説明

ナノ細孔の製造

【課題】本発明は、ナノ細孔膜、かかるナノ細孔膜を製造する方法、およびその使用を提供する。
【解決手段】膜を製造する方法では、フォトリソグラフィーがコロイドリソグラフィーと組み合わされて使用され、これによってナノサイズ細孔を短時間で大規模に製造できる。結果として生じる膜の細孔は狭いサイズ分布を有し、無作為に配置される。さらに、細孔間距離は変化をほとんど示さない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ細孔膜、かかるナノ細孔膜を作る方法、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
体液中の分子の分離は臨床診断および病気治療法において重要な基本的手順であり、溶質分離用の最も基本的な装置は多孔質膜フィルターである。従って、フィルター技術の画期的な進歩は健康の多くの領域に影響を与える可能性がある。
【0003】
ウイルスおよびバクテリアのようなナノサイズ物体を捕まえることができるフィルターは、空気および水清浄装置において非常に重要である。かかる空気フィルタリングは、例えば、戦争またはテロ攻撃で使用される大量破壊の生物および化学兵器から護るために、航空機および軍用装置で使用される。空気に加えて、水および液体のナノサイズ汚染からの効率的なフィルタリングは同じく重要である。まず第一に、これは開発途上国において飲んでも安全な水源を増やすだろうが、またヒト血清を含む他の液体からHIVのようなウイルスを濾過して除去することに向けられる研究開発効果もある。
【0004】
典型的なフィルター材料はプラスチックまたはセルロース高分子の織基材として作られる。このようにして製造したフィルターは細孔の大きさの広い分布を自然に含み、最小の細孔は濾液の小さい分子で徐々に詰まることになる。小さい細孔および大きいフィルター厚さの存在度は、膜フィルターを横切る流れに対する抵抗の2つの大きい源である(非特許文献1)。さらに、かかるフィルターは熱的環境(通常200℃を超える温度で劣化)または化学的環境(強い溶媒、酸、または塩基によって影響を受ける)に対して非常に限定した抵抗を有する。
【0005】
ナノテクノロジーの最近の進歩は、直径数ナノメータまで下がる高密度および高精度の細孔の大きさを有する非常に薄いフィルター膜の製造を可能にする。しかしながら、かかる製造は非常に高価な装置(例えば、電子ビームリソグラフィーまたは集束イオンビーム穴あけ)を伴い、多数のナノ細孔を製造する必要がある場合に非常に非効率である。何故なら、それらは順次処理に基づいているからである(1つのナノ細孔は別のナノ細孔後に製造しなければならない)。
【0006】
特許文献1は多孔質ナノスケール膜の製造プロセスを開示している。最終工程で、複数の間隔を置いて配置されたナノ細孔は酸化膜マスクの除去によって形成される。しかしながら、この特許で開示の製造されるナノ細孔は、特により大きい細孔(>20nm)の場合に、比較的小さい密度および広いサイズ分布を有する。
【0007】
本発明は極薄ナノスケール膜、それらの膜を作る方法、ならびにバイオセンサー、薬物送達システムにおける、小さい分子および生体分子のふるい、分離、および浄化における、空気および水のフィルタリングにおける、かつ燃料電池膜におけるそれらの使用を目的としている。
【特許文献1】米国特許出願第11/414,991号明細書
【非特許文献1】トン(Tong)ら著「窒化シリコンナノシーブ膜」、ナノレターズ(Nano Letters)4:283−287(2004年)
【非特許文献2】セウンマン・ヤン(Seung-Man Yang)、ダエジェウン・チョイ(Dae-Geun Choi)、サラ・キム(Sarah Kim)、およびヒュン・キュン・ユー(Hyung Kyun Yu)著「コロイドリソグラフィーによるナノ機械加工」、スモール(Small)2006年、2月、No.4、458−475
【発明の開示】
【0008】
現在、ナノサイズ細孔を備える非常に薄いフィルター膜の製造は、電子ビームリソグラフィー(EBL)または集束イオンビームリソグラフィー(FIB)に基づくナノスケールの順次処理と組み合わせたミクロンスケール(フォトリソグラフィー)の並行処理を用いて通常実行される。しかしながら、この種の製造はEBLおよびFIB機械の原価高に因って高価であり、また多数のナノ細孔を製造する必要がある場合に非常に非効率である。何故なら、それらは順次処理に基づいているからである(すなわち、1つのナノ細孔は別のナノ細孔後に製造しなければならない)。
【0009】
驚いたことに、我々は、ナノサイズ細孔を備える非常に薄い膜が高価な装置を使用せずに短時間で大規模に製造され得ることが分かった。この新しいプロセスは従来のフォトリソグラフィーをコロイドナノリソグラフィーと組み合わせる。このように、ナノ細孔の製造は並行して行われる。すなわち、膜のすべてのナノ細孔は同時に生成される。結果として生じる膜の細孔は狭いサイズ分布を有し、制御される平均細孔間間隔で無作為に配置される。さらに、細孔間距離は変化をほとんど示さない。
【0010】
