説明

ドロネダロンの新規な調製方法

本発明の主題は、式IのN−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド(ドロネダロン)の調製のための新規な方法および該調製方法の新しい中間体である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式IのN−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)−プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド(ドロネダロン)およびその医薬的に許容される塩の調製のための新規な方法に関し、該調製方法の新しい中間体に関する。
【0002】
【化1】

【背景技術】
【0003】
式Iのドロネダロンは、心血管系の特定の病理学的変化の治療、特に、狭心症、高血圧、不整脈および脳血液循環不足の治療に使用される(EP0471609B1)。
【0004】
式Iのドロネダロンの調製方法には、幾つかの公知の方法がある。1つの先行技術の方法(EP0471609B1)は、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンジルブロミド(VII)
【0005】
【化2】

を、トリフェニルホスフィンと反応させ、このようにして得られた2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンジル−トリフェニル−ホスホニウムブロミド(VIII)
【0006】
【化3】

を塩化ペンタノイルと反応させ、2−n−ブチル−5−ニトロ−ベンソフラン(IX)
【0007】
【化4】

が得られる。
【0008】
Friedel−Craftsの条件下で塩化アニソイルを用いてIXを処理することにより、2−n−ブチル−3−(4−メトキシ−ベンゾイル)−5−ニトロ−ベンゾフラン(X)
【0009】
【化5】

が得られ、これを塩化アルミニウムの存在下で加熱することによって、2−n−ブチル−3−(4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−5−ニトロ−ベンゾフラン(XI)
【0010】
【化6】

が得られる。
【0011】
2−n−ブチル−3−(4−メトキシベンゾイル)−5−ニトロ−ベンゾフラン(X)は変異原性であり、塩化アルミニウムは健康に害があるので、この最後の反応ステップの工業的応用は困難を伴う。得られた2−n−ブチル−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−5−ニトロ−ベンゾフラン(XI)と、ジブチルアミノ−プロピルクロリドとの反応において、2−n−ブチル−3−[4−(3−ジブチルアミノ−プロポキシ)ベンゾイル]−5−ニトロ−ベンソフラン(XII)
【0012】
【化7】

が供給され、これが酸化白金触媒の存在下で、5−アミノ−2−n−ブチル−3−[4−(3−ジブチルアミノ−プロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン(XIII)
【0013】
【化8】

に還元される。
【0014】
最終的に、XIIIはメシル化され、ドロネダロン(I)が得られる。
【0015】
これは、次のステップでますます複雑な分子を使用する、所望の分子が段階的に構成される線形合成である。
【0016】
式Iのドロネダロンの調製の別の先行技術の方法は、公開番号WO02/48078の特許出願に記載されている。この方法において、2−n−ブチル−5−ニトロ−ベンゾフラン(IX)を、4−[3−(ジブチルアミノ)−プロポキシ]ベンゾイルクロリド(XIV)
【0017】
【化9】

と、Friedel−Craftsの条件下で反応させ、このようにして得られた2−n−ブチル−3−[4−(3−ジブチルアミノ−プロポキシ)ベンゾイル]−5−ニトロ−ベンゾフラン(XII)は、酸化白金触媒の存在下で、5−アミノ−2−n−ブチル−3−[4−(3−ジブチルアミノ−プロポキシ)ベンゾイル]ベンソフラン(XIII)に還元される。
【0018】
後者のメシル化により、ドロネダロン(I)が得られる。しかし、最後の過程であるメシル化ステップにおいて、二重にメシル化された誘導体もまた形成され、収率は低く、カラムクロマトグラフィーによるドロネダロンの精製は複雑である。従って、該方法の工業的応用は経済的ではない。
【0019】
ドロネダロン(I)の調製の第3の公知の方法は、公開番号WO02/48132の特許出願に開示されている。この超収束性の方法は、以下のステップを含む:
5−アミノ−2−n−ブチル−ベンゾフラン(XV)
【0020】
【化10】

をメシル化し、得られた2−n−ブチル−5−メシルアミノ−ベンゾフラン(III)
【0021】
【化11】

を、4−[3−(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロリドの塩酸塩(XIVa)
【0022】
【化12】

