説明

ナビゲーション装置およびナビゲーション方法

【課題】情報量の少ない2次元地図から、簡易な処理で、鳥瞰図に表示可能な3次元の歩道橋を形成する。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、2次元平面補間点168の座標情報と連結情報とを取得する情報取得部130と、座標情報と予め設定された歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて3次元平面補間点174を生成する3次元平面生成部132と、連結情報と予め設定された階段長さとに基づいて任意の2次元平面補間点から階段長さだけ延長した端点を2次元階段補間点182とする2次元階段生成部134と、3次元平面補間点と2次元階段補間点と歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて3次元階段補間点186を生成する3次元階段生成部136と、3次元平面補間点および3次元階段補間点を射影変換して鳥瞰図を生成する鳥瞰図生成部140と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの車両の移動経路を案内するナビゲーション装置およびナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置を搭載した車両が急増している。ナビゲーション装置は、予め記憶された2次元地図データと、GPS(Global Positioning System)衛星との無線通信により導出される位置情報とに基づいて、2次元地図を用いて車両の現在位置や目的地までの移動経路を搭乗者に報知する。搭乗者は、かかるナビゲーション装置の指示に従って移動することで、迅速かつ安全に目的地にたどり着くことができる。
【0003】
ナビゲーション装置では、目的地までの移動経路のみならず、右左折を要する交差点や車両の現在位置をより把握し易くするため、道路標識、信号、交差点名称、著名な建物等の指標を2次元地図に重畳表示している。さらに、車両後方の上空から進行方向に見える景色を模擬した鳥瞰図を表示するナビゲーション装置もある。
【0004】
上記鳥瞰図は、遠近法に基づいて、手前に位置する道路や建物の幅が広く見えるように表された図である。鳥瞰図は、例えば、表示枠の各頂点に対応する地図上の位置によって変換領域が設定された場合に、その変換領域内の道路地図を座標変換することで形成される(例えば、特許文献1)。また、山や建物等の比較的大きなオブジェクトを、その属性に対して予め定められた高さ情報、または予め定められた1階あたりの平均高さ情報と個々の階数との乗算値に従って3次元表示するナビゲーション装置も開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−160852号公報
【特許文献2】特開平5−027677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のナビゲーション装置では、鉛直方向に延設される角柱状または円柱状の建物に関しては2次元地図に示された外形と高さ情報とを用いてその立体形状を表示することができるが、特殊な構造で形成された高架橋や歩道橋は表示することができない。特に歩道橋に至っては、車両が直接利用できる対象物ではないため重要視されず、また、構造が複雑なので厳密な3次元化を行うには処理負荷が高すぎるといった問題があった。
【0007】
しかし、歩道橋は、車両走行時において、同様の外観で複数並置された建物群よりも低出現頻度かつ特徴的であり、走行中に視点をほとんど変えなくても容易に視認できるので、目印として有効に機能するといった利点を有する。従って、ナビゲーション装置の指標として歩道橋を追加して欲しいという要望がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、情報量の少ない2次元地図から、簡易な処理で、鳥瞰図に重畳する3次元の歩道橋を形成することが可能なナビゲーション装置およびナビゲーション方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は下記の装置を提供するものである。
(1)目的地までの車両の移動経路を案内するナビゲーション装置であって、歩道橋の平面部分である歩道橋平面部の平面外形を特定可能な4以上の2次元平面補間点の座標情報と、前記4以上の2次元平面補間点のうち、いずれが歩道橋の階段部分である歩道橋階段部との連結点にあたるかを示す連結情報と、を取得する情報取得部と、前記座標情報と予め設定された歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて、前記歩道橋平面部を立体的に表示するための3次元平面補間点を生成する3次元平面生成部と、前記連結情報と予め設定された階段長さを示す情報とに基づいて、前記2次元平面補間点をすべて連接した場合に、前記連結点にあたる任意の2次元平面補間点と連接している2つの2次元平面補間点のうち、同一の歩道橋階段部と連結している2次元平面補間点とは異なる2次元平面補間点と、前記任意の2次元平面補間点との結線を、前記任意の2次元平面補間点から前記階段長さだけ延長した端点を、前記歩道橋階段部の平面外形を特定可能な2次元階段補間点とする2次元階段生成部と、前記3次元平面補間点と前記2次元階段補間点と前記歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて、前記歩道橋階段部を立体的に示すための3次元階段補間点を生成する3次元階段生成部と、前記3次元平面補間点および3次元階段補間点を射影変換して、車両位置後方の所定の高さにある視点から2次元地図を見下ろす鳥瞰図を生成する鳥瞰図生成部と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
