説明

トルテロジンの調節された開放性製剤

本発明は、少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤及び少なくとも2種の多微粒子集団(個々の集団がトルテロジン又はその塩を有し、そしてその集団の比が重量に基づいて90:10〜10:90である)を含んで成り、40℃及び75%の相対湿度での1ヶ月間の貯蔵の後、4時間での溶解プロフィール間の差異が、製造の時点での溶解プロフィールに比較して、約5%以下である、トルテロジンの安定した多微粒子医薬組成物を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、調節された開放性のトルテロジン(tolterodinc)製剤及びその調製方法を包含する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
最近見出されたムスカリン性受容体アンタゴニストの1つは、トルテロジン、(R)−N, N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパンアミンである。トルテロジン及びその主要代謝物、5−ヒドロキシ誘導体及びそれらの医薬的に許容できる塩は、活性的であることは明白である。トルテロジンの重要な化合物は、そのL−酒石酸塩形である。トルテロジンの化学構造は下記に示される:
【0003】
【化1】

【0004】
トルテロジンL−タルトレートは現在、Pharmacia(現在、Pfizerの一部)により、商品名Detrol(商標)又はDetrositol(商標)として多くの国において市販されている。アメリカ特許第6,911,217号は、トルテロジンの1つの製剤を開示し、そしてその製剤は3層に被覆された多微粒子から構成されることが理解されている。その多微粒子は、(i)水膨潤性又は水不溶性不活性材料のコアー単位;(ii)実質的に水不溶性のポリマーのコアー上の第1層;(iii)前記第1層を被覆し、そして活性成分を含む第2層;及び(iv)活性成分の調節された開放のために効果的な第2層上のポリマーの第3層を包含する。前記第1層はたぶん、コアー中への水の浸入を調節するよう適合されている。
【0005】
アメリカ特許第6,911,217号は、そのような調節された開放性の多微粒子の調製方法を開示する。第2層は、活性成分及び結合剤の希釈された溶液から適用され;これは比較的長い被覆工程を必要とすると思われる。さらに、第3層は疎水性ポリマーの水性分散体であり、そしてこの適用は典型的には、生成工程をさらに長くする追加の硬化段階を必要とする。
【0006】
アメリカ特許第6,911,217号の例において、第1及び第3層のために適用されるエチルセルロース水性分散体は、Surelease(商標)である。Surelease(商標)は、アンモニア処理された水において安定剤としてオレイン酸を含む市販の分散体である。従って、この工程においては、オレイン酸アンモニウムが形成し、そして活性成分の所望しない移動/複合体化をもたらす最終被膜に存在する。そのような相互作用は、高温での長い硬化期間下で支配され得る。
【0007】
PCT公開番号WO04/105735号は、1又は複数の被覆された単位を包含する、トルテロジンの調節された開放性医薬組成物を開示する。個々の単位は、コアー、第1層及び第2層を有する。第1層はコアーを取り囲み、そしてトルテロジン及び1又は複数の親水性ポリマーを包含する。第2層は、第1層からのトルテロジンの調節された開放のための効果的な1又は複数のポリマーを包含する。
【0008】
調節された開放性の投与形は、異なった生成バッチにおいて調製された用量単位間で一致した薬物開放性、及び最終生成物の十分な保存期間を有する必要がある。そのような開放安定性の必要条件は、Good Manufacturing Practices (GMPs), The United State Pharmacopoeia (USP), in New Drug Applications (NDAs) 及び Investigational New Drug applications (INDs)に示されている。
【0009】
アメリカ公開番号第2003/152,624号は、国際特許公開番号WO00/27364号に記載される組成物が所望しない薬物開放変動性を示すことが思いがけなく発見されたことを言及している。アメリカ公開番号第2003/152,624号及びWO00/27364号は、Pharmacia Co.に譲渡されている。さらに、アメリカ特許第6,911,217号は、WO00/27364号から発行されたその対応するアメリカ特許の1つである。
【0010】
アメリカ公開番号第2003/152,624号は、改良された薬物開放性質を有する調節された開放投与形を開示する。調節された開放性の製剤は、活性薬物としてトルテロジン又はトルテロジン関連化合物の用量単位、及び製造の時点で特定の経時分布を有する、医薬的に許容できるポリマー基材の調節成分を含む。用量単位の製造の時点での開放調節成分の経時分布は、次の通りである:多くの用量単位のランダムサンプリング及びお互いのインビトロ溶解性の個々の試験に基づいて、3時間後の薬物開放性は、目標の15%以下、変化する。
【0011】
上記バックグラウンドに基づいて、調節され、延長された用量でトルテロジンを供給できる、調節された開放性の医薬組成物についての必要性が存在することが、当業者により理解されるであろう。同時に、組成物は、保存安定性により基準が決定され、そしてより短く且つ/又はより少ない積層段階を包含する単純な工程を用いることにより配合されるべきである。明らかに、所望しない薬物開放変動性を増強するポリマー水性(水)分散体の使用は、回避されるべきである。
【発明の開示】
【0012】
発明の要約
本発明の1つの態様は、少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤及び少なくとも2種の多微粒子集団(個々の集団がトルテロジン又はその塩を有し、そしてその集団の比が重量に基づいて90:10〜10:90である)を含んで成り、40℃及び75%の相対湿度での1ヶ月間の貯蔵の後、4時間での溶解プロフィール間の差異が、製造の時点での溶解プロフィールに比較して、約5%以下である、トルテロジンの安定した多微粒子医薬組成物を包含する。前記集団は、水溶性球状コアーを有する第1の多微粒子集団、及び不溶性且つ/又は膨潤性球状コアーを有する第2の多微粒子集団を含んで成る。
【0013】
安定した多微粒子医薬製剤においては、2種の集団の比は、重量に基づいて、約90:10〜10:90、及び好ましくは約20:80〜80:20である。コアーは形状化された球体であり、そして約0.3mm〜約1mmの直径を有し、そして好ましくは、コアーは形状化された球体であり、そして約0.4mm〜約0.8mmの直径を有する。
【0014】
水溶性球状コアーは好ましくは、糖球状コアーである。不溶性及び/又は膨潤性球状コアーは好ましくは、セルロース球状コアーである。製剤においては、糖球状コアー:セルロース球状コアーの比は、重量に基づいて1:1〜2:1である。
【0015】
多微粒子の第1又は第2集団においては、個々の微粒子は、薬物含有層及び調節解放層を有するコアーを有し、ここで薬物含有層が前記コアーを取り囲み、そしてi)トルテロジン及び/又はその代謝物又は医薬的に許容できる塩、及びii)少なくとも1つの親水性ポリマー結合剤を有し;そして前記調節開放層が前記薬物含有層を取り囲み、そして少なくとも1つの延長された開放材料及び少なくとも1つの開放変性材料を有する。好ましくは、トルテロジン塩は、トルテロジンL−酒石酸塩である。
【0016】
安定した多微粒子医薬製剤はさらに、コアーと薬物含有層との間に水溶性ポリマー被膜を含んで成る。任意には、調節開放層はさらに、可塑剤を含んで成る。トルテロジン:親水性ポリマー結合剤の比は、重量に基づいて約1:2〜5:1である。ドルテロジンは微粉砕され、そして粒度分布を有し、ここでd(0.9)値が約80μm以下か又はそれに等しく、そして好ましくはドルテロジンは微粉砕され、そして粒度分布を有し、ここでd(0.9)値が約50μm以下か又はそれに等しい。
【0017】
