ナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法
【課題】ナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のナノドットを有する有機発光ダイオード装置は、基板、第1導電層、第1補助発光層、発光層、第2補助発光層と、第2導電層とを含む。その製造方法は、表面官能基を有するナノドットで、装置の発光層、第1補助発光層または第2補助発光層にて、ドーピングし、層状発光構造を組成する。ナノドットをドーピングして使用するのは、装置の性能を強化できる。
【解決手段】本発明のナノドットを有する有機発光ダイオード装置は、基板、第1導電層、第1補助発光層、発光層、第2補助発光層と、第2導電層とを含む。その製造方法は、表面官能基を有するナノドットで、装置の発光層、第1補助発光層または第2補助発光層にて、ドーピングし、層状発光構造を組成する。ナノドットをドーピングして使用するのは、装置の性能を強化できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種のナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法に関し、特に、表面官能基を有するナノドットで、装置の発光層、第1補助発光層、または第2補助発光層にドーピングすることにより、層状発光構造を組成するナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法に関する。ナノドットを使用してドーピングする手段により、この装置の性能を強化できる。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(Organic Electro−luminescence Display, Organic EL Display)や有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode,OLED)とも称するものは、1987年にコダック(Kodak)社のC. W. Tang氏とS.A. VanSlykらによって、真空蒸着法を使用する製造法が発明された。正孔輸送材料及び電子輸送材料を、それぞれ透明の酸化インジウム錫(indium tin oxide,ITOと略する)付きガラスに蒸着して被覆し、その後、一つの金属電極を蒸着して自発光型のOLED装置が形成される。高輝度、速い応答速度、軽薄短小、フルカラー、広い視野角、液晶ディスプレイ用背光板が不要で、また低消費灯源と消費電量であることから、新世代の表示装置となっている。
【0003】
図1は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、開示されるOLED装置の構造は、Eastman Kodak CompanyのSteven A. Vanslykeらが1991年に、米国特許第5061569号(特許文献1)に開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板11、透明の陽極12(Indium Tin Oxide,ITO)、正孔輸送層13(Hole Transporting Layer, HTL)、有機発光層14(Organic Emitting Layer, EL)、電子輸送層15(Electron Transporting Layer, ETL)、電子注入層16(Electron Injection Layer, EIL)と、金属陰極17とを含む。順方向バイアスの電圧を印加すると、陽極12より正孔1301が注入され、陰極17より電子1501が注入される。印加電界の電位差によって、電子1501と正孔1301が薄膜内部に移動し、有機発光層14において再結合(recombination)する。一部の電子と正孔が結合することによって放出されたエネルギーは、有機発光層14の発光分子を励起し、励起状態となる。発光分子は励起状態から基底状態に減衰となる際に、一定比例のエネルギーが光子の形式に変換され、発光する。その放出された光が有機エレクトロルミネセンスである。
【0004】
なお、図2は、C. H. ChenらがApplied Physics Letters第85巻、第3301頁(2004)(非特許文献1)にて、ドーピング式OLED装置が開示されている。このOLED装置の構造において、下から上の順に、透明基板18、透明陽極19(第1導電層)、正孔注入層20、正孔輸送層21、染料ドーパントを有する発光層22、電子輸送層23、電子注入層24と、金属陰極25(第2導電層)からなる構造も有機エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0005】
また、図3は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造はコダック(Kodak)社のPranab K. Raychaudhuriが2002年に、台湾特許第497283号(特許文献2)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板26、透明陽極27(第1導電層)、正孔注入層28、正孔輸送層29、発光層30、電子輸送層31、バッファー層イ32、バッファー層ロ33と、金属陰極34(第2導電層)とを含む。なお、バッファー層イはアルカリ性のハロゲン化合物であり、バッファー層ロは、フタロシアニンである。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層30にて、再結合することによって、有機エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0006】
さらに、図4は、公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、AGFA Gevaert社のHieronymus Andriessenらが2003年に、米国特許第6602731号(特許文献3)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板35、透明陽極36(第1導電層)、発光層37と、金属陰極38(第2導電層)とを含む。また、発光層は無機量子ドットCuSとZnSとの組成で、エレクトロルミネセンスを放出できる。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層37にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0007】
さらに、図5は、公知技術に係るさらに別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、Dietrich Bertramらが2006年に、米国特許出願公開第2006/0170331 A1号明細書(特許文献4)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板39、透明陽極40(第1導電層)、発光層41と、金属陰極42(第2導電層)とを含む。なお、発光層は無機複合量子ドットCdSe/CdSから組成し、CdSは量子ドットの中核となり、CdSeはその周りの包囲層となる。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層41にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0008】
図6は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、ゼネラルエレクトリック(General Electric Company)社のAnil Raj Duggalらが2004年に、米国特許第6777724号(特許文献5)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板43、透明陽極44(第1導電層)、発光層45と、金属陰極46(第2導電層)とを含む。また、発光層は有機と無機の複合量子ドットとを有し、有機材料への均整に分散させる。各有機と無機の複合量子ドットは、(Y1−x−yGdxCey)Al5O12、(Y1−xGex)3(Al1−yGay)O12、(Y1−x−yGdxCey)3(Al5−zGaz)O12または(Gd1−xCex)Sc2Al3O12とを含む。上記において、0?x?1、0?y?1、0?z?5であり、かつx+y?1である。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層45にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0009】
図7は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、Koninklijke Philips Electronics社のRafat Ata Mustafa Hikmetらが2004年に、米国特許出願公開第2007/0077594A1号明細書(特許文献6)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板47、透明陽極48(第1導電層)、発光層49と、金属陰極50(第2導電層)とを含む。また、発光層は無機複合量子ドットを有し、高分子材料へ均整に分散させる。各無機複合量子ドットは、II−VI族半導体材料よりIII−V族半導体材料を被覆して組成する。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層49にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0010】
