説明

ドアロック装置

【課題】車両走行中に確実にチャイルドロック機構を非伝達状態にさせることができ、更に車両が停止した状態でチャイルドロックアクチュエータの駆動系や電気供給系に不具合が生じてもドアを開けることができるドアロック装置を提供すること。
【解決手段】ラッチ機構(20)と、ロック機構(30)と、電動モータ35と、チャイルドロック機構(40)と、チャイルドロックアクチュエータ53とを備え、車速が予め決められた閾値以上の場合には、チャイルドロック機構を非伝達状態に切り替える一方、車速が閾値未満であって、ギアがパーキングポジションと検知され、かつフットブレーキが踏まれていない状態と検知された場合には、チャイルドロック機構を伝達状態に切り替え、更に車両が停止状態でロック指令が与えられた場合には、ロック機構をロック状態に切り替え、かつチャイルドロック機構を伝達状態に維持させる制御ユニット60を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば四輪自動車等の車両に適用するドアロック装置に関し、より詳細には、車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、ドアハンドルからラッチ機構に至るまでの間に介在し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作されてもラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構とを備えたドアロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、操作性の向上を図るために、ロックアクチュエータによってロック機構のロック状態/アンロック状態を切り替えるようにしたドアロック装置が提供されている。ここで、ロック機構は、車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、ドアハンドルとの間に介在し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作されてもラッチ機構のラッチ状態を維持するものである。更にこの種のドアロック装置の中には、室内においてロック状態/アンロック状態を切り替えるためのロック操作部材を省略し、車両の防盗性向上を図ろうとするものも具現化されつつある。すなわち、室内のロック操作部材を省略したドアロック装置によれば、たとえウィンドウガラスが破られた場合にもロック状態にあるロック機構をアンロック状態に切り替えることが困難となるため、車両の防盗性を向上させることが可能になる。
【0003】
しかしながら、ロック操作部材を省略した場合には、例えばロックアクチュエータの駆動系や電源供給系に不具合が発生するとロック機構をロック状態に切り替えることが困難となり、車両を離れることができなくなる等の問題を招来することになる。このため従来では、ドアが閉位置に配置されている時には塞がれる位置に操作ボタンを設け、この操作ボタンを操作することによってロック機構をロック状態とするものが提供されている。こうしたドアロック装置によれば、ロックアクチュエータの駆動系や電源供給系に不具合が発生した場合であっても、操作ボタンを操作することでロック機構をロック状態とすることが可能となる。操作ボタンは、ドアを開成した場合にのみ操作できるものであるため、車両の防盗性に影響を与えることはない。
【0004】
ところで、そのようなドアロック装置には、いわゆるチャイルドロック機構が付設されているものがある。チャイルドロック機構は、例えば車両の後部座席に乗車させた子供により室内に配設されたインサイドドアハンドルが開扉操作される結果、ドア(リアドア)が開けられてしまうことを防止するものである。より詳細に説明すると、チャイルドロック機構は、インサイドドアハンドルとラッチ機構との間に介在し、インサイドドアハンドルの開扉操作をラッチ機構に伝達する伝達状態と、インサイドドアハンドルの開扉操作をラッチ機構に伝達しない非伝達状態とに切り替え可能に構成したものである。そのようなチャイルドロック機構は、上記操作ボタンと同様にドアが閉位置に配置されている時に塞がれる位置に配設されたチャイルドレバーが操作されることにより、伝達状態又は非伝達状態に切り替わるようになっている。
【0005】
しかしながら、そのようなチャイルドロック機構を備えるドアロック装置では、チャイルドロック機構の伝達状態/非伝達状態の切り替えをチャイルドレバーの手動操作にて行うものであり、しかもチャイルドレバーはドアが閉位置に配置されている時に塞がれる位置に配設されていることから、チャイルドロック機構を非伝達状態とせずに車両を走行させてしまうと、走行中にもインサイドドアハンドルが開扉操作されることにより、ドアが開成してしまう虞れがあった。
【0006】
そこで、チャイルドロック機構を伝達状態と非伝達状態とに切り替えるチャイルドロックアクチュエータを備え、車速検知手段により検知された車速が予め決められた基準速度以上の場合には、チャイルドロックアクチュエータを駆動させてチャイルドロック機構を非伝達状態に切り替える一方、車速検知手段により検知された車速が基準速度未満であってインサイドドアハンドルが開扉操作された場合に、チャイルドロックアクチュエータを駆動させてチャイルドロック機構を伝達状態に切り替えるドアロック装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2006−348674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上述したような特許文献1に提案されているドアロック装置では、車速検知手段により検知された車速が基準速度未満であってインサイドドアハンドルが開扉操作された場合に、チャイルドロックアクチュエータを駆動させてチャイルドロック機構を伝達状態に切り替えるようにしていたために、車両が停止した状態でチャイルドロックアクチュエータの駆動系や電気供給系に不具合が生じてしまうと、ドア(リアドア)は室内及び室外から開けられなくなってしまい、その結果、後部座席にいる子供等を降ろせなくなってしまう虞れがある。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みて、車両走行中に確実にチャイルドロック機構を非伝達状態にさせることができ、更に車両が停止した状態でチャイルドロックアクチュエータの駆動系や電気供給系に不具合が生じてもドアを開けることができるドアロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るドアロック装置は、車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、ドアハンドルから前記ラッチ機構に至るまでの間に介在し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作されてもラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構と、前記ロック機構をロック状態とアンロック状態とに切り替えるロックアクチュエータと、室内に配設したインサイドドアハンドルと前記ラッチ機構との間に介在し、インサイドドアハンドルの開扉操作を前記ラッチ機構に伝達する伝達状態と、インサイドドアハンドルの開扉操作を前記ラッチ機構に伝達しない非伝達状態とに切り替え可能に構成したチャイルドロック機構と、前記チャイルドロック機構を伝達状態と非伝達状態とに切り替えるチャイルドロックアクチュエータとを備えたドアロック装置において、車速検知手段により検知された車速が予め決められた閾値以上の場合には、前記チャイルドロックアクチュエータに指令を与えて前記チャイルドロック機構を非伝達状態に切り替える一方、前記車速検知手段により検知された車速が前記閾値未満であって、ギアポジション検知手段によりギアがパーキングポジションであること及びフットブレーキ検知手段によりフットブレーキが踏まれていない状態であることの少なくとも一方が検知された場合には、前記チャイルドロックアクチュエータに指令を与えて前記チャイルドロック機構を伝達状態に切り替え、更に車両が停止状態でロック指令が与えられた場合には、前記ロックアクチュエータに指令を与えて前記ロック機構をロック状態に切り替え、かつ前記チャイルドロック機構を伝達状態に維持させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のドアロック装置によれば、制御手段が、車速検知手段により検知された車速が予め決められた閾値以上の場合にはチャイルドロック機構を非伝達状態に切り替える一方、検知された車速が閾値未満であって、ギアポジション検知手段によりギアがパーキングポジションであること及びフットブレーキ検知手段によりフットブレーキが踏まれていない状態であることの少なくとも一方が検知された場合にはチャイルドロック機構を伝達状態に切り替え、更に車両が停止状態でロック指令が与えられた場合には、ロック機構をロック状態に切り替え、かつチャイルドロック機構を伝達状態に維持させるので、車両が停止した状態でチャイルドロックアクチュエータの駆動系や電気供給系に不具合が生じてしまっても、ドア(リアドア)は室内から開けることができる。従って、車両走行中に確実にチャイルドロック機構を非伝達状態にさせることができ、更に車両が停止した状態でチャイルドロックアクチュエータの駆動系や電気供給系に不具合が生じてもドアを開けることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るドアロック装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1〜図4は、本発明の実施の形態であるドアロック装置を概念的に示したものである。ここで例示するドアロック装置は、図5に示すように、四輪自動車の車両本体Bにおいて後席右側に配置された前方ヒンジのドアDに設けられるもので、図1に示すように、本体ケース10に装着されたラッチケース21の内部にラッチ機構20を備えている。
【0014】
ラッチ機構20は、図5及び図6に示すように、車両本体Bに設けたストライカSを噛合保持するためのもので、図6に示すように、ラッチ22とラチェット23とを備えて構成してある。
【0015】
ラッチ22は、ラッチケース21に形成したストライカ侵入溝21aよりも上方となる位置に、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するラッチ軸24を介して回転可能に配設したものである。このラッチ22には、噛合溝22a、フック部22b及び係止部22cが設けてある。噛合溝22aは、ラッチ22の外周面からラッチ軸24に向けて形成したもので、ストライカSを収容することのできる幅に形成してある。フック部22bは、噛合溝22aを下方に向けて開口させた場合に噛合溝22aよりも室内側に位置する部分である。このフック部22bは、図6の実線で示すように、ラッチ22を最大限反時計回りに回転させた場合にラッチケース21のストライカ侵入溝21aを横切る位置で停止する一方、図6中の二点鎖線で示すように、ラッチ22を最大限時計回りに回転させた場合にストライカ侵入溝21aを開放する位置で停止するように構成してある。係止部22cは、噛合溝22aを下方に向けて開口させた場合に噛合溝22aよりも室外側に位置する部分である。この係止部22cは、図6中の二点鎖線で示すように、ラッチ22を最大限時計回りに回転させた場合にストライカ侵入溝21aを横切り、かつこのストライカ侵入溝21aの奥方(室外側)に向けて漸次上方に傾斜する状態で停止するように構成してある。尚、図には明示していないが、ラッチ22とラッチケース21との間には、図6においてラッチ22を常時時計回りに向けて付勢するラッチバネが設けてある。
【0016】
ラチェット23は、ラッチケース21のストライカ侵入溝21aよりも下方、かつラッチ軸24よりも室内側となる位置に、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するラチェット軸25を介して回転可能に配設したものである。このラチェット23には、係合部23a及び作用部23bが設けてある。係合部23aは、ラチェット軸25から室外側に向けて径外方向に延在する部分であり、ラチェット軸25を中心として回転することによりその突出端面を介して上述したラッチ22のフック部22b及び係止部22cに着脱可能に係合することが可能である。作用部23bは、ラチェット軸25から室内側に向けて径外方向に延在する部分である。このラチェット23には、車両前側となる位置にラチェット23とともに一体となってラチェット軸25の軸心回りに回転するラチェットレバー26が設けてある。ラチェットレバー26は、ラチェット軸25からラチェット23の作用部23bと同一方向に向けて延在した当接部26aを有したものである。尚、図には明示していないが、ラチェット23とラッチケース21との間には、図6においてラチェット23を常時反時計回りに向けて付勢するラチェットバネが設けてある。
【0017】
上記のように構成したラッチ機構20では、図5中の二点鎖線で示すように、ドアDが車両本体Bに対して開成状態にある場合、図6中の二点鎖線で示すように、ラッチ22がストライカ侵入溝21aを開放する位置に配置されることになる。この状態から図5の実線で示すように、ドアDを閉位置に移動させると、車両本体Bに設けたストライカSが、図6に示すように、ラッチケース21のストライカ侵入溝21aに進入し、やがてストライカSがラッチ22の係止部22cに当接することになる。この結果、ラッチ22がラッチバネ(図示せず)の弾性力に抗して図6において反時計回りに回転する。この間、ラチェット23は、ラチェットバネ(図示せず)の弾性力によって係合部23aの突出端面がラッチ22の外周面に摺接することになり、ラッチ22の外周面形状に応じて適宜ラチェット軸25の軸心回りに回転する。上述した状態から更にドアDを閉方向に移動させると、ストライカ侵入溝21aに対するストライカSの進入量が漸次増大し、やがてラチェット23の係合部23aがラッチ22の噛合溝22aに至り、その後、図6中の実線で示すように、ラッチ22のフック部22bがラチェット23の係合部23aに当接することになるため、ラッチバネ(図示せず)の弾性復元力に抗してラッチ22の時計回りの回転が阻止されることになる。この状態においては、ラッチ22のフック部22bがストライカ侵入溝21aを横切るように配置されるため、フック部22bによってストライカSがストライカ侵入溝21aの奥方(室外側)から離脱する方向へ移動する事態が阻止されるようになり、結局、ドアDが車両本体Bに対して閉じた状態に維持される(ラッチ状態)。
【0018】
一方、上述したラッチ状態からラチェットバネ(図示せず)の弾性力に抗してラチェットレバー26の当接部26aを図6の上方に回転させると、ラッチ22のフック部22bとラチェット23の係合部23aとの当接係合状態が解除され、ラッチ22がラッチバネ(図示せず)の弾性復元力により図6において時計回りに回転する。この結果、図6中の二点鎖線で示すように、ストライカ侵入溝21aが開放され、ストライカSがストライカ侵入溝21aから離脱する方向に移動可能となり、ドアDを車両本体Bに対して開成移動させることができるようになる。
【0019】
また、上記ドアロック装置には、図1に示すように、本体ケース10の内部にオープンレバー11、インサイドハンドルレバー12、ロック機構30が設けてある。
【0020】
オープンレバー11は、図には明示していないが、車両本体Bの前後方向に沿って略水平に延在するオープンレバー軸を介して回転可能に配設したもので、動作端部11a及び受圧部11bを有している。オープンレバー11の動作端部11aは、ラチェットレバー26における当接部26aの下方域に配置してある。オープンレバー11の受圧部11bは、動作端部11aよりも下方に延在した後、車両後方に向けて屈曲延在した部分である。このオープンレバー11は、ドアDの外表面に設けたアウトサイドドアハンドルODH(図5参照)が開扉操作された場合に適宜リンクを介して回転し、動作端部11a及び受圧部11bが図1において上方に動作するものである。尚、図には明示していないが、オープンレバー11と本体ケース10との間には、図1において動作端部11a及び受圧部11bを常時下方に向けて付勢するオープンレバーバネが設けてある。