(2)前記2次元平面補間点には、連接する順を示した番号が付され、前記2次元階段生成部は、前記番号に従って、前記階段長さだけ延長する2次元平面補間点を特定することを特徴とする上記(1)に記載のナビゲーション装置。
(3)前記歩道橋平面部および前記歩道橋階段部の側面に位置する3次元平面補間点および3次元階段補間点を、設定されたフェンス高さだけ鉛直方向に延長した端点を3次元フェンス補間点とする3次元フェンス生成部をさらに備えることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のナビゲーション装置。
(4)前記鳥瞰図生成部は、射影変換された前記歩道橋のポリゴンを透過処理して前記鳥瞰図に重畳することを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のナビゲーション装置。
(5)前記鳥瞰図生成部は、射影変換された前記歩道橋階段部のポリゴンに、階段を表す画像をさらに重畳することを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載のナビゲーション装置。
(6)目的地までの車両の移動経路を案内するナビゲーション方法であって、歩道橋の平面部分である歩道橋平面部の平面外形を特定可能な4以上の2次元平面補間点の座標情報と、前記4以上の2次元平面補間点のうち、いずれが歩道橋の階段部分である歩道橋階段部との連結点にあたるかを示す連結情報と、を取得し、前記座標情報と予め設定された歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて、前記歩道橋平面部を立体的に表示するための3次元平面補間点を生成し、前記連結情報と予め設定された階段長さを示す情報とに基づいて、前記2次元平面補間点をすべて連接した場合に、前記連結点にあたる任意の2次元平面補間点と連接している2つの2次元平面補間点のうち、同一の歩道橋階段部と連結している2次元平面補間点とは異なる2次元平面補間点と、前記任意の2次元平面補間点との結線を、前記任意の2次元平面補間点から前記階段長さだけ延長した端点を、前記歩道橋階段部の平面外形を特定可能な2次元階段補間点とし、前記3次元平面補間点と前記2次元階段補間点と前記歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて、前記歩道橋階段部を立体的に示すための3次元階段補間点を生成し、前記3次元平面補間点および3次元階段補間点を射影変換して、車両位置後方の所定の高さにある視点から2次元地図を見下ろす鳥瞰図を生成することを特徴とするナビゲーション方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明を用いることで、情報量の少ない2次元地図から、簡易な処理で、鳥瞰図に重畳する3次元の歩道橋を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ナビゲーション装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置の正面視の外観を示した説明図である。
【図3】歩道橋情報を説明するための説明図である。
【図4】3次元平面生成部の処理を説明するための説明図である。
【図5】2次元階段生成部の処理を説明するための説明図である。
【図6】3次元階段生成部の処理を説明するための説明図である。
【図7】3次元フェンス生成部の処理を説明するための説明図である。
【図8】表示部に鳥瞰図を表示する場合の画面形成処理を説明するための説明図である。
【図9】ポリゴンの展開を説明するための説明図である。
【図10】鳥瞰図生成部の透過処理を説明するための説明図である。
【図11】鳥瞰図生成部の描画処理を説明するための説明図である。
【図12】ナビゲーション表示方法の全体的な流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
(ナビゲーション装置100)
図1は、ナビゲーション装置100の概略的な機能を示した機能ブロック図であり、図2は、ナビゲーション装置100の正面視の外観を示した説明図である。ナビゲーション装置100は、操作部110と、表示部112と、音声入出力部114と、位置取得部116と、記憶部118と、中央制御部120と、を含んで構成されている。
【0014】
