説明

ドップラー補償受信器

受信器が、A/Dサンプリング入力信号を受信して、復調前に、入力信号のドップラー効果を補償するように、サンプリング・デジタル信号をシフトさせる制御装置を含む。制御装置は、nサンプルごとに1サンプル期間を省くようにサンプリング・デジタル信号をシフトさせることによって、ドップラー増大周波数を補償する。これは、nサンプルごとに1サンプル期間だけ、mサンプルの周期を減少させることによって達成されることが可能である。制御装置は、nサンプルごとに1サンプル期間を追加するようにサンプリング・デジタル信号をシフトさせることによって、ドップラー減少周波数を補償する。これは、サンプリング・デジタル信号をシフトさせるために、nサンプルごとに1サンプルを繰り返すことによって達成されることが可能である。補償は、マルチスレッド・プロセッサのソフトウエアにおいて実施される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、受信器に関し、より具体的には、受信信号のドップラー効果を補償する受信器に関する。
【背景技術】
【0002】
計算の複雑さのために、全地球測位衛星(GPS)受信器は、複数の並行チャネルを使用して、ハードウエアにより実施されている。通常、各チャネルは、1つの衛星を追跡して復調する役割を担う。いくつかの精巧な設計では、経済的な理由で、2つ以上の衛星によって1つのチャネルを時間共有することができる。マルチプロトコル通信システムの場合、ハードウエアによる実施は、余分なチップ・コストおよびPCボード領域が消費されるので、魅力的ではない。
【0003】
本受信器は、GPS受信器との関連で記述されるが、原理は、送信器および受信器の相対移動から生じる、受信信号におけるドップラー効果を有するあらゆる受信器に適用可能である。
【0004】
受信されたGPS信号は、N個の可視衛星から来るN個のDS−CDEMA信号の重ね合わせとして見ることができる。各衛星は、同じ搬送波周波数fにおいて送信する場合でも、固有の署名(signature)、およびドップラー効果のためにわずかに異なる搬送波周波数を有する。複合GPSコード信号は、以下のようにモデリングすることができる(エリオット D.カプラン、Understanding GPS Principles and Applications、Artech House Inc.(1996年)を参照されたい。)。
【数1】

上式で、Aは衛星iの振幅、d[k]はk番目のミリ秒におけるデータ、f=1/Tはi番目の衛星の搬送波周波数、g(t−mT)=σ(t−mT)σ[(m+1)T−t]はウィンドウ関数、
【数2】

は単位ステップ関数、P[n]は、衛星iのC/Aコードのk番目のミリ秒におけるn番目のチップ、%はモジュラス演算(modulus operation)を意味し、Nは可視衛星の数、φは位相シフトである。式(1)において、雑音項は、便宜上意図的に無視されている。
【0005】
複合信号s(t)に搬送波周波数f=1/Tのウィンドウ関数を乗算して合計した後、式(1)は、以下のようになる。
【数3】

