ドラムメンテナンス用斜面端部ドクターブレード
【課題】溶融した相転移インクを中間画像形成表面上に噴出するように構成された相転移インク画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、ドラムメンテナンスユニットを備える。ドラムメンテナンスユニットは、剥離剤を供給するリザーバと、リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を中間画像形成表面に塗布するように構成されるアプリケータとを有する。計量ブレード174が配置され、アプリケータによって塗付された中間画像形成表面14上の剥離剤を計量する。計量ブレード174は中間画像形成表面14に関してドクターモードで配置され、中間画像形成表面14に隣接して配置される先端部210を有する。先端部210は、中間画像形成表面14と近接して配置される方形部分224と中間画像形成表面と反対側の斜面部分228とを有する。
【解決手段】画像形成装置は、ドラムメンテナンスユニットを備える。ドラムメンテナンスユニットは、剥離剤を供給するリザーバと、リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を中間画像形成表面に塗布するように構成されるアプリケータとを有する。計量ブレード174が配置され、アプリケータによって塗付された中間画像形成表面14上の剥離剤を計量する。計量ブレード174は中間画像形成表面14に関してドクターモードで配置され、中間画像形成表面14に隣接して配置される先端部210を有する。先端部210は、中間画像形成表面14と近接して配置される方形部分224と中間画像形成表面と反対側の斜面部分228とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に中間画像形成表面を有する画像形成装置に関し、特に、このような中間画像形成表面用メンテナンスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
中間部材を有する固体インク画像形成システムでは、インクは、ペレットとしてかまたはインクスティックとして、固体状態でシステムに入れられ、ヒータアセンブリへと搬送すべく、給送機構によって給送シュートを通じて輸送される。ヒータアセンブリ内のヒータプレートは、プレートに突き当たった固体インクを液体へと融解し、この液体は中間転写部材上に噴出するためのプリントヘッドへと輸送される。ここで中間転写部材はたとえば、回転ドラムの形態でもよい。プリントヘッドでは、液体インクは典型的に、プリントヘッド内の印刷要素がインクを噴出することができるが、インクが中間転写ドラムに粘着するのに十分な粘着性を維持する温度に保持される。しかし、いくつかの場合には、液体インクの粘着性によって、インクの一部が、画像を媒体シート上に転写した後に、ドラム上に残る場合があり、これは後にドラム上に形成される他の画像の品質を低下させる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7393312号明細書
【特許文献2】米国特許第6921604号明細書
【特許文献3】米国特許第7036920号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
転写ドラム上へのインクの蓄積を考慮して、固体インク画像形成システムはドラムメンテナンスユニット(DMU)を備えてもよい。固体インク画像形成システムでは、DMUは、1)各印刷サイクルの前に、ドラムの画像受容表面を非常に薄く均一な剥離剤(たとえば、シリコンオイル)層を用いて滑らかにし、かつ2)各印刷サイクル後には、いずれの過剰なオイル、インクおよび異物もドラム表面から除去し貯蔵するように構成される。先行する公知のDMUは典型的に、好適な剥離剤を保持するためのリザーバ、リザーバからオイルを受け取り、オイルをドラム表面に塗布するアプリケータ(または塗布器)、およびアプリケータによってドラム表面に塗付されたオイルを計量する計量ブレードを備える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態では、中間画像形成表面と少なくとも1つのプリントヘッドとを備え、溶融した相転移インクを中間画像形成表面上に噴出するように構成された相転移インク画像形成装置を提供する。画像形成装置は、ドラムメンテナンスユニットを備え、ドラムメンテナンスユニットは、剥離剤を供給するリザーバと、リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を中間画像形成表面に塗布するように構成されるアプリケータとを有する。計量ブレードが配置され、アプリケータによって塗付された中間画像形成表面上の剥離剤を計量する。計量ブレードは中間画像形成表面に関してドクターモードで配置され、中間画像形成表面に隣接して配置される先端部を有する。先端部は、中間画像形成表面と近接して配置される方形部分と中間画像形成表面と反対側の斜面部分とを有する。
【0006】
また別の実施の形態では、剥離剤を供給するリザーバを備える顧客取り替えユニット(CRU)を提供する。アプリケータは、リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を画像形成装置の中間画像形成表面に塗布するように構成される。計量ブレードが配置され、アプリケータによって塗付された中間画像形成表面上の剥離剤を計量する。計量ブレードは中間画像形成表面に関してドクターモードで配置され、中間画像形成表面に隣接して配置される先端部を有する。先端部は、中間画像形成表面と近接して配置される方形部分と中間画像形成表面と反対側の斜面部分とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像形成装置の実施の形態の概略図である。
【図2】図1の画像形成装置に使用するためのドラムメンテナンスユニットの概略図である。
【図3】図1の画像形成装置の転写ドラムに関して、ワイパーモードの計量ブレードを示す概略図である。
【図4】図1の画像形成装置の転写ドラムに関して、ドクターモードの計量ブレードを示す概略図である。
【図5】ワイパーモードとドクターモードの計量ブレードについての、オイル消費率対印刷部数のグラフである。
【図6】斜面突端部を有するドクターモードの計量ブレードを示す概略図である。
【図7】図2のDMUに用いる計量ブレード移動システムの概略図である。
【図8】移動させた計量ブレードと静止した計量ブレードについての、オイル消費率対印刷部数のグラフである。
【図9】表側印刷工程後の印刷されたシートの層の図である。
【図10】裏側印刷工程後の図9の印刷されたシートの層の図である。
【図11】図2のDMUに用いる計量ブレード構成の概略図である。
【図12】図11の計量ブレードとアプリケータを操作する方法のフローチャートである。
【図13】図11の計量ブレードとアプリケータを作動させるタイミングシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで使用されるように、「プリンタ」または「画像形成装置」という用語は、一般的に画像を印刷媒体に施す装置を言い、たとえば、デジタル複写機、製本装置、ファクシミリ装置、多機能装置等、何らかの目的のために印刷物出力機能を実行するならいずれの装置も包含し得る。「印刷媒体」は通常、紙、プラスチックのフィルム状の物理的シート、または他の好適な画像用物理的印刷媒体基材であってもよい。「印刷ジョブ」または「文書」は、通常、特定のユーザからの一連の原稿印刷ジョブシートまたは電子文書ページ画像から複写された一連の関連シート、通常1以上の照合コピーセット、または場合によってはその関連のことである。ここで使用されるように、「消耗品」という用語は、操作時に画像形成装置が使用するまたは消費するもの、たとえば、印刷媒体、マーキング材料、クリーニング液等を言う。画像は一般的に、画像形成装置が印刷媒体上に提供すべき情報を電子形態で含んでもよく、文字、図、写真等があり得る。画像、たとえば、図、文字、写真等を印刷媒体に施す操作を、一般的にここでは印刷またはマーキングと言う。
【0009】
ここで図1について言及すると、本開示の画像形成装置10の実施の形態を表す。示されるように、装置10はフレーム11を備え、そこに、以下に記載されるように、その全ての操作サブシステムおよび部品が直接または間接的に取付けられる。図1の実施の形態では、画像形成装置10は中間画像形成部材12を備える間接マーキング装置であり、中間画像形成部材12はドラム形態で示されるが、同様に支持無端ベルトの形態であってもよい。画像形成部材12は画像受容表面14を有し、画像受容表面14は方向16に可動であり、その上に相転移インク画像が形成される。方向17に回転可能な転写定着ローラ19は、ドラム12の表面14に対して転写定着ニップ18を形成するように搭載され、このニップ18において表面14上に形成されたインク画像を媒体シート49上に転写定着する。別の実施の形態では、画像形成装置は、インク画像を受容基材、たとえば、媒体シートまたは媒体の連続ウェブ上に直接形成する直接マーキング装置であってもよい。
【0010】
画像形成装置10はまたインク輸送サブシステム20を備える。このインク輸送サブシステム20は、一色のインクについて少なくとも1つの供給源22を有する。画像形成装置10は多色画像形成装置であるので、インク輸送システム20は4個のソース22、24、26、28を備え、これらは異なる4色のCYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)インクを表す。インク輸送システムは、インクを液体の形態で、少なくとも1つのプリントヘッドアセンブリ32を含むプリントヘッドシステム30に供給するように構成される。画像形成装置10は高速または高処理量の多色装置であるので、プリントヘッドシステム30は多色インクプリントヘッドアセンブリおよび複数の(たとえば、4個の)別個のプリントヘッドアセンブリを含み、その2つを図1では32、34で示す。
