説明

ドアロック装置

【課題】側面衝突時にドア内での移動量を小さくする。
【解決手段】ストライカ2を係脱可能なラッチ機構と、ラッチ機構によるストライカ2の係止を解除可能なアンロック状態と、ストライカ2の係止を解除不可能なロック状態とに切換可能なロック機構と、ロック機構を収納するハウジング11と、ハウジング11に配設され、ドア1に配設したキーシリンダ3のパドル4を直接連結し、このパドル4の回転駆動力を伝達してロック機構をアンロック状態およびロック状態に切り換えるキーロータ83と、を備えたドアロック装置10において、キーロータ83は、パドル4の先端部を相対的に回転不可能に係合可能で、かつ、パドル4が軸方向に沿って貫通移動可能なパドル連結部86を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアに装着されるドアロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のドアロック装置は、車体側に設けたストライカを保持するフォークと、フォークに係合してフォークがストライカを係止した状態に保持するクローとを有するラッチ機構を備えている。また、ドアロック装置は、クローと係合可能なアンロック位置、および、クローと係合不可能なロック位置の間を移動可能としたリンクを有するロック機構を備えている。このロック機構は、キーおよびアクチュエータ等で作動するロックプレートを更に有し、このロックプレートによってリンクがロック位置およびアンロック位置に移動される。そして、ドアを開放する場合には、キー操作またはリモコン操作等を行い、ロック機構をロック状態からアンロック状態にした後、ドアハンドルを操作する。これにより、ドアハンドルに連結されたオープンレバーによってリンクが開放作動してクローと係合する。その結果、クローが回転してフォークとの係合が解除され、フォークが回転してストライカが開放される。
【0003】
ドアロック装置には、キー操作によりロックプレートを作動させるためのキーレバーがドアロック装置内に設けられている。そして、ドアに配設したキーシリンダの回転操作力は、ドア内において上下方向に延びるように配設した細長い棒状の連結ロッドを介してキーレバーに伝達されている。
【0004】
しかし、この構造では、ドアとドアガラス等の隙間から連結ロッドを操作することが可能であり、この場合にはドアロック装置が不正に解錠されてしまう。即ち、この構造は、キーシリンダの回転操作力を連結ロッドの上下方向の移動に変換し、この連結ロッドの上下方向の移動をドアロック装置でロックプレートの回転に再び変換するものである。よって、ドアガラスの隙間から不正な道具を挿入して連結ロッドを上下方向に操作すると、ドアロック装置を不正に解錠できる。
【0005】
これに対して特許文献1では、キーシリンダから突出するパドルをキーレバーに直接連結したドアロック装置が記載されている。このドアロック装置では、上下方向に延びる連結ロッドを介在させることなく、キーシリンダの回転操作力を直接ロックプレートに伝達して回転させることができる。また、ドアガラス等の隙間から不正な道具を挿入しても、パドルを回転操作することは極めて困難であるため、不正解錠を防止できる。
【0006】
しかしながら、この特許文献1では、ドアヘの衝突(側面衝突)事故が発生した場合、衝突によってキーシリンダが車内側へ移動するため、パドルを介して連結されたドアロック装置が車内側へ押されて移動する可能性がある。この場合、ドアの内側に配設されたドアトリムがドアロック装置に押されて、車内の乗員に向けて突出する恐れがある。また、ドアロック装置が移動すると、例えアンロック状態であったとしても、抵抗によってラッチ機構によるストライカの係合を解除できない可能性がある。その結果、ドアロック装置の移動を抑制する補強対策が更に必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】持開2002−129804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、側面衝突時にドア内での移動量を小さくできるドアロック装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明のドアロック装置は、ストライカを係脱可能なラッチ機構と、前記ラッチ機構による前記ストライカの係止を解除可能なアンロック状態と、前記ストライカの係止を解除不可能なロック状態とに切換可能なロック機構と、少なくとも前記ロック機構を収納するハウジングと、前記ハウジングに配設され、ドアに配設したキーシリンダのパドルを直接連結し、このパドルの回転駆動力を伝達して前記ロック機構をアンロック状態およびロック状態に切り換えるキーロータと、を備えたドアロック装置において、前記キーロータは、前記パドルの先端部を相対的に回転不可能に係合可能で、かつ、前記パドルが軸方向に沿って貫通移動可能なパドル連結部を有する構成としている。
【0010】
このドアロック装置によれば、ドアへ衝撃が加わってキーシリンダが車内側へ移動すると、パドルがキーロータを貫通するため、パドルと一緒にキーロータが移動することを防止できる。よって、衝突によるキーシリンダの移動量に対して、ドアロック装置の移動量を抑制することができる。その結果、ドアロック装置の破損を防止できるとともに、ドアが開放できなくなることを防止し、衝突時の乗員の安全性の向上を図ることができる。
【0011】