全時間軸にわたるχ(t)の積分は、cos(2πft+φ)に定数をかけたもののフーリエ変換を表す。
【数4】

【0006】
ドップラー・シフトならびに位相シフトから生じる特定の衛星iについての検出エラーを最小限に抑えるために、以下f−f=0およびφ=0が各衛星について真でなければならない。フーリエ変換のシフト特性に従うと、条件f−f=0は、周波数領域のシフトまたは時間領域のシフトにより達成することができる。
【0007】
ハードウエアによる実施において、搬送波は、位相ロック・ループ(PLL)回路の出力に従って局所発振器LOの周波数および位相(周波数領域シフト)を進行させる、または遅延させることによって追跡される。式(3)の積分は、並行して実施され、それぞれ、図1に示される別々のチャネルによる。RF前端部からの信号は、デジタル化され、復調されて、衛星署名(PN番号)に対して相関され、結果は、さらに処理するために、デジタル信号プロセッサDSPに転送される。各チャネルに関連付けられたPLLブロックおよび局所発振器LOも存在する。コスト/性能に応じて、GPS受信器は4〜12のチャネルを組み込むことができる。
【非特許文献1】エリオットD.カプラン、Understanding GPS Principles and Applications、Artech House Inc.(1996年)
【非特許文献2】エリオットD.カプラン、Understanding GPS applications and principles、Artech House Inc.(1996年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本受信器のハードウエア・アーキテクチャは、より少ないハードウエア構成要素を使用し、効率的なソフトウエア実施を可能にする。これは、適合性および低電力消費の両方を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
受信器は、受信器に対して相対的に移動している送信器から信号を受信するアンテナを含む。アンテナに接続されたA/D変換器が、入力信号からサンプリングされたデジタル信号を提供する。制御装置が、A/D変換器からサンプリングされたデジタル信号を受信して復調する。制御装置は、復調の前に入力信号のドップラー効果を補償するために、サンプリングされたデジタル信号をシフトさせる。制御装置は、nサンプルごとに1サンプル期間を省くようにサンプリングされたデジタル信号をシフトさせることによって、ドップラー増大周波数を補償する。これは、nサンプルごとに1サンプル期間だけmサンプルの周期を減少させることによって達成されることが可能である。制御装置は、nサンプルごとに1サンプル期間を追加するようにサンプリングされたデジタル信号をシフトさせることによって、ドップラー減少周波数を補償する。これは、サンプリングされたデジタル信号をシフトさせるために、各nサンプル後に1サンプルを繰り返すことによって達成されることが可能である。
【0010】
サンプリングされたデジタル信号は、送信器の既知の送信周波数が、入力信号の周波数に整合するように修正されるまで、シフトされる。制御装置は、たとえば位相ロック・ループを使用して、サンプリングされたデジタル信号の位相を入力信号の位相に整合させる。制御装置は、サンプリングされたデジタル信号をシフトさせ、復調するソフトウエア、ならびに位相ロック・ループを含む。制御装置は、並行して、どれだけの数の送信器の送信が入力信号に含まれるかを識別し、各識別された送信器についてサンプリングされたデータを復調してシフトさせる。
【0011】
本発明のこれらおよび他の態様は、添付の図面と共に考慮されるとき、本発明の以下の詳細な記述から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ドップラー補償受信器のソフトウエア実装のために設計された受信器のハードウエア構成要素が、図2に示されている。アンテナ10において受信された信号は、GPS RF前端部チップ12に接続される。GPSチップ12の出力は、復調器14に提供される。復調器14の出力は、低域通過フィルタ16を経てアナログ・デジタル(A/D)変換器18に提供される。次いで、デジタル信号は、デジタル信号プロセッサ(DSP)として示される制御装置20に提供される。受信信号は、制御装置20によってドップラーおよび位相補正されて、復調される。制御装置20は、また、自動利得制御AGCをGPSチップ12に提供する。GPSチップ12および復調器14の基準周波数、ならびにA/D変換器18のサンプリングレートは、水晶発振器24によって駆動される位相ロック・ループPLL22からのクロック信号によって設定される。水晶発振器24は、高精度の低ドリフト発振器であり、制御装置20のクロックとして使用されることも可能である。
【0013】
受信信号は、受信器の観点では1つまたは複数の送信器から送信される複合信号である。送信器のそれぞれが同じ搬送波周波数において送信している場合でも、ドップラー効果のために、送信器は、一般には共通搬送波周波数より高く、またはより低くシフトされている異なる受信周波数を有する。ドップラー効果に対応するために、制御装置20は、いくつかのサンプルだけデータを前後にシフトさせる。シフトされるサンプルの数は、既知のまたは想定されるドップラー周波数またはドップラー効果に基づいて計算される。これは、衛星ごとに実施される。議論されるように、本制御装置20では、これらは、マルチスレッド・デジタル信号プロセッサにおいて並行して実施される。これをソフトウエアにおいて実施することができる1つのそのようなプロセッサは、サンドブリッジ・テクノロジーズ・マルチスレッド(Sandbridge Technologies Multi−Threaded)SB9600プロセッサである。他のプロセッサが使用されることが可能である。
