説明

ドアロック制御装置

【課題】ドアが半ドアである際に、妨害電波にかかわらず、携帯機2を所持したユーザの状況に応じて半ドアの閉め直しを行い、その後にドアロックを行うことのできるドアロック制御装置を提供する。
【解決手段】第1受信機1に、半ドア判定手段100、照合手段110および電界強度比較手段140を備えさせる。そして、第1受信機1に、半ドア判定手段100により半ドアであると判定された場合であって、照合手段110により携帯機2から送信される信号に含まれた識別情報と第1受信機に登録されている識別情報とが一致するとの結果が得られないときで、かつ電界強度比較手段140により周囲の信号の電界強度が閾値より小さいと判定された場合に半ドアを閉め直す信号を出力すると共に、ドアをロックする信号を出力する制御手段を備えさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが車両から離れた際に、車両に備えられるドアが半ドアである際には半ドアを閉め直した後、ドアロックを行うドアロック制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両側に備えられたドアロックを制御する制御部に備えられたアンテナとユーザが所持する携帯機との無線通信において、携帯機および制御部に備えられたアンテナに通信可能範囲を設定して、制御部に備えられたアンテナと携帯機との通信が成立するか、不成立かにより、アンテナの通信可能範囲に携帯機を所持したユーザがいるか、いないかを判定し、車両のドアロック、アンロックなどの制御が行われるシステムが知られている。このシステムは、いわゆるスマートエントリ(登録商標)システムとして知られるものである。
【0003】
このスマートエントリシステムを利用するものとして、例えば、特許文献1において、車両に備えられているドアが半ドアの際に、車両に備えられている制御部のアンテナとユーザが所持する携帯機との通信が成立している際には、制御部ではアンテナの通信可能範囲内に携帯機を所持したユーザがいると判定して半ドアの閉め直しおよびドアロックを行わず、アンテナと携帯機との通信が不成立の際には、制御部ではアンテナの通信可能範囲内に携帯機を所持したユーザがいないと判定して半ドアを閉め直した後、ドアロックを行うことが開示されている。
【特許文献1】特開2007−146396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムは、車両に備えられた制御部のアンテナとユーザが携帯する携帯機との通信にLF帯の信号が使用されているため、市場のあらゆる電磁機器から発生される電磁ノイズが妨害電波となり、制御部のアンテナと携帯機との通信が阻害されることがある。このため、制御部では、妨害電波により制御部のアンテナと携帯機との通信が不成立である際に携帯機を所持するユーザがアンテナの通信可能範囲外へ移動したと誤判定する可能性がある。この場合、車両近傍に携帯機を所持したユーザがいるにもかかわらず、制御部で携帯機を所持したユーザはアンテナの通信可能範囲外にいると判定されるため、ドアが半ドアである際には半ドアの閉め直しが行われると共にドアロックが行われる。このため、ユーザがドアの開閉をユーザ自身で行う意思がある際にも制御部にて半ドアの閉め直し、その後にドアロックが行われることになり、ユーザの状況に応じて求められている制御と異なる制御を行ってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、車両に備えられているドアが半ドアである際に、妨害電波にかかわらず、携帯機を所持したユーザの状況に応じて半ドアの閉め直しを行い、その後にドアロックを行うことのできるドアロック制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のように、制御部にて、携帯機を所持したユーザが車両近傍にいるにもかかわらず携帯機を所持したユーザがアンテナの通信可能範囲外へ移動としたと誤判定されるのは、市場の電磁機器から発生される電磁ノイズが妨害電波となり、アンテナと携帯機との通信が不成立になるためである。したがって、電磁ノイズが妨害電波となるか否かを判定する装置を備えれば、アンテナと携帯機との通信が不成立の際に、携帯機を所持したユーザがアンテナの通信可能範囲内にいるか否かの判定が行えると考えられる。
【0007】
しかし、新たに周囲の信号を受信すると共に信号の電界強度を測定し、その電界強度に基づいて周囲の信号が妨害電波となるか否かを判定する装置を車両に備え付けることは、部品点数が増加すると共に、コストの増大の原因にもなる。そこで、本発明者らは、車両に備えられるタイヤ空気圧検出装置を利用して周囲の信号が妨害電波となるか否かを判定する手段を見出した。
【0008】