安定した多微粒子医薬製剤においては、親水性ポリマー結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。薬物含有層は、約1〜約10重量%の最終微粒子を含んで成る。延長された開放性材料:前記開放性変性材料の比は、重量に基づいて約6:1〜約1.5:1である。延長された開放性材料は、エチルセルロース又はポリメタクリレートポリマー、例えば約7cPs〜約50cPsの粘度を有するエチルセルロースであり得る。
【0018】
開放変性材料は、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば約3cPs〜約6cPsの粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースであり得る。
安定した多微粒子医薬製剤においては、延長された開放性材料及び前記開放変性材料:可塑剤の比は、重量に基づいて約25:1〜約10:1である。安定した多微粒子医薬製剤においては、調節開放性層は、約4〜約30重量%の最終多微粒子を含んで成り、そして好ましくは調節開放性層は、約6〜約25重量%の最終多微粒子を含んで成る。
【0019】
本発明のもう1つの態様は、少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤及び少なくとも2種の多微粒子集団を混合することを含んで成る、トルテロジンの安定した多微粒子医薬組成物の調製方法を包含し、ここで個々の集団はトルテロジン又はその塩を有し、そして個々の集団は、製造の時点で同じ集団に比較して、40℃及び75%の相対湿度での1ヶ月の貯蔵の後、約5%以上、変動する、4時間で取られるトルテロジン溶解プロフィールを有し、結果的に、40℃及び75%の相対湿度での1ヶ月の貯蔵の後、4時間での医薬組成物の溶解プロフィール間の差異が、製造の時点での溶解プロフィールに比較して、約5%以下である、安定した多微粒子医薬組成物が得られる。前記集団は、水溶性球状コアーを有する第1の多微粒子集団、及び不溶性且つ/又は膨潤性球状コアーを有する第2の多微粒子集団を含んで成る。
【0020】
1つの特定の態様においては、多微粒子は、水溶性球体及び不溶性且つ/又は膨潤性球体の約10:90〜約90:10の比(重量による)での組合せを含んで成る少なくとも1つのコアーを供給し;前記コアーに、薬物含有材料を、薬物含有層を形成するのに十分な量で適用し、薬物含有層を有するコアーを形成し、そして前記薬物含有層に、調節開放性材料を、調節開放性層を形成するのに十分な量で適用することにより調製され、ここで前記薬物含有材料が、i)少なくとも1つの抗ムスカリン性アンタゴニスト、及びii)少なくとも1つの親水性ポリマー結合剤を含んで成り;そして前記調節開放性材料が少なくとも1つの延長された開放性ポリマー及び少なくとも1つの開放性変性ポリマーを含んで成る。任意には、前記方法は、薬物含有材料を前記コアーに適用した後、乾燥段階を包含する。
【0021】
第1の適用段階は、Wursterカラムを備えた流動層装置中に前記コアーを充填し、そして薬物含有材料の被膜を適用し、薬物含有層を形成することを含んで成る。薬物含有材料は、精製水に親水性ポリマー結合剤を溶解し、溶液を形成し、そして次に、前記溶液とトルテロジンとを混合し、均質分散体を形成することにより調製された分散体である。
【0022】
第2の適用段階は、薬物含有層を有する前記コアーを、Wurster流動層中に充填し、そして少なくとも1つの延長された開放性ポリマー及び少なくとも1つの開放性変性ポリマーの調節解放性材料を適用することを含んで成る。調節開放性材料は、エタノールに溶解されたエチルセルロースの第1溶液及び精製水に溶解されたヒドロキシプロピルメチルセルロースの第2溶液の2種の別々の溶液を混合することにより調製される。調節開放性材料は、エタノールにおいてヒドロキシプロピルメチルセルロース及びエチルセルロースを混合することにより調製される。
【0023】
本発明のさらなるもう1つの態様は、トルテロジン及び少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤をそれぞれ有する、多微粒子の第1及び第2集団の組合せを含んで成る、再生可能溶解プロフィールを有するトルテロジンの多微粒子医薬組成物を包含し、ここで4時間で測定される医薬組成物集団の第1バッチ又はロットの溶解プロフィールは、医薬組成物の続くロット又はバッチの溶解プロフィールとは、5%以下異なる。
【0024】
本発明の1つの態様は、a)異なった溶解プロフィールを有する多微粒子の少なくとも2種の集団を調製し、ここで溶解プロフィールの差異は、4時間の溶解で5%以上であり、そして12時間の溶解で10%以上であり;b)個々の集団の溶解プロフィールを特徴づけ;そしてc)個々の集団の計量された部分を混合し、再生可能溶解プロフィールを有する医薬組成物を入手することを含んで成る、4時間以上の再生可能溶解プロフィールを有するトルテロジンの多微粒子医薬組成物の調製方法を包含する。本発明のもう1つの態様は、多数のトルテロジン含有多微粒子を投与単位中に組合すことを含んで成るトルテロジン製剤の調製方法を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
発明の特定の記載
本発明は、安定しており、そして/又は再生可能溶解プロフィールを有する、トルテロジンの多微粒子医薬製剤、及びその製造方法を包含する。薬物開放速度は、種々の配合パラメーター、例えば材料選択を変えることにより調節され得る。例えば、第1層におけるコアー材料、親水性ポリマー結合剤の賢明な選択、及び/又は第2層における延長された開放性ポリマー又は開放変性ポリマーの選択が、多微粒子集団の薬物解放速度及び溶解プロフィールを調節するために使用され得る。例えば、本発明は、異なった溶解プロフィールを有する多微粒子の少なくとも2つの集団を用いることにより、延長された時間、特定の薬物を供給できる再生可能溶解プロフィールを有する多微粒子医薬組成物を生成する。また、本発明は、不安定性溶解プロフィールを有する多微粒子の少なくとも2つの集団を含んで成る、トルテロジンの安定した多微粒子医薬組成物を包含する。
【0026】
本明細書において使用される場合、製剤を言及する場合、用語“安定した溶解プロフィール”とは、40℃及び75%の相対温度での1ヶ月間の貯蔵の後、4時間での医薬組成物の溶解プロフィールの差異が、製造の時点での溶解プロフィールに比較して、約5%以下であることを意味する。
【0027】
本明細書において使用される場合、製剤を言及する場合、用語“不安定性溶解プロフィール”とは、40℃及び75%の相対温度で1ヶ月間、貯蔵された医薬製剤の4時間で取られる溶解プロフィールと、製造の時点で取られる同じ製剤の溶解プロフィールとを比較する場合、その差異が約5%以上であることを意味する。
【0028】
本明細書において使用される場合、製剤を言及する場合、用語“再生可能溶解プロフィール”とは、4時間で測定される第1バッチ又はロットの溶解プロフィールと、医薬製剤の他のロット又はバッチの溶解プロフィールとの間の差異が5%以下であることを意味する。
【0029】
本明細書において使用される場合、用語“製造の時点”とは、当業者が通常の業務の間に決定される場合、医薬製剤の製造の完結及び容易な使用を考慮する時点を意味する。この用語はまた、“時間ゼロ”としても言及され得る。
【0030】
上記に論じられる溶解プロフィールは、USP溶解試薬装置I(バスケット)を用いて、及び800mlの溶液(0〜12時間にわたって試験する場合)又は900mlの溶液(0〜14時間にわたって試験する場合)を用いて、pH6.8の0.05Mのリン酸緩衝液において37℃で製剤又は多微粒子集団を溶解することにより決定される。
【0031】
トルテロジンの安定した多微粒子医薬組成物は、少なくとも2つの多微粒子集団を含んで成り、ここで個々の集団はトルテロジン又はその塩を有し、そして個々の集団は不安定性溶解プロフィールを有する。
【0032】
特に、本発明は、コアー及び2又はそれ以上の被膜を有する、トルテロジンL−酒石酸塩含有多微粒子の安定した製剤、及びその調製方法を包含する。個々の多微粒子は、少なくとも1つのコアー、第1層(トルテロジン含有層)、及び第2層(調節開放層)を含む。本発明の製剤は、上記保存期間でのインビトロ溶解安定性問題を克服する。