操作部110は、ナビゲーション装置100に対する搭乗者の操作入力を受け付ける。表示部112は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。表示部112には、搭乗者による視点切替入力に応じて、図2(a)に示すような2次元地図や図2(b)に示すような鳥瞰図が表示される。例えば、図2(a)の2次元地図では、自身が搭乗している車両150の現在位置152や目的地までの移動経路154が表示される。
【0015】
音声入出力部114は、車両150の行き先方向を音声で案内すると共に、搭乗者の音声による指示を受け付ける。位置取得部116は、GPS衛星156やジャイロセンサを通じて、ナビゲーション装置100を搭載している車両150の位置情報(例えば、経度、緯度、高度の情報)を導出し、中央制御部120に伝達する。
【0016】
記憶部118は、フラッシュメモリやHDD等で構成され、2次元地図データや、2次元地図および鳥瞰図を表示する上で必要な情報を保持する。なお、HDDは正確には装置に相当するが、説明の便宜上、本説明では記憶媒体と同義として扱う。また、2次元地図データには、建物の平面外形(鉛直真上から見た外形)を特定するための補間点、道路法規、背景、アイコン、各建物の名称等が関連付けられ、例えば、その補間点に基づいて、鉛直方向に延長される角柱状または円柱状の単純な建物を構成するポリゴンを形成することができる。ここで、ポリゴンは、3DCG(3 Dimensional Computer Graphics)における立体形状を表現するために用いられる多角形(主に三角形や四角形)を言う。本実施形態において、記憶部118は、さらに歩道橋厚みD(例えば約0.3m)、歩道橋高さH(例えば約4.7m)、階段長さL(例えば約5m)、フェンス高さZ(例えば約1.2m)それぞれを示す情報を予め保持している。また、以下では、これらの情報によって示される値を、単に、歩道橋厚みD、歩道橋高さH、階段長さL、フェンス高さZと表現する。
【0017】
中央制御部120は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、ナビゲーション装置100全体を制御し、操作部110、表示部112、音声入出力部114、位置取得部116、記憶部118等とのインターフェースを果たすと共に、2次元地図や鳥瞰図を表示するための各種演算処理を実行する。また、中央制御部120は、ROMやRAMと協働して、情報取得部130と、3次元平面生成部132と、2次元階段生成部134と、3次元階段生成部136と、3次元フェンス生成部138と、鳥瞰図生成部140と、画像音声処理部142としても機能する。かかる情報取得部130、3次元平面生成部132、2次元階段生成部134、3次元階段生成部136、3次元フェンス生成部138は、操作部110を通じて鳥瞰図を表示する操作入力を受け付けると、道路や建物のラインやポリゴンを形成するための補間点を抽出する処理と並行して、歩道橋のポリゴンを形成するための各補間点を生成する。
【0018】
情報取得部130は、鳥瞰図の視野に相当する地理的領域に歩道橋が含まれるか否か判断し、歩道橋が含まれている場合に、記憶部118から歩道橋情報160を取得する。
【0019】
図3は、歩道橋情報160を説明するための説明図である。歩道橋情報160は、図3(a)に示した歩道橋162の平面部分である歩道橋平面部164の平面外形を特定可能な複数の2次元平面補間点168の座標情報と、その複数の2次元平面補間点168のうち、いずれが歩道橋162の階段部分である歩道橋階段部170との連結点172にあたるかを示す連結情報とを含んでいる。2次元平面補間点168は、図3(b)や図3(c)において円で示されるように4以上の点で構成される。連結点は、図3(b)、(c)に黒で塗りつぶした円で示したように、2次元平面補間点168のうち、歩道橋階段部170との連結部分に配される点を示す。ここで、連結点172を示す連結情報が無い場合、2次元平面補間点168のうち、2次元地図の歩道に対応している点を連結点172とみなして後述する処理を実行するとも可能である。
【0020】
また、図3(b)のように4つの2次元平面補間点168で歩道橋平面部164の平面外形を表す場合に対して、図3(c)のように6つの2次元平面補間点168で歩道橋平面部164の平面外形を表す場合、図3(d)の如く、曲折した歩道橋平面部164にも対応することが可能となる。従って、2次元平面補間点168の数は、歩道橋平面部164の平面外形に応じて設定するのが望ましい。
【0021】
3次元平面生成部132は、2次元平面補間点168の座標情報と、予め設定された歩道橋厚みDを示す情報および歩道橋高さHを示す情報とに基づいて、歩道橋平面部164を立体的に表示するための3次元平面補間点174を生成する。以下、3次元平面生成部132の詳細な処理を説明する。
【0022】
図4は、3次元平面生成部132の処理を説明するための説明図である。ここでは、図4(a)に示す、歩道橋平面部164の平面外形が、6つの2次元平面補間点168によって特定されている例を挙げて説明する。
【0023】
3次元平面生成部132は、情報取得部130が取得した歩道橋情報160に含まれるすべての2次元平面補間点168(以後、理解を容易にするため個々の点を識別可能なP1〜P6の表現を用いる。)の座標情報を抽出し、また、記憶部118に予め保持された歩道橋厚みDを示す情報と歩道橋高さHを示す情報とを読み出す。そして、3次元平面生成部132は、2次元平面補間点168(P1〜P6)を用いて、歩道橋高さHの位置に歩道橋厚みDを有する3次元の歩道橋平面部164を形成する。
