説明

トリム材及びその製造方法

【課題】芯材を埋設したウェザーストリップの表面に凹マークが発生することを防止できるようにする。
【解決手段】ウェザーストリップ13に埋設する芯材16は、複数の芯材片部22を所定間隔で連結して、各芯材片部22間に分離空間部24を形成し、各分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を芯材片部22の厚さ寸法とほぼ同じ厚さ寸法で充填すると共に、芯材16の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆したものを用いる。これにより、ウェザーストリップ13を成形する際に、トリム材成形用ポリマー材料P1のうちの芯材片部22を被覆する部分と充填用ポリマー材料P2が充填された分離空間部24を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法をほぼ同じにして、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ方向の成形収縮量の差をほぼ無くすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補強用の芯材をトリム材成形用ポリマー材料で被覆することで該芯材を埋設して一体化した長尺なトリム材及びその製造方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両のドア開口縁や窓開口縁のフランジには、該フランジに沿って長尺なトリム材が装着される。このトリム材は、ゴムや熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)等のポリマー材料によって横断面が略U字形状の取付部を有する形状に押出成形され、その略U字形状の取付部で開口縁のフランジを挟むことでフランジに固定されるようになっている。このようなトリム材は、横断面が略U字形状の長尺な補強用の芯材(例えば冷間圧延鋼板等の金属板)を取付部に埋設して一体化することで、取付部を芯材で補強して開口縁のフランジに取付部を安定して固定できるようにしている。
【0003】
ところで、車両のドア開口縁や窓開口縁のフランジは、長手方向で二次元的又は三次元的に曲がっているため、トリム材は、押出成形で略直線状に成形されたものが開口縁のフランジの曲がり形状に合わせて曲げられて装着される。このため、トリム材に埋設される芯材は、トリム材の曲がりに追随して自在に曲げられるように、長手方向に所定間隔で空間部が形成された部分打ち抜き芯材(魚骨芯材や竜骨芯材ということもある)が用いられる。
【0004】
しかし、このような部分打ち抜き芯材をトリム材成形用のポリマー材料で被覆して、芯材が埋設されたトリム材を製造すると、トリム材の表面に長手方向に沿って所定間隔で凹マーク(竜骨マークということもある)が発生して、トリム材の外観性が悪くなることがある。この凹マークは、トリム材の保持強度を上げるために、芯材の板厚寸法を厚くして、芯材を被覆するトリム材成形用のポリマー材料の厚さ寸法に対する芯材の板厚寸法が大きくなるほど顕著に発生する。
【0005】
このような凹マークが発生する原因として、次のことが考えられる。部分打ち抜き芯材に所定間隔で形成された空間部の長手方向の幅は通常1mm程度と狭いため、空間部にトリム材成形用のポリマー材料を流入させる際の流動抵抗が大きく、空間部に十分な量のポリマー材料を流動させることが困難である。更に、芯材を被覆するトリム材成形用のポリマー材料のうちの芯材の空間部(芯材が存在しない部分)に相当する部分は、芯材が存在する部分に比べて、ポリマー材料の厚さ寸法が大きくなるため、その分、ポリマー材料の成形収縮量が大きくなる。このため、トリム材の表面のうちの芯材の空間部(芯材が存在しない部分)に相当する部分に凹マークが発生すると考えられる。
【0006】
このような凹マークの発生による外観性の低下の問題を解決するために、特許文献1(特開平9−76835号公報)に記載されているように、トリム材のうちの芯材のスリット(空間部)を被覆する部分に、長手方向に延びる複数の突条を形成すると共に、これらの突条をスポンジゴムで被覆することで、芯材を埋設したトリム材に発生する凹マークが目立たなくなるようにしたものがある。
【特許文献1】特開平9−76835号公報(第2頁等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1の技術は、芯材を埋設したトリム材に発生する凹マークを目立たなくする技術であり、凹マーク自体の発生を防止することができない。
また、凹マークの発生を抑制するために、芯材を被覆するトリム材成形用のポリマー材料の厚さ寸法を厚くする(典型的には芯材の厚さ寸法の3倍以上の厚さにする)ことで、芯材の空間部(芯材が存在しない部分)に相当する部分と芯材が存在する部分との間で、ポリマー材料の厚さ寸法の差を小さくしてポリマー材料の成形収縮量の差を小さくすることも考えられる。しかし、この方法では、芯材を被覆するトリム材成形用のポリマー材料の量が多くなるため、トリム材の重量が増加すると共にコストが高くなるという欠点がある。
【0008】
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、凹マークの発生を防止すると共に、所定の機能を発揮することができ、且つ、芯材を覆うトリム材成形用ポリマー材料の厚さ寸法を必ずしも厚くしなくても良く、使用材料の選択幅拡大の要求を満たすことができるトリム材とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、少なくともトリム材に埋設される前に複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを有する補強用の芯材を、トリム材成形用ポリマー材料で被覆することで、該芯材を埋設して一体化した長尺なトリム材であって、芯材の分離空間部内に、隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つトリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料が充填されて隣り合う芯材片部の間に充填用ポリマー材料が保持されていることで、トリム材成形用ポリマー材料と充填用ポリマー材料とが接触部で一体的に接合されていると共に、トリム材成形用ポリマー材料のうちの芯材片部及び連結部を被覆する部分と充填用ポリマー材料が充填された分離空間部を被覆する部分との間で該トリム材成形用ポリマー材料の厚さ方向の成形収縮量の差を小さくするか又は無くすようにしたものである。
【0010】
つまり、芯材の分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填しておくことで、トリム材を成形する際にトリム材成形用ポリマー材料のうちの芯材片部及び連結部を被覆する部分と充填用ポリマー材料が充填された分離空間部を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料の厚さ寸法の差を小さくするか又は無くすことができて、トリム材成形用ポリマー材料の厚さ方向の成形収縮量の差を小さくするか又は無くすことができ、トリム材の表面に凹マークが発生することを防止することができると共に、トリム材の所定の機能を発揮することができる。
【0011】
しかも、芯材を被覆するトリム材成形用ポリマー材料の厚さ寸法を厚くする必要がなく、芯材を被覆するトリム材成形用ポリマー材料の厚さ寸法を薄くしても、トリム材の表面に凹マークが発生することを防止することができるため、トリム材成形用ポリマー材料の使用量を少なくして、トリム材の軽量化と低コスト化の要求を満たすことができる。
【0012】
また、充填用ポリマー材料は、強度や性能面で新品材料(バージン材料)よりも劣るものの価格が安い材料(例えば、リサイクル材料や廃棄用材料等)を廉価で使用することができるため、使用材料の有効活用範囲が広くなると共にコスト低減が可能である。
【0013】
