説明

ナノメートルサイズのセラミック材料、その合成法及びその使用

本発明は、多結晶構造、コンポジット又は固溶体の形態のナノメートルサイズのセラミック材料と、その合成方法及び使用に関する。セラミック材料は、主に2つの油中水滴型(W/O)エマルジョンの爆発により得られる。エマルジョンの一つは、2000℃以下の温度の爆発型を示すように、前駆体とともに調製される。セラミック材料は、個別的に各々の粒子について高い化学的及び結晶相の均一性を示す。それらは、最終的な応用に従って調整可能な一連の相補的特性を示す。例えば、1次粒子の均一な分散、非常に高い化学的純度水準、50nm以下の結晶サイズ、25〜500m2/gの単位質量当たりの表面積、及び理論密度の98%より高い真の粒子密度があげられる。この一連の特徴により、セラミック材料は、ナノテクノロジー分野の非常に広い範囲の応用に特に適している。例えば、ナノコーティング、磁気ナノ流体、ナノ触媒、ナノセンサ、ナノ色素、ナノ添加物、超軽量ナノコンポジット、薬剤放出ナノ分子、ナノマーカ、ナノメートルフィルム等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶構造、複合材料(コンポジット)又は固溶体の形態のナノメートルサイズのセラミック材料、それらの合成方法及びナノテクノロジー分野での応用に関する。例えば、ナノコーティング、磁気ナノ流体、ナノ触媒、生物ナノセンサ、いくつかの産業用のナノ色素、燃料用ナノ添加物、空気及び水の浄化における光触媒効果、超光ナノコンポジット、人体中での薬剤の制御された放出のためのナノ粒子、ナノマーカ、ナノメートルフィルムとしての応用に関する。
【背景技術】
【0002】
100nm以下のサイズのナノ材料は、最近の数年間に出現した新技術−ナノテクノロジーの基礎構築ブロックである。実際、現在、この非常に小さなものに、世界中で科学的分野から政治まで非常に大きな関心を寄せている。そして、ナノテクノロジーは、主要な世界の指導者のスピーチにおいてさえしばしば現れている。
【0003】
ナノテクノロジーは、市民の生活と密接に関連する、技術的不連続性となる可能性があるように表現されている。それは、過去において蒸気エンジン、汽車、自動車、コンピュータ、及びバイオテクノロジーの発明に起こったような技術的不連続性となる可能性である。
【0004】
これらの騒ぎは全て、ある物質のナノメートルサイズの分子又は構造が一連の電気的、光学的、磁気的、及び機械的特性を示すことに由来する。これらの特性は、大きいサイズの同じ物質が示す特性とは異なる。すなわち、高い可塑性、超硬質、低い融点、透明性、結果的に触媒活性を改善する単位質量当たりの広い表面積、低い熱伝導度、増加した磁気効果、高い半導体発光、色変化である。そして、これらは、ある科学者達を量子力学の法則に従いながらも、物事の新しい状態の境界地域に立っているかも知れないことを提案するように導く。
【0005】
この一連の新しい特性により創造させる機会を生かし、それらを実際の応用に形を変えるには、AlO, ZnO, TiO2, ZrO2のような、最も普通の2成分構造(2つの要素を持つ)に加えて、セラミックナノ材料は通常、以下を要求する:
―数種の3元(ZnFe2O4)又はより多元(LaSrCuO)の結晶構造中の多くの元素の組み合わせにより形成された酸化物、
―AlON, ALN, SiAlON等の窒化物タイプの共有/金属結合結晶構造を持つ非酸化物。
―コンポジット、それらは、1粒子中の2つ又はより多くの物質(アルミナ/ジルコニア)に由来し、アルミナとジルコニアそれぞれの個々の結晶構造を維持する。
この場合、固溶体は、以前のものとは異なり、成分の1つが他の成分に「溶けて」いる。その結果、1つの連続する結晶構造(最初のものとは異なる)のみが検出可能である。MgO-NiOとアルミナ/クロミア(光ファイバの分野では、応用がそれほど多くない)は、このタイプの2つの例である。
【0006】
概念的には、セラミックコンポジットは、2つかそれ以上のナノメートル材料に由来する。そして、それらは、1つの生成物では示すことができない機械的、熱的、電気的、磁気的及び光学的特性の組み合わせを示す。
【0007】
共通の例は、アルミナ/ジルコニアのコンポジットである。アルミナは、その高い弾性係数、高い摩耗及び腐食耐性、高温における安定性により、非常に応用範囲の広い材料である。しかしながら、それはいくつかの弱点を有する。すなわち、低い破壊靱性と曲げ強度である。ジルコニアを組み合わせてナノコンポジットを形成すると、それは、バイオマテリアル、光学デバイス、及び極めて要求の厳しい操作条件に適合する強靭性レベルを獲得する。
【0008】
同様に、水分解による水素生産において使用されるジルコニア電極は、イオンと電子伝導の組み合わせを必要とし、セリウム及びイットリウムと共にナノコンポジットZrO2-CeO2-Y2O3を調製する必要がある。
【0009】
同様に、異なる結晶構造中でいくつかの元素を組み合わせる分野の多くの技術的課題の1つは、アルミン酸亜鉛(ZnA12O4)のナノメートルスピネルをデザインし、得ることである。それは、高温での高い引裂強度特性を有し、航空宇宙産業に応用できる。
【0010】
異なるナノメートルの結晶構造の1つのグループ、すなわち、AB2X4, A2BX4, ABX4,及びABX3型(AとBはカチオンを表わし、Xはアニオンを表わす。)の三元のものは、特殊な応用の膨大な集合に特に重要である。応用は、超電導(LiTiO3)からエネルギー貯蔵(LiMn2O4)、スピネルタイプ構造により示される常磁性特性―ある電子レベルの孤立電子の存在から生じる―まである。
【0011】
非酸化物の共有/金属結合の1例は、高い熱伝導性を示すナノメートルのALNである。高い熱伝導性のため、ALNは高度な電子回路におけるアルミナの優れた代替物になる。そこでは、回路の高い集積度のために、温度を上げ、アプリケーションのスピードを制限する過剰な熱が発生する。ナノメートルAlNは、この熱を極めて早い伝導で消散させ、温度を安定に維持する。
【0012】
上で列挙した4タイプの例のうち、それらの物理的特性に加えて一般的にナノ材料の特性評価に通常以下が重要である。すなわち、1次粒子サイズ、サイズ分布、粒子形態、化学的純度水準、単位容積あたりの表面積、表面特性、及び結晶サイズ、3元又はより多元の構造の酸化物、共有/金属結合非酸化物、コンポジット、及び前記固溶体がさらに存在する。それは、1元及び2元構造、各々の粒子の個々のレベルでの化学的及び結晶相の均一性の決定的な要求に対立する。その均一性は、得ることが極めて難しい。なぜなら、合成中にいくつかの異なる元素を結合させることが必要であることに加えて、ナノメートルサイズの1次粒子を得て、維持することが困難だからである。
【0013】
我々が多結晶構造、コンポジット又は固溶体を備える材料を扱っていようがいまいが、これらの要求は、ナノ分子の合成中に濃度や温度の勾配が無く、速くて完全な反応が可能な場合にのみ保証される。
【0014】
実験室スケールだけでなく、再現性と連続性のある方法を持つことという、これらの2つの側面に加えて、以前述べた、全てのタイプのナノメートルサイズの構造の大量のセラミック材料の製造を可能にすることがさらなる障害である。
【0015】
