説明

ドレン排出装置及びドレン排出方法

【課題】給湯・追焚装置の追焚手段の一部を利用するドレン排出の簡易化、浴槽内へのドレンの混入防止を図る。
【解決手段】燃焼排気を熱交換する熱交換器(二次熱交換器12)を備え、給湯機能と浴槽追焚機能とを有する給湯・追焚装置(2)のドレン排出装置であって、前記熱交換器の熱交換で発生したドレン60を回収するドレン回収手段(ドレン受け94)と、前記ドレン回収手段に回収された前記ドレンを前記給湯・追焚装置の追焚管路46に流すドレン管路(ドレン管路96)と、前記追焚管路からの前記ドレンの排出を制御する制御手段(制御装置110)とを備える。ドレン60をドレン管路(ドレン管路96)及び追焚管路46を通して排水側に排出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換により発生するドレンの処理技術に関し、例えば、浴槽水の追焚手段を利用し、浴槽手前で分岐してドレンを浴室の排水手段に排水させる装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼排気中の潜熱回収を行うコンデンシング(高効率)機器では、熱交換時に強酸のドレンが発生する。そのため、発生したドレンを専用の排水配管を設けて排水処理している。この発生したドレンを例えば、放置し、又はそのまま機器外に廃棄すれば機器のトラブルに繋がるおそれもあり、また、機器の周囲の環境にも影響する。
【0003】
専用の排水配管を設けることなく、既存の配管を使用し、浴室内の排水設備に排出する方法として、特許文献1には、ドレン専用の配管を用いる場合や風呂給湯系統の往き配管を利用する場合について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−337710号公報(要約、段落番号0037、0039)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このように既存の風呂給湯配管の往き配管等を利用して、浴槽側の排水路にドレンを排出させる場合、ドレン排出のためのポンプが別に必要となる。また、風呂給湯配管の往き配管を利用しているので、ドレン排出後にはドレンが流れた跡の洗浄処理が不可欠である。集合住宅等にコンデンシング(高効率)機器を設置する場合には、設置スペースの制限等の問題から発生する凝縮水等の不用水(ドレン)処理のために専用の排水配管やポンプ等を設けることは困難な場合が多く、また、設けてもコスト高となるという不都合がある。
【0006】
斯かる要求や課題について、特許文献1には開示や示唆は無く、それを解決する構成等についての記載もない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、給湯・追焚装置のドレン排出装置に関し、追焚手段の一部を併用し、ドレン排出の簡易化を図ることにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、給湯・追焚装置のドレン排出装置に関し、計画的なドレン排出等、効率的なドレン排出を可能にすることにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、ドレン排出において、浴槽内へのドレンの混入を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は以下の何れかの構成を備える。
【0011】
本発明の一側面であるドレン排出装置は、燃焼排気を熱交換する熱交換器を備え、給湯機能と浴槽追焚機能とを有する給湯・追焚装置のドレン排出装置であって、前記熱交換器の熱交換で発生したドレンを回収するドレン回収手段と、前記ドレン回収手段に回収された前記ドレンを前記給湯・追焚装置の追焚管路に流すドレン管路と、前記追焚管路からの前記ドレンの排出を制御する制御手段とを備える。
【0012】
上記ドレン排出装置において、更に、前記ドレン管路を前記追焚管路側に切り替える切替手段を備え、前記制御手段は、前記切替手段を制御し、前記ドレンを前記ドレン管路より前記追焚管路に導き、排水側に流す。
【0013】
上記ドレン排出装置において、更に、前記追焚管路に設置されたポンプと、前記追焚管路に切替手段を介して接続されたドレン排出路とを備え、前記制御手段は、前記切替手段を切り替え、前記ポンプを駆動して前記ドレンを前記ドレン管路から前記追焚管路に導き、前記ドレン排出路から排水側に流出させる。
【0014】
上記ドレン排出装置において、更に、前記ドレン回収手段は、前記ドレンを所定の排出タイミングまで溜めるドレンタンクと、前記ドレンタンク内に溜められた前記ドレンの水位を検出する水位センサとを備え、前記制御手段は、前記水位センサによる検出結果により、前記ドレンタンク内の前記ドレンの水位が所定値に達した場合、浴槽水の追焚処理及び/又は前記浴槽側への注湯動作を停止させ、ドレン排出処理に移行させる。
【0015】
上記ドレン排出装置において、更に、前記追焚管路内の浴槽水の流れを検出する流水検出手段を備え、前記制御手段は、前記流水検出手段の検出結果により、前記追焚管路に前記浴槽水が流れている場合には、前記ドレンの排出処理に移行しない。
【0016】
上記ドレン排出装置において、更に、前記追焚管路を洗浄する洗浄手段を備え、前記制御手段は、前記ドレンの排出処理の終了後に前記切替手段を切替え、前記追焚配管に洗浄用水を流す構成である。
【0017】
上記ドレン排出装置において、更に、前記追焚管路内に浴槽水の流入を防ぐ流入防止弁と、前記追焚管路内に湯又は水を注水する注水管路とを備え、洗浄タイミングになったときに、前記切替手段を切替え、前記流入防止弁を閉止し、前記注水管路から前記追焚管路に湯又は水を注水して前記追焚管路内の洗浄処理を行う。
【0018】
上記ドレン排出装置において、前記追焚配管の洗浄に浴槽水又は前記追焚管路に供給される上水を使用し、前記制御手段は、配管洗浄時、前記ポンプを回転させる構成とする。