本発明のプロセスでは、個々のプロセス工程は個々の順序で実行されるとよいことを理解する必要がある。例えば、無傷の支持体膜を製造するのに用いるフォトリソグラフィー工程は、ナノ細孔を生成するのに用いるコロイドリソグラフィーの工程より前に行われるとよい。あるいは、コロイドリソグラフィーの工程はフォトリソグラフィーの工程の前に行われるとよい。
【0011】
フォトリソグラフィーが当業者に周知であるのに対して、コロイドリソグラフィー技術はよく知られていない。コロイドリソグラフィー(CL)の原理およびさまざまな変形はヤン(Yang)らによって精査されている(非特許文献2)。CLを支持体膜の鋳型ナノ細孔に用いる場合は、広い細孔サイズ分布および膜の小さい機械的強度を引き起こす、横方向に相互に連結するナノ細孔の製造を回避するために、コロイド粒子が表面上でまばらである、すなわち互いに接触しないことが重要である。従って、CLの特別な変形だけについて、この特許出願を通じて理解されるように以下に述べる。
【0012】
コロイドリソグラフィー(CL)
コロイドリソグラフィーは荷電コロイド粒子の逆帯電した表面への静電自己集合に基づいている。これを図1aに示す。求引反対電荷がコロイド溶液に面するように、表面の帯電は表面上の多価電解質の単一または複数の吸着層によって制御され得る。同じ電荷のコロイド粒子間の静電反発力は吸着粒子間に特徴的な間隔を生じる。反発相互作用はコロイド溶液に逆帯電したイオンを導入することによって減らすことが可能であり、これは吸着粒子間により短い粒子間距離を生じるだろう。これを図1bに示す。コロイドリソグラフィーに用いることができる典型的な材料はコロイド粒子および多価電解質である。
【0013】
コロイド粒子の例は単分散ポリスチレン(PS)球およびシリカコロイドを含む。単分散ポリスチレン(PS)球は約20nm〜数μmのサイズで市販されており、例えば米国オレゴン州のインターフェーシャル・ダイナミックス社(Interfacial Dynamics Corporation)から購入することができる。シリカコロイドは数nm以上の直径で市販されており、例えばスエーデン、ボース(Bohus)のエカ・ケミカルス(Eka Chemicals)から購入することができる。通常、コロイド粒子は水に浮かぶ(1〜5重量%)。
【0014】
多価電解質は正または負に帯電し得る。正に帯電した多価電解質は水酸化塩化アルミニウム(ACH)(これはリハイス(Reheis)から購入することができる)およびポリ(塩化ディアルディメチルアモニウム)(PDDA)(これはシグマアルドリッチ(Sigma−Aldrich)から市販されている)を含む。負に帯電した多価電解質はポリ(4スチレンスルホン酸ナトリウム)(PSS)であり、シグマアルドリッチから市販されている。通常、ACH、PDDA、およびPSSは水に溶ける(ACHについて5重量%、PDDAおよびPSSについて2重量%)。
【0015】
コロイド粒子の帯電を遮蔽し、その結果帯電粒子間の静電反発力を弱めるイオンを導入するために、食塩がコロイド溶液に加えられ得る。例えば、塩化ナトリウムがコロイド溶液に加えられ得る。通常、食塩濃度は0〜50mMである。
【0016】
典型的なコロイドリソグラフィーのシーケンスは次の通りである。
工程1(オプショナル) 基板の表面を帯電させる。
基板はコロイド粒子と違った反対符号の自然表面電荷を有するかもしれない。かかる場合には、それはすぐに工程2で使用されるかもしれない。さもなければ、帯電が弱過ぎるか、またはそれがコロイド粒子と同じ符号を有する場合は、表面は、所望の電荷(コロイド粒子と反対の電荷)を有する多価電解質の単一層、または最後の層が所望の電荷符号を含むように、反対の電荷の電解質の複数の層(通常3層、例えば<+><−><+>の組み合わせ)に吸着させることによって帯電されるかもしれない。ACH―PSS―ACHの3層はここに述べるプロセスで使用された。堆積前に、基板の表面は酸素プラズマ(50W、250mTorr、プラズマ・サーム・バッチトップ(Plasma Therm Batchtop)VII RIE/PE 95M)で30秒間清浄にされる。各層の堆積は、表面を電解質溶液に30秒間浸し、30秒間水洗いし、そして窒素ブローまたは回転によって乾燥させることによって行われた。最後の吸着多価電解質層の厚さは通常1nm未満である。
工程2 コロイド粒子の溶液からの吸着
帯電した表面は負に帯電したPSナノ粒子(水中に1%、110nm、硫酸塩ラテックス、インビトロゲン(Invitrogen)によって供給)のコロイド溶液に2分間さらされ、次に1分間水洗いされた。
工程3(オプショナル) 粒子の固定化
ポリマー粒子の虚面への付着を増加させるために、それらはその溶融温度を少し超える温度に加熱され得る。溶融温度が水の沸騰温度を超える場合は、それはより高い沸騰温度を有する液体によって、例えばエチレングリコールによって置き換える必要がある。
工程4 表面を乾燥させる
表面は窒素ブローまたは回転によって乾燥された。粒子の移動または分離を引き起こすかもしれない、乾燥プロセス中の表面張力を減らすために、水は乾燥前に表面張力が小さい液体によって、例えばメタノールによって置き換えることができる。