本発明では、送信機(3)はタイヤの空気圧測定および周囲の信号の電界強度測定を行ってタイヤの空気圧を表す信号および周囲の信号の電界強度を表す信号を送信し、第2受信機(4)はその信号を受信して、受信した信号のうち電界強度を表す信号を第1受信機(1)に出力する。そして、第1受信機(1)は、半ドアであるか否かを判定する半ドア判定手段(100)と、携帯機(2)からの信号に含まれた識別情報と登録されている識別情報とが一致するか否かを照合する照合手段(110)と、周囲の信号の電界強度と閾値とを比較する電界強度比較手段(140)とを有しており、半ドア判定手段(100)により半ドアであると判定された場合で、照合手段(110)により携帯機(2)からの信号に含まれた識別情報と第1受信機(1)に登録されている識別情報とが一致するとの結果が得られないときで、かつ、電界強度比較手段(140)により周囲の信号の電界強度は閾値より小さいと判定された際に、半ドアを閉め直す信号を出力すると共に、ドアのロックを行う信号を出力する制御を備えていることを特徴とする。
【0009】
このようなドアロック制御装置によれば、第1受信機(1)は周囲の信号の電界強度と閾値とを比較して周囲の信号が妨害電波となるか否かを判定しているので、携帯機(2)を所持したユーザが車両(50)近傍にいるにもかかわらず、第1受信機(1)が半ドアを閉め直す信号を出力すると共に、ドアのロックを行う信号を出力してしまうことを防止することができる。このため、ユーザの状況に応じてドアのロックを行うことができるので安全性にも優れている。
【0010】
また、車両(50)に取り付けられているタイヤ空気圧検出装置を用いて周囲の信号の電界強度測定を行っているので、新たに電界強度を測定する装置を車両(50)に取り付けた場合と比較して部品点数の増加を防止することができ、コストの増大を抑えることができる。
【0011】
この場合の携帯機(2)から送信された信号に含まれた識別情報と登録されている識別情報とが一致するとの結果が得られない場合とは、第1受信機(1)が携帯機(2)から送信された信号を受信することができない場合および第1受信機(1)が携帯機(2)から送信された信号を受信した際に、受信した信号に含まれた識別情報と登録されている識別情報とが一致しない場合が含まれる。
【0012】
また、送信機(3)は周囲の信号の電界強度を測定しているが、車両(50)に備えられているトリガ機(6)からトリガ信号が出力されたときには、送信機(3)にてトリガ信号の受信強度を求めると共に、受信強度を表す信号を送信し、トリガ信号が出力されないときに、送信機(3)にて周囲の信号の電界強度を測定すると共に、周囲の信号の電界強度を表す信号を送信する。
【0013】
したがって、送信機(3)にて、定期的にタイヤの空気圧測定を行って、タイヤの空気圧を表す信号を送信する定期送信を行う場合、この定期送信の際に周囲の信号の電界強度測定を行って、タイヤの空気圧を表す信号と共に周囲の信号の電界強度を表す信号を送信することができる。
【0014】
このようなドアロック制御装置によれば、タイヤの空気圧を表す信号と共に、周囲の信号の電界強度を表す信号を送信しているので、タイヤの空気圧を表す信号と周囲の信号の電界強度を表す信号とを別々に送信するよりも送信機(3)の電池の消耗を抑えることができる。
【0015】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0017】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態が適用されたドアロック制御装置について説明する。本実施形態のドアロック制御装置は、車両と電波通信を行うことのできる携帯機を所持したユーザが車両に近づくまたは車両から離れることでドアロック、アンロックが行われるいわゆるスマートエントリシステムに適用されたものであり、ドアロック制御を行うにあたり車両に備えられたタイヤ空気圧検出装置を利用するものである。
【0018】
図1は、本実施形態のドアロック制御装置を備えるスマートエントリシステムおよびタイヤ空気圧検出装置のブロック図である。図1に示されるように、スマートエントリシステムは車両に取り付けられる第1受信機1およびユーザが所持する携帯機2を有して構成されており、タイヤ空気圧検出装置は送信機3、第2受信機4、表示機5およびトリガ機6を有して構成されている。図1の紙面上方向が車両50の前方、紙面下方向が車両50の後方に一致している。図2は、第1受信機1および携帯機2のブロック図であり、図3は、送信機3および第2受信機4のブロック図である。図1、図2および図3に基づいて、スマートエントリシステムおよびタイヤ空気圧検出装置について説明しつつ本実施形態のドアロック制御装置について説明する。
【0019】
まず、スマートエントリシステムを構成する第1受信機1および携帯機2の構成について説明する。
【0020】
図2(a)に示されるように、第1受信機1は、マイクロコンピュータ12、送信アンテナ13および受信アンテナ14を有して構成されている。
【0021】
マイクロコンピュータ12は、制御部12a、送信部12bおよび受信部12cなどを備えた周知のもので、制御部12a内の図示しないメモリ内に記憶されたプラグラムに従って、所定の処理を実行する。
【0022】
制御部12aは、携帯機2の識別情報(以下、IDコードという)を要求する信号をフレーム内に格納し、そのフレームを送信部12bに送る機能を果たすものである。また、制御部12aには、予め携帯機2のIDコードが登録されている。そして、受信アンテナ14および受信部12cを通じて携帯機2から送信される応答信号の有無を判定し、応答信号がある場合にはさらに登録されているIDコードと受信した応答信号に含まれるIDコードとの照合判定を行い、判定に応じてドアロック制御を行う。