このドアロック装置では、前記ハウジングは、前記キーロータを配設する支持部を備え、この支持部を、前記ハウジングの外側に位置するように突出して設けることが好ましい。
この場合、前記キーロータは、前記ハウジングの支持部に装着され、この支持部に回転可能かつ脱落不可能に係合する弾性変形可能な係合腕部を備えることが好ましい。
このようにすれば、キーロータのパドル連結部を貫通したパドルとハウジングとの干渉を確実に防止できる。よって、側面衝突時のドアロック装置への負荷を小さくすることができるので、キーシリンダの移動量に対するドアロック装置の移動量を小さくすることができる。また、ハウジングには、干渉防止用の逃がし孔等を設ける必要がないため、ハウジングの密封性を高め、防水性を確保できる。
【0012】
また、前記キーロータのパドル連結部の軸方向に沿って車内側に位置するように、このキーロータの回転駆動力を前記ロック機構へ伝達する樹脂製の中間伝達部材を配設することが好ましい。このようにすれば、キーシリンダが車内側へ移動すると、パドルの先端が中間伝達部材に衝突する。この際、樹脂製の中間伝達部材は、パドルの衝突による衝撃を緩衝する緩衝材の役割をなす。よって、パドルと一緒にドアロック装置が移動することを更に確実に防止できる。
【0013】
さらに、前記ハウジングは、前記キーシリンダの側に挿入口を有するとともに、車内側に逃がし口を有し、前記キーシリンダのパドルの軸方向に沿って貫通するとともに前記キーロータを回動可能に装着するロータ装着部を備えることが好ましい。このようにすれば、パドルがキーロータを貫通した際に、ハウジングに衝突することを防止できる。よって、キーシリンダが車内側へ移動した場合のドアロック装置の移動量を確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のドアロック装置では、ドアへ衝撃が加わってキーシリンダが車内側へ移動すると、パドルがキーロータを貫通するため、キーシリンダの移動量に対するドアロック装置の移動量を抑制できる。その結果、ドアロック装置の破損を防止できるとともに、ドアが開放できなくなることを防止し、衝突時の乗員の安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る第1実施形態のドアロック装置を示す側面図である。
【図2】(A)はドアロック装置の車内側に位置する正面図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図3】ハウジングの第1ケースを示し、(A)は正面図、(B)は断面図である。
【図4】ハウジングの第2ケースを示し、(A)は正面図、(B)は断面図である。
【図5】ドアロック装置のラッチ機構を示し、(A)はドア開放状態を示す側面図、(B)はドア閉塞状態を示す側面図である。
【図6】ドアロック装置のロック機構を示す正面図である。
【図7】図6の各部品を示す分解斜視図である。
【図8】(A)はロック作動状態を示す正面図、(B)はアンロック作動状態を示す正面図である。
【図9】(A)は第2実施形態のドアロック装置を示す断面図、(B)は(A)の要部拡大断面、(C)は第2実施形態のキーロータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に係るドアロック装置10を示す。このドアロック装置10は、車両のドア1に装着されるもので、ハウジング11と、車体に配設したストライカ2を離脱可能に係止するラッチ機構と、このラッチ機構によるストライカ2の係止を解除可能なアンロック状態および解除不可能なロック状態に切り換えるロック機構とを備えている。そして、本実施形態では、側面衝突が生じても安全性を十分に確保できるように、キーシリンダ3から突出するパドル4をハウジング11に対してドアの厚み方向に貫通移動可能に直接連結したものである。
【0018】
キーシリンダ3は、そのキー差込穴がドア1の外側に位置するように配設され、正規キーを差し込んでシリンダを回転操作することにより、シリンダに連結されたパドル4を介してドアロック装置10を解錠および施錠するものである。なお、このキーシリンダ3は、不正キーがキー差込穴に差し込まれると、内蔵したタンブラがシリンダに全ては没入しないため、シリンダを回転操作できない。よって、ドアロック装置10を解錠および施錠できない。
【0019】
パドル4は、シリンダに対して自在継手構造を用いて連結された金属製のものである。このパドル4の先端部には、キーロータ83に対して相対的に回転不可能に係合し、かつ、軸方向に沿って貫通移動可能なロータ連結部5が設けられている。このロータ連結部5は、周方向に所定間隔をもって径方向外向きに突出し、軸方向に沿って延びる複数の係止片6を備えている。
【0020】
図1および図2に示すように、ドアロック装置10のハウジング11は、ロック機構を収納する第1ケース12と、第1ケース12の開口部を閉塞する第2ケース26と、ラッチ機構を収納する第3ケース36とを備えている。
【0021】
第1ケース12は、図1および図3(A),(B)に示すように、ロック機構配設部13とラッチ機構カバー部20とを備えた平面視L字形状のものである。この第1ケース12は、車外側に配置されるとともに、ロック機構配設部13がドアパネルと平行に位置するように配置される。
【0022】