【0019】
また、本発明の一側面であるドレン排出方法は、燃焼排気を熱交換する熱交換器を備え、給湯機能と浴槽追焚機能とを有する給湯・追焚装置のドレン排出方法であって、前記熱交換器による熱交換で発生したドレンを回収するステップと、回収した前記ドレンをドレン管路から前記追焚管路に流し、前記追焚管路からの前記ドレンの排出を制御するステップとを含む。
【0020】
上記ドレン排出方法において、更に、前記追焚管路内の浴槽水の流れを検出するステップを含み、流水検出結果により、前記追焚管路に前記浴槽水が流れている場合には、前記ドレンの排出処理に移行しない処理とする。
【0021】
上記ドレン排出方法において、更に、洗浄タイミングになったときに、前記切替手段を切替えるステップと、流入防止弁を閉止して、前記追焚管路内への浴槽水の流入を防ぐステップと、注水管路から前記追焚管路に湯又は水を注水して前記追焚管路内の洗浄処理を行うステップとを含む処理とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0023】
(1) 回収されたドレンを追焚管路を利用し、追焚回路からのドレン排出を制御するので、ドレン排出を適宜にしかも効率的に行うことができる。
【0024】
(2) 既設の追焚管路を利用して機器外へのドレンの排出を行うので、ドレン専用の配管が不要であり、機器の小型化や低コスト化を図ることができる。
【0025】
(3) 浴槽用の排水管路にドレンを排出するので、別途にドレン排出用の排水路の設置が不要である。
【0026】
(4) 追焚管路が使用中である場合にはドレンの排出処理を行わないので、浴槽水にドレンが混入することがない。
【0027】
(5) 所定量のドレンが溜まった場合には、追焚管路の使用を中断させ、ドレンを排出させることで、浴槽水へのドレンの混入を防止できるとともに、ドレンが溢れるのを防止でき、計画的なドレン排出が可能となる。
【0028】
(6) ドレンの排出処理に合わせて、追焚管路の洗浄処理を行うので、排出処理後の追焚処理で、追焚管路に残留したドレンが浴槽水に混入するのを防止でき、衛生的である。
【0029】
(7) ドレン排水用の配管を設置することが無く、また、所定のドレン排水のタイミングを計ることで、ドレンが浴槽内に混入するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施の形態に係る給湯・追焚装置の一例を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る3方弁ユニットの一例を示す図である。
【図3】給湯・追焚装置の制御装置及びリモコン装置を示すブロック図である。
【図4】給湯・追焚装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】ドレンタンクの管理処理を示すフローチャートである。
【図6】ドレン排出処理を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る給湯・追焚装置の構成を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係るドレン排出処理を示すフローチャートである。
【図9】他の実施の形態に係る3方弁ユニットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔第1の実施の形態〕
【0032】
本発明の第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、給湯・追焚装置の一例を示す図である。図1に示す構成は一例であって、これに限定されるものではない。
【0033】
給湯・追焚装置2には、給湯機能として、内部に給湯用に水Wの熱交換を行う給湯用燃焼室4と、追焚機能として、浴槽6内の浴槽水BWの追焚加熱の熱交換をする追焚用燃焼室8とを備えている。給湯用燃焼室4には、燃焼排気中の主として顕熱と熱交換する一次熱交換器10と、燃焼排気中の主として潜熱と熱交換する二次熱交換器12を備えている。また、追焚用燃焼室8には、燃焼排気と浴槽水BWとの熱交換を行う追焚用熱交換器14を備えている。これらの熱交換器10、12、14は、双方向運転又は単独運転のいずれの運転形態でも運転が可能であり、一方の機能を他方で活用する機能として、給湯用の一次熱交換器10と二次熱交換器12とで加熱した湯を浴槽6に湯張りすることが可能である。
【0034】
給湯機能側では、給水口16から入った水Wは、水量センサ18、入水温センサ20を備えた給水管路22を通って二次熱交換器12に入り、この二次熱交換器12で熱交換をした後、一次熱交換器10で熱交換を行う。この熱交換により加熱された湯は、給湯管路24を通じて給湯口26側に至る。給湯管路24上には、熱交換後の湯の温度を測定する出湯温センサ28が設置されている。また、給湯時の設定温度に対する応答性を高めるため、熱交換後の湯に対して水を混合させる一次バイパス管路30が一次熱交換器10を跨いで設置されている。この一次バイパス管路30上には、混合させる水Wの流量を制御するバイパス水制御弁32が設置されている。
【0035】
さらに、給湯管路24上には、給湯量を制御する水制御弁34や、水を混合させて温度調整された湯HWの温度を検出する混合温センサ36が設置されている。また、給湯管路24には、湯HWを浴槽6側に注湯する注湯管路38が接続されている。この注湯管路38上には、浴槽6側への注湯量の調整を行う注湯電磁弁40、注湯量を測定する注湯量センサ42、給湯側と浴槽水BWとを縁切りする手段である逆止弁44が設置されている。
【0036】
次に、給湯・追焚装置2の浴槽水BWの追焚機能の配管構成について説明する。
【0037】
追焚管路46は、循環金具48によって浴槽6に接続されており、浴槽水BWを追焚用燃焼室8側に導く戻り管461と、追焚された浴槽水BWを浴槽6側に導く往き管462とで構成されている。浴槽水の追焚処理では、戻り管461を通して熱交換器14に導かれて追焚加熱され、往き管462を通って浴槽6に至る。