更に、分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填するため、芯材片部の間に空隙(微小な空間)が残存することが少なくなる。これにより、トリム材の製造過程における温度変化(例えば、トリム材成形用ポリマー材料の加熱硬化処理時や冷却固化処理時の温度変化等)や、トリム材の製造完了後の温度変化(例えば、車両に装着された後の温度変化等)による空隙の膨張や収縮に伴うトリム材の表面変形を防止することができる。
【0014】
この場合、請求項2のように、横断面が略U字形状の取付部を有し、該略U字形状の取付部を被装着体に被せて該取付部で該被装着体を両側から挟むことで該被装着体に固定されるようにすると良い。このようにすれば、トリム材を被装着体に安定して固定することができる。
【0015】
更に、請求項3のように、略U字形状の取付部の内周面に、内側に向けて突出する弾性変形可能な保持リップを一体的に形成するようにしても良い。このようにすれば、略U字形状の取付部を被装着体に被せたときに、保持リップを弾性変形させて被装着体に当接させることができるため、この保持リップの弾性力によってトリム材を被装着体に更に安定して固定することができる。
【0016】
尚、本発明は、請求項4のように、芯材がトリム材に埋設された後も連結部により芯材片部が長手方向に連結されているトリム材に適用しても良い。或は、請求項5のように、芯材がトリム材に埋設された後に連結部が破断されて芯材片部が長手方向に分離されているトリム材に適用しても良い。
【0017】
また、トリム材成形用ポリマー材料と充填用ポリマー材料の組み合わせとしては、例えば、請求項6のように、トリム材成形用ポリマー材料と充填用ポリマー材料を両方ともEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)を主体とする弾性変形可能なゴムとし、両者を接触部で加硫接合するようにしても良い。このようにすれば、トリム材成形用ポリマー材料と充填用ポリマー材料をゴム同士の加硫接合により強固に接合して一体化することができる。
【0018】
或は、請求項7のように、トリム材成形用ポリマー材料をEPDMを主体とする弾性変形可能なゴムとして、充填用ポリマー材料をオレフィン系の弾性変形可能な熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)とし、両者を接触部で熱融着により接合するようにしても良い。このようにすれば、トリム材成形用ポリマー材料と充填用ポリマー材料をゴムと樹脂の熱融着により強固に接合して一体化することができる。
【0019】
更に、請求項8のように、トリム材成形用ポリマー材料と充填用ポリマー材料を両方ともオレフィン系の弾性変形可能な熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)とし、両者を接触部で熱融着により接合するようにしても良い。このようにすれば、トリム材成形用ポリマー材料と充填用ポリマー材料を樹脂同士の熱融着により強固に接合して一体化することができる。
【0020】
本発明のトリム材を製造する場合には、請求項9のように、分離空間部内に充填用ポリマー材料が充填された芯材を入手して、所定の横断面形状のトリム材本体を成形する押出成形型に芯材を長手方向に連続して供給しながら、該押出成形型にトリム材成形用ポリマー材料を流動可能な状態で連続して供給してトリム材本体を押出成形することで、芯材をトリム材成形用ポリマー材料で被覆してトリム材本体に芯材を埋設する押出成形工程と、この押出成形工程後にトリム材成形用ポリマー材料で成形されたトリム材本体を硬化又は固化させる処理工程とを実行し、押出成形工程及び/又は処理工程において、トリム材成形用ポリマー材料と充填用ポリマー材料とを接触部で一体的に接合すると良い。このようにすれば、本発明のトリム材を容易に製造することができる。
【0021】
この際、請求項10のように、トリム材成形用ポリマー材料がゴムの場合には、処理工程において、トリム材本体を加熱して加硫させて硬化させるようにすると良い。このようにすれば、押出成形後のトリム材本体(未加硫状態のゴム)を速やかに加硫させて硬化させることができる。
【0022】
或は、請求項11のように、トリム材成形用ポリマー材料が熱可塑性合成樹脂の場合には、処理工程において、トリム材本体を冷却して固化させるようにすると良い。このようにすれば、押出成形後のトリム材本体(未固化状態の樹脂)を速やかに冷却固化させることができる。
【0023】
また、請求項12のように、処理工程後にトリム材本体を該トリム材本体に埋設された芯材と共に所定の最終横断面形状に成形する最終成形工程を実行するようにすると良い。このようにすれば、最終横断面形状のトリム材を効率良く形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施例1を図1乃至図16に基づいて説明する。
図1に示すように、車体パネル11の側部や後部又はルーフのドア開口縁のフランジ12には、該フランジ12に沿って長尺なウェザーストリップ13(トリム材)が装着される。このウェザーストリップ13は、熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)又はゴム等のトリム材成形用ポリマー材料P1の押出成形により、横断面略U字形状の取付部14と、スポンジ材料製の中空シール部15とが一体的に形成され、取付部14には、後述する長尺な芯材16がインサート成形により埋設されている。このウェザーストリップ13を成形するトリム材成形用ポリマー材料P1は、例えば、JIS K7215によるデュロメータ硬さがHDA50〜80(好ましくはHDA60〜70)で、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)を主体とする弾性変形可能なゴム又はオレフィン系の弾性変形可能な熱可塑性合成樹脂が用いられる。
【0026】
また、取付部14の車外側側壁17の内周面及び車内側側壁18の内周面には、それぞれ内側に向けて突出する保持リップ19が一体的に形成されている。車体パネル11のドア開口縁のフランジ12にウェザーストリップ13の取付部14を被せたときに、保持リップ19が弾性変形してフランジ12を車内側と車外側の両側から挟むことで、ウェザーストリップ13がフランジ12に装着される。このように、ウェザーストリップ13の取付部14でフランジ12を両側から挟むことでウェザーストリップ13をフランジ12に安定して固定することができ、その際、保持リップ19を弾性変形させてフランジ12に当接させることで保持リップ19の弾性力によってウェザーストリップ13をフランジ12に更に安定して固定することができる。
【0027】
更に、取付部14の車内側側壁18の外周面には、車内側に向けて突出する遮蔽リップ20が一体的に形成されている。ウェザーストリップ13がフランジ12に装着されたときに、遮蔽リップ20と取付部14(車内側側壁18)との間に、車内の内装部材(図示せず)の端末が差し込み状に覆われるようになっている。
【0028】
このウェザーストリップ13は、該ウェザーストリップ13を押出成形する際にトリム材成形用ポリマー材料P1で補強用の芯材16を被覆することで該芯材16を取付部14に埋設して一体化することによって、取付部14を芯材16で補強してフランジ12に取付部14を安定して固定できるようにしている。
【0029】
ところで、車体パネル11のドア開口縁のフランジ12は、長手方向で二次元的又は三次元的に曲がっている(ねじれを含む)ため、ウェザーストリップ13は、押出成形で略直線状に成形されたものがフランジ12の曲がり形状に合わせて曲げられて装着される。このため、ウェザーストリップ13に埋設される芯材16は、ウェザーストリップ13の曲がりに追随して自在に曲げられるように、長手方向に所定間隔で後述する分離空間部24(図2参照)が形成されている。
【0030】
次に、図2乃至図8を用いて、ウェザーストリップ13に埋設される芯材16の構成について説明する。尚、図4乃至図8では、説明の便宜上、芯材16や充填用ポリマー材料P2等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0031】