【0023】
送信部12bは、送信アンテナ13を通じて、制御部12aから送られてきたIDコードを要求するフレームをLF(Long Frequency)帯域の信号として携帯機2に向けて送信する出力部としての機能を果たすものである。
【0024】
受信部12cは、受信アンテナ14を通じて、携帯機2から応答信号として送信されるRF(Radio Frequency)帯域の信号でIDコードが格納されたフレームを受け取り、制御部12aに送る入力部としての機能を果たすものである。
【0025】
また、図2(b)に示されるように、携帯機2は、マイクロコンピュータ22、送信アンテナ23、受信アンテナ24および電池25を有して構成されている。
【0026】
マイクロコンピュータ12は、制御部22a、送信部22bおよび受信部22cなどを備えた周知のもので、制御部22a内の図示しないメモリ内に記憶されたプラグラムに従って、所定の処理を実行する。
【0027】
制御部22aは、受信アンテナ24および受信部22cを通じて第1受信機1における送信アンテナ13から送信されたフレームを受け取ると、応答信号として携帯機2のIDコードが格納されたフレームを送信部22bに送る機能を果たすものである。この送信部22bへ送る処理は上記プログラムに従って行われる。
【0028】
送信部22bは、送信アンテナ23を通じて、例えば、制御部22aから送られてきたIDコードを格納したRF帯域のフレームを第1受信機1に向けて送信する出力部としての機能を果たすものである。
【0029】
受信部22cは、受信アンテナ24を通じて、例えば、第1受信機1から送信されたIDコードを要求する信号が格納されたLF帯域のフレームを受け取り、制御部22aに送る入力部としての機能を果たすものである。
【0030】
また、第1受信機1におけるアンテナ13、14と携帯機2におけるアンテナ23、24との通信可能範囲は、例えば、5mの範囲と設定されている。このため、携帯機2を所持したユーザが車両50に接近して第1受信機1におけるアンテナ13、14との通信可能範囲内にいる際に、第1受信機1における制御部12aにて、受信アンテナ14および受信部12cを通じて携帯機2における送信アンテナ23から送信されるフレームが受信され、そのフレームに格納されているIDコードと制御部12aに登録されているIDコードとの照合が行われる。そして、IDコードが一致する場合は、第1受信機1における制御部12aからドアロックECUにドアをアンロックにする許可信号が出力され、例えば、ユーザがドアノブに触れることでドアのアンロックが行われる。
【0031】
そして、ユーザが降車して、携帯機2を所持したユーザが第1受信機1におけるアンテナ13、14との通信可能範囲内から離れたと制御部12aにて判定されると、制御部12aはドアロックECUにドアロックを行う信号を出力し、ドアロックが行われる。本実施形態では、このドアロックを行う際に、ドアが半ドア状態だとドアロックが的確に行えないため、後述するタイヤ空気圧検出装置を利用してドアロックを行っている。詳細は後で詳しく述べる。
【0032】
次に、タイヤ空気圧検出装置について説明する。以下に説明するタイヤ空気圧検出装置は、車輪位置検出装置を備えたものである。
【0033】
送信機3は、車両50における各車輪7a〜7dに取り付けられるもので、車輪7a〜7dに取り付けられたタイヤの空気圧を検出すると共に、周囲のLF電界強度を測定し、その検出結果を示す検出信号のデータをフレーム内に格納して送信するものである。
【0034】
また、第2受信機4は、車両50に取り付けられると共に、第1受信機1と接続されており、送信機3から送信されるフレームを受信すると共に、その中に格納された検出信号に基づいて各種処理や演算等を行うことでタイヤ空気圧および周囲のLF電界強度を求めるものである。
【0035】
図3(a)に示されるように、送信機3は、センシング部31、マイクロコンピュータ32、送信アンテナ33、受信アンテナ34および電池35を備えた構成とされている。センシング部31は、例えば、ダイアフラム式の圧力センサや温度センサを備えた構成とされ、タイヤ空気圧に応じた検出信号や温度に応じた検出信号を出力するように構成されている。
【0036】
マイクロコンピュータ32は、制御部32a、送信部32bおよび受信部32cなどを備えた周知のもので、制御部32a内の図示しないメモリ内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0037】
制御部32aは、センシング部31からのタイヤ空気圧に関する検出信号を受け取り、それを信号処理すると共に必要に応じて加工し、検出結果を示すデータ(以下タイヤ空気圧に関するデータという)として各送信機3のID情報と共に、フレーム内に格納し、その後、フレームを送信部32bに送るものである。この送信部32bへ信号を送る処理も上記プログラムに従って、所定の周期毎に実行されるようになっている。
【0038】
また、制御部32aは、受信アンテナ34および受信部32cを通じてトリガ機6からのトリガ信号を受け取り、それを信号処理することでトリガ信号の受信強度を求めると共に、必要に応じて加工し、トリガ信号の受信強度データをタイヤ空気圧に関するデータが格納されたフレーム、もしくは、それとは別のフレームに格納し、その後、フレームを送信部32bに送るものである。この送信部32bへ信号を送る処理も、上記プログラムに従って行われる。