【0038】
戻り管461上には、流入した浴槽水BWの温度を検出する風呂出温度センサ50と、浴槽6内の浴槽水BWの水位を圧力によって検出する水位センサ52、追焚管路46内に浴槽水BWを流すための動力源である循環ポンプ54、追焚管路46内の流れ状態を検出する流水スイッチ56が設置されている。これにより、循環ポンプ54を駆動した際に流水の有無が流水スイッチ56により検出され、浴槽6に循環可能な浴槽水BWが存在しているとき、流水スイッチ56が導通する構成となってる。また、戻り管461には、追焚管路46内に浴槽水BWが流入するのを防止するための流入防止弁である2方弁58と、第1の切替手段として、給湯用燃焼室4で発生したドレン60を回収したドレンタンク62と追焚管路46との接続を切替える切替弁64とが備えられている。また、この2方弁58と切替弁64との間には、上記の注湯管路38が接続され、追焚管路46側に湯又は水の注水を行う。
【0039】
往き管462には、追焚加熱されて浴槽6側に流す浴槽水BWの温度を検出する風呂入温度センサ65、ドレン排出手段の第2の切替手段として、3方弁66が備えられている。この3方弁66の一方側は、浴槽水BWを浴槽6側に流す管路と接続され、その他方側は、浴室等の排水手段として、例えば、浴槽6外に取り付けられたドレンパン68に流す排水管路70と接続されている。
【0040】
次に、給湯・追焚装置2の燃焼室4、8の燃焼手段等の構成について、一例を説明する。
【0041】
給湯用燃焼室4側には、熱交換手段である給湯用一次熱交換器10、二次熱交換器12の他、熱源であるバーナ72、給気手段である給気ファン74を備えている。また、追焚用燃焼室8側には、追焚用熱交換器14の他、熱源であるバーナ76、給気手段である給気ファン78を備えている。
【0042】
バーナ72、76には燃料ガスGの供給手段として、燃料ガス管80が設置されている。この燃料ガス管80には、元ガス電磁弁82、ガス比例弁84が設置されており、また、バーナ72側には切替電磁弁86、ガス電磁弁88、切替電磁弁90、バーナ76側にはガス電磁弁92が設置されている。斯かる構成により、給湯や追焚に対する設定温度等に基づいて、バーナ72、76の燃焼量を制御する場合に、ガス比例弁84等の開度を制御する構成である。
【0043】
次に、熱交換により発生したドレンについて、給湯・追焚装置2に備えたドレン排出装置の一例を説明する。
【0044】
給湯用燃焼室4の二次熱交換器12には、発生したドレン60を回収するためのドレン受け94が設置され、このドレン受け94には、ドレン60を排出するためのドレン管路96が設置されている。このドレン管路96は、回収したドレン60を中和させるための中和器98や中和後のドレン60を溜めるドレンタンク62を備えている。そして、このドレンタンク62は、追焚管路46に設置された切替弁64と接続されている。このドレン管路96上において、切替弁64とドレンタンク62との間には、逆流防止ための逆止弁100が設置されている。
【0045】
この中和器98には、強酸性のドレン60を中和する中和剤として、例えば炭酸カルシウム等が装填されている。
【0046】
なお、中和器98による中和方法及び中和手段は、これに限られたものではなく、ドレン60を中性を示す値に近づけるものであればどのような構成であってもよい。
【0047】
また、ドレンタンク62は、中和後のドレン60を溜める手段であって、例えば、所定の排水タイミングが到来した場合や、溜めていたドレン60がドレンタンク62内の所定水位に達した場合等に、追焚管路46側に排出する構成である。
【0048】
ドレンタンク62は、例えば、その側面上側に中和器98からドレン60を流入させる流入口102を備え、また、その底部側にドレン60を追焚管路46側に流す排水口104を備えている。ドレンタンク62の内部には、溜まったドレン60の水位を検出する水位センサとして、例えば長さの異なる2本の電極が設置されている。短い電極は、ドレンタンク62内の上限レベルHを検出するための水位センサH106であり、また、長い電極は、下限レベルLを検出するための水位センサL108である。即ち、この水位センサ106、108により、下限レベルL以下の空レベル、下限レベルLから上限レベルH未満の排水可能レベル範囲、及び上限レベルH以上の排水必要レベルを検出する構成である。
【0049】
以上の構成から、ドレン60の回収手段及び排出手段により、熱交換器12の熱交換により発生したドレン60は、ドレン受け94で集水され、ドレン管路96に流れ、ドレンタンク62を通って追焚管路46に導かれる。そして、追焚管路46に設置された3方弁66により浴室の排水側に導かれて、ドレン60が給湯・追焚装置2から排出される。
【0050】
この給湯・追焚装置2には、給湯制御や追焚処理の制御、後述するドレンの抑制処理、循環ポンプ54等の動作を制御する制御装置110が設置されている。そして、この制御装置110は、給湯・追焚装置2外にある浴室リモコン装置112や台所リモコン装置114等の外部リモコン装置と接続されており、設定温度の変更や給湯指令に対する制御等を行う。
【0051】
次に、第2の切替手段である3方弁の構成について、図2を参照する。図2は、第1の実施の形態に係る3方弁ユニットの一例を示す図である。図2において、図1と同一部分には、同一の符号を付し、説明を省略する。また、図2に示す構成は一例であって、これに限定されるものではない。
【0052】
この実施の形態に係る給湯・追焚装置2では、追焚管路46に設置された第2の切替手段である3方弁66を排水側に切替えることで、回収されたドレン60は、浴槽6内に流入することなく、例えば、浴室内のドレンパン68等に排出される。
【0053】
