説明

ナノ中空筒配線

この発明は新規Liイオン電池電極物質の表面誘導方法に関する。誘導は単一壁炭素ナノ筒(SWCNT)に結合される両親媒性レドックス活性分子からなる複合集成体の吸着に基づく。その役割は少しも有効電極容積及び質量増をたのむことなく燐酸オリブ質のような電極物質の電子伝導性増進にある。SWCNTはレドックス分子に分子疎水部分と非共有または共有相互作用もしくは静電相互作用によって結合される。分子親水部分は電極活性物質の表面変性定着座としてはたらく。分子レドックス電位は電極活性物質のレドックス電位に接近する。レドックス‐分子およびSWCNTの吸着集成体はこれ故に集電装置から電極活性物質へ電荷移動を改良する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は非水有機電解質、固体状ゲル電解質、固体電解質などを用いる電気化学区画ならびに特に多孔性電極物質、すなわちリチウム挿入物質のドープまたは非ドープナノ粒子もしくはミクロ以下粒子及びレドックス活性化合物と組み合わせる前記電解質の使用に電気化学的に向けられるリチウム挿入電極系統に関する。
【0002】
この発明はまたSWCNTに結合されるレドックス活性化合物を含む電気化学隔室構成に関する。
【背景技術】
【0003】
工業電気化学胞体のリチウム挿入物質は2〜25 wt.%、一般的には10 wt.%伝導添加剤を含む。これらの伝導原因物質はレドックス反応に関係せず、それ故に電極エネルギー蓄積能力を減少する不活性質量を意味する。この事態はリチウム挿入物質として特に苛酷であるかまたは未内位添加状態はオリブ質陰極物質に関する限りでは真乏電子伝導率を有する。
【0004】
Li-イオン電池には新規陰極物質としてオリビンホスフェートの出現は2つの総称構造、すなわちLiFePO4およびLiMnPO4加えて混合相、LiFexMn1-x(0 < x < 1)についても初報告したグッデナフほか(Goodenough et al.)(非特許文献1)の先駆的研究から生ずる。どちらの物質も極乏電子伝導体であり;LiFePO4とLiMnPO4の記録導電率は別々に(〜10-8から10-9間)S/cmと(<10-10から3・10-9間)S/cmである(非特許文献2〜4)。セデルほか(Ceder et al.)(非特許文献5)はLiFePO4の光学帯域間隙を測定して3.8〜4.0 電子ボルトであり、ごくわずかの内部電荷担体濃度を説明するものであった。ゆえに電子電荷はオリブ性質伝導帯の非局在電子によってはできないが遷移金属で非局在伝導電子を媒介として輸送されることができ、その移動度は熱活性(刺激)過程である。最近はナザーほか(Nazar et al.)(非特許文献6)は結晶中伝導電子ホッピングがLi+輸送と強度相互関係を示されることを見分けた。LiMPO4(M = Mn, Fe)の電子伝導率向上は適当物質組織形態工学(非特許文献2, 7〜10)と表面改質を要し、ところが一方で炭素皮は目立つ戦略(非特許文献4, 8, 10〜13)である。選択経路はLi+座でのZr4+およびNb5+のような超価陽イオンによるLiFePO4の不純物添加に基づいている。結局はLiFePO4オリブ質の伝導被膜は純元素炭素でなく、列理境界のEDX元素地図でナザーほか(Nazar et al.)(非特許文献3)により証明される燐化物または燐炭化物であるかもしれない。この特別な場合に燐化物Fe2PおよびFe75P15C10を呈するが元素状態で存在する炭素の現存はラマン分光法により(非特許文献8)確証されることもできる。
【0005】
LiMPO4(M = Mn, Fe)の通常固体状態合成で炭素は相当Li-, M-及びPO43-塩の理論量(非特許文献4, 11)からなる先駆物質混合物に加えられる。合成間に炭素は還元体として同時作用し、M3+形成を避け、しかもまた隔離材として結晶の生長(非特許文献11)を遮る。炭素による結晶生長の抑制は60〜100 nm範囲の粒子形成で現れる。リーほか(Li et al.)(非特許文献11)はこのように合成されるLiMnPO4は0.28 mA/cm2で140 mAh/gを与えることを報告する。残念ながらこの有望結果はほかのもの(非特許文献4, 13)により再現されず、引用研究論文(非特許文献11)は異論が多く残っている。
【0006】
LiMPO4(M = Mn, Fe)はまた低温で水溶液から直接沈殿(非特許文献2, 10, 13)により作製されることもできる。この場合に炭素被覆はアセチレン黒色材を加える次の玉石磨砕によって(非特許文献10, 13)されることができる。この戦略は100〜200 nm間の粒度ならびにBET面積23〜13 m2/g(非特許文献13)を規定した。見てわかるとおり低温(“chimie-douce”)オリブ質粒度(非特許文献2, 10, 13)は炭素混合剤を加える固態反応のオリブ質(非特許文献4)同様粒度である。おそらくLiMnPO4の最小粒子(約50 nm)は静電吹付沈着(非特許文献9)により薄膜に作製される。しかしながらそれらの放電最大能力は緩循環ボルタ電流測定法(非特許文献9)でおよそ20 mAh/gばかりになることがわかった。これは未制御炭素被覆(があれば)の説明となることをこの特別な場合には推測したくなる。粒度およそ130 nmで最適にされる炭素塗膜LiMnPO4素材はC/100で156 mAh/gならびにC/10で134 mAh/gを示した。
【0007】
明らかにLiMPO4の緩極性量子移動度が基本課題であり、おそらく粒度を低下することにより最小にされて導電炭素で粒子加飾を最適にされうる。
【0008】
国際出願第IB2006/0571781号に分子配線と称され、LiMPO4様の事実上絶縁陰極物質の新規帯電/放電戦略が記述される。LiMPO4表面に吸着される自己集合レドックス反応活性分子で有効直交表面電子/正孔輸送に基づく。欧州特許出願第06112361号明細書には陰極物質標的レドックスと称される類似法が記述される。それはレドックス活性分子による電荷運搬同原理を採用するが、分子はここで吸着単分子層の形態で作用するのではなく電解質溶液に溶解する。この概念はレドックス対陰極プロセスで誘引可能である大電流のために魅力的である、しかしレドックス反応標的は陽極と陰極間の特殊隔離材の必要により複雑になる。この隔離材は速いLi+移動を許容しなければならないが同時に陽極の方にレドックス標的分子輸送を妨げなければならない。
【0009】
ナノ空筒電線と称される新規概念を示し、それはSWCNT結合レドックス継電‐レドックス活性分子による電荷輸送の定着を基礎におき、Li-イオン電池で陰極物質電導率を改良することができる。両性親溶媒レドックス化合物は分子に疎水および親水部分を含み;この故にSWCNT分散界面活性剤として作用することができる。疎水部分(例えば脂肪鎖)は非共有結合を通してSWCNT固定に適する。親水部分はイオンまたは未荷電いずれかの極性官能基(例えば-COOH)により示され、電極活性物質表面と相互作用する。吸着集成体は全電極系の有意余分容量を少しもとらないので電極複合物はすぐれた電気化学格子エネルギー密度を提供する。この概念は欧州特許出願第06112361号明細書に記述されるレドックス対陰極法においてほど引込まれることができる同様大電流のために魅力的であり、しかし記載方法と比較すると陽極と陰極の間に特殊分離材を要しない。新規考案はさらにまた電極活性物質に吸着されるレドックス再置による改良SWCNTを使用する。かくしてレドックス継電は電極に局在化され、対電極と反応できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際出願第IB2006/051781号
【特許文献2】欧州特許出願第06112361号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】A. K. Padhi, K. S. Nanjundasawamy, J. B. Goodenough, 電気化学学会誌(J.Electrochem.Soc.)、1997年、第144巻、p.1188-1194
【非特許文献2】C. Delacourt, L. Laffont, R. Bouchet, C. Wurm, J. B. Leriche, M. Mocrette, J. M. Tarascon, C. Masquelier, 電気化学学会誌(J.Electrochem.Soc.)、2005年、第153巻、p. A913-A921
【非特許文献3】P. S. Herle, B. Ellis, N. Coombs, L. F. Nazar, ネイチャーマテリアル(Nature Mat.)、2004年、第3巻、p.147-152
【非特許文献4】M. Yonemura, A. Yamada, T. Takei, N. Sonoyama, R. Kanno, 電気化学学会誌(J.Electrochem.Soc.)、2004年、第151巻、p. A1352-A1356
【非特許文献5】F. Zhou, K. Kang, T. Maxish, G. Ceder, D. Morgan, 固体物理コミュニケーション(Solid State Comm.)、2004年、第132巻、p.181-186
【非特許文献6】B. Ellis, L. K. Perry, D. H. Ryan, L. F. Nazar, 米国化学学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2006年、第128巻
【非特許文献7】R. Dominko, M. Bele, M. Gaberseck, M. Remskar, D. Hanzel, J. M. Goupil, S. Pejovnik, J. Jamnik, 雑誌パワーソース(J.Power Sources)、2006年、第153巻、p.274-280
【非特許文献8】T. Nakamura, Y. Miwa, M. Tabuchi, Y. Yamada, 電気化学学会誌(J.Electrochem.Soc.)、2006年、第153巻、p. A1108-A1114
【非特許文献9】J. Ma, Z. Qin, 雑誌パワーソース(J.Power Sources)、2005年、第148巻、p.66-71
【非特許文献10】N. H. Kwon, T. Drezen, I. Exnar, I. Teerlinck, M. Isono, M. Graetzel, 電気化学物性レター(Electrochem.Solid State Lett.)、2006年、第9巻、p. A277-A280
【非特許文献11】A. Yamada, M. Hosoya, S.C. Chung, Y. Kudo, K. Hinokuma, K. Y. Liu, Y. Nishi, 雑誌パワーソース(J.Power Sources)、2003年、第119-121巻、p.232-238
【非特許文献12】G. Li, H. Azuma, M. Tohda, 電気化学物性レター(Electrochem.Solid State Lett.)、2002年、第5巻、p. A135-A137
【非特許文献13】C. Delacourt, P. Poizot, M. Morcrette, J. M. Tarascon, C. Masquelier, ケミカルマテリアル(Chem.Mater.)、2004年、第16巻、p.93-99
【非特許文献14】S. Y. Chung, J. T. Bloking, Y. M. Chiang, ネイチャーマテリアル(Nature Mat.)、2002年、第1巻、p.123-128
【非特許文献15】D. Wang, H. Li, Z. Wang, X. Wu, Y. Sun, X. Huang, L. Chen, 雑誌物性化学(J.Solid State Chem.)、2004年、第177巻、p.4582-4587
【非特許文献16】P. Wang, B. Wenger, R. Humphry-Baker, J. Moser, J. Teuscher, W. Kantlehner, J. Mezger, E. V. Stoyanov, S. M. Zakeeruddin, M. Graetzel, 米国化学学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2005年、第127巻、p.6850-6856
【非特許文献17】D. A. Britz, A. N. Khlobystov, 化学学会レビュー(Chem.Soc.Rev.)、2006年、第35巻、p.637-659
【非特許文献18】S. W. Boettcher, M. H. Bartl, J. G. Hu, G. D. Stucky, 米国化学学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2005年、第127巻、p.9721-9730
【非特許文献19】Q. Wang, S. M. Zakeeruddin, M. K. Nazeeruddin, R. Humphry-Baker, M. Graetzel, 米国化学学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2006年、第128巻、p.4446-4452
【非特許文献20】Q. Wang, N. Evans, S. M. Zekeeruddin, I. Exnar, M. Graetzel, 米国化学学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2006年
【非特許文献21】P. Wang, S.M. Zakeeruddin, P. Comte, R. Charvet, R. Humphry-Baker, M. Graetzel, 雑誌物理化学B、2003年、第107巻、p.14336-14341
【非特許文献22】M. K. Nazeeruddin, P. Pechy, T. Renouard, S. M. Zakeeruddin, R. Humphry-Baker, P. Comte, P. Liska, L. Cevey, E. Costa, V. Shklover, L. Spiccia, G. B. Deacon, C. A. Bignozzi, M. Graetzel, 米国化学学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2001年、第123巻、p.1613-1624
【非特許文献23】L. Kavan, I. Exnar, J. Cech and M. Gaetzel, ケミカルマテリアル(Chem.Mater.)、2007年
【非特許文献24】J. R. Dahn, J. Jiang, L. Moshurchak, M. D. Fleischauer, C. Buhrmester and L. J. Krause, 電気化学学会誌(J.Electrochem.Soc.)、2005年、第152巻、p. A1283
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
かなりの両親媒性の交SWCNTレドックス活性分子はさらにLiFePO4(オリブ質)のような電極活性物質の表面で定着できることがわかった。レドックス分子ならびにSWCNT集成体はかくして活性物質表面を覆い、電気化学的に構えられる電極系を形成する。陰極リチウム挿入物質としては正極性化で供与体レドックス活性化合物(D)は電流中和に酸化されるものであり、電荷(正孔)は集電器からリチウム挿入物質にレドックス活性化合物の酸化形態(D+)で移動されることになる。レドックス活性化合物のレドックス電位が高くなるかあるいはリチウム挿入物質のフェルミ準位近くに見合うときにD+はリチウム挿入物質により還元されることになる。電子ならびにリチウムイオンは電池充電を通じて抜き出されることになる。対照してみると放電間に酸化核種は現用コレクターで還元され、電荷(電子)は集電器からリチウム挿入物質にレドックス活性化合物(D)により運搬される。リチウムイオンと電子はレドックス活性化合物のレドックス電位が低くなるかあるいはリチウム挿入物質のフェルミ準位近くに見合うと固体注入される。
【0013】
隔室は二区画室からなり、ただし、陰極区分は陰極リチウム挿入物質ならびにレドックス活性化合物を含み;陽極区分は陽極リチウム挿入物質ならびにレドックス活性物質を含む。これらの二区画室は隔離板により間を隔てられる。全電極系に比較されてレドックス活性吸着質は全電極系の有効余分容量を少しもとらない。これ故に先行技術に関しては本発明は導電添加剤容積を大変減少することを許容し、ずっと向上されるエネルギー蓄電密度になる。レドックス吸着質は使用電解質溶性でないので欧州特許出願第06112361号に記載されるほどに特殊隔離材の使用は必要でない。
【0014】
本発明によればレドックス活性分子は非共有結合でSWCNT幹に結合される。レドックス活性中枢(D)は有機化合物あるいは電池物質として適性レドックス電位を有する金属錯体でありうる。望ましい構成でレドックス活性金属錯体もしくは有機化合物(D)はSWCNT表面と電極活性物質表面の間に配置される。
【0015】
【化1】

