説明

トレイ検出装置、方法及びトレイ検出用テーブル

【課題】テーブルに埋め込んだ送信コイルと受信コイルとの間で無線通信を行い、その間に金属シートを埋め込んだトレイ配置した場合に、受信コイルが受信する無線信号の変化を検出することにより、座席の利用状況を検出する。
【解決手段】トレイ検出装置は、テーブル利用検出部13により、各テーブル1から出力される座席の利用状況を検出し、表示制御部18によりテーブル利用検出部13が検出した各テーブル1の利用状況をディスプレイ19に表示する。各テーブル1での座席の利用状況は、テーブル1内に設置された送信コイル4からの磁界により、受信コイル5に発生する電力の変化を受信アンプ6により増幅し、A/Dコンバータ7によりデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は制御部2で解析され、トレイ10がテーブル1に置いてあるか否かを検出する。検出結果は、上位通信用インタフェース8により制御装置11に対して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルの利用状況を検出するために、テーブルに埋め込んだ送信コイルと受信コイルとの間で無線通信を行い、その間に金属シートなどの遮蔽物を埋め込んだトレイ配置した場合に、受信コイルが受信する無線信号の変化を検出することにより、テーブルの利用状況を検出するトレイ検出装置、方法及びトレイ検出用テーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICカードやIDタグ等といった移動可能な応答器が広く実用化されており、リーダライタとの間で誘導磁界による無線通信を行うことにより、応答器のメモリに記録された各種情報をリーダライタとの間で交換するシステムが実現されている。
【0003】
例えば、クレジットカード等とほぼ同様な大きさのカード基板にマイクロコンピュータチップとメモリチップ等を埋設して構成したICカードは、金融、流通、交通、医療等の種々な分野において実用化が図られている。このようなICカードを用いたICカードシステムでは、例えば、「リーダライタからICカードに対して電磁誘導により電力を電送供給し、ICカードは当該ICカードに記憶されているデータを電磁誘導により送信し、リーダライタが受信することでICカードの情報を得る」というように、リーダライタとICカードとの間で非接触な無線通信により情報通信がなされるものである。
【0004】
このようなシステムでは、ユーザ情報を記憶したICカードを備えた移動端末が任意の席に着いた場合に、端末保持者の入力作業を必要とすることなく、任意の席に着いた移動端末の位置情報を取得して管理することができる。ファーストフード等の店舗の場合は、トレイ等に内蔵されたICカードに注文時間を記憶させ、利用者がトレイを持って席に座った場合に、トレイ等に内蔵されたICカードの情報をそれぞれの席に設置してあるリーダライタが受信することで、利用者がどの席についたかを検出することができる。さらには、さらには、それぞれの席のリーダライタ端末をイーサーネットや無線LANに接続させることで、管理側の端末にてデータを収集して管理することも可能である(特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、ICカードやIDタグは高価であり、全てのトレイに設置させるのは困難である。したがって、従来ではLEDの光の反射を検出してトレイを検出するフォトリフレクタや、テーブルの内部にトレイの重さを検出するリミットスイッチや圧電センサを配置する方法が一般的である(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−88465号公報
【特許文献2】特開2008−217200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、フォトリフレクタは、LEDから出た光をトレイの裏面に配置した反射体で反射させ、その反射した光を受光体で検出するものである。そのため、周囲の光の影響を受けやすく、反射体や受光体が汚れていると正確に判定することができなくなるという問題点があった。
【0007】
一方、テーブルの内部にリミットスイッチや圧力センサを設置する方法では、テーブル上に置かれたものがトレイであるのか、荷物などの他の物であるかの判定ができないという問題点があった。また、リミットスイッチは、スイッチのオン・オフの機構がテーブルから露出し、利用者に違和感を与えてしまう場合があった。また、メカニカルな構造であるため永年劣化や利用者が接触するなどの原因により故障の問題もあった。
