説明

トンネル構築工法及びこのトンネル構築工法により構築されたトンネル

【課題】 短期間、かつ低騒音・低振動で、地上部から構造物下方の所定の掘削深度に到達するための下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、この所定の掘削深度にて構造物をアンダーパスするトンネル区間を構築し、トンネル区間の終端から構造物付近の地上部に到達するための上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築するトンネル構築工法を提供する。
【解決手段】 シールド機1を用いて道路の交差点をアンダーパスして構築されるトンネル101は、道路の交差点102付近の地上部から交差点下方のトンネル掘削深度に到達するための下り勾配を有する下りアプローチ区間107aと、トンネル掘削深度にて、道路の交差点102をアンダーパスするトンネル区間104と、このトンネル区間104の終端から道路の交差点102付近の地上部に到達するための上り勾配を有する上りアプローチ区間107bとからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド機を用いて既存の構造物をアンダーパスするトンネルを構築する工法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路等をアンダーパスするトンネルを構築する場合においては、(1)全線を開削工法にて行う、(2)道路の交差点部を推進工法にて行い、アプローチ部を開削工法で行う、のいずれかが主に用いられる。(1)の全線を開削工法にて施工する場合は、地中を掘削する範囲の両側に連続した土留め壁を造成し、開削によって生じる地盤変状を防止する。そして、掘削した部分にトンネルを構築し、元の地盤の高さまで埋め戻しを行う。また、交差点部においては、路面覆工を行い路面交通を可能にし、トンネルを構築した後に埋め戻しを行い道路を復旧するものである。(2)の道路の交差点部を推進工法にて施工し、アプローチ部を開削工法にて施工する場合は、まず、交差点部を挟んだ両側に立坑を設け、交差点の下方に、これを横断するように発進立坑から到達立坑へ、例えば、プレキャストされた複数のコンクリート函体を引き込みながら設置し、この函体からなるトンネルを構築し、次に、上述した開削工法にて施工する場合と同様に、トンネルと地上の道路とを接続するためのアプローチ部を開削して構築するものである(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−120622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した(1)の全線を開削工法にて施工する場合の交差点部における路面覆工作業は交通渋滞を防止するためにほとんどが夜間に行われており、工期を短縮するには、掘削から構築に至る各工程の作業員を増員する方法しかなく、工期短縮には限界があった。また、土留め壁の造成には矢板等を打設する杭打ち機を、内部掘削時及び内部構築時には地盤を掘削する重機を使用するために、騒音・振動を低減することが困難であった。さらに、トンネルに必要な断面以上の地盤を掘削するために環境に負荷がかかっていた。
【0004】
また、上述した(2)のアプローチ部を開削工法にて施工する場合は、アプローチ区間の両外側の部分は一般の自動車等が走行する工事占用外区間となっているため、掘削によって地盤変状が起こるのを防止する必要がある。このため、通常は、アプローチ区間の両側に矢板等を打設し、両側の地盤が崩壊するのを防止しているが、その作業に非常に手間がかかるため、工期が長くなり、工事費が高くついてしまう。また、上記の開削工法と同様に矢板の打設作業には杭打ち機を、開削作業には重機を使用するために、騒音・振動を低減することが困難であった。
【0005】
上述した(2)の道路の交差点部分を推進工法にて施工する場合は、立坑を掘削する作業に手間と時間がかかるために、工期が長くなり、工事費が高くついてしまう。また、立坑を掘削した後に地下構造物へのアプローチ区間を構築しなければならないために、さらに、工期が長くなってしまう。また、立坑の掘削には、上記の開削工法と同様に矢板の打設作業には杭打ち機を、開削作業には重機を使用するために、騒音・振動を低減することが困難であった。また、立坑間にパイプルーフを推進設置する際に、パイプルーフが地下構造体の外郭から大きくはみ出した範囲で山留材が敷設されるために、広い用地が必要となるという問題があった。さらに、立坑内での作業は、狭い範囲での作業で足場の確保が難しく、作業性が悪いという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、シールド機にて既存の構造物をアンダーパスするトンネルを構築する際に、短期間、かつ低騒音・低振動で、地上部から構造物下方の所定の掘削深度に到達するための下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、この所定の掘削深度にて構造物をアンダーパスするトンネル区間を構築し、トンネル区間の先端から構造物付近の地上部に到達するための上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築するトンネル構築工法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
【0008】
請求項1に係る発明のトンネル構築工法は、既存の構造物をアンダーパスするトンネルを構築する工法であって、シールド機を地上部から発進させて、前記シールド機により所定の掘削深度に達するまでの下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、前記シールド機により前記下りアプローチ区間の終点部から、前記構造物をアンダーパスするトンネル区間を構築し、前記シールド機により前記トンネル区間の終点部から地上部に達するまでの上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築して、前記シールド機を地上に到達させることを特徴とする。