【0021】
インサイドハンドルレバー12は、オープンレバー11よりも車両前方となる部位に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するインサイドレバー軸13を介して揺動可能に配設したもので、図7−1に示すように、作用端部12a、インハンロック連係部12b、セクタレバー当接部12c及びインサイドレバー軸孔12dを有している。作用端部12aは、図1及び図7−2に示すように、インサイドレバー軸13から下方に向けて延在した後、室内側に向けて屈曲し、更に下方に向けて屈曲延在する部分であり、その先端部に適宜リンクを介してインサイドドアハンドルIDH(図5参照)が連係してある。この作用端部12aは、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作した場合に、インサイドハンドルレバー12が図1において時計回りに揺動するように構成してある。インハンロック連係部12b及びセクタレバー当接部12cは、図1に示すように、インサイドレバー軸13から車両後方に向けて延在した後、二又に延在しており、下方に向けて延在した部分がインハンロック連係部12bであり、上方に向けて延在した部分がセクタレバー当接部12cである。インサイドレバー軸孔12dは、インサイドレバー軸13が挿通可能な外径を有して形成した孔である。
【0022】
ロック機構30は、アウトサイドドアハンドルODHの開扉操作によるオープンレバー11の回転動作をラッチ機構20に伝達するアンロック状態と、アウトサイドドアハンドルODHの開扉操作によるオープンレバー11の回転動作をラッチ機構20に伝達しないロック状態とに切り替わるように構成したもので、ウォームホイール31、セクタレバー32、リンクレバー33を備えている。
【0023】
ウォームホイール31は、インサイドハンドルレバー12よりも車両前方となる位置に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するホイール軸34を介して回転可能に配設したもので、電動モータ(ロックアクチュエータ)35の出力軸35aに固着したウォーム36に歯合してある。このウォームホイール31には、同一軸心上に間欠ギアホイール37が固着してある。間欠ギアホイール37は、後述するセクタレバー32の間欠ドリブンギア32bに対して一方向のみの間欠動力伝達手段を構成するものである。尚、図11−2に示すように、ウォームホイール31と本体ケース10との間には、ウォームホイール31を所定の中立状態に維持するための中立復帰バネ31aが設けてある。
【0024】
セクタレバー32は、ウォームホイール31よりも車両後方となる位置に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するセクタレバー軸38を介して回転可能に配設したもので、車両前方に向けて漸次拡開するセクタ状の部分を備えて形成してある。このセクタレバー32には、連結ピン32a、間欠ドリブンギア32b及びインサイドハンドルレバー当接部32cが設けてある。連結ピン32aは、セクタレバー32において室外側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。間欠ドリブンギア32bは、セクタレバー32の円弧状を成す外周面に形成した歯車であり、ウォームホイール31の間欠ギアホイール37に歯合している。インサイドハンドルレバー当接部32cは、セクタレバー32において車両後方側縁部から室内側に向けて凸設した部分である。このインサイドハンドルレバー当接部32cは、インサイドハンドルレバー12が図1において時計回りに揺動した場合に、セクタレバー当接部12cと当接するように構成してある。
【0025】
図には明示していないが、これらセクタレバー32の間欠ドリブンギア32bとウォームホイール31の間欠ギアホイール37との間に構成される間欠動力伝達手段は、ウォームホイール31を適宜任意の方向に回転させることによってセクタレバー32を任意の方向に揺動させることができる一方、間欠ドリブンギア32bからの間欠ギアホイール37への動力伝達がなく、ウォームホイール31を回転させることなくセクタレバー32を任意の方向に揺動させることができるように構成してある。
【0026】
リンクレバー33は、リンク本体33aの下端部に装着孔33bを有したレバー部材であり、装着孔33bにオープンレバー11の動作端部11aを挿通保持させることにより、動作端部11a及び受圧部11bと共に上下動可能、かつ動作端部11aに対して車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに揺動可能に支承させてある。このリンクレバー33には、パニックレバー当接部33c及びラチェット駆動部33dが設けてある。パニックレバー当接部33cは、リンク本体33aにおいて車両前方側に位置する端部から室内側に向けて屈曲した部分である。ラチェット駆動部33dは、リンク本体33aに構成した当接係合部分であり、装着孔33bの鉛直上方に配置した場合に、ラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向する態様で設けてある。
【0027】
また、このリンクレバー33には、ロックレバー部(ロックレバー)33fが設けてある。ロックレバー部33fは、ラチェット駆動部33dを装着孔33bの鉛直上方に配置した場合に装着孔33bよりも下方に向けて延在した後、室内側に向けて屈曲した部分である。このロックレバー部33fには、車両前方側に位置する部分に操作当接面33gが設けてある。操作当接面33gは、ラチェット駆動部33dを装着孔33bの鉛直上方に配置した場合に僅かに前傾延在するように構成してある。
【0028】
更に、このリンクレバー33には、パニックレバー39が連結してある。パニックレバー39は、当該パニックレバー39において室外側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に形成したパニックレバー軸39aをリンクレバー33に設けた孔(図示せず)に挿通することにより揺動可能に配設したもので、車両前方に位置する端面がリンクレバー33のパニックレバー当接部33cに当接している。このパニックレバー39には、連結用溝孔39bが設けてある。連結用溝孔39bは、パニックレバー39において上下方向に沿って延在するスリット状の開口であり、その内部にセクタレバー32の連結ピン32aを移動可能に嵌合支承している。尚、図には明示していないが、リンクレバー33とパニックレバー39との間には、パニックレバー当接部33cとパニックレバー39において車両前方に位置する端面とが常時当接するように付勢するパニックスプリングが設けてある。
【0029】
更に、上記ドアロック装置には、図1に示すように、本体ケース10の内部にチャイルドロック機構40が設けてある。チャイルドロック機構40は、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作をラッチ機構20に伝達する伝達状態と、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作をラッチ機構20に伝達しない非伝達状態とに切り替わるように構成したもので、コネクトレバー41、チャイルドレバー(切替操作レバー)42及びチャイルドピン46を備えている。
【0030】
