説明

ドラッグアンドドロップ処理を支援するプログラムを記録した記録媒体

【課題】 ドラッグアンドドロップ処理の際に、ドロップ処理可能な領域および機能拡張キーによる拡張操作を操作者に知らせる。
【解決手段】 メールプログラムの表示領域42に表示されたメール41のドラッグが開始されると、CPUは、表示領域42に機能ヘルプメッセージ43を、他の表示領域44には機能ヘルプメッセージ45を表示する。また、CPU23は、デスクトップ(表示領域56)を管理するプログラムについても同様なメッセージを送って、機能ヘルプメッセージ57を表示させる。これにより、操作者はあるオブジェクトのドラッグ処理を開始するだけで、ドロップ処理可能な表示ドロップ処理可能な領域および機能拡張キーによる拡張操作を知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドラッグアンドドロップ処理支援装置に関し、特にドロップ処理を行うことのできる領域の報知に関する。
【0002】
【従来技術およびその課題】WINDOWS98(商標)上で動作するアプリケーションプログラムでは、ドラッグアンドドロップ処理が可能である。かかるドラッグアンドドロップ処理においては、機能拡張キーであるコントロールキーまたはシフトキーを押しながらドロップすると、オブジェクトのコピーや移動を選択することができる。
【0003】例えば、図1に示すメールソフト「shuriken」(商標)では、メール100を別のフォルダ110に移動させる場合、メール100をドラッグしてフォルダ110にドロップ処理をすればよい。また、メール100を別のフォルダ110にコピーさせる場合、メール100をドラッグしてキーボードのコントロールキー(図示せず)を押しながら、フォルダ110にドロップ処理をすればよい。画面上にはかかる切替が操作者にわかるように、コピーの場合には、図2に示すように機能表示マーク130が表示される。
【0004】しかし、上記アプリケーションプログラムについては、以下のような問題があった。図2に示す機能表示マークの意味が初心者にはわかりにくいので、自分がやろうしている動作が理解しずらい。また、そのようなドラッグアンドドロップ処理ができる領域にカーソルを移動させて初めて、前記機能表示マークが表示されるために、この領域にドラッグアンドドロップ処理ができることを把握しているユーザしか、かかる機能を利用することができない。
【0005】この発明は上記問題を解決し、画面上に表示されているオブジェクトのドラッグアンドドロップ処理先の候補領域およびその場合に処理可能な機能を操作者に報知することができるドラッグアンドドロップ処理支援装置またはその方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】1)本発明にかかるプログラムを記録した記録媒体においては、複数の表示領域間にてオブジェクトをドラッグアンドドロップする処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、前記オブジェクトのドラッグ処理が開始されると、前記複数の表示領域のうち、ドロップ処理が可能な表示領域を判断して、ドロップ処理不可能な表示領域と区別して表示させる。したがって、あるオブジェクトがドラッグ開始されれば、ドロップ処理可能な表示領域を操作者に報知することができる。これにより、操作者がドロップ処理できることを知らなかった表示領域についても、これを知らせることができる。
【0007】2)本発明にかかるプログラムを記録した記録媒体においては、前記プログラムは、前記ドロップ処理が可能な表示領域毎に、キーを操作しながらドロップ処理がなされた場合の各動作を表示させることにより、ドロップ処理が可能な表示領域とドロップ処理が不可能な表示領域を区別して表示する。したがって、前記各動作の表示を、ドロップ処理可能な表示領域を示す表示と併用できる。
【0008】3)本発明にかかるプログラムを記録した記録媒体においては、前記プログラムは、ドロップ表示領域と機能ヘルプメッセージとの対応テーブルをあらかじめ記憶しており、前記複数の表示領域を管理するプログラムに対して、ドラッグ開始メッセージを送信し、ドロップ許可メッセージが返答された表示領域に対して、前記オブジェクトをドロップ可能か否か判断し、ドロップ可能である場合には、前記対応テーブルに基づいて、当該表示領域に送信された機能ヘルプメッセージを表示させる。したがって、前記対応テーブルに記憶された表示領域については、前記複数の表示領域を管理するプログラムに機能ヘルプメッセージを表示させることができる。