ロック機構配設部13には、略中央上部にロックプレート54およびキースイッチレバー73を回動可能に軸着する取付軸部14が設けられている。また、ロック機構配設部13の右側下部には、インナーレバー68を回動可能に軸着する取付軸部15が設けられている。この取付軸部15の左側部には、ノブレバー91を回動可能に配設するための軸支穴16が設けられている。この軸支穴16の上部左側には、カム部材配設部17と駆動モータ配設部18とが設けられている。駆動モータ配設部18の右横には、信号線や電力線などを電気的に接続するためのコネクタ104を配設するコネクタ配設部19が設けられている。ラッチ機構カバー部20は、ラッチ機構を配設した第3ケース36の開口部を覆うものである。このラッチ機構カバー部20には、アウターレバー65を回動可能に装着するための取付穴部(図示せず)が設けられている。
【0023】
そして、本実施形態の第1ケース12には、ロックプレート54を軸着する取付軸部14の右側上部に、キーレバー78を回動可能に軸着する支軸部21が設けられている。この支軸部21は、取付軸部14と平行な水平に突出するように設けられている。この支軸部21の外側には、キーロータ83を回転可能かつ脱落不可能に配設するための支持部22が、外方へ突出するように一体的に設けられている。この支持部22は、キーロータ83を装着する装着孔23を備えている。この装着孔23は、回転軸となる軸心が支軸部21の軸方向に沿って延びるもので、本実施形態ではドア1の外側に向けて所定角度上向きに傾斜して延びるように構成されている。装着孔23には、車内側に位置する一端開口部に内向きに突出する装着段部24が設けられている。また、支持部22の外周縁には、キーロータ83と回動式レバー88の接続部分を覆う防護壁25が車内側へ突出するように設けられている。
【0024】
第2ケース26は、図1および図4(A),(B)に示すように、第1ケース12のロック機構配設部13を閉塞するものである。この第2ケース26は、ドアパネルと平行に位置するように車内側に配置される。
【0025】
第2ケース26には、第1ケース12のラッチ機構カバー部20に装着する第3ケース36を露出させる切欠部27が設けられている。ロックプレート54の取付軸部14との対向位置には軸受部28が設けられ、インナーレバー68の取付軸部15との対向位置には軸受部29が設けられている。軸受部29の周囲には、インナーレバー68のインナーハンドル連結部70を外部に突出させるための挿通穴30が設けられている。ノブレバー91の軸支穴16の対向位置には軸支部31が設けられている。この軸支部31の下部には、ノブレバー91のロックノブ接続部93を貫通して外側に突出させる挿通穴32が設けられている。コネクタ配設部19の対向位置には、コネクタ104を外部に露出させるためのコネクタ接続口33が設けられている。第2ケース26の外面側には、挿通穴32の左横に位置するように、ドア開放用のインナーハンドル(図示せず)に接続するケーブル102、および、ドアロック用のロックノブ(図示せず)に接続するケーブル103を固定するためのケーブル固定部34が設けられている。そして、本実施形態では、キーレバー78の支軸部21の対向位置に、キーレバー78の入力部81を貫通させて外部に露出させる貫通穴35が設けられている。
【0026】
第3ケース36は、図1および図5(A), (B)に示すように、第1ケース12のラッチ機構カバー部20に装着されるものである。この第3ケース36は、ラッチ機構カバー部20の側に配置される樹脂性のフェンスブロック37と、外側に配置される金属性のセフティプレート42とを備える。フェンスブロック37には、ストライカ2を挿通する空間となる挿通凹部38が、ラッチ機構カバー部20に向けて窪むように設けられている。この挿通凹部38の上側には、ラッチ機構を構成するフォーク44を回動可能に装着するための取付部39が設けられている。挿通凹部38の下側には、クロー46を回動可能に装着するための取付部40が設けられている。この取付部40の左側には、クロー46の操作受部48を挿通してロック機構配設部13内に突出させる挿通穴41が設けられている。セフティプレート42には、 挿通凹部38との対向位置にストライカ2を挿通する挿通溝43が設けられている。
【0027】
第3ケース36に組み付けるラッチ機構は、ストライカ2を離脱可能に係止するフォーク44と、フォーク44に係合してフォーク44がストライカ2を保持した状態を維持するクロー46とを備えている。フォーク44は、ストライカ2を挿通可能な係止溝45を備えた略U字形状のものである。このフォーク44は、スプリング(図示せず)により図5(A)に示す開放位置に付勢されている。クロー46は、フォーク44を係止する係止部47を備えている。このクロー46は、スプリング(図示せず)により図5(B)に示す係止位置に付勢されている。また、クロー46は、第3ケース36の挿通穴41を貫通してロック機構配設部13内に位置される操作受部48を備えている。
【0028】
このラッチ機構は、ドア1を閉じることによりフォーク44の係止溝45内にストライカ2が進入されると、ドア1の閉じ力に伴うストライカ2の押圧で図5(A)から図5(B)に示すように反時計回りに回動する。そして、クロー46の係止部47がフォーク44に係止することにより、フォーク44によるストライカ2の係止状態を維持する。この状態で、クロー46の操作受部48が上向きに作動されると、クロー46が時計回りに回動されることにより、フォーク44とクロー46の係止が解除される。その結果、フォーク44がスプリングの付勢力で図5(A)に示す開放位置に回動し、ストライカ2の係止を解除する。