【0039】
さらに、制御部32aは、受信アンテナ34および受信部32cを通じて周囲の信号を受信し、それを信号処理することで周囲のLF電界強度を測定すると共に、必要に応じて加工し、測定結果を示すデータ(以下、周囲のLF電界強度に関するデータという)をタイヤ空気圧に関するデータが格納されたフレームに格納し、その後フレームを送信部32bに送るものである。この送信部32bへ送る信号処理も、上記プログラムに従って、所定の周期で行われる。
【0040】
送信部32bは、送信アンテナ33を通じて、制御部32aから送られてきたRF帯域のフレームを第2受信機4に向けて送信する出力部としての機能を果たすものである。
【0041】
受信部32cは、受信アンテナ34を通じて、LF帯域のトリガ信号および周囲の信号を受け取って制御部32に送る入力部としての機能を果たすものである。
【0042】
電池35は、制御部32などに対し電力供給を行うものであり、この電池からの電力供給を受けて、センシング部31でのタイヤ空気圧に関するデータ収集や制御部でのLF電界強度測定および各種演算などが実行される。
【0043】
このように構成される送信機3は、例えば、各車輪のホイールにおけるエア注入バルブに取り付けられ、センシング部31がタイヤの内側に露出されるように配置される。これにより、該当するタイヤ空気圧を検出し、各送信機3に備えられた送信アンテナ33を通じて、所定期間毎(例えば、1分毎)にフレームを送信するという定期通信を行うようになっている。
【0044】
また、図3(b)に示されるように、第2受信機4はマイクロコンピュータ42およびアンテナ44を備えた構成とされている。
【0045】
アンテナ44は、各送信機3から送られてくるフレームを総括的に受け取る1本もしくは2本の共通アンテナとなっており、車両50に固定されている。
【0046】
マイクロコンピュータ42は、制御部42aや受信部42cなどを備えた周知のもので、制御部42a内の図示しないメモリ内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理が実行される。
【0047】
受信部42cは、各アンテナ44によって受信された各送信機3からのフレームを受け取り、そのフレームを制御部42に送る入力部としての機能を果たすものである。
【0048】
制御部42aは、トリガ機6に対してトリガ信号を出力させることを指令するトリガ指令信号を出力すると共に、受信部42cから送られてきたフレームに格納された各送信機3でのトリガ信号の受信強度データに基づいて、送られてきたフレームが車輪50のいずれに取り付けられた送信機3のものかを特定する車輪位置検出を行う。
【0049】
さらに、制御部42では、受け取ったフレームに格納された検出結果を示すデータに基づいて各種信号処理および演算を行うことで、タイヤ空気圧を求めると共に、周囲のLF電界強度を求め、求めたタイヤ空気圧に応じた電気信号を表示機5に出力する。例えば、制御部42aは、求めたタイヤ空気圧を所定の閾値Thと比較し、タイヤ空気圧が低下したことを検知した場合には、その旨の信号を表示機5に出力する。これにより、車輪のいずれかのタイヤ空気圧が低下したことが表示機5に伝えられる。
【0050】
表示機5は、図1に示されるように、ドライバが視認可能な場所に配置され、例えば、車両50におけるインストルメントパネル内に配置される警報ランプによって構成される。この表示機5は、例えば、第2受信機4における制御部42からタイヤ空気圧が低下した旨を示す信号が送られてくると、その旨の表示を行うことでドライバにタイヤ空気圧の低下を報知する。
【0051】
トリガ機6は、第2受信機4の制御部42aから送られてくるトリガ指令信号が入力されると、所定の信号強度を有するトリガ信号を出力するものである。本実施形態では、トリガ機6は左後輪7dの近傍に配置されており、4つの車輪7a〜7dの全てから異なる距離となる位置に配置されている。このため、トリガ機6からの各車輪7a〜7dまでの距離は、左後輪7d、右後輪7c、左前輪7b、右前輪7aの順に長くなっている。
【0052】
トリガ機6は、周囲全てが金属で覆われていない場所であればどこに搭載されていても構わないが、できるだけ金属で覆われないような場所、かつ、走行中に石等が当たらないような、例えば、ライナー内や車室内などに搭載されているのが好ましい。
【0053】
なお、上記タイヤ空気圧検出装置の詳細な構成の説明は、特開2007−15491号公報に記載されている。
【0054】
次に、このように構成されているドアロック制御装置の作動について説明する。本実施形態のドアロック制御装置は、携帯機2を所持したユーザが車両50に接近または車両50から離れることで、ドアロック制御が行われるものである。
【0055】
まず、ドアロック制御装置に適用されたスマートエントリシステムを構成する第1受信機1および携帯機2の作動について説明する。
【0056】
車両50に備えられている第1受信機1におけるアンテナ13、14には通信可能範囲が定められており、携帯機2を所持したユーザがアンテナ13、14の通信可能範囲内にいる場合、制御部12aにてドアをアンロックにする制御が行われる。