【0011】
ある実施の形態では、画像形成装置10で使用されるインクは「相転移インク」であり、これは、インクは室温では実質的に固体であり、画像形成受容表面上に噴出するため、相転移インクの融点まで加熱した時には実質的に液体であることを意味する。したがって、インク輸送システムは、固体形態の相転移インクを液体形態に溶融し相転移させるための相転移インク溶融制御装置(図示せず)を備える。相転移インクの融点は固体の相転移インクを液体または溶融形態に溶融することができるなら、いずれの温度であってもよい。ある実施の形態では、相転移インクの融点は約100℃〜140℃である。しかし、別の実施の形態では、たとえば、水性インク、オイルベースインク、UV硬化性インク等を含むいずれの好適なマーキング材料またはインクを用いてもよい。
【0012】
ドラムから記録媒体へのインク画像の転写を促進するために、ドラムメンテナンスシステム100(ドラムメンテナンスユニット(DMU)とも呼ばれる)を設けて、インクが印刷ドラム上に噴出される前に、印刷ドラム12の表面14に剥離剤を塗布する。剥離剤は薄層を形成し、この薄層上に画像形成され、画像が印刷ドラムに粘着しないようにする。剥離剤は典型的に、シリコンオイルであるが、いずれの好適な剥離剤を用いてもよい。
【0013】
ここで図2について言及すると、DMUの実施の形態の概略図を示す。図示されるように、DMU100はローラ形態の剥離剤アプリケータ104を備え、これは回転すると、剥離剤、たとえば、シリコンオイルを画像形成表面14に塗布するように構成される。実施の形態では、ローラ104は吸収性材料、たとえば、押出しポリウレタンフォームから形成される。ポリウレタンフォームは、剥離剤液で十分飽和した場合でも、ローラが液を保持できるオイル保持性能および毛管高さ(capillary height)を有する。剥離剤でのローラの飽和を促進するために、ローラ104はチューブまたはトラフ形態の再利用容器118(ここでは再利用トラフ(reclaim trough)と呼ばれる)上に配置される。ある実施の形態では、再利用トラフ118は、ローラの下側部分の筒状形状に従う底面を有する。ローラ104は再利用トラフ118に関して、そこに受容される剥離剤中に部分的に浸かるように配置される。
【0014】
再利用トラフ118は剥離剤リザーバ108から剥離剤を受け取るように構成される。図2の実施の形態では、リザーバ108は、プラスチックのブロー成形ボトルまたはチューブから成り、これは一方端に開口部122を有し、予め定められた量の剥離剤をリザーバ内へ充填することができる。リザーバの開口部122を端部キャップ120が封止する。端部キャップ120はいずれの好適な方法で、たとえば、スピン溶接、接着剤付け等によって封止されてもよい。端部キャップ120は、3つの流体用の貫通開口部124、128、130を有する。3つのチューブが、端部キャップの外側でこの開口部とかぎ付き取付具を用いて接続され、たとえば、3つのチューブには、リザーバ108を再利用領域118に流体接続する輸送チューブ110、リザーバ108を(以下に説明する)液だめ部134に流体接続する液だめ部チューブ114(リサイクルチューブ)、およびリザーバ108の内側を大気と流体接続させて、リザーバ内に発生するいかなる正または負の圧力をも開放する通気孔チューブ138がある。通気孔チューブは、出荷および顧客取り扱い時にいかなるオイル漏れも防ぐために、通常閉じた状態のソレノイドバルブ144を備える。ソレノイドバルブ144は、オイルをオイルリザーバに汲み入れおよび汲み出す際に、リザーバを大気圧に曝すために、開けられる。図3の例示的実施の形態では、輸送チューブ110はリザーバ108から伸びる単一のチューブとして始まっているが、再利用トラフ118に達する前に2つのチューブへと分離する。これら2つのチューブはオイルをトラフ118の対面する端部に供給して、等量のオイルをローラの両端部に輸送し、ローラの長さ全体にわたる不均一なオイルの飽和を防止するようにする。
【0015】
再度図2について言及すると、剥離剤輸送システム170は、剥離剤を、リザーバからチューブ110を通じて再利用領域118へと、操作時にアプリケータ104が十分に飽和し続けることを意図して、予め定められた流速FRAで汲み上げるように構成される。ある実施の形態では、輸送システム170は蠕動性輸送ポンプを備える。蠕動性輸送ポンプ170は1対のロータを備え、これを通じて、リザーバとアプリケータの各端部とを接続する2つのチューブ110を伸ばす。モータ(図示せず)の駆動力下でロータを回転させることで、輸送導管を再利用トラフに向けた輸送方向に圧縮する。剥離剤はチューブ110を通って輸送方向に押出されると共に、剥離剤はリザーバからチューブへと引き込まれる。1つの蠕動性ポンプを通じて2つのチューブが駆動されるといった動作によって、傾いたシステムであっても重力の影響にかかわらず、アプリケータローラの両端に等量のオイルを輸送することができる。
【0016】
動作時に、画像形成ドラム12が方向16に回転すると、ローラ104は転写ドラム表面14との摩擦接触によって方向17に回転するように動作し、剥離剤をドラム表面14に塗布する。ローラ104が回転すると、ローラ104の接触地点は連続的に移動し、ローラ104の新たな部分が連続的にドラム表面14に接触して、剥離剤を塗布するようにする。計量ブレード174は、ローラ104によってドラム表面14に塗付された剥離剤を計量するように配置される。オイルを染み込ませたローラ104はドラム表面に十分なオイルを塗布して、計量ブレード174の前に一定の液だまりまたは「オイルダム」を維持し、常に十分な量のオイルが計量に利用可能な状態を確保する。計量ブレード174は弾性材料、たとえば、細長い金属支持ブラケット(図示せず)上に支持されたウレタンから形成されてもよい。計量ブレード174は、均一な厚さの剥離剤がドラム表面の幅全体にわたって確実に存在する助けとなる。さらに、計量ブレード174は再利用トラフ118の上方に配置され、ブレード174によってドラム表面14から計量された過剰のオイルを、計量ブレード174から落として再利用トラフ118へと戻す。
【0017】
DMU100はまたクリーニングブレード178を備え、これは、ドラム表面14に関して、オイルおよび異物、たとえば、紙繊維、未転写定着のインク画素等をドラム表面14から掻き取るように、ローラ104および計量ブレード174がドラムに接触する前に配置される。特に、画像が印刷媒体上に定着された後に、その上に画像が形成されていたドラム部分をクリーニングブレード178と接触させる。クリーニングブレード178は弾性材料から形成されてもよく、再利用トラフ118の上方に配置され、クリーニングブレードによってドラム表面から掻き落とされたオイルおよび異物を、同様に再利用トラフへと向けるようにする。
【0018】
再利用トラフ118は限られた量の剥離剤を保持することができる。再利用トラフに保持されるオイル量は、ローラが十分に飽和を維持する最少量に設定される。再利用トラフ容積は、DMUが傾いた際でもオイルがこぼれる可能性を制限するために、最小限にする。再利用トラフの容積は、オイルを液だめ部領域へ流れ込ませるオーバーフロー壁の高さによって設定される。再利用トラフ118が、リザーバから受け取った剥離剤と、さらには計量ブレードによって再利用トラフへと戻された剥離剤および異物とで満たされると、過剰の剥離剤は再利用トラフ118の端部180を越えて流れ、リザーバ108へとリサイクルする前に、液だめ部134に捕らえられる。液だめ部134は、少なくとも1つの柔軟性のある導管またはチューブ114によって、リザーバ108に流体接続される。液だめ部ポンプ184は、剥離剤を、液だめ部134から液だめ部チューブ114を通ってリザーバ108へと予め定められた流速FRAで汲み上げるように構成される。ある実施の形態では、液だめ部ポンプは蠕動性ポンプから成るが、所望流速で剥離剤をリザーバへと汲み上げることができるなら、いずれの好適な汲み上げシステムまたは方法を用いてもよい。再度図2について言及すると、液だめ部134はフィルタを備えてもよく、オイルリザーバへとリサイクルする前に、インク、オイルおよび異物はこのフィルタを通らねばならない。フィルタの目的は、流体経路、たとえば、液だめ部チューブに目詰まりを起こすほど大きいいずれの粒子をも除去することである。
【0019】
上記DMU100は顧客取り替えユニット(CRU)から成るものでもよい。ここで使用されるように、CRUは、画像形成装置内の特定の仕事を実行するのに必要な全てのまたは大部分の部品がモジュールハウジングに封入されて成り、CRUを機能性独立ユニットとして画像形成装置に装着し画像形成装置から取り外すことができるといった、独立モジュール式ユニットのことである。DMUはハウジング(図示せず)を備えることができ、その中にはDMUの部品、たとえば、アプリケータ104およびオイルリザーバ108(さらには図4で記されるDMUの概略図に関連する上記他の部品)が収容される。内部部品を全て含んだDMUハウジングは、独立ユニットとして画像形成装置10に装着し画像形成装置10から取り外すことができるように構成される。
【0020】
CRUであるので、DMU100は、DMUリザーバ108に充填されるオイル量に対応する想定寿命または有効寿命を有する。例示的実施の形態では、有効寿命は、オイル使用量およびリザーバ内のオイル量といった要因に依存して、約300,000〜500,000であってもよい。DMUがその有効寿命の終わりに達したら、すなわち、オイルがなくなったら、DMUを画像形成装置内のその位置またはスロットから取り外し、新しいDMUに交換してもよい。DMUの有効または想定寿命に影響する要因の1つはオイル使用効率である。ここで使用されるように、「オイル使用効率」という用語等は、画像形成装置が発生させた印刷物当たりに使用されるオイル量を言う。