コネクトレバー41は、インサイドハンドルレバー12とリンクレバー33との間となる部位に、車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するコネクトレバー軸43を介して揺動可能に配設したもので、図8に示すように、収容端部41a、伝達端部41b及びコネクトレバー軸孔41dを有している。収容端部41aは、図1及び図8に示すように、コネクトレバー軸43から上方に向けて延在した部分であり、ピン収容孔41cを有している。ピン収容孔41cは、収容端部41aの延在方向に沿って形成したスリット状の開口である。図1からも明らかなように、収容端部41aに形成したピン収容孔41cは、上述したインサイドハンドルレバー12のインハンロック連係部12bがインサイドレバー軸13を中心として揺動した場合の揺動域に対して車両前方側に位置する端部がこれに含まれる一方、車両後方側に位置する端部が揺動域から逸脱するように構成してある。伝達端部41bは、図1及び図8に示すように、コネクトレバー軸43から車両後方に向けて僅かに下方に向けて傾斜延在した後、車両後方に向けて僅かに上方に向けて傾斜延在した部分であり、その延在端部がオープンレバー11における受圧部11bの下方域に配置されている。コネクトレバー軸孔41dは、コネクトレバー軸43が挿通可能な外径を有して形成した孔である。
【0031】
チャイルドレバー42は、コネクトレバー41に重ね合わせる態様でコネクトレバー41と本体ケース10との間に、車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように揺動可能、かつ車両本体Bの前後方向に沿って移動可能に配設してある。このチャイルドレバー42には、図9−1に示すように、スライド溝42a、チャイルドピン支承溝42b、チャイルドレバー軸溝42c、手動操作部42d、ロック操作部42e、復帰バネ当接部42f及びパワーチャイルド溝42gを有している。
【0032】
スライド溝42aは、図16に示すように、上述したコネクトレバー41のコネクトレバー軸43が挿通するための略逆V字状の開口である。このスライド溝42aは、図9−1に示すように、スライド溝42aにおいて上方に位置するチャイルドロック部42hと、スライド溝42aにおいて車両前方に位置するエマージェンシロック部42iと、スライド溝42aにおいて下方に位置するアンロック部42jとを有して形成してある。これらチャイルドロック部42h、エマージェンシロック部42i及びアンロック部42jは、図1、図2及び図3に示すように、コネクトレバー軸43がスライド溝42a内で移動した場合に、当該コネクトレバー軸43が択一的に配置される部分である。
【0033】
チャイルドピン支承溝42bは、図16に示すように、スリット状の開口であり、チャイルドレバー42において上方となる部位から車両前方に向けて当該チャイルドレバー42の延在方向に沿って延設してある。
【0034】
チャイルドレバー軸溝42cは、図16に示すように、コネクトレバー軸43よりも車両前方となる部位に、本体ケース10において室内側に位置する面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在するチャイルドレバー軸10bが挿通するためのスリット状の開口である。このチャイルドレバー軸溝42cは、チャイルドレバー軸10bがチャイルドレバー軸溝42cの延在方向に沿ってのみ移動可能となるように形成してある。
【0035】
手動操作部42dは、図11−1に示すように、チャイルドレバー42において室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状部分である。この手動操作部42dは、本体ケース10に設けた操作孔10a及びドアDのパネル(図示せず)に設けた操作開口(図示せず)を通じて外部に突出しており、ドアDの外部からチャイルドレバー42を、車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように揺動操作及び車両本体Bの前後方向に沿って移動操作することが可能である。但し、本実施の形態では、図5に示すように、ドアDの内側面であって、しかもドアDを閉位置に配置した場合には塞がれる位置に手動操作部42dを設けるようにしている。また、操作孔10aは、図1に示すように、本体ケース10に設けた略L字状の開口であり、チャイルドレバー42における手動操作部42dの位置を規定するものである。図1に示すように、本体ケース10の操作孔10aにおいて上方となる位置が、手動操作部42dの第1位置である。この図1に示す状態から、手動操作部42dを車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように下方に揺動した位置が、図2に示すように、手動操作部42dの第2位置である。この図2に示す状態から、手動操作部42dは更に車両後方側に向けて図3に示す位置まで移動することができる。図3に示すように、本体ケース10の操作孔10aにおいて車両後方となる位置が、手動操作部42dの第3位置である。
【0036】
ロック操作部42eは、図1及び図9−2に示すように、チャイルドレバー42において車両後方側に位置する端部から室外側に向けて突出した部分である。このロック操作部42eは、図1及び図2に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第1位置及び第2位置に配置された場合、車両前方に僅かに前傾して延在するロックレバー部33fの操作当接面33gに対して離隔した位置に配置される一方、図3に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dを第3位置に配置させた場合、操作当接面33gを介してリンクレバー33を反時計回りに回転させ、ロック機構30をロック状態に切り替えることのできる位置に設けてある。
【0037】
復帰バネ当接部42fは、図11−1に示すように、チャイルドレバー軸溝42cの縁部から室外側に向けて凸設した部分である。
【0038】
パワーチャイルド溝42gは、図1に示すように、チャイルドレバー42において下方に位置する端部に形成したスリット状の開口である。
【0039】
更に、チャイルドレバー42と本体ケース10との間には、図1に示すように、チャイルドレバー42を、コネクトレバー軸43を中心とした反時計回りに向けて常時付勢する復帰バネ45が設けてある。復帰バネ45は、コネクトレバー41よりも室外側となる位置に、上述したコネクトレバー41のコネクトレバー軸43を介して配設してあり、バネ作用部45aを有している。バネ作用部45aは、復帰バネ45の弾性復元力により、チャイルドレバー42の復帰バネ当接部42fを、コネクトレバー軸43を中心とした反時計回りに向けて押圧する部分である。
【0040】
チャイルドピン46は、図1に示すように、チャイルドレバー42に装着してある。このチャイルドピン46には、図10−1に示すように、ベース部46a、装着ピン46b及び伝達ピン46cが設けてある。ベース部46aは、図11−2に示すように、コネクトレバー41とチャイルドレバー42との間に位置する部分である。装着ピン46bは、図11−2に示すように、ベース部46aにおいて室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起であり、その延在端部に装着ピン46bよりも大きな外径を有するストッパ部46dが形成してある。図10−2に示すように、このベース部46a、装着ピン46b及びストッパ部46dから形成される装着溝部46eに、チャイルドレバー42におけるチャイルドピン支承溝42bの縁部を嵌合することにより、チャイルドピン46がチャイルドピン支承溝42bの延在方向に沿って移動可能に装着される。伝達ピン46cは、図11−2に示すように、ベース部46aにおいて室外側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。この伝達ピン46cは、コネクトレバー41のピン収容孔41cを貫通するとともに、その突出端部がインサイドハンドルレバー12におけるインハンロック連係部12bの室外側端面を超える位置に達している。また、伝達ピン46cは、図1に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第1位置に配置された場合、インサイドハンドルレバー12におけるインハンロック連係部12bの揺動域に配置される一方、図2及び図3に示すように、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第2位置及び第3位置に配置された場合、いずれもインハンロック連係部12bの揺動域外に配置される。