本発明によるトンネル構築工法によれば、下りアプローチ区間、トンネル区間及び上りアプローチ区間を連続してシールド機にて掘削するために、立坑の構築及び開削作業が不要となり、飛躍的に工期を短縮することができる。また、立坑の構築及び開削作業が不要となって開削工法を用いないために、杭打ち機等による騒音・振動が発生しない。さらに、シールド機による掘削断面についても、必要断面のみを掘削するために、環境に負荷がかからない。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のトンネル構築工法において、前記上りアプローチ区間及び前記下りアプローチ区間は、掘削部分が地上に開放された半地中部を備えることを特徴とする。
本発明によるトンネル構築工法によれば、上りアプローチ区間及び下りアプローチ区間の半地中部はトンネルの出入り口として使用されるものであり、トンネルを構築するとともにトンネルの出入り口を構築することができるために、従来の出入り口建設工事が不要となり、工期を短縮することができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のトンネル構築工法において、前記半地中部に設置されるセグメントは略U型に構築されることを特徴とする。
本発明によるトンネル構築工法によれば、上りアプローチ区間及び下りアプローチ区間の半地中部は地トンネルの出入り口として使用されるものであり、トンネルを構築するとともにトンネルの出入り口を構築することができるために、上方部分が地上に開放された出入り口建設工事が不要となり、工期を短縮することができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のトンネル構築工法において、前記半地中部のセグメントは、環状又は矩形状に配置され、後に一部が撤去されて略U型に構築されることを特徴とする。
本発明によるトンネル構築工法によれば、トンネルを掘進する際のシールドジャッキの反力をとるためのセグメントが多いために、シールド機が容易に推進することができる。また、上りアプローチ区間及び下りアプローチ区間の半地中部はトンネルの出入り口として使用されるものであり、トンネルを構築するとともにトンネルの出入り口を構築することができるために、上方部分が地上に開放された出入り口建設工事の工期を短縮することができる。
【0012】
請求項5に係る発明のトンネルは、既存の構造物をアンダーパスして構築されるトンネルにおいて、シールド機を地上部から発進させて、前記シールド機により所定の掘削深度に達するまでの下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、前記シールド機により前記下りアプローチ区間の終点部から、前記構造物をアンダーパスするトンネル区間を構築し、前記シールド機により前記トンネル区間の終点部から地上部に達するまでの上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築するトンネル構築工法にて構築されたことを特徴とする。
本発明によるトンネルによれば、アプローチ区間及びトンネル区間をシールド機を用いて連続して掘削するために、立坑の構築及び開削作業が不要となり、飛躍的に工期を短縮することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上、説明したように、本発明のトンネル構築工法によれば、下りアプローチ区間、トンネル区間及び上りアプローチ区間を連続してシールド機にて掘削する。従って、立坑の構築及び開削作業が不要となり、飛躍的に工期を短縮することができ、杭打ち機等による騒音・振動も発生しない。
【0014】
本発明のトンネル構築工法によれば、シールド機は、シールド機の外殻とほぼ同じ大きさで通過に必要な断面のみを掘削する。従って、環境に負荷がかからない。
【0015】
本発明のトンネル構築工法によれば、交通を遮断することなくトンネルを構築することができるので、周辺の生活環境に影響を与えることがなくなる。
【0016】
本発明によるトンネル構築工法によれば、上りアプローチ区間及び下りアプローチ区間の半地中部はトンネルの出入り口として使用されるものであり、トンネルを構築するとともにトンネルの出入り口を構築する。従って、従来の出入り口建設工事が不要となり、工期を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、発明の理解の便宜上、道路の交差点をアンダーパスするトンネルをシールド機にて構築する方法について説明するが、本発明の適用対象は道路に限定されるものではなく、低土被り区間を掘進するシールド機一般に広く適用が可能である。
【0018】
図1は、本発明によるトンネル構築工法により構築されるトンネル区間及びアプローチ区間の全体を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように、シールド機1を用いて道路の交差点をアンダーパスして構築されるトンネル101は、地上発進部110から交差点下方のトンネル掘削深度に到達するための下り勾配を有する下りアプローチ区間107aと、トンネル掘削深度にて、道路の交差点102をアンダーパスするトンネル区間104と、このトンネル区間104の終端から地上到達部111に到達するための上り勾配を有する上りアプローチ区間107bとからなる。
【0020】
図2は、本発明によるシールド機1の一実施の形態を示す斜視図である。図2に示すように、シールド機1は、地中200を掘削するためのカッター刃9、18を備えた機械本体部2と、機械本体部2を推進させるための動力部25と、機械本体部2と動力部25とを連結する連結手段(図示せず)とを備えている。