【0009】4)本発明にかかるプログラムを記録した記録媒体においては、複数の表示領域間にてオブジェクトをドラッグアンドドロップする際に機能ヘルプメッセージを表示する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、ドラッグ開始メッセージを受け取ると、自己が管理している表示領域を含むドロップ許可メッセージを返答し、表示領域および表示内容を含む機能ヘルプメッセージが与えられると、この機能ヘルプメッセージで指定された表示領域に当該表示内容を機能ヘルプメッセージとして表示する。
【0010】したがって、あるオブジェクトがドラッグ開始されれば、ドロップ処理可能な表示領域およびドロップ処理した際の動作を操作者に報知することができる。
【0011】5)本発明にかかるプログラムを記録した記録媒体においては、前記プログラムは、前記機能ヘルプメッセージで指定された表示領域全体に半透明のレイヤを重ね表示する。したがって、操作者はドロップ処理できる領域を範囲を明瞭に把握することができる。
【0012】6)本発明にかかるプログラムを記録した記録媒体においては、前記プログラムは、前記機能ヘルプメッセージが表示された表示領域内にカーソルが位置しない時と位置する時とで、表示形式を変更する。これより、操作者はドロップ処理による動作を理解しやすくなる。
【0013】7)本発明にかかるプログラムを記録した記録媒体においては、前記プログラムは、前記機能ヘルプメッセージを表示する表示領域の上に別の表示領域が重ねられている場合には、前記重なった表示領域外に前記機能ヘルプメッセージを表示する。これにより、表示領域が一部重なっている場合でも、確実に前記機能ヘルプメッセージを操作者に報知することができる。
【0014】8)本発明にかかるドラッグアンドドロップ処理装置においては、1)操作者の操作に基づいて、第1の表示領域から第2の表示領域にオブジェクトをドラッグアンドドロップするドラッグアンドドロップ処理手段、2)前記ドラッグ先の表示領域でドロップされた場合に操作されていたキー操作に基づいて、当該ドロップされたオブジェクトについて所定のデータ処理を行うデータ処理手段、3)前記ドラッグが開始されると、画面上に表示されている全表示領域に対して、ドロップ処理可能か否か判断し、ドロップ可能な表示領域については、各表示領域にてドロップする際にキー操作を変更することにより処理されるデータ処理を示すヘルプメッセージを表示するヘルプメッセージ表示手段を備えている。このように、前記ヘルプメッセージ表示手段は、前記ドラッグが開始されると、画面上に表示されている全表示領域に対して、ドロップ処理可能か否か判断し、ドロップ可能な表示領域については、各表示領域にてドロップする際にキー操作を変更することにより処理されるデータ処理を示すヘルプメッセージを前記表示手段に表示させる。したがって、あるオブジェクトがドラッグ開始されれば、ドロップ処理可能な表示領域を操作者に報知することができる。これにより、操作者がドロップ処理できることを知らなかった表示領域についても、これを知らせることができる。また、前記各動作を操作者に報知することができる。
【0015】9)本発明にかかるドラッグアンドドロップ処理装置においては、操作者の操作に基づいて、コンピュータの画面上にて、ドラッグ元の表示領域からドロップ先の表示領域にオブジェクトをドラッグアンドドロップされると、前記ドラッグ先の表示領域でドロップされた場合に操作されていたキー操作に基づいて、当該ドロップされたオブジェクトについて所定のデータ処理を行うドラッグアンドドロップ方法であって、前記ドラッグが開始されると、画面上に表示されている表示領域に対して、ドロップ処理可能か否か判断し、ドロップ可能な表示領域については、ドロップする際にキー操作を変更することにより処理されるデータ処理を示すヘルプメッセージを表示する。したがって、あるオブジェクトがドラッグ開始されれば、ドロップ処理可能な表示領域を操作者に報知することができる。これにより、操作者がドロップ処理できることを知らなかった表示領域についても、これを知らせることができる。また、前記各動作を操作者に報知することができる。
【0016】なお、「オブジェクト」とは、ドラッグアンドドロップ処理可能対象をすべて含み、ファイル、フォルダはもちろん、ファイルの一部の文字列等も含む。