【0033】
1つの態様においては、コアーを取囲む第1層、すなわちトルテロジン含有層は、トルテロジン及び親水性ポリマー結合剤を含む。第1層を取囲む第2層、すなわち調節開放層は、第1層からのトルテロジンの解放を調節するために効果的である1又は複数のポリマーを含む。本明細書において使用される場合、特に断らない限り、被膜に適用される場合、用語“取囲む”とは、コアー又は被覆されたコアーを一部又は完全に取囲む被膜を言及する。任意には、調節開放層は、調節された薬物開放速度を変性するために適合される、1又は複数の可溶性可塑剤又は粘着防止剤を含むことができる。可溶性可塑剤又は粘着防止剤は、トリエチルシトレオート又はポリエチレングリコールを包含するが、但しそれらだけには限定されない。任意には、コアーは、薬物含有層の適用の前、親水性ポリマー層により、最初に被覆され得る。
【0034】
コアーは、いずれかの適切な材料から選択され、そして好ましくは、球体の形状で存在する。好ましくは、コアーは、種々のコアーの混合物であり、ここで個々の又はコアー群は異なった材料のものである。コアーが異なった材料のコアーの組合せである場合、少なくとも1つのコアー又は“コアー型”は、水溶性材料から製造される。コアー中への水浸入は、それらの水溶性パラメーターにより有意に異なる異なった材料のコアーを組合すことにより調節され得る。従って、例えば、薬物開放性の調節は、不溶性及び/又は膨張性コアーにより、定義される割合で混合される少なくも1つの水溶性コアーを用いることにより達成され得る。コアー材料の選択はまた、例18〜20に示されるインビトロ溶解プロフィールにより示されるように、薬物に対して保存寿命安定性を提供する。
【0035】
多微粒子コアー材料は主に、多微粒子の集団の薬物溶解プロフィールを決定する。従って、医薬組成物の薬物溶解プロフィールは、多微粒子に使用されるコアー材料及び異なった多微粒子集団の割合の選択により調節され得る。多微粒子の2種の集団を用いる場合、典型的には、その2種の集団の比は、重量に基づいて約10:90〜約90:10である。好ましくは、前記集団の比は重量に基づいて、約20:80〜80:20、及びより好ましくは、前記比は重量に基づいて約50:50〜約70:30である。
【0036】
典型的には、コアーは、重量に基づいて約10:90〜90:10の比での可溶性球体:不溶性及び/又は膨潤性球体の組合せである。好ましくは、可溶性球体:不溶性及び/又は膨張性球体の比は、重量に基づいて約20:80〜80:20、及びより好ましくは約50:50〜約70:30である。得られるコアーは形状化された球体であり、そして約0.3mm〜約1mmの直径を有する。好ましくは、直径は約0.4mm〜約0.8mm、及びより好ましくは約0.5mm〜約0.7mmである。
【0037】
コアーは、糖球体及び微晶性セルロース球体から製造される。被覆された糖コアーの溶解性は時間に対して低下し;従って、被覆されたコアーがより長く貯蔵されるほど、薬物の量は低く提供される(例18)。微晶性セルロースコアーは、それが異なった材料であるので、糖コアーの薬物開放プロフィールよりも異なった薬物開放プロフィールを有する。被覆された微晶性セルロースコアーの溶解性は時間と共に上昇し;従って、被覆されたコアーがより長く貯蔵されるほど、薬物の供給される量は上昇する(例19)。
【0038】
好ましくは、糖球体:微晶性セルロース球体の比は、重量に基づいて約1:1〜2:1である。市販の糖球体は、NP Pharma (Bazainville, France)により市販されているSuglets(商標)を包含し、そして市販の微晶性セルロース球体は、Syntapharm (Germany)により市販されているCellets(商標)を包含する。コアーが糖球体及び微晶性セルロース球体の組合せである場合、コアーの重量は、最終多微粒子の約70〜約90重量%である。
【0039】
コアーは任意には、可溶性ポリマー及び可溶性可塑剤又は粘着防止剤を含んで成る親水性ポリマー層により被覆される。可溶性ポリマーは、セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを包含するが、但しそれだけには限定されない。可溶性可塑剤又は粘着防止剤は、前に記載された通りである。
【0040】
第1層、すなわち薬物含有層は、少なくとも1つの抗ムスカリン性アンタゴニスト、例えばトルテロジン又はその許容できる医薬塩、及び少なくとも1つの親水性ポリマー結合剤の組合せである。典型的には、薬物:親水性ポリマー結合剤の比は、多微粒子の集合が治療的有効量の薬物、例えばトルテロジンを供給できるよう、コアーに薬物を効果的に結合するのに十分であるべきである。第1層は、薬物解放速度の調節を可能にすることができる。第1層に使用される親水性ポリマー結合剤の水溶解性は、薬物開放速度を調節するために使用される決定的なパラメーターであり得る。
【0041】
薬物溶解プロフィールは、親水性ポリマー結合剤の水溶解性及びその絶対的量を変えることにより、高められるか又は低められ得る。親水性ポリマー結合剤は、ポリビニルピロリドン又はセルロース誘導体を包含するが、但しそれらだけには限定されない。セルロース誘導体は、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、好ましくは100cPsの粘度を有するヒドロキシプロピルセルロースを包含する。薬物含有層は任意には、前記記載されたような可溶性可塑剤又は粘着防止剤を包含することができる。
【0042】
1つの単位用量におけるコアーのサイズ及び多微粒子の数は、薬物含有層の厚さを決定するであろう。例えば、多微粒子の数が一定に維持される場合、より小さなコアーが、より厚い層を必要とするであろう。第1層は、約1〜約10重量%の最終多微粒子を含んで成る。好ましくは、第1層は、約1〜約7重量%、及びより好ましくは約2〜約5重量%の最終多微粒子を含んで成る。1つの態様においては、トルテロジン:親水性ポリマーの比は、重量に基づいて約1:2〜5:1である。トルテロジンは、塩の形、例えばL−酒石酸塩トルテロジンの形で存在するが、但しそれだけには限定されない。L−酒石酸塩トルテロジンは、微粉砕され得る。微粉砕される場合、L−酒石酸塩トルテロジンは、約80μm以下の粒度d(0.9)、及び好ましくは約50μm以下(NMT)の粒度d(0.9)を有すべきである。より好ましくは、粒度は、約25μmのd(0.9)NMTである。
【0043】
薬物開放は、第2層、すなわち調節開放層における延長された開放材料:開放変性材料の比の選択により調節され得る。ヒドロアルコール溶液が調節開放層のために選択される場合、薬物開放溶解プロフィールが、材料の役割の注意した選択により、即時の開放プロフィールから調節された開放プロフィールに変えられ得る。しかしながら、類似する調節開放製剤が95%アルコール溶液において調製される場合、上記(延長された開放材料:開放変性ポリマー)比に対する溶解プロフィールの感受性が有意に低められる。後者が、加工再現性を改良するために利用され得る。
【0044】
調節開放層は、少なくとも1つの延長された開放材料及び少なくとも1つの開放変性材料の組合せである。延長された開放材料は通常、疎水性フィルム形成ポリマーである。疎水性フィルム形成ポリマーは、エチルセルロース又はポリメタクリレートポリマーを包含するが、但しそれらだけには限定されない。開放変性材料は通常、親水性ポリマー及び/又は可塑剤である。開放変性材料は、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はポリエチレングリコールを包含するが、但しそれらだけには限定されない。延長された開放ポリマー:開放変性材料の比が決定されると、溶解プロフィールはさらに、個々のポリマーのグレード(粘度)を変えることにより変更され得る。例えば、好ましくは、エチルセルロースは、約7cPs〜約50cPsの粘度を有する。好ましくは、開放変性材料は、約3cPs〜約6cPsの粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0045】
延長された開放材料:開放変性材料及び任意の可塑剤の比は、被覆された球体からの薬物の予備決定された開放速度の確立を可能にする。典型的には、延長された開放材料:開放変性材料の比は、重量に基づいて約6:1〜2:1である。例えば、1つの態様においては、延長された開放材料、すなわちエチルセルロース:開放変性材料、すなわちHPMCの比は、重量に基づいて約6:1〜約1.5:1である。しかしながら、可塑剤が調節開放層に使用される場合、延長された開放材料及び開放変性材料:可塑剤の比は、重量に基づいて約25:1〜10:1である。調節開放層は、約4〜約30重量%の最終多粒子を含んで成る。好ましくは、第2層は、約6〜約25重量%、及びより好ましくは約8〜約20重量%の最終多微粒子を含んで成る。
【0046】
調節開放層のための配合パラメーターの他に、溶解プロフィールは、加工パラメーターを変えることにより変更され得る。加工パラメーターは、2種の異なったポリマーを溶解し、そして調節開放材料の溶液を生成するために使用される溶媒系を包含する。例えば、調節開放被覆材料は、7.3%w/wのヒドロ−アルコール溶液(水:アルコールの比は16:84である)、又は6.0%w/wのアルコール溶液として適用され得る。
【0047】
本発明はまた、トルテロジンの安定した多微粒子医薬組成物の調製方法も包含する。前記方法は、医薬的に許容できる賦形剤及び少なくとも2種の多微粒子集団を混合することを含んで成り、ここで個々の集団はトルテロジン又はその塩を有し、そして個々の集団は、製造の時点で同じ集団に比較して、40℃及び75%の相対湿度での1ヶ月の貯蔵の後、約5%以上、変動する、4時間で取られるトルテロジン溶解プロフィールを有し、結果的に、40℃及び75%の相対湿度での1ヶ月の貯蔵の後、4時間での医薬組成物の溶解プロフィール間の差異が、製造の時点での溶解プロフィールに比較して、約5%以下である、安定した多微粒子医薬組成物が得られる。前記集団は、水溶性球状コアーを有する第1の多微粒子集団、及び不溶性且つ/又は膨潤性球状コアーを有する第2の多微粒子集団を含んで成る。
【0048】
上記2種の被膜層による多微粒子の調製方法は、少なくとも1つのコアーを供給し;コアーに薬物含有材料を適用し、薬物含有層を形成し(ここで、薬物含有層は少なくとも1つの抗ムスカリ性アンタゴニスト及び少なくとも1つの親水性ポリマー結合剤を含んで成る);そして前記薬物含有層に、調節開放材料を適用し、調節開放層を形成する(ここで、調節解放層は少なくとも1つの延長された開放材料及び少なくとも1つの開放変性材料を含んで成る)ことを含んで成る。
【0049】
第1層は、Wursterカラム(Wurster流動層)を備えた流動層装置中にコアーを充填し、そして薬物含有分散体又は溶液の被膜を適用し、第1層、すなわち薬物含有層を形成することにより適用される。Wursterカラムを使用する場合、名目入口空気温度は約50〜60℃であり、そして排気空気温度は約28℃〜約34℃及び好ましくは約30℃〜約32℃である。薬物含有分散体は親水性ポリマー結合剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを精製水に溶解し、そして次にその溶液をトルテロジンと共に混合し、均質分散体を形成することにより調製される。必要なら、第1被覆の適用の後、十分な時間、例えば15分の乾燥が続く。乾燥は、約50〜60℃の名目入口空気温度でWursterカラム(Wurster−乾燥)において行われ得る。乾燥は、名目排気空気温度が約40℃に達すると、終結され得る。
【0050】
第2層、すなわち調節開放層は、Wurster流動層中に被覆されたコアーを充填し、そして少なくとも1つの延長された開放材料及び少なくとも1つの開放変性材料の被覆溶液を適用し、第2層を形成することにより適用される。Wursterカラムを用いる場合、名目入口空気温度は、約45℃〜約55℃、好ましくは48℃〜約52℃であり、そして排気空気温度は約28℃〜約34℃、好ましくは30℃〜約32℃である。
【0051】
調節開放被膜溶液は、まず、Ethanol USP95%にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC 6cPs, Pharmacoat 606(商標))を溶解し、そして次に、溶解されるまで、例えば45分間、前記溶液を、エチルセルロース(Ethocel(商標) 7cPs)と共に混合することにより調製される。前記溶液は、被覆段階の間、一定して混合される。他方では、調節開放被覆溶液は、次の2種の別々の溶液を混合することにより調製される:Ethanol USP 95%に溶解されたエチルセルロース(Ethocel(商標) 7cPs)の第1溶液、及び精製水に溶解されたヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC. 6cPs, Pharmacoat 606(商標))の第2溶液。
【0052】
必要なら、第2被膜の適用の後、十分な時間、例えば15分間の乾燥が続く。乾燥は、約40℃の名目排気空気温度が得られるまで、約50℃〜約55℃の名目入口空気温度でWurster−乾燥により実施され得る。
【0053】
コアーが2度、被覆されると、その被覆された単位又は多微粒子が所望するサイズのカプセル中に充填される。カプセルは、それぞれ200mg/用量又は100mg/用量に関して、サイズ#2又は#4のものであり得る。1つの態様においては、カプセルは、2mg又は4mgのトルテロジンL−酒石酸塩を有するよう十分な薬物を含むハードセラチンカプセルである。
【0054】
本発明は、トルテロジン及び少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤をそれぞれ有する、多微粒子の第1及び第2集団の組合せを含んで成る、再生可能溶解プロフィールを有するトルテロジンの多微粒子医薬組成物を包含し、ここで4時間で測定される医薬組成物集団の第1バッチ又はロットの溶解プロフィールは、医薬組成物の続くロット又はバッチの溶解プロフィールとは、5%以下異なる。
【0055】
多微粒子医薬組成物の特徴は、安定した多微粒子製剤について上記の通りである。
また、a)異なった溶解プロフィールを有する多微粒子の少なくとも2種の集団を調製し、ここで溶解プロフィールの差異は、4時間の溶解で5%以上であり、そして12時間の溶解で10%以上であり;b)個々の集団の溶解プロフィールを特徴づけ;そしてc)個々の集団の計量された部分を混合し、再生可能溶解プロフィールを有する医薬組成物を入手することを含んで成る、再生可能溶解プロフィールを有するトルテロジンの多微粒子医薬組成物の調製方法が提供される。
【0056】
本発明はさらに、多数のトルテロジン含有多微粒子を投与単位中に組合すことを含んで成るトルテロジン製剤の調製方法を包含する。
一定の好ましい態様に関して本発明を記載して来たが、他の態様も、本明細書の考慮から当業者に明らかに成るであろう。本発明はさらに、本発明の方法、及び組成物を詳細に記載する次の例により定義される。材料及び方法に対する多くの修飾が本発明の範囲内で行われ得ることは、当業者に明らかであろう。
【実施例】
【0057】
例1−3:薬物開放プロフィールに対するコアー組成の効果
コアーを、Wursterカラム(Wurster流動層)を備えた流動層装置中に充填し、そして50℃〜55℃の名目入口空気温度及び30℃〜32℃の排気空気温度で薬物含有分散体により被覆した。薬物含有分散体を、均質分散体を形成するための微粉砕されたトルテロジンL−酒石酸塩(4mg/コアー)と共に混合された、精製水中、ヒドロキシプロピルセルロース100cPs(1mg/コアー)から製造した。被覆の後、被覆されたコアーを、55℃の名目入口空気温度で乾燥した(Wurster乾燥)。
【0058】
被覆されたコアーを、Wurster流動層中に再充填し、そして50℃〜52℃の名目入口空気温度及び30℃〜32℃の排気空気温度で調節開放被膜により被覆した。前記調節開放被膜は、次の2種の溶液により製造された:(1)エタノール(USP95%)中、エチルセルロース7cPs(25.6mg/コアー)、及び(2)精製水に溶解されたヒドロキシプロピルメチルセルロース6cPs(6.4mg/コアー)。被覆の後、被覆された多微粒子を、名目排気空気温度が約40℃になるまで、55℃の名目入口空気温度で乾燥した(Wurster乾燥)。表1は、例1〜3の多微粒子の組成を要約する。
【0059】
【表1】

