説明

トロンメル式廃棄物選別装置、廃棄物処理設備、及び廃棄物分別方法

【課題】生ゴミなどの有機物の分別性能の向上を図ることのできるトロンメル式廃棄物選別装置を提供する。
【解決手段】回転ドラム24内に管体24cが備えられており、該管体24cは、その一端部24c1を前記回転ドラム24の一端部側に位置させるとともに他端部24c2を回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させ、送風機によって前記一端部24C1から流入させた気体を前記他端部側24c2から排出させ得るように回転ドラム24内に備えられており、しかも、前記管体24cには、前記他端部24c2から気体を排出させることによって屈曲が生じて気体の排出方向をランダムに変化させ得るように可とう管が用いられているため、効果的に攪拌することができ分別性能が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トロンメル式廃棄物選別装置と、該トロンメル式廃棄物選別装置が備えられた廃棄物処理設備と、トロンメル式廃棄物選別装置を用いた廃棄物分別方法とに関し、より詳しくは、生物処理可能な有機物を含有する廃棄物から前記有機物を選別すべく用いられるトロンメル式廃棄物選別装置、廃棄物処理設備、及び廃棄物分別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭ごみや産業廃棄物などの廃棄物が破砕された破砕廃棄物から有用物を選別して回収することなどを目的としてトロンメル式廃棄物選別装置が用いられている。
このトロンメル式廃棄物選別装置は、筒状の側壁に貫通孔が設けられた回転ドラムが、水平や、下り傾斜あるいは上り傾斜となる状態で横置きされて備えられており、この回転ドラムを回転させることにより内部に収容されている破砕廃棄物が回転ドラムの一端部側から他端部側に移動されて排出されるとともにその移動中に一部の破砕廃棄物が前記貫通孔を通過して回転ドラム外に排出されるよう構成されている。
すなわち、トロンメル式廃棄物選別装置においては、破砕廃棄物の内、細かく高比重なものが貫通孔を通過し回転ドラム外に排出され、低比重で嵩高いものが残分として回転ドラムをそのまま通過して排出されることで分別がなされている。
【0003】
近年、家庭から排出される生ゴミや、食品工場などから排出される食品屑といった有機物を回収してメタン発酵や堆肥化といった生物処理に供して有効に利用することが検討されており、このような有機物は一般に含水率が高く、また、細かく砕けやすいことから回転ドラムの貫通孔を通過させやすく、この有機物の選別手段としてトロンメル式廃棄物選別装置が用いられたりしている。
しかし、一般に廃棄物は、ポリ袋などに収容されて廃棄されることが多く、破砕廃棄物には、このポリ袋の破袋により生じたシート状の廃プラスチックスなどが混在している。
【0004】
このことに対して、特許文献1には、送風機を用いて回転ドラムの中心(回転軸)方向に向けた気流を形成させることでシート状物の浮揚を促すことが記載されている。
この特許文献1は、回転ドラムの後半部分においてチャンバー底面にノズルを設け、回転ドラムの外側から回転ドラムの中心部に向けて送風を行い、そのことによって軽量物を浮遊させて分離している。
この特許文献1に係る発明は、粗大ゴミの分別を主たる目的とした発明であるため、生ゴミなどの有機物の選別を目的とした場合においては、このように回転ドラムの前半部分で一方向の気流を形成し、後半部分において貫通孔を通じて外部から内側に向けて気流を形成させる方法ではシート状物と有効利用可能な有機物と効率よく分離することが困難で有機物の回収効率向上を期待することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−94757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、生ゴミなどの有機物の分別性能の向上を図り、ひいては、生物処理可能な有機物の回収効率を向上させることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのトロンメル式廃棄物選別装置に係る本発明は、生物処理可能な有機物を含有する破砕廃棄物の分別に用いられ、筒状の側壁に貫通孔が設けられ軸周りに回転可能に形成された回転ドラムが横置きされて備えられており、前記破砕廃棄物が内部に収容されている状態で前記回転ドラムを回転させることによって前記破砕廃棄物が回転ドラムの一端部側から他端部側に移動され、前記貫通孔を通過して回転ドラム外に排出される有機物を含んだ破砕廃棄物と、前記回転ドラム内を他端部側に移動して、該他端部側から排出される破砕廃棄物とに分別されるべく構成されており、前記回転ドラム内に気流を発生させるための送風機がさらに備えられているトロンメル式廃棄物選別装置であって、前記回転ドラム内に管体が備えられており、該管体は、その一端部を前記回転ドラムの一端部側に位置させるとともに他端部を回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させ、前記送風機によって前記一端部から流入させた気体を前記他端部側から排出させ得るように回転ドラム内に備えられており、しかも、前記管体には、前記他端部から気体を排出させることによって屈曲が生じて気体の排出方向をランダムに変化させ得るように可とう管が用いられていることを特徴としている。
【0008】