【0021】
DMUのオイル使用効率に影響する要因の1つは、計量ブレードの磨耗である。たとえば、計量ブレードとドラム表面間で繰り返し接触することで、ある回数を越えると計量ブレードに損傷や劣化を生じ得る。損傷し磨耗した計量ブレードは、ドラム表面上のオイルを非損傷で非磨耗計量ブレードほど効率的に計量できず、印刷物当たりに使用されるオイル量の増加、すなわち、オイル使用効率の低下およびそれに伴うDMUの有効寿命の低下を招くかもしれない。
【0022】
計量ブレードの磨耗は、ある部分ではドラムに関する計量ブレードの配置によって決まり、この配置を計量ブレードのモードともいう。先行する公知のシステムでは、計量ブレードは「ワイパーモード」か「ドクターモード」のいずれかに配置されていた。ここで使用されるように、ワイパーモードは、ブレードの先端部がドラムの回転方向に従う方向に伸び、ブレードの先端部がドラムの回転に伴ってドラム表面に引っ張られるようになる、計量ブレードの配置をいう。図3は、転写ドラム12に隣接してワイパーモードで配置される計量ブレード174を示す。図示されるように、計量ブレード174はブレード先端部とも呼ばれる第1端部200を有し、これはドラム12の表面14に近接して配置され、第2端部204はドラム表面14から離れて配置される。ワイパーモードの場合には、第2端部204から第1端部200への方向Fは実質的にドラムの回転方向16を向いている。ドクターモードは、ブレードの先端部がドラムの回転方向と反対方向に伸び、ブレードの先端部がのみと同様の方法でドラム表面を掻き取るようになる、計量ブレードの配置をいう。たとえば、図4は、転写ドラム12に隣接してドクターモードで配置される計量ブレード174を示す。図示されるように、ドクターモードの場合には、第2端部204から第1端部200への方向Fは実質的にドラムの回転方向16と逆を向いている。
【0023】
図5は、ワイパーモードとドクターモードで計量ブレードを用いた、300,000部印刷の寿命にわたるシート当たりに使用されるオイル量(ミリグラム)のグラフを示す。図5のグラフに見られるように、オイル使用量は、計量ブレードの磨耗のために、ワイパーモードでは印刷部数に伴って約3〜4mg/シートから約8〜9mg/シートへと増加する。ドクターモードではオイル使用量は300,000印刷部を越えても約6mg/シートと、実質的に一定を保つ。
【0024】
図6は、オイルのすじ(oil bar)の大きさを減らすために斜面突端部を有する計量ブレード174の実施の形態を示す。図6に示されるように、計量ブレードは、ドラム12の表面14に近接して配置される第1端部210または先端部と、ドラム12の表面14から離れて配置される第2端部204とを有する。計量ブレード本体214は、第1端部210と第2端部204間に伸び、実質的にドラム12に面する内側218とドラム12と対面しない外側220とを有する。ある実施の形態では、計量ブレード本体214はウレタンから形成され、約2mmの厚さTを有するが、他の好適な材料および厚さを用いてもよい。ある実施の形態では、計量ブレードは約65〜85ジュロメータを有する。図6の計量ブレードはドクターモードに配置され、第2端部から第1端部への方向Fはドラムの回転方向とは実質的に逆を向いている。
【0025】
図6の実施の形態では、計量ブレードの先端部210は、方形部分224がドラム表面14に隣接して配置され、斜面部分228がドラム表面14から離れて配置されて成る。ブレード先端部210の方形部分224は、ドラム12の表面14上のオイルを計量するために用いられ、かつ計量ブレード本体の内側218から外側220方向に予め定められた長さW伸びる第1表面230を備える。第1表面230は、計量ブレード本体の方向Fに実質的に垂直に配置される。第1表面230および計量ブレード本体の内側218は実質的に90°の角度で接するが、90°の角度からすなわち+−10°の誤差があるものを用いてもよい。第1表面230の予め定められた長さWは計量ブレードの先端部の方形部分224の幅を制御し、計量ブレード本体の幅Tより短い。ある実施の形態では、予め定められた長さWは約1mmであるが、(ブレード本体の幅より短ければ)他の長さを用いてもよい。
【0026】
第2表面234は、第1表面230から計量ブレードの外側220に向けて伸びており、第1表面230に関して、計量ブレードの第2端部204に向けて角Aの角度を付けて先端部の斜面部分228を形成する。ブレード先端部の角度付けされた第2表面234はブレード先端部の幅を減らし、ブレード先端部の第1表面230によって形成されたオイルダムに捕らえられた過剰のオイルさらには異物を、第1表面230を経て流下させ、ドラムから引き離すことができる。ある実施の形態では、角度Aは約60°であるが、いずれの好適な角度を用いてもよい。さらに、計量ブレード先端部の斜面部分228は実質的に平坦に示されるが、ブレード先端部の第1表面230の前にあるオイルダムから過剰のオイルおよび異物をドラムから案内除去することができるなら、他の表面構造を用いてもよい。たとえば、第2表面234は凹凸形状でもよい。
【0027】
図7は、ドラム(図7では図示せず)表面を横断するクロス処理方向CPに、計量ブレード174を移動させるシステム300の実施の形態を示し、これはDMU、たとえば、図2に示されるDMUに使用されてもよい。計量ブレード174はワイパーモードまたはドクターモードに配置されることができ、ドラムに関して実質的にクロス処理方向に伸びる長手軸を有する。図示されるように、システム300は計量ブレード174に操作可能に接続される駆動部304を備え、計量ブレードを、軸方向に前後に、第1位置と第2位置間を予め定められた距離Gを、軸に沿って計量ブレードの長手軸に実質的に平行に移動させるように構成される。ここで使用されるように、計量ブレードに関して軸方向に移動という用語は、計量ブレード本体の長手軸に実質的に平行な1または複数の方向を言う。ある実施の形態では、駆動部は、DMUとは別に計量ブレードを軸方向に移動させるように構成される。場合によっては、駆動部は、DMUに操作可能に接続されて、計量ブレードを含め、ユニットとしてDMUを軸方向に移動させることができる。
【0028】
ある実施の形態では、CP軸に沿った予め定められた移動距離Gは約1〜10mmであってもよいが、いずれの好適な移動距離を用いてもよい。ある特定の実施の形態では、移動距離Gは約2mmである。ドラム表面を横断する第1方向の計量ブレードの移動と、次にドラム表面を横断する反対方向に戻る計量ブレードの移動を、ここでは移動サイクルと呼ぶ。ある実施の形態では、計量ブレード174がドラム表面に対して係合する場合には、計量ブレード移動サイクルは、1分間当たり約1〜10サイクルの速度で行われ得るが、移動サイクルはいずれの好適な速度で行われてもよい。ある特定の実施の形態では、移動サイクルは1分間当たり約7サイクルで行われ得る。サイクル距離および速度を調節して、オイルの割合およびブレード寿命についてDMUブレード機能を最適化することができる。
【0029】
ある実施の形態では、駆動部304は計量ブレード174の第1側端部308に操作可能に接続されるカムを備える。カム304は駆動シャフト314に取り付けられてもよく、駆動シャフトは順に操作可能にモータ(図示せず)に接続される。モータは駆動シャフト314を回転させ、これによってカムを軸Rについて回転させる。カムが軸Rについて回転すると、カム表面によって、計量ブレード174は軸方向にドラム表面を横断するように前後に移動する。付勢装置318、たとえば、ばねを計量ブレード174の他方端部310に取り付ける。付勢ばね318は計量ブレードの第1端部308をカム304と接触するように付勢する。しかし、いずれの好適な方法および装置を用いて、計量ブレードを軸方向にドラム表面を横断するように予め定められた距離および速度で移動させてもよい。
【0030】
図8は、計量ブレード移動ありのDMUと、計量ブレード移動なしのDMUについての多くの印刷部数にわたるオイル消費率のプロットである。図8に示されるように、オイル使用量は、たとえば、計量ブレードの磨耗のために、静止(すなわち移動なし)の計量ブレードを用いたDMUでは印刷部数に伴って約3〜4mg/シートから約8〜9mg/シートへと増加した。移動ありの計量ブレードを用いたDMUではオイル使用量は、印刷部数に伴って約3〜4mg/シートから約6mg/シートへと増加した。したがって、計量ブレードの移動は、移動なしの計量ブレードの9mg/シートに比べて、紙シート当たり6mgのオイルといった長期間のオイル搬送をもたらすことができる。
【0031】
DMUの有効寿命を減らすだけでなく、計量ブレードの磨耗またはオイルのすじの大きさによるドラム表面上の過剰のオイルは、「両面ドロップアウト」として公知の画質欠陥を生じる場合がある。図9に示されるように、続く印刷の際、転写定着ロールからのオイルは、第1の側の印刷工程時には、紙の「裏」側に転写され、ドラムオイル400、画像404、紙408、転写定着ロールオイル410の層の組み合わせを生じる。ここで図10について言及すると、図9のシートの第2の側に印刷する場合には、ドラムオイル400、画像404、紙408、転写定着ロールオイル410の層の組み合わせは、ドラムと転写定着ロールによって形成されるニップを通って給送され、第2の側のドラムオイル414、第2の側の画像/インク418、第2側の転写定着ロールオイル410、紙408、第1の側の画像/インク404、第1の側のドラムオイル400、および第1の側の転写定着ロールオイル420の層の組み合わせを生じる。図10に見られるように、第1の側のドラムオイル400および第1の側の転写定着ロールオイル420は二重のオイル層を形成する。第1の側の印刷工程時に過剰のオイルがドラムに、次いで紙、たとえば、図9および10の層400に輸送されれば、紙の表側のオイル厚さまたは量が紙の裏側への画像転写を阻害し、画像の幾分かまたは全部がシートの裏側に転写しない場合があり、これは「両面ドロップアウト」とも呼ばれる。