【0016】
式中、[M]は電極物質を略示する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】Ru-錯体による分散単一壁炭素ナノ筒の使用溶液のVis-NIRスペクトル図、Z-907Na/SWCNT(曲線A)及び純Ru-錯体Z-907Na(曲線B)である。Ru-錯体濃度はどちらの場合にも6 × 10-4 mol/Lであり、光学区画厚さは2 mmであった。
【0018】
【図2】Z-907Na(左線図)またはZ-907Na/SWCNT(右線図)の6・10-4 mol/L溶液へ浸漬被覆により処理された純LiFePO4電極(5%PVDFを加えて;全皮膜質量1.54 mg/cm2)図である。走査速度(mV/sで):50、20、10、5 上から下までの曲線について、電解液はEC/DMC中1 M LiPF6である。
【0019】
【図3】左線図:周期電圧電流図(走査速度0.1 mV/s);電解液EC/DMC中1 M LiPF6、曲線A:Z-907Na/SWCNT(2.04 mg/cm2)で表面誘導されるLiFePO4からの電極、曲線B(破線):炭素被覆LiFePO4(Nanomyte BE-20,2.28 mg/cm2)からの電極、曲線C:ピレンブタン酸/SWCNT(1.83 mg/cm2)で表面誘導されるLiFePO4からの電極、である。電流目盛は曲線Bについて係数10を掛けられる。右線図:直流電気定位充電/放電周期;電解液EC/DMC中1 M LiPF6、曲線A:Z-907Na/SWCNT(2.04 mg/cm2)で表面誘導されるLiFePO4からの電極 充電速度C/5、曲線B(破線):炭素被覆LiFePO4(Nanomyte BE-20,2.28 mg/cm2)からの電極 充電速度C/50、である。
【0020】
【図4】準多孔性TiO2に吸着されるDW被膜の循環電圧電流図である。走査速度(mV/sで):200、100、50、20、10、5、2、1。挿入図は走査速度の平方根の関数として示す順ピーク電流図である。
【0021】
【図5】準多孔性TiO2に吸着されるDW被膜の循環電圧電流図である。走査速度1 mV/s、10連続走査が累積された。
【0022】
【図6】LiMnPO4にDWを吸着される電極の循環電圧電流図である。走査速度(mV/sで):200、100、50、20、10、5、2、1、挿入図は走査速度の平方根の関数として示す順ピーク電流図である。
【0023】
【図7】DW配線LiFePO4の循環電圧電流図である。A:新電極:200 mV/s(赤),20 mV/s(青)の初走査、比較に緑線はDWのないLiFePO4電極についてである。B:使用電極(15%充電後):走査速度(mV/sで):20(赤)、10(青)、5(緑)、2(黒)、1(赤紫)。
【0024】
【図8】DW配線LiFePO4電極の循環電圧電流図である。10連続走査が各与えられる走査速度で累積された。
【0025】
【図9】DW配線LiFePO4電極の電位段階時アンペア測定図である。電位段階は3.5 Vから4.2 V(3600 s)〜3.5 V(300 s)であった。挿入図は理論充電容量として170 mAh/gを仮定して実用電極のC-比充電対充電容量で再計算された同データ図である。
【0026】
【図10】基準100%充電として170 mAh/g(理論充電容量)を仮定して充電準位の関数として測定結線電流の編集図である。点:1〜200 mV/s間で変化する走査速度でCVのデータ、曲線:電位段階時アンペア測定のデータである。また結線電流は充電比に反比例したと仮定する模型双曲線(破線)が示される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
定義
ここで使用されるときに術語「リチウム挿入物質」とはリチウムイオンを逆引受分離できる物質を言う。物質は充電で電子を損失すれば「正極リチウム挿入物質」と呼ばれる。物質は充電で電子を獲得すれば「負極リチウム挿入物質」と呼ばれる。
【0028】
ここで使用されるときに術語「供与体型レドックス活性化合物」とはセル陰極区分に存在して集電器と正極リチウム挿入物質の間で充電/放電で電荷を運搬する分子継電器として作用するものである化合物を言う。他方で術語「受体型レドックス活性化合物」とはセル陽極区分に存在する分子を言い、集電器と負極リチウム挿入物質の間で荷電/放電で電荷を運搬する分子継電器として作用する。
【0029】
レドックス活性中枢はリチウム挿入物質に適性レドックス電位を有する有機化合物あるいは金属錯体であることが可能である。
【0030】
望ましい構成でレドックス活性中心は以下に示される類型であり、
【0031】
【化2】