また、上記課題を解決するための廃棄物処理設備に係る本発明は、生物処理可能な有機物を含有する破砕廃棄物の分別に用いられ、筒状の側壁に貫通孔が設けられ軸周りに回転可能に形成された回転ドラムが横置きされて備えられており、前記破砕廃棄物が内部に収容されている状態で前記回転ドラムを回転させることによって前記破砕廃棄物が回転ドラムの一端部側から他端部側に移動され、前記貫通孔を通過して回転ドラム外に排出される有機物を含んだ破砕廃棄物と、前記回転ドラム内を他端部側に移動して、該他端部側から排出される破砕廃棄物とに分別されるべく構成されており、前記回転ドラム内に気流を発生させるための送風機をさらに備えているトロンメル式廃棄物選別装置を有する廃棄物処理設備であって、前記トロンメル式廃棄物選別装置には、前記回転ドラム内に管体が備えられており、該管体は、その一端部を前記回転ドラムの一端部側に位置させるとともに他端部を回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させ、前記送風機によって前記一端部から流入させた気体を前記他端部側から排出させ得るように回転ドラム内に備えられており、しかも、前記管体には、前記他端部側から気体を排出させることによって屈曲が生じて気体の排出方向をランダムに変化させ得るように可とう管が用いられていることを特徴としている。
【0009】
さらに、上記課題を解決するための廃棄物分別方法に係る本発明は、生物処理可能な有機物を含有する廃棄物を破砕して得られた破砕廃棄物を、筒状の側壁に貫通孔が設けられ軸周りに回転可能に形成された回転ドラムが横置きされて備えられており、該回転ドラム内に気流を発生させるための送風を行う送風機がさらに備えられているトロンメル式廃棄物選別装置の前記回転ドラム内に導入して、該回転ドラムを回転させることによって前記破砕廃棄物を回転ドラムの一端部側から他端部側に移動させるとともに前記送風機によって回転ドラム内に前記気流を発生させて、前記貫通孔を通過して回転ドラム外に排出される有機物を含んだ破砕廃棄物と、前記回転ドラム内を他端部側に移動して該他端部側から排出される破砕廃棄物との分別を実施する廃棄物分別方法であって、前記トロンメル式廃棄物選別装置には、前記回転ドラム内に管体が備えられており、該管体は、その一端部を前記回転ドラムの一端部側に位置させるとともに他端部を回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させ、前記送風機によって前記一端部から流入させた気体を前記他端部側から排出させ得るように回転ドラム内に備えられており、しかも、前記管体には、前記他端部側から気体を排出させることによって屈曲が生じて気体の排出方向をランダムに変化させ得るように可とう管が用いられており、排出方向をランダムに変化させた前記気体の風力によって回転ドラム内の破砕廃棄物の攪拌を実施しつつ前記分別を実施することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
トロンメル式廃棄物選別装置について説明すると、回転ドラムに収容されている破砕廃棄物は、回転ドラムの底部において安定している状態から、回転ドラムの回転に伴う側壁の移動に追従して側方にやや持ち上げられた状態となり、その後、側壁の移動に追従し切れなくなって回転方向とは逆側(回転ドラムの底部側)に崩れ落ちることとなる。
このとき貫通孔を開口させた側壁の上に破砕廃棄物が崩落することで破砕廃棄物の一部が貫通孔を通過するとともに残りの破砕廃棄物がやや前進されるように構成されている。
そして、このことが繰り返されて、貫通孔を通過する破砕廃棄物と、他端部側まで前進された破砕廃棄物とに分別されるように構成されている。
ここでシート状物などが混在すると貫通孔が閉塞されてしまい、有機物が貫通孔を通じて外部に排出されることを阻害してしまうことからこのシート状物などを、より素早く分離することが有機物の回収効率向上には有効である。
【0011】
この破砕廃棄物に、シート状の廃棄物(例えば、シート状廃プラスチックス、ゴムシート、布)と生物処理可能な有機物とが含有されている場合、例えば、シート状の廃プラスチックスは、通常、破砕廃棄物の比較的上部に位置し、特許文献1記載の発明のような貫通孔を通じて送風される風には曝され難い状態にあり、しかも、多くの場合、他の破砕廃棄物にその一部が挟まれた状態となっており、ある程度拘束された状態となっている。
【0012】
また、貫通孔を通じて、回転ドラム外から風が流入される場合には、該貫通孔を塞いでいる廃棄物が移動し、貫通孔が開口した時点でその気流による風圧での破砕廃棄物の移動は期待することが難しくなる。
さらには、元々、破砕廃棄物の間に空隙が形成されており、回転ドラム外からの風が、該空隙を通じて回転ドラム内に流入される状態であれば、破砕廃棄物の移動に殆ど寄与しない結果となる。
【0013】
ここで、本発明においては、回転ドラム内に管体が備えられ、回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させた管体の端部から気体が排出され、しかも、この気体の排出によって管体に屈曲が生じて気体の排出方向がランダムに変化されることから、回転ドラムの底部の破砕廃棄物に該管体からランダムに気体が吹き付けられ、該気体の吹き付けによって破砕廃棄物が攪拌されてシート状物などの嵩高いものが気流によって舞い上げられることとなる。
しかも、管体から直接破砕廃棄物に気体を吹き付けて破砕廃棄物を攪拌することから、回転ドラムの外部から送風を行う特許文献1などの場合に比べて、その風力がシート状物を舞い上げるために有効に利用されうる。