【0008】
そこで本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決したトレイ検出装置及びその方法を提供することを目的とする。すなわち、本発明の第1の目的は、テーブルの利用席を検出するために、テーブルに埋め込んだ送信コイルと受信コイルとの間で無線通信を行い、その間に金属シートなどの遮蔽物を埋め込んだトレイ配置した場合に、受信コイルが受信する無線信号の変化を検出することにより、テーブルの利用状況を検出することにある。本発明の第2の目的は、テーブルの利用状況を無線又は有線で掲示板のコントローラや制御板に送り、その情報に基づいて、各テーブルの利用状況を表示、客の誘導、あるいは席の長時間占有の判定等をすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、遮蔽部を有するトレイがテーブルのトレイ設置位置に存在するか否かを検出するトレイ検出装置において、前記テーブルのトレイ載置位置に合わせて配置された受信コイルと、この受信コイルとの間で無線通信を行う送信コイルと、前記受信コイルが受信した無線信号に基づいて前記受信コイルと送信コイル間に前記遮蔽部が存在するか否かを検出する受信アンプと、この受信アンプの検出結果に応じて着席位置におけるトレイの有無を判定する判定部とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様においては、前記トレイ検出装置は、テーブルから出力されるトレイの検出の有無の情報によりテーブルの利用状況を検出するテーブル利用検出部と、前記テーブル利用検出部が検出した各テーブルの利用状況をディスプレイに表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様において前記トレイ検出装置は、前記テーブル利用検出部と、各テーブルに備え付けられた椅子から出力される椅子の利用状況を検出する椅子利用検出部と、前記テーブル利用検出部のトレイ検出情報と、椅子利用検出部の着席検出情報とに基づいて、テーブル上にトレイが放置されることを判定するトレイ放置判定部を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の態様において前記トレイ検出装置は、前記テーブル利用検出部と前記椅子利用検出部が検出した各テーブルの利用状況を記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶した各テーブルと椅子の利用開始時間と予め定めた利用制限時間を比較し、テーブルの長時間の利用を判定する利用時間判定部を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の態様において前記トレイ検出装置は、各テーブルの利用状況を、前記表示制御部の指令により外部に設けられた情報掲示板、センタのサーバ、または移動端末の少なくとも1つに対して出力する通信機器を備えることを特徴とする。
【0014】
更に、前記のような構成を有する前記トレイ検出装置を制御する方法及びトレイ検出用テーブルも本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、利用者から完全に見えない構造で且つ人手を介することなく、テーブル上に置かれたトレイの検出に行うことが可能となる。また、本発明に使用する受信コイルや送信コイルはテーブル内に埋設することもでき、利用者が接触するおそれがなく、可動部分もない永年劣化が発生しない構造とすることができるため、信頼性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[トレイ検出装置の構成]
以下、本発明の実施形態の構成について、図1〜3に従って具体的に説明する。
まず、図1は、本実施形態におけるテーブル部分の構成を示す回路図である。
【0017】
図1においては、上記テーブル1には、制御部2からの指示で起動する発振回路3と、この発振回路3からの出力により磁界を発生する送信コイル4と、送信コイル4が発生する磁界を受信する受信コイル5とが設けられている。
【0018】