と、Friedel−Craftsの条件下で反応させ、ドロネダロンの塩酸塩(Ia)
【0023】
【化13】

が得られる。
【0024】
この方法において、反応ステップの順序は変更され、還元ステップおよびメシル化ステップが合成の始めにある。
【0025】
この方法は、反応ステップの数に関して、非常に単純および経済的である。しかし、その欠点は、最後のステップにおいて、ドロネダロンの塩酸塩が実質的に汚染された形態で得られることである。このことは、Friedel−Crafts反応中のジブチルアミノ−プロピル基の存在によって説明可能である。公開された実施例において収率は90%であり、精製ステップにおいて、初めは未加工のドロネダロン塩酸に、その後、イソプロパノール中塩化水素溶液を用いた次の処理を行うことによって、精製されたドロネダロン塩酸塩が得られる(90%)。
【0026】
該方法の別の欠点は、Friedel−Crafts反応に使用する反応物質および得られた副産物は水に不溶であり、従って水性の洗浄によってこの系から除去できないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】欧州特許第0471609号明細書
【特許文献2】国際公開第02/48078号
【特許文献3】国際公開第02/48132号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明者らの目的は、ドロネダロンおよびその医薬的に許容される塩の調製のための新規な方法を成立させることであり、この方法は、上述の不利益を回避し、経済的であり、工業的に応用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明者らは、一般式(II)のベンゾフラン誘導体
【0030】
【化14】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)を、ジブチルアミンと反応させ、場合によりその塩に変換した場合、この方法は前述の方法の不利益を回避し、経済的であり、さらに工業的応用に適していることを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0031】
1種の反応物質はジブチルアミンであり、ジブチルアミンは揮発性物質であり、従って、系から除去でき、作業終了後に再使用でき、他は一般式(II)の化合物(式中、Xの意味は上に定義したとおりである。)であり、一般式(II)の化合物は適用された反応条件下で十分に処理できる。適切な反応条件を選ぶことによって、式(I)のドロネダロンを、適切な純度および収率で得ることができ、副産物は形成されず、反応混合物中にわずか数パーセントの未反応の出発物質が残存することがあるが、これは再使用できる。
【0032】
本発明に従って、一般式(II)の化合物(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)と、ジブチルアミンとの反応を、等量または過剰のジブチルアミンを使用して実施する。該反応は、有機溶媒中または有機溶媒の混合物中で実施する。有機溶媒に関してはケトン(アセトン、メチルエチルケトン)、有機溶媒の混合物に関してはケトンおよび芳香族炭化水素(キシレン、トルエン)の混合物を使用する。場合により、他の有機溶媒およびこれらの混合物もまた使用できる。
【0033】
本発明に従って、一般式(II)の化合物(式中、Xの意味は上に定義したとおりである。)を、場合により触媒の存在下でジブチルアミンと反応させる。一般式(II)において、Xの意味が塩素原子または臭素原子である場合、ヨウ化物(例えばヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムなど)を触媒として使用する。一般式(II)において、Xの意味がヒドロキシル基である場合、[Ru(p−シメン)Clおよび1,1’−bis−(ジフェニルホスフィノ)フェロセンまたは[Ru(p−シメン)Clおよびbis−(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エステル化合物を使用する。一般式(II)において、Xの意味がヨウ素原子または活性ヒドロキシル基である場合、触媒は使用しない。
【0034】
一般式(II)の化合物(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)と、ジブチルアミンとの反応は、適用する溶媒の沸点または60から120℃の間で実施する。
【0035】
一般式(II)の化合物において、ヒドロキシル基は、メチルスルホニルにより活性化されても、または置換ベンゼンスルホニル基であってもよい。ベンゼンスルホニル基の置換基は、C1−4のアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基であってよい。
【0036】
本発明の一実施形態に従って、2−n−ブチル−5−メシルアミノ−ベンゾフラン(III)
【0037】
【化15】