コンポジット、固溶体、又は異なる3元(それらの中にスピネルタイプが存在する)及びより多元のナノメートルサイズの結晶構造の製造のための現存する方法は、類似している。実際、コンポジット又は結晶構造を得ることは、元素の比率、合成の温度、圧力及びその相平衡状態図のみに依存する。したがって、例えば、700℃と1200℃の間の1:2の割合のジルコニアとチタニアはZrTi2O6の構造を形成する。しかし、1100℃と1800℃の間の5:7の比率においては、3元構造を持つ化合物ZrTiO4が形成される。
【0016】
知られ、かつ言及された方法は、合成反応が起こる相に従って、3つのカテゴリー:固体、液体、気体に分割される。
【0017】
1.固相方法
この方法では、最終化合物/コンポジットは通常異なる元素の間の固相反応により生成される。約200nmのサイズが得られるまで集中的な粉砕工程がそれに続く。この低コストの方法の主要な制限は、0.2ミクロン以下のサイズを達成する困難性の他に、試薬間の不完全な拡散反応から生じる不純物の存在、粒子サイズの不均一な分布、コンポジットと化合物の本質的に欠陥のある均質性レベルが関連している。
【0018】
2.液相方法
液相における一連の最近の方法がある。それは、出発元素は分子レベルでストイキオメトリカルに溶解している液体から出発する。例えば、共沈、散布又はゾルーゲルのような異なるテクニックによって、水酸化物の形で沈殿が形成される。これらの方法には全て問題がある。pHに伴うさまざまな水酸化物の異なる溶解性―最終水酸化物中のカチオンの比率が出発溶液中の比率と一致しないことを意味するー、低い生産量と、例えば、酸化物に変換するための焼成と粉砕のような次のステップの要求、である。
【0019】
燃焼合成において、硝酸塩のストイキオメトリな量が要求される最少量の水に溶解され、それからある量の燃料が添加される。この混合物は、200℃と500℃の間の範囲で熱せられ、点火の数分後化合物が得られる。この方法の最大の弱点は、操作の非連続性に加えて、分子内部の高い空隙率である。これは、次の焼結段階を行う際大きな不都合となる。
【0020】
3.気相方法
3.1 低圧―現在一連の代替低圧気相方法が開発されつつある。例えば、濃縮することで極めて微細な分子が得られるガス浮遊物の製造に基づくエアロゾル又は熱分解合成のようなものがあげられる。このルートのこの主要な弱点は、非常に低い生産能力と、複雑な三元構造及びコンポジットを得ることの困難性である。
【0021】
一方、本発明により提案される方法、すなわち、水/油(W/ O)エマルジョンの爆発は、気相反応の新しいカテゴリー(高圧)に含まれる。高圧気相反応には、低圧方法と比較して、いくつかの利点がある。すなわち、1段階で、大量に、異なる結晶構造とナノメートルコンポジットを有し、気相中のさまざまな元素の高圧反応に由来する高い相の均質性を有する、多数の一群の物質が組み合わされ、得られることである。
【0022】
この方法によるナノ材料の製造は、次の4工程を含む:
a) 基本(W/O)エマルジョンの調製:
エマルジョンの設計の柔軟性により、その組成に金属、金属合金から、異なる金属塩まで、前駆物質を大量に含めることができる。それらは結晶構造とコンポジットの全ての範囲に変換する前駆物質を構成する。
b) ガス状のプラズマの形成を伴う前記(W/O)エマルジョンの爆発反応:
極めて早い爆発反応速度(マイクロ秒オーダー)は高い圧力を生み、それが前駆物質の気相プラズマへの完全な変換度合を保証する。この気相プラズマは、求められる物質/コンポジットをすでに含んでいる。
c) ナノ粒子を形成するための縮合:
材料とコンポジットの縮合現象が起こり、大量のナノメートルサイズの分子が生産されるためには、気相プラズマは高い過飽和状態で高圧を達成しなければならない。反応の圧力と大気圧の間の関係(P/PO)から測定すると、最初の縮合物のサイズは、過飽和度が増加するにつれて減少する。エマルジョンの爆発により生じる圧力レベルは、(P/PO)関係の最大化と、それに続くナノメートルサイズの粒子の生産とを確保する。
d) 粒子のナノメートルサイズの制御と維持:
最初の粒子の形成後、ナノメートル状態は、粒子間の凝固/合体現象の開始により迅速に破壊される。それゆえ、プロセスをコントロールするために、それらが形成され次第、迅速な冷却速度又は速いスピードのガスの流れの中でそれらを分散することが不可欠である。
【0023】
本発明により提案されるナノメートルサイズのセラミック材料の合成方法は、反応器の高温ゾーンでの分子の爆発温度と滞留時間を制御できることにより、高速ガス流中での迅速な冷却速度と分散を確保する。
【0024】
要約すると、本発明で提案される方法は、以下のような多くの結晶構造を有するナノメートルサイズのセラミック材料を得ることを可能にする。
―2元、3元又はより多元の結晶構造を有する酸化物、
―窒化物型結晶構造を有する非酸化物、
―コンポジット、
―固溶体。
【0025】
このセラミック材料は、高い化学的及び相の均質性レベルに加え、最終的な応用に従って調整可能な一連の相補的な特性として、15nm〜100nmの間の1次粒子の均一な分布、99.99%以上の化学的純度水準、5〜500m2/gの単位質量当たりの表面積、50nm以下の結晶サイズ、及び理論密度の98%よりも高い現実の分子密度を備える。
【0026】
ナノ粒子を製造するためにW/Oエマルジョンの概念を用いることは、非特許文献1で言及されている。この文献は、"エマルジョン燃焼法" (ECM)というナノメートルアルミナ粉末の合成の新しい方法を提案している。大気と共に(W/O)エマルジョンを燃焼させることで空洞のアルミナ粒子を提供する。しかしながら、本発明の方法は、異なる型を使用する。すなわち、本方法では、燃焼の代わりに爆発を用いる。外部の空気は使用しない。
【0027】
一方、特殊な性質を持つ物質の合成における爆発物のための爆発プロセスを使用することは、約30年前に始まった。そして、それから、ナノダイヤモンド(炭素の特殊な構造)の生産にフォーカスされてきた。例として、それが非特許文献2に言及されている。非特許文献2は、爆発手段によるナノダイヤモンドの生産のための炭素を多く含む軍事用爆発物の使用を開示している。非特許文献2では、(W/O)エマルジョンとは異なる3500℃以上の爆発温度を有する軍事用の爆発物が使用されている。この文献で示されている主題に対し、本発明は、2つの(W/O)エマルジョンを使用している点で異なる。それらのうち1つは、多数の前駆物質を含み、2000℃以下の温度で爆発型(detonation regime)を示し、セラミックコンポジットと結晶構造の多様性を可能にする。
【0028】
より最近、爆発方法は他の文献及び刊行物で言及された。すなわち、特許文献1は、異なる基質上にセラミックコーティングの製造、または、マイクロメートルとナノメートルの粉末を製造するための周期的な爆発プロセスを記載している。爆発は、極めて薄い粒度分布の金属浮遊物を含有する金属ガス混合物中で起こる。これに対し、本発明の方法は、液体又は固体相中で2つの(W/O)エマルジョンを使用する点で区別される。それによって、ナノ材料の合成のためによりよい条件制御が可能になり、セラミック材料に種々の(2元又はより多元の)結晶構造を提供する。
【0029】