工程5(オプショナル) 多価電解質層の除去
有機化合物は弱い酸素プラズマまたは紫外オゾン処理によって表面から除去することができる。
【0017】
第1実施形態では、本発明は少なくとも1つのナノサイズ細孔を含む膜を製造する方法を提供し、前記方法は、
a)第1および第2反対面を含む支持体材料を準備する工程と、
b)コロイド粒子を前記支持体材料の前記第1面に堆積する工程と、
c)膜を前記コロイド粒子に堆積する工程であって、それによって前記コロイド粒子は膜の少なくとも1つのナノサイズ細孔のための鋳型としての機能を果たす工程と、
d)前記コロイド粒子を前記コロイド膜から除去する工程と、
e)前記支持体材料の前記第2面を保護材料で覆う工程と、
f)フォトリソグラフィーを用いて前記保護材料の少なくとも一部を除去し、それによって前記支持体材料の露出部分を提供する工程と、
g)前記膜が露出されるまで、前記支持体材料の前記露出部分における前記支持体材料をエッチングするする工程と、
を含む。
【0018】
第2実施形態では、本発明は本発明の第1実施形態による方法を提供し、そこでは工程は異なる順序で実行される。
【0019】
第3実施形態では、本発明は本発明の第1または第2実施形態による方法を提供し、そこではナノサイズ細孔は3〜3000nmである。
【0020】
第4実施形態では、本発明は本発明の第1〜第3実施形態による方法を提供し、そこではナノサイズ細孔は5〜300nmである。
【0021】
第4実施形態では、本発明は本発明の第1〜第3実施形態による方法を提供し、そこではナノサイズ細孔は30〜300nmである。
【0022】
第5実施形態では、本発明は本発明の第1〜第4実施形態による方法を提供し、そこではナノサイズ細孔は80〜150nmである。
【0023】
すべての実施形態は、前述または後述される本発明のその他の態様、実施形態、または特許請求の範囲と組み合されるとよい。
【0024】
第6実施形態では、本発明は本発明の第1〜第5実施形態による方法を提供し、そこではナノサイズ細孔は約100nmである。
【0025】
第7実施形態では、本発明は本発明の第1〜第6実施形態による方法を提供し、そこでは薄膜は窒化シリコンまたは酸化シリコンを含む。
【0026】
第8実施形態では、本発明は本発明の第1〜第7実施形態による方法を提供し、そこでは支持体材料はシリコンまたはゲルマニウムを含む。
【0027】
第9実施形態では、本発明は本発明の第1〜第8実施形態による方法を提供し、そこではコロイド粒子はポリスチレン、SiOのような酸化物、またはAlのような酸化金属から作られる。
【0028】
第10実施形態では、本発明は本発明の第1〜第9実施形態による方法を提供し、そこではコロイド粒子は3〜3000nmのサイズを有する。
【0029】
第11実施形態では、本発明は本発明の第1〜第10実施形態による方法を提供し、そこではコロイド粒子は5〜300nmのサイズを有する。
【0030】
第12実施形態では、本発明は本発明の第1〜第11実施形態による方法を提供し、そこではコロイド粒子は30〜300nmのサイズを有する。
【0031】
第13実施形態では、本発明は本発明の第1〜第12実施形態による方法を提供し、そこではコロイド粒子は80〜150nmのサイズを有する。
【0032】
第14実施形態では、本発明は本発明の第1〜第13実施形態による方法を提供し、そこではコロイド粒子は約100nmのサイズを有する。
【0033】
第15実施形態では、本発明は本発明の第1〜第14実施形態による方法を提供し、そこでは膜の厚さは100nm以下である。
【0034】
第16実施形態では、本発明は本発明の第1〜第15実施形態による方法を提供し、そこでは膜の厚さは30〜100nmである。
【0035】
さらなる実施形態では、本発明は前述の実施形態のいずれかによる方法を提供し、そこでは膜はクロム、金、またはニッケルを含む。
【0036】
さらなる実施形態では、本発明は前述の実施形態のいずれかによる方法を提供し、そこではクロム、金、またはニッケルの膜はコロイドリソグラフィーで使用される粒子の直径以下の厚さを有する。
【0037】
さらなる実施形態では、本発明は前述の実施形態のいずれかによる方法を提供し、そこではクロム、金、またはニッケルの膜はコロイドリソグラフィーで使用される粒子の直径の約1/3である厚さを有する。
【0038】
さらなる実施形態では、本発明は前述の実施形態のいずれかによる方法を提供し、そこではクロム、金、またはニッケルの膜はコロイドリソグラフィーで使用される粒子の直径の約50%である厚さを有する。
【0039】
さらなる実施形態では、本発明は前述の実施形態のいずれかによる方法を提供し、そこではコロイド粒子は、スコッチ(Scotch)テープまたは膠を除いた接着テープのような接着剤で、あるいは化学的エッチングで除去される。
【0040】
さらなる実施形態では、本発明は前述または後述の実施形態のいずれかによって製造される膜を提供する。
【0041】
さらなる実施形態では、本発明は窒化シリコンまたは酸化シリコンを含む膜を提供し、そこでは前記膜は100nm以下の厚さを有し、無作為に配置され、かつ狭いサイズ分布を有する、少なくとも1つのナノサイズ細孔を含む。