を、一般式(IV)の酸ハロゲン化物
【0038】
【化16】

(式中、
Yは塩素原子または臭素原子を表し、Xはハロゲン原子または保護されたヒドロキシル基を表す。)と反応させ、このようにして得られた式(II)の化合物(式中、Xの意味は上に定義したとおりである。)を、上記の様式でジブチルアミンと反応させ、式(I)のドロネダロンを得る。
【0039】
本発明に従って、式(III)のベンゾフラン誘導体と、一般式(IV)の酸ハロゲン化物(式中、XおよびYの意味は上に定義したとおりである。)との反応は、ハロゲン化有機溶媒またはニトロベンゼン中でFriedel−Crafts触媒の存在下で実施する。
【0040】
(III)および(IV)の化合物の反応は、温度10から80℃の範囲内で実施する。
【0041】
本発明の別の実施形態に従って、一般式(VI)の化合物
【0042】
【化17】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)を、水素化反応に供し、このようにして得られた、一般式(V)の化合物
【0043】
【化18】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)をメシル化し、得られた式(II)の化合物を、上記の様式でジブチルアミンと反応させ、式(I)のドロネダロンを得る。
【0044】
式(VI)の化合物の水素化反応は、触媒の存在下で実施する。本方法の1つのバージョンにおいて、パラジウム触媒を使用する。本方法の別のバージョンにおいて、白金触媒を適用する。式(VI)の化合物の水素化反応は、有機溶媒中で、温度範囲10から80℃において実施される。
【0045】
式(V)化合物のメシル化は、塩化メタンスルホニルまたはメタンスルホン酸無水物を用いて実施する。式(V)の化合物のメシル化は、不活性溶媒中で実施する。該反応の好ましい一実施形態に従って、エーテルまたはハロゲン化溶媒を使用する。式(V)の化合物のメシル化は、温度範囲5から80℃において実施する。式(V)の化合物のメシル化は、塩基の存在下で実施する。該反応の好ましい一実施形態に従って、アミン(ピリジン、トリエチルアミン)を塩基として使用する。
【0046】
一般式(II)のベンゾフラン誘導体
【0047】
【化19】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)、
一般式(V)のベンゾフラン誘導体、
【0048】
【化20】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)、
および
一般式(VI)のベンゾフラン誘導体
【0049】
【化21】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)は新しい化合物であり、文献では知られていない。
【0050】
本発明の一実施形態において、一般式(II)の化合物(式中、Xの意味は上に定義したとおりである。)は、式(III)の化合物と、一般式(IV)の化合物(式中、Yは塩素原子または臭素原子を表し、Xはハロゲン原子または保護されたヒドロキシル基を表す。)とを反応させることによって調製される。式(III)の化合物は公知であり、5−アミノ−2−n−ブチル−ベンゾフランのメシル化によるその調製は、特許出願WO02/048132に記載されている。一般式(IV)の化合物(式中、XおよびYの意味は上に定義したとおりである。)もまた文献により知られており、その調製は、特許EP0471609B1に開示されている。
【0051】
本発明の別の実施形態において、一般式(II)の化合物(式中、Xの意味は上に定義したとおりである。)は、一般式(V)の化合物(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を意味する。)のメシル化によって調製される。一般式(V)の化合物(式中、Xの意味は上に定義したとおりである。)は、一般式(VI)のベンゾフラン誘導体(式中、Xの意味は上に定義したとおりである。)の接触水素化によって調製される。一般式(VI)の化合物(式中、Xは臭素原子を表す。)は、文献により公知である。化合物それ自体およびその調製は、特許EP0471609B1の出願人によって開示されている。ベンゾフラン誘導体(XI)から、一般式(VI)の化合物(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を意味する。)の調製は、EP0471609B1に記載の方法の類似によって実施する。
【0052】
本発明のさらなる詳細は、以下の実施例によって明示するが、特許請求の範囲は実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0053】
[実施例1]
2−n−ブチル−5−ニトロ−1−ベンゾフラン−3−イル)−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]メタノン、一般式(VI)の化合物(式中、Xは塩素原子である。)
40gの(2−n−ブチル−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−5−ニトロ−ベンゾフラン(XI)を、320mlのメチルエチルケトンに溶解し、この溶液に、48.9gの炭酸カリウムを加えた。撹拌しながら、37.2gの1−ブロモ−3−クロロプロパンを加え、この混合物を加熱還流(81から82℃)し、この温度で4時間撹拌した。冷却後、固体の塩をろ過して除き、3×20mlのメチルエチルケトンで洗浄した。ろ液を蒸発させた。1−ブロモ−3−クロロプロパンを過剰に含有する、除去されたメチルエチルケトンは、次の反応に使用する。
【0054】
生成物の質量:44.93g(99.1%)
純度(HPLC):98.9%
分子量:(計算):416.1265Da
(測定):416.1274Da