この受信コイル5は送信コイル4からの磁界の影響を受けると受信コイル5内に電力が発生するもので、テーブル1の利用者の着席位置に対応した場所に設けられている。受信コイル5の出力端子は信号増幅用の受信アンプ6に接続され、この受信アンプの出力側はA/Dコンバータ7を介して前記制御部2に接続されている。
【0019】
これらの制御部2、発振回路3、受信アンプ6及びA/Dコンバータ7は、テーブルの天板背面に配置されるか、あるいは、接続用のケーブルを介して、テーブル1の外部に設けられる。前記送信コイル4と受信コイル5は、テーブル1の天板の表面近傍に埋設されている。なお、これらのコイル4,5は、必ずしもテーブル1に埋設する必要はなく、テーブル1の表面に印刷あるいは接着により配置しても良く、その表面からテーブルクロス、プラスチックシート、ガラス板などで被覆しても良い。
【0020】
[トレイ検出装置の作用]
このような構成を有する本実施形態において、このテーブル1の上に金属シート9などの遮蔽物が埋め込まれたトレイ10が置かれると、送信コイル4と受信コイル5間の磁界に変化が生じ、この磁界に基づいて受信コイル5内に発生する電力に変化が生じる。受信コイル5で発生した電力の変化は、受信アンプ6により増幅され、A/Dコンバータ7によりデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号は制御部2で解析され、このデジタル信号の強弱の変化によりトレイ10がテーブル1に置いてあるか否かを検出する。この検出結果は、LAN(Ether:IEEE 802.3)、無線LANまたはセンサネットワーク等の上位通信用インタフェース8により制御装置11に対して出力される。
【0021】
[トレイ検出装置を使用したテーブルの利用状況検出システムの構成]
図2は、前記のようなトレイ検出装置と後述する椅子の着席検出装置とを組み合わせて、テーブル及び椅子の利用状況を検出するシステムの機能ブロック図である。すなわち、図2において、符号1は図1の実施形態で説明したトレイ検出装置を備えたテーブルであり、このテーブル1内部には送信コイル4と受信コイル5が設置されている。各テーブル1及びこのテーブルに設けられた椅子12と前記制御装置11は、有線または無線により接続されており、その利用状況が制御装置11に対して出力される。この制御装置11は、次のような部分を有している。
【0022】
(a)テーブル利用検出部13
各テーブル1から出力されるトレイ10の有無に基づき、各テーブルの利用状況を検出する。
(b)椅子利用検出部14
各椅子12から出力される椅子12の利用の有無に基づき、着座の状況を検出する。この着座状況の検出手段としては、椅子の座面に設けられた圧力センサ、椅子の背もたれに設けられたフォトセンサ、椅子の上方の天井部分に設けられた赤外線センサなど適宜のものが使用できる。
(c)記憶部15
テーブル利用検出部13と椅子利用検出部14が検出した各テーブルと椅子12の利用状況を記憶するもので、制御部を構成するコンピュータのメモリやハードディスクなどの記憶装置によって構成される。
【0023】
(d)トレイ放置判定部16
記憶部15に記憶された各テーブルの利用状況と椅子12の利用状況に基づいて、各テーブル上にトレイ10が放置されているか否かを判定する。
(e)利用時間判定部17
記憶部15に記憶された各テーブルの利用状況と椅子12の利用状況に基づいて、各テーブルと各椅子の利用開始時間と予め定めた利用制限時間を比較することにより、各テーブルを長時間の利用しているか否かを判定する。
【0024】
(f)表示制御部18
テーブル利用検出部13が検出した各テーブルの利用状況やトレイ放置判定部16または利用時間判定部17が判定した各テーブルの利用状況を、制御部2に備え付けられているディスプレイ19や通信機器20に対して出力させる指令を出す。
(g)ディスプレイ19
各テーブルの利用状況を表示制御部18の指令に基づき表示する。
(h)通信機器20
各テーブルの利用状況を表示制御部18の指令に基づきの外部に設けられたセンタのサーバ21や情報掲示板22や移動端末23に対して出力する。
【0025】
[トレイ検出装置を使用したテーブルの利用状況検出システムの作用]
次に、前記のような構成を有するテーブルの利用状況検出システムの作用を説明する。
【0026】
(a)テーブル1でのトレイ検出
発振コイルから出力される磁界は、途中に金属の物質があると磁束が阻害されるので、受信コイル5で誘起する電力が減少することが知られている。すなわち、トレイ10がテーブル1に置かれた場合は、トレイ10の内部にある金属シート9や金属のトレイ10自身により、発振コイルから出力される磁界を阻害するために、受信コイル5に誘起される電力が減少する。