【0029】
第1ケース12に組み付けるロック機構は、ラッチ機構によるストライカ2の係止を解除可能なアンロック状態と、ストライカ2の係止を解除不可能なロック状態とに切り換えるものである。このロック機構は、図6に示すように、クロー46を係止解除方向に作動させるリンク49と、リンク49によるクロー46の作動を可能(アンロック状態)または不可能(ロック状態)とするロックプレート54とを備えている。
【0030】
また、ロック機構は、リンク49を介してラッチ機構を開放作動させるために、アウターオープン系としてアウターレバー65(図1に図示)を備えるとともに、インナーオープン系としてインナーレバー68を備えている。さらに、ロック機構は、アウターロック系であるキー操作力伝達機構と、インナーロック系であるノブ操作力伝達機構と、電動ロック系であるモータ操作力伝達機構とを備えている。キー操作力伝達機構は、ドア1に配設したキーシリンダ3の操作力をロックプレート54に伝達するもので、キースイッチレバー73と、キーレバー78と、キーロータ83と、中間伝達部材である回動式レバー88とを備えている。ノブ操作力伝達機構は、ドア1に配設したロックノブの操作力をロックプレート54に伝達するもので、ノブレバー91を備えている。モータ操作力伝達機構は、リモコン操作に従ってロックプレート54を作動させるもので、駆動モータ97とカム部材99とを備えている。
【0031】
図6および図7に示すように、リンク49は、アウターレバー65またはインナーレバー68の作動力を受けて上方向に移動されることにより、クロー46の操作受部48に当接してクロー46を係止解除方向に作動させるものである。このリンク49は、下端がアウターレバー65に連結されるとともに、上端がロックプレート54に連結され、ロックプレート54の回動により、クロー46を係止解除方向に作動可能なアンロック位置と作動不可能なロック位置とに移動される。具体的には、リンク49には、下端にアウターレバー65が連結されるとともにインナーレバー68が当接する受動部50が設けられている。この受動部50の上部には、クロー46の操作受部48に当接する操作部51が設けられている。また、リンク49には、操作部51から略J字形状に延びるようにロックプレート連結部52が設けられている。ロックプレート連結部52には、上向きにスライド移動する際にロックプレート54に対して相対的に移動できるようにスライド溝53が設けられている。
【0032】
ロックプレート54は、リンク49をアンロック位置およびロック位置に移動させるもので、後述するリンク付勢スプリング60を介してリンク49と連結されている。このロックプレート54は、第1ケース12の取付軸部14に回動可能に取り付けられる筒状取付部55を備え、この筒状取付部55を頂部とした略扇形状に形成されている。筒状取付部55は、リンク付勢スプリング60を外嵌して装着する装着部の役割をなし、その左側には、リンク付勢スプリング60の一端を係止するスプリング係止部56が設けられている。ロックプレート54には、リンク49を配設する側に、ロック回転側へ向けて延びリンク付勢スプリング60を挿通する溝を有するスプリング挿通部57が設けられている。また、スプリング挿通部57と逆側であるノブレバー91を配設する側には、略U字形状をなす溝を形成したノブレバー係着部58が設けられている。さらに、ロックプレート54には、筒状取付部55の近傍にキースイッチレバー73によるアンロック作動を受けるアンロック作動受動部59が設けられている。なお、ロックプレート54においてスプリング挿通部57を設けた側の縁は、キースイッチレバー73によるロック作動を受けるロック作動受動部を構成する。
【0033】
リンク付勢スプリング60は、ロックプレート54に配設され、リンク49をロックプレート54に対してアンロック位置に向けて付勢する付勢部材である。このリンク付勢スプリング60は、筒状取付部55に外嵌される巻回部61を備えている。巻回部61から突出する線材の一端は、ロックプレート54上を延び、スプリング挿通部57を通過して延びるアーム部62とされている。このアーム部62の先端には、スプリング挿通部57上に位置するリンク49のスライド溝53に挿通して連結される連結部63が設けられている。また、巻回部61から突出する線材の他端は、スプリング係止部56に係止される係止部64を構成する。
【0034】
アウターレバー65は、ロック機構配設部13を貫通して内外に延びるように、ラッチ機構カバー部20に回動可能に取り付けられるものである。このアウターレバー65には、ロック機構配設部13から外部に突出する部分に、ドア1の車外側に設けたアウターハンドルを接続するアウターハンドル接続部66(図1参照)が設けられている。また、アウターレバー65には、ロック機構配設部13内に配設される端部に、リンク49の受動部50に連結されるリンク連結部67が設けられている。
【0035】
インナーレバー68は、ドア1の車内側に設けたインナーハンドルの操作をリンク49に伝導して、クロー46を開放作動させるものである。このインナーレバー68は、第1ケース12の取付軸部15に回動可能に取り付けられる取付部69を備えている。インナーレバー68には、第2ケース26の挿通穴30からハウジング11の外側に突出するように延び、インナーハンドルにケーブル102を介して連結されるインナーハンドル連結部70が設けられている。また、インナーレバー68には、組付状態で取付部69を中心とした回転軌跡上にリンク49の受動部50が位置するように、略J字形状をなすリンク作動部71が設けられている。さらに、インナーレバー68には、ロック位置に位置しているノブレバー91に係合して、ノブレバー91およびロックプレート54を介してリンク49をアンロック位置に移動させる係合部72が設けられている。