図2乃至図5に示すように、芯材16は、長尺な略帯板状の芯材素材21を打ち抜き加工することにより、長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部22と、これら複数の芯材片部22同士を長手方向に連結する連結部23とが一体的に形成されていると共に、隣り合う芯材片部22の間に分離空間部24が形成されている。本実施例1では、芯材片部22同士を連結する連結部23が2列で設けられ、隣り合う芯材片部22の間の分離空間部24が2列の連結部23によって3つの領域に分割されている。尚、連結部23を1列又は3列以上で設けるようにしても良い。
【0032】
この芯材16を形成する芯材素材21は、芯材16を埋設したウェザーストリップ13(取付部14)を適度に補強しながらウェザーストリップ13の曲げ性を確保するために、例えば、厚さ寸法(t)が0.15mm以上1.0mm以下(例えば、普通乗用車用ウェザーストリップとしては、好ましくは幅が20〜60mmで厚さが0.3〜0.6mm)の冷間圧延鋼板、ばね鋼板、高張力鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金等の非鉄金属板等の金属板が用いられる。これらの金属板は、いずれも容易に入手することができる。芯材16の長手方向に配列された各芯材片部22は、それぞれほぼ同一形状で芯材16の長手方向における寸法が例えば1〜5mmに形成され、芯材16の長手方向に配列された各分離空間部24は、それぞれほぼ同一形状で芯材16の長手方向における寸法が例えば0.5〜5mm(好ましくは1.0〜2mm)に形成されている。また、各芯材片部22は、それぞれ芯材16の幅方向における両端部が半円状に面取り又は両端部の角部が所定角度(例えば45°)で面取りされ、芯材片部22の端部がウェザーストリップ13を突き破って外部に露出することを防止するようにしている。
【0033】
また、図6及び図7に示すように、芯材16の各分離空間部24内には、それぞれ熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)又はゴム等の充填用ポリマー材料P2が芯材片部22の厚さ寸法とほぼ同じ厚さ寸法となるように充填され、隣り合う芯材片部22の間に充填用ポリマー材料P2が保持されている。更に、芯材片部22と連結部23を含む芯材16の表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体が充填用ポリマー材料P2で被覆され、芯材片部22を被覆する充填用ポリマー材料P2の厚さ(P2t)が芯材片部22の厚さ寸法を上回らない厚さ寸法(P2t≦t)で且つ分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2と連続するようにしている。これにより、芯材片部22や連結部23を被覆する充填用ポリマー材料P2で各分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2同士を連結して、分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2を芯材16に安定して保持させるようにしている。
【0034】
更に、図2に示すように、分離空間部24のうちの幅方向外側に位置する部分の幅W2を内側に位置する部分の幅W1よりも小さくすることにより充填用ポリマー材料P2の幅方向外側への離脱を防止して充填用ポリマー材料P2を安定して保持させられる。
【0035】
また、図3に示すように、芯材片部22の幅方向の端部に、隣接する他の芯材片部22に向けて突出する突起22a,22aを形成しておくことでも上記と同様の効果を得ることができる。この場合も、分離空間部24のうちの幅方向外側に位置する部分の幅W4が内側に位置する部分の幅W3よりも小さくなる。
【0036】
このようにして、芯材16の分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填すると共に、芯材16の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆することで、図8に示すように、ウェザーストリップ13を成形する際に、トリム材成形用ポリマー材料P1のうちの芯材片部22を被覆する部分と充填用ポリマー材料P2が充填された分離空間部24を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法がほぼ同じになるようにしている。また、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法(P1t)が芯材16の厚さ寸法(t)の3倍以下(好ましくは2.5〜2倍以下)となるように設定されている。
【0037】
充填用ポリマー材料P2は、隣り合う芯材片部22の接近又は離反を阻止しない程度に芯材素材21よりも常温で硬度が小さくて柔軟性が高く且つトリム材成形用ポリマー材料P1と化学的に接合可能な材料であり、例えば、JIS K7215によるデュロメータ硬さがHDA5〜60(好ましくはHDA10〜50)でトリム材成形用ポリマー材料P1よりも柔軟な材料が用いられる。これにより、分離空間部24内に充填した充填用ポリマー材料P2によって芯材16の軸線曲げに支障が出るのを防止して、芯材16を埋設したウェザーストリップ13の容易な軸線曲げ性を確保するようにしている。この充填用ポリマー材料P2は、例えば、EPDMを主体とする弾性変形可能なゴム又はオレフィン系の弾性変形可能な熱可塑性合成樹脂が用いられる。
【0038】
また、各分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填するときに狭い空間にも少ない流動抵抗で入り込ませることができるため、充填用ポリマー材料P2が芯材片部22及び連結部23の端縁との間に空隙が生じないように充填され、温度変化による空隙の膨張や収縮に伴うウェザーストリップ13の表面変形(膨出や凹み)を防止するようにしている。更に、各分離空間部24内には、それぞれほぼ同一量の充填用ポリマー材料P2が充填され、芯材16の長手方向の全長に亘って安定した機能を確保できるようになっている。
【0039】
また、本実施例1では、図4及び図5に示すように、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する前に、芯材片部22及び連結部23の表面に非着剤層26を形成して、芯材片部22及び連結部23と充填用ポリマー材料P2との間に非着剤層26を介在させるようにしている。この非着剤層26によって芯材片部22及び連結部23と充填用ポリマー材料P2とが固着することを回避して、芯材16が曲げ難くなることを防止して、芯材16を埋設したウェザーストリップ13の曲げ性を確保するようにしている。この非着剤層26は、例えば、シリコーン樹脂、オイル、ワックス、パラフィン等により形成されている。尚、芯材素材21と充填用ポリマー材料P2とが非着性の場合には、非着剤層26を省略しても良い。
【0040】
次に、図9乃至図16を用いて、ウェザーストリップ13の製造装置及び製造方法を説明する。尚、図12乃至図14では、説明の便宜上、芯材16(16A〜16C)や充填用ポリマー材料P2等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0041】
まず、図9を用いて芯材16の製造装置及び製造方法を説明する。図9に示すように、略帯板状の芯材素材21が巻き回されたアンコイラ27から供給される芯材素材21を送出ローラ28(芯材素材送出手段)で長手方向に連続して送り出してプレス装置29(分離空間部形成手段)に供給する。アンコイラ27と送出ローラ28との間には、抵抗溶接機又は接合接着テープ貼着機等の芯材接合機50が配置され、アンコイラ27に巻き回された芯材素材21を全て供給し終えて次のアンコイラ27に交換した場合に、芯材接合機50により、先のアンコイラ27から供給した芯材素材21の長手方向の終端部と、次のアンコイラ27から供給される芯材素材21の長手方向の始端部とを溶接又は接合接着テープ等で接続して連続させる。
【0042】