【0017】また、「ドラッグアンドドロップ処理手段」とは、実施形態では、オペレーティングシステムプログラムに含まれているドラッグアンドドロップ処理プログラムによるCPUの処理に該当する。「データ処理手段」は、ドロップ処理がなされた後、ファイルコピーやファイル移動等のCPUの処理に該当する。また、「ヘルプメッセージ表示手段」とは、図9,図10に示すプログラムに基づいてCPUが行う処理に該当する。
【0018】
【発明の実施の形態】1.機能ブロック図の説明本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図3に示すドラッグアンドドロップ処理装置1は、ドラッグアンドドロップ処理手段3、データ処理手段5、ヘルプメッセージ表示手段7を備えている。
【0019】ドラッグアンドドロップ処理手段3は、操作者の操作に基づいて、表示手段9に表示された第1の表示領域から第2の表示領域にオブジェクトをドラッグ元の表示領域からドロップ先の表示領域にドラッグアンドドロップ処理する。データ処理手段5は、前記ドラッグ先の表示領域でドロップされた場合に操作されていたキー操作に基づいて、当該ドロップされたオブジェクトについて所定のデータ処理を行う。ヘルプメッセージ表示手段7は、前記ドラッグが開始されると、画面上に表示されている全表示領域に対して、ドロップ処理可能か否か判断し、ドロップ可能な表示領域については、各表示領域にてドロップする際にキー操作を変更することにより処理されるデータ処理を示すヘルプメッセージを表示する。
【0020】このように、ドラッグが開始されると、画面上に表示されている全表示領域に対して、ドロップ処理可能か否か判断し、ドロップ可能な表示領域については、各表示領域にてドロップする際にキー操作を変更することにより処理されるデータ処理を示すヘルプメッセージを表示することにより、ドロップ可能な表示領域およびそこでのデータ処理を操作者に報知することができる。
【0021】2.ハードウェア構成図3に示すドラッグアンドドロップ処理装置1のハードウェア構成について図4を用いて説明する。図4は、ドラッグアンドドロップ処理装置1をCPUを用いて実現したハードウェア構成の一例である。
【0022】ドラッグアンドドロップ処理装置1は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、CRT30、CDD(CDROMドライブ)25、キーボード28、マウス31およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶されたプログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
【0023】これらのプログラムは、CDD25を介して、プログラムが記憶されたCDROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、CDROM以外に、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムを実体的に一体化したコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
【0024】本実施形態においては、プログラムをCDROMからハードディスク26にインストールさせることにより、CDROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、CDROMに記憶させたプログラムをCDD25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままのインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0025】ハードディスク26には、オペレーティングシステム(OS)プログラム記憶部26o、メールプログラム記憶部26m、データベースプログラム記憶部26d、およびスケジュール管理プログラム記憶部26sを有する。本実施形態においては、オペレーティングシステム(OS)プログラムとしてマイクロソフト社のWINDOWS98(商標)を、メールプログラムとして、(株)ジャストシステムのshuriken(商標)を、データベースプログラムとしては、(株)ジャストシステムの五郎(商標)を、スケジュール管理プログラムとして、(株)ジャストシステムのsasuke(商標)を用いた。
【0026】なお、各プログラム実行時におけるドラッグアンドドロップ処理は、オペレーティングシステムプログラムに含まれているドラッグアンドドロップ処理プログラム(図示せず)を呼び出すことにより実行される。