【0042】
さらに別の実施形態では、本発明は前述または後述の実施形態のいずれかによる膜を提供し、そこでは前記膜はシリコンまたはゲルマニウム上に支持される。
【0043】
前述または後述のすべての実施形態は、前述または後述される本発明のその他の態様、実施形態、または特許請求の範囲と組み合されるとよい。
【0044】
本発明のさらなる態様では、薬物送達システムにおいて、小さい分子または生体分子のふるい、分離、または浄化のために、かつ空気または水の微生物、バクテリア、またはウイルスからのフィルタリングのために、あるいは燃料電池膜において、バイオセンサーとしての前述の実施形態のいずれかによる膜の使用が提供される。
【0045】
本発明のさらなる態様では、薬物送達システムにおいて、小さい分子または生体分子のふるい、分離、または浄化のために、かつ空気または水の微生物、バクテリア、またはウイルスからのフィルタリングのために、あるいは燃料電池膜において、バイオセンサーとしての前述の実施形態のいずれかによって製造される膜の使用が提供される。
【0046】
上述の実施形態は、前述または後述される本発明のその他の態様、実施形態、または特許請求の範囲と組み合されるとよい。
【0047】
膜におけるナノ細孔の製造方法
本発明の膜は以下の方法で説明するように作られるとよい。しかしながら、本発明はこれらの方法に限定されない。
【0048】
方法1
方法1が以下に説明され、図2に示される。
【0049】
工程1 コロイド粒子(2)の支持体(1)(例えばシリコンウエハー)の1つの面(上面)における吸着
単結晶シリコン(100)またはシリコン(110)ウエハーは、その平面性、マイクロエレクトロニクス技術との適合性、および確立した微細加工処理の可用性によって支持体材料として好ましい。シリコンウエハーは、RCA−1(すなわち、体積割合1:1:5のH:NHOH:HO中で80℃、10分間)クリーニング、SiOを除去するための2%HFへの30秒間の浸漬、およびRCA−2(すなわち、体積割合1:1:5のH:HCl:HO中で80℃、10分間)クリーニングシーケンスによって清浄にする必要がある。CLは上述のように実行される。
【0050】
工程1a(オプショナル) コロイド粒子サイズを化学的および/または物理的エッチングによって減らす。
吸着コロイド粒子は、化学的エッチング(例えばオゾンによる)または物理的エッチング(例えばイオンスパッタリングによる)によって、あるいは両方の組み合わせ、例えば酸素プラズマ中の反応性イオンエッチング(RIE)によって収縮され得る。
【0051】
工程2 支持体(1)(片面または両面)およびコロイド粒子(2)を膜材料(5)(例えばSiまたはSiO)によって覆う。 膜材料は下にある支持体材料よりも化学的および/または物理的エッチングに耐えることが好ましい。コーティングの厚さはコロイド粒子の直径の50%以下、好ましくは粒子の直径の1/3以下でなければならない。
【0052】
SiまたはSiOは、その高い機械的強度および溶媒、塩基、およびほとんどの酸による化学的腐食に対する高い不活性/耐性によって、好ましい材料である。これらの材料は電子産業で広く使用されており、これらの材料の膜を堆積する確立した方法、例えば低圧化学蒸着(LP−CVD)、プラズマ支援化学蒸着(PA−CVD)、イオンスパッタリングまたは電子ビーム誘起物理蒸着などがある。
【0053】
コーティングは材料の異方性堆積によって行われることが好ましい。堆積角度に応じて(表面に垂直に、またはある傾きで)、粒子の下のさまざまな形状の陰にされた部位が生成されることになる。垂直な堆積は丸い陰にされた部位を生じることになる。傾いた堆積は楕円形の陰にされた部位を生じることになる。
【0054】
工程3 被覆されたコロイド粒子(2)を支持体(1)から除去して、各コロイド粒子の下の陰にされた部位の膜材料に穴(6)を生じる。
粒子の除去は、膜(5)および支持体材料(1)が破壊されないように実行する必要がある。それは次のように実行される。
a)粒子がテープに粘着し、除去されるテープとともに表面からはがれるように、スコッチテープを施し、除去する。
b)粒子がテープに粘着し、除去されるテープとともに表面からはがれるように、膠を除いた接着テープ(例えばポリジメチルシロキサン[PDMS]ゴム)を施し、除去する。
c)化学的エッチングまたは溶解、例えばアセトン中のPS粒子。超音波処理は除去プロセスを促進するために使用され得る。
d)イオンスパッタリング
e)RIE、例えば酸素プラズマ中で
f)粘ちょう液のスピンコーティングおよび除去
【0055】
工程4(オプショナル) 支持体の片面だけが工程2で膜材料(5)によって覆われた場合は、またはこの材料が工程6で施される化学的または物理的エッチングに耐えない場合は、支持体材料よりも化学的および/または物理的エッチングにより耐える保護材料(7)(例えばSiまたはSiO)で支持体(1)を覆う。
コーティングは工程2で述べたように実行することが可能であるが、コーティングの厚さはコロイド粒子の直径に限定されない。それは工程6のエッチングに耐えるのに十分な厚さであることが必要である。通常、それはシリコンのウェットエッチングに対してSiまたはSiO、プラズマ中のシリコンのドライエッチングに対して金属である(工程6の記述参照)。