【0057】
具体的には、まず、送信部12bおよび送信アンテナ13を通じて制御部12aにて格納された携帯機2のIDコードを要求するフレームが第1受信機1から送信されると、そのフレームは受信アンテナ24および受信部22cを通じて携帯機2における制御部22aに受信される。そして、制御部22aは応答信号としてIDコードを格納したフレームを送信部22aに送り、IDコードを格納したフレームは送信部22bおよび送信アンテナ23を通じて第1受信機1に送信される。第1受信機1における制御部12aは、受信アンテナ14および受信部12cを通じて携帯機2から送信された応答信号としてのフレームを受信すると、登録されている携帯機2のIDコードと受信されたフレームに格納されているフレームのIDコードとの照合を行う。制御部12aにて、登録されているIDコードと受信されたIDコードとが同一であると判定されると、ドアをアンロックにする制御が行われる。そして、制御部12aはドアロックECUにドアをアンロックにする許可信号を出力し、例えば、携帯機2を所持したユーザがドアノブに触れることでドアのアンロックが行われる。逆に、登録されているIDコードと受信されたIDコードが同一でない場合は、ドアのロック状態を維持する。
【0058】
また、携帯機2を所持したユーザが降車して、第1受信機1における制御部12aが携帯機2からの応答信号を受信することができなくなると、制御部12aにてドアをロックにする制御が行われる。そして、制御部12aは、ドアロックECUにドアをロックにする信号を出力し、ドアロックECUにてドアロックが行われる。しかし、ドアロックが行われる際に、ドアが半ドア状態であるとドアロックを的確に行うことができない。
【0059】
本実施形態ではこのような半ドア時においてドアロックを的確に行うため、制御部12aにて、タイヤ空気圧検出装置で測定されるLF電界強度を利用して所定の判定が行われ、所定の条件を満たす際には半ドアを閉め直し(以下、オートドアクローザーという)、その後にドアロックを行うという半ドア時の制御が行われる。
【0060】
そこで、次に、半ドア時の制御に利用するタイヤ空気圧検出装置の基本的な作動について説明し、その後、半ドア時の制御について説明する。
【0061】
本実施形態のタイヤ空気圧検出装置は車輪位置検出装置を行った上で、タイヤ空気圧検出を行っている。
【0062】
まず、図示しないイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わると、第2受信機4の制御部42aに対して電源投入が行われ、電源投入から所定時間経過後に、車輪位置検出のために第2受信機4の制御部42aからトリガ機6に向けてトリガ指令信号が出力される。このトリガ指令信号がトリガ機6に入力されると、トリガ機6は、各送信機3に向けて所定の信号強度を有するトリガ信号を発生させる。このトリガ信号が各送信機3の受信アンテナ34および受信部32cを通じて、制御部32aに入力されると、制御部32aがWake−up状態となって、受け取ったトリガ信号の受信強度を測定する。
【0063】
そして、各送信機3における制御部32aは、トリガ信号の受信強度を求めると、それを各送信機3のID情報と共にフレームに格納し、そのフレームはその送信機3における送信部32bから送信される。このフレームが受信アンテナ44に受信されると受信部42cを通じて制御部42aに伝えられ、制御部42aにてフレームに格納された各送信機3のID情報および受信強度データが読み出され、受信強度順にID情報が並べられる。これは、トリガ信号の受信強度が距離に応じて減衰することを利用して、受信したトリガ信号の受信強度に応じて車輪位置検出を行うためである。
【0064】
つまり、本実施形態では、各送信機3で受信されるトリガ機6からのトリガ信号の受信強度は、トリガ機6からの距離に応じて変化し、左後輪7d、右後輪7c、左前輪7b、右前輪7aの順に小さくなる。このため、受信強度が最も高いものが左後輪6dに取り付けられた送信機3からのフレーム、2番目に高いものが右後輪6cに取り付けられた送信機3からのフレーム、3番目に高いものが左前輪6bに取り付けられた送信機3からのフレーム、最も低いものが右前輪6aに取り付けられた送信機3からのフレームと判別され、トリガ信号の受信強度から車輪位置検出を行うことができる。
【0065】
その後、第2受信機4の制御部42aは、各フレームに格納されたID情報を送信機3が取り付けられた車輪7a〜7dと対応付けて記憶(登録)させる。これにより、受信機3は、次に説明する定期送信モードにてタイヤ空気圧検出が行われる場合に、タイヤ空気圧に関するデータが格納されたフレームが送られてくると、そのフレーム内に格納されたID情報からフレームを送った送信機3が車輪7a〜7dのいずれに取り付けられたものであるかを判別し、各車輪7a〜7dのタイヤ空気圧を求めることが可能となる。
【0066】
次に定期送信モードとなり、センシング部31では、通常のタイヤ空気圧検出が行われる。検出されたタイヤ空気圧およびタイヤ内の温度を示す検出信号は、制御部32aにて必要に応じて信号処理されることで、タイヤ空気圧に関するデータとされ、各送信機3のID情報と共に、フレームに格納された後、所定周期毎に送信部32bを通じて第2受信機4側に送信される。
【0067】
