説明

ドデカンチオールの混合物とその製造方法および使用

【課題】硫化水素とn−ブテンのトリマーとの触媒反応で得られるドデカンチオール異性体の混合物と、この混合物の製造方法と、この混合物のラジカル(共)重合反応における連鎖移動剤としてのその使用と、塩基性触媒の存在下でのこの混合物と硫黄との反応によるジ(tert-ドデシル)ポリスルフィドの合成。
【解決手段】19ミリバールでの蒸留温度ダイヤグラムのポイント50が123℃±1℃で、ポイント20とポイント80との温度差が4℃以下である混合物(蒸留温度ダイヤグラムのポイント(point)20、50、80は20、50、80重量%の混合物が蒸気相に移行する温度に対応)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドデカンチオールの混合物と、その製造方法と、その使用、特にラジカル重合反応における連鎖移動剤としての使用とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記文献にはオレフィンに硫化水素を作用させてtert-アルキルメルカプタン、特にtert-ドデシルメルカプタンを製造する方法が開示されている。
【特許文献1】フランス国特許第2,531,426号公報
【0003】
より正確には、この特許文献には出発材料としてテトラプロピレンを使用する工業規模で用いられるtert-ドデシルメルカプタン(以下、TDM 4P)の合成方法が記載されている。この特許文献にはさらに、トリイソブチレンを出発材料として使用してドデセンの2つの異性体の混合物すなわち4,4−ジメチル−2−ネオ−ペンチル−1−ペンテンと2,2,4,6,6−ペンタメチル−3−ヘプテンを作り、tert-ドデシルメルカプタンの2つの対応する異性体の混合物(以下、TDM 3B)を作る方法が記載されている。
アルキルメルカプタン、特にtert-アルキルメルカプタンは工業的な重合反応で広く用いられている。その理由はポリマー鎖の長さを短くして分子量を減らすことができ、得られたポリマーの粘性を低くできるためである。粘性を低くすることは例えば射出成形のような標準的技術でプラスチックを簡単に成形する等の用途で必要になることが多い。
【0004】
テトラプロピレンは市販されており、無機酸、例えばH3PO4およびH2SO4のような酸触媒またはアルキルアルミニウムまたはアルカリ金属のような有機金属触媒の存在下で制御された温度および圧力条件下にプロペンをオリゴマー化して得られる。
【0005】
テトラプロピレンは10〜14個の炭素原子(C10〜C14のモノオレフィン)を有するアルケン混合物に対応し、12個の炭素原子を含むアルケン(ドデンまたはC12オレフィンともよばれる)の含有率は55〜85重量%、特に60〜80重量%である。これらのアルケンはそれぞれ二重結合の位置異性体および幾何異性体の形で上記混合物中に存在している。ドデセンはプロペンのテトラマーに対応し、(C12を作るプロペンのオリゴマー化反応で得られる生成物中に)C10、C11、C13、C14オレフィンが存在するのは副反応による。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
驚くべきことに、本発明者は本発明方法を用いることよって特許文献1(フランス国特許第2,531,426号公報)に記載の生成物とは異なる生成物が得られるということを見出した。
目標とする用途に応じて技術面および経済面の両方で市場の要求により良く答えるためには広範囲のTDMを利用可能にしておくことが常に望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の対象は、19ミリバールでの蒸留温度ダイヤグラム(diagramme de temperatures de distillation)のポイント50(point 50)が123℃±1℃で、ポイント20(point 20)とポイント80(point 80)との温度差が4℃以下である、硫化水素とn−ブテンのトリマーとの触媒反応で得られるドデカンチオール異性体の混合物にある。
蒸留温度ダイヤグラムのポイント(point)20、50、80とはそれぞれ20、50、80重量%の混合物が蒸気相に移行する温度を意味する。
【0008】