【0036】
キースイッチレバー73は、ロックプレート54を軸着する取付軸部14に軸着され、キーシリンダ3の操作力をロックプレート54に伝達して、ロックプレート54をロック位置またはアンロック位置に作動させるものである。このキースイッチレバー73は、取付軸部14に外嵌される筒状取付部74を備えている。この筒状取付部74には、同心円環状をなすようにキーレバー78に噛み合いにより係着する係着部75が設けられている。この係着部75のノブレバー91の側には、ロックプレート54のアンロック作動受動部59に当接してロックプレート54をアンロック作動させるアンロック作動部76が設けられている。また、キースイッチレバー73には、係着部75からロックプレート54の側へ扇形状に突出し、ロックプレート54の側縁に当接してロックプレート54をロック作動させるロック作動部77が設けられている。
【0037】
キーレバー78はハウジング11内に収納され、キーシリンダ3の操作力をキースイッチレバー73を介してロックプレート54に伝達して、ロックプレート54をロック位置またはアンロック位置に作動させるものである。このキーレバー78は、支軸部21に外嵌して取り付けられる筒状取付部79を備えている。この筒状取付部79の先端には、第2ケース26の貫通穴35を貫通して外側へ突出(露出)する入力部81が設けられている。具体的には、筒状取付部79には、貫通穴35を貫通する円柱状の貫通部80が設けられている。この貫通部80の先端には、回動式レバー88を相対的に回動不可能に装着する入力部81が、断面長方形状をなすように突設されている。また、筒状取付部79には、扇形状をなすように被係着部82が突設されている。この被係着部82は、キースイッチレバー73の係着部75に噛み合って係着されることにより、入力部81を中心とした回動駆動力をキースイッチレバー73を介してロックプレート54に伝達する駆動部である。
【0038】
キーロータ83は、第1ケース12の支持部22の装着孔23に回動可能に配設され、キーシリンダ3の操作力を回動式レバー88を介してキーレバー78に伝達するものである。このキーロータ83は、装着孔23より僅かに小さい外径の本体を備えている。このキーロータ83の一端には、装着孔23より大きい外径で、装着段部24の一方側の縁に当接する鍔部84が設けられている。また、キーロータ83には、周方向に所定間隔をもって弾性変形可能な係合腕部85が設けられている。この係合腕部85は、キーロータ83を装着孔23に装着することにより、装着段部24の他方側の縁に係合する。これにより、鍔部84と係合腕部85とで装着段部24を挟み込み、キーロータ83を支持部22に回転可能かつ脱落不可能に装着できる。また、キーロータ83には、鍔部84にかけて回転軸に沿って貫通するパドル連結部86が設けられている。このパドル連結部86は、略+形状に貫通した孔からなる。そして、放射状に突出する溝にロータ連結部5の係止片6を挿入することにより、ロータ連結部5を相対的に回転不可能に係合可能、かつ、軸方向に沿って貫通移動可能に、直接連結する。さらに、キーロータ83には、自身の回転駆動力を出力する出力部87が設けられている。この出力部87は、鍔部84から突設した円柱状のもので、その軸心は、パドル連結部86の軸心と径方向に所定間隔をもって平行に位置する。
【0039】
回動式レバー88は、キーロータ83の回転駆動力をキーレバー78に伝達する中間伝達部材である。この回動式レバー88は樹脂板からなり、キーレバー78の入力部81に連結するレバー接続部89と、キーロータ83の出力部87に連結するロータ接続部90とを備えている。レバー接続部89は、入力部81に対応する長方形状をなす孔からなる。これにより、回動式レバー88は、レバー接続部89を中心として回動のみ可能に構成されている。ロータ接続部90は、出力部87を貫通により接続する長円形状の孔からなる。この回動式レバー88は、キーレバー78の入力部81とキーロータ83の出力部87に接続することにより、ハウジング11の外部における車内側に位置するように配設される。尚、回転式レバー88とキーレバー78とは、キーレバー78の断面長方形状の入力部81と回転式レバー88の長方形状の孔からなるレバー接続部89とを嵌め合わせて連結するようにしているが、入力部81とレバー接続部89との形状は長方形状に限らず、その他形状でもよく、例えば、入力部81およびレバー接続部89にそれぞれセレーションを形成して嵌め合わせることで連結するようにしてもよい。
【0040】
ノブレバー91は、ドア1の車内側のロックノブの操作によりロックプレート54を作動させ、リンク49をロック位置またはアンロック位置に移動させるものである。このノブレバー91は、第1ケース12の軸支穴16に軸着するための回転軸部92を備えている。また、ノブレバー91には、第2ケース26の挿通穴32からハウジング11の外側に突出され、ロックノブにケーブル103を介して連結されるロックノブ接続部93が設けられている。さらに、ノブレバー91には、ロックプレート54のノブレバー係着部58に係止される連結アーム部94が略L字形状に延びるように設けられている。この連結アーム部94には、背部にカム部材99のカム溝101に係合するカム受部95が突設されている。また、ノブレバー91には、ノブレバー91がロック位置に移動している状態で係合部72に係合する係合受部96が設けられている。
