説明

ドア及びそのドアが設けられている建物

【課題】建物内空間での騒音がドアの共振により増大されるといった不都合を抑制する。
【解決手段】仕切壁22に形成された出入口25にはドア26が設けられている。ドア26は開き戸となっており、ヒンジ42により枠体41に対して回動可能に軸支されている。ドア26にはラッチ45が設けられており、ラッチ45が枠体41に対して係合することによりドア26の開放が阻止される。ドア26には所定の重量を有する重り部材51が設けられており、重り部材51によりドア26の重量バランスがドア面方向において不均衡とされている。重り部材51はドア26の回動先端側であって上端付近に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア及びそのドアが設けられている建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物において、建物内にて発生した騒音を低減させる技術が提案されている。例えば特許文献1には、部屋の出入口に防音ドアが設けられており、防音ドアには共鳴吸音気口が組み込まれている構成が記載されている。この構成によれば、建物内において人が跳びはねることなどにより重量源床衝撃音が発生した場合に、その重量源床衝撃音のうち空気中を伝わる低周波数帯域の騒音が防音ドアにより低減される。したがって、例えば廊下において発生した低周波数帯域の騒音が防音ドアを通じて部屋に伝わることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−102936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成では、仕切壁から出入口のドアに騒音が伝わることが想定されていない。したがって、建物内空間で発生した騒音が間仕切壁に伝わった場合、騒音により出入口のドアが振動してその振動によって騒音が増大してしまうことが懸念される。
【0005】
本発明は、建物内空間での騒音がドアの共振により増大されるといった不都合を抑制することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明は、建物躯体側のドア支持体に支持されることにより建物に取り付けられているドアであって、前記ドア支持体により支持される被支持部から最も離れたドア端部付近に重り部材が設けられていることを特徴とする。
【0007】
建物では、建物内を人が移動したり掃除等の作業をしたりすると騒音が発生し、その騒音が仕切壁等を通じて他の部屋のドアに伝わる。この場合、騒音伝播先の部屋において、騒音によるドア振動の周波数とドア自身の固有振動数とが一致するとドアが共振し、騒音がよりうるさく感じられる。
【0008】
この点に着目し、第1の発明では、ドア支持体により支持される複数の被支持部から最も離れたドア端部付近に重り部材を設け、これにより、被支持部の付近では比較的軽く且つ重り部材の付近では比較的重くなるようにしてドアの重量がドア面方向(ドアの板面が延びる方向)において不均衡になるようにした。このように、ドアの重量をドア面方向において不均衡とすることにより、ドア自身の固有振動数を高周波数側又は低周波数側にシフトさせることができるため、他の部屋の騒音がドアの共振により増大されるといった不都合を抑制できる。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、前記ドア支持体に対して軸支手段により回動可能に支持されるドアであり、前記軸支手段が設けられたドア端部とは反対側の端部付近に前記重り部材が設けられている。
【0010】
ドアが開き戸として軸支手段により軸支されている構成において、建物躯体側からドアに騒音が伝わる場合、軸支手段が騒音の伝播路になる。このような開き戸において、被支持部から最も離れたドア端部付近に重り部材が設けられている構成とすることにより、他の部屋の騒音がドアの共振により増大されるといった不都合を抑制することができる。
【0011】
第3の発明では、第2の発明において、前記軸支手段が設けられたドア端部とは反対側の端部に、前記ドア支持体に係止されるラッチ手段が設けられており、該ラッチ手段の係止により開放が阻止されるドアであり、前記ラッチ手段が設けられたドア端部においてドア上端又は下端付近に前記重り部材が設けられている。
【0012】
ドアが開き戸として軸支手段により軸支され且つラッチ手段により開放が阻止される構成において、建物躯体側からドアに騒音が伝わる場合、軸支手段及びラッチ手段が騒音の伝播路になる。したがって、第3の発明のように、ラッチ手段が設けられているドアについて、重り部材の設置位置が軸支手段及びラッチ手段のいずれからも最も離れたドア端部付近とされることは、開き戸の共振を抑制する構成として好ましい。
【0013】