図8は、公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティー・オブ・カリフォルニア(The Regents of University of California)のMihri Ozkanらが2006年に、米国特許第7132787号(特許文献7)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板51、透明陽極52(第1導電層)、正孔輸送層53、発光層54と、電子輸送層55と、金属陰極56(第2導電層)とを含む。なお、発光層は無機量子ドットCdSeより組成し、エレクトロルミネセンスを放出できる。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層54にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0011】
図9は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、T. H. Liuらが2006年に、台湾特許出願公開第200618664号(特許文献8)にて、開示されている。このOLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板57、透明陽極58(第1導電層)、正孔輸送層59、発光層60、電子輸送層61、無機層62と、金属陰極63(第2導電層)とを含み、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0012】
図10は、公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、国立清華大学のJ. H. Jouが2006年に、台湾特許出願公開第200608614号(特許文献9)にて、開示されている。この実施例において、このOLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板64、透明陽極65(第1導電層)、正孔輸送層66と、発光層67と、電子輸送層68と、金属陰極69(第2導電層)とを含む。また、この発光層67において、複数の有機と無機の複合量子ドットを有し、高分子材料へ均整に分散させる。さらに、各有機と無機の複合量子ドットにおいては、ZnX(Xは、S、Se、Teおよびその組合せ物質より組み合わせたグループから選択できるものである。)量子ドットと有機分子とを含み、この有機分子によって、量子ドットの表面を被覆する。順方向バイアスの電圧を印加すると、陽極65より正孔が注入され、陰極69より電子が注入される。印加電場の電位差によって、電子と正孔が薄膜内部に移動し、有機発光層67において再結合する。発光層における量子ドットは、電子と正孔の結合率を向上できるほか、エレクトロルミネセンスも放出することができる。
【0013】
図11は、公知技術に係るさらに別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この装置は、国立清華大学のJ. H. Jouが2007年に、台湾特許出願公開第200850042号(特許文献10)にて、開示されている。このOLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板70、透明陽極71(第1導電層)、正孔輸送層72、発光層73、電子輸送層74と、金属陰極75(第2導電層)とを含む。また、正孔輸送層は、ナノドットを含み、正孔輸送材料へ均整に分散させ、またこのナノドットはゾルゲル法により合成する。その化学式は、MxOyであり、その式において、Mは、金属でチタニウム(Ti)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、鉄(Fe)と、無機半金属のシリコン(Si)であってもよい、Oは、酸素原子である。上記の製造手段は、有機発光ダイオード装置の効率が大幅に向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5061569号
【特許文献2】台湾特許第497283号
【特許文献3】米国特許第6602731号
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0170331 A1号明細書
【特許文献5】米国特許第6777724号
【特許文献6】米国特許出願公開第2007/0077594A1号明細書
【特許文献7】米国特許第7132787号
【特許文献8】台湾特許出願公開第200618664号
【特許文献9】台湾特許出願公開第200608614号
【特許文献10】台湾特許出願公開第200850042号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】C. H. Chen,Applied Physics Letters第85巻、第3301頁(2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明者は長年にわたる鋭意研究と数多くの実務経験に基づき、各方面の研究設計と課題研究を重ねた結果、本発明において、一種のゾルゲル法でナノドットを合成し、高性能の有機発光ダイオード装置とその製造方法を提供することによって、前述した期望の実現方式と根拠とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を鑑み、本発明の目的は、一種のナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法を提供する。この有機発光ダイオード装置は、基板、第1導電層、第1補助発光層、発光層と、第2補助発光層と第2導電層とを含む。その製造方法は、表面官能基を有するナノドットで、装置の発光層、第1補助発光層または第2補助発光層にドーピングすることによって、層状発光構造を組成する。ナノドットをドーピングする手段により、装置の性能を強化できる。
【0018】
前述した本発明の技術内容、特長および効果については、以下の参考図面に沿って実施例の詳細説明により明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図2】公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。
【図3】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図4】公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。
【図5】公知技術に係るさらに別のOLED装置の構造断面図である。
【図6】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図7】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図8】公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。
【図9】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図10】公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。
【図11】公知技術に係るさらに別のOLED装置の構造断面図である。
【図12】本発明に係るOLED装置の構造断面図およびそのエネルギー準位態様図。
【図13】本発明に係るOLED装置の製造方法の流れ図である。
【図14】本発明の好ましい実施形態に係るOLED装置の構造断面図およびそのエネルギー準位態様図。
【図15】本発明の好ましい実施形態に係るOLED装置のエネルギー準位図。
【図16】本発明の好ましい実施形態に係る別のOLED装置の構造断面図およびそのエネルギー準位態様図。
【図17】本発明の好ましい実施形態に係る別のOLED装置のエネルギー準位図。
【図18】従来技術による比較例に係るOLED装置の構造断面図およびそのエネルギー準位態様図。
【図19】従来技術による比較例に係るOLED装置のエネルギー準位図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前述した本発明の技術内容、特長および効果について、よりわかりやすくためには、以下本発明に係るナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法に基づき、好ましい実施形態および実施例を挙げることにより、参考図面に沿って実施例の詳細説明により明らかになろう。なお、図面の説明において同一素子には同じ符号を付す。
【0021】
図12は、本発明の好ましい実施形態に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、このOLED構造は、下から上の順に、基板76、第1導電層77、ナノドットでドーピングされた第1補助発光層78、染料ドーパントを有する発光層79、第2補助発光層80と、第2導電層81とを含む。なお、第1導電層77は、基板76の上方に形成し、ナノドットでドーピングされた第1補助発光層78を第1導電層77の上方に形成する。発光層79をナノドットでドーピングされた第1補助発光層78の上方に形成し、第2補助発光層80は発光層79の上方に形成する。第2導電層81は第2補助発光層80の上方に形成する。
【0022】