本発明の別の対象は、触媒の存在下で硫化水素とトリ(n−ブテン)とを反応させることを特徴とするドデカンチオールの異性体混合物の製造方法にある。
「トリ(n−ブテン)」という用語は触媒系(大抵の場合、上記触媒と同じもの)の存在下でn−ブテンをオリゴマー化して得られるモノオレフィンの混合物を意味する。この混合物中に存在するアルケンは一般に11〜13個の炭素原子を有し、ドデセンの重量含有率は90重量%以上、好ましくは95重量%以上である。
トリ(n−ブテン)は市場で入手できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
驚くべきことに、本発明者は本発明方法を用いることよって特許文献1(フランス国特許第2,531,426号公報)に記載の生成物とは異なる生成物が得られるということを見出した。すなわち、本発明方法で得られる異性体混合物はテトラプロピレンまたはトリイソブテンから得られるTDM混合物とは実質的に異なる蒸留温度ダイヤグラムを有している。
【0010】
この差は用いるトリ(n−ブテン)反応物の種類で説明できる。すなわち、本発明混合物の各異性体の挙動の均質性はTDM 4Pよりもはるかに高い。TDM 3Bとの比較から、本発明混合物のポイント50は実質的に純粋物質となるTDMの沸点よりはるかに高い。この差に加えて、本発明混合物の合成ではTDM 4Pを用いて行う類似プロセスでTDM 3Bの合成で生じる中間体の熱的安定性の問題が避けられるということも重要である。
【0011】
蒸留は、カディオ(Cadiot)の「回転バンド、bande tournante」蒸留塔で、還流なしに、19ミリバール(mbar)の圧力で実施する。
[表1]はTDM 4Pと本発明混合物で行った測定結果を示す。
【0012】
【表1】

【0013】
本発明混合物は炭素原子数が11〜13のチオールからなる工業的な複合混合物であるが、炭素原子数が12のドデカンチオールの含有率は90重量%以上、好ましくは95重量%以上である。
例として、テトラプロピレンから得られる混合物は本発明とは実質的に異なる蒸留温度ダイヤグラムを示し、ポイント50のレベルが10℃低く、ポイント20とポイント50との差は、本発明混合物では3℃か4℃であるのに比べて、TDM 4Pでは15℃である。
【0014】
本発明方法で使用可能な触媒は酸の化合物、金属酸化物またはこれらの2つの組合せ物の中から選択できる。酸の化合物の例としては反応媒体に混和または非混和な固体または液体のルイス(Lewis)酸および/またはブロンステッド(Bronsted)酸、例えば有機または無機の酸、アルミナ、クレー、シリカまたはシリカ−アルミナ、ゼオライト、ヘテロポリ酸または弱酸性または強酸性のカチオン交換樹脂の中から選択できる。触媒として使用可能な金属酸化物の中ではクロム、コバルト、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、ニオブまたはニッケルの酸化物を挙げることができる。
【0015】
触媒としてはカチオン交換樹脂を用いるのが好ましく、カチオン交換樹脂としては当業者に周知な酸官能基を含む各種ポリマーおよびコポリマーが適している。特にスルホン化ポリスチレンをベースにした樹脂、特に遊離カルボキシ基を含むジビニルベンゼンで架橋された樹脂、アクリル樹脂またはフェニルアクリル樹脂、フェノールスルホン酸から誘導されるフェノールホルムアルデヒド型樹脂またはリグノスルホン交換樹脂を用いることができる。これらの樹脂は種々の商品名で市販されている。商品名アンバーリスト(Amberlyst、登録商標)15で市販のスルホン化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー樹脂を用いるのが特に好ましい。
【0016】
オレフィンに対する硫化水素のモル比は少なくとも1(化学量論に対応)、一般には1〜100、好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜5である。
【0017】
本発明方法を実施する温度は用いる触媒に依存するが、一般には10〜250℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは70〜120℃である。圧力は周囲圧力か、それ以上にすることができる。この圧力は一般に5〜80bar、好ましくは10〜50bar、さらに好ましくは10〜20barである。