【0014】
すなわち、シート状の廃プラスチックスなどが回転ドラム内で効率的に舞い上げられて生ゴミなどの有機物との分離が促進されることから生物処理可能な有機物の回収効率を向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態にかかる廃棄物処理設備の装置構成を示す構成図。
【図2】一実施形態に係るトロンメル式廃棄物選別装置の構成を示す正面図。
【図3】同実施形態に係るトロンメル式廃棄物選別装置の内部構成を示す平面図(a)および正面図(b)。
【図4】管体の他端部の構造を示す断面図。
【図5】管体の屈曲を規制する規制部材の一例を示す部分断面図。
【図6】図5に示す規制部材の使用態様を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる廃棄物処理設備の装置構成を示す構成図であり、この図にも示されているように、本実施形態の廃棄物処理設備1は、ポリ袋などに収容された生ゴミや、食品工場から排出された食品屑などといった廃棄物が、系外から廃棄物導入経路L1を通じて導入され、導入された廃棄物に含有される有用物、例えば、生物処理可能な有機物、金属類、シート状の廃プラスチックスなどを選別して有効利用すべく構成されている。
【0017】
具体的には、前記廃棄物導入経路L1を通じて導入された廃棄物の破砕を行う破砕装置10と、前記有用物を選別するためのトロンメル式廃棄物選別装置20が備えられている。
前記トロンメル式廃棄物選別装置20は、前記破砕装置10で破砕された破砕廃棄物が破砕廃棄物導入経路L2を通じて導入され、この破砕廃棄物を、生物処理が可能な有機物などといった比較的比重が大きく、しかも、前記破砕装置10で比較的細かく破砕された破砕廃棄物と、ポリ袋の破袋等によって生じるシート状の廃プラスチックスなどといった比較的低比重で嵩高い破砕廃棄物とを分別すべく構成されている。
すなわち、トロンメル式廃棄物選別装置20は、生物処理が可能な有機物を多く含有する破砕廃棄物(以下「第1破砕廃棄物」ともいう)と、シート状の廃プラスチックスなどが前記第一破砕廃棄物よりも多く含有される破砕廃棄物(以下「第2破砕廃棄物」ともいう)とを分別すべく構成されている。
なお、紙類については細かく切断され、水分によって柔らかくなったものは主として生物処理される第1破砕廃棄物として回収され、生物処理に利用される。一方、シート状(単にシート状だけでなく、嵩高い状態のものも含む)の紙類については第2破砕廃棄物として回収され、焼却処理あるいは資源化される。
【0018】
そして、本実施形態の廃棄物処理設備1は、前記トロンメル式廃棄物選別装置20によって選別された第1破砕廃棄物に有機物とともに含有されているボルトなどといった小型金属ゴミを除去して、第1破砕廃棄物をより生物処理に適した状態とさせ得るように、磁力選別装置30(以下「第1磁力選別装置30」ともいう)と、前記トロンメル式廃棄物選別装置20から第1破砕廃棄物を前記磁力選別装置30に供給するための第1破砕廃棄物経路L3とを有している。
【0019】
また、本実施形態の廃棄物処理設備1は、前記トロンメル式廃棄物選別装置20によって選別された第2破砕廃棄物にシート状の廃プラスチックスとともに含有されている飲料缶などといった大型金属ゴミを除去した後に、前記シート状の廃プラスチックスを回収し得るように磁力選別装置40(以下「第2磁力選別装置40」ともいう)と前記トロンメル式廃棄物選別装置20から第2破砕廃棄物を前記磁力選別装置40に供給するための第2破砕廃棄物経路L4とを有している。
【0020】
そして、第1破砕廃棄物から小型金属ゴミを除去するための前記第1磁力選別装置30と、前記第2磁力選別装置40で回収された金属類を洗浄処理したり材料ごとに分別したりしてより再生しやすい状態にするための金属類処理装置50と、該金属類処理装置50にそれぞれの磁力選別装置30,40から金属類を供給するための金属廃棄物経路L5,L6(以下、それぞれを、「第1金属廃棄物経路L5」、「第2金属廃棄物経路L6」ともいう)とが廃棄物処理設備1に備えられている。
【0021】
また、本実施形態における廃棄物処理設備1は、前記第1磁力選別装置30によって異物が除去されてより生物処理に適した状態とされた第1破砕廃棄物をメタン発酵や堆肥化といった微生物処理するための生物処理装置60と、前記第1破砕廃棄物をこの生物処理装置60に導入させるための生物処理廃棄物経路L7とを有している。
【0022】
さらに、本実施形態の廃棄物処理設備1は、前記第2磁力選別装置40によって金属類が除去された第2破砕廃棄物からシート状の廃プラスチックスを回収するためのプラスチックスシート回収装置70と、該プラスチックスシート回収装置70で回収された廃プラスチックスを洗浄処理するなどしてより再利用がしやすい状態にするための廃プラスチックス処理装置80とが備えられている。
そして、廃棄物処理設備1は、前記第2磁力選別装置40から、このプラスチックスシート回収装置70に、廃プラスチックス回収用経路L8を通じて第2破砕廃棄物が供給され、前記廃プラスチックス処理装置80には、プラスチックスシート回収装置70から、回収廃プラスチックス経路L9を通じて廃プラスチックスが供給されるように構成されており、前記プラスチックスシート回収装置70からは、廃プラスチックスが回収された後の廃棄物を、廃棄物排出経路L10を通じて系外に排出しうるように構成されている。
【0023】