【0041】
駆動モータ97は、カム部材99を正転および逆転させるもので、その出力軸にはウォーム98が取り付けられている。
【0042】
カム部材99は、ノブレバー91のカム受部95の下部に位置するように回転可能に配設されるものである。このカム部材99の外周部には、ウォーム98に噛み合うウォームホイール部100が設けられている。また、カム部材99には、ノブレバー91の側に位置する上面に、ノブレバー91をロック位置およびアンロック位置へ移動させるためのカム溝101が凹設されている。このカム部材99は、付勢スプリング(図示せず)により中立位置に位置決めされている。そして、カム受部95が中心側に移動するように回転されることにより、ノブレバー91およびロックプレート54を介してリンク49をロック作動させる。また、カム受部95が外周側に移動するように回転されることにより、ノブレバー91およびロックプレート54を介してリンク49をアンロック作動させる。
【0043】
このように構成したドアロック装置10は、キーシリンダ3のパドル4を直接連結するキーロータ83をハウジング11の外側に配設しているため、ハウジング11を小型化でき、低コストで防水性を確保できる。また、側面衝突事故の発生を考慮して、キーシリンダ3から突出したパドル4との干渉を防止するための逃がし孔等をハウジング11に設ける必要がないため、ハウジング11の密封性を高め、防水性を確保できる。
【0044】
次に、ドアロック装置10におけるロック機構の動作について説明する。
【0045】
まず、図6に示すアンロック状態では、アウターハンドルが操作されると、アウターレバー65がリンク49の受動部50を直接上向きに移動させる。その結果、リンク49がクロー46の操作受部48を押圧して回動させることによりフォーク44との係合を解除し、フォーク44によるストライカ2の係止を解除する。
【0046】
また、インナーハンドルが開放操作されると、ケーブル102を介してインナーレバー68が回動することにより、リンク作動部71がリンク49の受動部50を上向きに押圧する。その結果、リンク49がクロー46を回動させることによりフォーク44との係合を解除し、フォーク44によるストライカ2の係止を解除する。
【0047】
このアンロック状態で、車外側のキーシリンダ3に正規キーを差し込んで施錠操作すると、図8(A)に示すように、パドル4が図中時計回りに回動することにより、キーロータ83が連動して同方向に回動する。そうすると、出力部87を介して回動式レバー88が反時計回りに回動することにより、キーレバー78が連動して同方向に回動する。その結果、キースイッチレバー73が時計回りに回動することにより、ロック作動部77がロックプレート54を押圧してロック位置へ時計回りに回動させる。これにより、リンク49が左上向きに傾斜するように回動し、操作部51がクロー46の操作受部48から離反したロック状態となる。
【0048】
また、アンロック状態で、車内側のロックノブを施錠操作すると、ケーブル103を介してノブレバー91が反時計回りに回動することにより、ロックプレート54が連動して時計回りに回動する。これにより、リンク49がクロー46から離反するように回動したロック状態となる。
【0049】
さらに、アンロック状態で、リモコンによって施錠操作すると、駆動モータ97によりカム部材99が回動することにより、インナーロック系の施錠操作と同様に、ノブレバー91およびロックプレート54が回動し、このロックプレート54に連動してリンク49がロック位置に回動する。
【0050】
このロック状態では、アウターハンドルの操作によりアウターレバー65を介してリンク49を上向きに移動させても、操作部51が操作受部48に当接しない。そのため、フォーク44によるストライカ2の係止を解除できず、ドア1を開放できない。
【0051】
但し、本実施形態では、ノブレバー91に係合受部96が設けられるとともに、インナーレバー68に係合部72が設けられている。そのため、ロック状態でインナーハンドルの操作によりドア1を開放しようとした場合には、まず、インナーレバー68の係合部72がノブレバー91の係合受部96に係合することにより、ノブレバー91が時計回りに回動する。これにより、ロックプレート54が反時計回りに回動し、リンク49をアンロック位置に移動する。続いて、インナーレバー68のリンク作動部71がリンク49の受動部50を上向きに押圧し、リンク49の操作部51がクロー46の操作受部48に当接することにより、フォーク44によるストライカ2の係止を解除してドア1を開放できる(オーバーライド機能)。
【0052】
一方、このロック状態で、車外側のキーシリンダ3に正規キーを差し込んで解錠操作すると、図8(B)に示すように、パドル4が反時計回りに回動することにより、キーロータ83が連動して同方向に回動する。そうすると、出力部87を介して回動式レバー88が時計回りに回動することにより、キーレバー78が連動して同方向に回動する。その結果、キースイッチレバー73が反時計回りに回動することにより、アンロック作動部76がロックプレート54を押圧してアンロック位置へ反時計回りに回動させる。これにより、リンク49が略真上に延びるように回動し、操作部51がクロー46の操作受部48に当接可能なアンロック状態となる。