【0021】
機械本体部2は、矩形筒状の前胴体(ケーシング)3と、前胴体3内に縦横に所定の組合せで配列されるとともに、各々が独立して前胴体3から出没可能、かつ各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールド6と、幅方向の両端の主シールド6と前胴体3との間に設けられるとともに、各々が独立して前胴体3から出没可能、かつ各々が独立して駆動可能な複数の主シールド6よりも小幅の矩形状の側部シールド15とを備えている。
【0022】
前胴体3の内部は、各主シールド6及び各側部シールド15がスライド自在に設けられ、前胴体3からその前方に向かって出没可能に構成されている。各主シールド6及び各側部シールド15は、独立して前胴体3から出没可能に構成されている。なお、各主シールド6間、及び主シールド6と側部シールド15との間には、前胴体3と一体の隔壁を設けることもできる。
【0023】
各主シールド6は、前胴体3内にスライド自在に設けられる矩形状のシールド本体7と、シールド本体7と前胴体3との間に設けられて、シールド本体7を進退させるスライドジャッキ10と、シールド本体7の前面側に主シールド6の矩形領域を掘削するように挙動するとともに、側部シールド15側に向けて直線状又は弧を描きつつ水平方向にシフト可能であり、先端部にカッター刃9を有するカッターヘッド8と、シールド本体7に設けられる駆動源11と、駆動源11の駆動力をカッターヘッド8に伝達する動力伝達機構12とを備えており、各主シールド6は独立して駆動可能に構成されている。カッターヘッド8は、主シールド6の矩形領域を掘削するため、例えば、公知のOHM工法(Omni-sectional(あらゆる断面に対応できる)Hedge(取り囲む) tunnelling Method(トンネル工法)の略称で、シールドカッタ部の3本のスポーク駆動軸を偏心逆回転させることで、角形掘進形状を掘削することができる)と同様な機構となっている。ただし、OHM工法に用いられている機構に限定されるものではなく、他の機構を用いても良い。
【0024】
各側部シールド15は、前胴体3内にスライド自在に設けられる矩形状のシールド本体16と、シールド本体16と前胴体3との間に設けられて、シールド本体16を進退させるスライドジャッキ19と、シールド本体16の前面側に回転可能に設けられるとともに、先端部にカッター刃18を有するカッターヘッド17と、シールド本体16に設けられる駆動源20と、駆動源20の駆動力をカッターヘッド17に伝達する動力伝達機構21とを備えており、各側部シールド15は、独立して駆動可能に構成されている。
【0025】
各主シールド6のシールド本体7及び各側部シールド15のシールド本体16には、掘削した土砂を排出するための排出装置(図示せず)がそれぞれ接続されている。
【0026】
動力部25は、機械本体部2の前胴体3の後部に連結手段(図示せず)を介して連結される矩形筒状の後胴体26と、後胴体26内の4隅に設けられてシールド機1全体を推進させる複数のシールドジャッキ27とを備えている。
【0027】
連結手段は、前胴体3と後胴体26とを、上下方向及び左右方向に相対的に屈曲自在に連結する連結継手(図示せず)と、前胴体3と後胴体26との間に設けられて、前胴体3の後胴体26に対する上下方向及び左右方向への相対的な屈曲角度を所定の値に設定する中折れジャッキ28とから構成されている。
【0028】
後胴体26の内側にはセグメント組立装置(図示せず)が設けられ、このセグメント組立装置により、掘削した部分の内面に順次セグメント29が組立てられ、セグメント29による内壁が構築される。
【0029】
以下に、シールド機1にて道路の交差点102をアンダーパスするトンネル101の構築工法について、トンネル101の掘削手順に従って説明する。
【0030】
最初に、シールド機1による下りアプローチ区間107aの構築工法について説明する。
【0031】
図3〜図6には、本発明によるトンネル構築工法のシールド機1の発進方法の一実施の形態が示されていて、図3はトンネル101の下りアプローチ区間107aを示す概略平面図、図4は図3の正面図、図5は図3のA−A線断面図、図6はシールド機1の発進時の状態を示す正面図である。
【0032】
図3〜図6を参照しながら、この実施の形態によるトンネル構築工法のシールド機1の発進方法について具体的に説明する。
【0033】
まず、道路の交差点102をアンダーパスするトンネルへ101の下りアプローチ区間107aの端部をシールド機1の地上発進部110とし、他方の上りアプローチ区間107bの端部を地上到達部111とし、地上発進部110の地盤上にシールド機1の地上発進時の反力をとるための反力手段34を設置する。
【0034】
反力手段34は、複数の鋼材を組合せて構成した架台35であって、架台35の一部でシールド機1のシールドジャッキ27を支持することにより、シールド機1の発進時の反力をとることができ、シールド機1を地上発進させることが可能となる。架台35は、地上発進部110の地盤上にコンクリート製の基台33を介して設置される。基台33の上面の地盤に対する角度は、下りアプローチ区間107aの所定の下り勾配と同じ勾配となるように基台33の上面が形成される。なお、地上発進部110の地盤が硬質の場合には、基台33を介さずに直接に地盤上に架台35を設置しても良い。
【0035】
架台35は、図3〜図5に示すように、シールド機1の発進時の反力をとるための反力受台36と、シールド機1の発進時の自重を支持するための発進受台41とを備えている。発進受台41の上面は、基台33上に設置されるために、下りアプローチ区間107aの所定の下り勾配と同じ勾配を有し、シールド機1を地上から地中200へ所定の下り勾配で進入させることが可能となる。反力受台36及び発進受台41は、それぞれ別体に形成して地上発進部110の地盤上に設置しても良いし、一体に形成して地盤上に設置しても良い(この実施の形態においては別体に形成して地盤上に設置している。)。