本発明方法は連続またはバッチで行うことができるが、連続で実施するのが好ましい。
【0018】
単位時間当たりの空間速度(触媒容積に対するオレフィンの時間当たりの体積流量の比で定義される)は用いる触媒の活性に大きく依存する。単位時間当たりの空間速度は一般に0.01〜100h-1、好ましくは0.1〜10h-1、さらに好ましくは0.2〜2h-1である。
生成したメルカプタンと未反応の硫化水素と未転換のオレフィンとを含む反応生成物は当業者に周知の任意の方法を用いて分離される。生成したメルカプタンから未転換のオレフィンを分離するためには一般に減圧蒸留が用いられる。
【0019】
本発明の別の対象は、上記混合物のラジカル(共)重合反応における連鎖移動剤としての使用またはポリスルフィドの合成における出発材料としての使用にある。
【0020】
本発明混合物をラジカル重合反応での連鎖移動剤として用いることによって粘性が大幅に低下したポリマー(またはプラスチック)を得ることができる。本発明混合物をポリスルフィドの製造で用いると完成品の粘性レベルが実質的に違ってくる。この特性は特に実用で有利である。例えば、標準的な射出成形技術でプラスチックをより高速で成形でき、従って、成形品の生産ラインの生産高を上げることができる。さらに、この特性によって例えばスチレン/ブタジエンコポリマーの場合、所望の流動学的特性(例えば、紙の被覆用結合剤の用途での特性)を有するコポリマーを製造するのに必要な移動剤の量を減らすことができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0021】
実施例1
トリ(n−ブテン)からの混合物の調製
トリ(n−ブテン)として、11〜13個の炭素原子を有する市販のアルケン混合物(ドデセン含有率は98重量%)を用いる。この混合物の組成はアンモニア陽性化学イオン化検出法を備えた質量分析機に接続したガスクロマトグラフィで求めた。
200mlの乾燥したスルホン化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー樹脂(アンバーリスト、Amberlyst、登録商標)15)を管状反応器(長さ680mm、内径27mm)に入れる。この反応器に液体のトリ(n−ブテン)を、15barの圧力で79ml/時(すなわち、60.8g/時または363mmol/時)の流量で連続的に導入する。同時に26標準リットル/時(すなわち、36.9g/時または1083mmol/時)の気体のH2Sを注入する。H2S/オレフィンモル比は3である。
反応媒体を90℃±2℃の温度に維持する。反応物を均質に混合した後に反応器に移す。反応器から連続的に流出する液体を回収し、残りの硫化水素を脱気する。上記液体を質量分析に接続されたクロマトグラフィで分析する。クロマトグラフは水素炎イオン化検出器と極性蒸留塔とを備えている。2つのピークすなわち2.7〜4.2分の滞留時間と4.3〜9.6分の滞留時間とに対応する質量(マス)のクロマトグラムが観察される。これらの質量はそれぞれトリ(n−ブテン)と混合物とに対応するものと同定される。これらの2つの質量に対応する面積を測定し、較正後に未転換のトリ(n−ブテン)の重量パーセント(28重量%)と転換度(68重量%)とを求めた。他の化合物が存在しないことはこの混合物の選択度が100%であることから示される。
【0022】
実施例2
スチレンとブタジエンとのラジカル共重合における連鎖移動剤としての実施例1で調製した混合物の使用
450gの水を含む1リットル反応器に下記を導入する:
(1)開始系の3成分の中の2つに対応する0.072gのFeSO4および0.19gのヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩(式:HO−CH2−SO2Na)、
(2)0.08gのEDTA(エチレンジアミンテトラアセテート)、
(3)0.5gの燐酸ナトリウム、
(4)43.3gの25重量%ロジン酸カリウム水性混合物(乳化剤)、
(5)76.94gのスチレン、
(6)163.59gのブタジエン、
(7)0.43gの実施例1で調製した連鎖移動剤。
【0023】
上記成分を攪拌下に周囲温度で上記の水に添加してエマルションを得る。このエマルションを9.5℃に冷却し、開始系の第3成分に対応する0.35gのパラ−メンタンヒドロペルオキシド(水中に55重量%の比率で混和)を添加する。