ただし、-[Π]- は前記置換基のπ系を略示し、Ralは脂肪族置換基をπ系統に結合される飽和鎖部分をもって示す、ただしqは整数を意味し、-[Π]-が一以上の置換基Ralを支持可能であることを指す。
【0032】
π系-[Π]-は共役二重もしくは三重結合型不飽和連鎖
【0033】
【化3】

【0034】
【化4】

【0035】
【化5】

【0036】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0037】
【化6】

【0038】
もしくは
【0039】
【化7】

【0040】
【化8】

【0041】
あるいは
【0042】
【化9】

【0043】
もしくは
【化10】

【0044】
ただし、R1、R'1は―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2と同一もしくは異なり、x≧0,しかも0 < n < 20、
であることが可能である。
【0045】
望ましい実施形態によればDは工業用ベンゼン、ナフタレン、インデン、置換トリアリールアミン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタレン、ペリレン、インデン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、インダセン、フェナレン、アセナフテン、フルオランセン、及び異種環状化合物ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリジジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、インドリジン、インドール、イソインドール、カルバゾール、カルボリン、アクリジン、フェナントリジン、1, 10‐フェナントロリン、チオフェン、チアントレン、オキサントレン、およびそれらの誘導体から選択され、所望により置換される。
【0046】
望ましい実施形態によればDは下に示される化学式(1〜11)の構造から選択される。
【0047】
【化11】

【0048】
式中、Z1、Z2およびZ3各自は同一または異なるものであってO、S、SO、SO2、NR1、N+(R1')(1")、C(R2)(R3)、Si(R2')(R3')及びP(O)(OR4)からなる群から選択され、ただし、R1、R1'およびR1"は同一または異なるものであって各々は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、及びアラルキル基からなる群から選択され、化学式―N|(R5)3(式中、各基R5は同一または異なるものであり、水素原子、アルキル基及びアリール基からなる群から選択される)の少なくとも1つの基で置換され、R2、R3、R2'及びR3'は同一または異なり、各々は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基およびアラルキル基からなる群から選択されるかあるいはR2及びR3ならびにまた結合される炭素原子はカルボニル基を示し、R4は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基およびアラルキル基からなる群から選択される。
【0049】
好ましいp型レドックス活性化合物は下記構造を有する:
【0050】
トリアリールアミン誘導体
【0051】
【化12】

【0052】
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2
A = FもしくはClもしくはBr IもしくはNO2もしくはCOORもしくはアルキル(C1〜C20)もしくはCF3もしくはCORもしくはOCH3またはH
B = FもしくはClもしくはBr IもしくはNO2もしくはCOORもしくはアルキル(C1〜C20)もしくはCF3もしくはCORまたはOCH3
A = BあるいはA ≠ B
【0053】
【化13】

n = 0〜20
R = HまたはC1〜C20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2
【0054】
フェノチアジン誘導体、カルバゾール誘導体
【0055】
【化14】

【0056】
【化15】

【0057】
【化16】

【0058】
【化17】

【0059】
【化18】

【0060】
【化19】

【0061】
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2
Y = NもしくはOまたはS
R1、R2、R3、R4はFもしくはClもしくはBr IもしくはNO2もしくはCOORもしくはアルキル(C1〜C20)もしくはCF3もしくはCORもしくはOCH3あるいはHでありうる。
【0062】
N‐酸化ピリジン誘導体
【0063】
【化20】

【0064】
ただし、AおよびBはH,OR,Cl,Br,F,I,NO2,CF3,COCF3と同一かまたは異なり、RはHまたは(CH2)p-En-(CH2)m-Accであり(p = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;n = 0〜24,m = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;Eは-CH=CH-、または-C≡C-、または-OCH2CH2-であり、AccはPO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2である。
【0065】
フェノチアジン誘導体
【0066】
【化21】

【0067】
ただし、XおよびYはH,OR,Cl,Br,F,I,NO2,CF3,COCF3と同一かまたは異なり、RはHまたは(CH2)p-En-(CH2)m-Accであり(p = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;n = 0〜24,m = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;Eは-CH=CH-、または-C≡C-、または-OCH2CH2-であり、AccはPO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HまたはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2である。
【0068】
フェノール誘導体
【0069】
【化22】

【0070】
ただし、A、BおよびCはH,OR,Cl,Br,F,I,NO2,CF3,COCF3,1〜20個炭素原子の線状または枝分れアルキル基と同一かまたは異なり、
RはHまたは(CH2)p-En-(CH2)m-Accである(p = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;n = 0〜24,m = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;Eは-CH=CH-、または-C≡C-、または-OCH2CH2-であり、AccはPO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2である。
【0071】
選択的にレドックス活性中心はリチウム注入物質のものとして適性レドックス電位を有する金属錯体であることが可能である。
【0072】
レドックス活性中枢として金属錯体で好ましい金属配位結合配位子は本発明によれば以下選択される定式化を有する金属錯体である。
【0073】
【化23】

【0074】
【化24】

【0075】
【化25】

【0076】
かまたは
【0077】
【化26】

【0078】
または
【0079】
【化27】

【0080】
または
【0081】
【化28】

【0082】
または
【0083】
【化29】

【0084】
または
【0085】
【化30】

【0086】
式中、M = FeまたはRuまたはOs
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2
P = FもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNO2もしくはCNもしくはNCSeもしくはNCSまたはNCO
【0087】
【化31】

【0088】
かまたは
【化32】

または
【化33】

または
【化34】

または
【化35】

もしくは
【0089】
【化36】

または
【化37】

または
【化38】

または
【化39】

または
【化40】

または
【化41】

または
【0090】
【化42】

【0091】
ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2はCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはH(ただし、R3はアルキル(C1〜C20)またはHである)と同一もしくは異なるかまたは一次π系と共役関係で定位される付加π系を含み、前記置換基は原型
【0092】
【化43】

【0093】
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を意味し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを指す、
である。
【0094】
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【0095】
【化44】

【0096】
【化45】

【0097】
【化46】

【0098】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- RalはHまたは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0099】
【化47】

【0100】
もしくは
【化48】

【0101】
【化49】

【0102】
または
【化50】

【0103】
もしくは
【化51】

【0104】
式中、R1、R'1は―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2と同一かまたは異なり、x ≧ 0、しかも0 < n < 20である。
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)と同異置換基であるか、-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,または-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)。
【0105】
【化52】

【0106】
M = FeまたはRuまたはOs
X = FもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNO2もしくはCNもしくはNCSeもしくはNCSまたはNCO
【0107】
【化53】

【0108】
かまたは
【化54】

または
【化55】

または
【化56】

または
【化57】

もしくは
【0109】
【化58】

または
【化59】

または
【化60】

または
【化61】

または
【化62】

または
【化63】

または
【0110】
【化64】

【0111】
ただし、B = 線状または枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2はCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくは線状または枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはH(式中、R3はアルキル(C1〜C20)またはHである)と同一もしくは異なるかまたは一次π系と共役関係で定位される付加π系を含み、前記置換基は原型
【0112】
【化65】

【0113】
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を意味し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを指す、
である。
【0114】
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【0115】
【化66】

【0116】
【化67】

【0117】
【化68】

【0118】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式またはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- RalはHまたは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0119】
【化69】

【0120】
もしくは
【化70】

【0121】
【化71】

【0122】
または
【化72】

【0123】
もしくは
【化73】

【0124】
式中、R1、R'1は―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2と同一かまたは異なり、x ≧ 0、しかも0 < n < 20である。
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)と同異置換基であるか、-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)。
【0125】
【化74】