【0060】
個々の配合の多微粒子を、USP溶解試験装置I及び900mlの溶液(0−14時間にわたって試験する場合)を用いて、0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)に37℃で溶解した。薬物開放プロフィール又は溶解プロフィールを、0,2,3,4,7及び14時間で測定した。表2は、個々の多微粒子についての溶解データを要約し、そして図1は、例1〜3の多微粒子についての薬物溶解プロフィールを示す。溶解プロフィールは、100%が4mgのトルテロジン酒石酸塩に等しい百分率により与えられる。
【0061】
【表2】

【0062】
例4−6:薬物含有層の組成の効果
例1に記載される方法論を用いて、3組の被覆された多微粒子を調製した。例4−6においては、コアーの組成を、一定に維持し、そして薬物含有層の組成を変えた。特に、親水性ポリマー結合剤の量を変更した。個々の多微粒子についての配合は、表3に示される。
【0063】
【表3】

【0064】
個々の配合の多微粒子を、USP溶解試験装置I及び800mlの溶液(0−12時間にわたって試験する場合)を用いて、0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)に37℃で溶解した。薬物開放プロフィールを、0,1,2,4,5,8及び12時間で測定した。表4は、個々の多微粒子についての溶解データを要約し、そして図2は、例4〜6の多微粒子についての薬物溶解プロフィールを示す。
【0065】
【表4】

【0066】
表4及び図2のデータにより示されるように、溶解プロフィールは、例4及び5に示されるように、比較的高い水溶解性を有する親水性ポリマー結合剤を選択することにより高められ得る。対照的に、溶解プロフィールは、例6に示されるように、親水性ポリマー結合剤の量を高めることにより低められ得る。
【0067】
例7−9:ヒドロアルコール性ER溶液に対する調節開放層における成分の比率の効果
例1に記載される方法論を用いて、3組の被覆された多微粒子を調製した。例7−9においては、コアー及び薬物含有層の組成は一定に維持された。第2層におけるエチルセルロース(延長された開放ポリマー)とHPMC(開放変性ポリマー)との間の比は、それぞれ6:1から3:1に組織的に変更された。個々の多微粒子についての配合は、表5に示される。
【0068】
【表5】

【0069】
個々の配合の多微粒子を、USP溶解試験装置I及び800mlの溶液(0−12時間にわたって試験する場合)を用いて、0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)に37℃で溶解した。薬物開放プロフィールを、下記に示される時間で測定した。表6は、個々の多微粒子についての溶解データを要約し、そして図3aは、例7〜9の多微粒子についての薬物溶解プロフィールを示す。
【0070】
【表6】