【0014】
受信信号の周波数が、ドップラー効果のために増大されている場合、データは、各nサンプルについて1サンプル期間、前方にシフトされる。これは、nサンプルごとに1周期期間を省くことによって達成されることが可能である。これは、実際には、nサンプルごとに1サンプルだけ、mサンプルの周期を減少させる。これは、受信ドップラー増大周波数に整合するように、受信データの周波数を増大させる。図3は、この現象を表す1対の曲線を示す。上の正弦波は、シフトなし搬送波を示す。単一周期あたり16のデータ・ビットが存在する。下の正弦波において示されるように、16番目のサンプル期間は省かれ、16番目のデータ・ビットは、次の周期の第1データ・ビットとなる。図3の例では、これは、各周期に1回生じる。これは、15サンプルごとに16サンプルの周期を15サンプルに減少させる効果を有する。
【0015】
ドップラー効果は、ドップラー減少周波数(Doppler decreased frequency)である可能性がある。減少周波数に必要なシフト・データは、nサンプルごとに1サンプル期間を追加することによって実施される。これは、シフトを生成するために、nサンプルごとに1サンプルを繰り返すことによって達成されることが可能である。これは、1周期についてサンプル数を増大させ、それにより周波数を減少させる効果を有する。これは、図4に示されている。上の正弦波では、周期あたり8つのサンプルが存在する。下のシフト正弦波では、周期あたり9つのサンプルが存在する。たとえば、余分な挿入されたサンプル期間は、8番目のサンプルを繰り返すことによって生成される。周期あたりのこの8番目のサンプルは、周期ごとに繰り返される。
【0016】
周波数を増減させるシフトは、周期あたり2回以上行われることが可能であり、または、1周期より大きい期間において行われることが可能であることに留意すべきである。
【0017】
図1のハードウエア実施では、周波数の差をゼロに低減することは、局所発振器(LO)の代わりに使用される連続可変電圧制御発振器(VCO)によって容易に達成することができる。しかし、この周波数条件は、有限サンプリングレートのために、ソフトウエアにおいて達成することはできない。時間領域におけるシフトは、検出エラーを増大させるスプリアス周波数を導入する。検出エラーを低く維持するために、サンプリングレートは、高いことが必要である。このエラー研究において、スプリアス周波数の全エネルギーは、nを周期あたりのオーバーサンプル数として、1/nでゼロに収束することが決定されている。(周期あたりkサンプルでチップあたりn周期である場合、サンプル/チップの総数はn*kである。)サンプルの総数は、導入エラーを最小限に抑えるために、入力信号の周期あたり少なくとも8であることが好ましい。
【0018】
シフト復調相関および位相調節のソフトウエア実施のフロー・チャートが、図5および6において示される。A/D変換器18からサンプリングされたデジタル信号は、たとえば、バッファ30において記憶される。たとえば、数ミリ秒の長さのサンプリング・データが記憶される、またはバッファリングされる。次いで、この情報は、スレッド・プロセスによって別々に処理される。スレッド・プロセスは、識別された送信器のそれぞれについて、処理要件が1スレッドの能力を超える場合、2つ以上のスレッドを含む。各スレッドは、ドップラー効果を考慮に入れて受信信号の周波数と整合するように周波数を増減させるために、データを前後にシフトさせる時間シフト計算装置32を含む。次いで、結果は、34において復調されて、積分される。これは、正弦および余弦表によって乗算することによって生成される。結果は、36において特定の送信器のPNシーケンスと相関される。この情報は、入力を時間シフト計算装置32に提供することによってゼロ位相を達成するように、位相ロック・ループ38によって使用される。次いで各スレッドの情報は、42の他の処理に提供される。図2に示されるように、水晶発振器24は、バッファ30の情報をデータ・ストリングと精密に時間調整させるために、バッファ30と組み合わせて使用される。
【0019】
時間シフト計算装置32は、バッファ30に記憶されているサンプリング・データにポインタをシフトさせることによって達成されることが可能である。したがって、サンプルを繰り返して、それにより周波数を減少させるために、ポインタは、次のサンプル期間は移動しない。周波数を増大させるために、ポインタは、1つのデータ点について情報を提供せず、実際、データ・サンプルを省いて次の周期を開始する。
【0020】
以下は、受信データの連続性を維持するためのドップラー周波数補正および復調器セットアップのアルゴリズムの例である。
【0021】
定義:
Nは、時間間隔tにおいてデータ・バッファにおいて獲得された全サンプル数である。
spcは、周期あたりのサンプル数である。
は、ドップラー周波数である。
nは、1サンプルの繰返しまたは省略あたりの周期数である。
【数5】