第4の発明では、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記重り部材は、前記被支持部に対して近づく又は離れる方向に位置変更可能である。
【0014】
重り部材によりドアの重量をドア面方向において不均衡にする構成において、ドアの固有振動数が高周波数側又は低周波数側にシフトする度合いは重り部材と被支持部との離間距離に依存している。この点、第4の発明によれば、重り部材を被支持部に対して近づけたり遠ざけたりすることができるため、騒音の振動数に応じてドアの固有振動数を適宜シフトさせることができる。つまり、ドアの共振を抑制できる騒音の振動数域を広げることができる。
【0015】
第5の発明では、第4の発明において、前記重り部材は、スライド移動することで位置変更可能であり、前記重り部材のスライド移動の方向を案内する案内部が設けられている。
【0016】
第5の発明によれば、単に重り部材をスライド移動させることによりドアの重量をドア面方向において不均衡にすることができる。この場合、ドアの固有振動数を適宜シフトさせる際に重り部材をドア本体から取り外す必要がないため、ドアの共振を抑制できる騒音の振動数域を広げることが容易となる。
【0017】
第6の発明では、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記重り部材は、前記ドア端部付近においてドア表面に設けられ、該ドア端部付近を保護する保護部材である。
【0018】
第6の発明によれば、保護部材によりドア端部付近の破損や変形などが抑制されている構成において、重り部材を保護部材とは別の部材として設ける必要がない。つまり、重り部材及び保護部材の機能をドアに対して容易に付与することができる。
【0019】
第7の発明は、複数階建ての建物であって、第1乃至6のいずれかの発明に記載のドアが下階部分の出入口に対して設けられていることを特徴とする。
【0020】
複数階建ての建物においては、上階部分から下階部分に騒音が伝わりやすい。この点、第7の発明によれば、上階部分にて発生した騒音が下階部分のドアの共振により増大されるといった不都合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態におけるドア周辺の正面図。
【図2】建物の概略断面を示す図。
【図3】ドアの振動周波数特定について説明するための図。
【図4】重り部材の設置位置を示す図。
【図5】ドアにおける各設置位置での振動周波数特性の計測結果を示す図。
【図6】ドアにおける各設置位置での振動周波数特性の計測結果を示す図。
【図7】別のドアの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1はドア26周辺の正面図、図2は建物10の概略断面を示す図である。
【0023】
図2に示すように、住宅等の建物10は一階部分11及び二階部分12を有している。下階部分としての一階部分11には建物内空間としての一階居室19が複数設けられており、それら一階居室19はリビングやダイニングなどとなっている。隣り合う一階居室19は建物躯体としての仕切壁22により仕切られている。仕切壁22には開口部としての出入口25が形成されており、出入口25には開閉可能な開き戸としてのドア26が設けられている。二階部分12には建物内空間としての二階居室31と二階廊下32とが設けられており、二階居室31は寝室などとなっている。この場合、一階部分11の出入口25(ドア26)は二階部分12の二階廊下32の下方に存在している。
【0024】
図1に示すように、ドア26は開閉体としてのドア本体35を有しており、ドア本体35は矩形板状に形成されている。ドア本体35にはガラス板36が設けられており、ガラス板36の板面はドア本体35の板面と平行に延びている。ガラス板36は縦長形状となっており、横並びに複数配置されている。なお、ガラス板36は、ドア本体35に形成された貫通孔に対して嵌め込まれた状態でドア本体35に対して固定されている。
【0025】
出入口25にはドア26を支持するための枠体41が設けられており、ドア本体35は軸支手段としてのヒンジ42を介して枠体41に取り付けられている。ヒンジ42はドア本体35を回動可能に軸支する蝶番となっており、ドア本体35の回動軸は鉛直方向に延びている。ヒンジ42は複数個所においてドア本体35を軸支しており、ドア本体35の回動基端側の端部において上下に並べて配置されている。ここでは、ドア本体35の上部、中部及び下部のそれぞれに配置されている。この場合、ドア本体35の外周面と枠体41の内周面との間には隙間が形成されており、ドア本体35の開閉に伴ってドア本体35が枠体41と接触しないようになっている。なお、前記隙間を埋めるゴムなどの隙間埋め材がドア本体35や枠体41に取り付けられていてもよい。
【0026】