次に、図2〜5を参照しつつ前記トロンメル式廃棄物選別装置20について、より具体的に説明する。
【0024】
図2は、前記トロンメル式廃棄物選別装置20の正面図であり、図3は、前記トロンメル式廃棄物選別装置20の内部構造を示す平面図(a)と正面図(b)である。
また、図4は、トロンメル式廃棄物選別装置20の回転ドラム内に設置された管体の他端部の様子を示す断面図である。
さらに、図5は、この管体を回転ドラム内で保持してその屈曲方向を規制すべく設けられた規制部材の一例を示す部分断面図である。
【0025】
これらの図にも示されているように、本実施形態におけるトロンメル式廃棄物選別装置20は、前記破砕廃棄物に含有されている有機物を選別して有効に利用すべく、その内部に、回転ドラム24を横置き状態で備えており、該回転ドラム24は、チャンバー25によって覆われた状態で備えられている。
また、前記回転ドラム24は、貫通孔が多数設けられた円筒状の側壁24wを有しており中心軸C周りに回転されるようにチャンバー25に備えられている。
また、本実施形態におけるトロンメル式廃棄物選別装置20は、前記回転ドラム24の中心軸Cに沿った状態で管体24cが備えられており、該管体24cの内部に気流を形成させるための送風機(図示せず)が備えられている。
【0026】
前記チャンバー25は、その内壁面と前記回転ドラム24の側壁外表面との間に所定の間隙を形成し得る大きさの直方体形状を有しており、この前記回転ドラム24を下面側から覆う基盤部25bと、前記回転ドラム24を側面側と天面側から覆うカバー部25cとを有している。
【0027】
前記回転ドラム24は、前記基盤部25bに回転可能な状態で固定されたローラ24rによって下方から支持されており、該ローラ24rは、回転ドラムの一端部側と他端部側とにそれぞれ一対ずつ設けられ、該一対のローラ24rは、回転ドラム24の直径よりも短い距離で水平方向(図3(a)における上下方向、)に離間されて配されている。
そして、前記回転ドラム24は、このローラ24rをモータなどの駆動装置(図示せず)によって回転させることで図中矢印Wの方向に回転されるように備えられている。
【0028】
なお、このような回転ドラム24に代えて、中心軸Cに沿った軸体が設けられ、該軸体と側壁24wとが支持梁などによって連結され、該軸体を回転させることで側壁24wを回転させる回転ドラムも利用可能ではあるが、本実施形態における回転ドラム24は、軽量物が浮遊状態で回転ドラムの他端部側に移動するのに際して支持梁などによってその移動が阻害されるおそれが低い点において優れている。
【0029】
また、本実施形態におけるトロンメル式廃棄物選別装置20は、前記破砕廃棄物導入経路L2によってもたらされる破砕廃棄物を、回転ドラム24の一端部側(図3(b)正面視左側)から回転ドラム24の内部に導入させ得るように廃棄物シュート21が備えられている。
そして、前記駆動装置によって、前記回転ドラム24を回転させることによって、この一端部側に導入された破砕廃棄物を他端部側に移動させうるように本実施形態におけるトロンメル式廃棄物選別装置20は、前記回転ドラム24が、前記一端部側よりも前記他端部側の方が低位置となる傾斜状態で配置されている。
【0030】
すなわち、前記回転ドラム24の中心軸Cの延在する方向が水平ではなく、一端部側から他端部側に向けてやや下向きに傾斜した状態で備えられていることによって破砕廃棄物の移動の促進がなされている。
この傾斜角度(θ1)については、特に限定されず、例えば、水平方向(図中仮想線H)から−10度〜+10度のいずれかの角度とすることができる。
この角度は被処理物によって異なり、分別処理する廃棄物中に水分が少なく、有機物とシート状の廃棄物が分別しやすい状態の場合、水平方向下向き(0〜+10度)にすることで、破砕廃棄物を早急に分別することができ、処理効率が高くなる。
また、破砕廃棄物中に水分が多く、有機物とシート状廃棄物とを分別しにくい場合、水平方向上向き(−10度〜−1度)にすることで回転ドラム内での滞留時間を長くし、シート状廃棄物を分別しやすくし、回収効率を高めることができる。
【0031】
このように配された回転ドラム24を回転させることにより、前記貫通孔を通じて、チャンバー25の基盤部25b上に、生ゴミなどの有機物を多く含む第1破砕廃棄物が落下することとなるが、本実施形態のトロンメル式廃棄物選別装置20は、前記チャンバー25の基盤部25bに開口され該開口から下方へと延びるアンダーシュート22が備えられており、前記第1破砕廃棄物が、このアンダーシュート22を通じて前記第1磁力選別装置30に向けて排出されるように構成されている。
また、本実施形態におけるトロンメル式廃棄物選別装置20は、貫通孔を通過せずに回転ドラム24の他端部側に回転ドラム内部を移動した第2破砕廃棄物が、この回転ドラム24の他端部下方に開口し、該開口から下方へと延びる排出シュート23から前記第2磁力選別装置40に向けて排出されるように構成されている。
【0032】
前記管体24cは、その一端部24c1を前記回転ドラムの一端部側に位置させるとともに他端部24c2を回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させている。
そして、前記管体24cは、前記送風機から延びる送風管24pにその一端部24c1を連結させており、前記送風機から送風管24pを通じて内部に気体を導入し得るように備えられており、前記他端部24c2が開口端となっていることから、前記送風機によって一端部24c1から他端部24c2に向けての気流が形成され、前記他端部24c2の開口から前記気流を排出させるべく構成されている。