プレス装置29は、芯材素材21のうちの芯材片部22になる部分と連結部23になる部分とを残して分離空間部24に相当する部分を除去する打ち抜き型30を有し、この打ち抜き型30で芯材素材21を打ち抜き加工して芯材片部22になる部分と連結部23になる部分とを残して分離空間部24に相当する部分を除去することにより、芯材素材21に芯材片部22と連結部23と分離空間部24とを形成する分離空間部形成工程を実行する。この分離空間部形成工程により、芯材片部22と連結部23と分離空間部24とを有するが該分離空間部24に充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材16(以下「未充填芯材16A」と表記する)を製造する。
【0043】
この後、プレス装置29から未充填芯材16Aを引取ローラ31で引き取って貯溜部32に供給し、この貯溜部32に未充填芯材16Aが湾曲した状態で一時的に溜められる。貯溜部32には、溜められている未充填芯材16Aの長さ(貯溜量)が所定範囲内であることを確認するための位置センサ33(例えば、発光素子33aと受光素子33bとからなる光センサ)が配置され、この位置センサ33の出力に基づいて送出ローラ28、プレス装置29や引取ローラ31を駆動制御することで、貯溜部32に溜められている未充填芯材16Aの長さを所定範囲内に維持するようになっている。
【0044】
この貯溜部32に溜められた未充填芯材16Aを送出ローラ34(芯材送出手段)で長手方向に一定速度で連続して送り出して非着剤層形成装置35(非着剤層形成手段)に供給する。この非着剤層形成装置35は、非着剤塗布機36で未充填芯材16A(芯材片部22と連結部23)の表面に非着剤を塗布した後、乾燥機37で未充填芯材16Aの表面に塗布された非着剤を乾燥させて固化させることで、未充填芯材16Aの表面に非着剤層26(図4及び図5参照)を形成する非着剤層形成工程を実行する。
【0045】
尚、分離空間部形成工程の前に、非着剤層形成工程を実行して、芯材素材21の表面に非着剤層26を形成するようにしても良い。また、予め非着剤層26が形成された芯材素材21を入手して、非着剤層形成工程を省略するようにしても良い。
【0046】
この後、押出成形装置38(ポリマー材料充填手段)とレべリング装置40(追加充填手段)で、未充填芯材16Aが略平板状のときに未充填芯材16Aの分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填するポリマー材料充填工程を実行する。これにより、横断面を略U字形状に曲げ加工された後の芯材16の分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する場合に比べて、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を更に容易に充填できるようにしている。尚、充填用ポリマー材料P2としては、熱可塑性合成樹脂やゴムが挙げられる。
【0047】
押出成形装置38は、充填用ポリマー材料P2を押し出す押出型39を有し、この押出型39内に未充填芯材16Aを長手方向に連続して導入しながら、押出型39内に充填用ポリマー材料P2を供給して押出成形することで、未充填芯材16Aの分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うと共に、芯材片部22と連結部23を含む未充填芯材16Aの表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆する。
【0048】
これにより、図12に示すように、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を一次充填した芯材16(以下「一次充填芯材16B」と表記する)を製造する。この一次充填芯材16Bは、充填用ポリマー材料P2の成形収縮により分離空間部24に相当する部分の表面に凹状の“ひけ”が発生することがある。
【0049】
図12及び図13に示すように、レべリング装置40は、一対のレべリングローラ41,42が一次充填芯材16Bを上下方向に挟むように配置され、押出成形装置38から供給される一次充填芯材16Bの充填用ポリマー材料P2が流動可能な状態のとき(熱可塑性合成樹脂の場合は軟化点以上の温度のとき、ゴムの場合は未加硫のとき又は加硫完了前)に、押出成形装置38から供給される一次充填芯材16Bを一対のレべリングローラ41,42の間に挟んで加圧した状態で各ローラ41,42を回転駆動することで、各ローラ41,42で一次充填芯材16Bを引き取りながら、芯材片部22及び連結部23の表面の充填用ポリマー材料P2の厚さを前記加圧前の厚さよりも薄いフィルム状又はシート状にすると共に長手方向及び幅方向に強制的に流動させる。これにより、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填する二次充填(追加充填)を行うと共に、芯材16の表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体を被覆する充填用ポリマー材料P2の表面を平坦面にして、芯材片部22及び連結部23を被覆するフィルム状又はシート状の充填用ポリマー材料P2が芯材片部22及び連結部23の厚さ寸法を上回らない厚さ寸法(P2t)で且つ分離空間部24内に圧縮状態で充填された充填用ポリマー材料P2と連続するようにする。
【0050】
これにより、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填すると共に、表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆した芯材16(以下「充填芯材16C」と表記する)を製造する。その際、図13に示すように、充填芯材16C(芯材片部22)の幅方向の両端部から余剰の充填用ポリマー材料P3が不規則形状にはみ出すことがある。
【0051】
この後、トリミング装置43(トリミング手段)で、充填芯材16C(芯材片部22)の幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料P3をトリミングするトリミング工程を実行する。図14に示すように、トリミング装置43は、一対のトリミングローラ44,45が充填芯材16Cを上下方向に挟むように配置され、上側のトリミングローラ44の外周面には、充填芯材16Cの幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料P3をトリミングするための切断刃46が設けられ、下側のトリミングローラ45の外周面には、切断刃46に対応した刃受け溝47が設けられている。
【0052】
このトリミング装置43は、レべリング装置40から送り出される充填芯材16Cを一対のトリミングローラ44,45の間に挟んだ状態で各ローラ44,45を回転駆動することで、各ローラ44,45で充填芯材16Cを送り出しながら、充填芯材16Cの幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料P3を切断刃46でトリミングして除去する。その際、本実施例1では、充填芯材16C(芯材片部22)の幅方向の寸法よりも少し大きい幅寸法で余剰の充填用ポリマー材料P3をトリミングすることで、芯材片部22の幅方向の両端部が充填用ポリマー材料P2で被覆されるようにしている。これにより、芯材片部22の端部がウェザーストリップ13を突き破って外部に露出することを防止するようにしている。但し、上記の芯材片部22の露出の心配がないときには、芯材片部22の幅方向の両端に一致させてトリミングしても良い。
【0053】
この後、図9に示すように、充填用ポリマー材料P2が熱可塑性合成樹脂の場合には、トリミング装置43から送り出される充填芯材16Cを固化処理装置48に供給して、充填芯材16Cの充填用ポリマー材料P2を冷却して固化させることで、隣り合う芯材片部22の間に充填用ポリマー材料P2を確実に保持させる。一方、充填用ポリマー材料P2がゴムの場合には、トリミング装置43から送り出される充填芯材16Cを硬化処理装置48に供給して、充填芯材16Cの充填用ポリマー材料P2を加熱して加硫させて硬化させることで、隣り合う芯材片部22の間に充填用ポリマー材料P2を確実に保持させる。これにより、充填用ポリマー材料P2が充填された芯材16の製造が完了する。