【0036】
反力受台36は、シールド機1の推進方向に対して略平行に設置される一対の脚37、37と、両脚37、37の長手方向の中央部間に両脚37、37と直角をなすように架設される梁38と、各脚37の長手方向の中央部に垂直に立設される支柱39と、各支柱39の後面側(シールド機1の推進方向後方側の面)の上端部と各脚37の長手方向の一端部(シールド機1の推進方向後方側の端部)との間に斜めに架設される筋交40とから構成される。
【0037】
反力受台36は、図6に示すように、各支柱39の前面側(シールド機1の推進方向前方側の面)でシールド機1のシールドジャッキ27の後端部を支持し、これによりシールド機1の推進時の反力をとることができ、シールド機1を地上発進させることが可能となる。反力受台36の脚37、梁38の本数は、特に制限はなく、地中200の状態、使用するシールド機1の種類等に応じて適宜の本数とすれば良い。
【0038】
発進受台41は、反力受台36の両脚37、37間に設置され、シールド機1の推進方向に対して略平行に設置される3本の脚42、42、42と、それらの脚42、42、42間の後端部(シールド機1の推進方向後方側の端部)間に脚42、42、42と直角をなすように架設される2本の梁43、43とから構成される。
【0039】
発進受台41の各脚42は、反力受台36の各脚37よりも長く形成され、各脚42の後端が反力受台36の各脚37の後端と面一となり、各脚42の前端が反力受台36の各脚37の前端よりもシールド機1の推進方向前方に所定の長さ突出するように、反力受台36の両脚37、37間に設置される。
【0040】
発進受台41は、図4に示すように、シールド機1の地上発進の際にシールド機1の自重を支持し、シールド機1が沈下するのを防止している。発進受台41の脚42、梁43の本数は、特に制限はなく、地中200の状態、使用するシールド機1の種類等に応じて適宜の本数とすれば良い。
【0041】
反力受台36の各脚37及び梁38に対応する地中200の部分には、図4及び図5に示すように、それぞれ複数本の杭44が打設され、これらの杭44の上部に各脚37及び梁38が溶接、ボルト等の連結手段により一体に連結されている。
【0042】
杭44は、各脚37及び梁38を支持できるものであれば特に制限はなく、周知の鋼管杭、鉄筋コンクリート杭、プレストレスト杭等を使用することができる。杭44の打設方法も特に制限はなく、使用する杭44の種類に応じた周知の打設方法を使用することができる。
【0043】
上記のように地中200に打設した複数の杭44によって反力受台36の各脚37及び梁38を支持することにより、シールド機1の発進時にシールド機1の自重によって反力受台36が沈下するのを防止することができ、地盤の状態に影響されることなく、シールド機1を地上から所定の下り勾配にて発進させることができる。
【0044】
発進受台41の各脚42及び梁43に対応する地中200の部分には、図4及び図5に示すように、それぞれ複数本の杭44が打設され、これらの杭44の上部に各脚42及び梁43が溶接、ボルト等の連結手段により一体に連結されている。
【0045】
杭44の材料は、反力受台36の杭44と同様に、各脚42及び梁43を支持できるものであれば特に制限はなく、周知の鋼管杭、鉄筋コンクリート杭、プレストレスト杭等を使用することができる。また、杭44の打設方法も特に制限はなく、使用する杭44の種類に応じた周知の打設方法を使用することができる。
【0046】
上記のように地中200に打設した複数の杭44によって発進受台41の各脚42及び梁43を支持することにより、シールド機1の発進時にその反力をとることができるとともに、シールド機1の自重によって発進受台41が沈下するのを防止することができ、地中200の状態に影響されることなく、シールド機1を地上から掘進させることができる。
【0047】
なお、上述した実施形態では、杭44の上部に各脚37及び梁38が溶接、ボルト等の連結手段により一体に連結することにより、杭44と反力受台36とを直接連結したものを例示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、杭44の頭部を基台33の中間部にとどめ、杭44と反力受台36とを基台33を介して間接的に連結することもできる(図示せず)。
【0048】
なお、反力受台36の各脚37及び梁38、発進受台41の各脚42及び梁43を、図6に示すように、各脚37、42及び梁38、43に対応する地中200の部分に斜めに複数のアンカー45を打設し、このアンカー45に溶接、ボルト等の固定手段を介して各脚37、42及び梁38、43を固定するように構成しても良い。
【0049】
架台35の反力受台36及び発進受台41の各脚37、42及び梁38、43の上部には、枕木46を介してレール47が敷設され、このレール47上を機関車48が走行可能に構成され、この機関車48を介して機材の搬入、搬出、掘削した土砂の排出等の作業を行う。
【0050】
シールド機1が地中200に進入する際は、シールド機1を架台35の発進受台41の上部に設置し、各シールドジャッキ27の後端部を反力受台36の各支柱39の前面側に当接させ、シールドジャッキ27を作動させて反力受台36によって反力をとる。
【0051】
図7〜図20には、下りアプローチ区間107aの掘削方法及び側部地盤変状防止方法の一実施の形態が示されている。
【0052】
主シールド6の配列は、構築するトンネル101の掘削断面の形状、大きさ等に応じて適宜の組合せとすることができ、図7〜16は、例えば、縦×横=2(段)×3(列)を、また、図17〜図20は、縦×横=1(段)×2(列)を示している。
【0053】
図7及び図8に示すように、機械本体部2の下段の両外側に位置する側部シールド15、15のカッターヘッド17、17を回転駆動させ、スライドジャッキ19、19を作動させて側部シールド15、15を前胴体3から所定の速度で突出させる。側部シールド15、15の前方に位置する地中200をカッターヘッド17、17のカッター刃18、18により掘削するとともに、シールド機1が地上から地中200へ所定の下り勾配で進入する。