【0053】
また、ロック状態で、車内側のロックノブを解錠操作すると、ケーブル103を介してノブレバー91が時計回りに回動することにより、ロックプレート54が連動して反時計回りに回動する。これにより、リンク49がクロー46から近接するように回動したアンロック状態となる。
【0054】
さらに、ロック状態で、リモコンによって解錠操作すると、駆動モータ97によりカム部材99が回動することにより、インナーロック系の解錠操作と同様に、ノブレバー91およびロックプレート54が回動し、このロックプレート54に連動してリンク49がアンロック位置に回動する。
【0055】
そして、ロック状態で、非ユーザが不正にドア1を解錠するために、ドア1とドアガラスの隙間から棒状の道具を挿入してアウターロック系を解錠操作しようとしても、本実施形態のドアロック装置10は不正解錠できない。即ち、不正な道具を用いた場合、上下方向の操作は容易であるが、回転操作は極めて困難である。また、ドア1内において、不正な道具で操作可能に露出した部材はキーシリンダ3のパドル4だけである。そして、このパドル4は、回動させなければドアロック装置10を解錠できない。よって、アウターロック系の不正操作による解錠を防止できる。
【0056】
一方、キーシリンダ3のパドル4を横方向に延ばし、このパドル4をハウジング11のキーロータ83に直接連結した場合、側面衝突事故が発生すると、ドアパネルと一緒にキーシリンダ3が車内側に移動する。この際、本実施形態では、キーロータ83のパドル連結部86を軸方向に沿って貫通する孔により構成しているため、パドル4がキーロータ83を貫通する。しかも、本実施形態では、キーロータ83を配設する支持部22をハウジング11の外側に位置するように設けている。よって、キーロータ83は勿論、ハウジング11がパドル4に押圧されて一緒に移動することを防止できる。言い換えれば、衝突によるキーシリンダ3の移動量に対して、ドアロック装置10の移動量を抑制できる。また、ドアロック装置10への負荷を小さくすることができる。その結果、ドアロック装置10の破損を防止できる。また、ドアロック装置10の移動に伴い、ストライカ2とフォーク44との間に抵抗が生じてドア1を開放できなくなることを防止できる。そのため、衝突時の乗員の安全性の向上できる。
【0057】
さらに、キーロータ83のパドル連結部86の軸方向に沿って車内側に位置するように樹脂製の回動式レバー88を配設しているため、キーシリンダ3が車内側へ移動すると、パドル4の先端が回動式レバー88に衝突する。この際、回動式レバー88が緩衝材の役割をなすため、パドル4と一緒にドアロック装置10が移動することを更に確実に防止できる。なお、パドル4による回動式レバー88への衝撃が大きい場合には、その衝撃で回動式レバー88が破断することもある。その結果、パドル4は、ドアロック装置10を車内側へ押圧することなく、ドア1の内側パネルに当接するまで移動することができる。但し、回動式レバー88は、キーロータ83との連結位置を調整することにより、パドル4と干渉しないように構成してもよい。
【0058】
図9は第2実施形態のドアロック装置10を示す。この第2実施形態では、キーレバー78および中間伝達部材である回動式レバー88を無くし、キーロータ83でキースイッチレバー73を直接回動させるようにした点で、第1実施形態と相違している。
【0059】
具体的には、図9(A),(B)に示すように、ハウジング11には、第1ケース12に第1支持部105が設けられるとともに、第2ケース26に第2支持部111が設けられている。これら支持部105,111には、それぞれ装着孔106,112が設けられ、これらによりキーロータ83を回動可能に装着する1個のロータ装着部116を構成している。
【0060】
キーシリンダ3の側に位置する第1支持部105は、パドル4を挿入する挿入口107を有する第1装着孔106が設けられている。この第1装着孔106は、挿入口107の側から車内側へ向けて漸次縮径し、略中央に内径を最も小さくした第1係止段部108を備えている。この第1係止段部108の車内側には更に第2係止段部109が形成されている。そして、車内側に位置する端部には、キースイッチレバー73の取付軸部14の側に貫通部を有する第1係着段部110が設けられている。
【0061】
車内側に位置する第2支持部111は、車内側へ貫通する逃がし口113を有する第2装着孔112が設けられている。この第2装着孔112は、逃がし口113の側の内径が最も小さく、その車外側に第3係止段部114が形成されている。そして、車外側に位置する端部には、第1係着段部110と同様の第2係着段部115が設けられている。
【0062】
第1ケース12に第2ケース26を組み付けると、ハウジング11に1個の支持部が形成される。そして、第1装着孔106と第2装着孔112とが軸方向に連通し、キーシリンダ3の側に挿入口107を有するとともに車内側に逃がし口113を有し、キーシリンダ3のパドル4の軸方向に沿って貫通する1個のロータ装着部116が形成される。このロータ装着部116は、各ケース12,26の係止段部108,109,114および係着段部110,115により、キーロータ83を軸方向に移動不可能に装着し、軸心を中心としてキーロータ83を回動可能に装着する。
【0063】