上述したとおり、染料ドーパントを有する発光層79は、ホスト材料と一種以上のゲスト材料とを含み、これらの材料は、蛍光または燐光発光材料であってもよい。さらに、ナノドットでドーピングされた第1補助発光層78は、表面官能基を有する高分子ナノドット(polymeric nano−dot)と正孔輸送材料PEDOT:PSS(ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)‐ポリ‐(スチレンスルホナート))の複合物である。また、ナノドットの化学式はMxOyRzであり、その式において、Mは、金属、遷移金属、半金属または金属合金であり、Oは、酸素原子であり、Rは、有機物質である。金属は、アルミ(Al)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)と、カルシウム(Ca)より組成されるグループの中から選択できる。遷移金属は、チタニウム(Ti)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)と、鉄(Fe)より組成されるグループの中から選択できる。半金属は、シリコン(Si)である。有機物質は、アミン基(Amine)、アルキル基(Alkyl)、アルケン基(Alkene)と、ヒドロキシ基(Hydorxy)より組成されるグループの中から選択できる。このほか、電気泳動光散乱(electrophoresis light scattering)で測定したところ、ナノドットの表面電荷は+1〜+200mVまたは−1〜−200 mVの結果が得られており、ドーパントの重量パーセント濃度は0.1〜15 wt%であり、粒径の範囲は1〜30 nmである。第2補助発光層80は、電子輸送料と、電子注入材料とを含み、1,3,5−トリス(N−フェニル−ベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3, 5−tris(N−phenyl−benzimidazol−2−yl)benzene ,TPBi)、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(tris(8−hydroxy quinoline)aluminum,Alq3)などの電子輸送材料と、フッ化リチウム(Lithium fluoride(LiF))、フッ化セシウム(Cesium fluoride (CsF))などの電子注入材料である。第2導電層81は、通常、アルミ(Aluminum(Al))、銀(Silver (Ag))などの導電材料である。基板76は、通常、ガラス基板、プラスチック基板または金属基板である。第1導電層77は、通常、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide, ITO)層または酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide, IZO)層である。
【0023】
本実施形態において、第1補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層のいずれかである。
【0024】
本実施形態において、第2補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層のいずれかである。
【0025】
図13は、本発明に係るOLED装置の製造方法の流れ図である。この図を参照し、OLED装置の製造方法は、以下のステップを含む。
【0026】
ステップS82:基板を提供する。
【0027】
ステップS83:第1導電層を基板の上方に形成する。
【0028】
ステップS84:ナノドットでドーピングされた第1補助発光層を第1導電層の上方に形成する。
【0029】
ステップS85:染料ドーパントを有する発光層をナノドットでドーピングされた第1補助発光層の上方に形成する。
【0030】
ステップS86:第2補助発光層を発光層の上方に形成する。
【0031】
ステップS87:第2導電層を第2補助発光層の上方に形成する。
【0032】
なお、発光層の組成は、ホスト材料と一種以上のゲスト材とを含み、これらの材料は蛍光または燐光発光材料であってもよい。さらに、ナノドットでドーピングされた第1補助発光層は、表面官能基を有する高分子ナノドット(polymeric nonodot)と、正孔輸送材料PEDOT:PSSの複合物を含む。なお、ナノドットの化学式はMxOyRzで示し、Mは、金属、遷移金属、半金属または金属合金であっでもよい。Oは、酸素原子であり、Rは、有機物質である。さらに、金属はアルミ(Al)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)と、カルシウム(Ca)より組成されるグループの中から選択できる。遷移金属は、チタニウム(Ti)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)と、鉄(Fe)より組成されるグループの中から選択できる。半金属は、シリコン(Si)である。有機物質はアミン基(Amine)、アルキル基(Alkyl)、アルケン基(Alkene)と、ヒドロキシ基(Hydorxy)より組成されるグループの中から選択できる。このほか、電気泳動光散乱(electrophoresis light scattering)で測定したところ、ナノドット表面電荷は+1〜+200mVまたは−1〜−200 mVの結果が得られており、ドーパントの重量パーセント濃度は0.1〜15 wt%、粒径の範囲は1〜30 nmである。第2補助発光層は、電子輸送材料と電子注入材料であり、そのなか、TPBiとAlq3などは電子輸送材料とし、LiF、CeFなどでは電子注入材料とする。第2導電層は、AlとAgなどの導電材料であり、基板は、ガラス基板、プラスチック基板または金属基板である。
【0033】
以下の表1は、本発明に係わる実施例と比較例との発光効率の対照表であり、この表1を参照して説明する。
【実施例1】
【0034】
実施例1は、本発明に基づき、作製されたOLED装置であり、この装置の構造は、図14に示すようなものを参照して、そのエネルギー準位態様図は、図15を参照する。この装置の製造過程は、以下の通りである。まず、ITO透明の導電ガラスを洗浄剤、脱イオン水、アセトンとイソプロパノールの順に超音波振動洗浄を行い、オゾン処理する。それから、沸かした過酸化水素に置入して表面処理を行う。最後に、窒素流れで表面を乾燥させ、窒素グローブボックス(glove box)に置入して、スピンコートする。
【0035】
表面官能基に陽電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層90と青色発光層91ともスピンコート手段により、まず、35nmの厚さまでITO透明の導電ガラス上に作製する。引き続きに、真空室に置入し、真空圧が10−5トルに達した後に、熱蒸着方式により、32nmのTPBiと0.7nmのLiFの第2補助発光層92及び150 nmのアルミ電極93(第2導電層)を順におって、ITO透明の導電ガラスの上方に形成する。
【0036】
ナノドットでドーピングされた第1補助発光層の材料選択に関しては、略10nm大きさの表面官能基に陽電荷を帯びているナノドットに、適当な濃度の水相PEDOT:PSSをドーピングして補助発光材料とする。発光層においては、トルエンを溶剤とし、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)を発光材料のホスト材料とし、16 wt%の青色染料である(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)−フェニル−(2−カルボキシピリジル)インジウムIII(FIrpic)をドーピングして、発光層溶液を作製する。
【0037】
表面官能基に陽電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層を介して、正孔を有効にブロッキング(blocking)し、電子−正孔の注入バランスと結合率を増加させ、さらに、装置の発光効率も大幅に向上できる。輝度が100 cd/m2である場合、ナノドットが適当にドーピングされた装置のエネルギー変換効率は、ドーピングされていないの18lm/Wから37lm/Wまでに増加し、増加率が105%となる。この青色発光装置において、CIE色座標は(0.18,0.35)である。
【実施例2】
【0038】
実施例2は、本発明に基づき、作製されたOLED装置であり、この装置の構造は、図16に示すようなものを参照して、そのエネルギー準位態様図は、図17を参照する。このOLED構造の表面官能基に陰電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層96において、略10nm大きさの表面官能基に陰電荷を帯びているナノドットに、適当な濃度の水相PEDOT:PSSをドーピングして補助発光材料とする。
【0039】
表面官能基に陰電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層を介して、正孔を有効に捕獲(trapping)し、電子−正孔の注入バランスと結合率を増加させ、さらに、装置の発光効率も大幅に向上できる。輝度が100cd/m2である場合、ナノドットが適当にドーピングされた装置のエネルギー変換効率は、ドーピングされていないときの18lm/Wから31lm/Wまでに増加し、増加率が72%となる。この青色発光装置において、CIE色座標は(0.18,0.34)である。
【比較例】
【0040】
比較例は従来技術に基づき、作製されたOLED装置であり、この装置の構造は、図18に示すようなものを参照して。そのOLED装置の構造の第1補助発光層102の材料はPEDOT:PSSである。この装置のエネルギー準位態様図は、図19を参照する。本発明を応用された実施例1と比べれば、比較例で作製されたOLED装置の電子と正孔注入バランスと結合率とも完備性を欠くことから、表1に示す通りに、発光効率が大幅に低下されている。
【表1】
【0041】
本実施例において、第1補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層のいずれかであること。
【0042】
本実施例において、第2補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層のいずれかであること。
【0043】