【0054】
次に、図9に示すように、下段の両外側に位置する主シールド6、6のカッターヘッド8、8を回転駆動させ、スライドジャッキ10、10を作動させて両主シールド6、6を前胴体3から所定の速度で突出させ、両主シールド6、6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8、8のカッター刃9、9により掘削し、その掘削した部分を側部シールド15、15によって掘削した部分に連通させる。
【0055】
次に、図10に示すように、下端の中央部に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させて主シールド6を前胴体3から所定の速度で突出させ、その主シールド6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削し、その掘削した部分を両側の主シールド6、6により掘削した部分に連通させる。
【0056】
このようにして、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15により、下りアプローチ区間107aに対する第1段階の掘削が完了する。
【0057】
次に、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シード15、15を前胴体3から突出させた状態で、動力部25のシールドジャッキ27を作動させることにより、シールド機1全体を前進させ、図11〜図13に示すように、下段の両側の側部シールド15、15のカッターヘッド17、17を回転駆動させ、スライドジャッキ19、19を作動させることにより両側部シールド15、15を前胴体3から所定の速度で突出させ、両側部シールド15、15の前方に位置する地中200をカッターヘッド17、17のカッター刃18、18により掘削し、その掘削した部分を最初に掘削した部分に連通させる。
【0058】
次に、図14に示すように、下段の両外側に位置する主シールド6、6のカッターヘッド8、8を回転駆動させ、スライドジャッキ10、10を作動させて両主シールド6、6を前胴体3から所定の速度で突出させ、両主シールド6、6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8、8のカッター刃9、9により掘削し、その掘削した部分を側部シールド15、15によって掘削した部分に連通させる。
【0059】
次に、図15に示すように、下端の中央部に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、その主シールド6のスライドジャッキ10を作動させることにより、その主シールド6を前胴体3から所定の速度で突出させ、その主シールド6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削し、その掘削した部分を両側の主シールド6、6により掘削した部分に連通させる。
【0060】
このようにして、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15により、下りアプローチ区間107aに対する第2段階の掘削が完了する。そして、図16に示すように、このような下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15による掘削を繰り返し行うことにより、下りアプローチ区間107aの全長を掘削することができる。
【0061】
図17〜図20に示すように、各主シールド6は、シールド本体7、スライドジャッキ10、カッターヘッド8、駆動源11、動力伝達機構12を備える。また、カッターヘッド18は、図18に示すように、シールド本体7の前面側に主シールド6の矩形領域を掘削するように挙動するとともに、側部シールド15側に向けて直線状又は弧を描きつつ水平方向にシフト可能である。
【0062】
上述した掘進方法にてシールド機1で下りアプローチ区間107aを掘削するとともに、シールド機1の後方には、掘削した部分の内面に順次セグメント29が組立てられ、セグメント29による内壁が構築される。このセグメント29は、地中200に埋設される地中部と、半地下状態に構築される半地中部とからなる。地中部は、地中200にセグメント29を環状又は矩形状に配設して構築される。また、半地中部は、地上発進部110の出入り口前後にセグメント29をU字型に配設し、上方が地上に開放した状態に構築される。
【0063】
なお、本実施形態においては、半地中部の地上発進部110の出入り口付近にU字型にセグメント29を構築する方法について説明したが、本発明の適用対象は、掘削時にセグメント29をU字型に構築する方法に限定されるものではなく、掘削時は環状又は矩形状にセグメントを構築し、後で上方の一部のセグメントを撤去する方法を用いても良い。
【0064】
次に、トンネル区間104の両端部、つまり、アプローチ区間とトンネル区間104との接続部に位置する土被り厚さが所定の厚さよりも薄い部分に地盤改良を施し、トンネル101となる全区間において地盤変状が生じることを防止する方法について説明する。
【0065】
図21は図1の拡大された部分断面図、図22は図21の縦断面図、図23は図21のA−A線断面図、図24は図21のB−B線断面図、図25は図21のC−C線断面図、図26はトンネル区間104の両端部105に位置する土被り厚さが所定の厚さよりも薄い部分の幅方向両側部108における地盤変状防止箇所を示す断面図である。
【0066】