ちなみに、枠体41及びヒンジ42がドア支持体に相当するとともに、ドア26においてヒンジ42により支持されている部分が被支持部に相当する。
【0027】
ドア本体35には、ドア本体35を閉鎖状態で保持するラッチ手段としてのラッチ45が設けられている。ラッチ45は、枠体41に対して係止される係止部となっており、枠体41と当接することでドア本体35が閉鎖状態から開放されることを規制する。具体的には、ラッチ45はドア本体35の側面から出没可能となっており、枠体41の内周面には、突出状態にあるラッチ45の係止が可能な被係止部が形成されている。ラッチ45は通常は突出状態にあり、被係止部と当接することでドア本体35の開放を規制している。また、ドア本体35には回動可能なドアノブ46が設けられており、ラッチ45はドアノブ46の回動に伴って出没する。
【0028】
ラッチ45は、ドア本体35の回動先端側(ヒンジ42とは反対側の側端)において中央の下寄りに設けられている。この場合、ラッチ45とドア本体35の上端との離間距離は下端との離間距離より大きくなっている。
【0029】
ここで、二階部分12において人が二階廊下32を歩行したり二階居室31の掃除等の作業をしたりするなどして音(衝撃音など)が発生した場合、その音が二階部分12の床や一階部分11の天井、仕切壁22などを通じてドア26に伝わり、ドア26にて音の大きさが増幅されるおそれがある。これは、音などの振動がドア26に加えられた場合、ドア26が振動し、その振動数とドア26の固有振動数との差異が小さいと共振が生じるためである。つまり、ドア26に伝わった音にドア26が共振すると音の大きさが増幅されるためである。
【0030】
そこで、本実施形態では、ドア26のヒンジ42及びラッチ45のいずれからも最も離間した部分付近に重りを取り付けてドア面方向(ドア本体35の板面が延びている方向)に重量不均衡を付与することにより、ドア26の固有振動数を高周波数側又は低周波数側にシフトさせて、ドア26での振動の増幅を抑制している。これにより、ドア26にて増幅された振動や音により一階居室19の住人等に対して不快感を与えないようにしている。
【0031】
ドア26において、ドア本体35には重りとしての重り部材51が設けられている。重り部材51はドア本体35において回動先端側の上部においてドア本体35に内蔵されている。この場合、ドア本体35においてヒンジ42やラッチ45付近は比較的軽く、回動先端側の上端付近は比較的重くなっており、それにより、ドア本体35の重量バランスはドア面方向において不均衡となっている。具体的には、ドア本体35において回動先端側の上部には中空部分52が設けられており、重り部材51は中空部分52に配置されている。中空部分52は、ドア本体35の板面に沿って延びており、水平方向及び鉛直方向の寸法は重り部材51の水平方向及び鉛直方向の寸法よりも大きくなっている。
【0032】
重り部材51の重量は例えば2.4kg程度となっており、ドア本体35の重量が10kg程度であればドア本体35の重量に対する重り部材51の重量の比は0.24程度となっている。
【0033】
重り部材51は中空部分52をドア本体35の板面に沿って水平方向及び鉛直方向に移動することが可能となっている。ドア本体35の板面には中空部分52に水平方向及び鉛直方向に延びる溝部58が形成されており、その溝部58は中空部分52をドア本体35の表側に開放している。重り部材51には溝部58を通じてドア本体35の表側に突出しているつまみ部59が設けられており、つまみ部59は溝部58に沿って鉛直方向及び水平方向に移動可能となっている。この場合、重り部材51はつまみ部59とともに溝部58に沿って鉛直方向及び水平方向に移動することになる。ここで、溝部58は重り部材51の移動方向を案内する案内部に相当する。
【0034】
なお、重り部材51には、ドア本体35の表側に露出したストッパ(図示略)が設けられており、ストッパを固定状態にすることにより中空部分52において重り部材51が位置保持される。
【0035】
ここで、重り部材51の有無の違いによるドア26の振動周波数特性の差について図3を用いて説明する。図3において(a)はドア単体の振動周波数特性を示し、(b)は上記のごとくドア上部に重り部材51を設けた場合の振動周波数特性を示している。なお、図3(b)は、ドア26の上端隅角部に2.4kgの重り部材51を設けた場合の計測結果を示している。
【0036】
図3(a)では、約63Hz付近の周波数域で振動ピークが現れ、この周波数(63Hz)がドア単体の固有振動数となっている。これは、ドア単体の場合には約63Hz付近でドアの共振現象が生じやすいことを示している。これに対し、図3(b)では、63Hz付近(ドア単体の固有振動数)での振動レベルが減少し、振動波形が全体として低周波数側に移行したものとなっている。これにより、ドアの共振現象を抑制できるものとなっている。
【0037】