特許文献2は、酸化剤と混合した粒状アルミニウムの周期的爆発プロセスによる細かい(マイクロメートルの)アルミナ(A1203)粉末の製造のための工業プロセスを開示する。本発明は、いくつかのタイプの金属前駆物質を取り込む点で区別される。この金属前駆物質は、例えば、2000℃以下の温度で爆発型を示す(W/O)エマルジョンにおいて、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩のようなもので、マイクロメートルサイズの粒子の代わりにナノメートルの粒子を提供する。それは、コンポジットと多数(2元、3元、及び窒化物タイプ)の結晶構造を得ることを可能にする。
【0030】
非特許文献3は、酸素を含むチャンバの内側で非常に薄い箔中でアルミニウムを加速し酸化してナノメートルのアルミナを得るための爆発エネルギーの使用を開示している。本発明において、金属、合金、硝酸塩、硫酸塩など、異なる前駆物質の爆発反応は、1つの(W/O)エマルジョンの組成物内で起こる。一方、非特許文献3では、アルミニウム反応は、ガスチャンバ内でより後に起こり、遷移(不安定)結晶相といくらかの未反応のアルミニウムとともにアルミナが得られる。
【0031】
非特許文献4は、爆発の間、軍事用爆発物RDXの中で混合したA1(NO3)3の分解から生じるいくつかの準安定相におけるナノメートルのA1203の製造を教示している。最終産物であるアルミナは、いくつかの汚染を示す。本発明の方法は、2つの(W/O)エマルジョンを使用する点で異なっている。そのうちの1つは、そのエマルジョンの組成で(分子レベルで)不可欠な部分である前駆物質を多数含んでいる。それにより、2元でなく3元及びそれより多い高純度の非酸化物の群を得ることができる。
【0032】
特許文献3は、セラミックス産業に応用される、ナノメートル結晶で構成される球形のマイクロメートル粒子(40ミクロン以下)であるポリ結晶を合成する方法を開示する。これに対し、本発明の(W/O)エマルジョンの調製と爆発の方法は、以下の点で区別される。
a) 本方法は、2つのW/Oエマルジョンを使用する。その1つは、2000℃以下の爆発温度を示す。この温度は、2000℃より高い温度で行われるためにマイクロメートルサイズの粒子しか得られない特許文献3の方法と異なって、ナノメートルサイズの粒子を得ることを可能にする。
b) 本方法は、同時にいくつかの金属前駆物質を使用する。それにより、3元及びより多元の構造、コンポジット及び固溶体を得ることが可能になる。それに対し、特許文献3に開示された方法は、2元構造(2原子)酸化物とともに酸化物のみの合成が可能である。それは組成物あたり1つの前駆物質を使用するからである。
c) 本方法は、水溶液(内側の相)に溶ける燃料を使用する。それにより、窒化物、炭化物、水素化物のような非酸化化合物の形成が可能になる。それらは、前記文献に記載された方法では得られないものである。
【0033】
このようにして、本発明の方法は、異なる共有/金属結合結晶構造を有するナノメートルサイズのセラミック材料の合成を可能にする。このセラミック材料は、1次粒子の均一な分布、高い化学的純度水準、50nm以下の結晶サイズ、及び理論的な密度の98%よりも高い現実の粒子密度を有する。
【0034】
非特許文献5は、水素、酸素及び塩化チタニウムの混合気体の爆発によるTiO2ナノ粉末の合成を開示する。しかしながら、本発明と異なり、この方法は室温で気体の前駆物質に限定されている。一方、本発明の方法は、液体状態(W/O)エマルジョンを使用し、エマルジョンの一部として多様な液体、固体の前駆物質の使用を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】US5855827号公報
【特許文献2】EP1577265号公報
【特許文献3】PT103838号公報
【非特許文献】
【0036】
【非特許文献1】Takoa Tami, Kazumasa Takatari, Naoysashi Watanabe, & Nabuo Kaniya 「Metal Oxide powder synthesis by the Emulsion Combustion Method」Journal of Materials Research (1997)
【非特許文献2】Fenglei H. Yi T., Shouurong Y. 「Synthesis mechanism and technology of ultrafine diamond from detonation」
【非特許文献3】Chiganova, G. A 「Detonation synthesis of ultrafine alumina, Inorganic Materials」MAIK Nauka/ Interperiodica ISSN 0020-1685 (Printed) 1608-3172 (Online) Vol. 41 N°5, May 2005, pp. 468 - 475
【非特許文献4】R. Y Li, XJ. Li, and X.H. Xie 「Explosive synthesis of ultrafine A12O3 and effect temperature of explosion」Combustion, Explosion and Shock Waves, Vol. 42, N°5, pp. 607 - 610, 2006
【非特許文献5】XJ. Li, X. OUYANG, H.H YAN, G.L SUN, and F. MO 「XJ. Li, X. OUYANG, H.H YAN, G.L SUN, and F. MO」Advanced Materials Research Vol. 32(2008) pp. 13 - 16 (online)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
本発明は、2元、3元又はより多元の結晶構造を有する酸化物、窒化物型結晶構造を有する非酸化物、コンポジット及び固溶体のような多くの結晶構造を有するナノメートルサイズのセラミック材料を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明は、多結晶構造を備え、コンポジット又は固溶体の形態におけるナノメートルサイズのセラミック材料を提供する。また、それらの調製方法、それらの特徴、特性及びナノテクノロジーへの応用についても提示する。
【0039】
1. ナノメートルサイズのセラミック材料の調製方法
本発明によれば、コンポジットと固溶体の形態における、異なる結晶構造を有するナノメートルサイズのセラミック材料の合成方法は、主として以下からなる。すなわち、望まれる最終セラミック製品のために、実験に基づいた法則と相平衡状態図における温度に従って、出発組成物を選択し、前記組成物を(W/O)エマルジョンの形態で調製し、前記エマルジョンを異なる開始剤(W/O)エマルジョンと一緒に十分低い温度(2000℃以下)で安定な爆発型で爆発させ、極めて早く冷却することによって100nm以下の粒子サイズを有する粒子を得ることができる。
【0040】
本発明で言及する基本又は開始剤エマルジョンは(W/O)型であり、広く使われている。例えば、爆発性のエマルジョンの製造の場合、界面活性剤の作用の下で深く関係している2つの相:内側(水性の)相と外側(不溶性)相から構成される。
【0041】