以上は、本発明の好ましい実施形態および実施例であり、本発明の権利範囲に制限を加わるものではない。よって、本発明の権利範囲および明細書の内容による効果等の変化や変更はなお本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0044】
11、18、26、35、39、43、47、51、57、64、70、76、88、94、100…基板。12…陽極、13、21、29、53、59、66、72…正孔輸送層、14…有機発光層、15、23、31、55、61、68、74…電子輸送層、16、24…電子注入層、17…陰極、19、27、36、40、44、48、52、58、65、71、77、89、95、101…第1導電層、20、28…正孔注入層、22…染料ドーパントを有する発光層、25、34、38、42、46、50、56、63、69、75、81、93、99、105…第2導電層、30、37、41、45、49、54、60、67、73、79、91、97、103…発光層、32…バッファー層イ、33…バッファー層ロ、62…無機層、78…ナノドットでドーピングされた第1補助発光層、102…ナノドットでドーピングされた第1補助発光層、80、92、98、104…第2補助発光層、S82〜S87…各ステップ、90…表面官能基に陽電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層、96…表面官能基に陰電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層
【技術分野】
【0001】
本発明は一種のナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法に関し、特に、表面官能基を有するナノドットで、装置の発光層、第1補助発光層、または第2補助発光層にドーピングすることにより、層状発光構造を組成するナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法に関する。ナノドットを使用してドーピングする手段により、この装置の性能を強化できる。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(Organic Electro−luminescence Display, Organic EL Display)や有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode,OLED)とも称するものは、1987年にコダック(Kodak)社のC. W. Tang氏とS.A. VanSlykらによって、真空蒸着法を使用する製造法が発明された。正孔輸送材料及び電子輸送材料を、それぞれ透明の酸化インジウム錫(indium tin oxide,ITOと略する)付きガラスに蒸着して被覆し、その後、一つの金属電極を蒸着して自発光型のOLED装置が形成される。高輝度、速い応答速度、軽薄短小、フルカラー、広い視野角、液晶ディスプレイ用背光板が不要で、また低消費灯源と消費電量であることから、新世代の表示装置となっている。
【0003】
図1は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、開示されるOLED装置の構造は、Eastman Kodak CompanyのSteven A. Vanslykeらが1991年に、米国特許第5061569号(特許文献1)に開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板11、透明の陽極12(Indium Tin Oxide,ITO)、正孔輸送層13(Hole Transporting Layer, HTL)、有機発光層14(Organic Emitting Layer, EL)、電子輸送層15(Electron Transporting Layer, ETL)、電子注入層16(Electron Injection Layer, EIL)と、金属陰極17とを含む。順方向バイアスの電圧を印加すると、陽極12より正孔1301が注入され、陰極17より電子1501が注入される。印加電界の電位差によって、電子1501と正孔1301が薄膜内部に移動し、有機発光層14において再結合(recombination)する。一部の電子と正孔が結合することによって放出されたエネルギーは、有機発光層14の発光分子を励起し、励起状態となる。発光分子は励起状態から基底状態に減衰となる際に、一定比例のエネルギーが光子の形式に変換され、発光する。その放出された光が有機エレクトロルミネセンスである。
【0004】
なお、図2は、C. H. ChenらがApplied Physics Letters第85巻、第3301頁(2004)(非特許文献1)にて、ドーピング式OLED装置が開示されている。このOLED装置の構造において、下から上の順に、透明基板18、透明陽極19(第1導電層)、正孔注入層20、正孔輸送層21、染料ドーパントを有する発光層22、電子輸送層23、電子注入層24と、金属陰極25(第2導電層)からなる構造も有機エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0005】
また、図3は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造はコダック(Kodak)社のPranab K. Raychaudhuriが2002年に、台湾特許第497283号(特許文献2)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板26、透明陽極27(第1導電層)、正孔注入層28、正孔輸送層29、発光層30、電子輸送層31、バッファー層イ32、バッファー層ロ33と、金属陰極34(第2導電層)とを含む。なお、バッファー層イはアルカリ性のハロゲン化合物であり、バッファー層ロは、フタロシアニンである。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層30にて、再結合することによって、有機エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0006】
さらに、図4は、公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、AGFA Gevaert社のHieronymus Andriessenらが2003年に、米国特許第6602731号(特許文献3)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板35、透明陽極36(第1導電層)、発光層37と、金属陰極38(第2導電層)とを含む。また、発光層は無機量子ドットCuSとZnSとの組成で、エレクトロルミネセンスを放出できる。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層37にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0007】
さらに、図5は、公知技術に係るさらに別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、Dietrich Bertramらが2006年に、米国特許出願公開第2006/0170331 A1号明細書(特許文献4)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板39、透明陽極40(第1導電層)、発光層41と、金属陰極42(第2導電層)とを含む。なお、発光層は無機複合量子ドットCdSe/CdSから組成し、CdSは量子ドットの中核となり、CdSeはその周りの包囲層となる。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層41にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0008】
図6は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、ゼネラルエレクトリック(General Electric Company)社のAnil Raj Duggalらが2004年に、米国特許第6777724号(特許文献5)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板43、透明陽極44(第1導電層)、発光層45と、金属陰極46(第2導電層)とを含む。また、発光層は有機と無機の複合量子ドットとを有し、有機材料への均整に分散させる。各有機と無機の複合量子ドットは、(Y1−x−yGdxCey)Al5O12、(Y1−xGex)3(Al1−yGay)O12、(Y1−x−yGdxCey)3(Al5−zGaz)O12または(Gd1−xCex)Sc2Al3O12とを含む。上記において、0?x?1、0?y?1、0?z?5であり、かつx+y?1である。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層45にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0009】
図7は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、Koninklijke Philips Electronics社のRafat Ata Mustafa Hikmetらが2004年に、米国特許出願公開第2007/0077594A1号明細書(特許文献6)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板47、透明陽極48(第1導電層)、発光層49と、金属陰極50(第2導電層)とを含む。また、発光層は無機複合量子ドットを有し、高分子材料へ均整に分散させる。各無機複合量子ドットは、II−VI族半導体材料よりIII−V族半導体材料を被覆して組成する。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層49にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0010】