【0126】
かまたは
【0127】
【化75】

【0128】
ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2はCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一かまたは異なることが可能であり、ただし、R3はアルキル(C1〜C20)あるいはHであってR、R1、R2はCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なるか(式中、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHである)または一次π系と共役関係で定位される付加π系を含み、前記置換基は原型
【0129】
【化76】

【0130】
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分の脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を意味し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを指す、
である。
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【0131】
【化77】

【0132】
【化78】

【0133】
【化79】

【0134】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式またはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- RalはHまたは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0135】
【化80】

【0136】
もしくは
【0137】
【化81】

【0138】
【化82】

【0139】
または
【0140】
【化83】

【0141】
もしくは
【化84】

【0142】
式中、R1、R'1は―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2と同一かまたは異なり、x ≧ 0、しかも0 < n < 20である。
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,または-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)。
【0143】
【化85】

【0144】
【化86】

【0145】
かまたは
【0146】
【化87】

【0147】
ただし、M = FeまたはRuまたはOs
B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2はCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なることが可能であって、式中R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2はCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れ(C1〜C20)またはHである)または一次π系と共役関係で定位される付加π系を含み、前記置換基は原型
【0148】
【化88】

【0149】
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数体を意味し、-[π]-は一以上の置換基Ralを持つことが可能であることを指示する、
である。
【0150】
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【0151】
【化89】

【0152】
【化90】

【0153】
【化91】

【0154】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- RalはHまたは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0155】
【化92】

【0156】
もしくは
【0157】
【化93】

【0158】
【化94】

【0159】
または
【0160】
【化95】

【0161】
もしくは
【0162】
【化96】

【0163】
式中、R1、R'1は―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2と同一もしくは異なり、x ≧ 0、しかも0 < n < 20である。
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)。
【0164】
【化97】

【0165】
【化98】

【0166】
かまたは
【0167】
【化99】

または
【化100】

または
【化101】

または
【化102】

または
【化103】

【0168】
M = FeまたはRuまたはOs
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2
P = FもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNO2もしくはCNもしくはNCSeもしくはNCSまたはNCO
【化104】

【0169】
【化105】

【0170】
【化106】

【0171】
【化107】

【0172】
かまたは
【0173】
【化108】

【0174】
または
【化109】

または
【化110】

または
【化111】

【0175】
もしくは
【化112】

または
【化113】

または
【化114】

または
【化115】

または
【化116】

または
【化117】

または
【0176】
【化118】

【0177】
ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2はCOOR3もしくはPO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なることが可能であって、式中R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2はCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)またはHである)または一次π系と共役関係で定位される付加π系を含み、前記置換基は原型
【0178】
【化119】

【0179】
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を意味し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを指示する、
である。
【0180】
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【0181】
【化120】

【0182】
【化121】

【0183】
【化122】

【0184】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- RalはHまたは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0185】
【化123】

【0186】
もしくは
【0187】
【化124】

【0188】
【化125】

【0189】
または
【0190】
【化126】

【0191】
もしくは
【化127】

【0192】
式中、R1、R'1は-CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2と同一もしくは異なり、x ≧ 0、しかも0 < n < 20である。
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)。
【0193】
【化128】

【0194】
【化129】

かまたは
【化130】

または
【化131】

または
【化132】

または
【化133】

または
【化134】

【0195】
M = FeまたはRuまたはOs
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2
P = CNもしくはNCSeもしくはNCSもしくはNCO
【0196】
【化135】

【0197】
かまたは
【0198】
【化136】

【0199】
または
【0200】
【化137】

または
【化138】

または
【化139】

もしくは
【0201】
【化140】

または
【化141】

または
【化142】

または
【化143】

または
【化144】

または
【化145】

または
【0202】
【化146】

【0203】
ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2はCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なることが可能であって、式中R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2はCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)またはHである)または一次π系と共役関係で定位される付加π系を含み、前記置換基は原型
【0204】
【化147】

【0205】
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を意味し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを指示する、
である。
【0206】
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【0207】
【化148】

【0208】
【化149】

【0209】
【化150】

【0210】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- RalはHまたは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0211】
【化151】

【0212】
もしくは
【0213】
【化152】

【0214】
【化153】

【0215】
または
【0216】
【化154】

【0217】
もしくは
【化155】

【0218】
式中、R1、R'1は―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2PO4H2と同一もしくは異なり、x ≧ 0、しかも0 < n < 20である。
【0219】
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)。
【0220】
【化156】

【0221】
【化157】

かまたは
【化158】

または
【化159】

または
【化160】

または
【化161】

または
【化162】

【0222】
M = FeまたはRuまたはOs
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2
P = CNもしくはNCSeもしくはNCSもしくはNCOまたはピラジン
【0223】
【化163】

【0224】
かまたは
【0225】
【化164】

【0226】
または
【0227】
【化165】

または
【化166】

または
【化167】

もしくは
【0228】
【化168】

または
【化169】

または
【化170】

または
【化171】

または
【化172】

または
【化173】

または
【0229】
【化174】

【0230】
ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2はCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なることが可能であって、ただし、R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2はCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3もしくはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一または異なるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)またはHである)または一次π系と共役関係で定位される追加π系を含み、前記置換基は原型
【0231】
【化175】

【0232】
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を意味し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを指示する、
である。
【0233】
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【0234】
【化176】

【0235】
【化177】

【0236】
【化178】

【0237】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- RalはH -R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0238】
【化179】

【0239】
もしくは
【0240】
【化180】

【0241】
【化181】

【0242】
または
【0243】
【化182】

【0244】
もしくは
【化183】

【0245】
式中、R1、R'1は―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2と同一もしくは異なり、x ≧ 0、しかも0 < n < 20である。
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)。
【0246】
【化184】

かまたは
【0247】
【化185】

【0248】
ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2はCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一もしくは異なることが可能であって、ただし、R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2はCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHと同一または異なるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHである)または一次π系と共役関係で定位される付加π系を含み、前記置換基は原型
【0249】
【化186】

【0250】
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を意味し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを指示する、
である。
【0251】
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【0252】
【化187】

【0253】
【化188】

【0254】
【化189】

【0255】
式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【0256】
【化190】

【0257】
もしくは
【0258】
【化191】

【0259】
【化192】

【0260】
または
【0261】
【化193】

【0262】
もしくは
【化194】

【0263】
式中、R1、R'1は―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2と同一もしくは異なり、x ≧ 0、しかも0 < n < 10である。
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)。
【実施例】
【0264】
実施例1
素材
LiFePO4はFeC2O4.2H2OとLiH2PO4を先駆物質として用いる異型固体状態反応(非特許文献15)により合成された。それらの理論量は混合され、遊星形玉磨砕機械で4 h練磨された。次に粉末は600℃で24 hの間Ar-H2流(92:8 v/v)の筒内火式炉で焼成された。室温に冷ました後に試料は瑪瑙乳鉢で回された。粉末のBET表面積は400 nmの平均粒度で約5 m2/gであった。X線回折は相純度を確認した。Ru-ビピリジン錯体、Z-907Naとして簡約化されるNaRu(4-カルボン酸‐4'-カルボキシレート(4,4'-ジオニル‐2,2'ビピリジン)(NCS)2は、ほかの場合に(非特許文献16)記載されるように合成された。単一壁炭素ナノチューブは触媒レーザー溶融蒸発法により生長された。筒平均直径はラマンならびにビス‐NIR分光分析法により約1.3〜1.4 nmであると測定された。別化学薬品は工業起源であり、受入れたままで使用された。
【0265】
SWCNTは界面活性剤溶液(ジメチルホルムアミド(DMF)中にピレンブタン酸かまたはアセトニトリル+第三ブタノール(1:1)(AN/t-BuOH)中にZ-907Naか)で超音波処理により分散された。Z-907Naの最適合成実験記録は次のとおりであった:9 mgのSWCNTは10 mLのアセトニトリル+t-ブタノール(1:1)中6・10-4M Z-907Naで2時間超音波処理された。生ずる黒褐色溶液は5000 rpmで1時間遠心力分離され、ところが一方で4 mgの未溶解炭素は沈降物として残存した。この使用溶液(Z-907Na/SWCNTとしてさらにまた縮約される)は室温で沈殿なく少なくとも何週もの間安定であった。この故に溶液は約5 mgの分散SWCNT(417 μmol)と6 μmolのZ-907Na(モル比C/Z-907Na ≒ 70)を含有した。オリブ質LiFePO4(200 mg)はこの使用溶液の数部(0.5〜0.7 mL)と混合された。初期段階で上澄みは混合後数秒以内に無色に変わった。Z-907Na/SWCNT溶液の各添加後にスラリーは遠心力を作用され、上澄みを分離され、溶液の次部分が添加される。この手順は上澄みが脱色しなくなるまで繰返された。加えた溶液の全量は1.5 mLであった。最後に粉末はAN/t-BuOHで洗われ、室温で乾燥された。同合成記録はまたピレンブタン酸/SWCNTでLiFePO4の表面誘導にも採用された。
【0266】
電極は表面誘導LiFePO4粒子をN-メチル‐2‐ピロリドンに溶解された5 wt%のポリ弗化ビニリデン(PVDF)で混練することにより作製された。生ずる均質スラリーは次にFドープされた導電ガラス(FTO)上に掻取りナイフでならされ、100℃で夜通し乾燥された。選択的にスラリーはアルミナ集電器に塗布され、100℃で夜通し乾燥された。代表皮膜質量は1.5〜2 mg/cm2であった。純LiFePO4の半加工品電極は同様に対照実験に調製された。第二対照物質は炭素被覆LiFePO4(NEI Corporation,USAからのNanomyte BE-20)であった。電極はLi参照および向電極を有する電気化学電池にまたは代替的にLi負極のSwagelok電池に取付けられた。
【0267】
方法
視界‐NIRスペクトルはVarian Cary 5分光計で2 mmガラス光学区画において測定された。測定は集積圏の透過モードで実施された。電気化学実験はAutolab PGSTAT 30電位差安定装置を使用した。電解質は炭酸エチレン(EC)/炭酸ジメチル(DMC)(1:1,v/v)中に1 M LiPF6であった。対照および向電極はLi金属からであった。
【0268】
結果及び議論
図1はZ-907Na錯体の6 × 10-4 M溶液と使用溶液Z-907Na/SWCNTの視界‐NIRスペクトルを示す。後の方の場合に炭素ナノ筒の指標特徴を検出した。半導性SWCNTは特性は第1および第2対特異点についてそれぞれ約0.7 eVならびに1.3 eVの先達ホーヴ特異性の間の光遷移である。金属筒は第1対ヴァンホーヴ特異性に相当する1.8〜1.9 eVでの遷移で現われる。Z-907Naの幹線ピークは約2.35 eVに発生し、SWCNT含有溶液で約50 meVだけ青方偏移される(図1)。見てわかるとおりZ-907Na錯体は炭素筒表面と相互作用する疎水性脂肪C9鎖の存在のために(図式1)SWCNTに作用界面活性剤として効能を果たす。SWCNTの可溶化で報告される多くの他分子は存在し、ドデシル硫酸ナトリウム(非特許文献17)が最も慣用的であり、しかし、知っている限りではRu-ビピリジン複合種によるSWCNTの可溶化はここで初めて証明される。
【0269】
【化195】