【0032】
図11は、両面ドロップアウトを減らすまたは防ぐためのDMUにおける計量ブレードの配置の実施の形態の概略図である。図11の計量ブレードの配置を図2のDMUに用いてもよい。しかし、この計量ブレードの配置をいずれのDMU構成に用いて、アプリケータによってドラム表面上に塗付される剥離剤を計量してもよい。図11に示されるように、第1計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104は、図2の計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104に対応し、同様に操作することができる。たとえば、図11の剥離剤アプリケータ104にオイルを染み込ませ、ドラム表面に十分なオイルを塗布して、第1計量ブレード174の前にオイルダムを維持して、計量に利用可能な十分な量のオイルを常に確保するように構成される。第1計量ブレード174を用いて、DMUにとって全ての印刷物についてのオイルを計量する。図11の実施の形態では、第1計量ブレード174はドラム表面に関してワイパーモードに配置されるが、他の実施の形態では、第1計量ブレードはドクターモードに配置されてもよい。第1計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104は各々、第1計量ブレード174およびアプリケータ104を、ドラム表面14と接触するように、および接触しないように移動させるための位置決めシステム500、504を備える。いずれの好適な位置決めシステムを用いて、第1計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104を、ドラム表面と隣接する操作位置へと、および操作位置から離れる位置へとそれぞれ移動させてもよい。たとえば、ある実施の形態では、第1計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104についての位置決めシステム500、504は、2つのカムを備える単一カムシャフト(図示せず)を備える。オイルのすじの大きさを最小限にする助けとなるためには、カムは、第1計量ブレード174をアプリケータ104より先に係合させ、すなわちドラム表面14に隣接する位置に移動させ、解除の際には、アプリケータ104を第1計量ブレード174より先にドラム14から離れるように移動させるように構成される。
【0033】
図11に示されるように、第2計量ブレード510は、ドラム12の回転方向16について、第1計量ブレード174から下流のドラム表面14と係合するように配置され、第1計量ブレード174の後にドラム12の表面14上のオイルを計量する。図11の実施の形態では、第2計量ブレード510は、ドラム表面に関してワイパーモードに配置されるが、他の実施の形態では、第2計量ブレードはドクターモードに配置されてもよい。第2計量ブレード510は、第2計量ブレード510を、第1計量ブレード174から独立してドラム表面14と係合および解除することができる位置決めシステム508を備える。いずれの好適な位置決めシステムを用いてもよい。たとえば、別個のカムシャフトおよびカムを用いて、第2計量ブレードを位置決めしてもよい。場合によっては、第3カムを第1計量ブレードおよびアプリケータのカムシャフトに配置してもよい。
【0034】
第2計量ブレード位置決めシステム508はコントローラ80に操作可能に接続され、位置決めシステム508を作動させて、第2計量ブレード510をドラム表面14と係合および解除するように選択的に移動させるように構成される。ある実施の形態では、コントローラ80は、両面印刷物の一方側、たとえば、片面側(すなわち、表側またはサイド1)または反対面側(すなわち、裏側またはサイド2)のみについて、第2計量ブレードを作動させてドラム表面上のオイルを計量するように構成される。ある特定の実施の形態では、コントローラ80は、両面印刷毎に両面印刷物の表側印刷時に、第2計量ブレードを作動させてドラム表面上のオイルを計量するように構成される。また別の実施の形態では、コントローラ80は、両面ストレス印刷物(duplex stress prints)の表側印刷のみについて、第2計量ブレード510を作動させるように構成されてもよい。
【0035】
ある実施の形態では、コントローラ80は、第1計量ブレードが「破損」した後に、第2計量ブレード510を作動させはじめるように構成されてもよい。上述のように、ワイパーモードでの単一計量ブレードの場合のオイル使用量は、計量ブレードの磨耗のために、約50,000〜100,000部印刷後では約8〜9mg/シートに増加する。したがって、ある実施の形態では、コントローラ80は、予め定められた部数の印刷(片面または両面)を第1計量ブレード174のみを用いて行った後に、第2計量ブレード510を作動させはじめるように構成される。第2計量ブレードの作動前の第1計量ブレードについての予め定められた印刷部数は、いずれの好適な印刷部数でもよい。ある実施の形態では、コントローラ80は、20,000部の印刷を第1計量ブレードのみを用いて行った後に、第2計量ブレード510を作動させるように構成される。
【0036】
図12は図11のDMUを操作する方法のフローチャートを示す。図12に示されるように、印刷ジョブの開始時(ブロック600)、印刷ジョブは両面印刷か否かを決定する(ブロック604)。印刷ジョブが両面印刷でないなら、第1計量ブレードのみを作動させて(ブロック608)、印刷ジョブについてドラム表面上にオイルを計量する。次に、印刷部数(p)が1増加したらコントロールはブロック600に戻る。印刷ジョブが両面印刷の場合には、コントロールはブロック610に進み、この時点で予め定められた印刷部数の閾値を第1計量ブレードを用いて行ったか否かを決定する。上述のように、予め定められた印刷部数は約20,000印刷部であってもよいが、いずれの好適な印刷部数を閾値として用いてもよい。印刷部数(p)が閾値より大きくない場合には、第1計量ブレードのみを作動させて(ブロック608)、印刷ジョブについてドラム表面上にオイルを計量し、印刷部数(p)が1増加したらコントロールはブロック600に戻る。印刷部数(p)が閾値より大きい場合には、どちら側を今回印刷するかを決定する(ブロック614)。サイド1(たとえば、表側または片面側)を印刷する場合には、第1および第2計量ブレードを作動させて(ブロック618)、両面印刷のサイド1印刷についてドラム表面上にオイルを計量し、印刷部数(p)が1増加したらコントロールはブロック600に戻る。サイド2を印刷する場合には、第1計量ブレードのみを作動させて(ブロック608)、印刷ジョブについてドラム表面上にオイルを計量し、印刷部数(p)が1増加したらコントロールはブロック600に戻る。
【0037】
アプリケータ、第1計量ブレードおよび第2計量ブレードの作動についてのタイミングシーケンスの実施の形態を図13に示す。図13では、高い値は、アプリケータ、第1計量ブレードおよび第2計量ブレードが係合状態にある、たとえば、ドラム表面との操作可能位置にある時間に対応し、低い値は、アプリケータ、第1計量ブレードおよび第2計量ブレードが係合状態にない、たとえば、ドラム表面との操作可能位置にない時間に対応する。図13に示されるように、第1計量ブレードが始めに、次いでアプリケータがドラム表面と係合するように移動する。そして、第2計量ブレードがアプリケータの後にドラム表面と係合するように移動する。解除時、第2計量ブレードが、次いでアプリケータ、そして第1計量ブレードがドラム表面と係合解除するように移動する。図13のタイミングシーケンスは、ドラムへのオイル運搬をさらに減らすために、オイルのすじの大きさを制限している。
【符号の説明】
【0038】
10 画像形成装置、14 画像受容表面、32,34 プリントヘッドアセンブリ、100 ドラムメンテナンスユニット、104 アプリケータ、108 リザーバ、174 計量ブレード、210 先端部、218 内側、220 外側、224 方形部分、228 斜面部分、230 第1表面、234 第2表面。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に中間画像形成表面を有する画像形成装置に関し、特に、このような中間画像形成表面用メンテナンスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
中間部材を有する固体インク画像形成システムでは、インクは、ペレットとしてかまたはインクスティックとして、固体状態でシステムに入れられ、ヒータアセンブリへと搬送すべく、給送機構によって給送シュートを通じて輸送される。ヒータアセンブリ内のヒータプレートは、プレートに突き当たった固体インクを液体へと融解し、この液体は中間転写部材上に噴出するためのプリントヘッドへと輸送される。ここで中間転写部材はたとえば、回転ドラムの形態でもよい。プリントヘッドでは、液体インクは典型的に、プリントヘッド内の印刷要素がインクを噴出することができるが、インクが中間転写ドラムに粘着するのに十分な粘着性を維持する温度に保持される。しかし、いくつかの場合には、液体インクの粘着性によって、インクの一部が、画像を媒体シート上に転写した後に、ドラム上に残る場合があり、これは後にドラム上に形成される他の画像の品質を低下させる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7393312号明細書
【特許文献2】米国特許第6921604号明細書
【特許文献3】米国特許第7036920号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