【0071】
例10−12:アルコール性ER溶液に対する調節解放層における成分の比率の効果
コアーを、Wursterカラム(Wurster流動層)を備えた流動層装置中に充填し、そして例1に記載されるようにして、薬物含有層により被覆した。被覆されたコアーを、Wurster流動層中に再充填し、そして48℃〜50℃の名目入口空気温度及び32℃〜34℃の排気空気温度で調節開放被膜により被覆した。前記調節開放被膜は、エタノール(USP95%)に溶解された、エチルセルロース7cPs、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース6cPsから製造された。ヒドロキシプロピルメチルセルロースをまず溶解し、そして次にエチルセルロースを添加し、そして最終溶液を、被覆工程において一定して混合した。被覆の後、被覆された多微粒子を、名目排気空気温度が約40℃になるまで、55℃の名目入口空気温度で乾燥した(Wurster乾燥)。表7は、例10〜12の多微粒子の組成を要約する。
【0072】
【表7】

【0073】
個々の配合の多微粒子を、USP溶解試験装置I及び900mlの溶液(0−14時間にわたって試験する場合)を用いて、0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)に37℃で溶解した。薬物開放プロフィールを、下記に示される時間で測定した。表8は、個々の多微粒子についてのデータを要約し、そして図3bは、例10〜12の多微粒子についての薬物溶解プロフィールを示す。
【0074】
【表8】

【0075】
例13:調節開放層における溶媒選択の効果
例1及び10に記載される方法論を用いて、2組の被覆された多微粒子を調製した。例13においては、コアー及び薬物含有層の組成は一定に維持された。例7の配合を用いて、調節解放層を製造するための溶媒を変更した。例13aにおいては、調節された開放層は、7.3重量%のヒドロ−アルコール性溶液(水:アルコールの比は重量に基づいて、16:84であった)である溶液から製造された。例13bにおいては、前記溶液は、95%エタノール(USP)を用いて7.1重量%のアルコール性溶液であった。
【0076】
個々の配合の多微粒子を、USP溶解試験装置I及び900mlの溶液(0−14時間にわたって試験する場合)を用いて、0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)に37℃で溶解した。薬物開放プロフィールを、下記に示される時間で測定した。表9は、個々の多微粒子についてのデータを要約し、そして図4は、例13a及び13bの多微粒子についての薬物溶解プロフィールを示す。
【0077】
【表9】

【0078】
例14−17:延長された開放層におけるポリマー粘度の効果
例1に記載される方法論を用いて、4組の被覆された多微粒子を調製した。例14 -17においては、コアー及び薬物含有層の組成は一定に維持された。調節開放層における個々のポリマーの粘度を変更した。例14−17においては、第2層におけるエチルセルロース(延長された開放ポリマー)及び/又はHPMC(開放変性ポリマー)の粘度を組織的に変更した。個々の多微粒子について配合は、表10に示される。
【0079】
【表10】

【0080】
個々の配合の多微粒子を、USP溶解試験装置I及び800mlの溶液(0−12時間にわたって試験する場合)を用いて、0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)に37℃で溶解した。薬物開放プロフィールを、下記に示される時間で測定した。表11は、個々の多微粒子についてのデータを要約し、そして図5及び6は、例14、15、16及び17の多微粒子についての薬物溶解プロフィールを示す。
【0081】
【表11】

【0082】
例18−20:薬物安定性に対するコアー材料の効果
例1に記載される方法論を用いて、3組の被覆された多微粒子を調製した。薬物含有層及び延長された解放層の組成は一定に維持され、そしてコアー材料を変えた。例18−20においては、Suglets(商標)又はCollets(商標)のコアーを、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリエチレングリコールを含む薄親水性層、続いて結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース及び粘着防止剤としてポリエチレングリコールを用いて、ヒドロアルコール性溶液の薬物含有層に被覆した。微粉砕されていない薬物物質を、薬物含有層に適用した。延長された開放ポリマーとしてのエチルセルロース及び可塑剤/開放変性ポリマーとしてのポリエチレングリコールから構成される調節開放層を次に適用した。例18、19及び20の多微粒子の配合は表12に要約される。例20においては、計算は、コアーの50:50混合物に基づかれた。
【0083】
【表12】

【0084】
最終被覆されたペレットを、45℃及び100%相対的温度(RH)での空気貯蔵オーブンにおいて7〜10日間、貯蔵した。続いて、個々のサンプルについての溶解プロフィールを、室温(RT)で貯蔵された、被覆されたペレットの溶解プロフィールと比較した。表13は、多微粒子についての溶解データを要約する。
【0085】
例20は、例18及び19に記載される、等重量の2種の配合物を混合することにより調製された。RT及び45℃/100RHでの物理的混合物の溶解プロフィールが、図7−9に示される。2種の異なった成分の間の比は、安定した溶解プロフィールを得るために、わずかに変性され得る。
【0086】
室温又は45℃及び100%相対的温度で維持された、個々の配合の多微粒子を、USP溶解試験装置I及び800mlの溶液(0−12時間にわたって試験する場合)を用いて、0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)に37℃で溶解した。薬物開放プロフィールを、下記に示される時間で測定した。表13は、個々の多微粒子についてのデータを要約し、そして図7、8及び9は、それぞれ例18、19及び20の多微粒子についての薬物溶解プロフィールを示す。
【0087】
【表13】

【0088】
例21及び22:薬物開放プロフィールに対する薬物微粉砕の効果
例1に記載される方法論を用いて、2組の被覆された多微粒子を調製した。薬物含有層の組成を変更し、結合剤としてのヒドロキシプロピルメチルセルロース及び粘着防止剤としてのポリエチレングリコールを含む薬物溶液又は薬物分散体を適用した。調節開放層は、延長された開放ポリマーとしてのエチルセルロース及び可塑剤/開放変性ポリマーとしてのポリエチレングリコールから調製された。例21及び22においては、コアーSuglets(商標)を、薬物溶液(例21)又は薬物分散体(例22)のいずれかにより被覆した。例21及び22の多微粒子の配合は、表14に要約される。
【0089】
【表14】

【0090】
最終被覆されたペレットを、45℃及び100%相対的温度(RH)での空気貯蔵オーブンにおいて7〜10日間、貯蔵した。続いて、個々のサンプルについての溶解プロフィールを、室温(RT)で貯蔵された、被覆されたペレットの溶解プロフィールと比較した。表15は、多微粒子についての溶解データを要約する。
【0091】
個々の配合の多微粒子を、USP溶解試験装置I及び室温又は45℃及び100%相対的温度下での800mlの溶液(0−12時間にわたって試験する場合)を用いて、0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)に37℃で溶解した。薬物開放プロフィールを、下記に示される時間で測定した。表15は、個々の多微粒子についてのデータを要約し、そして図10及び11は、例21及び22の多微粒子についての薬物溶解プロフィールを示す。
【0092】
【表15】

【0093】
しかしながら、良好な薬物安定性が、薬物分散体が糖球体Suglets(商標)及び微晶性セルロース球体Cellets(商標)のコアーの組合せ、例えば例8に論じられるそれら上に適用される場合に達成される。好ましい比は60:40(それぞれ、Suglets(商標):Cellets(商標))であった。例8の多微粒子の薬物開放プロフィールを、室温(例8a)又は45℃、100%相対温度(例8b)下で研究した。薬物開放プロフィールを、下記に示される時間で測定した。表16は、例8a及び8bの多微粒子についてのデータをを要約し、図12は個々についての薬物溶解プロフィールを示す。
【0094】
【表16】