しかも、この管体24cには、可とう性を有する可とう管が少なくとも一部に用いられて屈曲自在に形成されており、前記他端部24c2から気体を排出させることによって屈曲が生じて気体の排出方向をランダムに変化させ得るように形成されている。
この管体24cを構成する可とう管としては、例えば、ゴムなどの弾性体によって屈曲自在に形成されたもの、あるいは、コルゲート構造が形成された硬質樹脂管や金属管を挙げることができる。
【0033】
なお、この管体24cは、この気体の排出による風力によって破砕廃棄物を回転ドラム内で舞い上がらせ、しかも、この気体の排出による反動を利用して屈曲を生じさせ、気体排出方向をランダムに変化させることで破砕廃棄物を回転ドラム内で攪拌すべく設けられるものである。
したがって、管体24cが比較的弱い力によって屈曲させることができ、繰り返し屈曲されても疲労破壊などが生じ難い状態となるように形成されていることが好ましく、このような点においては、管体24c全体をゴム管などの可とう管によって構成させることが好ましい。
そして、破砕廃棄物を舞い上げてシート状廃棄物と生ゴミなどの有機物との分離を図るという観点からは、前記管体24cの他端部c2を配置する位置は、回転ドラムの一端部(入口側)から他端部(出口側)にかけての中間部であれば、特に限定されるものではないが、回転ドラムに導入された破砕廃棄物から、より早期にシート状廃棄物を分離して回転ドラムの有効利用を図るという観点からは、回転ドラムの一端側から回転ドラムの全長の1/2に到達するまでの間とすることが好ましく、1/4までとすることがより好ましい。
【0034】
また、この管体24cは、他端部24c2から排出される風力の反動を利用してのランダムな屈曲を加勢すべく、図4に示すように、他端部24c2に、管壁24cwを貫通する貫通孔24chが設けられていることが好ましい。
このように管壁24cwに貫通孔24chを設けることによって、この貫通孔24chからも気体が吹き出すことになり、この貫通孔24chからの気体の吹き出しによって管体24cは、側方に力を受けることとなる。
したがって、他端部24c2の側の開口24xから排出されるメインの気流Fmによって作用する気流の吹き出し方向と逆方向の応力(反動)と貫通孔24chからの気流Fsによる側方への応力とによってより激しく屈曲して回転ドラム内の破砕廃棄物を攪拌してシート状物を舞い上げさせることができる。
【0035】
なお、貫通孔24chは、他端部24c2の先端部全周に均一に配置される必要は無く、例えば、該他端部24c2の開口を正面から見て管体24cを二分した場合に、一方に比べて他方の方が気体の吹き出し量が多くなるように貫通孔24chを偏在させてもよい。
このように、管壁24cwに偏った状態で貫通孔24chを設けることで気体の吹き出しによるランダムな屈曲を管体24cに発生させやすくなり、破砕廃棄物の攪拌(シート状廃棄物の舞い上げ)に対する効果が向上されうる。
このような点において、管壁24cwから排出される気体の内の8割以上の風量が、管体24の開口の中心に対して90度以内となる範囲から吹き出されるように貫通孔24chを偏在させることがより好ましい。
さらに、管体24の長さ方向に対する貫通孔24chの形成箇所も先端に極めて近い箇所のみに限定されるものではなく、通常、管体24の先端から30cm以内であれば管体24cの屈曲に有効に作用させうる。
【0036】
管体24cに、このような作用を発揮させるためには、例えば、管体24cの全体がゴム管であるような場合においては、単に他端部24c2を自由端として配置することが考えられる。
また、このような作用を発揮させるための前記送風機としては、一般的なファン、ブロア、コンプレッサーを用いたものが挙げられる。
そして、例えば、前記管体24cが、外径1〜10cm程度で、肉厚0.5〜5mm程度のゴム管である場合には、この送風機によって、通常、破砕廃棄物の単位時間当たりの導入量1t/hに対して、0.5〜40m3/min程度の送風を実施することで破砕廃棄物の攪拌に適したランダムな気流の変化を回転ドラム内に生じさせうる。
また、このような場合に限らず、可とう管などの種類などによって送風機からの送風量を調整し、適宜、気流排出方向のランダムな変化を生じさせることができる。
【0037】
なお、単に他端部24c2を自由端として配置する場合には、管体24cが回転ドラム内を移動する破砕廃棄物に衝突することになり、例えば、破砕廃棄物中の金属片などによって管体24cの破損を招いたりするおそれがある。
しかも、比較的自由に屈曲を生じさせうる結果、破砕廃棄物の移動方向とは逆向き(回転ドラムの一端部側向き)に気体が排出されて破砕廃棄物を上流側に吹き飛ばしてしまうおそれも有する。
【0038】
生物処理可能な有機物を効率よく分別するためには、シート状の廃棄物を舞い上がらせて生物処理可能な有機物と分離した状態にさせることが重要であるため、シート状の廃棄物が上流側に向けて舞い上げられたとしても有機物の分別にはある程度の有効性が期待できるもののより効率の良い分別を行うには、シート状の廃棄物をより素早く回転ドラム24の他端部側に移動させて排出シュート23から排出させることが好ましい。
【0039】
このことから、例えば、図3などに示すように、他端部24c2から一端部24c1の側にやや後退した位置において支持材24sによって回転ドラム24の中心位置に固定し、送風によって屈曲させる部分を支持材24sから先の部分だけとして破砕廃棄物の移動方向とは逆向きに気流が形成されることを規制させることが好ましい。