【0056】
工程5 指定された部位(8)(ウインドウ)の保護層を除去するために、フォトリソグラフィーを支持体の下面(コロイド粒子が工程2〜3で施され、除去された面の反対面)で実行する。
【0057】
フォトリソグラフィー工程は、通常、表面をフォトレジストによってコーティングする工程と、それを透明なパターン(ウインドウ)を有する不透明なマスクによって紫外光に露光させる工程と、現像液によって露光部位のフォトレジストを溶解する工程とから成る。このときフォトレジストはそれが溶解された以外のすべての部位で保護材料を覆っている。これらの覆われていない部位では、保護材料は化学的または物理的エッチングによって除去することができる。例えば、SiOおよびSiは緩衝HF酸によって、またはCFプラズマ中のRIEによってエッチングすることができる。
【0058】
工程6 支持体の反対側で膜材料に達するまで、支持体材料をウインドウ(8)を通してエッチングする。エッチングは新しいウインドウ9をもたらす。ウインドウ(8)および(9)は共通に(10)で示される(以下参照)。膜材料はナノ構造膜をウインドウを横切って形成する。ここで膜は細孔(6a)を含む。
【0059】
シリコンウエハーが支持体として使用される場合は、エッチングはウェット(KOH、HNA、TMAH、EDP、AGで)またはドライ(ガス、RIEプラズマで、またはイオンスパッタリングによって)であり得る。
【0060】
単結晶シリコンのエッチングは等方性(すなわち、すべての方向で同じエッチング速度、例えばHNAによるエッチング)、または異方性(選択的エッチング方向、例えばシリコン<100>のKOHエッチング)であり得る。異方性エッチングは、それがエッチングされるトレンチの形状およびサイズのより良い制御を可能にする場合に好ましく、これはまた最後の膜のサイズおよび形状も決定する。エッチングされるトレンチの垂直壁を生じる等方性エッチングは、単一支持体上の複数の膜を最密充填するのに好ましいかもしれない。
【0061】
エッチングされるトレンチの横方向の大きさは、形成される膜が機械的に安定であるようでなければならない。機械的強度はまた膜の厚さおよび材料特性にも依存する。10〜5000nmの厚さのSiOおよびSiの場合は、支持位置におけるトレンチの幅は10〜5000μmであり得る。
【0062】
工程7(オプショナル) 必要に応じて、支持体の片面または両面から保護材料(7)を除去し、これにより開かれたナノ細孔(6a)を有する膜(5)が支持体に生成される。
【0063】
除去は、化学的エッチングによって(例えばオゾンによって、または酸によって)、または物理的エッチングによって(例えばイオンスパッタリングによって)、または両方の組み合わせ、例えば反応性イオンエッチング(RIE)によって達成することができる。
【0064】
工程8(オプショナル) 次によってナノ細孔(6a)の直径を小さくする。
a)電子衝撃
b)イオン衝撃
c)等方性材料堆積
【0065】
SiOおよびSi膜の場合は、ある運動エネルギーのイオンおよび電子による衝撃は、表面を移動させ、表面張力によってナノ細孔(6)にたまるようにする。
【0066】
追加材料の膜への堆積はまた、それが細孔の内壁に堆積する場合は、ナノ細孔の収縮を引き起こすことができる。
【0067】
工程9(オプショナル) 片面または両面への機能性コーティング(11)によって膜をコーティングする。
【0068】
さまざまな機能性コーティング(11)が可能である。例えば、
a)光学活性コーティング
b)導電コーティング
c)誘電コーティング
d)帯電コーティング
e)非汚染コーティング
f)化学活性コーティング
【0069】
膜のさまざまな面およびナノ細孔の内壁はさまざまな材料で覆うことができる。
【0070】
注釈
膜材料(工程1)、保護材料(工程4)、および/または細孔サイズを小さくする材料(工程8c)は同一の材料、例えばSiであるかもしれない。この方法の制約は、工程2で決定される膜厚が工程1で施されるコロイド粒子の直径よりも大きくならず、さもなければ工程3は実行不可能になることである。それにもかかわらず、膜厚は工程8cおよび工程9でさらに増大し得る。
【0071】
方法2
方法2が以下に説明され、図3に示される。
【0072】
工程1 支持体(1)(片面または両面)を膜材料(5)(例えばSiまたはSiO)によって覆う。膜材料(5)は、下にある支持体材料(例えばシリコン)よりも化学的および/または物理的エッチングにより耐えることが好ましい。
【0073】
工程2 支持体(1)(例えばシリコンウエハー)の1つの面(上面)へのコロイド粒子(2)の吸着。
【0074】
工程2a(オプショナル) コロイド粒子サイズを化学的および/または物理的エッチングによって小さくする。
【0075】
工程3 膜材料(5)よりも化学的および/または物理的エッチングにより耐える保護材料(12)(例えばクロムまたはニッケル)の層によって、支持体(1)およびコロイド粒子(2)を覆う。保護材料(12)の厚さはコロイド粒子直径の50%未満でなければならない。