図8は、公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティー・オブ・カリフォルニア(The Regents of University of California)のMihri Ozkanらが2006年に、米国特許第7132787号(特許文献7)にて、開示されている。この実施例において、OLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板51、透明陽極52(第1導電層)、正孔輸送層53、発光層54と、電子輸送層55と、金属陰極56(第2導電層)とを含む。なお、発光層は無機量子ドットCdSeより組成し、エレクトロルミネセンスを放出できる。順方向バイアスの電圧を印加すると、正孔と電子が発光層54にて、再結合することによって、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0011】
図9は、公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、T. H. Liuらが2006年に、台湾特許出願公開第200618664号(特許文献8)にて、開示されている。このOLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板57、透明陽極58(第1導電層)、正孔輸送層59、発光層60、電子輸送層61、無機層62と、金属陰極63(第2導電層)とを含み、エレクトロルミネセンスを放出できる。
【0012】
図10は、公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この構造は、国立清華大学のJ. H. Jouが2006年に、台湾特許出願公開第200608614号(特許文献9)にて、開示されている。この実施例において、このOLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板64、透明陽極65(第1導電層)、正孔輸送層66と、発光層67と、電子輸送層68と、金属陰極69(第2導電層)とを含む。また、この発光層67において、複数の有機と無機の複合量子ドットを有し、高分子材料へ均整に分散させる。さらに、各有機と無機の複合量子ドットにおいては、ZnX(Xは、S、Se、Teおよびその組合せ物質より組み合わせたグループから選択できるものである。)量子ドットと有機分子とを含み、この有機分子によって、量子ドットの表面を被覆する。順方向バイアスの電圧を印加すると、陽極65より正孔が注入され、陰極69より電子が注入される。印加電場の電位差によって、電子と正孔が薄膜内部に移動し、有機発光層67において再結合する。発光層における量子ドットは、電子と正孔の結合率を向上できるほか、エレクトロルミネセンスも放出することができる。
【0013】
図11は、公知技術に係るさらに別のOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、この装置は、国立清華大学のJ. H. Jouが2007年に、台湾特許出願公開第200850042号(特許文献10)にて、開示されている。このOLED装置の構造は、下から上の順に、透明基板70、透明陽極71(第1導電層)、正孔輸送層72、発光層73、電子輸送層74と、金属陰極75(第2導電層)とを含む。また、正孔輸送層は、ナノドットを含み、正孔輸送材料へ均整に分散させ、またこのナノドットはゾルゲル法により合成する。その化学式は、MxOyであり、その式において、Mは、金属でチタニウム(Ti)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、鉄(Fe)と、無機半金属のシリコン(Si)であってもよい、Oは、酸素原子である。上記の製造手段は、有機発光ダイオード装置の効率が大幅に向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5061569号
【特許文献2】台湾特許第497283号
【特許文献3】米国特許第6602731号
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0170331 A1号明細書
【特許文献5】米国特許第6777724号
【特許文献6】米国特許出願公開第2007/0077594A1号明細書
【特許文献7】米国特許第7132787号
【特許文献8】台湾特許出願公開第200618664号
【特許文献9】台湾特許出願公開第200608614号
【特許文献10】台湾特許出願公開第200850042号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】C. H. Chen,Applied Physics Letters第85巻、第3301頁(2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明者は長年にわたる鋭意研究と数多くの実務経験に基づき、各方面の研究設計と課題研究を重ねた結果、本発明において、一種のゾルゲル法でナノドットを合成し、高性能の有機発光ダイオード装置とその製造方法を提供することによって、前述した期望の実現方式と根拠とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を鑑み、本発明の目的は、一種のナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法を提供する。この有機発光ダイオード装置は、基板、第1導電層、第1補助発光層、発光層と、第2補助発光層と第2導電層とを含む。その製造方法は、表面官能基を有するナノドットで、装置の発光層、第1補助発光層または第2補助発光層にドーピングすることによって、層状発光構造を組成する。ナノドットをドーピングする手段により、装置の性能を強化できる。
【0018】
前述した本発明の技術内容、特長および効果については、以下の参考図面に沿って実施例の詳細説明により明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図2】公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。
【図3】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図4】公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。
【図5】公知技術に係るさらに別のOLED装置の構造断面図である。
【図6】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図7】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図8】公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。
【図9】公知技術に係るOLED装置の構造断面図である。
【図10】公知技術に係る別のOLED装置の構造断面図である。
【図11】公知技術に係るさらに別のOLED装置の構造断面図である。
【図12】本発明に係るOLED装置の構造断面図およびそのエネルギー準位態様図。
【図13】本発明に係るOLED装置の製造方法の流れ図である。
【図14】本発明の好ましい実施形態に係るOLED装置の構造断面図およびそのエネルギー準位態様図。
【図15】本発明の好ましい実施形態に係るOLED装置のエネルギー準位図。
【図16】本発明の好ましい実施形態に係る別のOLED装置の構造断面図およびそのエネルギー準位態様図。
【図17】本発明の好ましい実施形態に係る別のOLED装置のエネルギー準位図。
【図18】従来技術による比較例に係るOLED装置の構造断面図およびそのエネルギー準位態様図。
【図19】従来技術による比較例に係るOLED装置のエネルギー準位図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前述した本発明の技術内容、特長および効果について、よりわかりやすくためには、以下本発明に係るナノドットを有する有機発光ダイオード装置とその製造方法に基づき、好ましい実施形態および実施例を挙げることにより、参考図面に沿って実施例の詳細説明により明らかになろう。なお、図面の説明において同一素子には同じ符号を付す。
【0021】
図12は、本発明の好ましい実施形態に係るOLED装置の構造断面図である。この図を参照し、このOLED構造は、下から上の順に、基板76、第1導電層77、ナノドットでドーピングされた第1補助発光層78、染料ドーパントを有する発光層79、第2補助発光層80と、第2導電層81とを含む。なお、第1導電層77は、基板76の上方に形成し、ナノドットでドーピングされた第1補助発光層78を第1導電層77の上方に形成する。発光層79をナノドットでドーピングされた第1補助発光層78の上方に形成し、第2補助発光層80は発光層79の上方に形成する。第2導電層81は第2補助発光層80の上方に形成する。
【0022】