【0027】3.フローチャートつぎに、ハードディスク26に記憶された各アプリケーションプログラムにおけるドラッグアンドドロップ処理の際のヘルプメッセージ表示の具体例についてまず説明する。
【0028】図6に示すような表示領域42に表示されたメール41にマウスカーソル51を位置させて、ドラッグ処理を開始すると、図7に示すように、現在マウスカーソル51の存在する表示領域42には、機能ヘルプメッセージ43が実線にて表示され、他の表示領域44には、機能ヘルプメッセージ45が破線にて表示される。この状態で、メール41をドラッグして表示領域44のフォルダ47上にマウスカーソル51を移動させると、表示領域42の機能ヘルプメッセージ43は破線にて表示され、表示領域44には、機能ヘルプメッセージ45が実線にて表示される。
【0029】このように、あるオブジェクトのドラッグ処理が開始されると、ドロップ処理可能な表示領域が判断されて、各表示領域にてドロップ処理した場合の機能データ処理内容を示す機能ヘルプメッセージが表示される。また、現在カーソルが存在する表示領域の機能ヘルプメッセージは実線で表示される。
【0030】以下に、前記機能ヘルプメッセージの表示処理について、図9、図10を用いて説明する。この例では、メールプログラム記憶部26mに記憶されたメールプログラムだけが、図9に示すドラッグ開始プログラムおよび図10に示すドロップヘルプ表示プログラムを有しており、ドラッグ開始プログラムおよびドロップヘルプ表示プログラムの双方が起動しているものとして説明する。
【0031】CPU23は、図9に示すドラッグ開始プログラムに基づいて、ドラッグ処理が開始されるか否か判断しており(図9ステップS1)、ドラッグ処理が開始されると、ドラッグ開始メッセージを送信する(ステップS3)。CPU23は、現在起動中の各プログラムに基づいて、かかるドラッグ開始メッセージに対して、返答可能である場合には、所定の返答メッセージを送信する。現在、起動しているプログラムは、オペレーティングシステムプログラム、メールプログラム、データベースプログラムおよびスケジュール管理プログラムであり、図10に示すドロップヘルプ表示プログラムを有しているのは、メールプログラムだけである。CPU23は、図10に示すドロップヘルプ表示プログラムに基づいて、ドラッグ開始メッセージを受け取ったか否か判断しており(図10ステップS21)、かかるドラッグ開始メッセージを受け取ると、ドロップ許可メッセージを送信する(ステップS25)。ドロップ許可メッセージには、このメールプログラムが制御(管理)している表示領域名が含まれる。図6に示す場合であれば、表示領域42は表示領域名「シュリケンメールリスト」、表示領域44は、表示領域名「シュリケンメールフォルダ」が送信される。
【0032】一方、CPU23は、他のプログラム(オペレーティングシステムプログラム、データベースプログラムおよびスケジュール管理プログラム)に基づいた処理を実行してしているが、これらのプログラムは、図1010に示すドロップヘルプ表示プログラムを有していないので、前記ドラッグ開始メッセージを受け取っても、かかるメッセージに対応できない。したがって結果的にドラッグ開始メッセージは無視される。
【0033】CPU23は、図9に示すドラッグ開始プログラムに基づき、ドロップ許可メッセージを受け取ったか否か判断しており(図9ステップS5)、ドロップ許可メッセージを受け取ると、ドロップ許可メッセージで指定された領域にドロップ可能か否か判断する(ステップS7)。かかる判断は、図5に示す参照テーブルに基づいて実行される。参照テーブルにはドロップ場所毎に、機能拡張キーの操作に対応する動作が記憶されている。例えば、指定領域「シュリケンメールフォルダ」で、コントロールキーを押しながらドロップすると、動作「コピー」が実行されることがわかる。CPU23は、ドロップ許可メッセージで指定された領域がこの参照テーブル中の指定領域に存在する場合には、ドロップ可能であると判断し、存在しない場合にはドロップ不可と判断する。
【0034】CPU23は、ドロップ可能であると判断した場合には、図9のドラッグ開始プログラムに基づいて、各指定領域毎に、機能拡張キーの操作及び動作を送信する(ステップS9)。例えば、図6に示す状態であれば、表示領域42については、表示領域名「シュリケンメールリスト」であるので、図5に示すシュリケンメールリストにおける機能拡張キーの操作および対応する動作の表示データが送信される。また、表示領域44については、表示領域名「シュリケンメールフォルダ」であるので、図5に示すシュリケンメールフォルダにおける機能拡張キーの操作および対応する動作の表示データが送信される。