第2実施形態のキーロータ83は、図9(C)に示すように、第1係止段部108内に位置する第1装着部117と、第2係止段部109内に位置する第2装着部118と、第3係止段部114内に位置する第3装着部119とを備えている。これら装着部117〜119は、それぞれ軸心が一致する断面円形状をなす。また、第2装着部118と第3装着部119との間には、係着段部110,115内に位置する第4装着部120が設けられている。この第4装着部120は、各装着部117〜119と軸心が一致する断面円形状をなし、その下部には、キースイッチレバー73の係着部75に噛み合って係着される被係着部82が扇形状をなすように突設されている。そして、キーロータ83には、第1装着部117から第3装着部119にかけて、回転軸に沿って略+形状に貫通する孔からなるパドル連結部86が設けられている。
【0064】
この第2実施形態のドアロック装置10は、キーロータ83がハウジング11内に収納された状態をなす。そして、このキーロータ83にキースイッチレバー73へ直接係着される被係着部82が形成されている。よって、キーシリンダ3に正規キーを差し込んで施解錠操作する際の操作性を向上できる。また、部品点数を削減できるため、コストダウンを図ることができる。しかも、ハウジング11の外部に露出する中間伝達部材が無いため、不正解錠を更に確実に防止できる。
【0065】
しかも、本実施形態では、パドル4を連結するキーロータ83をハウジング11内に収容する構成としているが、そのロータ装着部116は、車内側に逃がし口113を形成しているため、パドル4が車内側へ移動しても、パドル4が第2ケース26に干渉することはない。よって、衝突時のキーシリンダ3の移動量に対して、ドアロック装置10の移動量を小さくでき、ハウジング11の移動を防止できる。
【0066】
なお、本発明のドアロック装置10は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、ハウジング11にキーロータ83を回動可能に配設し、このキーロータ83に、パドル4を相対的に回転不可能に係合可能で、かつ、パドル4が軸方向に沿って貫通移動可能なパドル連結部86を設けた構成であればよい。
【符号の説明】
【0067】
1…ドア 2…ストライカ
3…キーシリンダ 4…パドル
5…ロータ連結部
10…ドアロック装置 11…ハウジング
22…支持部 23…装着孔
44…フォーク(ラッチ機構) 46…クロー(ラッチ機構)
49…リンク(ロック機構) 54…ロックプレート(ロック機構)
65…アウターレバー(ロック機構) 68…インナーレバー(ロック機構)
73…キースイッチレバー 78…キーレバー
82…被係着部 83…キーロータ
84…鍔部 85…係合腕部
86…パドル連結部 88…回動式レバー(中間伝達部材)
91…ノブレバー(ロック機構) 97…駆動モータ(ロック機構)
98…ウォーム(ロック機構) 99…カム部材(ロック機構)
107…挿入口 113…逃がし口
116…ロータ装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストライカを係脱可能なラッチ機構と、
前記ラッチ機構による前記ストライカの係止を解除可能なアンロック状態と、前記ストライカの係止を解除不可能なロック状態とに切換可能なロック機構と、
少なくとも前記ロック機構を収納するハウジングと、
前記ハウジングに配設され、ドアに配設したキーシリンダのパドルを直接連結し、このパドルの回転駆動力を伝達して前記ロック機構をアンロック状態およびロック状態に切り換えるキーロータと、
を備えたドアロック装置において、
前記キーロータは、前記パドルの先端部を相対的に回転不可能に係合可能で、かつ、前記パドルが軸方向に沿って貫通移動可能なパドル連結部を有することを特徴とするドアロック装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記キーロータを配設する支持部を備え、この支持部を、前記ハウジングの外側に位置するように突出して設けたことを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
【請求項3】
前記キーロータは、前記ハウジングの支持部に装着され、この支持部に回転可能かつ脱落不可能に係合する弾性変形可能な係合腕部を備えることを特徴とする請求項2に記載のドアロック装置。
【請求項4】
前記キーロータのパドル連結部の軸方向に沿って車内側に位置するように、このキーロータの回転駆動力を前記ロック機構へ伝達する樹脂製の中間伝達部材を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のドアロック装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記キーシリンダの側に挿入口を有するとともに、車内側に逃がし口を有し、前記キーシリンダのパドルの軸方向に沿って貫通するとともに前記キーロータを回動可能に装着するロータ装着部を備えることを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−87552(P2012−87552A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235785(P2010−235785)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000138462)株式会社ユーシン (241)
【Fターム(参考)】