上述したとおり、染料ドーパントを有する発光層79は、ホスト材料と一種以上のゲスト材料とを含み、これらの材料は、蛍光または燐光発光材料であってもよい。さらに、ナノドットでドーピングされた第1補助発光層78は、表面官能基を有する高分子ナノドット(polymeric nano−dot)と正孔輸送材料PEDOT:PSS(ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)‐ポリ‐(スチレンスルホナート))の複合物である。また、ナノドットの化学式はMxOyRzであり、その式において、Mは、金属、遷移金属、半金属または金属合金であり、Oは、酸素原子であり、Rは、有機物質である。金属は、アルミ(Al)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)と、カルシウム(Ca)より組成されるグループの中から選択できる。遷移金属は、チタニウム(Ti)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)と、鉄(Fe)より組成されるグループの中から選択できる。半金属は、シリコン(Si)である。有機物質は、アミン基(Amine)、アルキル基(Alkyl)、アルケン基(Alkene)と、ヒドロキシ基(Hydorxy)より組成されるグループの中から選択できる。このほか、電気泳動光散乱(electrophoresis light scattering)で測定したところ、ナノドットの表面電荷は+1〜+200mVまたは−1〜−200 mVの結果が得られており、ドーパントの重量パーセント濃度は0.1〜15 wt%であり、粒径の範囲は1〜30 nmである。第2補助発光層80は、電子輸送料と、電子注入材料とを含み、1,3,5−トリス(N−フェニル−ベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3, 5−tris(N−phenyl−benzimidazol−2−yl)benzene ,TPBi)、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(tris(8−hydroxy quinoline)aluminum,Alq3)などの電子輸送材料と、フッ化リチウム(Lithium fluoride(LiF))、フッ化セシウム(Cesium fluoride (CsF))などの電子注入材料である。第2導電層81は、通常、アルミ(Aluminum(Al))、銀(Silver (Ag))などの導電材料である。基板76は、通常、ガラス基板、プラスチック基板または金属基板である。第1導電層77は、通常、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide, ITO)層または酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide, IZO)層である。
【0023】
本実施形態において、第1補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層のいずれかである。
【0024】
本実施形態において、第2補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層のいずれかである。
【0025】
図13は、本発明に係るOLED装置の製造方法の流れ図である。この図を参照し、OLED装置の製造方法は、以下のステップを含む。
【0026】
ステップS82:基板を提供する。
【0027】
ステップS83:第1導電層を基板の上方に形成する。
【0028】
ステップS84:ナノドットでドーピングされた第1補助発光層を第1導電層の上方に形成する。
【0029】
ステップS85:染料ドーパントを有する発光層をナノドットでドーピングされた第1補助発光層の上方に形成する。
【0030】
ステップS86:第2補助発光層を発光層の上方に形成する。
【0031】
ステップS87:第2導電層を第2補助発光層の上方に形成する。
【0032】
なお、発光層の組成は、ホスト材料と一種以上のゲスト材とを含み、これらの材料は蛍光または燐光発光材料であってもよい。さらに、ナノドットでドーピングされた第1補助発光層は、表面官能基を有する高分子ナノドット(polymeric nonodot)と、正孔輸送材料PEDOT:PSSの複合物を含む。なお、ナノドットの化学式はMxOyRzで示し、Mは、金属、遷移金属、半金属または金属合金であっでもよい。Oは、酸素原子であり、Rは、有機物質である。さらに、金属はアルミ(Al)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)と、カルシウム(Ca)より組成されるグループの中から選択できる。遷移金属は、チタニウム(Ti)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)と、鉄(Fe)より組成されるグループの中から選択できる。半金属は、シリコン(Si)である。有機物質はアミン基(Amine)、アルキル基(Alkyl)、アルケン基(Alkene)と、ヒドロキシ基(Hydorxy)より組成されるグループの中から選択できる。このほか、電気泳動光散乱(electrophoresis light scattering)で測定したところ、ナノドット表面電荷は+1〜+200mVまたは−1〜−200 mVの結果が得られており、ドーパントの重量パーセント濃度は0.1〜15 wt%、粒径の範囲は1〜30 nmである。第2補助発光層は、電子輸送材料と電子注入材料であり、そのなか、TPBiとAlq3などは電子輸送材料とし、LiF、CeFなどでは電子注入材料とする。第2導電層は、AlとAgなどの導電材料であり、基板は、ガラス基板、プラスチック基板または金属基板である。
【0033】
以下の表1は、本発明に係わる実施例と比較例との発光効率の対照表であり、この表1を参照して説明する。
【実施例1】
【0034】
実施例1は、本発明に基づき、作製されたOLED装置であり、この装置の構造は、図14に示すようなものを参照して、そのエネルギー準位態様図は、図15を参照する。この装置の製造過程は、以下の通りである。まず、ITO透明の導電ガラスを洗浄剤、脱イオン水、アセトンとイソプロパノールの順に超音波振動洗浄を行い、オゾン処理する。それから、沸かした過酸化水素に置入して表面処理を行う。最後に、窒素流れで表面を乾燥させ、窒素グローブボックス(glove box)に置入して、スピンコートする。
【0035】
表面官能基に陽電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層90と青色発光層91ともスピンコート手段により、まず、35nmの厚さまでITO透明の導電ガラス上に作製する。引き続きに、真空室に置入し、真空圧が10−5トルに達した後に、熱蒸着方式により、32nmのTPBiと0.7nmのLiFの第2補助発光層92及び150 nmのアルミ電極93(第2導電層)を順におって、ITO透明の導電ガラスの上方に形成する。
【0036】
ナノドットでドーピングされた第1補助発光層の材料選択に関しては、略10nm大きさの表面官能基に陽電荷を帯びているナノドットに、適当な濃度の水相PEDOT:PSSをドーピングして補助発光材料とする。発光層においては、トルエンを溶剤とし、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)を発光材料のホスト材料とし、16 wt%の青色染料である(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)−フェニル−(2−カルボキシピリジル)インジウムIII(FIrpic)をドーピングして、発光層溶液を作製する。
【0037】
表面官能基に陽電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層を介して、正孔を有効にブロッキング(blocking)し、電子−正孔の注入バランスと結合率を増加させ、さらに、装置の発光効率も大幅に向上できる。輝度が100 cd/m2である場合、ナノドットが適当にドーピングされた装置のエネルギー変換効率は、ドーピングされていないの18lm/Wから37lm/Wまでに増加し、増加率が105%となる。この青色発光装置において、CIE色座標は(0.18,0.35)である。
【実施例2】
【0038】
実施例2は、本発明に基づき、作製されたOLED装置であり、この装置の構造は、図16に示すようなものを参照して、そのエネルギー準位態様図は、図17を参照する。このOLED構造の表面官能基に陰電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層96において、略10nm大きさの表面官能基に陰電荷を帯びているナノドットに、適当な濃度の水相PEDOT:PSSをドーピングして補助発光材料とする。
【0039】
表面官能基に陰電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層を介して、正孔を有効に捕獲(trapping)し、電子−正孔の注入バランスと結合率を増加させ、さらに、装置の発光効率も大幅に向上できる。輝度が100cd/m2である場合、ナノドットが適当にドーピングされた装置のエネルギー変換効率は、ドーピングされていないときの18lm/Wから31lm/Wまでに増加し、増加率が72%となる。この青色発光装置において、CIE色座標は(0.18,0.34)である。
【比較例】
【0040】
比較例は従来技術に基づき、作製されたOLED装置であり、この装置の構造は、図18に示すようなものを参照して。そのOLED装置の構造の第1補助発光層102の材料はPEDOT:PSSである。この装置のエネルギー準位態様図は、図19を参照する。本発明を応用された実施例1と比べれば、比較例で作製されたOLED装置の電子と正孔注入バランスと結合率とも完備性を欠くことから、表1に示す通りに、発光効率が大幅に低下されている。
【表1】
【0041】
本実施例において、第1補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層のいずれかであること。
【0042】
本実施例において、第2補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層のいずれかであること。
【0043】