【0041】
また、チャイルドレバー42のパワーチャイルド溝42gには、図1に示すように、パワーチャイルドピン51が挿通してある。パワーチャイルドピン51は、パワーチャイルドレバー52において室内側に位置する端面から車両本体Bの左右方向に沿って略水平に延在した柱状突起である。このパワーチャイルドピン51は、チャイルドロックアクチュエータ53の出力軸53aに固着したウォーム54が回転した場合に、パワーチャイルドレバー52の移動にともない、ウォーム54の延在方向に沿って移動可能に構成してある。
【0042】
これによりチャイルドレバー42は、チャイルドロックアクチュエータ53を駆動すると、出力軸53a及びウォーム54を介して、パワーチャイルドレバー52がウォーム54の延在方向に沿って車両前方に移動することになる。パワーチャイルドレバー52が車両前方に移動すると、パワーチャイルドピン51を介して、チャイルドレバー42が第2位置に配置され、チャイルドロック機構40が非伝達状態となる。
【0043】
上記のように構成したロック機構30では、図1に示した状態がアンロック状態であり、リンクレバー33のラチェット駆動部33dが装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33dがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになる。従って、この状態からアウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によってリンクレバー33のリンク本体33aが上動すれば、ラチェット駆動部33dがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接してこれを上動させることになる。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にもこれが解除されるため、車両本体Bに対してドアDを開成移動させることができるようになる。
【0044】
図1に示したアンロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォームホイール31を反時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン32a及びパニックレバー39を介して連係したリンクレバー33が装着孔33bを中心として反時計回りに揺動し、図12に示すロック状態となる。
【0045】
このロック状態では、ラチェット駆動部33dがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対向する位置から逸脱するため、アウトサイドドアハンドルODHを開扉操作し、オープンレバー11の回転動作によってリンクレバー33のリンク本体33aが上動した場合にも、ラチェット駆動部33dがラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することがない。この結果、ラッチ機構20がラッチ状態にある場合にはこれが維持されるため、車両本体Bに対してドアDが閉位置に維持されることになる。
【0046】
ところで、このロック状態では、チャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bが伝達ピン46cを下方に向けて移動させることになり、かつセクタレバー当接部12cがセクタレバー32のインサイドハンドルレバー当接部32cを車両後方に向けて移動させることになる。伝達ピン46cが下方に移動すると、伝達ピン46cが貫通されたコネクトレバー41が図12において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bが上方に移動するため、オープンレバー11の受圧部11bを介してリンクレバー33も上動することになる。一方、インサイドハンドルレバー当接部32cが車両後方に移動すると、セクタレバー32が図12において反時計回りに揺動し、その連結ピン32aが車両後方に移動するため、パニックレバー39も図12において時計回りに揺動することになる。このとき、図13に示すように、リンクレバー33のラチェット駆動部33dがラチェットレバー26の当接部26aに車両前方側から当接することになるため、パニックレバー39が、パニックスプリング(図示せず)の弾性復元力に抗してリンクレバー33のパニックレバー当接部33cとの当接状態を解除し、図12において時計回りに揺動することになる。
【0047】
この状態からインサイドドアハンドルIDHの開扉操作力を除去すると、リンクレバー33が、パニックスプリング(図示せず)の弾性復元力により、再びパニックレバー当接部33cをパニックレバー39において車両前方に位置する端面と当接するよう移動することになり、かつオープンレバー11がオープンレバーバネ(図示せず)の弾性復元力により、動作端部11a及び受圧部11bを下動することになる。動作端部11a及び受圧部11bが下動すると、図14に示すように、オープンレバー11の受圧部11bを介してコネクトレバー41の伝達端部41bが下方に移動されるとともに、再びチャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置されることになる。一方、パニックレバー当接部33cがパニックレバー39において車両前方に位置する端面と当接するよう移動すると、図14に示すように、リンクレバー33のラチェット駆動部33dが装着孔33bの鉛直上方に配置されるため、ラチェット駆動部33dがラチェットレバー26における当接部26aの下端面に対して近接対向することになり、ロック機構30がアンロック状態となる。この状態においては、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bが伝達ピン46cを下方に向けて移動させることになる。伝達ピン46cが下方に移動すると、伝達ピン46cが貫通されたコネクトレバー41が図14において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bが上方に移動するため、オープンレバー11の受圧部11bを介してリンクレバー33も上動することになる。従って、図15に示すように、リンクレバー33がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってドアDを開成移動させることができるようになる。
【0048】
図12に示すロック状態から、電動モータ35の駆動によってウォームホイール31を時計回りに回転させると、セクタレバー32がセクタレバー軸38を中心として反時計回りに揺動することになる。この結果、ロック機構30は、連結ピン32a及びパニックレバー39を介して連係したリンクレバー33が装着孔33bを中心として時計回りに揺動し、再び図1に示したアンロック状態に復帰する。
【0049】
上記のように構成したチャイルドロック機構40では、図1及び図16に示した状態が伝達状態であり、チャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域に配置される。この状態からインサイドドアハンドルIDHを開扉操作すると、インハンロック連係部12bが伝達ピン46cを下方に向けて移動させることになる。伝達ピン46cが下方に移動すると、伝達ピン46cが貫通されたコネクトレバー41が図1及び図16において反時計回りに揺動し、その伝達端部41bが上方に移動するため、オープンレバー11の受圧部11bを介してリンクレバー33も上動することになる。従って、ロック機構30がアンロック状態であれば、リンクレバー33がラッチ機構20におけるラチェットレバー26の当接部26aに当接することになり、ラッチ状態を解除することができる。つまり、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってドアDを開成移動させることができるようになる。