このとき、通常、支持材24sから先端までの長さを回転ドラム24の半径以下とすることで送風時における他端部24c2と破砕廃棄物との接触防止を図ることができる。
【0040】
また、このような支持材24sを管体24cの屈曲を規制する規制部材として用いる方法に代えて回転ドラム24と管体24cの他端部24c2とを連結する紐や鎖などの連結部材を管体24cの屈曲を規制する規制部材として用いることも可能である。
例えば、回転ドラム24の天面部に一端側を固定した鎖で管体24cの他端部24c2を回転ドラム24の中心部に位置するように吊り下げるとともにこの他端部24c2の下方ならびに左右においても同様に鎖で管体24cと回転ドラム24とを連結しておいて、しかも、上下左右の鎖にたるみを持たせた状態で連結し、送風時における他端部24c2の移動を、このたるみ分だけとなるように規制して気体吹き出し方向を回転ドラム24の他端部側に規制しつつ破砕廃棄物との接触防止を図ることができる。
【0041】
さらには、このような規制部材として図5に示すようなものが挙げられる。
この図5に示す規制部材Sは、前記管体24cよりも一回り大きな内径を有する筒状部S1とこの筒状部S1の先端からラッパ状に広がる拡径部S2とを有し、前記筒状部S1には、前記管体24cを挿通させうる貫通孔Shが形成されている。
そして、前記拡径部S2は、その内面に、貫通孔Shの開口縁からラッパ状に広がる側壁Swを有している。
【0042】
本実施形態のトロンメル式廃棄物選別装置20において、この規制部材Sを用いる場合には、図6に示すように、前記拡径部S2を、回転ドラム24内に十分収容可能な大きさ(例えば回転ドラムの内径の3/4以下)とし、しかも、この筒状部S1を回転ドラム24の一端部側(上流側)に配し、拡径部S2を、前記筒状部S1よりも下流側に配して用いることができる。
なお、規制部材Sの拡径部S2における回転ドラム24の中心軸Cと側壁Swとがなす角度(θ2、θ2’)については特に限定は無いが、上流側への送風を抑制する観点から90度未満、さらには85度未満であることが好ましい。
また、この拡径部S2の形状は、回転ドラム24の底面に向けた送風を規制することがないようにその側壁Swの角度を設定することが好ましく、少なくとも、中心軸Cから下向きの角度θ2’を30度以上、好ましくは45度以上とすることが望ましい。
【0043】
また、前記貫通孔Shに管体24cを挿通させた際にラッパ状の側壁Swの先端部が管体24cの他端部24c2の先端よりもさらに下流側(回転ドラムの他端部側)に位置するように配することで、この側壁Swによって管体24cの屈曲が規制されるとともに管体24cと破砕廃棄物との接触がより確実に防止されうる。
しかも、このような規制部材を用いることで、例えば、管体24cの他端部24c2に形成された貫通孔24chから排出される気流Fsなどが、この側壁Swによって回転ドラム24の他端部側(下流側)に押出されることとなり、管体24cの他端部24c2から発生されるメインの気流Fmによって舞い上げられたシート状物を、この側壁Swによって下流側に向けて形成された気流に同伴させることができる。
【0044】
なお、これまでの支持材24sや連結材といった規制部材を用いる態様においても、気体の吹き出し方向が回転ドラム24の他端部側となるように規制されていることから、ある程度、回転ドラム内24に上流側から下流側(一端部側から他端部側)に向けた気流の形成を期待することができる。
そして、より確実に回転ドラム内24に上流側から下流側に向けた気流を形成させようとすれば、管体24cに対して送風する送風機とは別に、新たな送風機を設けることで実現可能ではあるが、この図5に示す規制部材Sは、側壁Swによって、より確実に下流側に向けた気流が形成されることから、新たなる送風機を必要としないか、あるいは、新たなる送風機を用いる場合でもその使用動力を削減しうる点において優れているといえる。
【0045】
このような構成を備えたトロンメル式廃棄物選別装置20には、例えば、導入された破砕廃棄物に、生物処理可能な有機物以外にシート状の廃プラスチックスが含有されている場合であっても、前記管体24cの他端部24c2から排出される気流Fmによってシート状の廃プラスチックスを舞い上げることから前記有機物が回転ドラム24の貫通孔を通過することを、このシート状廃プラスチックスが阻害することを抑制させうる。
なお、仮に前記気流Fmによって有機物が舞い上げられたとしても、通常、有機物は水分等を多く含みシート状廃プラスチックスなどに比べて落下速度が速いことから前記シート状廃プラスチックスによって貫通孔の通過が妨害されるおそれが低い。
【0046】
このことについてさらに具体的に説明すると、シート状の廃プラスチックスは、貫通孔を閉塞させて有機物の通過を阻害するおそれがあることから、効率よく有機物の選別を実施させるには、このシート状の廃プラスチックスを下流側にいち早く移動させて排出シュート23から排出させることが有効となる。
通常、シート状の廃プラスチックスのような嵩高い見掛け比重の小さい破砕廃棄物は、回転ドラム24の内部に収容されている破砕廃棄物の比較的上部に位置しているものの多くの場合、他の破砕廃棄物にその一部が挟まれ拘束された状態となっており、破砕廃棄物が回転ドラム24の回転による側壁24wの移動に追従しきれずに崩落を生じる際に前記拘束が解かれることとなる。
しかし、その一方でシート状の廃プラスチックスの上に高比重物が落下すると再び拘束されてしまうこととなる。