以上は、本発明の好ましい実施形態および実施例であり、本発明の権利範囲に制限を加わるものではない。よって、本発明の権利範囲および明細書の内容による効果等の変化や変更はなお本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0044】
11、18、26、35、39、43、47、51、57、64、70、76、88、94、100…基板。12…陽極、13、21、29、53、59、66、72…正孔輸送層、14…有機発光層、15、23、31、55、61、68、74…電子輸送層、16、24…電子注入層、17…陰極、19、27、36、40、44、48、52、58、65、71、77、89、95、101…第1導電層、20、28…正孔注入層、22…染料ドーパントを有する発光層、25、34、38、42、46、50、56、63、69、75、81、93、99、105…第2導電層、30、37、41、45、49、54、60、67、73、79、91、97、103…発光層、32…バッファー層イ、33…バッファー層ロ、62…無機層、78…ナノドットでドーピングされた第1補助発光層、102…ナノドットでドーピングされた第1補助発光層、80、92、98、104…第2補助発光層、S82〜S87…各ステップ、90…表面官能基に陽電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層、96…表面官能基に陰電荷を帯びているナノドットでドーピングされた第1補助発光層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成する第1導電層と、
前記第1導電層の上方に形成する第1補助発光層と、
前記第1補助発光層の上方に形成する発光層と、
前記発光層の上方に形成する第2補助発光層と、
前記第2補助発光層の上方に形成する第2導電層と、
を含む、ナノドットを有する有機発光ダイオード装置において、
表面官能基を持つナノドットで、前記ナノドットを有する有機発光ダイオード装置の前記発光層、前記第1補助発光層または、前記第2補助発光層にて、ドーピングされることを特徴とするナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項2】
前記ナノドットの化学式は、MxOyRzであることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
(式中、Mは、金属、遷移金属、半金属または金属合金であり、Oは、酸素原子であり、Rは、有機物質である。)
【請求項3】
前記金属は、アルミ(Al)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)と、カルシウム(Ca)から構成するグループのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項4】
前記遷移金属は、チタニウム(Ti)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、と鉄(Fe)から構成するグループのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項5】
前記半金属はシリコン(Si)であることを特徴とする請求項2に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項6】
前記有機物質は、アミン基(Amine)、アルキル基(Alkyl)、アルケン基(Alkene)と、ヒドロキシ基(Hydorxy)より組成されるグループのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項7】
電気泳動光散乱(electrophoresis light scattering)で測定したところ、前記ナノドットの表面電荷は+1〜+200mVであることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項8】
電気泳動光散乱で測定したところ、前記ナノドットの表面電荷は−1〜−200mVであることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項9】
前記ナノドットのドーパントの重量パーセント濃度は0.1〜15wt%であることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項10】
前記ナノドットの粒径の範囲は1〜30nmであることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項11】
前記基板は、透明基板であることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項12】
前記透明基板は、ガラス基板または高分子基板であることを特徴とする請求項11に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項13】
前記発光層は、蛍光または燐光発光材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項14】
前記発光層は、蛍光または燐光発光材料を同時に使用できることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項15】
前記第1補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項16】
前記第2補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項17】
基板を提供するステップと、
第1導電層を前記基板の上方に形成するステップと、
第1補助発光層を前記第1導電層の上方に形成するステップと、
発光層を前記第1補助発光層の上方に形成するステップと、
第2補助発光層を前記発光層の上方に形成するステップと、
第2導電層を前記第2補助発光層の上方に形成して組成するステップと、
を含む、ナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法において、
前記ナノドットドーパントの有機発光ダイオード装置の前記発光層、前記第1補助発光層または前記第2補助発光層において、表面官能基を持つナノドットをドーピングされることを特徴とするナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項18】
前記ナノドットの化学式は、MxOyRzであることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
(式中、Mは、金属、遷移金属、半金属または金属合金であり、Oは、酸素原子であり、Rは、有機物質である。)
【請求項19】
前記金属は、アルミ(Al)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)と、カルシウム(Ca)から構成するグループのいずれかであることを特徴とする請求項18に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項20】
前記遷移金属は、チタニウム(Ti)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、と鉄(Fe)から構成するグループのいずれかであることを特徴とする請求項18に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項21】
前記半金属はシリコン(Si)であることを特徴とする請求項18に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項22】
前記有機物質は、アミン基(Amine)、アルキル基(Alkyl)、アルケン基(Alkene)と、ヒドロキシ基(Hydorxy)より組成されるグループのいずれかであることを特徴とする請求項18に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項23】
電気泳動光散乱(electrophoresis light scattering)で測定したところ、前記ナノドットの表面電荷は+1〜+200mVであることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項24】
電気泳動光散乱で測定したところ、前記ナノドットの表面電荷は−1〜−200mVであることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項25】
前記ナノドットのドーパントの重量パーセント濃度は0.1〜15wt%であることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項26】
前記ナノドットの粒径の範囲は1〜30nmであることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項27】
前記基板は、透明基板であることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項28】
前記透明基板は、ガラス基板または高分子基板であることを特徴とする請求項27に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項29】
前記発光層は、蛍光または燐光発光材料を含むことを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項30】
前記発光層は、蛍光または燐光発光材料を同時に使用できることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項31】
前記第1補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層を含むことを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項32】