一方、送信機3からフレームが送信されると、フレームは第2受信機4のアンテナ44にて受信され、受信部42cを通じて制御部42aに入力される。そして、制御部42aにおいて、フレームからタイヤ空気圧を示すデータ、タイヤ内の温度を示すデータが抽出される。この際に、温度を示すデータに基づいて必要に応じて温度補正がなされ、タイヤ空気圧が求められる。このとき、フレーム内にID情報が格納されているため、車輪位置検出の際に記憶されたID情報と照合され、そのフレームが車輪7a〜7dのいずれに取り付けられた送信機3から送られてきたものか判別される。
【0068】
求められたタイヤ空気圧が所定の閾値を下回っていると制御部42aで判定されれば、制御部42aから表示器5にその旨を示す信号が出力され、タイヤ空気圧が低下したのが車輪7a〜7dのいずれであるかが特定できる形態で、表示器5に表示される。これにより、ドライバに車輪7a〜7dのいずれのタイヤ空気圧が低下したかを知らせることが可能となる。
【0069】
以上説明したようにしてタイヤ空気圧検出装置による作動が行われる。このようなタイヤ空気圧検出装置の送信機3は、LF電界強度測定を行う機能を有している。このため、本実施形態では、この機能を利用して半ドア時の制御を行っている。
【0070】
具体的には、定期送信モードの際に、定期的に送信機3に周囲のLF電界強度を測定させ、検出されたタイヤ空気圧に関するデータに加えて、測定されたLF電界強度に関するデータを送信部32b、送信アンテナ33を通じて第2受信機4に送信させる。そして、制御部42aは、LF電界強度に関するデータに基づいて各種信号処理および演算を行い、各送信機3に測定させた周囲の信号のLF電界強度値Voを算出する。そして、このLF電界強度値Voを表す信号を制御部12aに出力する。
【0071】
制御部12aは、送信されたLF電界強度値Voに基づいて周囲の信号が妨害電波となるか否かについての判定を行う。詳しくは、制御部12aには予めLF電界強度の閾値Vaが登録されており、LF電界強度の閾値Vaと測定されたLF電界強度値Voとの大小を比較して周囲の信号が妨害電波となるか否かについての判定を行う。ここで、Vaとは携帯機2を所持したユーザがアンテナ13、14の通信可能範囲内にいる場合でも、第1受信機1と携帯機2との通信ができなくなるほど周囲の信号の強度が大きいとされるLF電界強度の閾値である。つまり、例えば、制御部12aはLF電界強度の閾値Vaが測定されたLF電界強度値Voよりも大きい場合は周囲の信号は妨害電波とならないと判定する。本実施形態では制御部12aにて、周囲の信号は妨害電波とならず、携帯機2を所持したユーザがアンテナ13、14の通信可能範囲外にいると判定された場合にはオートドアクローザーが起動され、逆に、周囲の信号は妨害電波となり、携帯機2を所持したユーザが通信可能範囲内にいるか、通信可能範囲外にいるかを判定できないとされた場合にはオートドアクローザーが禁止されるという半ドア時の制御が行われる。
【0072】
次に、半ドア時の制御について説明する。図4は、半ドア時の制御についてのフローチャートを示し、所定周期毎に繰り返される。
【0073】
ステップ100では、半ドアか否かの判定を行う。例えば、制御部12aに図示しないカーテシスイッチにより車両50に備えられるドアの開閉に応じた信号が入力されると、制御部12aはこの信号に基づいて半ドアであるか否かの判定を行う。ここで、半ドアであると判定すればステップ110に進み、半ドアでないと判定すれば処理を終了する。
【0074】
ステップ110では、制御部12aは、受信アンテナ14および受信部12cを通じて携帯機2からの応答信号としてのフレームを受信し、そのフレームに含まれているIDコードと制御部12aに登録されているIDコードとの照合判定を行う。IDコードが一致する場合はステップ120へ進み、携帯機2を所持したユーザがアンテナ13、14の通信可能範囲内にいるため、オートドアクローザーの起動を保留にし、ステップ100に戻る。また、IDコードが一致しない場合はステップ130へ進む。
【0075】
ステップ130では、第1受信機1における制御部12aは第2受信機4における制御部42aに周囲のLF電界強度値Voを要求した後、ステップ140に進む。そして、ステップ140において、制御部12aはLF電界強度がVo<Vaであるかを判定する。これにより、制御部12aが受信アンテナ14および受信部12cを通じて携帯機2からの応答信号を受信することができない際に、周囲の信号が妨害電波となるか否かを判定することができる。
【0076】
具体的には、各送信機3で測定された周囲のLF電界強度値Voが全て閾値Va未満である場合には、周囲の信号は妨害電波とならず、制御部12aが携帯機2からの応答信号を受信することができないのは携帯機2を所持したユーザがアンテナ13、14の通信可能範囲外にいると判定してステップ150に進む。また、各送信機3で測定されるLF電界強度値Voが一つでも閾値Va以上である場合には、周囲の信号は妨害電波となり、制御部12aは携帯機2を所持したユーザがアンテナ13、14の通信可能範囲内にいるか通信可能範囲外にいるかを判定不可能としてステップ160に進む。なお、携帯機2を所持したユーザが実際はアンテナ13、14の通信可能範囲外にいる可能性もあるが、後述するステップ150の作動がユーザの意思に反して行われると危険が伴うため、本実施形態では安全性を考慮してステップ160に進む。