N=1309440、チップあたり2周期においてデータの80ミリ秒あたりのサンプル数、および周期あたり8つのサンプル(1023チップ×8×2×80);Nspc=8;f=50Hz;およびt=0.08秒の例として、1サンプルの繰返しまたは省略あたりの周期数は、n=5115周期である。
【0022】
固定長データ・バッファにおいて複数搬送波について復調するとき、同期の損失を回避するために、データの連続性を維持することが重要である。たとえば、1つのサンプルがデータの各バッファにおいて失われる場合、チップあたり16のサンプルにおいて16のバッファの後、受信データは、1チップ失われている。周期あたり1サンプル・シフトに対応する正のドップラー周波数を想定する。データ・バッファは40サンプル長であり、周期あたりのサンプル数は8であると想定する。以下は、線より上がデータ・バッファのサンプル数、および線より下が正のドップラー周波数についてシフトした後のサンプル数を示す。
【数6】

【0023】
復調器は、ドップラー・シフトなしの周期あたり8サンプルにおいて、最初の8つのサンプルと8つの正弦余弦サンプル値との間の内積を実施し、これにサンプル番号8で開始される次の8つのサンプルの内積が続き、次いで番号16で開始される次の8つのサンプルが続く、等である。周期あたり1サンプルに対応するドップラー・シフトが存在する場合、第1内積はサンプル0から7、第2は8から14、等である。
【0024】
各内積のサンプル数は、7で増大し、これは、比7および第1項7を有する算術級数を示唆する。
【0025】
小さい周波数差において複数搬送波について復調するとき、データ・バッファの固定長に関する復調長の計算は、以下の通りである。
【0026】
定義:
rは、算術級数比である。
Nは、固定長間隔におけるサンプル数である。
は、級数の第1項である。
は、nをNより小さいまたはNに等しいとして、級数の最終項である。
nは、復調間隔数である。
xは、1サンプル・シフトあたりの周期数である。
10は、残されているサンプル数である。
正のドップラーについてr=Nspcχ−1。
負のドップラーについてr=Nspcχ+1。
【0027】
復調は、データ・バッファの最終サンプル位置において終了せず、いくつかのサンプルが残されている可能性が最も高い。サンプルの総数が8になるように、残りのサンプルに次のデータ・バッファからいくつかのサンプルを加えると、次の時間間隔における第1内積が構築される。
【0028】
復調長は、以下のように計算される。正のドップラーについて
【数7】