【0050】
これに対してチャイルドレバー42の手動操作部42dを、図1及び図16に示す第1位置から、車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように下方に揺動し、図2及び図17に示す第2位置に移動すると、チャイルドレバー42が図1及び図16においてチャイルドレバー軸10bを中心とした時計回りに揺動し、チャイルドロック部42hにコネクトレバー軸43を配置させることになる。この状態においては、チャイルドロック機構40が非伝達状態となる。この非伝達状態では、チャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域外に配置されるため、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作してもインハンロック連係部12bと伝達ピン46cとが当接することはなく、コネクトレバー41が揺動することもない。この結果、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってはドアDを開成移動させることができないことになる。
【0051】
図2及び図17に示す第2位置からチャイルドレバー42の手動操作部42dを更に復帰バネ45の弾性復元力に抗して車両後方側に向けて移動させ、図3及び図18に示す第3位置に移動すると、チャイルドレバー42が更に車両後方側に移動し、エマージェンシロック部42iにコネクトレバー軸43を配置させることになる。この状態においても、チャイルドロック機構40における非伝達状態は維持されることになる。この非伝達状態では、チャイルドピン46の伝達ピン46cがインサイドハンドルレバー12においてインハンロック連係部12bの揺動域外に配置されるため、インサイドドアハンドルIDHを開扉操作してもインハンロック連係部12bと伝達ピン46cとが当接することはなく、コネクトレバー41が揺動することもない。この結果、ロック機構30のロック/アンロック状態に関わらず、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってはドアDを開成移動させることができないことになる。
【0052】
図3及び図18に示す状態からチャイルドレバー42における手動操作部42dの操作力を除去すると、当該チャイルドレバー42が復帰バネ45の弾性復元力によってコネクトレバー軸43を中心とした反時計回りに向けて揺動する。図4及び図19に示すように、チャイルドレバー42が図3及び図18においてコネクトレバー軸43を中心とした反時計回りに揺動すると、再びチャイルドロック部42hにコネクトレバー軸43を配置させることになり、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第2位置に移動する。また、チャイルドロック機構40においては、非伝達状態が維持されることになる。
【0053】
図20は、本発明の実施の形態におけるドアロック装置の制御系を示すブロック図である。本実施の形態のドアロック装置は、車速検知センサS1、ギアポジション検知センサS2、フットブレーキ検知センサS3、ロック指令スイッチSW、制御ユニット60を備えている。
【0054】
車速検知センサS1は、当該ドアロック装置が適用される車両の車速、すなわち速度を検知し、その旨を車速検知信号として制御ユニット60に与える車速検知手段である。ギアポジション検知センサS2は、当該車両のギアポジションがパーキングポジションにあることを検知し、その旨をパーキングポジション検知信号として制御ユニット60に与えるギアポジション検知手段である。フットブレーキ検知センサS3は、当該車両のフットブレーキがオフ、すなわちフットブレーキが踏まれていない状態であることを検知し、その旨をフットブレーキ検知信号として制御ユニット60に与えるフットブレーキ検知手段である。
【0055】
ロック指令スイッチSWは、例えば利用者が所有しているキー本体に内蔵されており、利用者により所定のボタンが押下されることにより、ロック指令を制御ユニット60に与えるものである。尚、このロック指令スイッチSWは、キー本体に内蔵されているだけに限られず、利用者が運転席のドアを閉成し、当該ドアのキーシリンダーにキーを挿入して施錠操作を行った場合に、制御ユニット60にロック指令を与えるものであっても構わない。
【0056】
制御ユニット60は、メモリ70に記憶されたプログラムやデータに基づき動作するものであり、入力処理部61、走行状態判断部62、ロックアクチュエータ駆動処理部63、チャイルドロックアクチュエータ駆動処理部64を備えて構成してある。
【0057】
入力処理部61は、各検知センサS1〜S3やロック指令スイッチSWから与えられる信号や指令を入力処理するものである。
【0058】
走行状態判断部62は、当該車両の走行状態を判断するものである。より詳細に説明すると、走行状態判断部62は、入力処理部61を通じて入力処理された車速検知信号に含まれる車速が予め決められた基準車速(閾値:例えば3km/h)以上である場合には、当該車両は走行状態であると判断するものである。その一方、車速が基準車速未満であって、入力処理部61を通じて入力処理されたパーキングポジション検知信号及びフットブレーキ検知信号によりギアがパーキングポジションであり、かつフットブレーキが踏まれていない状態である場合には、当該車両は停止状態であると判断するものである。
【0059】
ロックアクチュエータ駆動処理部63は、電動モータ35の駆動処理を行うものであり、チャイルドロックアクチュエータ駆動処理部64は、チャイルドロックアクチュエータ53の駆動処理を行うものである。
【0060】
上記のようにロック機構30及びチャイルドロック機構40を備えたドアロック装置では、通常の使用時において電動モータ35を駆動すれば、ロック機構30をロック状態とアンロック状態とに容易に切り替えることができる。
【0061】
一方、電動モータ35に不具合が発生したり、図示せぬバッテリの充電電圧が低下する等して電動モータ35が駆動しない場合には、ドアDを開成した状態から手動操作部42dを、図1及び図16に示す第1位置から車両本体Bの左右方向に沿った軸心回りに円弧を描くように下方に揺動し、更に復帰バネ45の弾性復元力に抗して車両後方側に移動させ、図3及び図18に示す第3位置に移動すれば良い。すなわち、このように手動操作部42dを操作すると、チャイルドレバーが図1及び図16においてチャイルドレバー軸10bを中心とした時計回りに揺動し、更に車両後方側に向けて移動することになる。このようにチャイルドレバー42を移動すると、エマージェンシロック部42iにコネクトレバー軸43を配置させることになる。このとき、ロック操作部42eを介してリンクレバー33が揺動し、ロック機構30が図3及び図18に示すロック状態に切り替えられることになる。また、前述した復帰バネ45の作用によってチャイルドレバー42が移動することになるが、一旦ロック状態となったロック機構30は、継続してロック状態を維持することになり、車両の防盗性を確保することができる。従って、室内のロック操作部材を省略した場合に上述した状態が発生したとしても、車両の防盗性を確保することができる。
【0062】