パラ−メンタンヒドロペルオキシドの導入で重合が開始する。150回転/分での反応媒体の攪拌を5時間続ける。
0.077gの水酸化カリウム、0.072gのジチオカルバミン酸ナトリウムおよび0.085gのジエチルヒドロキシルアミンを水と合わせて15gにした混合物を反応媒体に添加して重合を停止する。
得られたラテックスは固体含有率が約19重量%である。
残留モノマーを除去した後にラテックスを乾燥させると厚さが約1mmのスチレン/ブタジエンコポリマーのフィルムが得られる。
フィルムの溶融粘度を制御された応力レオメーターを用いて100℃、1Hzの周波数で測定した。得られた粘度値は1.1×105Pa・sである。
【0024】
実施例3(比較例)
テトラプロピレンからのTDM 4Pの調製
テトラプロピレンとして市販のアルケンの混合物(、炭素原子数が10〜14、ドデセン含有率が60%)を用いる。この混合物の組成はアンモニア陽性化学イオン化検出法を備えた質量分析に接続したガスクロマトグラフィで求めた。
トリ(n−ブテン)の代わりにテトラプロピレンを用いて実施例1の操作を繰り返す。
得られたと測定結果は未転換のテトラプロピレンの重量パーセント(25重量%)および転換度(71重量%)であった。他の化合物が存在しないことはTDMの選択度が100%であることから示される。
【0025】
実施例4(比較例)
スチレンとブタジエンとのラジカル共重合における連鎖移動剤としての実施例3で調製したTDM 4Pの使用
実施例1で調製したtert-ドデシルメルカプタンの代わりに実施例3で得られた生成物を用いて実施例2の操作を繰り返した。
得られた粘度値は1.4×105Pa・sであった。
【0026】
実施例5
塩基性触媒存在下でのTDM 4Pと硫黄との反応によるジ(tert-ドデシル)トリスルフィドの製造
TDM 4Pと硫黄との反応によるジ(tert-ドデシル)トリスルフィドの合成をTPS触媒(2.5%の水酸化ナトリウムを含むポリエトキシ化tert-ドデシルメルカプタン)の存在下で行う。
反応装置は250mlのジャケット付きガラス反応器で、吐出弁の前に位置するガラス瀘過器と、窒素流がボール流量計で制御されるガラススパージャーで終る封管を介した窒素の入口と、含油計泡器を介してフードの吸気に連結された水冷還流凝縮器と、ジャケット内の油の循環を可能にするサーモスタット制御浴と、PTFEアンカーで終る回転計数器を有する攪拌モータを備えたガラス攪拌器と、ガラス管内の温度計とを設けた。
【0027】
運転条件は下記の通り:
反応器を予め窒素雰囲気下に置き、2gのTPS触媒(触媒/RSH=1%)を202gのTDM 4P(1mol)と一緒に導入する。次に、反応器を120℃に加熱し、32gの硫黄(1mol)を少しずつ導入する。攪拌は500回転/分で維持する。硫黄の完全溶解が約45分で起こる。反応中、窒素のバブリング(流量=34 l/時)を行う。
銀滴定による残留メルカプタン含有率(重量%)の測定と、HPLCによる遊離硫黄含有率の測定とを行うためにサンプルを定期的に採取する(硫黄導入時t=0)。残留メルカプタンの重量パーセントによってメルカプタンの転換率が得られる。TDM 4Pの転換率は2.5時間反応した後で92%である。
次に、反応混合物を60℃に冷却し、この温度で300mmolの酸化エチレン(13.2g)を導入し、残留TDMと3時間反応させる。反応媒体を窒素下でストリップする。残留メルカプタン含有率は反応後で150ppm以下である。
反応終了後に、反応器のガラス濾過器で高温(40℃)条件下にポリスルフィドを濾過する。
得られた生成物のサンプルをTDM 4P S3とよぶ。
【0028】
実施例6
TPS触媒(2.5%の水酸化ナトリウムを含むポリエトキシ化tert-ドデシルメルカプタン)の存在下での実施例1で得られた混合物(以下、TERDAN)と硫黄との反応よによるジ(tert-ドデシル)トリスルフィドの合成
実施例5と同じ手順を用いる。得られたTERDANの転換率は実施例5でTDM 4Pで得られた転換率(92%)に等しい。
酸化エチレンで処理し、濾過してサンプルを単離する。このサンプルをTERDAN S3とよぶ。
【0029】
実施例7
塩基性TPS触媒存在下でのTDM 4Pと硫黄との反応によるジ(tert-ドデシル)ペンタスルフィドの製造