この3方弁66は、例えば図2Aに示すように、3方弁ユニット116を構成している。この3方弁ユニット116では、下部側に追焚管路46の往き管462を接続する流入側の接続口118が構成されている。この接続口118では、追焚処理時には浴槽水BWが流入し、ドレン60の排出処理時にはドレン60が流入する。また、3方弁ユニット116の出口側の接続口として、図の右側の接続口120は、浴槽6に設置された循環金具48に接続される。また、図の左側の接続口122は浴室等の排水手段側に導く排水管路70が接続される。
【0054】
3方弁ユニット116の上部側には、弁を稼動させるためのモータ124が設置されている。この3方弁ユニット116の内部構成については、図2Bに示すように、例えば、流路125が形成された球状の弁部127が構成されており、モータ124の駆動力を用いて弁部127を左右に切替えることで、流入側の接続口118に対して、左右の出口側の接続口120、122を切替えている。即ち、制御装置110等からの制御信号に基づいて、追焚用の熱交換器14から循環金具48への流れと、熱交換器14から浴槽6手前で開放された排水管路70側への流れとを切替えている。
【0055】
よって、以上のドレン排出装置の構成から、ドレン排出の際には、第1の切替手段である切替弁64を切替え、ドレンタンク62から追焚管路46側にドレン60を流入可能な状態にするとともに、第2の切替手段である3方弁66を切替えて、ドレン60が熱交換器14側から追焚管路46を通じて、浴槽6の手前にある3方弁66から排水管路70側に流す。このように、追焚管路46の一部を利用したドレン排出手段を形成し、ドレン60を浴室内のドレンパン68に排出させる。
【0056】
次に、給湯・追焚装置が備える制御装置の構成について、図3を参照する。図3は、給湯・追焚装置の制御装置を示すブロック図である。図3において、図1と同一部分には、同一の符号を付し、説明を省略する。また、図3の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
【0057】
この制御装置110の制御部126は例えば、マイクロコンピュータ等で構成され、動作制御のプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit )128、給湯・追焚装置2の運転制御等に関するプログラム等を記憶する記憶部130、RAM(Random-Access Memory)132等で構成されている。そして、この制御部126には、ドレンタンク62の水位センサL108、水位センサH106、浴槽6の水位を検出する水位センサ52、流水スイッチ56、その他のセンサ等から検出信号が入力され、また、給湯・追焚装置2の運転制御に基づいて、切替弁64、3方弁66、2方弁58、循環ポンプ54、その他の機能部品等に制御指示が加えられる。また、タイマ134は、給湯・追焚装置2やドレン排出処理の処理制御に関する計時手段であり、図3に示すように制御部126の外部に備える他、制御部126の内部に備えるように構成してもよい。
【0058】
記憶部130は、ROM(Read-Only Memory)やフラッシュメモリ等で構成され、例えば、OS(Operating System)やドレン60の排出処理、洗浄処理等に関するプログラムの他、各種の設定値、データ等が格納されている。また、RAM132は、各種演算処理を行う処理領域として機能する。
【0059】
また、この制御部126は、外部リモコン装置である浴室リモコン装置112や台所リモコン装置114の制御部136と有線又は無線により相互の通信等が可能に接続されている。各リモコン装置112、114には、制御部136の他、キースイッチ等の操作部138、表示部140、音報知部142等が備えられている。制御部136は、例えばCPU、ROM、RAM等で構成されており、操作部138で入力された動作指示に応じて制御装置110側にその指示を送信する他、表示部140に給湯・追焚装置2の動作状態を表示したり、音報知部142により警告報知を行う構成である。
【0060】
次に、給湯・追焚装置のメイン動作処理について、図4を参照する。図4は、給湯・追焚装置のメイン処理を示すフローチャートである。なお、この処理内容は、一例であって、本発明がこの処理内容に限定されるものではない。
【0061】
電源を投入すると、機種設定の読込み、出力の初期化、イニシャルテスト等のイニシャライズ処理を実行する(ステップS1)。次に、常時行う処理として、ドレンタンク62に溜まったドレン60の水位の状況に応じて排水等を行うドレンタンク管理処理(ステップS2)の後、給湯動作の実行か否かの判断に移行する(ステップS3)。この給湯動作実行の判断では、例えば、給湯口26に設置された給湯栓の開閉を監視し、給湯栓を開けたことにより給湯動作に移行したか否かを判断してもよい。給湯動作の実行の場合(ステップS3のYES)には、給湯動作制御処理を行う(ステップS4)。
【0062】
この給湯動作制御処理の後、又は、給湯動作の不実行の場合(ステップS3のNO)、ドレン60の排出処理が実行中か否かの判断に移行する(ステップS5)。ドレン排出が行われていない場合(ステップS5のNO)、浴槽管理が実行されているか否かの判断に移行する(ステップS6)。この浴槽管理では、例えば、リモコン装置112、114等の操作部138に構成した自動スイッチの投入による自動湯張りの実行や、浴槽水BWの追焚の実行等の浴槽関連動作の有無を判定し(ステップS6)、浴槽管理実行中である場合(ステップS6のYES)、自動湯張りや追焚制御等の浴槽管理動作制御処理を実行する(ステップS7)。
【0063】
浴槽管理動作制御処理の後、また、ドレン60の排出実行中である場合(ステップS5のYES)や、又は浴槽管理を行っていない場合(ステップS6のNO)には、凍結防止等を行うその他の制御を実行し(ステップS8)、ステップS2に戻る。なお、それぞれの制御は、一旦開始すると終了するまで次のステップに移行しないわけではなく、常にこれらの処理ループを繰り返しながら、必要な制御を行うようになっている。
【0064】