転写ドラム上へのインクの蓄積を考慮して、固体インク画像形成システムはドラムメンテナンスユニット(DMU)を備えてもよい。固体インク画像形成システムでは、DMUは、1)各印刷サイクルの前に、ドラムの画像受容表面を非常に薄く均一な剥離剤(たとえば、シリコンオイル)層を用いて滑らかにし、かつ2)各印刷サイクル後には、いずれの過剰なオイル、インクおよび異物もドラム表面から除去し貯蔵するように構成される。先行する公知のDMUは典型的に、好適な剥離剤を保持するためのリザーバ、リザーバからオイルを受け取り、オイルをドラム表面に塗布するアプリケータ(または塗布器)、およびアプリケータによってドラム表面に塗付されたオイルを計量する計量ブレードを備える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態では、中間画像形成表面と少なくとも1つのプリントヘッドとを備え、溶融した相転移インクを中間画像形成表面上に噴出するように構成された相転移インク画像形成装置を提供する。画像形成装置は、ドラムメンテナンスユニットを備え、ドラムメンテナンスユニットは、剥離剤を供給するリザーバと、リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を中間画像形成表面に塗布するように構成されるアプリケータとを有する。計量ブレードが配置され、アプリケータによって塗付された中間画像形成表面上の剥離剤を計量する。計量ブレードは中間画像形成表面に関してドクターモードで配置され、中間画像形成表面に隣接して配置される先端部を有する。先端部は、中間画像形成表面と近接して配置される方形部分と中間画像形成表面と反対側の斜面部分とを有する。
【0006】
また別の実施の形態では、剥離剤を供給するリザーバを備える顧客取り替えユニット(CRU)を提供する。アプリケータは、リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を画像形成装置の中間画像形成表面に塗布するように構成される。計量ブレードが配置され、アプリケータによって塗付された中間画像形成表面上の剥離剤を計量する。計量ブレードは中間画像形成表面に関してドクターモードで配置され、中間画像形成表面に隣接して配置される先端部を有する。先端部は、中間画像形成表面と近接して配置される方形部分と中間画像形成表面と反対側の斜面部分とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】画像形成装置の実施の形態の概略図である。
【図2】図1の画像形成装置に使用するためのドラムメンテナンスユニットの概略図である。
【図3】図1の画像形成装置の転写ドラムに関して、ワイパーモードの計量ブレードを示す概略図である。
【図4】図1の画像形成装置の転写ドラムに関して、ドクターモードの計量ブレードを示す概略図である。
【図5】ワイパーモードとドクターモードの計量ブレードについての、オイル消費率対印刷部数のグラフである。
【図6】斜面突端部を有するドクターモードの計量ブレードを示す概略図である。
【図7】図2のDMUに用いる計量ブレード移動システムの概略図である。
【図8】移動させた計量ブレードと静止した計量ブレードについての、オイル消費率対印刷部数のグラフである。
【図9】表側印刷工程後の印刷されたシートの層の図である。
【図10】裏側印刷工程後の図9の印刷されたシートの層の図である。
【図11】図2のDMUに用いる計量ブレード構成の概略図である。
【図12】図11の計量ブレードとアプリケータを操作する方法のフローチャートである。
【図13】図11の計量ブレードとアプリケータを作動させるタイミングシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで使用されるように、「プリンタ」または「画像形成装置」という用語は、一般的に画像を印刷媒体に施す装置を言い、たとえば、デジタル複写機、製本装置、ファクシミリ装置、多機能装置等、何らかの目的のために印刷物出力機能を実行するならいずれの装置も包含し得る。「印刷媒体」は通常、紙、プラスチックのフィルム状の物理的シート、または他の好適な画像用物理的印刷媒体基材であってもよい。「印刷ジョブ」または「文書」は、通常、特定のユーザからの一連の原稿印刷ジョブシートまたは電子文書ページ画像から複写された一連の関連シート、通常1以上の照合コピーセット、または場合によってはその関連のことである。ここで使用されるように、「消耗品」という用語は、操作時に画像形成装置が使用するまたは消費するもの、たとえば、印刷媒体、マーキング材料、クリーニング液等を言う。画像は一般的に、画像形成装置が印刷媒体上に提供すべき情報を電子形態で含んでもよく、文字、図、写真等があり得る。画像、たとえば、図、文字、写真等を印刷媒体に施す操作を、一般的にここでは印刷またはマーキングと言う。
【0009】
ここで図1について言及すると、本開示の画像形成装置10の実施の形態を表す。示されるように、装置10はフレーム11を備え、そこに、以下に記載されるように、その全ての操作サブシステムおよび部品が直接または間接的に取付けられる。図1の実施の形態では、画像形成装置10は中間画像形成部材12を備える間接マーキング装置であり、中間画像形成部材12はドラム形態で示されるが、同様に支持無端ベルトの形態であってもよい。画像形成部材12は画像受容表面14を有し、画像受容表面14は方向16に可動であり、その上に相転移インク画像が形成される。方向17に回転可能な転写定着ローラ19は、ドラム12の表面14に対して転写定着ニップ18を形成するように搭載され、このニップ18において表面14上に形成されたインク画像を媒体シート49上に転写定着する。別の実施の形態では、画像形成装置は、インク画像を受容基材、たとえば、媒体シートまたは媒体の連続ウェブ上に直接形成する直接マーキング装置であってもよい。
【0010】
画像形成装置10はまたインク輸送サブシステム20を備える。このインク輸送サブシステム20は、一色のインクについて少なくとも1つの供給源22を有する。画像形成装置10は多色画像形成装置であるので、インク輸送システム20は4個のソース22、24、26、28を備え、これらは異なる4色のCYMK(シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック)インクを表す。インク輸送システムは、インクを液体の形態で、少なくとも1つのプリントヘッドアセンブリ32を含むプリントヘッドシステム30に供給するように構成される。画像形成装置10は高速または高処理量の多色装置であるので、プリントヘッドシステム30は多色インクプリントヘッドアセンブリおよび複数の(たとえば、4個の)別個のプリントヘッドアセンブリを含み、その2つを図1では32、34で示す。
【0011】
ある実施の形態では、画像形成装置10で使用されるインクは「相転移インク」であり、これは、インクは室温では実質的に固体であり、画像形成受容表面上に噴出するため、相転移インクの融点まで加熱した時には実質的に液体であることを意味する。したがって、インク輸送システムは、固体形態の相転移インクを液体形態に溶融し相転移させるための相転移インク溶融制御装置(図示せず)を備える。相転移インクの融点は固体の相転移インクを液体または溶融形態に溶融することができるなら、いずれの温度であってもよい。ある実施の形態では、相転移インクの融点は約100℃〜140℃である。しかし、別の実施の形態では、たとえば、水性インク、オイルベースインク、UV硬化性インク等を含むいずれの好適なマーキング材料またはインクを用いてもよい。
【0012】
ドラムから記録媒体へのインク画像の転写を促進するために、ドラムメンテナンスシステム100(ドラムメンテナンスユニット(DMU)とも呼ばれる)を設けて、インクが印刷ドラム上に噴出される前に、印刷ドラム12の表面14に剥離剤を塗布する。剥離剤は薄層を形成し、この薄層上に画像形成され、画像が印刷ドラムに粘着しないようにする。剥離剤は典型的に、シリコンオイルであるが、いずれの好適な剥離剤を用いてもよい。
【0013】
ここで図2について言及すると、DMUの実施の形態の概略図を示す。図示されるように、DMU100はローラ形態の剥離剤アプリケータ104を備え、これは回転すると、剥離剤、たとえば、シリコンオイルを画像形成表面14に塗布するように構成される。実施の形態では、ローラ104は吸収性材料、たとえば、押出しポリウレタンフォームから形成される。ポリウレタンフォームは、剥離剤液で十分飽和した場合でも、ローラが液を保持できるオイル保持性能および毛管高さ(capillary height)を有する。剥離剤でのローラの飽和を促進するために、ローラ104はチューブまたはトラフ形態の再利用容器118(ここでは再利用トラフ(reclaim trough)と呼ばれる)上に配置される。ある実施の形態では、再利用トラフ118は、ローラの下側部分の筒状形状に従う底面を有する。ローラ104は再利用トラフ118に関して、そこに受容される剥離剤中に部分的に浸かるように配置される。
【0014】
再利用トラフ118は剥離剤リザーバ108から剥離剤を受け取るように構成される。図2の実施の形態では、リザーバ108は、プラスチックのブロー成形ボトルまたはチューブから成り、これは一方端に開口部122を有し、予め定められた量の剥離剤をリザーバ内へ充填することができる。リザーバの開口部122を端部キャップ120が封止する。端部キャップ120はいずれの好適な方法で、たとえば、スピン溶接、接着剤付け等によって封止されてもよい。端部キャップ120は、3つの流体用の貫通開口部124、128、130を有する。3つのチューブが、端部キャップの外側でこの開口部とかぎ付き取付具を用いて接続され、たとえば、3つのチューブには、リザーバ108を再利用領域118に流体接続する輸送チューブ110、リザーバ108を(以下に説明する)液だめ部134に流体接続する液だめ部チューブ114(リサイクルチューブ)、およびリザーバ108の内側を大気と流体接続させて、リザーバ内に発生するいかなる正または負の圧力をも開放する通気孔チューブ138がある。通気孔チューブは、出荷および顧客取り扱い時にいかなるオイル漏れも防ぐために、通常閉じた状態のソレノイドバルブ144を備える。ソレノイドバルブ144は、オイルをオイルリザーバに汲み入れおよび汲み出す際に、リザーバを大気圧に曝すために、開けられる。図3の例示的実施の形態では、輸送チューブ110はリザーバ108から伸びる単一のチューブとして始まっているが、再利用トラフ118に達する前に2つのチューブへと分離する。これら2つのチューブはオイルをトラフ118の対面する端部に供給して、等量のオイルをローラの両端部に輸送し、ローラの長さ全体にわたる不均一なオイルの飽和を防止するようにする。