【0035】一方、CPU23は、ステップS7にて、ドロップ不可と判断した場合には、当該表示領域に、ドロップ不可である旨のドロップ操作情報を送信する(ステップS13)。
【0036】CPU23は、図10に示すドロップヘルプ表示プログラムに基づいて、ステップS25にてドロップ許可メッセージを送信した後は、ドロップ不可またはドロップ時の操作ヘルプ表示データが与えられる否か判断している(図10ステップS27,ステップS29)。ドロップ不可が与えられると、CPU23は、ドロップヘルプ表示プログラムの処理を終了する。
【0037】一方、CPU23は、ステップS29にてドロップ時の操作ヘルプ表示データが与えられると、かかる表示データに基づいて、機能ヘルプメッセージを生成して、各表示領域の空きスペースに生成した機能ヘルプメッセージを表示する。これにより、図7に示すように表示領域42には、機能ヘルプメッセージ43が表示され、表示領域44には、機能ヘルプメッセージ45が表示される。
【0038】なお、機能ヘルプメッセージは、返送されたドロップ許可メッセージに含まれるドロップ時の動作説明に基づいて、自分自身の表示領域(ウインドウ)全体に半透明のレイヤーを生成して、重ねて表示するようにすればよい。これにより、操作者に機能ヘルプメッセージによって報知された操作が実行されるドロップ可能領域を明確に知らせることができる。
【0039】なお、カーソルの位置に応じて実線表示または破線表示の切り替えは、図11に示す表示切替プログラムに基づいて処理される。簡単に説明すると、CPU23はカーソルの位置データを取得する(ステップS41)。取得したカーソル位置が機能ヘルプメッセージを表示している表示エリア内か否か判断する(ステップS43)。取得したカーソル位置が機能ヘルプメッセージを表示している表示エリア内である場合には、その機能ヘルプメッセージを実線表示する(ステップS45))。一方、取得したカーソル位置が機能ヘルプメッセージを表示している表示エリア外であれば、機能ヘルプメッセージを破線表示する(ステップS47)。
【0040】なお、CPU23は、図9のドラッグ開始プログラムにて、ステップS9またはステップS13の送信処理の後、タイマをリセットする(ステップS11)。そして、ステップS5以下を繰り返す。これにより、複数のプログラムに基づいてドロップ許可メッセージが与えられた場合にステップS7以下の処理を実行できる。なお、ドロップ許可メッセージを受け取らない場合には、タイマが所定時間を超過したか否か判断し(ステップS15)、超過した場合には処理を終了する。
【0041】このようにして、ドラッグ処理が開始されると、ドロップ処理が可能な各表示領域に機能ヘルプメッセージが表示される。また、カーソル位置がその表示領域内に位置すると、機能ヘルプメッセージが他の表示領域と区別できるように表示される。
【0042】4.他の実施形態なお、上記実施形態においては、1のメールプログラム内にて、機能ヘルプメッセージを表示する場合について説明したが、複数のアプリケーションプログラム(OSプログラムを含む)においても、同様に適用することができる。例えば、図12に示すような参照テーブルを記憶しておき、図9ステップS3にて、送信されたドラッグ開始メッセージに対して、現在起動中の他のアプリケーションプログラムに基づく処理から、ドロップ許可メッセージが与えられた場合には、図12の参照テーブルに基づいて、同様にして機能ヘルプメッセージを表示するようにすればよい。
【0043】なお、この場合、各アプリケーションプログラムから、図10に示すドロップヘルプ表示プログラムを呼び出せるようにしておけばよい。さらに、図9に示すドラッグ開始プログラムも各アプリケーションプログラムから、呼び出せるようにしておくことにより、各アプリケーションプログラムにて、ドラッグ開始した場合に、画面上に表示されている表示領域に機能ヘルプメッセージを表示することができる。例えば、図13にスケジュールプログラムにおける機能ヘルプメッセージの表示例を示す。この場合には、表示領域60には機能ヘルプメッセージは表示されているが、表示領域62には機能ヘルプメッセージは表示されていない。これは、かかるスケジュールプログラムが管理している表示領域60、62の表示領域について、ドロップ許可メッセージを送信したが、図12に示す参照テーブルに表示領域60の表示領域名「サスケ日付欄」は存在するが、表示領域62の表示領域名「サスケToDo欄」が存在しないからである。