前記第2補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層を含むことを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成する第1導電層と、
前記第1導電層の上方に形成する第1補助発光層と、
前記第1補助発光層の上方に形成する発光層と、
前記発光層の上方に形成する第2補助発光層と、
前記第2補助発光層の上方に形成する第2導電層と、
を含む、ナノドットを有する有機発光ダイオード装置において、
表面官能基を持つナノドットで、前記ナノドットを有する有機発光ダイオード装置の前記発光層、前記第1補助発光層または、前記第2補助発光層にて、ドーピングされることを特徴とするナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項2】
前記ナノドットの化学式は、MxOyRzであることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
(式中、Mは、金属、遷移金属、半金属または金属合金であり、Oは、酸素原子であり、Rは、有機物質である。)
【請求項3】
前記金属は、アルミ(Al)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)と、カルシウム(Ca)から構成するグループのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項4】
前記遷移金属は、チタニウム(Ti)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、と鉄(Fe)から構成するグループのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項5】
前記半金属はシリコン(Si)であることを特徴とする請求項2に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項6】
前記有機物質は、アミン基(Amine)、アルキル基(Alkyl)、アルケン基(Alkene)と、ヒドロキシ基(Hydorxy)より組成されるグループのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項7】
電気泳動光散乱(electrophoresis light scattering)で測定したところ、前記ナノドットの表面電荷は+1〜+200mVであることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項8】
電気泳動光散乱で測定したところ、前記ナノドットの表面電荷は−1〜−200mVであることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項9】
前記ナノドットのドーパントの重量パーセント濃度は0.1〜15wt%であることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項10】
前記ナノドットの粒径の範囲は1〜30nmであることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項11】
前記基板は、透明基板であることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項12】
前記透明基板は、ガラス基板または高分子基板であることを特徴とする請求項11に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項13】
前記発光層は、蛍光または燐光発光材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項14】
前記発光層は、蛍光または燐光発光材料を同時に使用できることを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項15】
前記第1補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項16】
前記第2補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層を含むことを特徴とする請求項1に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置。
【請求項17】
基板を提供するステップと、
第1導電層を前記基板の上方に形成するステップと、
第1補助発光層を前記第1導電層の上方に形成するステップと、
発光層を前記第1補助発光層の上方に形成するステップと、
第2補助発光層を前記発光層の上方に形成するステップと、
第2導電層を前記第2補助発光層の上方に形成して組成するステップと、
を含む、ナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法において、
前記ナノドットドーパントの有機発光ダイオード装置の前記発光層、前記第1補助発光層または前記第2補助発光層において、表面官能基を持つナノドットをドーピングされることを特徴とするナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項18】
前記ナノドットの化学式は、MxOyRzであることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
(式中、Mは、金属、遷移金属、半金属または金属合金であり、Oは、酸素原子であり、Rは、有機物質である。)
【請求項19】
前記金属は、アルミ(Al)、錫(Sn)、マグネシウム(Mg)と、カルシウム(Ca)から構成するグループのいずれかであることを特徴とする請求項18に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項20】
前記遷移金属は、チタニウム(Ti)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、と鉄(Fe)から構成するグループのいずれかであることを特徴とする請求項18に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項21】
前記半金属はシリコン(Si)であることを特徴とする請求項18に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項22】
前記有機物質は、アミン基(Amine)、アルキル基(Alkyl)、アルケン基(Alkene)と、ヒドロキシ基(Hydorxy)より組成されるグループのいずれかであることを特徴とする請求項18に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項23】
電気泳動光散乱(electrophoresis light scattering)で測定したところ、前記ナノドットの表面電荷は+1〜+200mVであることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項24】
電気泳動光散乱で測定したところ、前記ナノドットの表面電荷は−1〜−200mVであることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項25】
前記ナノドットのドーパントの重量パーセント濃度は0.1〜15wt%であることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項26】
前記ナノドットの粒径の範囲は1〜30nmであることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項27】
前記基板は、透明基板であることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項28】
前記透明基板は、ガラス基板または高分子基板であることを特徴とする請求項27に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項29】
前記発光層は、蛍光または燐光発光材料を含むことを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項30】
前記発光層は、蛍光または燐光発光材料を同時に使用できることを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項31】
前記第1補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層を含むことを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【請求項32】
前記第2補助発光層は、キャリア注入層、キャリア輸送層、キャリアブロック層、または励起子局限層を含むことを特徴とする請求項17に記載のナノドットを有する有機発光ダイオード装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−103534(P2010−103534A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238605(P2009−238605)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(501008945)国立清華大学 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(501008945)国立清華大学 (8)
【Fターム(参考)】
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