【0270】
図2(左線図)は純(無炭素)LiFePO4(5% PVDFで結合される)の循環電圧電流図を示し、浸漬被覆によりZ-907Naの6 × 10-4 mol/L溶液で3時間処理され、AN/t-BuOHでゆすがれ、室温で減圧乾燥された。右線図Z-907Na/SWCNT溶液で同様に処理された純LiFePO4電極について類似データを曲線表示する。いわゆるLiFePO4「分子配線」(非特許文献18)を示す平坦域陽極電流がわかる。Z-907Na錯体は(図式1でのように、Al2O3などの絶縁界面(非特許文献19)であっても吸着単層で表面浸出を通して電子電荷を運搬することができる。これ故にNCS基は界面閉じ込め正孔浸透の媒介として機能を果たし、ビピリジン配位子は電子を輸送する。吸着Z-907Na内正孔拡散係数は電荷抽出域、表面通用範囲の約50%(非特許文献19)より上で10-9 cm2/sの程度であった。
【0271】
分子配線の効果は4-(ビス(4-メトキシフェニル)アミノ)ベンジルホスホン酸(非特許文献20)により結線されることができるLiFePO4電極物質に最近適用された。この場合に反対面正孔浸出はLiFePO4をLi+イオン(非特許文献20)で界面帯電および放電することにより続けられる。例のデータは正孔輸送配線はZ-907Na錯体でも可能であることを確認し、ところが一方で同様陽極電流(0.2 mA/cm2を越える)はLiFePO4電極に0.1 V/sで配線される。不活性TiO2表面吸着Z-907Naの正式レドックス電位はおよそ3.5 V vs. Li/Li+であり(非特許文献19, 21)、LiFePO4の陽極配線(レドックス電位3.45 V vs. Li/Li+)に十分なだけであるが陰極配線にはない(非特許文献20)。図2のデータはまたCOOH/COONaは以前使用されたホスホン酸固定基(非特許文献20)と同様にLiFePO4に適性固定基であることを確証する。全陽極電荷は図2(左線図)の電極について所定走査率で2〜4 mCの間(0.4〜0.7 mAh/g)であった。この電荷は低速精密検査であまり大でなく、しかも電極は低多点監視速度で繰返循環中に不安定であった。吸着Z-907Naを通した分子配線は表層の欠点感受性であり、正孔浸透を妨げる。
【0272】
図2(右線図)は前実験の変形を示し、ただし、LiFePO4塗膜は浸漬被覆によりZ-907Na/SWCNT溶液で処理された。驚くほど陽極電流はところでかなり小であり、前付着されるLiFePO4層でSWCNTの不完全孔接近容易性のためであるかもしれない。炭素筒は典型的に1〜10 μmの長さであるのでかさばらない多孔固体に容易に完全浸透することができない。これ故にZ-907Na/SWCNT集成体はLiFePO4層の上部に主に存する。それでも作用溶液Z-907Na/SWCNTに存在する遊離錯体(Z-907Na)はあるかもしれないかまたはSWCNTからLiFePO4表面との相互作用で部分剥離されるかもしれないことを仮定可能である。これは不十分表面被覆面積及びこの場合に希薄分子配線をもたらす。
【0273】
しかしながらこの状態は表面誘導がはぎ取り多孔被膜よりも出発LiFePO4粉で実施されるとすれば劇的変化する。図3(左線図)は電極電圧電流図と比較されるこの電極の循環式電圧電流図を示し、同様に二次加工され、しかしZ-907Na錯体を界面活性剤として使用する代わりにSWCNTはピレンブタン酸で可溶性にされた。見てわかるとおりこの電極は実用的に少しも活性を示さず、単独炭素ナノ筒がLiFePO4の充電/放電を増進しないことを指す。また炭素被覆LiFePO4(Nanomyte BE-20, NEI)はZ-907Na/SWCNT電極と比較されて同条件で随分少ない活性を示す。Z-907Na/SWCNT処理LiFePO4粉に関する対照実験はまた事実上少しも活性を示さなかった(データは示されない)。表面付着Z-907Na/SWCNT集成体によるLiFePO4の充電/放電は適度可逆であり、0.1 mV/s走査率で陽極工程に約41 mAh/hの比容量そして陰極工程に40 mAh/gを供給する(図3のデータを参照する)。電極はまたほとんど安定であり、明らかな静電容量減退を繰返電圧電流計走査で少しも示さなかった。
【0274】
Z-907Na/SWCNT電極の例外的性質はさらにまた直流電気定位充電/放電周期により証明される。図3(右線図)はZ-907Na/SWCNT電極は荷電率C/5及び遮断電位4ならびに2.7 V vs. Li/Li+で390 mC(51 mAh/g)の陽極電荷と337 mC(44 mAh/g)の陰極電荷を与えることを示す。炭素被覆LiFePO4(Nanomyte BE-20, NEI)で対照試験はこの電極のC/5率で極僅活性のために実施できない。10回低速充電であってもこの炭素塗被電極はずっと悪い性能(図3の曲線B、右線図)を示す。
【0275】
使用溶液Z-907Na/SWCNTの適用量(1.5 mL;6 × 10-4 mol/L Z-907Na)は0.9 μmolになる吸着Z-907Naの上限とLiFePO4の200 mgについて6.3 μmolになる吸着炭素(SWCNTの形態で)の量(実験節を参照する)を与える。SWCNT起点元素炭素濃度はこれ故に最終固形物で0.04 wt%未満であった)。LiFePO4のBET表面積からZ-907Naの表面付着量は2 nm2についておよそ1分子に等しいと推定できる。これはRu-ビピリジン分子(非特許文献22)通常寸法を考慮すれば単分子層被覆面積ほどではない。
【0276】
LiFePO4 /Z-907Na/SWCNTの前例のない電極複合材活性は明らかにZ-907Na錯体による媒介電荷をオリブ質表面に向けて急輸送することができる炭素ナノ筒の存在によるものである。この有益役炭素ナノ筒は陰極工程までも促進する。これはレドックス法のZ-907Na でLi1-xFePO4をもとの出発理論組成へ還元する低駆動力のために(図2)単独分子配線にほとんど欠けている。
【0277】
実施例2
12-(2,5-ジ-tert-ブチル-4メトキシフェノキシ)ドデシルホスホン酸の合成
【0278】
【化196】