【0054】
この後、固化処理装置48(又は硬化処理装置48)から芯材16を引取ローラ49で引き取って、芯材貯溜機51(図10参照)に供給する。
尚、充填用ポリマー材料P2が充填された芯材16を外部から入手する場合には、図9に示す芯材16の製造装置を省略して芯材16の製造工程を省略する。この場合、例えば、充填用ポリマー材料P2が充填された芯材16が巻き回されたアンコイラを配置し、このアンコイラから供給される芯材16を送出ローラで長手方向に連続して送り出して芯材貯溜機51(図10参照)に供給する。
【0055】
図10に示すように、芯材貯溜機51には、多数のローラ52が上下方向に交互に配置され、これらのローラ52によって芯材16がジグザグ状又は九十九折り状に湾曲した状態で一時的に溜められる。また、多数のローラ52のうちの一部のローラ52(例えば中央のローラ)が上下移動可能に設けられ、この上下移動可能なローラ52の上下方向の位置を調整することで、芯材貯溜機51に溜められている芯材16の長さ(貯溜量)を調整するようになっている。
【0056】
この芯材貯溜機51に溜められた芯材16を芯材冷間ロール成形装置53に供給し、この芯材冷間ロール成形装置53で、芯材16の横断面形状を所定の中間横断面形状(以下、横断面形状が中間横断面形状の芯材16を「芯材16D」と表記する。図15参照)に折り曲げ加工する中間成形工程を実行する。
【0057】
芯材冷間ロール成形装置53は、上下で一対をなす成形ローラ54,55が芯材16を上下方向に挟むように下流側に向けて複数配置され、最下流では、図15に示すように、成形ローラ54N,55Nの外周面に、芯材16を中間横断面形状(芯材16の横断面形状が最終横断面形状である略U字形状よりも拡開した形状)に折り曲げ加工するための成形面54Na,55Naが設けられている。この芯材冷間ロール成形装置53は、芯材貯溜機51から供給される芯材16を各成形ローラ54A〜N,55A〜Nで芯材16の横断面形状を徐々に変形させながら送り出して中間横断面形状に折り曲げ加工する。
【0058】
この後、中間横断面形状の芯材16Dを予熱機57に連続して供給し、この高周波加熱等を用いた予熱機57で中間横断面形状の芯材16Dを所定温度に予熱した状態で押出成形装置58に供給する。
【0059】
この押出成形装置58で、所定の中間横断面形状のウェザーストリップ13(以下、中間横断面形状のウェザーストリップ13を「ウェザーストリップ13A」と表記する。図16参照)を押出成形して、中間横断面形状のウェザーストリップ13Aの取付部14に中間横断面形状の芯材16Dを埋設する押出成形工程を実行する。図16に示すように、押出成形装置58は、ウェザーストリップ13を中間横断面形状(取付部14の横断面形状が最終横断面形状である略U字形状まで加工されていない、やや拡開した形状)で押出成形する押出成形型59を備え、この押出成形型59内に中間横断面形状の芯材16Dを長手方向に連続して供給しながら、押出成形型59内にトリム材成形用ポリマー材料P1と中空シール部成形用ポリマー材料をそれぞれ別々の供給口60,61から流動可能な状態で連続して供給して、中間横断面形状のウェザーストリップ13A(取付部14、中空シール部15等)を押出成形する。これにより、中間横断面形状の芯材16Dをトリム材成形用ポリマー材料P1で被覆して中間横断面形状のウェザーストリップ13Aの取付部14に中間横断面形状の芯材16Dを埋設する。
【0060】
この後、図10に示すように、トリム材成形用ポリマー材料P1と中空シール部成形用ポリマー材料がゴムの場合には、押出成形装置58から送り出される中間横断面形状のウェザーストリップ13Aを硬化処理装置62に供給する。この硬化処理装置62は、高周波加熱機63と熱風加熱機64でウェザーストリップ13Aを加熱してウェザーストリップ13A本体(押出成形装置58で押出成形された未加硫状態のゴム部分)を加硫させて硬化させる処理工程を実行して、ウェザーストリップ13A本体を速やかに加硫させて硬化させた後、冷却水槽65でウェザーストリップ13Aを冷却する。
【0061】
この際、例えば、トリム材成形用ポリマー材料P1と充填用ポリマー材料P2が両方ともEPDMを主体とするゴムの場合には、この処理工程で両者を接触部で一体的に加硫接合する。これにより、トリム材成形用ポリマー材料P1と充填用ポリマー材料P2をゴム同士の加硫接合により強固に接合して一体化することができる。
【0062】
また、トリム材成形用ポリマー材料P1がEPDMを主体とするゴムで、充填用ポリマー材料P2がオレフィン系の熱可塑性合成樹脂の場合には、押出成形工程や処理工程で両者を接触部で一体的に熱融着により接合する。これにより、トリム材成形用ポリマー材料P1と充填用ポリマー材料P2をゴムと樹脂の熱融着により強固に接合して一体化することができる。
【0063】
一方、トリム材成形用ポリマー材料P1と中空シール部成形用ポリマー材料が熱可塑性合成樹脂の場合には、高周波加熱機63と熱風加熱機64を省略して、押出成形装置58から送り出される中間横断面形状のウェザーストリップ13Aを冷却水槽65で冷却してウェザーストリップ13A本体(押出成形装置58で押出成形された未固化状態の樹脂部分)を固化させる処理工程を実行して、ウェザーストリップ13A本体を速やかに冷却固化させる。
【0064】
この際、例えば、トリム材成形用ポリマー材料P1と充填用ポリマー材料P2が両方ともオレフィン系の熱可塑性合成樹脂の場合には、押出成形工程で両者を接触部で一体的に熱融着により接合する。これにより、トリム材成形用ポリマー材料P1と充填用ポリマー材料P2を樹脂同士の熱融着により強固に接合して一体化することができる。
【0065】
この後、図11に示すように、中間横断面形状のウェザーストリップ13Aをトリム材後冷間ロール成形装置66に供給し、このトリム材後冷間ロール成形装置66で、中間横断面形状のウェザーストリップ13Aを最終横断面形状(図1参照)に成形する最終成形工程を実行する。
【0066】
トリム材後冷間ロール成形装置66は、上下で一対をなす上下成形ローラ67がウェザーストリップ13Aの取付部14を上下方向に挟むように下流側に向かって複数配置され、これらの上下成形ローラ67の下流側に、左右で一対をなす左右成形ローラ68がウェザーストリップ13Aの取付部14を左右方向(横方向)から挟むように配置されている。このトリム材後冷間ロール成形装置66は、中間横断面形状のウェザーストリップ13Aを上下成形ローラ67と左右成形ローラ68で中間横断面形状のウェザーストリップ13Aを該ウェザーストリップ13Aに埋設された中間横断面形状の芯材16Dと共に徐々に変形させて最終横断面形状(取付部14と芯材16の横断面形状が共に略U字形状となる形状)に成形しながら送り出す。これにより、最終横断面形状のウェザーストリップ13を効率良く形成することができる。
【0067】
この後、トリム材後冷間ロール成形装置66から連続して送り出される最終横断面形状のウェザーストリップ13を引取機69で引き取りながら切断機70に供給し、この切断機70から下流側に所定間隔だけ離れて配置された位置センサ71でウェザーストリップ13の先端部を検出する毎に切断機70でウェザーストリップ13を切断することで、ウェザーストリップ13を所定の長さ寸法で切断する。これにより、芯材16が埋設されたウェザーストリップ13の製造が完了する。
【0068】
以上説明した本実施例1では、芯材16の分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填すると共に、芯材16の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしたので、ウェザーストリップ13を成形する際に、トリム材成形用ポリマー材料P1のうちの芯材片部22及び連結部23を被覆する部分と充填用ポリマー材料P2が充填された分離空間部24を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法(P1t)をほぼ同じにすることができて、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ方向の成形収縮量の差をほぼ無くすことができ、ウェザーストリップ13の取付部14の表面に凹マークが発生することを防止することができる。