道路の交差点102の直下をアンダーパスするトンネル区間104は、図21〜図23に示すように、シールド機1による土被りの地盤変状を防止するため、土被りの厚さが0.5D〜0.7D(D;トンネルの径、シールド機が断面円形であるときは直径、断面矩形であるときは一辺の長さ、以下、同じ。)以上に設定される。本実施の形態におけるトンネル101の径Dは、複数の主シールド6のうちの最上段に位置する主シールド6の径である。
【0067】
ところで、トンネル区間104の両端部105においては、構造上、例えば0.5Dよりも薄い部分が生じるため、その部分に地盤変状の問題が生じることは避けられない。また、図21及び図22に示すように、トンネル区間104の両端部105に位置する土被り厚さが所定の厚さよりも薄い部分の幅方向両側部108では、トンネル区間104の地盤変状に起因する崩壊が生じることがある。
【0068】
このため、この実施の形態においては、トンネル区間104の軸方向両端部105に位置する土被り厚さが所定の厚さよりも薄い部分に対して地盤改良を施し、この地盤改良部106によって当該部分を補強している。地盤改良方法としては、周知の薬液注入工法、高圧噴射攪拌工法(例えば、CJG工法(商品名):http://www.raito.co.jp/construction/ground/cjg.html)等の地盤改良方法を用いることができる。薬液としては、例えば、水ガラスと硬化剤とを組合せたものを使用することができ、薬液を地盤改良部分に注入して硬化させることにより、その部分を補強することができる。
【0069】
地盤改良部106は、図1、図21〜23に示すように、後端を土被りの厚さが0.5D〜0.7Dとなる位置とし、先端をトンネル区間104の始端に向かう所定の区間とする範囲内とする。この範囲は、土質、トンネル径等に基づいて、掘削時にトンネル区間104に地盤変状が生じないものとなる値を計算することにより求めることができる。そして、その範囲内の全体に薬液を注入して硬化させることにより、その部分に直方体状の補強された地盤を形成することができる。
【0070】
地盤改良部106のさらに、トンネル軸方向両側には、地盤改良部106と連続して、トンネル幅方向両側部108に地盤改良を施すことが好ましい。さらに、トンネル幅方向両側部108に位置する地盤改良部109は、図1、図21〜図26に示すように、セグメント29の上部に位置する地盤改良部109aと連続しトンネル軸方向と直交する鉛直断面がL字形状となっていることが好ましい。
【0071】
ここで、トンネル幅方向両側部108の地盤改良部109の始端は、トンネル軸方向と直交する鉛直断面において、トンネル幅方向における工事占有部分を画定する境界線と、掘削部分の開口上縁(セグメント29の外側上角部)とのなす角度が所定角度(例えば45度)を超えない位置とするものとする。この角度が例えば45度を超えると、トンネル掘削の際、地盤が変状する領域が工事占有部分を超えるおそれがあるから、上記角度を超えない位置を地盤改良部109の始端とすることにより、トンネル掘削に際して地盤変状部分が工事占有部分を超えることがない。
【0072】
次に、トンネル区間を掘削する方法について説明する。
図27〜図35には、トンネル区間104の掘進方法の一実施の形態が示されている。下りアプローチ区間107aを掘削した後に、連続してトンネル区間104を掘削する。まず、中折れジャッキ28を伸縮させて前胴体3の勾配をトンネル区間104の所定の勾配と同じになるように調整し、図27に示すように、上段の左外側に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させることによりその主シールド6を前胴体3から突出させ、その主シールド6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削する。
【0073】
なお、発明の理解の便宜上、下りアプローチ区間107aを掘削した後にトンネル区間104の所定の勾配となるように前胴体3の勾配を調整すると説明しているが、実際は、下りアプローチ区間107aの掘削終了地点に到達する以前から徐々に前胴体3の勾配を変化させ、シールド機1がカーブを描きながらスムーズにトンネル区間104の所定の勾配となるように下りアプローチ区間107aの掘削を行う。
【0074】
次に、図28に示すように、上段の右外側に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させることによりその主シールド6を前胴体3から突出させ、その主シールド6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削する。
【0075】
次に、図29に示すように、上段の真中に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させることによりその主シールド6を前胴体3から突出させ、その主シールド6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削する。
【0076】
次に、図30に示すように、上段の3つの主シールド6、6、6を突出させた状態で、下段の3つの主シールド6、6、6のカッターヘッド8を回転駆動させ、それらのスライドジャッキ10を作動させることによりそれらの主シールド6、6、6を前胴体3から突出させ、それらの主シールド6、6、6の前方に位置する地中200を各々のカッターヘッド8のカッター刃9により掘削する。
この場合、図示はしないが、上段の3つの主シールド6、6、6と同様に、左外側の主シールド6、右外側の主シールド6、真中の主シールド6の順に駆動させ、それらの主シールド6の前方に位置する地中200を掘削しても良い。
このようにして、上段の3つの主シールド6、6、6及び下段の3つの主シールド6、6、6によって掘削対象箇所の第1段階の掘削作業が完了する。
【0077】
次に、図31に示すように、上段の3つの主シールド6、6、6及び下段の3つの主シールド6、6、6を突出させた状態で、シールドジャッキ27を作動させることにより前胴体3及び後胴体26を前進させ、上段の3つの主シールド6、6、6及び下段の3つの主シールド6、6、6を前胴体3内に相対的に没入させる。