【0015】
再度図2について言及すると、剥離剤輸送システム170は、剥離剤を、リザーバからチューブ110を通じて再利用領域118へと、操作時にアプリケータ104が十分に飽和し続けることを意図して、予め定められた流速FRAで汲み上げるように構成される。ある実施の形態では、輸送システム170は蠕動性輸送ポンプを備える。蠕動性輸送ポンプ170は1対のロータを備え、これを通じて、リザーバとアプリケータの各端部とを接続する2つのチューブ110を伸ばす。モータ(図示せず)の駆動力下でロータを回転させることで、輸送導管を再利用トラフに向けた輸送方向に圧縮する。剥離剤はチューブ110を通って輸送方向に押出されると共に、剥離剤はリザーバからチューブへと引き込まれる。1つの蠕動性ポンプを通じて2つのチューブが駆動されるといった動作によって、傾いたシステムであっても重力の影響にかかわらず、アプリケータローラの両端に等量のオイルを輸送することができる。
【0016】
動作時に、画像形成ドラム12が方向16に回転すると、ローラ104は転写ドラム表面14との摩擦接触によって方向17に回転するように動作し、剥離剤をドラム表面14に塗布する。ローラ104が回転すると、ローラ104の接触地点は連続的に移動し、ローラ104の新たな部分が連続的にドラム表面14に接触して、剥離剤を塗布するようにする。計量ブレード174は、ローラ104によってドラム表面14に塗付された剥離剤を計量するように配置される。オイルを染み込ませたローラ104はドラム表面に十分なオイルを塗布して、計量ブレード174の前に一定の液だまりまたは「オイルダム」を維持し、常に十分な量のオイルが計量に利用可能な状態を確保する。計量ブレード174は弾性材料、たとえば、細長い金属支持ブラケット(図示せず)上に支持されたウレタンから形成されてもよい。計量ブレード174は、均一な厚さの剥離剤がドラム表面の幅全体にわたって確実に存在する助けとなる。さらに、計量ブレード174は再利用トラフ118の上方に配置され、ブレード174によってドラム表面14から計量された過剰のオイルを、計量ブレード174から落として再利用トラフ118へと戻す。
【0017】
DMU100はまたクリーニングブレード178を備え、これは、ドラム表面14に関して、オイルおよび異物、たとえば、紙繊維、未転写定着のインク画素等をドラム表面14から掻き取るように、ローラ104および計量ブレード174がドラムに接触する前に配置される。特に、画像が印刷媒体上に定着された後に、その上に画像が形成されていたドラム部分をクリーニングブレード178と接触させる。クリーニングブレード178は弾性材料から形成されてもよく、再利用トラフ118の上方に配置され、クリーニングブレードによってドラム表面から掻き落とされたオイルおよび異物を、同様に再利用トラフへと向けるようにする。
【0018】
再利用トラフ118は限られた量の剥離剤を保持することができる。再利用トラフに保持されるオイル量は、ローラが十分に飽和を維持する最少量に設定される。再利用トラフ容積は、DMUが傾いた際でもオイルがこぼれる可能性を制限するために、最小限にする。再利用トラフの容積は、オイルを液だめ部領域へ流れ込ませるオーバーフロー壁の高さによって設定される。再利用トラフ118が、リザーバから受け取った剥離剤と、さらには計量ブレードによって再利用トラフへと戻された剥離剤および異物とで満たされると、過剰の剥離剤は再利用トラフ118の端部180を越えて流れ、リザーバ108へとリサイクルする前に、液だめ部134に捕らえられる。液だめ部134は、少なくとも1つの柔軟性のある導管またはチューブ114によって、リザーバ108に流体接続される。液だめ部ポンプ184は、剥離剤を、液だめ部134から液だめ部チューブ114を通ってリザーバ108へと予め定められた流速FRAで汲み上げるように構成される。ある実施の形態では、液だめ部ポンプは蠕動性ポンプから成るが、所望流速で剥離剤をリザーバへと汲み上げることができるなら、いずれの好適な汲み上げシステムまたは方法を用いてもよい。再度図2について言及すると、液だめ部134はフィルタを備えてもよく、オイルリザーバへとリサイクルする前に、インク、オイルおよび異物はこのフィルタを通らねばならない。フィルタの目的は、流体経路、たとえば、液だめ部チューブに目詰まりを起こすほど大きいいずれの粒子をも除去することである。
【0019】
上記DMU100は顧客取り替えユニット(CRU)から成るものでもよい。ここで使用されるように、CRUは、画像形成装置内の特定の仕事を実行するのに必要な全てのまたは大部分の部品がモジュールハウジングに封入されて成り、CRUを機能性独立ユニットとして画像形成装置に装着し画像形成装置から取り外すことができるといった、独立モジュール式ユニットのことである。DMUはハウジング(図示せず)を備えることができ、その中にはDMUの部品、たとえば、アプリケータ104およびオイルリザーバ108(さらには図4で記されるDMUの概略図に関連する上記他の部品)が収容される。内部部品を全て含んだDMUハウジングは、独立ユニットとして画像形成装置10に装着し画像形成装置10から取り外すことができるように構成される。
【0020】
CRUであるので、DMU100は、DMUリザーバ108に充填されるオイル量に対応する想定寿命または有効寿命を有する。例示的実施の形態では、有効寿命は、オイル使用量およびリザーバ内のオイル量といった要因に依存して、約300,000〜500,000であってもよい。DMUがその有効寿命の終わりに達したら、すなわち、オイルがなくなったら、DMUを画像形成装置内のその位置またはスロットから取り外し、新しいDMUに交換してもよい。DMUの有効または想定寿命に影響する要因の1つはオイル使用効率である。ここで使用されるように、「オイル使用効率」という用語等は、画像形成装置が発生させた印刷物当たりに使用されるオイル量を言う。
【0021】
DMUのオイル使用効率に影響する要因の1つは、計量ブレードの磨耗である。たとえば、計量ブレードとドラム表面間で繰り返し接触することで、ある回数を越えると計量ブレードに損傷や劣化を生じ得る。損傷し磨耗した計量ブレードは、ドラム表面上のオイルを非損傷で非磨耗計量ブレードほど効率的に計量できず、印刷物当たりに使用されるオイル量の増加、すなわち、オイル使用効率の低下およびそれに伴うDMUの有効寿命の低下を招くかもしれない。
【0022】
計量ブレードの磨耗は、ある部分ではドラムに関する計量ブレードの配置によって決まり、この配置を計量ブレードのモードともいう。先行する公知のシステムでは、計量ブレードは「ワイパーモード」か「ドクターモード」のいずれかに配置されていた。ここで使用されるように、ワイパーモードは、ブレードの先端部がドラムの回転方向に従う方向に伸び、ブレードの先端部がドラムの回転に伴ってドラム表面に引っ張られるようになる、計量ブレードの配置をいう。図3は、転写ドラム12に隣接してワイパーモードで配置される計量ブレード174を示す。図示されるように、計量ブレード174はブレード先端部とも呼ばれる第1端部200を有し、これはドラム12の表面14に近接して配置され、第2端部204はドラム表面14から離れて配置される。ワイパーモードの場合には、第2端部204から第1端部200への方向Fは実質的にドラムの回転方向16を向いている。ドクターモードは、ブレードの先端部がドラムの回転方向と反対方向に伸び、ブレードの先端部がのみと同様の方法でドラム表面を掻き取るようになる、計量ブレードの配置をいう。たとえば、図4は、転写ドラム12に隣接してドクターモードで配置される計量ブレード174を示す。図示されるように、ドクターモードの場合には、第2端部204から第1端部200への方向Fは実質的にドラムの回転方向16と逆を向いている。
【0023】
図5は、ワイパーモードとドクターモードで計量ブレードを用いた、300,000部印刷の寿命にわたるシート当たりに使用されるオイル量(ミリグラム)のグラフを示す。図5のグラフに見られるように、オイル使用量は、計量ブレードの磨耗のために、ワイパーモードでは印刷部数に伴って約3〜4mg/シートから約8〜9mg/シートへと増加する。ドクターモードではオイル使用量は300,000印刷部を越えても約6mg/シートと、実質的に一定を保つ。
【0024】
図6は、オイルのすじ(oil bar)の大きさを減らすために斜面突端部を有する計量ブレード174の実施の形態を示す。図6に示されるように、計量ブレードは、ドラム12の表面14に近接して配置される第1端部210または先端部と、ドラム12の表面14から離れて配置される第2端部204とを有する。計量ブレード本体214は、第1端部210と第2端部204間に伸び、実質的にドラム12に面する内側218とドラム12と対面しない外側220とを有する。ある実施の形態では、計量ブレード本体214はウレタンから形成され、約2mmの厚さTを有するが、他の好適な材料および厚さを用いてもよい。ある実施の形態では、計量ブレードは約65〜85ジュロメータを有する。図6の計量ブレードはドクターモードに配置され、第2端部から第1端部への方向Fはドラムの回転方向とは実質的に逆を向いている。
【0025】