H NMR(DMSO):0.84ppm(t,J=7.4Hz,3H);1.27ppm(6’,2H);1.72ppm(5’,2H);2.26ppm(5’,J=6.5Hz,2H);2.88ppm(t,J=6.5HZ,2H);3.86ppm(t,J=6.5Hz,2H);4.26ppm(t,J=6.0Hz;2H);7.17ppm(d,J=8,8Hz,2H);7.86ppm(d,J=8.7Hz,2H);7.96ppm(m,1H);8.29ppm(m,1+1H)
【0055】
[実施例2]
(5−アミノ−2−n−ブチル−ベンゾフラン−3−イル)−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]メタノン、一般式(V)の化合物(式中、Xは塩素原子である。)
ターボ撹拌機を装備した500mlの水素化反応器に、93.8gの(2−n−ブチル−5−ニトロ−1−ベンゾフラン−3−イル)−[4−(3−クロロ−プロポキシ)フェニル]−メタノン(一般式(VI)の化合物(式中、Xは塩素原子である。))および470mlの無水エタノールを加え、その後、4.9gの10%パラジウム炭素触媒を加えた。反応混合物を、800回転/分の速度で撹拌しながら、50℃に加熱した。冷却下で、5barの圧力下において水素を反応器に配置し、混合物をこの圧力および温度において2時間撹拌した。冷却後、触媒をろ過して除き、溶媒を除去した。
【0056】
生成物の質量:85.46g(98%)
純度(HPLC):93.8%
分子量:(計算):386.1523Da
(測定):386.1524Da
H NMR(DMSO):0.82ppm(t,J=7.4Hz,3H);1.24ppm(6’,2H);1.64ppm(5’,2H);2.22ppm(5’,2H);2.75ppm(t,J=7.6Hz,2H);3.78ppm(t,J=6.4Hz,2H);4.9ppm(t,J=5.9Hz,2H);6.62ppm(d,J=2.3Hz,1H);6.65ppm(dd,J=8.7、2.3Hz,1H);7.05ppm(d,J=8.6Hz,2H);7.22ppm(d,J=8.7Hz,1H);7.77ppm(d,J=8.7Hz,2H)
【0057】
[実施例3]
(5−アミノ−2−n−ブチル−ベンゾフラン−3−イル)−[4−(3−ブロモ−プロポキシ)フェニル]メタノン、一般式(V)の化合物(式中、Xは臭素原子である。)
実施例2に記載の方法に従い、(2−n−ブチル−5−ニトロ−1−ベンゾフラン−3−イル)−[4−(3−ブロモプロポキシ)フェニル]メタノン(一般式(VI)の化合物(式中、Xは臭素原子である。))から出発した。
【0058】
生成物の収率:97.6%
純度(HPLC):92.4%
分子量:(計算):430.1018Da
(測定):430.1032Da
H NMR(DMSO):0.83ppm(t,J=6.8Hz,3H);1.26ppm(t,J=6.8Hz,2H);1.69ppm(m,2H);2.25ppm(m,1H);2.33ppm(m,1H);2.84ppm(m,2H);3.72ppm(m,1H);3.86ppm(m,1H);4.25ppm(m,2H);7.15ppm(d,J=8.1Hz,2H);7.39ppm(d,8.1Hz,1H);7.51ppm(S,1H);7.82ppm(d,J=8.1Hz,3H)
【0059】
[実施例4]
N−(2−n−ブチル−3−4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾイル)ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド、一般式(II)の化合物(式中、Xは塩素原子である。)
8.7gの(5−アミノ−2−n−ブチル−ベンゾフラン−3−イル)−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]メタノン(一般式(V)の化合物(式中、Xは塩素原子である。))を、90mlのジクロロメタン中で、完全に溶解するまで撹拌した。この溶液を15℃まで冷却し、この温度を保ちながら1.8gのピリジンを加え、次いで、15℃において、2.6gの塩化メタンスルホニルを15分で滴下した。反応混合物をHPLCによって検査後、さらに0.19gのピリジンおよび0.26gの塩化メタンスルホニルを加え、30分間撹拌し続けた。反応混合物を、2×20mlの水、2×20mlの5%塩酸および2×20mlの5%NaHCO溶液で洗浄し、次いでこれを蒸発させた。
【0060】
生成物の質量:10.1g(96.6%)
純度:87.5%
無水エタノールからの結晶化(収率72%)後の、生成物の純度(HPLCによる。):100%
融点:109.7から110.3℃
H NMR(DMSO−D6):9.61ppm(1H)、7.82ppm(J=8.7Hz,2H)、7.65ppm(d,1H)、7.31ppm(dd,J=2.1Hz,1H)、7.24ppm(dd,J=8.8Hz,1H),7.14ppm(2H)、4.25ppm(t,J=6.0Hz,2H)、3.85ppm(t,J=6.4Hz,2H)、2.92ppm(S,2H)、2.84ppm(t,J=7.5Hz,2H)、2.25ppm(m,2H)、1.69ppm(m,2H)、1.28ppm(m,2H)、0.84ppm(t,J=7.3Hz,3H)
【0061】
[実施例5]
N−(2−n−ブチル−3−[4−(3−ブロモプロポキシ)−ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド、一般式(II)の化合物(式中、Xは臭素原子である。)
実施例4に記載の方法に従って(5−アミノ−2−n−ブチル−ベンゾフラン−3−イル)−[4−(3−ブロモプロポキシ)フェニル]メタノン(一般式(V)の化合物(式中、Xは臭素原子である。))から出発した。
【0062】
生成物の収率:95.8%
純度:86.8%(HPLC)
分子量:(計算):508.0793Da
(測定):508.0780Da