この場合、チャイルドレバー42は、ドアDを閉めた場合に塞がれる位置に設けてある。従って、仮に悪意のある者がウィンドウガラスを破ったとしても、チャイルドレバー42の手動操作部42dを移動することは困難である。しかも、チャイルドレバー42の手動操作部42dが第3位置に移動した場合には、チャイルドロック機構40が非伝達状態となる。従って、操作性を向上させるべくインサイドドアハンドルIDHの操作によってロック機構30をロック状態からアンロック状態に切り替えるように構成したものに適用した場合にも、チャイルドレバー42の操作によってロック機構30がロック状態となっていれば、インサイドドアハンドルIDHの開扉操作によってラッチ機構20のラッチ状態が解除されることがない。これにより、いわゆるワンモーション機構やダブルアクション機構を適用して操作性を向上させたドアロック装置にあっても、車両の防盗性を著しく向上させることが可能となる。しかも、チャイルドレバー42の手動操作部42dを第2位置から第3位置へ移動する第2の方向が、チャイルドレバー42の手動操作部42dを第1位置から第2位置へ移動する第1の方向に交差するように構成したため、手動操作部42dを第1位置から第2位置に操作する間に、誤って第3位置に操作する虞れがない。
【0063】
図21〜図23は、それぞれ制御ユニット60が実施する走行検知制御、停止検知制御、ロック指令制御の処理内容を示すフローチャートである。これら図21〜図23を適宜利用してドアロック装置の動作について更に説明する。
【0064】
走行検知制御における制御ユニット60の処理内容について説明する。説明の前提として、車両は停止状態にあり、ロック機構30はアンロック状態にあり、かつチャイルドロック機構40は伝達状態にあるものとし、そのような状態で車両が走行し始めたものとする。
【0065】
走行検知制御における制御ユニット60は、入力処理部61を通じて、車速検知センサS1より与えられた車速検知信号を入力処理した場合に(ステップS101:Yes)、走行状態判断部62を通じて、入力処理部61を通じて入力処理した車速検知信号に含まれる検知車速が予め決められた基準車速以上であるか否かを判断する(ステップS102)。検知車速が基準車速未満である場合には(ステップS102:No)、後述する処理を実施することなく、手順をリターンさせて今回の制御を終了する。
【0066】
一方、検知車速が基準車速以上である場合には(ステップS102:Yes)、制御ユニット60は、走行状態判断部62を通じて車両が走行状態にあるものと判断し、ロックアクチュエータ駆動処理部63を通じて電動モータ35を駆動させてロック機構30をロック状態に切り替える電動モータ駆動処理を実施するとともに、チャイルドロックアクチュエータ駆動処理部64を通じてチャイルドロックアクチュエータ53を駆動させてチャイルドロック機構40を非伝達状態に切り替えるチャイルドロックアクチュエータ駆動処理を実施し(ステップS103,ステップS104)、その後に手順をリターンさせて今回の制御を終了する。
【0067】
これによれば、車両の車速が基準車速以上(例えば3km/h以上)となれば、アンロック状態にあったロック機構30をロック状態に容易に切り替えることができるとともに、伝達状態にあったチャイルドロック機構40を非伝達状態に確実に切り替えることができる。
【0068】
停止検知制御における制御ユニット60の処理内容について説明する。説明の前提として、車両は走行状態にあり、ロック機構30はロック状態にあり、かつチャイルドロック機構40は非伝達状態にあるものとし、そのような状態で車両が停止し始めたものとする。
【0069】
停止検知制御における制御ユニット60は、入力処理部61を通じて、車速検知センサS1より与えられた車速検知信号を入力処理した場合に(ステップS201:Yes)、走行状態判断部62を通じて、入力処理部61を通じて入力処理した車速検知信号に含まれる検知車速が予め決められた基準車速以上であるか否かを判断する(ステップS202)。検知車速が基準車速以上である場合には(ステップS202:Yes)、車両は停止状態にないものと判断して、後述する処理を実施することなく手順をリターンさせて今回の制御を終了する。
【0070】
一方、検知車速が基準車速未満である場合には(ステップS202:No)、制御ユニット60は、入力処理部61を通じて、ギアポジション検知センサS2よりパーキングポジション検知信号、並びにフットブレーキ検知センサS3よりフットブレーキ検知信号を入力した場合には(ステップS203:Yes,ステップS204:Yes)、走行状態判断部62を通じて車両が停止状態にあるものと判断して、チャイルドロックアクチュエータ駆動処理部64を通じてチャイルドロックアクチュエータ53を駆動させてチャイルドロック機構40を伝達状態に切り替えるチャイルドロックアクチュエータ駆動処理を実施し(ステップS205)、その後に手順をリターンさせて今回の制御を終了する。
【0071】
上記パーキングポジション検知信号を入力していない場合(ステップS203:No)、あるいは上記フットブレーキ検知信号を入力していない場合(ステップS204:No)には、上記ステップS205の処理を実施しないで手順をリターンさせて今回の制御を終了する。
【0072】
このように車速が基準車速未満だけでなく、ギアポジションがパーキングポジションにあり、しかもフットブレーキが踏まれていない状態であることが検知された場合に車両が停止状態にあると判断することにより、単に車両が赤信号等で停車した場合にチャイルドロック機構40を切り替える虞れがなく、必要以上にチャイルドロック機構40の状態を切り替えることがない。また、このように車速、ギアポジション及びフットブレーキの状態に基づいて判断するので、車両が停止状態にあることを確実に判断することができる。
【0073】
ロック指令制御における制御ユニット60の処理内容について説明する。説明の前提として、車両は停止状態にあり、ロック機構30はアンロック状態にあり、かつチャイルドロック機構40は伝達状態にあるものとする。
【0074】
ロック指令制御における制御ユニット60は、入力処理部61を通じて、ロック指令スイッチSWより与えられたロック指令を入力処理した場合に(ステップS301:Yes)、ロックアクチュエータ駆動処理部63を通じて電動モータ35を駆動させてロック機構30をロック状態に切り替える電動モータ駆動処理を実施し(ステップS302)、その後に手順をリターンさせて今回の制御を終了する。
【0075】
このようにドアロック装置は、ロック指令が与えられた場合には電動モータ駆動処理を実施してロック機構30をロック状態に切り替えるが、チャイルドロックアクチュエータ53に対しては何等指令を与えずに、チャイルドロック機構40を伝達状態に維持させる。これにより、ドア(リアドア)Dを運転席のフロントドアと同一レベルでロック状態にさせることができ、必要以上にチャイルドロック機構40の状態を切り替えることがない。
【0076】
以上説明したように本発明の実施の形態におけるドアロック装置によれば、制御ユニット60が、車速検知センサS1による検知車速が基準車速以上の場合にはチャイルドロック機構40を非伝達状態にさせる一方、車速検知センサS1による検知車速が基準車速未満であって、ギアポジション検知センサS2によりギアがパーキングポジションと検知され、かつフットブレーキ検知センサS3によりフットブレーキが踏まれていない状態と検知された場合には、チャイルドロック機構40を伝達状態にさせ、更にロック指令が与えられた場合には、ロック機構30をロック状態にさせ、かつチャイルドロック機構40を伝達状態に維持させるので、車両が停止した状態でチャイルドロックアクチュエータ53の駆動系や電気供給系に不具合が生じてしまっても、ドア(リアドア)Dは室内から開けることができる。従って、車両走行中に確実にチャイルドロック機構40を非伝達状態にさせることができ、更に車両が停止した状態でチャイルドロックアクチュエータ53の駆動系や電気供給系に不具合が生じてもドアDを開けることができる。