【0076】
コーティングは材料の異方性堆積によって行われることが好ましい。堆積角度に応じて(表面に垂直に、またはある傾きで)、粒子の下のさまざまな形状の陰にされた部位が生成されることになる。垂直な堆積は丸い陰にされた部位を生じることになる。傾いた堆積は楕円形の陰にされた部位を生じることになる。
【0077】
工程4 被覆されたコロイド粒子(2)を支持体から除去して、各コロイド粒子の下の陰にされた部位の保護材料(12)に穴(6)を生じる。
【0078】
工程5 膜を支持体材料に達するまで保護材料の穴を通してエッチングし、これによって、工程2で吸着されたコロイド粒子の位置および陰にされた形状に対応して穴(6)を膜材料に生じる。
【0079】
工程6(オプショナル) 必要に応じて、保護材料(12)を膜から除去する。
【0080】
工程7(オプショナル) 支持体の片面だけが工程1で膜材料によって覆われた場合は、またはこの材料が工程9で施される化学的または物理的エッチングに耐えない場合は、支持体材料よりも化学的および/または物理的エッチングにより耐える保護材料(7)(例えばSiまたはSiO)で支持体を覆う。
【0081】
工程8 指定された部位(8)(ウインドウ)の保護層を除去するために、フォトリソグラフィーを支持体の下面(コロイド粒子が工程2〜4で施され、除去された面の反対面)で実行する。
【0082】
工程9 支持体(1)の反対側で膜材料(5)に達するまで、支持体材料(1)をウインドウを通してエッチングする。エッチングは新しいウインドウ(9)をもたらす。ウインドウ(8)および(9)は共通に(19)で示される(以下参照)。膜材料(5)はナノ構造膜をウインドウを横切って形成する。ここで膜(5)は細孔(6a)を含む。
【0083】
工程10(オプショナル) 必要に応じて、支持体(1)の片面または両面から保護材料を除去し、これにより開かれたナノ細孔(6a)を有する膜(5)が支持体に生成される。
【0084】
工程11(オプショナル) 次によってナノ細孔(6a)の直径を小さくする。
a)電子衝撃
b)イオン衝撃
c)材料堆積
【0085】
工程12(オプショナル) 片面または両面への機能性コーティング(11)によって膜をコーティングする。
【0086】
注釈
膜材料(工程1)、保護材料(7)(工程7)、および/または細孔サイズを小さくする材料(工程11c)は同一の材料、例えばSiであるかもしれない。この方法は工程1よりも多くの工程を有するが、膜の最大厚さは方法1におけるようにコロイド粒子の直径によって限定されない。
【0087】
方法3
方法3が以下に説明され、図4に示される。
【0088】
工程1 支持される膜(5)の1つの面へのコロイド粒子(2)の吸着。ウインドウ(10)は初めからある。
【0089】
工程1a(オプショナル) コロイド粒子サイズを化学的および/または物理的エッチングによって小さくする。
【0090】
工程2 膜材料(5)よりも化学的および/または物理的エッチングにより耐える保護材料(12)(例えばクロムまたはニッケル)の層によって、支持体(1)およびコロイド粒子(2)を覆う。保護材料の厚さはコロイド粒子直径の50%未満でなければならない。
【0091】
コーティングは材料の異方性堆積によって行われることが好ましい。堆積角度に応じて(表面に垂直に、またはある傾きで)、粒子の下のさまざまな形状の陰にされた部位が生成されることになる。垂直な堆積は丸い陰にされた部位を生じることになる。傾いた堆積は楕円形の陰にされた部位を生じることになる。
【0092】
工程3 被覆されたコロイド粒子(2)を支持体(1)から除去して、各コロイド粒子の下の陰にされた部位の保護材料に穴(6)を生じる。
【0093】
工程4 膜材料の細孔(6a)が工程1で吸着されたコロイド粒子(2)の位置および陰にされた形状に対応して形成されるまで、膜材料を保護材料(12)の穴(6)を通してエッチングする。
【0094】
工程5(オプショナル) 必要に応じて、保護材料(12)を膜から除去する。
【0095】
工程6(オプショナル) 次によってナノ細孔(6a)の直径を小さくする。
a)電子衝撃
b)イオン衝撃
c)材料堆積
【0096】
工程7(オプショナル) 片面または両面への機能性コーティングによって細孔(6a)を含む膜(5)をコーティングする。
【0097】
注釈
この方法は、ナノ細孔を製造するために、事前に加工された無傷の膜(例えば、市販のTEMウインドウ)に適用することができる。
コロイド粒子の機械的除去がもろい膜をたやすく破壊するかもしれないので、工程3は重要な工程である。
【0098】
定義(オプショナル)
次の定義は、特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲を通じて適用される。「細孔」は膜を貫通して延びる開口として定義され、すなわち、開口は膜の一つの面から他の面へおよぶ。対照的に、用語「穴」及び「凹み」は膜全体を貫通しない膜における開口を意味する。
【0099】
用語「ナノサイズ細孔」は、ナノメートル範囲のサイズを有する細孔として定義される。