【0044】また、CRT30の画面に、デスクトップが表示されており、その上のウインドウにメールプログラム「シュリケン」が表示されている状態で、メール41のドラッグが開始された場合の、各表示領域に表示される機能ヘルプメッセージを図14に示す。図14では、機能ヘルプメッセージ43,45に加えて、機能ヘルプメッセージ57が表示領域56(デスクトップ)に表示されている。
【0045】なお、各表示領域のどこに機能ヘルプメッセージを表示するかは、当該表示領域を管理するプログラムが、他のウインドウと重なっておらず、操作者が確認できる位置に表示するように判断させればよい。また、ある表示領域が他の表示領域によって隠蔽されていて、これにより機能ヘルプメッセージを表示する領域がない場合には、機能ヘルプメッセージを表示する前に「この領域の上にドラッグ中のマウスをもってくるとアプリケーションが最前面に移動する」とのメッセージを表示するようにしてもよい。
【0046】なお、本実施形態においては、カーソル位置に応じて実線と破線とで表示形態が変わるようにしたが、これらは区別できる形態であればどのようなものであってもよく、例えば、色を変えたり、メッセージの外形形状を変えたりしてもよい。
【0047】また、上記実施形態においては、ドロップ可能エリアに機能ヘルプメッセージを表示することによりドロップ可能エリアを操作者に報知するようにしたが、ドラッグ処理が開始されると、色を変えたり、ハイライト表示などによってドロップ可能エリアを報知するようにしてもよい。
【0048】また、かかる機能ヘルプメッセージ表示後、操作者がドロップ処理を実行した場合の処理については従来と同様である。すなわち、OSプログラムのドロップ処理プログラムが呼び出されて、機能拡張キーの操作(キー操作なしの場合も含む)に応じて、コピーや移動などの動作が実行される。
【0049】本実施形態においては、機能拡張キーを操作しながらドロップ処理を行う場合にどのような処理が可能かについて機能ヘルプメッセージを表示することができる。したがって、特殊な機能拡張キーに特殊な処理を割り当ても、これがドラッグアンドドロップ処理の際に表示できるので、操作者はこれを知ることかできる。これにより、アプリケーションプログラムごとに複雑な機能拡張キーを用意しても、固有の機能について、操作者がまさに動作させるタイミングにて紹介することが可能となる。
【0050】また、複数の操作について機能ヘルプメッセージを表示するようにしたが、1の機能ヘルプメッセージであってもよい。
【0051】また、プログラムの一部の処理をオペレーティングシステム(OS)プログラムに実行させるようにしてもよい。
【0052】本実施形態においては、図1に示す機能を実現する為に、CPU23を用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のメールソフトの表示画面の一例である。
【図2】メールフォルダにドラッグした状態の表示画面の一例である。
【図3】画面本発明にかかるドラッグアンドドロップ処理装置1の機能ブロック図である。
【図4】図1に示すドラッグアンドドロップ処理装置1をCPUを用いて実現したハードウエア構成の一例を示す図である。
【図5】参照テーブルのデータ構造を示す。
【図6】ドラッグ開始前の表示画面を示す。
【図7】ドラッグ開始時の表示画面を示す。
【図8】マウスカーソルをメールフォルダに移動させた状態の表示画面を示す。
【図9】ドラッグ開始プログラムのフローチャートである。
【図10】ドラッグヘルプ表示プログラムのフローチャートである。
【図11】機能ヘルプメッセージの表示切替プログラムのフローチャートである。
【図12】他のプログラム間で機能ヘルプメッセージの表示する場合の参照テーブルのデータ構造を示す。
【図13】異なるプログラム間で機能ヘルプメッセージの表示する場合の表示例を示す。
【図14】デスクトップの表示領域に機能ヘルプメッセージの表示する場合の表示例を示す。
【符号の説明】
23・・・CPU
27・・・メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の表示領域間にてオブジェクトをドラッグアンドドロップする処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、前記オブジェクトのドラッグ処理が開始されると、前記複数の表示領域のうち、ドロップ処理が可能な表示領域を判断して、ドロップ処理不可能な表示領域と区別して表示させること、を特徴とするプログラムを記録した記録媒体。