【0047】
そこで、管体24cから発する気流によってシート状の廃プラスチックスを舞い上げさせて高比重物に比べてシート状の廃プラスチックスをゆっくりと落下させることで、このシート状の廃プラスチックスの後から高比重物が落下してシート状の廃プラスチックスが再び拘束されることを抑制させ得る。
このように、シート状の廃プラスチックスの落下がゆっくりとなされることで、その間に、シート状の廃プラスチックスを回転ドラム24の他端部側に向けた気流に同伴させて下流側に大きく移動させることができる。
そして、下流側に移動させたシート状の廃プラスチックスを、排出シュート23から系外に排出させることができる。
【0048】
このことによって、有機物の貫通孔の通過を阻害する要因が低減され、第1破砕廃棄物により多くの有機物を含有させることができる。
例えば、生物処理としてメタン発酵などを実施する場合には、メタンガスの収量増加を図ることができる。
しかも、本実施形態においては、第1破砕廃棄物に混入されやすいボルト、ナット類などのような小型の金属類を第1磁力選別装置30によって除去してから生物処理を実施させることから、さらに、生物処理に好適な有機物回収を期待できる。
【0049】
また、第2破砕廃棄物に混入する有機物が減少することで、第2破砕廃棄物からさらに利用価値の高い廃棄物を回収することも容易となる。
例えば、廃棄物の収容に用いられるポリ袋などは、比較的品質が一定した廃プラスチックスであることから、シート状の廃プラスチックスを回収するプラスチックスシート回収装置70を設けることで、再利用しやすい一定品質の廃プラスチックスを回収することができる。
しかも、先述のように第2破砕廃棄物への有機物の混入が低減されており、さらに、第2破砕廃棄物に混入されやすい空き缶などの大型の金属類を第2磁力選別装置40によって除去してからプラスチックスシートの回収を実施させることから、プラスチックスシートの回収効率の向上も図られ得る。
【0050】
このようなプラスチックスシート回収装置70としては、例えば篩い目の大きい振動ふるいを利用することができる。
また、振動ふるい単独ではなく、振動ふるい上に側方から風を吹き付けるか、または、振動ふるい下部から上方向に風を吹き付けるかして、風力による分別が組み合わされた装置が用いられる場合にはより効率よくシート状の廃プラスチックスを回収することができる。
また、別のプラスチックスシート回収装置70としては、複数の引っかけ羽根が設けられた回転軸が、箱状容器の上部開口に複数本(例えば2軸)平行して掛け渡されてなり、この回転軸間を通過する破砕廃棄物と、該引っかけ羽根にて箱状容器外に除外されるシート状の廃プラスチックスとを選り分ける方式のものが挙げられる。
またはローラースクリーンを利用するものも採用が可能である。
また、同様の装置を用いて他のシート状の廃棄物を分別しても良い。
【0051】
また、第1磁力選別装置30、第2磁力選別装置40によって回収された金属類も有効利用が図られることから最終的に排出される廃棄物を減量することができ、本実施形態の廃棄物処理設備は、その処理効率に優れているばかりでなく環境負荷軽減にも有効なものであるといえる。
特に、第2磁力選別装置40では回転ドラム24の貫通孔を通過しない金属が回収されるが、このような金属としてはスチール缶などの缶類が多く、再利用しやすい有価な金属を回収することができる。
なお、アルミ缶を回収するために渦電流分離装置を別途設けても良い。
また、回転ドラムの前段で強い螺旋流(周方向の気流)にさらすことによって、回転ドラム内での撹拌と分離を促進するため、回転ドラム後段に設けられた貫通孔を有効に利用することができるため、回転ドラムの分離効率が高まる。
【0052】
したがって、生物処理可能な有機物を含有する廃棄物を破砕して得られた破砕廃棄物に対してこのようなトロンメル式廃棄物選別装置を用いて回転ドラム内の破砕廃棄物の攪拌を実施しつつ前記有機物の分別を実施することで高い効率で廃棄物の分別を実施しうる。
【0053】
なお、ここでは詳述しないが、トロンメル式廃棄物選別装置、廃棄物処理設備、及び廃棄物分別方法に係る技術事項として従来公知の事項を、本発明の効果が著しく損なわれてない限りにおいて採用が可能であり、上記例示に構成に適宜変更を加えることができる。
【0054】
例えば、本発明の廃棄物処理設備においては、第1の磁力選別装置、第2の磁力選別装置は、それぞれ必須の構成ではなく、必要に応じて設置すれば良く、いずれか片方のみを設置しても良い。
同様に金属処理装置も必須の構成ではなく、また、第1の磁力選別装置、第2の磁力選別装置のそれぞれに金属処理装置を設けても良い。
【符号の説明】
【0055】
1 廃棄物処理設備
10 破砕装置
20 トロンメル式廃棄物選別装置
21 廃棄物シュート
22 アンダーシュート
23 排出シュート
24 回転ドラム
24c 管体
24c1 一端部
24c2 他端部
24ch 貫通孔
24cw 管壁
24r ローラ
24s 支持材
24w 側壁
24x 開口
25 チャンバー
25b 基盤部
25c カバー部
30 磁力選別装置
40 磁力選別装置
50 金属類処理装置
60 生物処理装置
70 プラスチックスシート回収装置
80 廃プラスチックス処理装置
C 中心軸
Fm 気流
Fs 気流
S 規制部材
S1 筒状部
S2 拡径部
Sh 貫通孔
Sw 側壁
H 水平軸
L1 廃棄物導入経路
L2 破砕廃棄物導入経路
L3 破砕廃棄物経路
L4 破砕廃棄物経路
L5 金属廃棄物経路