第2の(W/O)エマルジョンは、一般の他の爆発物と異なり、極めて低いpH値(5以下)を有する組成物を乳化することができる。これは、この(W/O)エマルジョンの水相に溶ける、硝酸塩、硫酸塩、塩化物のような、一連の前駆物質を溶解することによって生じた、これらの酸性レベルに適した界面活性剤を選択することで可能になる。前駆物質の出発分子の同質性を確保することで、最終セラミック製品の高い相均質性を得るために、第2の(W/O)エマルジョンは不可欠であることがわかった。最終セラミック製品は、これらのナノ材料の応用に必要な本発明の主題である。
本発明によれば、3.5以下の低いpH値のための非イオン性化合物と、3.5より高いpH値のためのポリイソブチレン誘導体が界面活性剤として使用できる。
【0042】
本発明の範囲内と考えられる前駆物質のタイプは、以下のものである:
―硝酸塩、硫酸塩、塩化物のような内側の水相に可溶な酸化剤、
―ヒドラジン、尿素のような内側の水相に可溶な燃料、
―炭化水素、有機物のような外側の相と混和性の燃料。
【0043】
これらの成分に加えて、第2のW/Oエマルジョンは金属や合金のような固体の前駆物質を含み、それらは、爆発反応段階の間中、ガス化することで均一な気体のプラズマを形成する。
【0044】
第2の(W/O)エマルジョンの成分を構成するこの前駆物質の集合は、爆発反応の間に望まれる結晶構造とナノメートルコンポジットの範囲中に変換されるだろう。
【0045】
異なる前駆物質の組み合わせ方法において、重要なポイントはエマルジョンが爆発型を十分低い温度(2000℃以下)で維持することである。それにより、ナノメートル状態の1次粒子を維持する。
【0046】
金属又は合金を、既に言及した残りの前駆物質と一緒に使用する可能性には、極めて重要な2つの意味がある。
a) 生産性―出発組成物単位あたりの最終産物への高い変換率
b) 純度水準―多くのナノテクノロジーの応用のための、すなわち、バイオ材料と医薬の分野における必要条件。
【0047】
金属は、一般的にその低い融点のため、他の前駆物質よりも精製が容易である。
【0048】
コンポジット又は固溶体の形態の多結晶構造を伴うナノメートルのセラミック材料合成のための前記方法は、それゆえ、本質的に次の工程によって構成される:
1.1.第2のW/Oエマルジョン中の試薬のストイキオメトリを決定すること
―第2の(W/O)エマルジョンの成分は既に述べた前駆物質の集合(可溶な酸化剤、可溶な燃料、不混和燃料、金属及び金属合金)から選ばれる。そして、それらの相対比率は実験式と望まれるセラミック材料の構造のタイプによる。
【0049】
1.1.1.実験式
もし実験式NiFe2O4のスピネルを合成しようとする場合、出発組成物は、酸化反応を完了できるための十分な酸素に加えて、NiとFeを最終化合物(NiFe2O4)と正確に同じモル比(1:2)で含有すべきである。
【0050】
1.1.2.構造型
前駆物質の選択は、構造型、主にセラミック化合物が属する以下のファミリー型に依存する:
a) 2元、3元又はより多元の構造を持つ酸化物:前駆物質―可溶な、酸素リッチな、金属又は金属合金を含むか又は含まない酸化剤。
b) 窒化物型(AlON, ALN, SiAlON等)の共有/金属結合結晶構造を持つ非酸化物:前駆物質―内側の相100%の組成又は、例えばヒドラジンのような、酸素を含まない、可溶な燃料により構成される。
c) コンポジットと固溶体に関しては、それらが酸化物であろうと非酸化物であろうと、法則は同様である。
【0051】
1.2. 混合物爆発温度の調整
これら全てのプロセスにおいて、爆発温度は2つの理由から重要な役割を果たす。
a) ナノメートル状態の1次粒子を得ること。合体時間を減らすために、C J(チャップマン/ジョグゼ)点におけるエマルジョン2の爆発温度が望まれるセラミック材料の融点よりも低いことが必要である。それにより、1次粒子をナノメートル状態に維持すること、実際には、それは、2000℃以下の温度で操作する必要があることを意味する。2000℃は、セラミック材料(酸化物、炭化物、窒化物及び水素化物)のほとんどの融点の限界である。
b) 優れた正確性を持って、前記セラミック化合物の形成に対応する相平衡状態図の要求されるポイントを達成すること。出発溶液中の吸熱性元素の量、燃料のタイプ及びエマルジョンの内側相/外側相の関係のような設計パラメーターを制御することを通して、細かく爆発ガスの温度を調整することによって、後にいかなる熱処理も必要なく、上記1.1.中の試薬で確立されたストイキオメトリ比を変えることなく、要求される結晶構造を得ることが可能である。
【0052】
測定実験の困難性を考慮すると、点(C,J)における爆発温度は組成と最初のエマルジョンの密度からコンピュータプログラム(BKW, Tiger, THOR)を使うことによって決定される。そのプログラムは状態方程式と数値的方法を使用する。この段階が完成したとき、第2の(W/O)エマルジョンの最終組成が確立される。
【0053】
1.3. 第2の(W/O)エマルジョンの調製
前の段階1.1と1.2において最終組成を確立した後、第2の(W/O)エマルジョンを得る段階に進む。界面活性剤の作用の下で深く関係している2つの相:内側(水性)相と外側(不溶)相により、主に構成される。外側相は酸素バランスをゼロに近づけるために通常全組成の2と20%の間である。
【0054】
1.3.1. 内側相の調製
先に選択されたエマルジョン2の組成に従って前駆物質を水に溶解させる。
【0055】
この相は完全に溶けるように、異なる試薬の結晶化ポイントよりも高い温度(35-105℃)で加熱される。硝酸塩、塩化物及び硫酸塩の溶解は通常非常に低い(0-4)pH値を引き起こす。そのため、ステンレス鋼のコンテナを使用する必要がある。水の量は、全組成物の5-60%の間に含まれるようにすべきである。望ましい爆発温度では、水は強い吸熱要素であり爆発温度を著しく減少させる。
【0056】
1.3.2. その炭化水素又は有機材料を、低いpH値に適した特別な(以前述べたタイプの)界面活性剤と混合することによる外側相の調製、内側相に近い適当な粘度と温度を確保するために、混合物の35-85℃の間で穏やかに加熱すること。
【0057】
(W/O)エマルジョンの安定性を確保するために、前記界面活性剤は、全組成物の1〜2重量%に相当すべきである。
【0058】
1.3.3. 両方の相の乳化マトリックスへの乳化とそれに続く、安定なエマルジョンを可能にするための約60-150psiでの精製。ここでミセルサイズは1-10ミクロンの間に含まれる。この制限を超えると、エマルジョンは敏感さと安定性を失って、徐々に崩壊するからである。
【0059】
1.3.4. 拡張したポリスチレンまたは汚染物質―自由なプラスチック球のような有機感光薬(0.2から2%)の添加。有機感光薬は爆発反応で消費される。その機能は密度を12.5g/cmの値以下に調整することである。爆発速度を4000m/sより速くできる感度レベルを確保するために。
【0060】
1.3.5. 上記1.1で事前に決めた組成に従って、固体状態の金属又は金属合金を添加又は不添加とし、それに続いて均質化する。金属又は金属合金は、外部から添加される前駆物質の2つの可能な例であるが、高い均質性を伴う。
【0061】
1.4. (W/O)エマルジョン2の設定/配列の準備
そのレオロジーに従うことで、(W/O)エマルジョンは異なる形状設定の調製が比較的容易にできる。球形、円筒形、環状、又は平らな面を持つ。それは粒子の冷却速度をコントロールし、ナノメートルサイズのセラミック材料を得るだけでなく、その結晶化度レベル又はアモルファス状態をコントロールするのにも貢献する。冷却速度が速いほど、単位質量当たりの表面積も広くなる。(空気中の代わりに)水中でのガス冷却の場合、300 m/gの表面積を達成できる。このパラメーターは特に触媒効果が要求されるナノテクノロジーの応用に関係がある。