【0027】
この場合、トレイ10に埋め込まれた金属シート9が、受信コイル5の真上に来る場合は、送信コイル4から出力される磁束が全て遮断されるので、受信コイル5に発生する起電力は0になる。受信コイル5の真上にトレイ10が置かれない場合でも、トレイ10の内部の金属シート9が一部でも受信コイル5の上に置かれたならば、受信コイル5に発生する起電力は、何もおかれない場合と比較して減少する。
【0028】
受信コイル5に流れる電力の変化を受信アンプ6で増幅し、A/Dコンバータ7でデジタル信号に変換し、デジタル信号の変化を制御部2により比較することにより、トレイ10の有無を検出することができる。このトレイ10の有無の情報は、制御部2によって、LAN(Ether:IEEE 802.3)、無線LAN、またはセンサネットワーク等の上位通信用インタフェース8を介して制御装置11に対して転送する。
【0029】
(b)制御装置11でのデータの処理
本実施形態では、このような装置において、テーブル1での利用状況の検出データにより、各テーブルの利用状況をディスプレイ19に表示したり、トレイ10の放置や長時間の利用を検出する。以下その処理を図3のフローチャートで説明する。なお、図中符号Sは、ステップを意味する。
【0030】
制御装置11のテーブル利用検出部13では、各テーブル1の上位通信用インタフェース8より転送されたデータにより、各テーブル1の利用状況を検出する(ステップ1)。テーブル利用検出部13で検出した情報は、現在の情報として表示制御部18により、制御装置11に附属のディスプレイ19に表示される(ステップ2)。同時に、通信機器20を介してセンタのサーバ21や店内の情報掲示板22や従業員が所持する移動端末23に対して転送することもできる。また、テーブル利用検出部13で検出した各テーブルの利用状況を、利用開始時間と合わせて記憶部15に記憶する(ステップ3)。
【0031】
テーブル1の利用者の中には、トレイ10を片付けないで帰ったり、長時間を占有したりする利用者がいる。片付けられないトレイ10がテーブル1の上に長時間放置されたり、長時間テーブル1を占有されると、店舗のイメージの悪化や他の利用者の利便性が損なわれるおそれがある。そこで、通常は従業員が定期的に見回りを行い、トレイ10の放置や長時間のテーブル1の占有を防止している。本実施形態の場合には、利用状況を利用開始時間と合わせて記憶することにより、従業員が定期的に見回りを行わないでも、トレイ10の放置や長時間のテーブル1の占有がいるか否かを判定することができる。
【0032】
すなわち、テーブル利用検出部13にて、各テーブル1の上にトレイ10が載っているかを検出する(ステップ4)。テーブル1にトレイ10が載っていなければ、空席であるとして制御を継続する(ステップ4のN)。テーブル1にトレイ10が載っていると判定した場合(ステップ4のY)には、椅子12に利用者が座っているか否かを判定する(ステップ5)。椅子12に利用者が座っているかどうかの判定には、各テーブルに備え付けられている椅子12内部にリミットスイッチや圧力センサを設置し、その情報を制御装置11の椅子利用検出部14によって検出する。
【0033】
トレイ10がテーブル1上に置いてあり椅子12に利用者がいないと判定された場合(ステップ5のN)には、トレイ10が片付けられずに放置されていると判定し、表示制御部18はアラームを出す指示を出す(ステップ6)。トレイ10がテーブル1上に置いてあり椅子12に利用者がいるとされた場合(ステップ5のN)には、各テーブルの利用時間が一定時間以上であるかを判定する(ステップ7)。
【0034】
各テーブルの利用時間が一定時間以上であるかを判定は、記憶部15に記憶した利用開始時間と予め定めた利用制限時間とを比較することにより判定する。各テーブルの利用開始時間が利用制限時間より短い場合(ステップ7のN)は、通常の利用と判定できる(ステップ8)。また、各テーブルの利用開始時間が利用制限時間より長い場合(ステップ7のY)は、利用者が長時間テーブルを利用しているとして、表示制御部18に対してアラームを出す指示を出す(ステップ9)。
【0035】
トレイ10が片付けられずに放置されていると判定した場合(ステップ6)、通常の利用と判定した場合(ステップ8)または利用者が長時間テーブルを利用していると判定した場合(ステップ9)と1回判定されたとしても、制御を終了することはなく、店舗が営業をしている間は判定を続ける(ステップ10)