図6の実施の形態では、計量ブレードの先端部210は、方形部分224がドラム表面14に隣接して配置され、斜面部分228がドラム表面14から離れて配置されて成る。ブレード先端部210の方形部分224は、ドラム12の表面14上のオイルを計量するために用いられ、かつ計量ブレード本体の内側218から外側220方向に予め定められた長さW伸びる第1表面230を備える。第1表面230は、計量ブレード本体の方向Fに実質的に垂直に配置される。第1表面230および計量ブレード本体の内側218は実質的に90°の角度で接するが、90°の角度からすなわち+−10°の誤差があるものを用いてもよい。第1表面230の予め定められた長さWは計量ブレードの先端部の方形部分224の幅を制御し、計量ブレード本体の幅Tより短い。ある実施の形態では、予め定められた長さWは約1mmであるが、(ブレード本体の幅より短ければ)他の長さを用いてもよい。
【0026】
第2表面234は、第1表面230から計量ブレードの外側220に向けて伸びており、第1表面230に関して、計量ブレードの第2端部204に向けて角Aの角度を付けて先端部の斜面部分228を形成する。ブレード先端部の角度付けされた第2表面234はブレード先端部の幅を減らし、ブレード先端部の第1表面230によって形成されたオイルダムに捕らえられた過剰のオイルさらには異物を、第1表面230を経て流下させ、ドラムから引き離すことができる。ある実施の形態では、角度Aは約60°であるが、いずれの好適な角度を用いてもよい。さらに、計量ブレード先端部の斜面部分228は実質的に平坦に示されるが、ブレード先端部の第1表面230の前にあるオイルダムから過剰のオイルおよび異物をドラムから案内除去することができるなら、他の表面構造を用いてもよい。たとえば、第2表面234は凹凸形状でもよい。
【0027】
図7は、ドラム(図7では図示せず)表面を横断するクロス処理方向CPに、計量ブレード174を移動させるシステム300の実施の形態を示し、これはDMU、たとえば、図2に示されるDMUに使用されてもよい。計量ブレード174はワイパーモードまたはドクターモードに配置されることができ、ドラムに関して実質的にクロス処理方向に伸びる長手軸を有する。図示されるように、システム300は計量ブレード174に操作可能に接続される駆動部304を備え、計量ブレードを、軸方向に前後に、第1位置と第2位置間を予め定められた距離Gを、軸に沿って計量ブレードの長手軸に実質的に平行に移動させるように構成される。ここで使用されるように、計量ブレードに関して軸方向に移動という用語は、計量ブレード本体の長手軸に実質的に平行な1または複数の方向を言う。ある実施の形態では、駆動部は、DMUとは別に計量ブレードを軸方向に移動させるように構成される。場合によっては、駆動部は、DMUに操作可能に接続されて、計量ブレードを含め、ユニットとしてDMUを軸方向に移動させることができる。
【0028】
ある実施の形態では、CP軸に沿った予め定められた移動距離Gは約1〜10mmであってもよいが、いずれの好適な移動距離を用いてもよい。ある特定の実施の形態では、移動距離Gは約2mmである。ドラム表面を横断する第1方向の計量ブレードの移動と、次にドラム表面を横断する反対方向に戻る計量ブレードの移動を、ここでは移動サイクルと呼ぶ。ある実施の形態では、計量ブレード174がドラム表面に対して係合する場合には、計量ブレード移動サイクルは、1分間当たり約1〜10サイクルの速度で行われ得るが、移動サイクルはいずれの好適な速度で行われてもよい。ある特定の実施の形態では、移動サイクルは1分間当たり約7サイクルで行われ得る。サイクル距離および速度を調節して、オイルの割合およびブレード寿命についてDMUブレード機能を最適化することができる。
【0029】
ある実施の形態では、駆動部304は計量ブレード174の第1側端部308に操作可能に接続されるカムを備える。カム304は駆動シャフト314に取り付けられてもよく、駆動シャフトは順に操作可能にモータ(図示せず)に接続される。モータは駆動シャフト314を回転させ、これによってカムを軸Rについて回転させる。カムが軸Rについて回転すると、カム表面によって、計量ブレード174は軸方向にドラム表面を横断するように前後に移動する。付勢装置318、たとえば、ばねを計量ブレード174の他方端部310に取り付ける。付勢ばね318は計量ブレードの第1端部308をカム304と接触するように付勢する。しかし、いずれの好適な方法および装置を用いて、計量ブレードを軸方向にドラム表面を横断するように予め定められた距離および速度で移動させてもよい。
【0030】
図8は、計量ブレード移動ありのDMUと、計量ブレード移動なしのDMUについての多くの印刷部数にわたるオイル消費率のプロットである。図8に示されるように、オイル使用量は、たとえば、計量ブレードの磨耗のために、静止(すなわち移動なし)の計量ブレードを用いたDMUでは印刷部数に伴って約3〜4mg/シートから約8〜9mg/シートへと増加した。移動ありの計量ブレードを用いたDMUではオイル使用量は、印刷部数に伴って約3〜4mg/シートから約6mg/シートへと増加した。したがって、計量ブレードの移動は、移動なしの計量ブレードの9mg/シートに比べて、紙シート当たり6mgのオイルといった長期間のオイル搬送をもたらすことができる。
【0031】
DMUの有効寿命を減らすだけでなく、計量ブレードの磨耗またはオイルのすじの大きさによるドラム表面上の過剰のオイルは、「両面ドロップアウト」として公知の画質欠陥を生じる場合がある。図9に示されるように、続く印刷の際、転写定着ロールからのオイルは、第1の側の印刷工程時には、紙の「裏」側に転写され、ドラムオイル400、画像404、紙408、転写定着ロールオイル410の層の組み合わせを生じる。ここで図10について言及すると、図9のシートの第2の側に印刷する場合には、ドラムオイル400、画像404、紙408、転写定着ロールオイル410の層の組み合わせは、ドラムと転写定着ロールによって形成されるニップを通って給送され、第2の側のドラムオイル414、第2の側の画像/インク418、第2側の転写定着ロールオイル410、紙408、第1の側の画像/インク404、第1の側のドラムオイル400、および第1の側の転写定着ロールオイル420の層の組み合わせを生じる。図10に見られるように、第1の側のドラムオイル400および第1の側の転写定着ロールオイル420は二重のオイル層を形成する。第1の側の印刷工程時に過剰のオイルがドラムに、次いで紙、たとえば、図9および10の層400に輸送されれば、紙の表側のオイル厚さまたは量が紙の裏側への画像転写を阻害し、画像の幾分かまたは全部がシートの裏側に転写しない場合があり、これは「両面ドロップアウト」とも呼ばれる。
【0032】
図11は、両面ドロップアウトを減らすまたは防ぐためのDMUにおける計量ブレードの配置の実施の形態の概略図である。図11の計量ブレードの配置を図2のDMUに用いてもよい。しかし、この計量ブレードの配置をいずれのDMU構成に用いて、アプリケータによってドラム表面上に塗付される剥離剤を計量してもよい。図11に示されるように、第1計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104は、図2の計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104に対応し、同様に操作することができる。たとえば、図11の剥離剤アプリケータ104にオイルを染み込ませ、ドラム表面に十分なオイルを塗布して、第1計量ブレード174の前にオイルダムを維持して、計量に利用可能な十分な量のオイルを常に確保するように構成される。第1計量ブレード174を用いて、DMUにとって全ての印刷物についてのオイルを計量する。図11の実施の形態では、第1計量ブレード174はドラム表面に関してワイパーモードに配置されるが、他の実施の形態では、第1計量ブレードはドクターモードに配置されてもよい。第1計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104は各々、第1計量ブレード174およびアプリケータ104を、ドラム表面14と接触するように、および接触しないように移動させるための位置決めシステム500、504を備える。いずれの好適な位置決めシステムを用いて、第1計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104を、ドラム表面と隣接する操作位置へと、および操作位置から離れる位置へとそれぞれ移動させてもよい。たとえば、ある実施の形態では、第1計量ブレード174および剥離剤アプリケータ104についての位置決めシステム500、504は、2つのカムを備える単一カムシャフト(図示せず)を備える。オイルのすじの大きさを最小限にする助けとなるためには、カムは、第1計量ブレード174をアプリケータ104より先に係合させ、すなわちドラム表面14に隣接する位置に移動させ、解除の際には、アプリケータ104を第1計量ブレード174より先にドラム14から離れるように移動させるように構成される。
【0033】
図11に示されるように、第2計量ブレード510は、ドラム12の回転方向16について、第1計量ブレード174から下流のドラム表面14と係合するように配置され、第1計量ブレード174の後にドラム12の表面14上のオイルを計量する。図11の実施の形態では、第2計量ブレード510は、ドラム表面に関してワイパーモードに配置されるが、他の実施の形態では、第2計量ブレードはドクターモードに配置されてもよい。第2計量ブレード510は、第2計量ブレード510を、第1計量ブレード174から独立してドラム表面14と係合および解除することができる位置決めシステム508を備える。いずれの好適な位置決めシステムを用いてもよい。たとえば、別個のカムシャフトおよびカムを用いて、第2計量ブレードを位置決めしてもよい。場合によっては、第3カムを第1計量ブレードおよびアプリケータのカムシャフトに配置してもよい。