また、重り部材51の重量や設置位置(取り付け位置)に応じてドア本体35の振動周波数特性の変化に差が生じる。ここでは、重り部材51の重量や設置位置の設定について、図4〜図6を参照しつつ説明する。図4は重り部材51の設置位置を示す図、図5及び図6は、図4における各設置位置での振動周波数特性の計測結果を示す図である。
【0038】
図4では、重り部材51の設置位置として、ドア本体35においてA〜Dの位置を想定している。設置位置Aはドア本体35の回動先端側における上端付近、設置位置Bはドア本体35の回動先端側における中央付近、設置位置Cはドア本体35における回動先端側と回動基端側との間の上端付近、設置位置Dはドア本体35における回動先端側と回動基端側との間の中央付近となっている。なお、設置位置B,Dはラッチ45よりも上方位置となっている。
【0039】
図5(a),(b)及び図6(a),(b)は、それぞれ重り設置位置をA〜Dとした場合においてそれぞれ数種類の重り重量にて振動周波数特性を計測した結果を示している。例えば、設置位置Aでは重り重量を0kg(ドア単体)、0.8kg、1.6kg、2.4kgとし、設置位置Bでは0kg、0.8kg、1.6kg、4.0kgとし、設置位置Cでは0kg、0.8kg、1.6kg、2.4kgとし、設置位置Dでは0kg、0.8kg、2.4kg、4.8kgとしている。
【0040】
図5(a)では、重り重量を0.8kg、1.6kg、2.4kgとした場合のいずれにおいても、振動周波数特性が、63Hz付近(ドア単体の固有振動数)での振動レベルが減少し、かつ、振動波形が全体として低周波数側に移行するものとなっている。また、各重り重量での振動周波数特性を比較すると、重り重量を大きくするほど、63Hz付近での振動レベルの減少度合いが大きくなっている。
【0041】
これに対し、図4(b)及び図5(a),(b)では、いずれもドア単体の振動周波数特性と比較して、63Hz付近での振動レベルの減少や、振動波形の低周波数側への移行が生じていない。これは、重り重量を変更しても、振動波形が変わりないことを示している。
【0042】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0043】
ドア26において、ヒンジ42及びラッチ45のいずれからも最も離間した位置に重り部材51が設けられているため、ヒンジ42及びラッチ45の付近では比較的重く且つ重り部材51の付近では比較的重くなるようにドア26の重量がドア面方向において不均衡となっている。このように、ドア26の重量をドア面方向において不均衡とすることにより、ドア26の固有振動数を高周波数側又は低周波数側にシフトさせることができるため、二階部分12の二階廊下32や二階居室31において発生した騒音が一階部分11のドア26に伝わったとしても、その騒音がドア26の共振により増大されるといった不都合を抑制できる。
【0044】
開き戸としてのドア26においては、仕切壁22からドア26に騒音が伝わる場合、ヒンジ42及びラッチ45が騒音の伝播路になりやすい。したがって、ヒンジ42及びラッチ45が設けられている開き戸としてのドア26に対して重り部材51が設けられていることは、ドア26の共振による騒音の増大を抑制する構成として好ましい。
【0045】
ドア26において、重り部材51がヒンジ42及びラッチ45に近づく又は離れる方向に位置変更可能であるため、ドア面方向の重量バランスを変化させることができる。したがって、ドア26に伝わる騒音に合わせて、ドア26の固有振動数を高周波数側又は低周波数側に適宜シフトさせることができる。つまり、ドア26の共振を抑制できる騒音の振動数域を広げることができる。
【0046】
また、重り部材51がドア面方向に沿ってスライド移動可能となっているため、ドア26の重量バランスを容易に変更させることができる。つまり、ドア26の固有振動数を騒音の振動数に一致しないように又は近似値とならないように容易にシフトさせることができる。
【0047】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0048】
(1)スライド移動可能な引き戸としてのドアに重り部材51が設けられていてもよい。例えば、出入口25に対して取り付けられたレール部により引き戸の上端及び下端が支持されており、引き戸において上端及び下端から最も離間した側端部に重り部材51が設けられている構成とする。この構成においては、レール部がドア支持体に相当し、引き戸の上端及び下端が被支持部に相当する。この構成でも、建物内空間の騒音が引き戸の共振により増大されるといった不都合を抑制できる。
【0049】
また、ラッチ45が設けられている引き戸については、重り部材51が引き戸の上端、下端及びラッチ45から最も離間した側端部に設けられていることが好ましい。
【0050】