L6 金属廃棄物経路
L7 生物処理廃棄物経路
L8 廃プラスチックス回収用経路
L9 回収廃プラスチックス経路
L10 廃棄物排出経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物処理可能な有機物を含有する破砕廃棄物の分別に用いられ、筒状の側壁に貫通孔が設けられ軸周りに回転可能に形成された回転ドラムが横置きされて備えられており、前記破砕廃棄物が内部に収容されている状態で前記回転ドラムを回転させることによって前記破砕廃棄物が回転ドラムの一端部側から他端部側に移動され、前記貫通孔を通過して回転ドラム外に排出される有機物を含んだ破砕廃棄物と、前記回転ドラム内を他端部側に移動して、該他端部側から排出される破砕廃棄物とに分別されるべく構成されており、前記回転ドラム内に気流を発生させるための送風機がさらに備えられているトロンメル式廃棄物選別装置であって、
前記回転ドラム内に管体が備えられており、該管体は、その一端部を前記回転ドラムの一端部側に位置させるとともに他端部を回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させ、前記送風機によって前記一端部から流入させた気体を前記他端部側から排出させ得るように回転ドラム内に備えられており、しかも、前記管体には、前記他端部から気体を排出させることによって屈曲が生じて気体の排出方向をランダムに変化させ得るように可とう管が用いられていることを特徴とするトロンメル式廃棄物選別装置。
【請求項2】
前記管体の他端部には、その管壁を貫通する貫通孔が設けられている請求項1記載のトロンメル式廃棄物選別装置。
【請求項3】
前記管体の他端部から回転ドラムの一端部側に向けて気体が排出されることを防止しうるように前記管体の屈曲を規制する規制部材がさらに備えられている請求項1又は2記載のトロンメル式廃棄物選別装置。
【請求項4】
前記規制部材として、前記管体を挿通させうる貫通孔と、該貫通孔の開口縁から前記回転ドラムの他端部側に向けてラッパ状に広がる側壁とを有する規制部材が備えられており、しかも、前記ラッパ状の側壁の先端部が前記管体の他端部よりも回転ドラムの他端部側に位置するように前記管体を前記貫通孔に挿通させて前記規制部材が備えられている請求項3記載のトロンメル式廃棄物選別装置。
【請求項5】
生物処理可能な有機物を含有する破砕廃棄物の分別に用いられ、筒状の側壁に貫通孔が設けられ軸周りに回転可能に形成された回転ドラムが横置きされて備えられており、前記破砕廃棄物が内部に収容されている状態で前記回転ドラムを回転させることによって前記破砕廃棄物が回転ドラムの一端部側から他端部側に移動され、前記貫通孔を通過して回転ドラム外に排出される有機物を含んだ破砕廃棄物と、前記回転ドラム内を他端部側に移動して、該他端部側から排出される破砕廃棄物とに分別されるべく構成されており、前記回転ドラム内に気流を発生させるための送風機をさらに備えているトロンメル式廃棄物選別装置を有する廃棄物処理設備であって、
前記トロンメル式廃棄物選別装置には、前記回転ドラム内に管体が備えられており、該管体は、その一端部を前記回転ドラムの一端部側に位置させるとともに他端部を回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させ、前記送風機によって前記一端部から流入させた気体を前記他端部側から排出させ得るように回転ドラム内に備えられており、しかも、前記管体には、前記他端部側から気体を排出させることによって屈曲が生じて気体の排出方向をランダムに変化させ得るように可とう管が用いられていることを特徴とする廃棄物処理設備。
【請求項6】
生物処理可能な有機物を含有する廃棄物を破砕して得られた破砕廃棄物を、筒状の側壁に貫通孔が設けられ軸周りに回転可能に形成された回転ドラムが横置きされて備えられており、該回転ドラム内に気流を発生させるための送風を行う送風機がさらに備えられているトロンメル式廃棄物選別装置の前記回転ドラム内に導入して、該回転ドラムを回転させることによって前記破砕廃棄物を回転ドラムの一端部側から他端部側に移動させるとともに前記送風機によって回転ドラム内に前記気流を発生させて、前記貫通孔を通過して回転ドラム外に排出される有機物を含んだ破砕廃棄物と、前記回転ドラム内を他端部側に移動して該他端部側から排出される破砕廃棄物との分別を実施する廃棄物分別方法であって、
前記トロンメル式廃棄物選別装置には、前記回転ドラム内に管体が備えられており、該管体は、その一端部を前記回転ドラムの一端部側に位置させるとともに他端部を回転ドラムの一端部から他端部にかけての中間部に位置させ、前記送風機によって前記一端部から流入させた気体を前記他端部側から排出させ得るように回転ドラム内に備えられており、しかも、前記管体には、前記他端部側から気体を排出させることによって屈曲が生じて気体の排出方向をランダムに変化させ得るように可とう管が用いられており、排出方向をランダムに変化させた前記気体の風力によって回転ドラム内の破砕廃棄物の攪拌を実施しつつ前記分別を実施することを特徴とする廃棄物分別方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−214316(P2010−214316A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65614(P2009−65614)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】