【0095】
例23:トルテロジン酒石酸塩2mg及び4mgの調節された開放製剤
糖球体Suglets(商標)及び微晶性セルロース球体Cellets(商標)を、Wursterカラムを備えたGlatt−Powder−Coater−Granulator(GPCG)30中に充填し、そして50−55℃の名目入口空気温度及び28−34℃の排気空気温度で、薬物含有分散体により被覆した。薬物含有分散体を、精製水にヒドロキシプロピルセルロース(HPC、Klucel(商標))を溶解し(約15分)、そして次に、前記溶液と、微粉砕されたトルテロジンL−酒石酸塩とを約40分間、混合し、均質分散体を形成することにより調製した。薬物含有層被覆工程の間、均質分散体を連続して混合した。被覆された球体を、40℃の名目排気空気温度が得られるまで、60℃の名目入口空気温度で約15分間、Wurster−乾燥により乾燥した。
【0096】
薬物含有層により被覆された多微粒子を、Wurster−装置GPCG30中に再充填し、そして48−52℃の名目入口空気温度及び30−34℃の排気空気温度で調節開放被覆溶液により被覆した。調節開放被覆溶液は、まず、エタノール95%(USP)においてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC 6cPs, Pharmacoat 606G(商標))を約15分間、混合し、そして次に、前記溶液にエチルセルロース(Ethocel(商標) 7cPs)を添加し、そして約45分間、混合することにより調製された。調節開放層の適用の後(一定の混合下で)、多微粒子を、40℃の名目排気空気温度が得られるまで、50℃の名目入口空気温度で15分間、Wurster−乾燥により乾燥した。
【0097】
被覆された多微粒子を、それぞれトルテロジンL−酒石酸塩の4mg及び2mg用量を得るために、サイズ#2(約200mg/用量)又は#4(約100mg/用量)ハードゼラチンカプセル中に充填した。表17は、多微粒子組成を要約する。
【0098】
【表17】

【0099】
例24:トルテロジン酒石酸塩2mg及び4mgの調製された開放製剤
糖球体Suglets(商標)及び微晶性セルロース球体Cellets(商標)を、Wursterカラムを備えたGlatt−Powder−Coater−Granulator(GPCG)30中に充填し、そして50−55℃の名目入口空気温度及び28−34℃の排気空気温度で、薬物含有分散体により被覆した。薬物含有分散体を、精製水にヒドロキシプロピルセルロース(HPC、Klucel(商標))を溶解し(約15分)、そして次に、前記溶液と、微粉砕されたトルテロジンL−酒石酸塩とを約40分間、混合し、均質分散体を形成することにより調製した。薬物含有層被覆工程の間、均質分散体を連続して混合した。被覆された球体を、40℃の名目排気空気温度が得られるまで、60℃の名目入口空気温度で約15分間、Wurster−乾燥により乾燥した。
【0100】
薬物含有層により被覆された多微粒子を、Wurster−装置GPCG30中に再充填し、そして50−55℃の名目入口空気温度及び30−34℃の排気空気温度で調節開放被覆溶液により被覆した。調節開放被覆材料を、エタノール95%(USP)と共に約40分間、混合されたエチルセルロース(Ethocel(商標) 7cPs)の第1溶液、及び精製水と共に15分間、混合されたヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC 6cPs, Pharmacoat 606G(商標))の第2溶液の2種の別々の溶液を混合することにより調製した。エチルセルロース溶液を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液と共に約15分間、混合した。調節開放層の適用の後(一定の混合下で)、多微粒子を、40℃の名目排気空気温度が得られるまで、50℃の名目入口空気温度で15分間、Wurster−乾燥により乾燥した。
【0101】
被覆された多微粒子を、それぞれトルテロジンL−酒石酸塩の4mg及び2mg用量を得るために、サイズ#2(約200mg/用量)又は#4(約100mg/用量)ハードゼラチンカプセル中に充填した。表18は、多微粒子組成を要約する。
【0102】
【表18】