【0077】
ステップ150では、制御部12aで半ドア時の制御が行われ、制御部12aからドアロックECUにオートドアクローザーを起動する信号が出力される。そして、ドアロックECUにて、半ドアを閉め直した後、ドアロックが行われる。
【0078】
ステップ160では、制御部12aにてオートドアクローザー禁止の判定がされる。以上のようにして、ドアが半ドア時のドアロック制御が行われる。
【0079】
なお、ステップ100が半ドア判定手段に相当し、ステップ110が照合手段に相当し、ステップ140が電界強度比較手段に相当する。
【0080】
上記のように、オートドアクローザーが行われると、ドアロックECUからドアロック終了の信号が第1受信機1における制御部12aに出力される。そして、第1受信機1における制御部12aからその信号が第2受信機4における制御部42aに送信され、第2受信機4における制御部42aからトリガ機6にトリガ指令信号が出力されて、トリガ機6からトリガ信号が出力される。このトリガ信号が受信アンテナ34および受信部32cを通じて送信機3の制御部32aに入力されると、送信機3がSleep状態に切り替わり、定期送信モードでの周囲のLF電界強度の測定を含むタイヤ空気圧の検出が終了になる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態のドアロック制御装置における半ドア時の制御によれば、第1受信機1における制御部12aが受信アンテナ14および受信部12cを通じて携帯機2から送信される応答信号としてのフレームを受信することができない場合に、制御部12aは周囲のLF電界強度に基づいて、携帯機2を所持したユーザがアンテナ13、14の通信可能範囲外にいるため受信できないのか、周囲の信号が妨害電波となるため受信できないのかについて判定を行う。そして、携帯機2を所持したユーザがアンテナ13、14の通信可能範囲外にいると判定された場合にのみオートドアクローザーが起動される。このため、ユーザが車両50近傍にいるにもかかわらずオートドアクローザーが起動されることを防止することができ、ユーザの状況に応じてドアロックを行うことができるので安全性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるドアロック制御装置を備えたスマートエントリシステムおよびタイヤ空気圧検出装置のブロック図を示す図である。
【図2】(a)は図1に示す第1受信機のブロック図を示す図であり、(b)は図1に示す携帯機のブロック図を示す図である。
【図3】(a)は図1に示す送信機のブロック図を示す図であり、(b)は図1に示す第2受信機のブロック図を示す図である。
【図4】第1受信機の制御部で実行される半ドア時の制御についてのフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1…第1受信機、2…携帯機、3…送信機、4…第2受信機、6…トリガ機、12a…制御部、12b…送信部、12c…受信部、22a…制御部、22b…送信部、22c…受信部、32a…制御部、32b…送信部、32c…受信部、42a…制御部、42c…受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報が含まれた信号を送信する携帯機(2)と、
車両(50)に備えられ、前記識別情報が登録されており、前記信号を受信すると共に、前記信号に含まれた前記識別情報が登録されている前記識別情報と一致するか否かの照合を行う照合手段(110)を有する第1受信機(1)と、
前記車両(50)におけるタイヤを備えた各車輪(7a〜7d)に備えられ、前記タイヤの空気圧測定および前記車両(50)の周囲の信号の電界強度測定を行うと供に、前記タイヤの空気圧を表す信号および前記周囲の信号の電界強度を表す信号を送信する送信機(3)と、
前記車両(50)に備えられ、前記送信機(3)から送信された前記信号を受信すると共に、受信した前記信号の信号処理を行う第2受信機(4)と、を備え、
前記第1受信機(1)は、前記照合手段(110)により、前記携帯機(2)から送信された前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致するとの結果が得られたときにはドアのアンロックを許可する信号を出力し、前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致するとの結果が得られないときにはドアをロックする信号を出力するドアロック制御装置であって、
前記第2受信機(2)は前記送信機(3)から送信された前記信号のうち、前記周囲の信号の電界強度を表す信号を前記第1受信機(1)に出力し、
前記第1受信機(1)は、半ドアであるか否かを判定する半ドア判定手段(100)と、前記周囲の信号の電界強度と閾値とを比較する電界強度比較手段(140)と、を有しており、前記半ドア判定手段(100)により半ドアであると判定された場合であって、前記照合手段(110)により前記携帯機(2)から送信された前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致するとの結果が得られないときで、かつ前記電界強度比較手段(140)により前記周囲の電界強度は閾値より小さいと判定された際に、半ドアを閉め直す信号を出力すると共に、ドアをロックする信号を出力する制御手段を備えていることを特徴とするドアロック制御装置。