【0279】
反応物比率:
【0280】
【表1】

【0281】
方法:25 ml三口丸底フラスコ(冷却器を装備される)に12N HCl水溶液(5 ml)に溶解される0.5gのIが配置された。溶液は還流温度でおよそ一晩撹拌された。反応体は暗所に維持された。反応はエステルのCH2信号が消失するまで1H-NMRで追随された。次に過剰塩酸は減圧で蒸留で除かれ、生成物を褐色粘稠油として収集された。生成物は2〜3回トルエンで溶解され、溶媒は減圧で蒸留で除去された。別精製は必要とされなかった。収率:定量的。
【0282】
1H-NMR (CDCl3):1.18〜1.35 ppm(bm, 36H, H鎖+ C(CH3)3);1.48 ppm(m, 2H, H鎖);1.81 ppm(m, 4H, H鎖);3.80 ppm(s, 3H, OCH3);3.94 ppm(t, 2H, OCH2CH2);6.81 ppm(d, 2H, Har)。
【0283】
合成経路:
【0284】
【化197】

【0285】
中間体1:1-(12-ブロモドデシルオキシ)-2,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシベンゼン(雑誌物理化学B、2002年、第106巻(第27号)、p.6860)
【0286】
【化198】

【0287】
【化199】

【0288】
図式4 中間体1の合成
【0289】
反応物比率:
【0290】
【表2】

【0291】
方法:100 ml三口丸底フラスコ(Schlenk栓を装備される)に無水THF中(15 ml)に0.11gのNaHと1グラム(4.23 mmol)のIが配置された。ガス発生が数分間生じ、それが完了されると3.5 g(10 mmol)の1,12-ジブロモドデカン(15 mlのTHFに溶解される)が加えられた。混合物は室温でおよそ1時間撹拌され、次に設備は20時間還流された。反応器は暗所で不活性雰囲気(アルゴン)に維持された。今度は混合物は室温に冷却され、60 mlの水が加えられた。有機相はDCM(3 × 60 ml)で抜出され、CaCl2で乾燥され、減圧下に溶媒除去されて少しばかり黄色粘稠油を生じた。生成物は流出シリカゲルクロマトグラフィーにより精製され(酢酸エチル/石油エーテル5:95)、1.7 gの純粋(GC/MS)生成物(無色液体)を与える。収率:83%。
【0292】
MS(EI):482 (M+), 484 (M+2), 236; 221(100%)。1H-NMR(CDCl3, t.a.):1.28〜1.32 ppm(bm, 36H, H鎖+ C(CH3)3;1.81 ppm(bm, 4H, H鎖);3.76 ppm(s, 3H, OCH3);3.90 ppm(t, 2H, OCH2CH2);4.10 ppm(t, 2H, CH2Br);6.81 ppm(bs, 2H, Har)。
【0293】
中間体2:ジエチル12-(2,5-ジ-tert-ブチル-4メトキシフェノキシ) ドデシルホスホネート
【0294】
【化200】

【0295】
【化201】

【0296】
図式6 中間体2の合成
【0297】
反応物比率:
【0298】
【表3】

【0299】
方法:25 ml三口丸底フラスコ(冷却器を装備される)に亜燐酸トリエチル(8 ml)に溶解される1 gのIが配置された。溶液は120℃でおよそ3時間撹拌された。反応体は暗所で不活性雰囲気(アルゴン)に維持された。次に過剰亜燐酸トリエチルは換算圧力で蒸留して除かれ、生成物を褐色液体として収集された。精製は流出シリカゲルクロマトグラフィーにより実施された(石油エーテル/酢酸エチル5:1)。純生成物は無色液体である(収率:85%)。
【0300】
MS(EI):540 (M+); 305 (100%)。1H-NMR(CDCl3):1.18〜1.35 ppm(bm, 42H, H鎖+ POCH2CH3 + C(CH3)3);1.71 ppm(m, 2H, H鎖);1.81 ppm(m, 4H, H鎖);3.80 ppm(s, 3H, OCH3);3.94 ppm(t, 2H, OCH2CH2);4.09 ppm(m, 4H, POCH2CH3);6.81 ppm(d, 2H, Har)。
【0301】
結果及び議論
図4は準細観的TiO2にDWを吸着された電極の循環電圧電流図を示す。DWはTiO2がこの電位範囲で絶縁であり、(暗)電気化学不活性であるにもかかわらず、可逆電荷移動反応を示す。これはDW分子で相互表面電子/正孔抽出の形跡である。UV‐吸光分光分析は0.3 nmol/cm2になるDWのTiO2表面被覆面積(参照文献23)を示し、≒2 分子/nm2に解釈される。(表面被覆面積は電極物質の総合物理表面に査読され、55 cm2であった。)積算電解電量電荷は最も遅い走査(1 mV/s)で0.28 nmol/cm2に解釈される1.51 mCであった。これ故にDWはおおよそ単分子層をTiO2表面に作製し、FTO支持体からの二極性電荷運搬について完全活性である。図4の挿入図は順ピーク電流密度、JpはRandles-Sevcik式:
【0302】
【数1】

【0303】
(nは電子数である)
によって走査速度の平方根、ν1/2に応じて定められる。被膜中DW濃度はc0 = 3.3・10-4同等である。図4(挿入図)の線の傾きと方程式(1)から拡散係数D+ = 9・10-10 cm2/sを計算できる。この係数は実際にDW分子を通じた正孔向表面動作を記述し、しかも吸着分子の並進運動は見てわかるとおり排除されるので大量輸送ではない。これによって電荷移動は浸出限界が達成されたら停止する。実測D+はあまりTiO2に吸着されたRu-ビピリジン錯体Z-907の値[D+ = (1.5〜4.1)・10-9 cm2/s]ほどではない、しかし電解質溶液に溶解されたDBBの「実」拡散係数値(1.6・10-6 cm2/s)より大きさで3程度だけ小である。
【0304】
図5はTiO2上DWの循環電圧電流図を示す。第1走査のピーク対ピーク分離は41〜59 mVの間であった。分割は可逆溶液レドックス系に期待される60/n mVより狭く、DWの表面閉じ込めを示す。繰返走査中に積分電解電量電荷は周期について約2%だけ低下し、またピーク対ピーク分離が増加する。これはこれらの条件でDW/TiO2系の一定の安定限度があることを説明する。
【0305】
図6はLiMnPO4にDWを吸着された電極の循環電圧電流図を示す。挙動はTiO2のもの(比較図4)に類似する。換言すればLiMnPO4は不活性(絶縁)支持体様に挙動し、LiMnPO4の酸化的奪酸化リチウムに向いた分子配線はない。これはDWの有効レドックス電位はこの反応に必要なだけ駆動力を提供しないのでわかりやすい。TiO2と同求値手順を使用して拡散係数をJp vs. ν1/2(図3の挿入図)の傾きからD+ = 3・10-9 cm2/s(参照文献23)であると計算することができる。おもしろいことに向表面電荷移動はTiO2と比較されるLiMnPO4で約3倍速い。これは異なる表面組織形態のためであるかもしれない:ところがTiO2はランダム合体20-nm粒子の準多孔性物質であり、LiMnPO4は寸法で約200 nm小板からなり、DW分子がもっと整様に集合されることができる(010)をさらす。
【0306】
LiMnPO4は分子布線についてそこなわれていない(比較図6)けれどもこの効果はLiFePO4オリブ質についてよく現わされる。図7Aは一定電流が約4.1 Vを越える電位で流れることを示す。この平坦域(「結線電流」)は酸化的奪酸化リチウムをもたらす酸化分子(DW+)ならびにLiFePO4オリブ質の続いて起こる化学反応:
【0307】
【化202】