H NMR(DMSO):0.84ppm(t,J=7.3Hz,3H);1.26ppm(6’,2H);1.69ppm(5’,2H);2.33ppm(5’,2H);2.84ppm(t,J=6.5Hz,2H);2.92ppm(s,3H);3.73ppm(t,J=6.5Hz,2H);4.23ppm(t,J=6.0Hz,2H);7.14ppm(d,J=8.8Hz,2H);7.23ppm(dd,J=8.9、2.3Hz,1H、7.25ppm(d,J=2.1Hz,1H、7.66ppm(d,J=8.8Hz,1H、7.82ppm(d,J=8.8Hz,2H)
【0063】
[実施例6]
N−(2−n−ブチル−3−[4−(3−クロロプロポキシ)−ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド、一般式(II)の化合物(式中、Xは塩素原子である。)
5.2gの2−n−ブチル−5−メシルアミノ−ベンゾフラン(III)を、30mlのジクロロメタンと混合し、得られた懸濁液に5.55gの4−(3−クロロプロポキシ)安息香酸塩化物(一般式(IV)の化合物(式中XおよびYは塩素原子である。))をゆっくりと加えた。反応混合物を5℃に冷却し、温度を5から10°に保ちながら、3.89gの塩化鉄(III)を4つに分けて、15分で加えた。混合物を20℃において1時間撹拌し、その後40から45℃に加熱し、30分で54mlの水を加えた。混合物を、この温度で30分間撹拌した。まだ温かい相を分離させた。ジクロロメタン相を、2×16mlの5%NaHCO溶液と一緒に撹拌し、次いで2×16mlの水と一緒に撹拌することによって洗浄した。溶媒を蒸発によって除去した。
【0064】
生成物の質量:9.13g(98.4%)
純度(HPLC)89.6%.
無水エタノールによる結晶化(88%)後の、生成物の純度(HPLCによる。):100%
融点:109.8から110.2℃
該生成物は、実施例4において調製された生成物と同一である。
【0065】
[実施例7]
N−(2−n−ブチル−3−[4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド、一般式(II)の化合物(式中、Xは塩素原子である。)
反応を、実施例6に記載のように実施したが、ジクロロメタンの代わりにクロロベンゼンを溶媒として使用した。
【0066】
生成物の質量:97.6%
純度(HPLC):88.6%
【0067】
[実施例8]
N−(2−n−ブチル−3−[4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド、一般式(II)の化合物(式中、Xは塩素原子である。)
反応を、実施例7に記載のように実施したが、塩化鉄(III)代わりに塩化アルミニウム使用した。
【0068】
生成物の収率:96.8%
純度(HPLC):86.5%
【0069】
[実施例9]
N−(2−n−ブチル−3−[4−(3−ブロモプロポキシ)−ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド、一般式(II)の化合物(式中、Xは臭素原子である。)
35mlのジクロロメタン中5gの2−n−ブチル−5−メシルアミノ−ベンゾフラン(III)の懸濁液に、5.19gの4−(3−ブロモプロポキシ)ベンゾイルクロリド(一般式(IV)の化合物(式中Xは臭素原子であり、Yは塩素原子である。))をゆっくりと加えた。反応混合物を5℃に冷却し、温度を5から10℃に保ちながら、9gの塩化鉄(III)を5つに分けて、20分で加えた。混合物を20℃において1時間撹拌し、その後40から45℃に加熱し、30分で55mlの水を加えた。混合物を、この温度で40分間撹拌した。まだ温かい相を分離させた。ジクロロメタン相を、2×16mlの5%NaHCO溶液と一緒に撹拌し、次いで2×16mlの水と一緒に撹拌することによって洗浄した。溶媒を蒸発によって除去した。
【0070】
生成物の質量:8.1g(93.4%)
純度(HPLC)88.2%.
【0071】
該生成物は、実施例5において調製された生成物と同一である。
【0072】
[実施例10]
N−(2−n−ブチル−3−[4−(3−ブロモプロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド、一般式(II)の化合物(式中、Xは臭素原子である。)
反応を、実施例9に記載のように実施したが、ジクロロメタンの代わりにクロロベンゼンを溶媒として使用した。
【0073】
生成物の質量:7.9g
純度(HPLC):86.7%
【0074】
[実施例11]
N−(2−n−ブチル−3−[4−(3−ブロモプロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド、一般式(II)の化合物(式中、Xは臭素原子である。)
反応を、実施例9に記載のように実施したが、塩化鉄(III)の代わりに塩化アルミニウム触媒を使用した。
【0075】
生成物の質量:8.0g
純度(HPLC):85.6%
【0076】
[実施例12]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド、一般式(I)の化合物
5gのN−(2−n−ブチル−3−[4−(3−クロロプロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)−メタンスルホンアミド(一般式(II)の化合物(式中、Xは塩素原子である。))を、90mlのメチルエチルケトンに溶解し、その後、16.7gのジブチルアミンおよび6.46gのヨウ化ナトリウムを加え、混合物を16時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、100mlのジクロロメタンおよび100mlの水を加えた。相を分離させた。有機相を、50mlの5%塩酸と一緒に撹拌し、その後50mlの水と一緒に撹拌することによって洗浄した。溶媒を蒸留して除いた。溶媒から回収されたジブチルアミンは、次の反応に使用した。
【0077】