【請求項2】
前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致するとの結果が得られない場合には、前記第1受信機(1)が前記携帯機(2)から送信された前記信号を受信することができない場合および前記第1受信機(1)が前記携帯機(2)から送信された前記信号を受信した際に、受信した前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致しない場合を含むことを特徴とする請求項1に記載のドアロック制御装置。
【請求項3】
前記車両(5)にはトリガ信号を出力するトリガ機(6)が備えられており、前記送信機(3)は、前記トリガ機(6)からトリガ信号が出力されたときには、前記トリガ信号の受信強度を求めると共に、前記受信強度を表す信号を送信し、前記トリガ信号が出力されないときには、前記周囲の信号の電界強度を求めると共に、前記周囲の信号の電界強度を表す信号を送信することを特徴とする請求項1または2に記載のドアロック制御装置。
【請求項4】
前記送信機(3)は、定期的に前記タイヤの空気圧測定を行うと共に、前記タイヤの空気圧を表す信号を送信する定期送信を行い、かつ定期的に前記周囲の信号の電界強度測定を行うと共に、前記タイヤの空気圧を表す信号と供に、前記周囲の信号の電界強度を表す信号を送信することを特徴とする請求項3に記載のドアロック制御装置。
【請求項5】
識別情報が含まれた信号を出力する第2制御部(22a)と、前記第2制御部(22a)が出力した前記信号を送信する第2送信部(22b)と、を有してなる携帯機(2)と、
車両(50)に備えられ、前記信号を受信する第1受信部(12c)と、前記識別情報が登録されており、前記受信部(12c)を通じて受信した前記信号に含まれた前記識別情報が登録されている前記識別情報と一致するか否かの照合を行う照合手段(110)を有している第1制御部(12a)と、を有してなる第1受信機(1)と、
前記車両(50)におけるタイヤを備えた複数個の車輪(7a〜7d)それぞれに備えられ、前記タイヤの空気圧測定を行うセンシング部(31)と、周囲の信号を受信する第3受信部(32c)と、前記タイヤの空気圧を表す信号および前記周囲の信号の電界強度を表す信号を出力する第3制御部(32a)と、前記第3制御部(32a)が出力した前記信号を送信する送信部(32b)と、を有してなる送信機(3)と、
前記車両(50)に備えられ、前記送信機(3)から送信された前記信号を受信する第4受信部(42c)と、受信した前記信号を信号処理する第4制御部(42a)と、を有してなる第2受信機(4)と、を備え、
前記第1制御部(12a)は、前記照合手段(110)により、前記第2送信部(22b)から送信された前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致するとの結果が得られたときにはドアをアンロックにする許可信号を出力し、前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致するとの結果が得られないときにはドアをロックする信号を出力するドアロック制御装置において、
前記第1制御部(12a)は、半ドアであるか否かを判定する半ドア判定手段(100)と、前記周囲の信号の電界強度と閾値とを比較する電界強度比較手段(140)と、を有しており、前記第1制御部(12a)は、前記半ドア判定手段(100)により半ドアであると判定された場合であって、前記照合手段(110)により前記第2送信部(22b)から送信された前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致するとの結果が得られないときで、かつ前記電界強度比較手段(140)により前記周囲の電界強度は閾値より小さいと判定された際に、半ドアを閉め直す信号を出力すると共に、ドアロックを行う信号を出力する制御手段を備えていることを特徴とするドアロック制御装置。
【請求項6】
前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致するとの結果が得られない場合には、前記第1制御部(12a)が前記第1受信部(12c)を通じて前記第2送信部(22b)から送信された前記信号を受信することができない場合および前記第1制御部(12a)が前記第1受信部(12c)を通じて前記第2送信部(22b)から送信された前記信号を受信した際に、受信した前記信号に含まれた前記識別情報と登録されている前記識別情報とが一致しない場合を含むことを特徴とする請求項5に記載のドアロック制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−74263(P2009−74263A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242434(P2007−242434)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】