【0100】
用語「汚染」は、バクテリア、コロイド、酸化物、および水に浮かぶ破片のような不溶性材料の膜の表面への堆積として定義される。
【0101】
支持体材料はさまざまな形状を有することができる、例えばそれは平坦、丸い、曲がった、または方形であり得ることを理解すべきである。
【0102】
好ましい実施形態の詳細な説明
略語
CL コロイドリソグラフィー
nm ナノメートル
PS ポリスチレン
ACH 水酸化塩化アルミニウム
PDDA ポリ(塩化ディアルディメチルアモニウム)
PSS ポリ(4スチレンスルホン酸ナトリウム)
mM ミリモル
RIE 反応性イオンエッチング
EBL 電子ビームリソグラフィー
FBL 集束イオンビームリソグラフィー
s 秒
LP―CVD 化学蒸着
PA―CVD プラズマ支援化学蒸着
PDMS ポリジメチルシロキサン
KOH 水酸化カリウム
HNA フッ酸、硝酸、および酢酸の混合物
TMAH 水酸化テトラメチルアンモニウム
EDP エチレン・ジアミン・ピロカテコール
AG アモンガラート
TEM 透過電子顕微鏡法
SEM 走査電子顕微鏡法
RDF 動径分布関数
【0103】
本発明はさらに次の例によって例示されるが、これに限定されない。
【0104】

ナノ細孔は工程6〜7を除外した処理方法3によってSi膜に製造された。
【0105】
最初に、膜表面は酸素プラズマで30秒間処理された(50W、250mTorr、プラズマ・サーム・バッチトップ(Plasma Therm Batchtop)VII RIE/PE 95M))。次に、3重帯電層が次の工程によって堆積された。
1)膜を2%PDDA溶液に30秒間浸漬し、流水で30秒間洗い流し、そして3000rpmで脱水する。
2)膜を2%PSS溶液に30秒間浸漬し、流水で30秒間洗い流し、そして3000rpmで脱水する。
3)膜を5%ACH5%溶液に30秒間浸漬し、流水で30秒間洗い流し、そして3000rpmで脱水する。
【0106】
工程1で、水に浮かんだ単分散(110nm±5nm)ポリスチレン(PS)球(硫酸塩ラテックス、米国オレゴン州のインターフェーシャル・ダイナミックス社(Interfacial Dynamics Corporation)(0.2重量%)は膜に施され、2分間保持された。次に、ウエハーは流水で30秒間洗い流され、窒素を吹き付けることによって乾燥された。
【0107】
工程2で、10nmのクロムは電子ビーム蒸着(AVAC HVC−600)によって堆積された。
【0108】
コロイド粒子は、工程3で接着テープ(SWT-10、ニットースカジナビア(Nitto Scandinavia)AB)を貼り付けることによって除去された。
【0109】
細孔は、工程5でプラズマエッチング(2.5分、100W、25mTorr、プラズマ・サーム・バッチトップ(Plasma Therm Batchtop)VII RIE/PE 95M)を用いて、クロムによって保護されない膜に形成された。
【0110】
クロム層は、工程6で6重量%の硝酸および16%の硝酸セリウムアンモニウムの混合物のウェットエッチングによって除去された。
【0111】
吸着粒子およびエッチングされたナノ細孔は走査電子顕微鏡(SEM、JEOL、JSM-6301F)によって撮像される。粒子サイズおよび分布は、
個別粒子の領域、直径、および座標をカウントするために、ImageJ v1.40(NIH、米国)ソフトウェアを用いて分析された。
結果は粒子直径分布ヒストグラムによって示される。
RIE/PE 95M))
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1a】荷電コロイド粒子の逆帯電した表面への静電自己集合に基づくコロイドリソグラフィーの説明図である。
【図1b】吸着粒子間により短い粒子間距離を生じたコロイドリソグラフィーの説明図である。
【図2】本発明の膜におけるナノ細孔の製造方法1の説明図である
【図3】本発明の膜におけるナノ細孔の製造方法2の説明図である
【図4】本発明の膜におけるナノ細孔の製造方法3の説明図である
【図5】膜のさまざまな面における(a)コロイド粒子および(b,c)エッチングされたナノ細孔のSEM画像である。
【符号の説明】
【0113】
1 支持体
2 コロイド粒子
5 膜材料
6 穴
6a 細孔
7 保護材料
8 ウインドウ
9 ウインドウ
10 ウインドウ
11 機能性コーティング
12 保護材料


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのナノサイズ細孔を含む膜を製造する方法であって、
a)第1および第2反対面を含む支持体材料を準備する工程と、
b)コロイド粒子を前記支持体材料の前記第1面に堆積する工程と、
c)膜を前記コロイド粒子に堆積する工程であって、それによって前記コロイド粒子は前記膜の少なくとも1つのナノサイズ細孔のための鋳型としての機能を果たす工程と、
d)前記コロイド粒子を前記膜から除去する工程と、
e)前記支持体材料の前記第2面を保護材料で覆う工程と、
f)フォトリソグラフィーを用いて前記保護材料の少なくとも一部を除去し、それによって前記支持体材料の露出部分を提供する工程と、