【0078】
次に、図32に示すように、上段の左外側に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させることによりその主シールド6を前胴体3から突出させ、その主シールド6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削する。
【0079】
次に、図33に示すように、上段の右外側に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させることによりその主シールド6を前胴体3から突出させ、その主シールド6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削する。
【0080】
次に、図34に示すように、上段の真中に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させることによりその主シールド6を前胴体3から突出させ、その主シールド6の前方に位置する地中200をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削する。
【0081】
次に、図35に示すように、上段の3つの主シールド6、6、6を突出させた状態で、下段の3つの主シールド6、6、6のカッターヘッド8、8、8を回転駆動させ、それらのスライドジャッキ10を作動させることによりそれらの主シールド6、6、6を前胴体3から突出させ、それらの主シールド6、6、6の前方に位置する地中200を各々のカッターヘッド8のカッター刃9により掘削する。
この場合、図示はしないが、上段の3つの主シールド6、6、6と同様に、左外側の主シールド6、右外側の主シールド6、真中の主シールド6の順に駆動させ、それらの主シールド6の前方に位置する地中200を掘削しても良い。
このようにして、上段の3つの主シールド6、6、6及び下段の3つの主シールド6、6、6によって掘削対象箇所の第1段階の掘削作業が完了する。そして、このような上段の各主シールド6による掘削、下段の各主シールド6による掘削作業を繰り返すことにより、トンネル区間104を掘削することができるものである。
【0082】
最後に、上りアプローチ区間107bを掘削する方法について説明する。
トンネル区間104を掘削した後に、連続して上りアプローチ区間107bを掘削する。まず、中折れジャッキ28を伸縮させて前胴体3の勾配を上りアプローチ区間107bの所定の勾配と同じになるように調整し、上述した下りアプローチ区間107aの掘削方法と同様に、シールド機1の下段の両外側に位置する側部シールド15、下段の両外側に位置する主シールド6、下端の中央部に位置する主シールド6の順番により、アプローチ区間107bに対する第1段階の掘削を行い、シールド機1全体を前進させる。この一連の動作を繰り返し行うことにより、地上への上りアプローチ区間107bの全長を掘削する。また、シールド機1が地上到達部111に到達する際は、地山の崩壊、路面の陥没等のないように注意してシールド機1を到達させる。
【0083】
上記のように構成したシールド機1によるトンネル構築工法にあっては、下りアプローチ区間107a、トンネル区間104及び上りアプローチ区間107bをシールド機1にて連続して掘削するために、立坑の構築及び開削作業が不要となり、飛躍的に工期を短縮することができる。また、立坑の構築及び開削作業が不要となって開削工法を用いないために、杭打ち機等による騒音・振動が発生しない。そして、シールド機1による掘削断面についても、必要断面のみを掘削するために、環境に負荷がかからない。さらに、道路の交差点102付近での占用工事が不要となるために、二次交通渋滞を抑制することができる。
【0084】
また、本発明によるトンネル構築工法にあっては、上りアプローチ区間107b及び下りアプローチ区間107aの半地中部はトンネル101の出入り口として使用されるものであり、トンネル101を構築するとともにトンネル101の出入り口を構築することができるために、従来の出入り口建設工事が不要となり、工期を短縮することができる。
【0085】
さらに、掘削対象箇所の形状、大きさに応じて、複数の主シールド6、6……を縦横に任意の配列で組合せることができるので、汎用性を高めることができる。
【0086】
図36〜図38に主シールド6の他の組合せ例を示す。
図36(a)、(b)は、縦×横=2(段)×3(列)の組合せ、図37(a)、(b)は、縦×横=2(段)×5(列)の組合せ、図38(a)、(b)は、縦×横=3(段)×3(列)の組合せである。図35〜図37中、1〜6は、駆動順番を示している。これらの組合せのシールド機1を用いた場合であっても、前述したものと同様の作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明による地盤変状防止方法の一実施の形態を示したものであって、地盤変状防止箇所の全体を示す断面図である。
【図2】本発明によるシールド機の一実施の形態を示す斜視図である。
【図3】トンネルの下りアプローチ区間を示す概略平面図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】図3のA−A線断面図である。
【図6】本発明によるシールド機の発進時の状態を示す正面図である。
【図7】本発明によるシールド機及びシールド機の発進方法の一実施の形態を示した概略図であって、第1段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図8】図7の側部シールドをさらに掘進させた状態を示した説明図である。