実施例5と同じ装置を用い、反応を下記のように行う。反応器を予め窒素雰囲気下に置き、1gのTPS触媒(触媒/RSH=0.5%)の存在下に202gのTDM 4P(1mol)を導入する。次に、反応器を90℃に加熱し、64gの硫黄(2mol)をすこしづつ導入する。攪拌は500回転/分で維持する。硫黄の完全溶解が約60分後に起る。反応中、窒素のバブリング(流量=6 l/時)を行う。
実施例5と同じようにサンプルを抜き出す。TDM 4Pの転換率は4時間後で99.5%以上である。
次に反応混合物を60℃に冷却し、この温度で10mmolの酸化エチレン(0.44g)を導入し、残留TDMと1時間反応させる。反応媒体を窒素下でストリップする。残留メルカプタン含有率は反応後で150ppm以下である。
反応終了後に、反応器のガラス濾過器で高温(40℃)条件下にポリスルフィドを濾過する。生成物のサンプルを抜き出し、TDM 4P S5とよぶ。
【0030】
実施例8
TPS触媒存在下でのTERDANと硫黄との反応によるジ(tert-ドデシル)ペンタスルフィドの合成
TDM 4Pの代わりにTERDANを用いて、実施例7の操作を繰り返した。TERDANの転換率に関して同等の結果を得た(4時間後に>99.5%)。
サンプルを抜き出し、TERDAN S5とよぶ。
[表2]はポリスルフィドの動粘度をASTM規格 D445に従って測定したものである。
【0031】
【表2】

【0032】
これらの粘度から、TDM 4Pの代わりにTERDANを用いたときにより流動性の高いポリスルフィドが得られるということがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
19ミリバールでの蒸留温度ダイヤグラムのポイント50が123℃±1℃で、ポイント20とポイント80との温度差が4℃以下である、硫化水素とn−ブテンのトリマーとの触媒反応で得られるドデカンチオール異性体の混合物。
【請求項2】
触媒が酸化合物、金属酸化物またはこれらの2つの組合せ中から選択される請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
触媒がカチオン交換樹脂である請求項1または2に記載の混合物。
【請求項4】
触媒がスルホン化スチレンとジビニルベンゼンとのコポリマーである請求項1〜3のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項5】
上記オレフィンに対する硫化水素のモル比が1〜100、好ましくは1〜20である請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項6】
上記オレフィンに対する硫化水素のモル比が1〜5である請求項5に記載の混合物。
【請求項7】
上記触媒方法を10〜250℃の温度、5〜80barの圧力で行う請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項8】
上記触媒方法を50〜150℃の温度、10〜50barの圧力で行う請求項7に記載の混合物。
【請求項9】
上記触媒方法を70〜120℃の温度、10〜20barの圧力で行う請求項8に記載の混合物。
【請求項10】
硫化水素とトリ(n−ブテン)とを酸触媒の存在下で反応させる請求項1〜9のいずれか一項に記載の混合物の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の混合物を連鎖移動剤として用いるラジカル(共)重合方法。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の混合物と硫黄を塩基性触媒の存在下で反応させるジ(tert-ドデシル)ポリスルフィドの合成方法。

【公表番号】特表2007−520535(P2007−520535A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551886(P2006−551886)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000260
【国際公開番号】WO2005/082846
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(591004685)アルケマ フランス (112)
【Fターム(参考)】