【0069】
しかも、芯材16を被覆するトリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法(P1t)を厚くする必要がなく、芯材16を被覆するトリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法を薄くしても(典型的には芯材16の厚さ寸法(t)の3倍以下にしても)、ウェザーストリップ13の取付部14の表面に凹マークが発生することを防止することができるため、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ(P1t)を従来よりも薄くして、これにより使用量を少なくして、ウェザーストリップ13の軽量化と低コスト化の要求を満たすことができる。
【0070】
また、充填用ポリマー材料P2は、強度や性能面で新品材料(バージン材料)よりも劣るものの価格が安い材料(例えば、リサイクル材料や廃棄用材料等)を廉価で使用することができるため、使用材料の有効活用範囲が広くなる。
【0071】
更に、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を予め充填するため、芯材片部22の間に空隙(微小な空間)が残存することが少なくなる。これにより、ウェザーストリップ13の製造過程における温度変化(例えば、トリム材成形用ポリマー材料P1の加熱硬化処理時や冷却固化処理時の温度変化等)や、ウェザーストリップ13の製造完了後の温度変化(例えば、車両に装着された後の温度変化等)による空隙の膨張や収縮に伴うウェザーストリップ13の取付部14の表面変形を防止することができる。
【実施例2】
【0072】
次に、図17を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。尚、図17では、説明の便宜上、芯材16(16A〜16C)や充填用ポリマー材料P2等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0073】
前記実施例1では、押出成形装置38で、未充填芯材16Aの分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うようにしたが、本実施例2では、図17に示すように、圧着ローラ装置72(ポリマー材料充填手段)で、未充填芯材16Aの長手方向に沿ってテープ状の充填用ポリマー材料P2を圧接させることで、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うようにしている。
【0074】
図17に示すように、圧着ローラ装置72は、一対の圧着ローラ73,74が未充填芯材16Aを上下方向に挟むように配置され、この圧着ローラ装置72の上流側に、未充填芯材16Aを所定温度(充填用ポリマー材料P2が流動可能な状態になる温度)に加熱する加熱機75が配置されている。更に、圧着ローラ装置72の上方と下方には、それぞれテープ状の充填用ポリマー材料P2が巻き回されたアンコイラ76,77が配置されている。
【0075】
圧着ローラ装置72は、上側のアンコイラ76から供給されるテープ状の充填用ポリマー材料P2と、加熱機75から供給される加熱された未充填芯材16Aと、下側のアンコイラ77から供給されるテープ状の充填用ポリマー材料P2を、一対の圧着ローラ73,74の間に挟んで加圧した状態で各ローラ73,74を回転駆動することで、各ローラ73,74で未充填芯材16Aとテープ状の充填用ポリマー材料P2を引き取りながら、未充填芯材16Aの長手方向に沿ってテープ状の充填用ポリマー材料P2を圧接させる。これにより、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うと共に、芯材片部22と連結部23を含む未充填芯材16Aの表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆する。
【0076】
以上説明した本実施例2においても、芯材16の分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を能率良く充填することができる。
【実施例3】
【0077】
次に、図18を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。尚、図18では、説明の便宜上、芯材16(16B,16C)や充填用ポリマー材料P2等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0078】
上記各実施例1,2では、芯材16の表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしたが、本実施例3では、図18に示すように、レべリング装置78を用いることで、芯材16の主に片側(例えばウェザーストリップ13の外表面側)の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしている。
【0079】
図18に示すように、レべリング装置78は、一対のレべリングローラ79,80が一次充填芯材16Bを上下方向に挟むように配置され、下側のレべリングローラ80の外周面には、一次充填芯材16Bが嵌まり込む芯材用凹溝81が設けられ、上側のレべリングローラ79の外周面には、一次充填芯材16Bの主に片側(例えばウェザーストリップ13の外表面側)の表面に充填用ポリマー材料P2を流れ込ませるためのポリマー材料用凹溝82が設けられている。また、ポリマー材料用凹溝82の両端部には、充填芯材16C(芯材片部22)の幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料P3が流れ込む余剰ポリマー材料用凹溝83が設けられている。
【0080】
レべリング装置78は、供給される一次充填芯材16Bを一対のレべリングローラ79,80の間に挟んで加圧した状態で各ローラ79,80を回転駆動することで、一次充填芯材16Bの充填用ポリマー材料P2が流動可能な状態のときに各ローラ79,80で一次充填芯材16Bを引き取りながら、芯材片部22及び連結部23の表面の充填用ポリマー材料P2を長手方向及び幅方向に流動させて、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填する二次充填(追加充填)を行うと共に、一次充填芯材16Bの主に片側(例えばウェザーストリップ13の外表面側)の表面に充填用ポリマー材料P2を流れ込ませて、芯材16の主に片側(例えばウェザーストリップ13の外表面側)の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆する。
【0081】
以上説明した本実施例3においても、ウェザーストリップ13の取付部14の表面に凹マークが発生することを防止することができる。
【実施例4】
【0082】
次に、図19乃至図22を用いて本発明の実施例4を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。尚、図21及び図22では、説明の便宜上、芯材素材84や芯材90等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0083】
前記実施例1では、略帯板状の芯材素材21を打ち抜き加工して分離空間部24に相当する部分を除去することで、芯材片部22と連結部23と分離空間部24とを有する芯材16(充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材)を製造するようにしたが、本実施例4では、まず、図19に示すように、スリット形成装置(図示せず)により略帯板状の芯材素材84のうちの連結部88(図20参照)になる部分85を残すように幅方向に延びる複数本のスリット86を長手方向に所定間隔で形成した後、後述する圧延ローラ装置91(分離空間部形成手段)で、芯材素材84のうちの連結部88になる部分85を長手方向に圧延して伸長させると共にスリット86を長手方向に拡大することで、図20に示すように、芯材片部87と連結部88と分離空間部89とを有する芯材90(充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材)を製造するようにしている。この実施例4では、実施例1のプレス装置29に代えてスリット形成装置(図示せず)を用いると共に、引取ローラ31に代えて圧延ローラ装置91を用いることになる。