【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は、例1−3のトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示し、ここでコアー組成が変更された。
【図2】図2は、例4−6のトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示し、ここで薬物含有層の組成が変更された。
【図3a】図3aは、例7−9のトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示し、ここでヒドロアルコール溶液における開放編成ポリマーの相対量が変更された。
【図3b】図3bは、例10−12のトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示し、ここでアルコール溶液における開放編成ポリマーの相対量が変更された。
【0104】
【図4】図4は、延長された開放層を適用するために異なった加工溶媒を用いての、例13 a−13 bのトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示す。
【図5】図5は、異なった粘度のHPMCを用いての、例14及び15のトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示す。
【図6】図6は、異なった粘度を用いての、例16及び17のトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示す。
【図7】図7は、異なった貯蔵条件(例18)の後、異なったコアー材料を有するトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示す。
【図8】図8は、異なった貯蔵条件(例19)の後、異なったコアー材料を有するトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示す。
【0105】
【図9】図9は、異なった貯蔵条件(例20)の後、異なったコアー材料を有するトルテロジン酒石酸塩製剤のインビトロ溶解プロフィールを示す。
【図10】図10は、異なった貯蔵条件(例21)の後、インビトロ溶解プロフィールに対するトルテロジン酒石酸塩の微粉砕の効果を示す。
【図11】図11は、異なった貯蔵条件(例22)の後、インビトロ溶解プロフィールに対するトルテロジン酒石酸塩の微粉砕の効果を示す。
【図12】図12は、異なった貯蔵条件(例8a, b)の後、インビトロ溶解プロフィールに対するトルテロジン酒石酸塩及びコアー材料の微粉砕の効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤及び少なくとも2種の多微粒子集団(個々の集団がトルテロジン(tolterodine)又はその塩を有し、そしてその集団の比が重量に基づいて90:10〜10:90である)を含んで成り、40℃及び75%の相対湿度での1ヶ月間の貯蔵の後、4時間での溶解プロフィール間の差異が、製造の時点での溶解プロフィールに比較して、約5%以下である、トルテロジンの安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項2】
前記集団が、水溶性球状コアーを有する第1の多微粒子集団、及び不溶性且つ/又は膨潤性球状コアーを有する第2の多微粒子集団を含んで成る請求項1記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項3】
第1又は第2の多微粒子集団において、個々の微粒子は、薬物含有層及び調節解放層を有するコアーを有し;
前記薬物含有層が前記コアーを取り囲み、そしてi)トルテロジン及び/又はその代謝物又は医薬的に許容できる塩、及びii)少なくとも1つの親水性ポリマー結合剤を有し;そして前記調節開放層が前記薬物含有層を取り囲み、そして少なくとも1つの延長された開放材料及び少なくとも1つの開放変性材料を有する請求項2記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項4】
前記トルテロジン塩が、トルテロジンL-酒石酸塩である請求項1〜3のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項5】
前記コアーと薬物含有層との間に水溶性ポリマー被膜をさらに含んで成る請求項3又は4記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項6】
前記調節開放層がさらに可塑剤を含んで成る請求項3〜5のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項7】
水溶性球状コアーを有する集団:不溶性且つ/又は膨張性球状コアーを有する集団の比が、重量に基づいて約10:90〜90:10である請求項2〜6のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項8】
水溶性球状コアーを有する集団:不溶性且つ/又は膨張性球状コアーを有する集団の比が、重量に基づいて約20:80〜80:20である請求項2〜7のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項9】
前記コアーが、形状化された球体であり、そして約0.3mm〜約1mmの直径を有する請求項2〜8のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項10】
前記コアーが、形状化された球体であり、そして約0.4mm〜約0.8mmの直径を有する請求項2〜9のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項11】
前記第1集団が糖球状コアーを有し、そして前記第2集団がセルロース球状コアーを有する請求項2〜10のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項12】
糖球状コアー:セルロース球状コアーの比が、重量に基づいて1:1〜2:1である請求項11記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項13】
トルテロジン:親水性ポリマー結合剤の比が、重量に基づいて約1:2〜5:1である請求項2〜12のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項14】
トルテロジンが微粉砕され、そして粒度分布を有し、ここでd(0.9)値が約80μm以下か又はそれに等しい請求項1〜13のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項15】
トルテロジンが微粉砕され、そして粒度分布を有し、ここでd(0.9)値が約50μm以下か又はそれに等しい請求項1〜14のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項16】
前記親水性ポリマー結合剤が、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項3〜15のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項17】
前記薬物含有層が、約1〜約10重量%の最終微粒子を含んで成る請求項3〜16のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項18】
前記延長された開放性材料:前記開放性変性材料の比が、重量に基づいて約6:1〜約1.5:1である請求項3〜17のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項19】
前記延長された開放性材料がエチルセルロース又はポリメタクリレートポリマーである請求項3〜18のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項20】
前記開放性変性材料が、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項3〜19のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項21】
前記エチルセルロースが、約7cPs〜約50cPsの粘度を有する請求項19〜20のいずれか1項記載のトルテロジン製剤。
【請求項22】
前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが約3cPs〜約6cpsの粘度を有する請求項20〜21のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項23】
前記調節開放層がさらに可塑剤を含んで成る請求項3〜22のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項24】
前記延長された開放性材料及び前記開放変性材料:可塑剤の比が、重量に基づいて約25:1〜約10:1である請求項23記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項25】
前記調節開放性層が、約4〜約30重量%の最終多微粒子を含んで成る請求項3〜24のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項26】
前記調節開放性層が、約6〜約25重量%の最終多微粒子を含んで成る請求項3〜25のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物。
【請求項27】
トルテロジンの安定した多微粒子医薬組成物の調製方法であって、
少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤及び少なくとも2種の多微粒子集団(個々の集団はトルテロジン又はその塩を有し、そして不安定性トルテロジン溶解プロフィールを有し;ここで前記集団の比が重量に基づいて90:10〜10:90である)を混合し、安定した多微粒子医薬組成物を入手することを含んで成る方法。
【請求項28】
前記集団が、水溶性球状コアーを有する第1の多微粒子集団、及び不溶性且つ/又は膨潤性球状コアーを有する第2の多微粒子集団を含んで成る請求項27記載の安定した多微粒子医薬組成物の調製方法。
【請求項29】
前記多微粒子が、
水溶性球体及び不溶性且つ/又は膨潤性球体の約10:90〜約90:10の比(重量による)での組合せを含んで成る少なくとも1つのコアーを供給し;
前記コアーに、薬物含有材料を、薬物含有層を形成するのに十分な量で適用し、薬物含有層を有するコアーを形成し、そして
前記薬物含有層に、調節開放性材料を、調節開放性層を形成するのに十分な量で適用することにより調製され、
ここで前記薬物含有材料が、i)少なくとも1つの抗ムスカリン性アンタゴニスト、及びii)少なくとも1つの親水性ポリマー結合剤を含んで成り;そして前記調節開放性材料が少なくとも1つの延長された開放性ポリマー及び少なくとも1つの開放性変性ポリマーを含んで成る請求項27〜28のいずれか1項記載の安定した多微粒子医薬組成物の調製方法。
【請求項30】
前記第1の適用段階が、Wursterカラムを備えた流動層装置中に前記コアーを充填し、そして薬物含有材料の被膜を適用し、薬物含有層を形成することを含んで成る請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記薬物含有材料が、精製水に親水性ポリマー結合剤を溶解し、溶液を形成し、そして次に、前記溶液とトルテロジンとを混合し、均質分散体を形成することにより調製された分散体である請求項30〜31のいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
前記薬物含有材料を前記コアーに適用した後、乾燥段階をさらに含んで成る請求項29〜31のいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
前記第2の適用段階が、薬物含有層を有する前記コアーを、Wurster流動層中に充填し、そして少なくとも1つの延長された開放性ポリマー及び少なくとも1つの開放性変性ポリマーの調節解放性材料を適用することを含んで成る請求項29〜32のいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
前記調節開放性材料が、エタノールに溶解されたエチルセルロースの第1溶液及び精製水に溶解されたヒドロキシプロピルメチルセルロースの第2溶液の2種の別々の溶液を混合することにより調製される請求項29〜33のいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記調節開放性材料が、エタノールにおいてヒドロキシプロピルメチルセルロース及びエチルセルロースを混合することにより調製される請求項29〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
前記調節開放性材料の適用の後、乾燥段階をさらに含んで成る請求項29〜35のいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
トルテロジン及び少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤をそれぞれ有する、多微粒子の第1及び第2集団の組合せを含んで成る、再生可能溶解プロフィールを有するトルテロジンの多微粒子医薬組成物であって、4時間で測定される医薬組成物集団の第1バッチ又はロットの溶解プロフィールが、医薬組成物の続くロット又はバッチの溶解プロフィールとは、5%以下異なる、医薬組成物。
【請求項38】
4時間以上の再生可能溶解プロフィールを有するトルテロジンの多微粒子医薬組成物の調製方法であって、
a)異なった溶解プロフィールを有する多微粒子の少なくとも2種の集団を調製し、ここで溶解プロフィールの差異は、4時間の溶解で5%以上であり、そして12時間の溶解で10%以上であり;
b)個々の集団の溶解プロフィールを特徴づけ;そして
c)個々の集団の計量された部分を混合し、再生可能溶解プロフィールを有する医薬組成物を入手することを含んで成る方法。
【請求項39】
多数のトルテロジン含有多微粒子を投与単位中に組合すことを含んで成るトルテロジン製剤の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−530397(P2009−530397A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501569(P2009−501569)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/007176
【国際公開番号】WO2007/109357
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】