【0077】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、上述の実施の形態においては、車速が基準車速未満であって、ギアがパーキングポジションであり、かつフットブレーキが踏まれていない状態である場合に車両が停止状態であると判断するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、車速が基準車速未満であって、入力処理されたパーキングポジション検知信号によりギアがパーキングポジション、あるいは入力処理されたフットブレーキ検知信号によりフットブレーキが踏まれていない状態であると検知された場合に車両が停止状態であると判断するようにしても構わない。これによっても、車両走行中に確実にチャイルドロック機構40を非伝達状態にさせつつ、防盗性を良好なものとすることができる。特に、運転手が車両を所定区域に一旦停車させた場合には、ギアをパーキングポジションにするか、あるいはフットブレーキを踏んだ状態にするのが一般的であり、このような場合にもチャイルドロック機構40を伝達状態にすることにより利便性の向上を図ることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明にかかるドアロック装置は、四輪自動車等の車両に適用するドアロック装置に有用であり、特に、非常時の防盗性に配慮したドアロック装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態であるドアロック装置を示した概念図である。
【図2】図1に示したドアロック装置においてチャイルドロック機構を非伝達状態とした場合の概念図である。
【図3】図1に示したドアロック装置において切替操作レバーの手動操作部を第3位置に移動させた場合の概念図である。
【図4】図3に示す状態から切替操作レバーにおける手動操作部の操作力を除去した状態を示す概念図である。
【図5】図1に示したドアロック装置を適用する車両の要部断面平面図である。
【図6】図1に示したドアロック装置に適用するラッチ機構の概念図である。
【図7−1】図1に示したドアロック装置に適用するインサイドハンドルレバーの概念図である。
【図7−2】図7−1に示したインサイドハンドルレバーのC矢視図である。
【図8】図1に示したドアロック装置に適用するコネクトレバーの概念図である。
【図9−1】図1に示したドアロック装置に適用するチャイルドレバーの概念図である。
【図9−2】図9−1に示したチャイルドレバーのD矢視図である。
【図10−1】図1に示したドアロック装置に適用するチャイルドピンの概念図である。
【図10−2】図10−1に示したチャイルドピンのE矢視図である。
【図11−1】図1におけるA−A線断面図である。
【図11−2】図1におけるB−B線断面図である。
【図12】図1に示したドアロック装置においてロック機構をロック状態とした場合の概念図である。
【図13】図12に示す状態においてインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す概念図である。
【図14】図13に示す状態からインサイドドアハンドルの操作力を除去した状態を示す概念図である。
【図15】図14に示す状態においてインサイドドアハンドルを開扉操作した状態を示す概念図である。
【図16】図1に示したドアロック装置の要部拡大概念図である。
【図17】図2に示したドアロック装置の要部拡大概念図である。
【図18】図3に示したドアロック装置の要部拡大概念図である。
【図19】図4に示したドアロック装置の要部拡大概念図である。
【図20】本発明の実施の形態におけるドアロック装置の制御系を示すブロック図である。
【図21】図20に示した制御ユニットが実施する走行検知制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図22】図20に示した制御ユニットが実施する停止検知制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図23】図20に示した制御ユニットが実施するロック指令制御の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
10 本体ケース
10a 操作孔
10b チャイルドレバー軸
26 ラチェットレバー
26a 当接部
30 ロック機構
31 ウォームホイール
32 セクタレバー
32a 連結ピン
32b 間欠ドリブンギア
32c インサイドハンドルレバー当接部
33 リンクレバー
33a リンク本体
33b 装着孔
33c パニックレバー当接部
33d ラチェット駆動部
33f ロックレバー部
33g 操作当接面
34 ホイール軸
35 電動モータ
35a 出力軸
36 ウォーム
37 間欠ギアホイール
38 セクタレバー軸
39 パニックレバー
39a パニックレバー軸
39b 連結用溝孔
40 チャイルドロック機構
41 コネクトレバー
41a 収容端部
41b 伝達端部
41c ピン収容孔
41d コネクトレバー軸孔
42 チャイルドレバー
42a スライド溝
42b チャイルドピン支承溝
42c チャイルドレバー軸溝
42d 手動操作部
42e ロック操作部
42f 復帰バネ当接部
42g パワーチャイルド溝
42h チャイルドロック部
42i エマージェンシロック部
42j アンロック部
43 コネクトレバー軸
45 復帰バネ
46 チャイルドピン
46a ベース部
46b 装着ピン
46c 伝達ピン
46d ストッパ部
46e 装着溝部
53 チャイルドロックアクチュエータ
60 制御ユニット
61 入力処理部
62 走行状態判断部
63 ロックアクチュエータ駆動処理部
64 チャイルドロックアクチュエータ駆動処理部
B 車両本体
D ドア
IDH インサイドドアハンドル
ODH アウトサイドドアハンドル
S ストライカ
S1 車速検知センサ
S2 ギアポジション検知センサ
S3 フットブレーキ検知センサ
SW ロック指令スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体に対してドアが閉位置に配置された場合にラッチ状態となってドアの開方向への移動を規制するラッチ機構と、
ドアハンドルから前記ラッチ機構に至るまでの間に介在し、アンロック状態においてドアハンドルが開扉操作された場合にこれをラッチ機構に伝達することによりラッチ状態を解除してドアの開方向への移動を許容する一方、ロック状態となった場合にはドアハンドルが開扉操作されてもラッチ機構のラッチ状態を維持するロック機構と、
前記ロック機構をロック状態とアンロック状態とに切り替えるロックアクチュエータと、
室内に配設したインサイドドアハンドルと前記ラッチ機構との間に介在し、インサイドドアハンドルの開扉操作を前記ラッチ機構に伝達する伝達状態と、インサイドドアハンドルの開扉操作を前記ラッチ機構に伝達しない非伝達状態とに切り替え可能に構成したチャイルドロック機構と、
前記チャイルドロック機構を伝達状態と非伝達状態とに切り替えるチャイルドロックアクチュエータと
を備えたドアロック装置において、
車速検知手段により検知された車速が予め決められた閾値以上の場合には、前記チャイルドロックアクチュエータに指令を与えて前記チャイルドロック機構を非伝達状態に切り替える一方、前記車速検知手段により検知された車速が前記閾値未満であって、ギアポジション検知手段によりギアがパーキングポジションであること及びフットブレーキ検知手段によりフットブレーキが踏まれていない状態であることの少なくとも一方が検知された場合には、前記チャイルドロックアクチュエータに指令を与えて前記チャイルドロック機構を伝達状態に切り替え、更に車両が停止状態でロック指令が与えられた場合には、前記ロックアクチュエータに指令を与えて前記ロック機構をロック状態に切り替え、かつ前記チャイルドロック機構を伝達状態に維持させる制御手段を備えたことを特徴とするドアロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−41217(P2009−41217A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205254(P2007−205254)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】