【0062】
内側の及び外側の相の間の巨大な接触面積と、使用する感光薬の量を通じて単位体積毎に開始点の数を容易に制御できる可能性のために、(W/O)エマルジョンは、円筒形の形状では15-20mm又は平らな形状、サンドイッチタイプ又は環状の形状では5-10mm、の非常に小さい重要な爆発直径を有する(爆発が依然安定な最少直径)を有する。この特徴は薄い厚さを使用することを可能にする。それは、爆発反応段階の間及び放射状のガス拡散とナノ粒子形成段階における低い温度と粒子濃度の勾配を意味する。そしてそれはセラミック材料の形態とサイズ分布レベルにおける1次粒子の均一性に関与する。
【0063】
1.5 (W/O)エマルジョン2の爆発
1.4で採用した設定が何であれ、段階1.1から1.5.で調製したエマルジョン2の全体組成と一致した爆発型を確保する必要がある。そのため、起爆剤又は容量放電、レーザ等の同じ効果を持つシステムを用いて爆発を開始させ、爆発フロントを安定化させる工程は他のW/Oエマルジョン(基礎または起爆エマルジョン)中で以前に起こっていたに違いない。それは、内側相内の硝酸アンモニウムと水と、外側相内のミネラルオイルと乳化剤のみに基づき、非固体汚染物質ではなく、CO2、H2O、N2のようなガス反応生成物のみを生成するためである。
【0064】
この開始エマルジョン(エマルジョン1)は以下の組成を有する:
硝酸アルミニウム(80 - 90%)、水(10 - 15%)、ミネラルオイル(3-10%)、乳化剤(0.5-1.5%)。
感光薬の量で調整された1.15と1.39 g/cm3の間の密度。
このエマルジョン(1)は前駆物質を含むエマルジョン(エマルジョン2)と共役している。それにより、後者が密度を0.7と1.4g/cmの間に密度を制御することにより、安定で4000m/sより速い速度を得ることを可能にしている。
【0065】
開始エマルジョン(エマルジョン1)の量は爆発波の安定が確保できるのに十分な量であるべきである。その長さは直径の5倍であるべきである。例えば、直径30mmの円筒形においては、開始エマルジョンは最低150mmの長さを有するべきである。
【0066】
エマルジョン2の全体の組成における理想的な型(爆発速度)は、その最終的な特性である高い均一性を有する最終のナノセラミック製品の再現性のある形態を提供することと密接に関連する。最終的な特性とは、例えば、結晶相、1次粒子サイズ、結晶サイズ、粒子形態である。
【0067】
1.6. 反応生成物の収集と処理
粉末は、爆発反応から生ずるガスによって拡張型チャンバ内に引きずり込まれる。そこでは粉末は空気中でほこりを蓄積することを避けるために湿式で集められる。その後、それらは湿式でふるいにかけられ、常時70℃以下の温度で乾燥され、最終的に凝集を解かれ、袋に入れられる。約100gの小さいサンプルが集められ、合成された製品の特性評価のためにいくつかの化学的、物理的分析が行われる。
【0068】
2 ナノメートルサイズのセラミック材料の特性評価
本発明に従って製造されたナノメートルサイズのセラミック材料は、以下のような一連の顕著な特徴を示す:
2.1. 結晶構造の多様性:
―例えば、A12O3, ZrO2, TiO2, ZnOのような2元の、ZnFe2O4のような3元の、LaSrCuO、結晶構造のようなより多元の様々な元素の組み合わせを伴う酸化物、
―例えば、これらに限られるわけではないが、AlON, ALN, SiAlONのような窒化物タイプの共有/金属結合結晶構造を有する非酸化物、
―2又はそれ以上の材料の組み合わせから得られるコンポジット、例えば、アルミナ及びジルコニアの個々の結晶構造を維持する単粒子.中のアルミナ/ジルコニア、
―固溶体、この場合は、前述のものとは異なり、成分の1つは、他のものに“溶けている”。その結果、例えば、MgO-NiOとA12O3/CR2O3のように、最初のものとは異なるただ1つの連続する結晶構造が検出できる。
【0069】
2.2. 上述のセラミック材料はそれぞれの粒子レベルで、個々に高い化学的及び結晶相の均一性を示す。
【0070】
2.3. 15から100nmの間の1次粒子サイズ。
【0071】
2.4. 1次粒子の均一な分布。
【0072】
2.5. 99.99%より高い化学的純度水準。
【0073】
2.6. 50nmよりも低い結晶サイズ。
【0074】
2.7. 応用にしたがって調整可能な、5から500m/gの質量単位あたり表面積。
【0075】
2.8. 化合物の特徴的、理論密度98%より高い真の粒子密度。
【0076】
上述の特性を評価するために、以下の物理的/化学的方法が使用される:
X線回折―これは、その非結晶又は結晶の状態、その結晶相及び微結晶サイズを評価することにより、物質を同定することができる。それぞれの物質について検量線をプロットした後、重なったピークをデコンボルーションすることにより、それぞれの化合物の百分率を定量することができる。微結晶サイズは、Scherrerの等式と、X線回折における最も強いピークの最大値の半分における全幅により決定される。この値はいつも透過型電子顕微鏡で得られる値で裏付けられるべきであることに注意。
【0077】
透過型電子顕微鏡(TEM)―透過型電子顕微鏡で結晶サイズを決定することは、サンプルを以下のステップに従って調製することを意味する:
a) 超音波バス中で化学的に相溶性の溶媒中に材料を分散させる。
b) 試料を代表するのに十分な量の粒子を保持するために、前記液体中にTEM用の特殊なグリッドを数秒間挿入する。
c) 試料の観察中の障害を避けるために、約12時間材料を十分に乾燥させる。
【0078】
ノーマルモードで試料を観察するとき、粒子の形態、あらゆる凝集物の存在とそのサイズ、を評価できる。しかしながら、この分析は定性的に過ぎない。結晶サイズの値を決定するためには“暗視野”モードを使用する必要があることに注意。そのイメージは、黒の背景に、結晶が白に強調して表示される。適当なソフトウエアの助けにより、結晶のサイズを非常に正確に決定できる。
【0079】
走査型電子顕微鏡(SEM)―走査型電子顕微鏡観察のための試料の調製は、次の段階を含む:
a) 少量の粉末を、顕微鏡のために適したサポート上に載せられた粘着性のカーボンテープの上におく。
b) 観察される製品と意図した目的に従って、炭素又は金のナノメートル層で粉末を覆う。
【0080】
試料の観察は、粉末の凝集状態と同時に粒子形態、構造についての結論を出すことを可能にする。
【0081】
SEMの大多数は、EDX(元素分析)と呼ばれるオプションを有する。それは、コンポジットの均一性を特徴付けし、評価するのに非常に重要である。EDXは元素のX線回折を行う、すなわち、試料の選択した領域中の化学的元素のみを決定する。それは、粒子の一部、粒子、一連の粒子でありうる。これにより、各々の粒子の化学的組成を解明し、この組成が全ての粒子で同じかどうか確かめることができる。すなわち、観察した試料の均一性のレベルを評価することができる。EDX技術とX線回折によって得られた結果を組み合わせることで、コンポジット中に存在する化合物とその均一性のレベルに関する安全な結論を出すことができる。
【0082】
粒子サイズ分布―粒子サイズ分布は、次のステップに従って調製した懸濁物から出発して、粒度分析測定デバイスで決定する:
a) 少量の粉末を、高度に試料が分散する、化学的に相溶な溶媒に分散する。
b) 前記懸濁物に、懸濁物と化学的に相溶な1mLの分散剤を添加する。
【0083】
得られたプロットから前記粉末の分布(一峰性、二峰性等)を決定することができる。
試料の分散が適当にされないと、粒子サイズの代わりに凝集物のサイズを評価するリスクがあることに注意。
【0084】
比表面積―BET−比表面積は、質量単位当たりの各々の粒子又は各々の凝集物により占められる面積である。この分析は、ナノ粒子の特徴付けに非常に重要である。なぜなら、それは、他の分析と組み合わせたとき、粒子サイズを凝集状態と関連付け、また、粒子内部の空隙の存在を検出することを可能にするからである。この分析は、粒子サイズを決定するために非常によく使われる。粒度分布測定デバイスにより粒子サイズを解明することは、測定中安定である懸濁物を必要とするからである。測定中安定である懸濁物は、粒子サイズが減少するにつれて、得ることが難しくなる。
【0085】
真の粒子密度―本当の粒子密度は、ヘリウム比重瓶の手段により決定される。理論的値と比較すると、得られた密度の値は分析試料の内部の空隙を定量することを可能にする。
【0086】
化学分析―純度水準―与えられた材料の純度水準/汚染物質の定量は、常にICP-AES (Inductively Coupled Plasma - Atomic Emission Spectrometry)の手段により行われるべきである。なぜならそれは非常に低い検出限界と高い正確性を持つテクニックだからである。試料は水相中に存在していなければならない。粉末試料の場合は、化学物質又は分析すべき材料に応じた化学的方法又は他の方法で溶解され、又は切断されるべきである。この分析を用いると、高い正確性を持って、試料中に存在する化学元素を定量することができる。しかし、それは化合物は同定しない。その場合、常にX線回折を相補的手段として行うことが要求される。
【0087】
試料を特徴付けるために、いくつかのタイプの分析を行うべきであり、そしてその結果は、より正確な結論を出すために全体として評価すべきであることに注意。
【0088】
ナノテクノロジー分野におけるこれらの材料の応用のタイプは主に、上述したその特性に依存する。すなわち、
構造の型―本発明に記載された(W/O)エマルジョン爆発プロセスは非常に柔軟なので多くの異なる結晶構造を持つナノメートルのセラミック材料を得ることができるという事実。2元構造の酸化物、いくつかの3元またはより多元の結晶構造中の多くの元素の組み合わせからなる酸化物、共有/金属結合結晶構造を有する非酸化物、窒化物タイプ、コンポジット、固溶体のようなセラミック材料を得ることができる。上記事実は、極めて重要である。それは、構造のこの多様性のある集合が要求されるナノテクノロジーの応用の多様性を検討することを可能にするからである。例えば、歯科分野のための半透明のコンポジット、超伝導、エネルギー貯蔵、磁気ナノ流体、計算中のエネルギー浪費、高い強度の人工装具用バイオ材料等のようなものがあげられる。
【0089】
結晶相の均一性―セラミックナノ材料がコンポジット又は固溶体の形で設計されるとき、様々な材料の相補的な特性を組み合わせることにより、1つの製品では示すことができない個々の粒子レベルでの機械的、熱的、電気的、磁気的又は光学的特徴の組合せを示すことが追求される。各々の個々の粒子のレベルにおいて、本発明のナノ材料によって示される相の均一性は、(W/O)エマルジョンの爆発プロセス(分子レベルで混合された出発組成物と反応条件)によって確保される条件によって、極めて広い範囲の応用に特に適したものとなる。そこでは、いくつかのセラミック材料の特性の組み合わせが要求される。
【0090】
この均一性が重要である多くの例の1つは、半導体電子産業のためのナノメートルフィルムの調製中においてである。粉末ナノコンポジットは極めて濃いセラミックのタブレット(ターゲットタブレット)に焼結される。ターゲットタブレットは、電子ビームで照射されたとき、所定の基質上に原子を堆積し始める。もしコンポジットが元の粉末中に分子レベルで形成及び混合されなければ、結果として得られるフィルムの特性は均一ではないだろう。
【0091】
1次粒子サイズと分布―ナノメートル1次粒子のサイズと分布は、単位容積当たりの表面積に影響すること以外に、ナノ材料の以下のような一連の特性に重要である。
a) 光学特性―色、透明性の変化、粒子サイズがある光の波長よりも低いとき、TiO2の透明フィルムにおける応用、
b) 物理的特性―セラミック産業における焼結補助剤としての使用が可能になる融点の低下、熱転移容量の多量の改良、
c) 磁気特性―ナノ流体の飽和保磁力の増加、
d) 機械的特性―より柔らかい表面処理。
【0092】
化学的純度水準―ナノメートルセラミック材料の純度水準は、ナノ医薬のようなバイオ医学分野で特に重要である。(癌のような病気の検出と治療に関連する新しい部門である。)そこでは、機能性ナノ粒子はある抗体を検出するために使われる。ターゲットの病気の細胞に付着し、放射線又は磁場により選択的に破壊する。また、バイオ材料分野で人工装具の製造に使用される。
【0093】
この分野に加えて、一連の電気的、磁気的そして光学的応用がある。そこでは、少ない不純物が存在することで予想された特性が完全に変化する。これによって得られたナノ材料は応用の高度な要求型に使用されうる。それらは(出発前駆物質の純度水準を制御することにより)99.99%より高い純度を達成することができる。
【0094】
質量単位当たりの表面積―この特徴は、疑いなくナノ材料の世界で最も重要なものの1つである。そして、多くの新規な特性の原因である。表面積が広いほど、粒子中の全原子に対する表面原子の割合が高くなる。そして固体状態化学が表面で起こるため、この特性が増加すると、化学反応性が高くなり、反応がより効果的になるだろう。本発明は、粒子の冷却速度を制御することにより、結晶または非結晶構造の表面積を5-500m2/gの間で変えることを可能にする。これらのナノ材料は、触媒効果が重要な以下の例のような応用に特に適している。
a) 化学合成―メタノール、水素(光触媒酸化)、車の排気ガス触媒変換、油精製等
b) 化粧品―改良された臭気抑制
c) 環境―空気や水中の毒性化学元素の改良された吸着能力、殺生物剤としての改良された特性
d) 光起電電池―改良された光/電気エネルギー変換効率
e) 表面―有機物質廃棄における自己クリーニング効果。
【0095】
真の粒子密度―実験的密度と理論的密度の関係は、粒子の内部の空隙度の指標である。この特性は、ナノパウダーからの高密度のセラミック商品の製造を必要とする応用に特に重要である。なぜなら内部の空隙率は焼結段階で取り除くことができないからである。
【発明を実施するための形態】
【0096】
1. ナノメートル材料の製造のためのプロセス―ナノメートル材料の製造のためのプロセスは、望まれるセラミック化合物に応じて、混合試薬(エマルジョン、前駆物質、界面活性剤等)の選択から始まる。その後、爆発反応温度を計算することにより最終組成物の調整に進む。
【0097】
1.1. エマルジョン爆発温度の決定―状態方程式と数値的方法を用いたコンピュータプログラムの手段による、C J点における爆発温度の算出は、エマルジョンの組成と最初の密度に影響される。
【0098】
1.2. 開始エマルジョンの調製(1)