【0084】
図21及び図22に示すように、圧延ローラ装置91は、一対の圧延ローラ92,93が芯材素材84を上下方向に挟むように配置され、各ローラ92,93の外周面には、それぞれ芯材素材84のうちの連結部88になる部分85を長手方向に圧延して伸長させるための環状凸部94,95が設けられている。本実施例4では、芯材素材84のうちの連結部88になる部分85を圧延前の厚さ寸法(芯材素材84の厚さ寸法t)の例えば90〜50%の厚さ寸法t1まで圧延して薄肉化するように各環状凸部94,95の間の隙間寸法が設定されている。
【0085】
この圧延ローラ装置91は、スリット86が形成された芯材素材84を一対の圧延ローラ92,93の間に挟んで加圧した状態で各ローラ92,93を回転駆動することで、各ローラ92,93で芯材素材84を送り出しながら、芯材素材84のうちの連結部88になる部分85を環状凸部94,95で長手方向に圧延して伸長させると共にスリット86を長手方向に拡大する。その際、連結部88になる部分85と芯材片部87になる部分の一部を幅方向に僅かに圧延する。これにより、図20に示すように、芯材片部87と連結部88と分離空間部89とを有する芯材90(充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材)を製造する。
【0086】
以上説明した本実施例4においても、芯材片部87と連結部88と分離空間部89とを有する芯材90(充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材)を能率良く製造することができる。
【0087】
本実施例4の芯材90を用いる場合、芯材90の表裏両側の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしても良いし、芯材90の主に片側の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしても良い。また、芯材90のうちの圧延された薄肉部分のみを充填用ポリマー材料P2で被覆して、この圧延された部分を被覆する充填用ポリマー材料P2が分離空間部89内に充填された充填用ポリマー材料P2と連続しているようにしても良い。このようにしても、圧延された部分を被覆する充填用ポリマー材料P2で各分離空間部89内に充填された充填用ポリマー材料P2同士を連結することができ、分離空間部89内に充填された充填用ポリマー材料P2を芯材90に安定して保持させることができる。
【0088】
また、上記各実施例1〜3では、ウェザーストリップ13を押出成形して取付部14に芯材16が埋設された後も連結部23により芯材片部22が長手方向に連結されているが、本実施例4の芯材90を用いる場合、ウェザーストリップ13を押出成形して取付部14に芯材90を埋設した後に連結部88を破断して芯材片部87を長手方向に分離するようにしても良い。この場合、図11に示すように、トリム材冷間ロール成形装置66と引取機69との間に、連結部破断機96を配置し、この連結部破断機96に設けられた多数の破断ローラ97でウェザーストリップ13を比較的小さい曲率半径で湾曲させてウェザーストリップ13を長手方向に強制的に伸長させることで、芯材90の連結部88に限界伸びを越える伸びを発生させて連結部88を破断して芯材片部87を長手方向に分離する。これにより、図1に示すウェザーストリップ13の軸線を紙面上で左右方向にも曲げることが容易にできて、ウェザーストリップ13の曲げ性を更に向上させることができる。
【0089】
尚、上記各実施例1〜4では、芯材16の両側又は片側の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしたが、図23に示す他の実施例のように、芯材16の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆せずに、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填するようにしても良い。この場合、分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2が芯材片部22の厚さ寸法tとほぼ同じ厚さ寸法となるようにしても良いが、分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2が芯材片部22の厚さ寸法よりも少し薄くなっても良い。この場合でも、ウェザーストリップ13を成形する際にトリム材成形用ポリマー材料P1のうちの芯材片部22及び連結部23を被覆する部分と充填用ポリマー材料P2が充填された分離空間部24を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法の差を小さくすることができて、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ方向の成形収縮量の差を小さくすることができ、ウェザーストリップ13の表面に凹マークが発生することを防止することができる。
【0090】
また、上記各実施例1〜4では、分離空間部形成工程で、芯材片部と連結部と分離空間部とを有する芯材を製造するようにしたが、分離空間部形成工程を省略して、予め芯材片部と連結部と分離空間部とを有する芯材を入手して、ポリマー材料充填工程を実行するようにしても良い。この場合、芯材の製造装置は、プレス装置29や圧延ローラ装置91等の分離空間部形成手段を省略した構成にしても良い。
【0091】
また、芯材の分離空間部に充填用ポリマー材料を充填する方法は、適宜変更しても良く、例えば、芯材素材の少なくとも片側の表面に充填用ポリマー材料がシート状で長手方向に連続的に積層された芯材素材を入手して、或は、芯材素材の少なくとも片側の表面に充填用ポリマー材料をシート状で長手方向に連続的に積層する積層工程を実行し、シート状の充填用ポリマー材料が積層された芯材素材に芯材片部と連結部と分離空間部とを形成した後、シート状の充填用ポリマー材料に厚さ方向の圧縮力を加えることで該シート状の充填用ポリマー材料を芯材片部の位置から流動させて分離空間部内に充填するようにしても良い。このようにしても、本発明のウェザーストリップに埋設する芯材を容易に製造することができる。
【0092】
また、分離空間部が形成された芯材をゾル状の充填用ポリマー材料の中に浸漬させた後にドクターナイフで余剰部分を除去することで、分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにしても、分離空間部内に充填用ポリマー材料を能率良く充填することができる。
【0093】
また、芯材素材は、硬質の板状熱可塑性合成樹脂を用いるようにしても良い。樹脂製の芯材を埋設したトリム材は、使用後のリサイクル時に芯材を選別して処理する必要がなく、使用後のリサイクルが容易である。この場合、芯材接合機50(図9参照)として、熱融着機又は接合接着テープ貼着機等を用い、芯材素材の長手方向の終端部と始端部とを熱融着又は接合接着テープ等で接続して連続させる。
【0094】
また、本発明のウェザーストリップに埋設する芯材は、必ずしも分離空間部の幅方向の全体に充填用ポリマー材料を充填する必要はなく、分離空間部の幅方向の一部(例えば、図1におけるウェザーストリップ13のうちの外部から視認される部分に相当する部分)に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにすれば、充填用ポリマー材料の使用量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施例1におけるウェザーストリップの断面図である。
【図2】実施例1のポリマー材料充填前の芯材の平面図である。