g)前記膜が露出されるまで、前記支持体材料の前記露出部分における前記支持体材料をエッチングするする工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記膜が窒化シリコンまたは酸化シリコンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持体材料がシリコンまたはゲルマニウムを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記保護材料が窒化シリコンまたは酸化シリコンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コロイド粒子がポリスチレン、SiOのような酸化物、あるいはAlまたはTiOのような酸化金属から作られる請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コロイド粒子が約3〜3000nmのサイズを有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記膜がクロム、金、ニッケル、またはアルミニウムを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記膜が、コロイドリソグラフィーで使用される前記粒子の直径の50%以下である厚さを有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コロイド粒子が、接着剤または化学的エッチングで前記膜から除去される請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法によって製造される膜。
【請求項11】
少なくとも1つのナノサイズ細孔を含む膜を製造する方法であって、
a)第1および第2反対面を含む第1材料を準備する工程と、
b)コロイド粒子を前記第1材料の前記第1面に堆積する工程と、
c)膜を前記コロイド粒子に堆積する工程であって、それによって前記コロイド粒子は前記膜の前記少なくとも1つのナノサイズ細孔の少なくとも一部のための鋳型としての機能を果たす工程と、
d)前記コロイド粒子を前記膜から除去する工程と、
e)少なくとも1つのナノサイズ細孔が形成されるように、第1部分における前記第1材料をエッチングする工程と、
を含む方法。
【請求項12】
前記第1材料および前記第1部分の前記エッチングが、前記第1材料の前記第1面で行われることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1材料および前記第1部分の前記エッチングが、前記第1材料の前記第2面で行われることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1材料をエッチングする前に、前記第1材料の前記第2面を保護材料で覆う工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1材料を前記保護材料で覆う後に、フォトリソグラフィーを用いて前記保護材料の少なくとも一部を除去して、前記第1部分を露出させ、その後に少なくとも1つのナノサイズ細孔が形成されるように、前記第1材料をエッチングする工程をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1材料が第1材料層および第2材料層を含み、前記第1材料層は窒化シリコンまたは酸化シリコンの群から選択されることを特徴とする請求項11、12、または14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1材料の追加エッチングが前記第1材料の前記第2面から行われることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記膜が、前記コロイド粒子の直径の半分以下である厚さで施されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記コロイド粒子が、接着剤、化学的エッチングなどを用いて前記膜から除去されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−262004(P2009−262004A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−111371(P2008−111371)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 フロンティアーズ 刊行物名 フロンティアーズ ホエア ライフサイエンス アンド ナノテクノロジー ミーツ アイエムイーシー アニュアル ミーティング、レウベン、2007年10月23−25日 発行年月日 2007年10月23日
【出願人】(508123320)
【氏名又は名称原語表記】Sarunas Petronis
【出願人】(508123331)
【氏名又は名称原語表記】Bengt Kasemo
【Fターム(参考)】