エマルジョン1の調製はNH4NO3の撹拌され、加熱されるタンク中の脱ミネラル水への溶解から始まる。それにより、内側相の硝酸アンモニウム溶液が提供される。それから、粘度範囲に適した乳化デバイス中での内側相の油(外側相)との乳化に進み、それにより乳化マトリックスが提供される。最後に、タンク中に比較的低い撹拌スピードで約0.5%のプラスチック微小球を添加する。エマルジョンを起爆剤又は他のタイプの作動に敏感にするためである。
【0099】
1.3. エマルジョン2の調製(様々な前駆物質を伴うエマルジョン)−このエマルジョンは水性の内側相と不溶性の外側相とからなる。エマルジョンの外側相は通常全組成物の2%と20%の間に含まれる。
【0100】
1.3.1. 内側相を調製するために、予め選択された組成に従って前駆物質が水に溶かされる。溶液はそれからいくつかの試薬の結晶化ポイントよりも高い温度(35℃-105℃)に加熱される。溶液の水の量は全組成の5-60%の間に含まれる。
【0101】
1.3.2. エマルジョンの外側相の調製は、混合物のpH値に適した界面活性剤とともにエマルジョンを構成する炭化水素又は有機物質を混合することにより影響を受ける。混合物は35-85℃の間の温度で加熱される。界面活性剤は得られたエマルジョンの1-2重量%に相当するべきである。
【0102】
1.3.3. 両方の相の乳化マトリックスへの乳化は、粘度範囲に適当な乳化デバイス中で起こる。それにより、乳化マトリックスが得られる。それから約60-150psiにおける精製段階が、エマルジョンを静的ミキサーを通すことにより行われる。
【0103】
1.3.4. それから発泡スチロール又は汚染物質の無いプラスチック球のような有機増感剤(0.2%から2%)が添加される。
【0104】
1.3.5. 最後に、固体状態の金属化合物又は金属合金が添加され得、ポイント1.3.から1.3.4.に従って調製されたエマルジョンと、外部からではあるが、均一に混合される。
【0105】
1.4 爆発条件―W/Oエマルジョンの爆発のために、エマルジョン(2)は、開始エマルジョン(1)に先立って35mmの円筒形のカートリッジに収納される。その後爆発は、エマルジョン1に挿入された電気的起爆装置により開始される。
【0106】
1.5. 材料の収集―粉末は爆発反応に由来するガスによって拡張チャンバに引き込まれる。そこでは粉末は、空気中のほこりを蓄積しないよう、湿式で集められる。それから、湿式でふるいにかけられ、常時70℃以下で乾燥され、最終的に凝集を分離させて袋に入れられる。
【実施例】
【0107】
以下に示す実施例の全てにおいて、第1のエマルジョンは、エマルジョン1又は開始エマルジョンという。その機能は、爆発反応を安定化することである。エマルジョン1は、異なる前駆物質を有する組成を含むエマルジョン2に先立つ。全ての行われたテストでは、50グラムのエマルジョン1は、カートリッジの内部に入れられる。そして、これらは続いて、約200グラムのエマルジョン2で満たされる。
【0108】
エマルジョン1または開始エマルジョンの調製:
油(ミネラルオイル(80%)+乳化剤(20%)):4.975%
NH4NO3: 84.575%
H2O: 9.95%
プラスチック増感剤:0.5%。
【0109】
エマルジョン1の調製は、タンク内で撹拌及び加熱してNH4NO3を脱塩水に溶解することから始まる。次いで、粘度範囲が適した乳化デバイス中での油(外側相)を用いた内側相の乳化に進む。それにより、乳化マトリックスが得られる。最後に、比較的低い撹拌速度のタンク中に、エマルジョンを起爆剤や他のタイプの開始剤に敏感にするために、約0.5%のプラスチック微小球が添加される。
【実施例1】
【0110】
マグネタイト(Fe3O4)の調製、逆スピネル構造―
200グラムのエマルジョン(2)は、下記の方法で、次のような組成/量で調整される:
油(ミネラルオイル(80%)+乳化剤(20%)):4.5%、
NH4NO3: 47.5%
Fe(NO3) 3.6H2O: 47.5%
プラスチック増感剤 0.5%。
【0111】
エマルジョン2の調製: 硝酸鉄が、結晶化温度の少し上の温度で、完全に溶解するまで加熱される。硝酸アンモニウムが添加され、システムは撹拌され、完全にクリアな溶液(結晶の無い溶液)が得られる。撹拌されるビーカー中で、ミネラルオイルは乳化剤と混合され、それにより油―外側層という名前の組成物が供給される。
【0112】
粘度範囲に適した乳化デバイス中で、安定したエマルジョンを供給するために油は硝酸溶液で乳化される。撹拌されるタンク中で、このようにして得られたエマルジョンに約0.5%のプラスチックの微小球が最終的に添加される。
【0113】
2.(CJ)点におけるエマルジョン(2)の特徴付けは、次のとおりである:
エマルジョンの爆発速度:5440m/s
爆発圧力(C J点):87.3kバール
爆発温度(C J点):1406℃。
【0114】
3. エマルジョン2は、電気的起爆装置で作動する開始エマルジョン(1)を先に入れられた、35mm円筒形カートリッジ中に入れられた。
【0115】
4. ポイント2中で示された爆発特性に見られるように、反応温度は比較的低く、約25nmの非常に小さな1次粒子が得られる。そして非常に速い冷却速度は、非常に速い粒子の固化とそれらの成長を防止することにつながる。このようにしてマグネタイトの主な特徴の要約は、後記の表1に表示されている。
【実施例2】
【0116】
アルミニウム窒化物の調製
1. 200グラムのエマルジョン(2)は、下記のようにして、次の組成/量で調製された。
【0117】
油(ミネラルオイル(80%)+乳化剤(20%):3.5%、ヒドラジン:70%
粒状のアルミナ(100ミクロン<、かつ<600ミクロン):20%プラスチック増感剤:0.5%。
【0118】
エマルジョン2の調製: ヒドラジンは、均質な溶液を作成するために、水に薄められる。ミネラルオイルは、撹拌型ビーカー中で乳化剤と混合される。粘度範囲に適した乳化デバイス中で、油はヒドラジン溶液と乳化され、それによって安定なエマルジョンが供給される。撹拌型タンク中で、このようにして得られたエマルジョンに約0.5%のプラスチック微小球が添加され、最終的に粒状のアルミニウムが、金属の摩擦を防止するために非常に遅い撹拌で混合される。
【0119】
2. (CJ)点における、このエマルジョン(2)の特性は、
エマルジョン爆発速度:8108m/s
爆発圧力(C J点):163.6kbar
爆発温度(C J点):1924℃以下
である。
【0120】
3.エマルジョン2は、開始エマルジョン(1)が先行する35mm円筒形カートリッジの中に入れられ、電気雷管により作動させられる。
【0121】
4.上記1で与えられた材料は、水が酸素を含有する唯一のものであることを示している。しかし、酸素は全体の組成では6%に過ぎないため、酸化アルミニウムの代わりに窒化物アルミニウムが自然に形成されるための条件が設定される。微結晶サイズと1次粒子サイズは非常に小さく、数十ナノメートルである。なぜなら、非常に速く粒子を冷却するために粒子が成長することを著しく減少させ、結晶成長を止めるからである。CJ点における高圧は、衝突期間中のそれらの間のネックの形成を防止し1次粒子の速い固化速度を説明する。以前の記述によれば、硝酸アルミニウムの主な特性の要約は表1に表わされている。
【実施例3】
【0122】