【0036】
[トレイ検出装置を使用したテーブルの利用状況検出システムの効果]
以上の通り、本実施形態のシステムによれば、受信コイル5に発生する電力の変化により、テーブル1の上にトレイ10の有無を判定し、トレイ10がある場合は、各テーブルが利用されていると判定する。この判定結果を情報掲示板22や移動端末23に出力し、この情報に基づき、各テーブルへの誘導を行うことで、利用者のスムースな誘導を行うことが可能になる。
【0037】
また、各テーブルの利用状況と開始時間を共に記憶することにより、トレイ10の放置や、長時間テーブルを占有する利用者を判定することができる。片付けられないトレイ10が各テーブルの上に長時間放置されたり、長時間テーブルを占有されることにより、店舗のイメージの悪化や他の利用者の利便性が損なわれることを防止することができる。また、各テーブルの利用の状況をセンタのサーバ21でデータを管理することにより、入場者の人数や利用時間を管理することが可能になる。
【0038】
[他の実施形態]
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態に記載したテーブル1、送信コイル4、受信コイル5の数は例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。以下のような他の実施形態も包含する。
【0039】
(a)本実施形態は、送信コイル4と受信コイル5との間に磁界を発生させたが、送信コイルと受信コイルとの間で行う無線通信の信号の種類にはこれに限定されるもではない。例えば、無線通信の信号としてRF信号なども利用でき、RF信号の受信レベルの変化を受信アンプで検出することにより、トレイを検出することもできる。
【0040】
(b)本実施形態では、テーブル1に埋め込んだ送信コイル4と受信コイル5との間の磁界を発生させ、トレイ10を検出したが、このトレイ10は内部に金属シート9を埋め込んだものでなくても良い。例えば、トレイ自体を金属製としたもの、金属繊維を一部利用したランチョンマット、金属製の食器等でもよい。また、本のカバーに金属製のフイルムを利用することで、図書館等のテーブルの利用状況の把握をすることができる。すなわち、本発明の請求項では、食器を乗せるトレイ、ランチョンマット、食器、本のカバー等の、テーブル上において利用するものをトレイと総称する。また、トレイを受信コイルの真上に配置できるように、ガイドを設けることもできる。
【0041】
(c)表示部5に表示する情報は、各テーブルの利用の有無を表示する代わりに、利用開始時間を表示することもできる。これにより、空席になるタイミングの予測をたてることができ、スムースな利用者の誘導ができる。
【0042】
(d)各テーブルの利用状況は、店内の情報掲示板22や従業員が所持する移動端末23以外でも確認することができる。例えば、通信機器20を介してセンタのサーバ21に転送し空席状況をインターネットにより配信することで、これから来店する利用者がパソコンや携帯電話などで確認することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のトレイ検出装置の一実施の形態の構成を示すブロック図。
【図2】図1のトレイ検出装置を利用したテーブルの利用状況を検出するシステムの構成を示すブロック図。
【図3】図2のシステムにより、テーブルの利用状況を検出する処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0044】
1…テーブル
2…制御部
3…発振回路
4…送信コイル
5…受信コイル
6…受信アンプ
7…A/Dコンバータ
8…上位通信用インタフェース
9…金属シート
10…トレイ
11…制御装置
12…椅子
13…テーブル利用検出部
14…椅子利用検出部
15…記憶部
16…トレイ放置判定部
17…利用時間判定部
18…表示制御部
19…ディスプレイ
20…通信機器
21…センタのサーバ
22…情報掲示板
23…移動端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽部を有するトレイがテーブルのトレイ設置位置に存在するか否かを検出するトレイ検出装置において、