(2)重り部材は、ドア26の表面に対して取り付けられていてもよい。例えば、図7に示すように、重り部材61がドア26の回動先端側(ヒンジ42とは反対側)における上端及び下端にそれぞれ設けられている構成とする。この構成において、重り部材61は鋼材により板状に形成されており、ドア26の回動先端側における上端及び下端を保護する保護部材(プロテクタカバー)となっている。この場合、ドア26において重り部材61が取り付けられている部分は、破損や変形などが生じにくくなっている。なお、ドア26においてドア本体35はガラス板により形成されており、隅角部が重り部材61により保護されることはドア26の安全性を高める上で好ましい。
【0051】
また、重り部材61はドア26の上端及び下端のいずれか一方の付近に設けられていてもよい。さらに、図7のようにドア26にラッチ45が設けられていない構成においては、重り部材61はドア26の回動先端側における中央付近に設けられていてもよい。
【0052】
(3)重り部材51はドア本体35に対して着脱可能に取り付けられていてもよい。例えば、ドア本体35に対して複数の重り部材51が取り付け可能となっており、取り付ける重り部材51の重さを変えることによりドア本体35の重量バランスを変化させることができる構成とする。
【0053】
(4)開き戸としてのドア26は、上下に延びる回動軸がドア本体35の上方及び下方にて軸支される構成であってもよい。この場合、回動軸を軸支する部材が軸支手段に相当する。
【0054】
(5)開き戸としてのドア26には施錠装置が設けられていてもよい。この場合、施錠装置は枠体41に対して引っ掛かることでドア26を施錠する引っ掛け部を有しており、その引っ掛け部がラッチ手段に相当する。
【0055】
(6)重り部材51は、複数階建ての建物において上階部分のドアを対象として設けられていてもよい。
【0056】
(7)複数の建物ユニットが組み合わされることで構築され、一部の柱を設けないことで複数の建物ユニットにより連続した空間が形成されているユニット式建物において、その連続した空間に対して設けられたドアに重り部材51が設けられていてもよい。この構成によれば、前記連続した空間を形成する壁体が、柱を有する壁体に比べて振動しやすいとしてもドアの共振による騒音の増大を抑制することができる。
【符号の説明】
【0057】
10…建物、11…下階部分としての一階部分、22…建物躯体としての仕切壁、25…出入口、26…ドア、41…ドア支持体としての枠体、42…ドア支持体及び軸支手段としてのヒンジ、45…ドア支持体及びラッチ手段としてのラッチ、51…重り部材、58…案内部としての溝部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体側のドア支持体に支持されることにより建物に取り付けられているドアであって、
前記ドア支持体により支持される被支持部から最も離れたドア端部付近に重り部材が設けられていることを特徴とするドア。
【請求項2】
前記ドア支持体に対して軸支手段により回動可能に支持されるドアであり、前記軸支手段が設けられたドア端部とは反対側の端部付近に前記重り部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のドア。
【請求項3】
前記軸支手段が設けられたドア端部とは反対側の端部に、前記ドア支持体に係止されるラッチ手段が設けられており、該ラッチ手段の係止により開放が阻止されるドアであり、
前記ラッチ手段が設けられたドア端部においてドア上端又は下端付近に前記重り部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のドア。
【請求項4】
前記重り部材は、前記被支持部に対して近づく又は離れる方向に位置変更可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のドア。
【請求項5】
前記重り部材は、スライド移動することで位置変更可能であり、
前記重り部材のスライド移動の方向を案内する案内部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のドア。
【請求項6】
前記重り部材は、前記ドア端部付近においてドア表面に設けられ、該ドア端部付近を保護する保護部材であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のドア。
【請求項7】
複数階建ての建物であって、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のドアが下階部分の出入口に対して設けられていることを特徴とする建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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