【0308】
を暗示する。
おもしろいことにより速い走査(200 mV/s)でDWレドックス対の原ピークも追跡することが可能であり、急速分子電荷移動反応はLiFePO4へ界面孔注入に先駆けることを示す。この種の挙動は分子配線あるいはLiFePO4標的についてまだ報告されていなかった。より遅い走査で(20 mV/s、分子電対は見られず、電圧電流図は結線電流だけで左右された。図7Aで両方の線はおよそ同被膜質量及び表面積の新規(未処理)電極で得られた。
【0309】
DWのLiFePO4表面被度は分光測光分析されて0.5 nmol/cm2(電極物質のBET表面積を参照される)であることがわかり、それは約3分子/nm2である。この表面被度はTiO2で求められるものと(先を見よ)同様であり、またBMABP/LiFePO4系について報告されるもの:2.5 分子/nm2にも同等である。これ故に2〜3分子/nm2の表面濃度は一ホスホン固定でこれら比較的小型有機分子の単分子層被度に典型的であることがわかる。おそらく速緩繰返循環中にLiFePO4の逐次奪酸化リチウム化は実際にこの効果も生じるかもしれない。また図7AにDWにより処理されなかった空LiFePO4被膜の挙動が示される。この電極は少しも炭素添加物のない化学量論オリブ質に予期されるようにわずかな電気化学活性を示す。
【0310】
部分奪リチア化の電圧電流図は結線電流が走査速度に独立であることをもっとわかりやすく示す。図7Bは繰返循環により奪酸化リチウム電極の電圧電流図を呈し、4.2 Vの一定電位で1時間充電が続く。総通過電荷は使用電極の理論充電容量(170 mAh/g)の約15%に等価であった。この電極は15%奪酸化リチウム電極電流が新規電極よりも約40倍小であるにもかかわらずまだ配線効果を示す。
【0311】
結線活性をもっと洞察するために異なった走査速度で10続きCV走査の間に新規DW/LiFePO4電極の挙動を試験した。図8は6電極のデータを要約する;各所定走査速度プロットは未使用電極から出発し、ところが6電極はすべておよそ同被膜質量および面積(≒ 3 mg/cm2)であることが取り計られた。分子電対は100 mV/sの走査速度(比較図7及び図8)でまだ見られる。50及び20 mV/sの走査速度でほとんど理想分子配線挙動を追跡することができ、部分充電電極の緩走査でもはっきりわかる。やはり未使用電極の緩走査は結線電流が循環ボルタ電量測定法の時間目盛でもはや有意低下することを確認する。
【0312】
図9は未使用DW配線LiFePO4電極の電位段階時電流測定試験を示す。電流はt-1/2に線形でなく、換言すればCotrell様挙動は絶縁支持体(TiO2)上の分子レドックス配線についてのように追跡可能でない。これは、わが事情では時電流測定が拡散によってではなくしかし界面分子配線の関連効果により規制されるので全くわかりやすい。従って時電流測定は配線効果自体を評価させる。4.2 Vで1時間の一定充電の間に電極物質の全誘導電流容量(170 mAh/g)の約12%に等価の電荷を通用することができる。これは図9挿入図でもっと明確であり、電流は電池試験に慣用方法で現わされる。見てわかるとおり約C/2〜C/10の充電速度は新規電極と浅帯電に適用できる。
【0313】
データは結線電流は主としてDW/LiFePO4界面状態により調節され、LiFePO4充電レベルとしてとても容易に記述されることを確認する。これはさらにまた図10に提示され、循環電位電流測定(図4及び図5でのもののようなプロット)と時電流測定(図9)のデータに追従する。電位電流データ(点)と時電流測定データ(線)はほどよく合っている。配線電流は放電レベルにおよそ反比例することがわかり、これは図9で破線により示される。
【0314】
DW配線LiFePO4オリブ質の性能はLiイオン向け最新炭素塗被LiFePO4陰極どころではないsである。しかし単層分子が常用電池の充電に必要とされる電流を運ぶことができることは少なくとも学究的にかなりおもしろい。電極物質の粒度が小になればさらに性能向上を期してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良エネルギー密度を有する再充電可能電気化学電池であって、pまたはn型レドックス活性化合物を有する陰極または陽極リチウム挿入物質を含み、
前記電気化学電池は分離素により離隔される二区画室、陰極リチウム挿入物質ならびにp型レドックス活性化合物を結合されるSWCNTを包含する第一区画室及び/又は陽極リチウム挿入物質ならびにn型レドックス活性化合物を包含する第二区画室を含み、前記分離素はリチウムイオン透過性である、電気化学電池。
【請求項2】
(a)SWCNT結合レドックス活性化合物を加えた陰極リチウム挿入物質、陰極及び電解質を含む第一電極区画室(該p型レドックス活性高分子化合物の第一酸化電位は該陰極リチウム注入物質に適合する。)、
(b)SWCNT結合レドックス活性化合物を加えた陽極リチウム挿入物質、陽極および電解質を含む第二電極区画室(該n型活性化合物の第一酸化電位は該陽極リチウム注入物質に適合する。)、
(c)少なくとも一の該電極区画室はレドックス活性分子でSWCNTに結合される、を含む請求項1に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項3】
ナノもしくはマイクロメートル下寸法の陰極リチウム挿入物質はドープまたは未ドープ酸化物LiMO2(式中、MはM=Co、Ni、Mn、Fe、W、V、LiV3O8から選択される一以上の元素およびそれらの混合物である。);LiMPO4のような燐オリビン(式中、MはM=Fe、Co、Mn、Ni、VO、Crから選択される一以上の元素およびそれらの混合物である。)、ならびにスピネルおよびLixMn2O4またはLi2CoxFeyMnzO8などのような混合スピネルから選択される、請求項2に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項4】
ナノもしくはマイクロメートル下寸法の陽極リチウム挿入物質は炭素、TiO2、Li4Ti5O12、SnO2、SnO、Si等から選択される、請求項2に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項5】
該リチウム挿入物質の粒度は10nm〜10□mで変化する、請求項2に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項6】
該レドックス活性分子は共有結合または非共有結合かまたは静電相互作用いずれかによりSWCNTに結合される、請求項2に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項7】
該レドックス活性化合物は式(II)から選択される有機化合物であり、
【化1】

ただし、-[π]-は前記置換基のπ系を略示し、Ralは該π系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一超の置換基Ralを支持可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)のものであり、
【化2】

【化3】

【化4】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【化5】

もしくは
【化6】

【化7】

あるいは
【化8】

もしくは
【化9】

ただし、R1、R'1は同一もしくは異なり―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2から選択され、x≧0、そして0 < n < 20、
であり、
具体例Dはベンゼン、ナフタレン、インデン、置換トリアリールアミン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタレン、ペリレン、インデン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、インダセン、フェナレン、アセナフテン、フルオランセン、及び複素環式化合物ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリジジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、インドリジン、インドール、イソインドール、カルバゾール、カルボリン、アクリジン、フェナントリジン、1, 10‐フェナントロリン、チオフェン、チアントレン、オキサントレン、およびそれらの誘導体から選択され、所望により置換される、
好ましい具体例によってDは下に示される化学式(1〜11)の構造から選択される:
【化10】

式中、Z1、Z2およびZ3各自は同一または異なるものであってO、S、SO、SO2、NR1、N+(R1')(1")、C(R2)(R3)、Si(R2')(R3')及びP(O)(OR4)からなる群から選択され、ただし、R1、R1'およびR1"は同一または異なるものであって各々は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、及びアラルキル基からなる群から選択され、化学式―N+(R5)3(式中、各基R5は同一または異なるものであり、水素原子、アルキル基及びアリール基からなる群から選択される)の少なくとも1つの基で置換され、R2、R3、R2'及びR3'は同一または異なり、各々は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基およびアラルキル基からなる群から選択されるかあるいはR2及びR3ならびにまた結合される炭素原子はカルボニル基を示し、R4は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシ基およびアラルキル基からなる群から選択される、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項8】
Dの好ましい具体例は下に示される構造(12)ならびに(13):
【化11】


【化12】

から選択可能である、請求項7に記載の再充電可能電気化学セル。
【請求項9】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(III):
【化13】

n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2
A = FもしくはClもしくはBr IもしくはNO2もしくはCOORもしくはアルキル(C1〜C20)もしくはCF3もしくはCORもしくはOCH3またはH
B = FもしくはClもしくはBr IもしくはNO2もしくはCOORもしくはアルキル(C1〜C20)もしくはCF3もしくはCORまたはOCH3
A = BあるいはA ≠ B
である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項10】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(IV):
【化14】

n = 0〜20
R = HまたはC1〜C20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2
である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項11】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(V)〜(X):
【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2
Y = NもしくはOまたはS
R1、R2、R3、R4はFもしくはClもしくはBr IもしくはNO2もしくはCOORもしくはアルキル(C1〜C20)もしくはCF3もしくはCORもしくはOCH3あるいはHでありうる、
である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項12】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XI):
【化21】

ただし、AおよびBは同一かまたは異なりH,OR,Cl,Br,F,I,NO2,CF3,COCF3から選択され、RはHまたは(CH2)p-En-(CH2)m-Accであり(p = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;n = 0〜24,m = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;Eは-CH=CH-、または-C≡C-、または-OCH2CH2-であり、AccはPO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2である、
である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項13】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XII):
【化22】

ただし、XおよびYは同一かまたは異なりH,OR,Cl,Br,F,I,NO2,CF3,COCF3から選択され、RはHまたは(CH2)p-En-(CH2)m-Accであり(p = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;n = 0〜24,m = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;Eは-CH=CH-、または-C≡C-、または-OCH2CH2-であり、AccはPO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HまたはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2である、
である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項14】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XIII):
【化23】

ただし、A、BおよびCはH,OR,Cl,Br,F,I,NO2,CF3,COCF3,1〜20個炭素原子の線状または枝分れアルキル基と同一かまたは異なり、
RはHまたは(CH2)p-En-(CH2)m-Accである(p = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;n = 0〜24,m = 0〜24、線状または有枝もしくは循環をもって;Dは-CH=CH-、または-C≡C-、または-OCH2CH2-であり、AccはPO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2である、
である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項15】
最も好ましい化合物12-(2,5-ジ-tert-ブチル-4メトキシフェノキシ)ドデシルホスホン酸である、請求項12〜請求項14の再充電可能電気化学電池。
【請求項16】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XIV)または(XV):
【化24】

【化25】

ただし、
【化26】


【化27】

または
【化28】

または
【化29】

または
【化30】

または
【化31】

または
【化32】

式中、M = FeまたはRuまたはOs
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2
P = FもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNO2もしくはCNもしくはNCSeもしくはNCSまたはNCO
【化33】