次に、給湯・追焚装置2のメイン処理(図4)で説明したドレンタンク62の管理について、図5を参照する。図5は、ドレンタンクの管理処理を示すフローチャートである。なお、この処理内容は、一例であって、本発明がこの処理内容に限定されるものではない。
【0065】
このドレンタンク62の管理処理では、ドレンタンク62内に溜められたドレン60の水位監視や追焚管路46の使用状態監視に基づいて、ドレン60の排出処理を行うか否かの判断を行っている。そこで、ドレン60の水位が水位センサH106以上か否かの判断を行う(ステップS11)。即ち、ドレンタンク62内の水位が限界水位まで達しているか否かの判断を行っている。これにより、水位センサH106以上の場合(ステップS11のYES)、追焚管路46が使用中か否かの判断を行う(ステップS12)。即ち、この給湯・追焚装置2では、ドレン60の排出処理に追焚管路46の一部を利用していることから、例えば、浴槽水BWの追焚中や浴槽6への注湯中である場合には、ドレン60の排出を行わない。追焚管路46が使用中か否かの判断では、例えば、循環ポンプ54が停止しているか、注湯電磁弁40が閉状態か、追焚管路46や浴槽6への注湯動作を行っているかにより判断する。
【0066】
追焚管路46が使用中でない場合(ステップS12のNO)には、ドレン60の排出処理に移行する(ステップS13)。また、ドレン60が水位センサH106以上でない場合(ステップS11のNO)や、追焚管路46が使用中の場合(ステップS12のYES)には、ドレン60の排出処理を行うことなく、この処理を終了する。
【0067】
次に、給湯・追焚装置のドレン排出装置によるドレン排出処理について、図6を参照する。図6は、ドレン排出処理の内容を示すフローチャートである。なお、図6に示すドレン排出処理の内容は、一例であって、本発明がこの処理内容に限定されるものではない。
【0068】
この実施の形態に係るドレン排出処理は、図5のステップS11及びS12により、ドレンタンク62内の水位が水位センサH106以上となり、かつ追焚管路46が使用中でない場合にドレン排出タイミングとして行われる。ドレン排出処理は、まず、追焚管路46上に配置された切替弁64、3方弁66を切替え、ドレンタンク62から浴室のドレンパン68等へのドレン排出経路を形成するとともに、2方弁58を閉状態にする。その後、循環ポンプ54を動作させてドレン60を排出する。ドレン60の排出はドレンタンク62内の水位が所定レベルとして、例えば水位センサL108未満になるまで続ける。ドレンタンク62内の水位が下限の水位センサL108未満になると、循環ポンプ54の駆動を停止させる。
【0069】
ドレン60の排水処理後は、追焚管路46内の洗浄処理に移行する。まず、切替弁64を追焚可能な状態、即ち、浴槽6側から循環ポンプ54側に通水可能な状態に戻し、その後、2方弁58を閉止した状態で注湯管路38を通じて、給湯側から注水を行う。この作業により追焚管路46内に残留したドレン60をドレンパン68に排水でき、追焚管路46の洗浄ができる。洗浄後は注水を停止し、3方弁ユニット116の3方弁66を熱交換器14から循環金具48への流れになるように切替え、2方弁58を開放状態に切替え、元の通常運転の状態に戻して、ドレン60の排出処理を終了する。
【0070】
以上の処理について、図6に即して説明すると、ドレン排出処理に移行したら、3方弁66を排出側に切替える(ステップS21)。即ち、3方弁ユニット116(図2)の弁部127の向きを排出側に切替える。
【0071】
次に、切替弁64を切替えて、追焚管路46とドレンタンク62とを接続し、ドレン60が追焚管路46側に流入可能な状態にする(ステップS22)。
【0072】
また、追焚管路46に配置された2方弁58を閉止する(ステップS23)。
【0073】
以上の処理により、ドレン60の排出経路が形成した後、循環ポンプ54を駆動させる(ステップS24)。循環ポンプ54の駆動は、ドレンタンク62内のドレン60の水位が水位センサL108未満になるまで継続して行われる。即ち、ドレン60の水位が水位センサL108以上か否かの判断を行い(ステップS25)、水位センサL108以下になるまで循環ポンプ54を駆動させる(ステップS25のYES)。そして、ドレンタンク62内が水位センサL108未満となった場合(ステップS25のNO)には、循環ポンプ54を停止させる(ステップS26)。
【0074】
続いて、追焚管路46内の配管洗浄処理に移行する。3方弁66及び2方弁58はドレン排出処理の状態のままにし、切替弁64を2方弁58から循環ポンプ54側に流せる状態に切替える(ステップS27)。次に、注湯管路38から洗浄用に湯又は水を追焚管路46側に注水する(ステップS28)。ここで供給された湯又は水は、2方弁58が閉止状態であるため、切替弁64、循環ポンプ54、追焚用熱交換器14内を通り、追焚管路46の往き管462内を通って、3方弁66側に流れる。3方弁66の排出口には、浴室等の排出側にドレン60を導く排水管路70が設置されており、水及びドレン60は、浴室のドレンパン68側に流される。
【0075】
以上の構成により、循環ポンプ54や追焚管路46に残留したドレン60が排出される。洗浄の終了は例えば、追焚管路46に上水が行き渡ったときとし、注湯量センサ42にて流量が所定量になるまでとしたり、注湯電磁弁40の開放時間をタイマ134により設定してもよい。
【0076】
上記のように、所定の洗浄処理時間が経過したら、2方弁58を開放させる(ステップS29)とともに、3方弁66を切替え、排出側への流れを浴槽6側に切替え(ステップS30)、ドレン60の排出処理を終了する。
【0077】