および、
【数8】

上式で、フロア演算は、フロアリング(flooring)を取り、%はモジュラス演算である。
【0029】
スレッド・プロセスのより具体的な例が、図6に示されている。再び、入力情報は、バッファ30において提供され、個々のシフタ32に供給される。次いで、シフト・データは、50の余弦表および52の正弦表の値によって乗算される。次いで、結果は、54および56においてそれぞれ積分される。情報は、乗算器62および64においてPN表60の値を積分結果に乗算することによって、PNシーケンスと相関される。結果は、66および68において加算され、QデータおよびIデータの出力をそれぞれ提供する。次いで、結果は、70および72において2乗され、74において加算されて、探索および追跡ステップ76に提供される。探索および追跡方法は、エリオットD.カプランの「Understanding GPS applications and principles」、アーテック・ハウス・インク(Artech House Inc.)1996年に記載されている。70および72からの個々のブランチの出力も、それぞれ加算および減算されて、位相ロック・ループ38に提供される。
【0030】
制御装置20は、受信信号にある送信器の数を決定する。これは、「スカイ・サーチ(sky search)」として知られ、従来の技術において周知である。受信信号の送信器の数および特有のPNシーケンスが識別された後、並行スレッドの数が設定される。次いで、個々のスレッドは、その送信器を追跡して、送信器が受信器に対して移動する際に受信周波数を調節する。
【0031】
本発明は、詳細に記述され、示されたが、これは、単に例示によって実施され、限定として取られるべきではないことを明確に理解されたい。本発明の範囲は、添付の請求項の用語によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ハードウエアにおいて実施される従来の技術の受信器のブロック図である。
【図2】本発明の原理による受信器のブロック図である。
【図3】本発明の原理による、ドップラー増大周波数について、シフトなし正弦波とシフト正弦波とを比較する1対のグラフである。
【図4】本発明の原理による、ドップラー減少周波数について、シフトなし正弦波とシフト正弦波とを比較する1対のグラフである。
【図5】本発明の原理を組み込んでいる図2の制御部分のソフトウエア実施のブロック図である。
【図6】本発明の原理を組み込んでいる図3の制御部分のソフトウエア実施の詳細なブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信器に対して移動している送信器から入力信号を受信するアンテナと、
前記アンテナに接続され、前記入力信号からサンプリングされたデジタル信号を提供するA/D変換器と、
前記A/D変換器から前記サンプリングされたデジタル信号を受信して復調する制御装置であって、復調前に、nサンプルごとに1サンプル期間だけmサンプルの周期を減少させることによって、ドップラー増大周波数を補償し、nサンプルごとに1サンプル期間だけmサンプルの周期を増加させることによって、ドップラー減少周波数を補償する制御装置とを備える、通信受信器。
【請求項2】
前記制御装置が、nサンプルごとに1サンプル期間を省くことによって、ドップラー増大周波数を補償する、請求項1に記載の受信器。
【請求項3】
前記入力信号が、mサンプルの周期を有し、nがm以上である、請求項1に記載の受信器。
【請求項4】
前記制御装置が、nサンプルごとに1サンプル期間、前記サンプリングされたデジタル信号を前方にシフトさせることによって、ドップラー増大周波数を補償する、請求項1に記載の受信器。
【請求項5】
前記制御装置が、nサンプルごとに1サンプル期間を追加することによって、ドップラー減少周波数を補償する、請求項1に記載の受信器。
【請求項6】
前記制御装置が、nサンプルごとに1サンプルを繰り返すことによって、ドップラー減少周波数を補償する、請求項1に記載の受信器。
【請求項7】
前記制御装置が、前記送信器の既知の周波数を前記入力信号の周波数に対して相関させ追跡させる、請求項1に記載の受信器。
【請求項8】
前記制御装置が、前記サンプリングされたデジタル信号の位相を前記送信器の前記既知の送信周波数に整合させる、請求項7に記載の受信器。
【請求項9】
前記制御装置が、位相を整合させるための位相ロック・ループを含む、請求項8に記載の受信器。
【請求項10】
前記制御装置が、前記サンプリングされたデジタル信号をシフトおよび復調させるソフトウエア、及び前記位相ロック・ループを含む、請求項9に記載の受信器。
【請求項11】
前記制御装置が、前記サンプリングされたデジタル信号をシフトさせ、復調するソフトウエアを含む、請求項1に記載の受信器。
【請求項12】
前記制御装置が、正弦余弦表を使用して、前記復調されたサンプリングされたデジタル信号を積分する、請求項1に記載の受信器。
【請求項13】
前記制御装置が、前記積分されたデジタル信号を記憶されているPNシーケンスに相関させる、請求項12に記載の受信器。
【請求項14】
前記制御装置が、並行して、どれだけの数の送信器の送信が前記入力信号に含まれるかを識別し、各識別された送信器について前記サンプリングされたデータをシフトおよび復調させる、請求項1に記載の受信器。
【請求項15】
前記制御装置が、マルチスレッド・プロセッサである、請求項14に記載の受信器。
【請求項16】
前記入力信号が、前記入力信号の周期あたり、少なくとも8回サンプリングされる、請求項1に記載の受信器。
【請求項17】
通信受信器において周波数のドップラー変化を補償する方法であって、
受信信号をサンプリングされたデジタル信号に変換するステップと、
既知の送信周波数から周波数の前記ドップラー変化を決定するステップと、
ドップラー増大周波数について、nサンプルごとに1サンプル期間だけ、mサンプルの周期を減少させ、ドップラー減少周波数について、nサンプルごとに1サンプル期間だけ、mサンプルの周期を増加させるステップと、
前記補償された、サンプリングされたデジタル信号を復調するステップとを備える方法。
【請求項18】
ドップラー増大周波数について、nサンプルごとに1サンプル期間を省く、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記入力信号が、mサンプルの周期を有し、nがm以上である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ドップラー増大周波数について、nサンプルごとに1サンプル期間、前記サンプリングされたデジタル信号を前方にシフトさせる、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
ドップラー減少周波数について、nサンプルごとに1サンプル期間を追加する、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
ドップラー増大周波数について、前記サンプリングされたデジタル信号をシフトさせるために、nサンプルごとに1サンプルを繰り返す、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
並行して、どれだけの数の送信器の送信が前記入力信号に含まれるかを識別するステップと、各識別された送信器について、前記サンプリングされたデータをシフトさせ、復調するステップとを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
マルチスレッド・プロセッサ上において実施される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記入力信号が、前記入力信号の周期あたり、少なくとも8回サンプリングされる、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−527655(P2007−527655A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518849(P2006−518849)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/021656
【国際公開番号】WO2005/008274
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(502380671)サンドブリッジ テクノロジーズ インコーポレーテッド (25)
【Fターム(参考)】