前記テーブルのトレイ載置位置に合わせて配置された受信コイルと、この受信コイルとの間で無線通信を行う送信コイルと、前記受信コイルが受信した無線信号に基づいて前記受信コイルと送信コイル間に前記遮蔽部が存在するか否かを検出する受信アンプと、この受信アンプの検出結果に応じて着席位置におけるトレイの有無を判定する判定部とを有することを特徴とするトレイ検出装置。
【請求項2】
前記トレイ検出装置は、
テーブルから出力されるトレイの検出の有無の情報によりテーブルの利用状況を検出するテーブル利用検出部と、
前記テーブル利用検出部が検出したテーブルの利用状況をディスプレイに表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする請求項1に記載のトレイ検出装置。
【請求項3】
前記トレイ検出装置は、
前記テーブル利用検出部と、各テーブルに備え付けられた椅子から出力される椅子の利用状況を検出する椅子利用検出部と、
前記テーブル利用検出部のトレイ検出情報と、椅子利用検出部の着席検出情報とに基づいて、テーブル上にトレイが放置されていることを判定するトレイ放置判定部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトレイ検出装置。
【請求項4】
前記トレイ検出装置は、
前記テーブル利用検出部と前記椅子利用検出部が検出した各テーブルの利用状況を記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶した各テーブルと椅子の利用開始時間と予め定めた利用制限時間を比較し、テーブルの長時間の利用を判定する利用時間判定部を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のトレイ検出装置。
【請求項5】
前記トレイ検出装置は、
各テーブルの利用状況を、前記表示制御部の指令により外部に設けられた情報掲示板、センタのサーバ、または移動端末の少なくとも1つに対して出力する通信機器を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトレイ検出装置。
【請求項6】
テーブルに設置された送信コイルと受信コイルとの間で無線通信を行い、その間に遮蔽部を有するトレイを配置した場合に起こる受信コイルが受信する無線信号の変化に基づいて、テーブルの上のトレイの有無を検出することを特徴とするトレイ検出方法。
【請求項7】
前記トレイ検出方法は、
前記各テーブルから出力されるトレイの検出の有無の情報により各テーブルの利用状況を検出するステップと、
前記テーブルの利用を検出するステップが検出した各テーブルの利用状況をディスプレイに表示させるステップとを備えることを特徴とする請求項6に記載のトレイ検出方法。
【請求項8】
前記トレイ検出方法は、
前記テーブルの利用状況を検出するステップと、各テーブルに備え付けられた椅子から出力される椅子の利用状況を検出するステップと、
前記テーブルの利用状況の検出ステップのトレイ検出情報と、椅子の利用状況の検出ステップの着席検出情報とに基づいて、テーブル上にトレイが放置されていることを判定するトレイ放置判定ステップを備えることを特徴とする請求項7に記載のトレイ検出方法。
【請求項9】
前記トレイ検出方法は、
前記テーブルの利用を検出するステップにおいて検出した各テーブルの利用状況を記憶するステップと、
前記各テーブルの利用状況を記憶するステップにおいて記憶したテーブルの利用開始時間と予め定めた利用制限時間を比較し、テーブルの長時間の利用を判定するステップを備えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のトレイ検出方法。
【請求項10】
前記トレイ検出方法は、
各テーブルの利用状況を、外部に設けられた情報掲示板、センタのサーバ、または移動端末の少なくとも1つに対して出力するステップを備えることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のトレイ検出方法。
【請求項11】
トレイ載置位置に合わせて配置された受信コイルと、この受信コイルとの間で無線通信を行う送信コイルと、前記受信コイルが受信した受信コイルでの無線信号の変化を検出する受信アンプと、この受信アンプの出力値に応じて着席位置におけるトレイの有無を判定する判定部とを有することを特徴とするトレイ検出用テーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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