【0034】
第2計量ブレード位置決めシステム508はコントローラ80に操作可能に接続され、位置決めシステム508を作動させて、第2計量ブレード510をドラム表面14と係合および解除するように選択的に移動させるように構成される。ある実施の形態では、コントローラ80は、両面印刷物の一方側、たとえば、片面側(すなわち、表側またはサイド1)または反対面側(すなわち、裏側またはサイド2)のみについて、第2計量ブレードを作動させてドラム表面上のオイルを計量するように構成される。ある特定の実施の形態では、コントローラ80は、両面印刷毎に両面印刷物の表側印刷時に、第2計量ブレードを作動させてドラム表面上のオイルを計量するように構成される。また別の実施の形態では、コントローラ80は、両面ストレス印刷物(duplex stress prints)の表側印刷のみについて、第2計量ブレード510を作動させるように構成されてもよい。
【0035】
ある実施の形態では、コントローラ80は、第1計量ブレードが「破損」した後に、第2計量ブレード510を作動させはじめるように構成されてもよい。上述のように、ワイパーモードでの単一計量ブレードの場合のオイル使用量は、計量ブレードの磨耗のために、約50,000〜100,000部印刷後では約8〜9mg/シートに増加する。したがって、ある実施の形態では、コントローラ80は、予め定められた部数の印刷(片面または両面)を第1計量ブレード174のみを用いて行った後に、第2計量ブレード510を作動させはじめるように構成される。第2計量ブレードの作動前の第1計量ブレードについての予め定められた印刷部数は、いずれの好適な印刷部数でもよい。ある実施の形態では、コントローラ80は、20,000部の印刷を第1計量ブレードのみを用いて行った後に、第2計量ブレード510を作動させるように構成される。
【0036】
図12は図11のDMUを操作する方法のフローチャートを示す。図12に示されるように、印刷ジョブの開始時(ブロック600)、印刷ジョブは両面印刷か否かを決定する(ブロック604)。印刷ジョブが両面印刷でないなら、第1計量ブレードのみを作動させて(ブロック608)、印刷ジョブについてドラム表面上にオイルを計量する。次に、印刷部数(p)が1増加したらコントロールはブロック600に戻る。印刷ジョブが両面印刷の場合には、コントロールはブロック610に進み、この時点で予め定められた印刷部数の閾値を第1計量ブレードを用いて行ったか否かを決定する。上述のように、予め定められた印刷部数は約20,000印刷部であってもよいが、いずれの好適な印刷部数を閾値として用いてもよい。印刷部数(p)が閾値より大きくない場合には、第1計量ブレードのみを作動させて(ブロック608)、印刷ジョブについてドラム表面上にオイルを計量し、印刷部数(p)が1増加したらコントロールはブロック600に戻る。印刷部数(p)が閾値より大きい場合には、どちら側を今回印刷するかを決定する(ブロック614)。サイド1(たとえば、表側または片面側)を印刷する場合には、第1および第2計量ブレードを作動させて(ブロック618)、両面印刷のサイド1印刷についてドラム表面上にオイルを計量し、印刷部数(p)が1増加したらコントロールはブロック600に戻る。サイド2を印刷する場合には、第1計量ブレードのみを作動させて(ブロック608)、印刷ジョブについてドラム表面上にオイルを計量し、印刷部数(p)が1増加したらコントロールはブロック600に戻る。
【0037】
アプリケータ、第1計量ブレードおよび第2計量ブレードの作動についてのタイミングシーケンスの実施の形態を図13に示す。図13では、高い値は、アプリケータ、第1計量ブレードおよび第2計量ブレードが係合状態にある、たとえば、ドラム表面との操作可能位置にある時間に対応し、低い値は、アプリケータ、第1計量ブレードおよび第2計量ブレードが係合状態にない、たとえば、ドラム表面との操作可能位置にない時間に対応する。図13に示されるように、第1計量ブレードが始めに、次いでアプリケータがドラム表面と係合するように移動する。そして、第2計量ブレードがアプリケータの後にドラム表面と係合するように移動する。解除時、第2計量ブレードが、次いでアプリケータ、そして第1計量ブレードがドラム表面と係合解除するように移動する。図13のタイミングシーケンスは、ドラムへのオイル運搬をさらに減らすために、オイルのすじの大きさを制限している。
【符号の説明】
【0038】
10 画像形成装置、14 画像受容表面、32,34 プリントヘッドアセンブリ、100 ドラムメンテナンスユニット、104 アプリケータ、108 リザーバ、174 計量ブレード、210 先端部、218 内側、220 外側、224 方形部分、228 斜面部分、230 第1表面、234 第2表面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成表面と、
溶融した相転移インクを画像形成表面上に噴出するように構成された少なくとも1つのプリントヘッドと、ドラムメンテナンスユニットとを備え、
ドラムメンテナンスユニットは、剥離剤を供給するリザーバと、リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を画像形成表面に塗布するように構成されるアプリケータと、アプリケータによって塗付された画像形成表面上の剥離剤を計量するように配置される計量ブレードとを含み、
計量ブレードは画像形成表面の処理方向に関してドクターモードで配置されるとともに画像形成表面に隣接して配置される先端部を有し、先端部は、画像形成表面と近接して配置される方形部分と画像形成表面と反対側の斜面部分とを有する
相転移インク画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の装置において、
計量ブレードは、画像形成表面に面する内側と、画像形成表面と対面しない外側とを含み、先端部の方形部分は、内側に実質的に垂直で内側から予め定められた長さで外側に向けて伸びる第1表面を有し、斜面部分は、第1表面から外側へと第1表面に関してある角度で伸びる第2表面を有する、装置。
【請求項3】
剥離剤を供給するリザーバと、
リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を表面に塗布するように構成されるアプリケータと、
アプリケータによって塗付された表面上の剥離剤を計量するように配置される計量ブレードとを備え、
計量ブレードは画像形成表面の処理方向に関してドクターモードで配置されるとともに画像形成表面に隣接して配置される先端部を有し、先端部は、画像形成表面と近接して配置される方形部分と画像形成表面と反対側の斜面部分とを有する
顧客取り替えユニット(CRU)。
【請求項4】
請求項3の顧客取り替えユニットにおいて、
計量ブレードは、画像形成表面に面する内側と画像形成表面と対面しない外側とを含み、先端部の方形部分は、内側に実質的に垂直で且つ内側から予め定められた長さで外側に向けて伸びる第1表面を有し、斜面部分は、第1表面から外側へと第1表面に関してある角度で伸びる第2表面を有するユニット。
【請求項1】
画像形成表面と、
溶融した相転移インクを画像形成表面上に噴出するように構成された少なくとも1つのプリントヘッドと、ドラムメンテナンスユニットとを備え、
ドラムメンテナンスユニットは、剥離剤を供給するリザーバと、リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を画像形成表面に塗布するように構成されるアプリケータと、アプリケータによって塗付された画像形成表面上の剥離剤を計量するように配置される計量ブレードとを含み、
計量ブレードは画像形成表面の処理方向に関してドクターモードで配置されるとともに画像形成表面に隣接して配置される先端部を有し、先端部は、画像形成表面と近接して配置される方形部分と画像形成表面と反対側の斜面部分とを有する
相転移インク画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の装置において、
計量ブレードは、画像形成表面に面する内側と、画像形成表面と対面しない外側とを含み、先端部の方形部分は、内側に実質的に垂直で内側から予め定められた長さで外側に向けて伸びる第1表面を有し、斜面部分は、第1表面から外側へと第1表面に関してある角度で伸びる第2表面を有する、装置。
【請求項3】
剥離剤を供給するリザーバと、
リザーバから剥離剤を受け取り、剥離剤を表面に塗布するように構成されるアプリケータと、
アプリケータによって塗付された表面上の剥離剤を計量するように配置される計量ブレードとを備え、
計量ブレードは画像形成表面の処理方向に関してドクターモードで配置されるとともに画像形成表面に隣接して配置される先端部を有し、先端部は、画像形成表面と近接して配置される方形部分と画像形成表面と反対側の斜面部分とを有する
顧客取り替えユニット(CRU)。
【請求項4】
請求項3の顧客取り替えユニットにおいて、
計量ブレードは、画像形成表面に面する内側と画像形成表面と対面しない外側とを含み、先端部の方形部分は、内側に実質的に垂直で且つ内側から予め定められた長さで外側に向けて伸びる第1表面を有し、斜面部分は、第1表面から外側へと第1表面に関してある角度で伸びる第2表面を有するユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−31617(P2011−31617A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174153(P2010−174153)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】
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