生成物の質量:5.9g(100.0%)
純度(HPLC):98.7%
生成物を、そのシュウ酸塩を介して精製した(90%)。
シュウ酸塩の純度(HPLC):100%
H NMR(DMSO):0.8−0.9ppm(m,9H);1.2−1.5ppm(m,10H);1.67ppm(5’,2H);1.87ppm(5’,2H);2.38ppm(t,J=7.2Hz,4H);2.57ppm(m,2H);2.81ppm(t,J=7.5Hz,2H);2.91ppm(s,3H);9.51ppm(t,J=6.2Hz,2H);7.09ppm(d,J=8.8Hz,2H);7.24ppm(dd,J=8.9、2.2Hz,1H);7.38ppm(d,J=2.1Hz,1H);7.65ppm(d,J=8.8Hz,1H);7.81ppm(d,J=8.8Hz,2H)
【0078】
[実施例13]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド、一般式(I)の化合物
反応を、実施例12に記載のように実施したが、ヨウ化ナトリウムの代わりにヨウ化カリウムを使用した。
【0079】
生成物の質量:100.0%
純度(HPLC):97.8%
【0080】
[実施例14]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド、一般式(I)の化合物
反応を、実施例12に記載のように実施したが、メチルエチルケトンの代わりにアセトンを使用した。
【0081】
生成物の質量:98.7%
純度(HPLC):97.1%
【0082】
[実施例15]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド、一般式(I)の化合物
反応を、実施例12に記載のように実施したが、メチルエチルケトンとトルエンとの9:1混合物を溶媒に使用した。
【0083】
生成物の収率:98.8%
純度(HPLC):98.7%
【0084】
[実施例16]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド、一般式(I)の化合物
反応を、実施例12に記載のように実施したが、一般式(II)の化合物(式中、Xは臭素原子である。)であるN−(2−n−ブチル−3−[4−(3−ブロモプロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミドを、出発物質に使用した。
【0085】
生成物の収率:98.7%
純度(HPLC):97.7%
該生成物は、実施例12において調製された生成物と同一である。
【0086】
[実施例17]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド、一般式(I)の化合物
反応を、実施例12に記載のように実施したが、出発物質がN−(2−n−ブチル−3−[4−(3−メタンスルホニルオキシ−プロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド(一般式(II)の化合物(式中、Xはメタンスルホニルオキシ基である。))であり、ヨウ化ナトリウムを使用しなかったことが異なる。
【0087】
生成物の収率:89.1%
純度(HPLC):98.1%
【0088】
[実施例18]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド、一般式(I)の化合物
反応を、実施例12に記載のように実施したが、出発物質が一般式(II)の化合物(式中、Xはトシルオキシ基である。)であるN−(2−n−ブチル−3−[4−(3−トシルオキシ−プロポキシ)ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミドであり、ヨウ化ナトリウムを使用しなかったことが異なる。
【0089】
生成物の収率:97.81%
純度(HPLC):97.6%
【0090】
[実施例19]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)−プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド、一般式(I)の化合物
0.5gのN−(2−n−ブチル−3−[4−(3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンゾイル]ベンゾフラン−5−イル)メタンスルホンアミド(一般式(II)の化合物(式中、Xはヒドロキシル基である。))を、8mlのトルエンに溶解した。この溶液に、1.5gのジブチルアミンおよび1.2mol%の[Ru(p−シメン)Clおよび2.5mol%の1,1’−bis−(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン触媒を加え、反応混合物を24時間還流し続けた。溶媒を蒸発によって除去し、残留物を10mlのジクロロメタンに溶解し、5mlの1%塩酸と一緒に撹拌し、その後10mlの水と一緒に撹拌することによって洗浄した。溶媒を蒸発によって除去した。
【0091】
生成物の質量:0.51g(82.5%)
純度(HPLC):92.4%
該生成物は、実施例12に従って調製された生成物と同一である。
【0092】
[実施例20]
N−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミド塩酸塩、
一般式(Ia)の化合物
5gのドロネダロン塩基を24mlのイソプロパノールに溶解し、そこに0.98gの37%塩酸を加えた。混合物を0℃に冷却し、この温度を5時間保った。沈殿した白い結晶を回収し、3.5mlのイソプロパノールで洗浄した。生成物を、50℃において真空下で乾燥させた。
【0093】
生成物の質量:5.2g(97.6%)
純度(HPLC):100%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

