部と前記下側切断部とが離反したときに前記上側切断部と前記下側切断部との間に進入して前記分離スクラップ保持機構により保持されたスクラップを吸引して回収する吸引回収機構とを有することを特徴とする請求項1に記載のトリミング装置。
【請求項3】
前記上側切断部と前記下側切断部とが離反したときに前記上側切断部と前記下側切断部との間に進入してトリミング後の前記成形品を吸着可能な成形品吸着部を有し、該成形品吸着部に前記トリミング後の成形品を吸着させて取り出す成形品取出機構をさらに備え、
前記吸引回収機構は、前記上側切断部と前記下側切断部とが離反したときに前記上側切断部と前記下側切断部との間に進入して前記分離スクラップ保持機構から落下する分離後のスクラップを吸引可能な分離スクラップ吸引部を前記成形品吸着部の上に有し、該分離スクラップ吸引部に吸引させた分離後のスクラップを回収する機構とされ、
前記分離スクラップ保持機構は、前記上側切断部と前記下側切断部とが近接したときに前記分離後のスクラップを吸引して保持し、前記上側切断部と前記下側切断部とが離反して前記分離スクラップ吸引部が前記上側切断部と前記下側切断部との間に進入したときに前記分離後のスクラップの吸引を解除して該スクラップを前記分離スクラップ吸引部上へ落下させることを特徴とする請求項2に記載のトリミング装置。
【請求項4】
前記成形品取出機構は、前記トリミング後の成形品を前記成形品吸着部の下面に吸着させて前記上側切断部と前記下側切断部との間から退避させて回収し、
前記分離スクラップ保持機構は、前記上側切断部と前記下側切断部とが近接したときに前記分離後のスクラップの上から負圧を作用させて該スクラップを吸引して保持し、前記上側切断部と前記下側切断部とが離反して前記分離スクラップ吸引部が前記上側切断部と前記下側切断部との間に進入したときに該スクラップに対して下方に向けた圧空を供給して該スクラップを前記分離スクラップ吸引部上へ落下させ、
前記分離スクラップ吸引部は、前記分離スクラップ保持機構から落下する分離後のスクラップに対応した位置の上面に該スクラップよりも大きい穴が形成され、
前記吸引回収機構は、前記分離スクラップ吸引部に負圧を作用させて前記分離スクラップ保持機構から落下する分離後のスクラップを前記分離スクラップ吸引部の穴から吸引して回収することを特徴とする請求項3に記載のトリミング装置。
【請求項5】
前記下側切断部は、前記成形品のそれぞれを囲む位置で刃先を上方へ向けた切刃とされ、
前記上側切断部は、前記切刃の刃先を当接させる受け部材とされ、
該受け部材には、前記成形品を囲む切刃の外側となる位置で前記スクラップよりも小さい第二の穴が形成され、
前記分離スクラップ保持機構は、前記上側切断部と前記下側切断部とが近接したときに前記第二の穴に負圧を作用させて該第二の穴の周囲の受け部材に前記分離後のスクラップを吸着させて保持することを特徴とする請求項4に記載のトリミング装置。
【請求項6】
前記分離スクラップ回収機構は、エア通路に負圧を作用させて前記分離後のスクラップの上から該スクラップを吸引して保持する分離スクラップ保持機構と、該スクラップを保持するときの前記エア通路の負圧を検出して該検出した負圧が所定の負圧に達しているか否かの少なくとも一方を通知する分離スクラップ保持判定手段と、前記分離スクラップ保持機構により保持されたスクラップを吸引して回収する吸引回収機構とを有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のトリミング装置。
【請求項7】
互いに近接及び離反可能な上側切断部及び下側切断部を近接させることにより、進行方向に連続した成形用シートに形成された成形品を一度に複数個トリミングし、該複数個の成形品の周囲にある前記成形用シートを第一のスクラップとしてトリミング時に分離するとともに、複数の前記成形品で囲まれた部分の前記成形用シートを第二のスクラップとしてトリミング時に分離するトリミング機構と、
前記上側切断部と前記下側切断部とが離反したときに前記上側切断部と前記下側切断部との間に進入してトリミング後の前記成形品を吸着可能な成形品吸着部を有し、該成形品吸着部の下面に前記トリミング後の成形品を吸着させて前記上側切断部と前記下側切断部との間から退避させて取り出す成形品取出機構と、
前記第一のスクラップを前記成形用シートに繋がった状態で前記進行方向に移送して回収する周部スクラップ回収機構と、
前記上側切断部と前記下側切断部とが近接したときに前記第二のスクラップの上から負圧を作用させて該第二のスクラップを吸引して保持し、前記上側切断部と前記下側切断部とが離反して前記成形品吸着部が前記上側切断部と前記下側切断部との間に進入したときに前記第二のスクラップに対して下方に向けた圧空を供給して該第二のスクラップを落下させる分離スクラップ保持機構と、
落下する前記第二のスクラップに対応した位置の上面に該第二のスクラップよりも大きい穴が形成された分離スクラップ吸引部であって前記上側切断部と前記下側切断部とが離反したときに前記上側切断部と前記下側切断部との間に進入して前記分離スクラップ保持機構から落下する第二のスクラップを前記穴から吸引可能な分離スクラップ吸引部を前記成形品吸着部の上に有し、該分離スクラップ吸引部に負圧を作用させて前記分離スクラップ保持機構から落下する第二のスクラップを前記分離スクラップ吸引部の穴から吸引して回収する吸引回収機構とを備えることを特徴とするトリミング装置。
【請求項8】
成形用シートに形成された成形品を一度に複数個トリミングして複数の前記成形品で囲まれた部分の前記成形用シートをスクラップとしてトリミング時に分離する処理を行うトリミング工程と、
分離後の前記スクラップを回収する処理を行う分離スクラップ回収工程とを備えることを特徴とするトリミング装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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