【化34】

または
【化35】

または
【化36】

または
【化37】

または
【化38】

または
【化39】

または
【化40】

または
【化41】

または
【化42】

または
【化43】

または
【化44】

または
【化45】

ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2は同一もしくは異なり、COOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはH(ただし、R3はアルキル(C1〜C20)またはHである)から選択されるかまたは一次π系と共役関係にある追加のπ系を含み、前記置換基は原型
【化46】

であり、
式中、-[π]-は前記置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【化47】

【化48】

【化49】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1または-O-R1または-N(R1)2または-NHR1または
【化50】

または
【化51】

【化52】

または
【化53】

または
【化54】

式中、R1、R'1は同一かまたは異なり―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2から選択され、x ≧ 0、そして0 < n < 20である。
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)と同異置換基であるか、-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,または-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)、
の金属錯体である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項17】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XVI):
【化55】

M = FeまたはRuまたはOs
X = FもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNO2もしくはCNもしくはNCSeもしくはNCSまたはNCO
ただし、
【化56】


【化57】

または
【化58】

または
【化59】

または
【化60】

または
【化61】

または
【化62】

または
【化63】

または
【化64】

または
【化65】

または
【化66】

または
【化67】

または
【化68】

ただし、B = 線状または枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2は同一もしくは異なり、COOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくは線状または枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはH(式中、R3はアルキル(C1〜C20)またはHである)から選択されるかまたは一次π系と共役関係にある付加π系を含み、前記置換基は型
【化69】

であり、
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【化70】

【化71】

【化72】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式またはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【化73】

もしくは
【化74】

【化75】

または
【化76】

もしくは
【化77】

式中、R1、R'1は同一かまたは異なり―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2から選択され、x ≧ 0、しかも0 < n < 20であり、
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)と同異置換基であるか、-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)、
ただし、
【化78】


【化79】

または
【化80】

ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2は同一かまたは異なりCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されることが可能であり、ただし、R3はアルキル(C1〜C20)あるいはHであってR、R1、R2は同一もしくは異なりCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されるか(式中、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHである)または一次π系と共役関係にある付加π系を含み、前記置換基は型
【化81】

であり、
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分の脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【化82】

【化83】

【化84】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式またはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【化85】

もしくは
【化86】

【化87】

または
【化88】

もしくは
【化89】

式中、R1、R'1は同一かまたは異なり―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2から選択され、x ≧ 0、しかも0 < n < 20であり、
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,または-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)、
の金属錯体である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項18】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XVII):
【化90】

ただし、
【化91】


【化92】

または
【化93】

ただし、M = FeまたはRuまたはOs
B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2は同一もしくは異なりCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されることが可能であって、式中R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2は同一もしくは異なりCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れ(C1〜C20)またはHである)または一次π系と共役関係にある付加π系を含み、前記置換基は型
【化94】

であり、
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【化95】

【化96】

【化97】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【化98】

もしくは
【化99】

【化100】

または
【化101】

もしくは
【化102】

式中、R1、R'1は同一もしくは異なり―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2から選択され、x ≧ 0、しかも0 < n < 20であり、
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)、
の金属錯体である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項19】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XVIII):
【化103】

ただし、
【化104】


【化105】

または
【化106】

または
【化107】

または
【化108】

または
【化109】

または
【化110】

M = FeまたはRuまたはOs
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2
P = FもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNO2もしくはCNもしくはNCSeもしくはNCSまたはNCO
ただし、
【化111】


【化112】

【化113】

【化114】

ただし、
【化115】


【化116】

または
【化117】

または
【化118】

または
【化119】

または
【化120】

または
【化121】

または
【化122】

または
【化123】

または
【化124】

または
【化125】

または
【化126】

または
【化127】

ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2は同一もしくは異なりCOOR3もしくはPO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されることが可能であって、式中R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2は同一もしくは異なりCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)またはHである)または一次π系と共役関係にある付加π系を含み、前記置換基は型
【化128】

であり、
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【化129】

【化130】

【化131】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【化132】

もしくは
【化133】

【化134】

または
【化135】

もしくは
【化136】

式中、R1、R'1は同一もしくは異なり-CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2から選択され、x ≧ 0、しかも0 < n < 20であり、
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)、
の金属錯体である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項20】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XIX):
【化137】

ただし、
【化138】


【化139】

または
【化140】

または
【化141】

または
【化142】

または
【化143】

または
【化144】

M = FeまたはRuまたはOs
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2
P = CNもしくはNCSeもしくはNCSもしくはNCO
ただし、
【化145】


【化146】

または
【化147】

または
【化148】

または
【化149】

または
【化150】

もしくは
【化151】

または
【化152】

または
【化153】

または
【化154】

または
【化155】

または
【化156】

または
【化157】

ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2は同一もしくは異なりCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されることが可能であって、式中R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2は同一もしくは異なりCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)またはHである)または一次π系と共役関係にある付加π系を含み、前記置換基は型
【化158】

であり、
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【化159】

【化160】

【化161】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【化162】

もしくは
【化163】

【化164】

または
【化165】

もしくは
【化166】

式中、R1、R'1は同一もしくは異なり―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2PO4H2から選択され、x ≧ 0、しかも0 < n < 20であり、
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)、
の金属錯体である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。
【請求項21】
該レドックス活性化合物は以下の化学式(XX):
【化167】

ただし、
【化168】


【化169】

または
【化170】

または
【化171】

または
【化172】

または
【化173】

または
【化174】

M = FeまたはRuまたはOs
n = 0〜20
X = PO3H2もしくはCO2HもしくはSO3HもしくはCONHOHまたはPO4H2もしくはSO4H2
P = CNもしくはNCSeもしくはNCSもしくはNCOまたはピラジン、
ただし、
【化175】


【化176】

または
【化177】

または
【化178】

または
【化179】

または
【化180】

もしくは
【化181】

または
【化182】

または
【化183】

または
【化184】

または
【化185】

または
【化186】

または
【化187】

ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2は同一もしくは異なりCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されることが可能であって、ただし、R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2は同一または異なりCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3もしくはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)またはHである)または一次π系と共役関係にある付加π系を含み、前記置換基は型
【化188】

であり、
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【化189】

【化190】

【化191】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【化192】

もしくは
【化193】

【化194】

または
【化195】

もしくは
【化196】

式中、R1、R'1は同一もしくは異なり―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2から選択され、x ≧ 0、しかも0 < n < 20であり、
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)、
ただし、
【化197】


【化198】

または
【化199】

ただし、B = アルキル(C1〜C20)あるいはH
R、R1、R2は同一もしくは異なりCOOR3もしくはPO3R3もしくはSO3R3もしくはCONR3OR3もしくはSO4R3もしくはCOR3もしくはCF3もしくはCOCF3もしくはOR3もしくはNO2もしくはFもしくはClもしくはBrもしくはIもしくはNR3もしくはアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されることが可能であって、ただし、R3はアルキル(C1〜C20)あるいはH、R,R1,R2は同一または異なりCOOR3またはPO3R3またはSO3R3またはCONR3OR3またはSO4R3またはCOR3またはCF3またはCOCF3またはOR3またはNO2またはFまたはClまたはBrまたはIまたはNR3または線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHから選択されるか(ただし、R3は線状もしくは枝分れアルキル(C1〜C20)あるいはHである)または一次π系と共役関係にある付加π系を含み、前記置換基は型
【化200】

であり、
式中、-[π]-は前述置換基のπ系を略示し、Ralはπ系統に結合される飽和鎖部分を有する脂肪族置換基を示し、ただし、qは整数を示し、-[π]-は一以上の置換基Ralをもつことが可能であることを示す、
ただし、少なくとも一の置換基-R、-R1、-R2は化学式(1)、(2)または(3)であり、
【化201】

【化202】

【化203】

式中、pは0〜20の整数であり、
式中、RarはHまたはC6〜C22の単環式もしくはオリゴ環式アリールであり、
ただし、- Ralは-R1もしくは-O-R1もしくは-N(R1)2もしくは-NHR1または
【化204】

もしくは
【化205】

【化206】

または
【化207】

もしくは
【化208】

式中、R1、R'1は同一もしくは異なり―CH2PO3H2,-CH2CO2H,-CH2SO3H,-CH2CONHOH,-CH2PO4H2,-CH2SO4H2から選択され、x ≧ 0、しかも0 < n < 20であり、
ただし、置換基-R、-R1、-R2のほかのものは化学式(1)、(2)または(3)の同異置換基であるか、または-H,-OH,-R3,-OR3,COOH,COCF3,CN,Br,Cl,F,I,CF3,もしくは-N(R3)2から選択される(ただし、R3は1〜20個炭素原子の線状もしくは枝分れアルキルである)、
の金属錯体である、請求項6に記載の再充電可能電気化学電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−507210(P2010−507210A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532947(P2009−532947)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054246
【国際公開番号】WO2008/047324
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(507400365)ハイ パワー リチウム ソシエテ アノニム (6)
【Fターム(参考)】