【図3】実施例1の変形例におけるポリマー材料充填前の芯材の幅方向の一端部の拡大平面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】図2のB−B断面図である。
【図6】実施例1のポリマー材料充填後の芯材の幅方向の断面図である。
【図7】実施例1のポリマー材料充填後の芯材の長手方向の断面図である。
【図8】実施例1のウェザーストリップの一部を模式的に示す図である。
【図9】実施例1のウェザーストリップの製造装置の概略構成図(その1)である。
【図10】実施例1のウェザーストリップの製造装置の図9に連続する概略構成図(その2)である。
【図11】実施例1のウェザーストリップの製造装置の図10に連続する概略構成図(その3)である。
【図12】実施例1のレべリング装置の側面図である。
【図13】図12のC−C断面図である。
【図14】実施例1のトリミング装置の断面図である。
【図15】実施例1の芯材冷間ロール成形装置の上下成形ローラ部分の断面図である。
【図16】実施例1の押出成形装置の押出成形型の出口側の断面図である。
【図17】実施例2の圧着ローラ装置及びその周辺部の側面図である。
【図18】実施例3のレべリング装置の断面図である。
【図19】実施例4のスリット形成後の芯材素材の平面図である。
【図20】実施例4のポリマー材料充填前の芯材の平面図である。
【図21】実施例4の圧延ローラ装置の側面図である。
【図22】図21のD−D断面図である。
【図23】その他の実施例のウェザーストリップの一部を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0096】
13…ウェザーストリップ(トリム材)、16…芯材、21…芯材素材、22…芯材片部、23…連結部、24…分離空間部、29…プレス装置、38…押出成形装置、40…レべリング装置、43…トリミング装置、53…芯材冷間ロール成形装置、58…押出成形装置、59…押出成形型、62…硬化処理装置、66…トリム材後冷間ロール成形装置、70…切断機、72…圧着ローラ装置、78…レべリング装置、84…芯材素材、86…スリット、87…芯材片部、88…連結部、89…分離空間部、90…芯材、91…圧延ローラ装置、P1…トリム材成形用ポリマー材料、P2…充填用ポリマー材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、少なくともトリム材に埋設される前に前記複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを有する補強用の芯材を、トリム材成形用ポリマー材料で被覆することで、該芯材を埋設して一体化した長尺なトリム材であって、
前記芯材の分離空間部内に、前記隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に前記芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つ前記トリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料が充填されて前記隣り合う芯材片部の間に前記充填用ポリマー材料が保持されていることで、前記トリム材成形用ポリマー材料と前記充填用ポリマー材料とが接触部で一体的に接合されていると共に、前記トリム材成形用ポリマー材料のうちの前記芯材片部及び前記連結部を被覆する部分と前記充填用ポリマー材料が充填された分離空間部を被覆する部分との間で該トリム材成形用ポリマー材料の厚さ方向の成形収縮量の差を小さくするか又は無くすようにしたことを特徴とするトリム材。
【請求項2】
横断面が略U字形状の取付部を有し、該略U字形状の取付部を被装着体に被せて該取付部で該被装着体を両側から挟むことで該被装着体に固定されることを特徴とする請求項1に記載のトリム材。
【請求項3】
前記略U字形状の取付部の内周面には、内側に向けて突出する弾性変形可能な保持リップが一体的に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のトリム材。
【請求項4】
前記芯材は、該トリム材に埋設された後も前記連結部により前記芯材片部が長手方向に連結されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトリム材。
【請求項5】
前記芯材は、該トリム材に埋設された後に前記連結部が破断されて前記芯材片部が長手方向に分離されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトリム材。
【請求項6】
前記トリム材成形用ポリマー材料と前記充填用ポリマー材料が両方ともエチレン・プロピレン・ジエンゴムを主体とする弾性変形可能なゴムであり、両者が接触部で加硫接合されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトリム材。
【請求項7】
前記トリム材成形用ポリマー材料がエチレン・プロピレン・ジエンゴムを主体とする弾性変形可能なゴムであり、前記充填用ポリマー材料がオレフィン系の弾性変形可能な熱可塑性合成樹脂であり、両者が接触部で熱融着により接合されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトリム材。
【請求項8】
前記トリム材成形用ポリマー材料と前記充填用ポリマー材料が両方ともオレフィン系の弾性変形可能な熱可塑性合成樹脂であり、両者が接触部で熱融着により接合されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトリム材。
【請求項9】
長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、少なくともトリム材に埋設される前に前記複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを有する補強用の芯材を、トリム材成形用ポリマー材料で被覆することで、該芯材を埋設して一体化した長尺なトリム材を製造する方法であって、
前記芯材は、前記分離空間部内に、前記隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に前記芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つ前記トリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料が充填されて前記隣り合う芯材片部の間に前記充填用ポリマー材料が保持されたものを用い、
所定の横断面形状のトリム材本体を成形する押出成形型に前記芯材を長手方向に連続して供給しながら、該押出成形型に前記トリム材成形用ポリマー材料を流動可能な状態で連続して供給して前記トリム材本体を押出成形することで、前記芯材を前記トリム材成形用ポリマー材料で被覆して前記トリム材本体に前記芯材を埋設する押出成形工程と、
前記押出成形工程後に前記トリム材成形用ポリマー材料で成形された前記トリム材本体を硬化又は固化させる処理工程とを含み、
前記押出成形工程及び/又は前記処理工程において、前記トリム材成形用ポリマー材料と前記充填用ポリマー材料とを接触部で一体的に接合することを特徴とするトリム材の製造方法。
【請求項10】
前記トリム材成形用ポリマー材料がゴムの場合には、前記処理工程において、前記トリム材本体を加熱して加硫させて硬化させることを特徴とする請求項9に記載のトリム材の製造方法。
【請求項11】
前記トリム材成形用ポリマー材料が熱可塑性合成樹脂の場合には、前記処理工程において、前記トリム材本体を冷却して固化させることを特徴とする請求項9に記載のトリム材の製造方法。
【請求項12】
前記処理工程後に前記トリム材本体を該トリム材本体に埋設された芯材と共に所定の最終横断面形状に成形する最終成形工程を含むことを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載のトリム材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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