のN−[2−n−ブチル−3−{4−[(3−ジブチルアミノ)−プロポキシ]ベンゾイル}−1−ベンゾフラン−5−イル]メタンスルホンアミドおよびその医薬的に許容される塩の調製方法であって、一般式II
【化2】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)のベンゾフラン誘導体を、ジブチルアミンと反応させ、所望により、前記生成物の塩を形成させることを特徴とする方法。
【請求項2】
反応が、過剰のジブチルアミンを用いて実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応が、有機溶媒中または有機溶媒の混合物中で実施されることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
有機溶媒がケトンから選択されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ケトンが、アセトンまたはメチルエチルケトンであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
有機溶媒の混合物として、ケトンおよび芳香族炭化水素の混合物が使用されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
芳香族炭化水素として、トルエンまたはキシレンが使用されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
一般式IIにおいて、Xの意味が塩素原子もしくは臭素原子またはヒドロキシル基である場合、反応が触媒の存在下で実施されることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
一般式IIにおいて、Xの意味が塩素原子または臭素原子である場合、触媒がヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一般式IIにおいて、Xの意味がヒドロキシル基である場合、触媒が[Ru(p−シメン)Clおよび1,1’−bis−(ジフェニルホスフィノ)フェロセンまたは[Ru(p−シメン)Clおよびbis−(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エステル化合物であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
反応が、溶媒の沸点または温度60から120℃の間において実施されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
一般式IIにおいて、Xの意味が活性ヒドロキシル基である場合、活性基がメシルオキシ基または置換ベンゼンスルホニルオキシ基であることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
置換ベンゼンスルホニルオキシ基の置換基が、メチル基、ニトロ基またはハロゲン原子から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
式IIIのベンゾフラン誘導体
【化3】