【請求項2】請求項1のプログラムを記録した記録媒体において、前記プログラムは、前記ドロップ処理が可能な表示領域毎に、キーを操作しながらドロップ処理がなされた場合の各動作を表示させることにより、ドロップ処理が可能な表示領域とドロップ処理が不可能な表示領域を区別して表示すること、を特徴とするもの。
【請求項3】請求項2のプログラムを記録した記録媒体において、前記プログラムは、ドロップ表示領域と機能ヘルプメッセージとの対応テーブルをあらかじめ記憶しており、前記複数の表示領域を管理するプログラムに対して、ドラッグ開始メッセージを送信し、ドロップ許可メッセージが返答された表示領域に対して、前記オブジェクトをドロップ可能か否か判断し、ドロップ可能である場合には、前記対応テーブルに基づいて、当該表示領域に送信された機能ヘルプメッセージを表示させること、を特徴とするもの。
【請求項4】複数の表示領域間にてオブジェクトをドラッグアンドドロップする際に機能ヘルプメッセージを表示する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、ドラッグ開始メッセージを受け取ると、自己が管理している表示領域を含むドロップ許可メッセージを返答し、表示領域および表示内容を含む機能ヘルプメッセージが与えられると、この機能ヘルプメッセージで指定された表示領域に当該表示内容を機能ヘルプメッセージとして表示すること、を特徴とするプログラムを記録した記録媒体。
【請求項5】請求項4のプログラムを記録した記録媒体において、前記プログラムは、前記機能ヘルプメッセージで指定された表示領域全体に半透明のレイヤを重ね表示すること、を特徴とするもの。
【請求項6】請求項4のプログラムを記録した記録媒体において、前記プログラムは、前記機能ヘルプメッセージが表示された表示領域内にカーソルが位置しない時と位置する時とで、表示形式を変更すること、を特徴とするもの。
【請求項7】請求項4〜請求項6のいずれかのプログラムを記録した記録媒体において、前記プログラムは、前記機能ヘルプメッセージを表示する表示領域の上に別の表示領域が重ねられている場合には、前記重なった表示領域外に前記機能ヘルプメッセージを表示すること、を特徴とするもの。
【請求項8】表示手段に表示された第1の表示領域から第2の表示領域にオブジェクトをドラッグアンドドロップ処理するドラッグアンドドロップ処理装置であって、操作者の操作に基づいて、第1の表示領域から第2の表示領域にオブジェクトをドラッグアンドドロップするドラッグアンドドロップ処理手段、前記ドラッグ先の表示領域でドロップされた場合に操作されていたキー操作に基づいて、当該ドロップされたオブジェクトについて所定のデータ処理を行うデータ処理手段、前記ドラッグが開始されると、画面上に表示されている全表示領域に対して、ドロップ処理可能か否か判断し、ドロップ可能な表示領域については、各表示領域にてドロップする際にキー操作を変更することにより処理されるデータ処理を示すヘルプメッセージを前記表示手段に表示させるヘルプメッセージ表示手段、を備えたことを特徴とするドラッグアンドドロップ処理装置。
【請求項9】操作者の操作に基づいて、コンピュータの画面上にて、ドラッグ元の表示領域からドロップ先の表示領域にオブジェクトをドラッグアンドドロップされると、前記ドラッグ先の表示領域でドロップされた場合に操作されていたキー操作に基づいて、当該ドロップされたオブジェクトについて所定のデータ処理を行うドラッグアンドドロップ方法であって、前記ドラッグが開始されると、画面上に表示されている表示領域に対して、ドロップ処理可能か否か判断し、ドロップ可能な表示領域については、ドロップする際にキー操作を変更することにより処理されるデータ処理を示すヘルプメッセージを表示すること、を特徴とするドラッグアンドドロップ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2001−306207(P2001−306207A)
【公開日】平成13年11月2日(2001.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−126828(P2000−126828)
【出願日】平成12年4月27日(2000.4.27)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】