アルミン酸マグネシウム(MgA12O4)スピネルの調製
1. 200グラムのエマルジョン(2)は、下記の方法で、以下の組成/量で調製された。
油(ミネラルオイル(80%)+乳化剤(20%)):49%、硝酸アルミニウム:46.6%、硝酸アンモニウム(NH4NO3):46.6%
粒状マグネシウム(100ミクロンより大きく、かつ600ミクロンより小さい):15%プラスチック増感剤:0.4%
エマルジョン2の調製: 硝酸アルミニウムは、完全に溶解するまで融点より少し上の温度で加熱される。硝酸アンモニウムが添加され、そのシステムが撹拌されることで完全に透明な溶液が得られる。撹拌型ビーカー中でミネラルオイルが乳化剤と混合され、それにより油―外側相という名の組成が得られる。
【0123】
粘度範囲に適した乳化デバイス中で、油は硝酸溶液と乳化される。それによって安定したエマルジョンが得られる。遅く撹拌されるタンク中で、約0.5%のプラスチックの微小球がこのようにして得られたエマルジョンに添加され、粒状マグネシウムもまた、金属の摩擦を防止するために非常に遅く撹拌されながら最後に添加される。
【0124】
2. 点(C,J)におけるこのエマルジョン(2)の特性は、次のとおりである: エマルジョン爆発速度:5514m/s、爆発圧力(C J点):97.8kバール、爆発温度(C J点):1321℃。
【0125】
3. エマルジョン2は、エマルジョン(1)が先に入れられた35mm円筒形カートリッジ中に入れられ、電気雷管により爆発させられる。
【0126】
4. 回収したサンプルに行われたX線回折によりわかるように、主要な結晶相はアルミン酸マグネシウムスピネルである。試料は結晶構造を持ち、18ナノメートルの結晶サイズを示す。
【0127】
平均1次粒子サイズはSEMで観察されたように約50nmである。非常に速い冷却速度と反応温度が2000℃よりも低いという事実により、1次粒子と微結晶サイズが説明される。この温度は結晶の成長に十分好ましいものではなく、速い固化速度が粒子が衝突中に接着することを防止している。それにより、より大きなサイズの粒子が形成されるのを防止している。
【0128】
前述のように、主要な結晶相はアルミン酸マグネシウムであり、この結果は、エマルジョン中の前駆物質の混合物の高い均質性によって説明される。それにより、爆発プロセス中に、よりよい組み合わせとより安定な結晶相の形成が達成される。
【0129】
以上の説明に従って得られたアルミン酸マグネシウムスピネルの主な特性を、表1に示す。
【0130】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の2つの油中水滴型(W/O)エマルジョンを爆発させることによって実施されるナノメートルサイズのセラミック材料の合成方法であって、第2のエマルジョンは、セラミック材料の一群の前駆物質を含有し、エマルジョンの組成と密度から状態方程式と数値的方法により決定される2000℃より低い温度で爆発型を示すものであることを特徴とする、ナノメートルサイズのセラミック材料の合成方法。
【請求項2】
請求項1記載のセラミック材料の合成方法において、
前記第2のエマルジョンの前駆物質は、内側の水相に溶ける酸化剤と、内側の水相に溶ける燃料と、外側の相と混和性の燃料と、金属と金属合金のような固体前駆物質とを含有することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載のセラミック材料の合成方法であって、
前記第2のエマルジョンの組成は、
a) 混合物における前駆物質のストイキオメトリを決定すること、及び
b) 爆発温度を調整すること
により決定されることを特徴とする合成方法。
【請求項4】
請求項1記載のセラミック材料の合成方法であって、
第2の(W/O)エマルジョンのpHが酸性又は5以下であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載のセラミック材料の合成方法であって、
第1のエマルジョンが以下の組成:
a) 硝酸アンモニウム:70〜90%
b) 水:5〜20%c) 油:3〜10%
d) 乳化剤:0.5〜2.5%
e) 有機増感剤:0.2〜1%
を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載のセラミック材料の合成方法であって、
前記第1及び第2のエマルジョンが、球形、円筒形、平面及び環状の形状で、これらに限られない形状を示すエマルジョンであることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載のセラミック材料の合成方法であって、
第一のエマルジョン中で爆発が開始することを特徴とする方法。
【請求項8】
a) 2元、3元またはより多元の構造を有する酸化物
b) 例えば、窒化物、炭化物、水素化物のような非酸化物
c) コンポジット、または
d) 固溶体
のセラミック材料であって、請求項1ないし7のいずれかに記載の方法により得られるセラミック材料。
【請求項9】
a) 15と100nmの間の1次粒子の均一な分布、
b) 90%以上である各々の個々の分子における結晶相の均質性、
c) 微結晶サイズが50nm以下、
d) 理論上の密度の98%以上の真の密度、
e) 5と500m/gの間である単位質量あたりの表面積
を示すことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のセラミック材料。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のセラミック材料であって、99.99%よりも高い純度水準を示すセラミック材料。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載のセラミック材料を、次の用途
a) バイオ材料及びナノ医薬分野における触媒システムでの応用、
b) セラミック産業における焼結助剤のようなナノメートルフィルムの製造、又は
c) 機械的、電気的、磁気的、光学的及び表面特性を変えるためのセメント、ポリマー、ゴムのような構造材料の組み合わせ
に使用することを特徴とする使用法。
【請求項12】
第2の油中水滴型(W/O)エマルジョンであって、
前駆物質として、内側の水相に溶ける酸化剤と、内側の水相に溶ける燃料と、外側の相と混合できる燃料と、金属と金属合金のような静止した固体前駆物質とを含有し、
内側の相ではpHが3よりも低く、密度が0.7〜1.3g/cm3であり、反応速度が4000m/sより速く、爆発温度が2000℃より低い爆発型を示すことを特徴とするエマルジョン。

【公表番号】特表2011−523928(P2011−523928A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511146(P2011−511146)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052205
【国際公開番号】WO2009/144665
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(510314057)イノブナノ−マテリアイス アバンサドス,ソシエダッド アノニマ (2)
【氏名又は名称原語表記】INNOVNANO−MATERIAIS AVANCADOS,S.A.
【Fターム(参考)】