斯かる構成によれば、ドレンタンク62に溜まったドレン60の排出処理に関し、追焚管路46や循環ポンプ54を利用してドレン60の排出処理が行え、かつ、浴槽6の手前に設置した3方弁66によって、ドレン60を浴室に設置されたドレンパン68等に排出することができるので、別途ドレン排出用の配管等が不要であり、機器の小型化や低コスト化を図ることができる。また、既存の配管を利用しているが、追焚管路46が使用されていないことを監視して、ドレン60の排出処理を行うとともに、注湯による配管洗浄処理を行うので、ドレン60が浴槽水BWに混入するのを防止できる。また、追焚管路46の戻り管461上において、ドレン60の排出路を形成する切替弁64よりも上流側に2方弁58を配置し、かつ2方弁58と3方弁66の間に注湯管路38を配置したことで、ドレン60の排出時及び配管洗浄時のいずれにおいても、ドレン60が追焚管路46内を逆流して、浴槽6内に混入することがない。
【0078】
〔第2の実施の形態〕
【0079】
本発明の第2の実施の形態に係る給湯・追焚装置について、図7を参照する。図7は、第2の実施の形態に係る給湯・追焚装置の構成を示す図である。なお、第1の実施の形態と共通部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、図7に示す構成は一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。
【0080】
この実施の形態に係る給湯・追焚装置2では、第1の実施の形態に係る給湯・追焚装置2に対し、追焚管路46上において、浴槽6側からの浴槽水BWの流入を防止する2方弁58を備えない構成であるとともに、ドレンタンク62と追焚管路46との接続を切替える切替弁64が、注湯管路38よりも上流側に接続される構成である。また、この切替弁64は、追焚管路46上において、浴槽6側と循環ポンプ54との接続と、ドレンタンク62と循環ポンプ54との接続とを切替える他、追焚管路46の閉止の3種類の状態を備える構成である。
【0081】
このような構成であっても、この給湯・追焚装置2は、第1の実施の形態と同様に、熱交換により発生したドレン60を溜め、所定のドレン排出タイミングになったら切替弁64及び3方弁66を切替え、追焚管路46を利用したドレン排出経路を形成する。
【0082】
また、ドレン60の排出処理後には、通常運転時において浴槽水BWと接触する可能性がある部分について、例えば、注湯による洗浄処理を行う。しかし、この実施の形態では、ドレンタンク62から追焚管路46側にドレン60を導く切替弁64が、洗浄処理時に注湯を行う注湯管路38よりも上流側に設置されている。そのため、配管洗浄処理において、湯等の注湯量が少ない場合や循環ポンプ54による循環速度が速い場合には、洗浄処理が不十分となる部分が発生する恐れがある。
【0083】
そこで、この実施の形態では、配管洗浄処理に浴槽水BWの一部を取り込む構成である。即ち、ドレン排出処理後に、浴槽6内に浴槽水BWがある場合には、その一部を追焚管路46内に流すことで、切替弁64と注湯管路38との間の管路部分144に対して、浴槽水BWによる洗浄を行うことができ、追焚管路46内にドレン60が残留するのを防止することができる。
【0084】
以上のような配管洗浄処理を含めた第2の実施の形態に係るドレン排出処理について、図8を参照する。図8は、第2の実施の形態に係るドレン排出処理の内容を示したフローチャートである。図8において、図6と同一処理については説明を省略する。また、図8に示す処理内容及び手順は一例であって、これに限定されるものではない。
【0085】
この実施の形態に係るドレン排出処理では、3方弁66及び切替弁64を切替え、追焚管路46の一部を利用したドレン排出経路を形成し、ドレン60を浴室等にあるドレンパン68に排出する。その後、追焚管路46内に残留するドレン60の洗浄処理に移行する。洗浄処理では、浴槽6内に浴槽水BWがあるか否かの監視を行い、浴槽水BWがある場合は浴槽水BWを利用して洗浄を行う。また、浴槽水BWが無い場合は、吸い込みにより注湯管路38の接続部と切替弁64の間の管路部分144に残るドレン60を注湯管路38の接続部より3方弁66側へ移動させ、注湯による洗浄を行う。
【0086】
なお、この実施の形態において、メイン処理のフローチャート及びドレンタンク管理処理のフローチャートは第1の実施の形態と同様に行う。
【0087】
まず、3方弁66を排水管路70側に切替える(ステップS41)とともに、切替弁64を切替え、ドレンタンク62と追焚管路46とを接続する(ステップS42)。次に、循環ポンプ54を駆動させ(ステップS43)、ドレン60の排出処理を開始する。ドレンタンク62内のドレン60の水位が水位センサL108未満になったら(ステップS44のNO)、循環ポンプ54を停止させ(ステップS45)、ドレンタンク62からのドレン排出を終了させる。この場合、循環ポンプ54を停止させる条件をドレン60の水位によっているが、これに限られず、所定時間として例えば、ドレンタンク62内のドレン60の排出に必要な時間分だけ駆動するようにしてもよい。
【0088】
次に、追焚管路46等の洗浄処理に移行するため、切替弁64を切替えて、追焚管路46とドレンタンク62との接続を解除し、接続を浴槽6側に切替える(ステップS46)。
【0089】
ここで、上記のように、浴槽6内の浴槽水BWがある場合には、浴槽水BWによって追焚管路46の配管洗浄を行うために、循環ポンプ54を駆動させる(ステップS47)。この場合、浴槽水BWがある場合には、循環ポンプ54により吸い上げられた浴槽水BWが追焚管路46内に流入するので、流水スイッチ56のONによって、浴槽水BWがあることが確認できる(ステップS48)。
【0090】
流水スイッチ56による検出の結果、浴槽6内に浴槽水BWがある場合(ステップS48のYES)には、例えば、浴槽水BWが3方弁66までいきわたる程度の時間として、所定時間Tが経過するまで浴槽水BWの吸い上げを行い(ステップS49)、所定時間が経過したら(ステップS49のYES)、循環ポンプ54を停止させる(ステップS50)。その後、3方弁66の流出口を排出側から浴槽6側に切替える(ステップS51)。
【0091】