を、式IVのベンゾイル塩化物
【化4】

(式中、
Yは塩素原子または臭素原子を表し、Xはハロゲン原子または保護されたヒドロキシル基を表す。)と反応させ、得られた一般式IIのベンゾフラン誘導体
【化5】

(式中、Xの意味は上に定義したとおりである。)を、ジブチルアミンを反応させ、所望により、その生成物の塩を形成させることを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
式IIIの化合物と、一般式IVの化合物との反応が、Friedel−Crafts触媒の存在下で実施されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
塩化アルミニウムまたは塩化鉄(III)を、Friedel−Crafts触媒として使用することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
式IIIの化合物と、一般式IVの化合物との反応が、ハロゲン化溶媒中で実施されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロベンゼンが、ハロゲン化溶媒として使用されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式IIIの化合物と、一般式IVの化合物との反応が、ニトロベンゼン中で実施されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
式IIIの化合物と、一般式IVの化合物との反応が、温度10から80℃の間において実施されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
a.)一般式VIの化合物
【化6】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)を、水素化反応に供し、
次いで、
b.)得られた一般式Vの化合物
【化7】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)をメシル化し、
c.)得られた一般式IIのベンゾフラン誘導体
【化8】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基を表す。)を、ジブチルアミンと反応させ、所望により、このようにして得られた一般式Iの化合物をその塩に変換させることを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
水素化反応が触媒の存在下で実施されることを特徴とする、請求項21に記載の方法の反応ステップa.)。
【請求項23】
パラジウムまたは白金が触媒として適用されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
反応が、有機溶媒中で温度10から80℃の間において実施されることを特徴とする、請求項21に記載の方法の反応ステップa.)。
【請求項25】
塩化メタンスルホニルまたはメタンスルホン酸無水物が、メシル化剤として使用されることを特徴とする、請求項21に記載の方法の反応ステップb.)。
【請求項26】
反応が不活性溶媒中で実施されることを特徴とする、請求項21に記載の方法の反応ステップb.)。
【請求項27】
エーテルまたはハロゲン化炭化水素が不活性溶媒として使用されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
反応が、温度5から80℃の間において実施されることを特徴とする、請求項21に記載の方法の反応ステップb.)。
【請求項29】
反応が塩基の存在下で実施されることを特徴とする、請求項21に記載の方法の反応ステップb.)。
【請求項30】
アミン化合物が塩基として使用されることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ピリジンまたはトリエチルアミンがアミンとして適用されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
一般式II
【化9】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基である。)の化合物。
【請求項33】
Xがメシルオキシ基または置換ベンゼンスルホニルオキシ基である、請求項32に定義された化合物。
【請求項34】
一般式V
【化10】

(式中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基である。)の化合物。
【請求項35】
Xがメシルオキシ基または置換ベンゼンスルホニルオキシ基である、請求項34に定義された化合物。
【請求項36】
一般式VI
【化11】

(式中、Xは、塩素原子またはヨウ素原子、ヒドロキシル基または活性ヒドロキシル基である。)の化合物。
【請求項37】
Xがメシルオキシ基または置換ベンゼンスルホニルオキシ基である、請求項36に定義された化合物。

【公表番号】特表2013−512944(P2013−512944A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542624(P2012−542624)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/HU2010/000128
【国際公開番号】WO2011/070380
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】