【図9】下段の両側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図10】下段の真中の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図11】第2段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図12】図11の側部シールドをさらに掘進させた状態を示した説明図である。
【図13】図11の側部シールドをさらに掘進させた状態を示した説明図である。
【図14】下段の両側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図15】下段の真中の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図16】第3段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図17】1段×2列のシールド機を示した正面図である。
【図18】図17のシールド機の主シールドの偏心状態を示した説明図である。
【図19】図17のA−A線断面図である。
【図20】図17のB−B線断面図である。
【図21】図1の拡大された部分断面図である。
【図22】図21の縦断面図である。
【図23】図21のA−A線断面図である。
【図24】図21のB−B線断面図である。
【図25】図21のC−C線断面図である。
【図26】トンネル幅方向の地盤改良位置を示す断面図である。
【図27】上段の左外側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図28】上段の右外側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図29】上段の真中の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図30】下段の3つの主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図31】前胴体及び後胴体を前進させた状態を示した説明図である。
【図32】上段の左外側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図33】上段の右外側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図34】上段の真中の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図35】下段の3つの主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図36】主シールドの他の組合せの例を示した説明図である。
【図37】主シールドの他の組合せの例を示した説明図である。
【図38】主シールドの他の組合せの例を示した説明図である。
【符号の説明】
【0088】
1 シールド機 2 機械本体部
3 前胴体 6 主シールド
7 シールド本体 8 カッターヘッド
9 カッター刃 10 スライドジャッキ
11 駆動源 12 動力伝達機構
15 側部シールド 16 シールド本体
17 カッターヘッド 18 カッター刃
19 スライドジャッキ 20 駆動源
21 動力伝達機構 25 動力部
26 後胴体 27 シールドジャッキ
28 中折れジャッキ 29 セグメント
33 基台 34 反力手段
35 架台 36 反力受台
37、42 脚 38、43 梁
39 支柱 40 筋交
41 発進受台 44 杭
45 アンカー 46 枕木
47 レール 48 機関車
101 トンネル 102 道路の交差点
104 トンネル区間 105 (トンネル区間の)両端部
106 地盤改良部 107a 下りアプローチ区間
107b 上りアプローチ区間 108 幅方向両側部
109 地盤改良部 110 地上発進部
111 地上到達部 200 地中

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存の構造物をアンダーパスするトンネルを構築する工法であって、
シールド機を地上部から発進させて、前記シールド機により所定の掘削深度に達するまでの下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、
前記シールド機により前記下りアプローチ区間の終点部から、前記構造物をアンダーパスするトンネル区間を構築し、
前記シールド機により前記トンネル区間の終点部から地上部に達するまでの上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築して、前記シールド機を地上に到達させることを特徴とするトンネル構築工法。
【請求項2】
前記上りアプローチ区間及び前記下りアプローチ区間は、掘削部分が地上に開放された半地中部を備えることを特徴とする請求項1に記載のトンネル構築工法。
【請求項3】
前記半地中部に設置されるセグメントは略U型に構築されることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル構築工法。
【請求項4】
前記半地中部のセグメントは、環状又は矩形状に配置され、後に一部が撤去されて略U型に構築されることを特徴とする請求項3に記載のトンネル構築工法。
【請求項5】
既存の構造物をアンダーパスして構築されるトンネルにおいて、
シールド機を地上部から発進させて、前記シールド機により所定の掘削深度に達するまでの下り勾配を有する下りアプローチ区間を構築し、前記シールド機により前記下りアプローチ区間の終点部から、前記構造物をアンダーパスするトンネル区間を構築し、前記シールド機により前記トンネル区間の終点部から地上部に達するまでの上り勾配を有する上りアプローチ区間を構築するトンネル構築工法にて構築されたことを特徴とするトンネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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