また、流水スイッチ56による検出の結果、浴槽6内に浴槽水BWが無い場合(ステップS48のNO)には、循環ポンプ54を停止させる(ステップS52)。この場合、注湯管路38の接続部分と切替弁64との間の管路部分144に残るドレン60は3方弁66側に排出されている。次に、追焚管路46に残留したドレン60が追焚管路46の戻り管461を逆流して、浴槽6側に流入するのを防止するため、切替弁64を閉止状態に切替える(ステップS53)。そして、注湯電磁弁40を開き、湯又は水を注湯管路38から注水する(ステップS54)。この場合、追焚管路46に流れる湯又は水は、切替弁64が閉止状態であるため、循環ポンプ54、熱交換器14、及び3方弁66に流れ込み、追焚管路46内に残ったドレン60が洗い流され、3方弁66から排出される。
【0092】
洗浄処理の終了タイミングは、例えば、追焚管路46内から3方弁66側に上水がいきわたる程度の時間を設定すればよく、また、注湯量センサ42により所定の流量が流れたことを検出してもよい。また、注湯電磁弁40の開放時間を所定時間に設定し、タイマ134等でカウントするようにしてもよい。洗浄処理の終了タイミングとなった場合には、注湯電磁弁40を閉止させる。また、切替弁64の閉止状態を解除し、追焚管路46が浴槽6と循環ポンプ54との間で通水可能な状態に切替え(ステップS55)、ステップS51の3方弁66の排出口を浴槽6側に切替えて、終了する。
【0093】
斯かる構成により、ドレンタンク62に溜まったドレン60の排出処理に関し、追焚管路46や循環ポンプ54を利用してドレン60の排出処理が行え、かつ、浴槽6の手前に設置した3方弁66によって、ドレン60を浴室に設置されたドレンパン68等に排出することができるので、別途ドレン排出用の配管等が不要であり、機器の小型化や低コスト化を図ることができる。また、追焚管路46が使用されていないことを監視して、ドレン60の排出処理を行うとともに、注湯による配管洗浄処理を行うので、ドレン60が浴槽6内に混入するのを防止できる。また、追焚管路46に2方弁を別途設置することなくドレン60の排出処理を行える。また、配管洗浄を行えるので、設備の簡略化や弁の切替え制御の簡略化を図ることができる。また、設置工程の簡略化や省コスト化を図ることができる。
【0094】
〔他の実施の形態〕
【0095】
(1) 上記実施の形態では、3方弁66を備えた3方弁ユニット116が浴室内の循環金具48の手前に設置されて、浴槽6側とドレンパン68等への排出側との切替えを行っているが、これに限られず、図9に示すように、追焚管路46と浴槽6とを接続する循環金具48と一体型の3方弁ユニット200としてもよい。この場合、例えば、3方弁ユニット200の下側に追焚管路46の戻り管461、上側に往き管462が構成されている。そして、3方弁ユニット200の内部には、往き管462の途中に、給湯・追焚装置2側で追焚された浴槽水BW又は排出されてきたドレン60に応じて、流れを浴槽6側と排水管路70側とに切替える弁部202が構成されている。
【0096】
斯かる構成により、ドレン60の排出制御に応じて弁部202を切替えることで、ドレン60を浴槽6内に混入させることがなく、上記目的を達成することができ、また、3方弁66を循環金具48と一体にしたことで、より省スペース化や設置工程の省略等を図ることができる。
【0097】
(2) 上記実施の形態において、図5のドレンタンク管理処理では、追焚管路46が使用中の場合には、ドレン60の排出処理を行わないようにしているが(ステップS12)、ドレンタンク62内の水位が水位センサH106を大きく超えるような場合には、強制的に排出処理に移行するようにしてもよく、例えば、浴槽6への自動湯張りや追焚動作を一時中断し、排出処理を開始するようにしてもよい。そして、ドレン60の排出処理が完了したときには、中断した追焚処理や注湯処理を再開するようにしてもよい。斯かる構成によっても、本発明の目的を達成することができる。
【0098】
(3) 上記実施の形態において、ドレンタンク62からのドレン排出処理において、循環ポンプ54を停止させる条件をドレンタンク62内のドレン60の水位を基準に定めているが、これに限られず、予め設定された所定時間として、例えば、ドレンタンク62内ドレン60の排出に必要な時間に応じて駆動するようにしてもよい。斯かる構成によれば、例えば、周期的にドレン排出に要する時間を確保できる時間帯にドレン60の排出を行う等、計画的な排出処理が可能となり、ドレン60の排出タイミングと、給湯・追焚装置2の使用タイミングとが重なるのを防止することができる。また、ドレン60の排出に要する時間のカウントと、ドレンタンク62内の水位センサ106、108とを併用するようにしてもよく、例えば、所定時間が経過しても水位が下がらない場合には、ドレン排出手段の異常を検知するようにしてもよい。
【0099】
(4) 上記実施の形態では、配管洗浄処理において、浴槽6内に浴槽水BWがある場合には、浴槽水BWを利用して配管洗浄を行う構成であるが、例えば、注湯による洗浄を行う前に浴槽水BWの吸い込みを行い、その後、注湯管路38から湯又は水を注水するようにしてもよい。斯かる構成によっても上記目的を達成することができる。
【0100】
(5) 上記実施の形態において、ドレンタンク62内のドレン60の水位が水位センサH106を大きく超えている場合等において、上記のようにドレン60の排出を優先する場合に、リモコン装置112、114に設置した音報知部142や表示部140を利用して報知処理を行うようにしてもよい。
【0101】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、既設の追焚管路を利用して機器外へのドレンの排出を行え、ドレン専用の配管を不要とし、機器の小型化や低コスト化を図ることができる。また、ドレンの排出処理に合わせて、追焚管路の洗浄処理を行うので、排出処理後の追焚処理で、追焚管路に残留したドレンが浴槽水に混入するのを防止でき、有用である。
【符号の説明】
【0103】
2 給湯・追焚装置
4 給湯用燃焼室
6 浴槽
8 追焚用燃焼室
10 一次熱交換器
12 二次熱交換器
14 追焚用熱交換器
24 給湯管路
38 注湯管路
40 注湯電磁弁
42 注湯量センサ
46 追焚管路
461 戻り管
462 往き管
48 循環金具
52 水位センサ
54 循環ポンプ
56 流水スイッチ
58 2方弁
60 ドレン
62 ドレンタンク
64 切替弁(第1の切替手段)
66 3方弁(第2の切替手段)
68 ドレンパン
70 排水管路
94 ドレン受け
96 ドレン管路
98 中和器
104 排水口
106 水位センサH
108 水位センサL
110 制御装置
116 3方弁ユニット
118 接続口(流入口)
120 接続口(浴槽側)
122 接続口(排水側)
126 制御部
127 弁部
136 制御部(リモコン)
140 表示部
142 音報知部
144 管路部分
200 3方弁ユニット(変形例)
202 弁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼排気を熱交換する熱交換器を備え、給湯機能と浴槽追焚機能とを有する給湯・追焚装置のドレン排出装置であって、
前記熱交換器の熱交換で発生したドレンを回収するドレン回収手段と、
前記ドレン回収手段に回収された前記ドレンを前記給湯・追焚装置の追焚管路に流すドレン管路と、
前記追焚管路からの前記ドレンの排出を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするドレン排出装置。
【請求項2】
更に、
前記ドレン管路を前記追焚管路側に切り替える切替手段を備え、
前記制御手段は、前記切替手段を制御し、前記ドレンを前記ドレン管路より前記追焚管路に導き、排水側に流すことを特徴とする請求項1に記載のドレン排出装置。
【請求項3】
更に、
前記追焚管路に設置されたポンプと、
前記追焚管路に切替手段を介して接続されたドレン排出路と、
を備え、
前記制御手段は、前記切替手段を切り替え、前記ポンプを駆動して前記ドレンを前記ドレン管路から前記追焚管路に導き、前記ドレン排出路から排水側に流出させることを特徴とする請求項1又は2に記載のドレン排出装置。
【請求項4】
更に、
前記ドレン回収手段は、前記ドレンを所定の排出タイミングまで溜めるドレンタンクと、
前記ドレンタンク内に溜められた前記ドレンの水位を検出する水位センサと、
を備え、
前記制御手段は、前記水位センサによる検出結果により、前記ドレンタンク内の前記ドレンの水位が所定値に達した場合、浴槽水の追焚処理及び/又は前記浴槽側への注湯動作を停止させ、ドレン排出処理に移行させることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のドレン排出装置。
【請求項5】
更に、
前記追焚管路内の浴槽水の流れを検出する流水検出手段を備え、
前記制御手段は、前記流水検出手段の検出結果により、前記追焚管路に前記浴槽水が流れている場合には、前記ドレンの排出処理に移行しないことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のドレン排出装置。
【請求項6】
更に、
前記追焚管路を洗浄する洗浄手段を備え、
前記制御手段は、前記ドレンの排出処理の終了後に前記切替手段を切替え、前記追焚配管に洗浄用水を流すことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のドレン排出装置。
【請求項7】
更に、
前記追焚管路内に浴槽水の流入を防ぐ流入防止弁と、
前記追焚管路内に湯又は水を注水する注水管路と、
を備え、洗浄タイミングになったときに、前記切替手段を切替え、前記流入防止弁を閉止し、前記注水管路から前記追焚管路に湯又は水を注水して前記追焚管路内の洗浄処理を行うことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のドレン排出装置。
【請求項8】
前記追焚配管の洗浄に浴槽水又は前記追焚管路に供給される上水を使用し、前記制御手段は、配管洗浄時、前記ポンプを回転させることを特徴とする請求項3、6又は7の何れかに記載のドレン排出装置。
【請求項9】
燃焼排気を熱交換する熱交換器を備え、給湯機能と浴槽追焚機能とを有する給湯・追焚装置のドレン排出方法であって、
前記熱交換器による熱交換で発生したドレンを回収するステップと、
回収した前記ドレンをドレン管路から前記追焚管路に流し、前記追焚管路からの前記ドレンの排出を制御するステップと、
を含むことを特徴とするドレン排出方法。
【請求項10】
更に、
前記追焚管路内の浴槽水の流れを検出するステップを含み、
流水検出結果により、前記追焚管路に前記浴槽水が流れている場合には、前記ドレンの排出処理に移行しないことを特徴とする請求項9に記載のドレン排出方法。
【請求項11】
更に、
洗浄タイミングになったときに、前記切替手段を切替えるステップと、
流入防止弁を閉止して、前記追焚管路内への浴槽水の流入を防ぐステップと、
注水管路から前記追焚管路に湯又は水を注水して前記追焚管路内の洗浄処理を行うステップと、
を含むことを特徴とする請求項9又は10に記載のドレン排出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−69610(P2011−69610A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258737(P2010−258737)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【分割の表示】特願2008−123675(P2008−123675)の分割
【原出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000170130)高木産業株式会社 (87)
【Fターム(参考)】