【0024】
詳細に、3次元平面生成部132は、2次元平面補間点P1〜P6と座標情報中の緯度・経度が等しく、高さが歩道橋厚みDだけ異なる2組(12個)の3次元平面補間点174(P11〜P16)、(P21〜P26)を形成する。従って、例えば、3次元平面補間点P26は、緯度・経度が2次元平面補間点P6と等しく、高さが歩道橋高さHとなり、3次元平面補間点P16は、緯度・経度が2次元平面補間点P6と等しく、高さが歩道橋高さHと歩道橋厚みDとの和になる。他の3次元平面補間点P11〜P15や3次元平面補間点P21〜P25も同様に緯度・経度が2次元平面補間点P1〜5と等しく、高さが歩道橋高さHや、歩道橋高さHと歩道橋厚みDとの和となる。3次元平面生成部132は、生成した3次元平面補間点174を一時的に記憶部118に記憶する。
【0025】
2次元階段生成部134は、連結情報と予め設定された階段長さLを示す情報とに基づいて、歩道橋階段部170の平面外形を特定可能な2次元階段補間点182を生成する。
【0026】
図5は、2次元階段生成部134の処理を説明するための説明図である。ここでも、図4(a)に示した、歩道橋情報160が、6つの2次元平面補間点168から形成されている例を挙げて説明する。
【0027】
2次元階段生成部134は、記憶部118に予め保持された階段長さLを示す情報を読み出すと共に、図5の如く、2次元平面補間点168をすべて連接する。ここで、連接は、2点間の結線が他の結線と交わることなく、すべての点それぞれが他の2点と接続されることをいう。そして、2次元階段生成部134は、歩道橋情報160の連結情報を用いて、歩道橋階段部170との連結点172にあたる2次元平面補間点168(ここでは、P2、P3、P5、P6)から階段長さLだけ延長した端点を導出し、その端点を2次元階段補間点182とする。
【0028】
詳細には、歩道橋階段部170と連結している2次元平面補間点168(ここでは、歩道橋階段部170aに連結しているP2、P3および歩道橋階段部170bに連結しているP5、P6)のそれぞれと連接している2次元平面補間点168(例えば、P2の場合、P2に連接しているP1とP3)のうち、同一の歩道橋階段部170(ここでは170a)と連結している2次元平面補間点168(ここでは、P3)とは異なる2次元平面補間点168、即ちP1を特定する。
【0029】
そして、特定された2次元平面補間点168であるP1と、対象となる2次元平面補間点168であるP2との結線184を、図4中矢印で示したように、対象となる2次元平面補間点168であるP2から階段長さLだけ延長し、2次元階段補間点182であるF2を生成する。かかる処理は、歩道橋階段部170と連結している2次元平面補間点168、ここでは、P2、P3、P5、P6すべてについて実行する。こうして、図5のように2次元階段補間点182としてのF2、F3、F5、F6が配置される。
【0030】
ここでは、2次元階段生成部134が、2次元平面補間点168同士の位置関係、特に連結点172と他の2次元平面補間点168との位置関係に基づいて2次元階段補間点182を生成しているが、2次元平面補間点168それぞれを特定する付番を設けることで、より簡単に2次元階段補間点182を生成することができる。かかる説明を上述した例と同様、図5を用いて説明する。
【0031】
2次元階段生成部134は、2次元平面補間点168に連接する順を示した番号を付す。例えば、図5のように、6つの2次元平面補間点168に対して、所定の順、ここでは、反時計回りにP1→P2→P3→P4→P5→P6が付番される。2次元階段生成部134は、2次元平面補間点168に付された番号に従って、階段長さLだけ延長する2次元平面補間点168を特定する。
【0032】
例えば、歩道橋階段部170aとの連結点172がP2、P3であり、歩道橋階段部170bとの連結点がP5、P6であった場合を考える。この場合、2次元階段生成部134は、歩道橋階段部170aとの連結点P2、P3のうち番号が小さい連結点172であるP2と、一つ番号が小さい2次元平面補間点168(ここではP1)とを結ぶベクトル/(P1P2)を算出し、連結点172(ここではP2)から、その算出されたベクトル/(P1P2)方向に、設定された階段長さLだけ離れた点F2を導出して2次元階段補間点182とする。
【0033】
続いて、2次元階段生成部134は、歩道橋階段部170aとの連結点P2、P3のうち、番号が大きい2次元平面補間点168であるP3と、一つ番号が大きい2次元平面補間点168(ここではP4)とを結ぶベクトル/(P4P3)を算出し、2次元平面補間点168(ここではP3)から、その算出されたベクトル/(P4P3)方向に、階段長さLだけ離れた点F3を導出して2次元階段補間点182とする。
【0034】
歩道橋階段部170bと連結するP5、P6についても同様の規則に基づいてベクトル/(P4P5)、/(P1P6)を算出し、その算出されたベクトル方向に階段長さLだけ離れた点F5、F6を導出して2次元階段補間点182とする。ただし、P6に対するP1は、その連続性を踏まえてP7として考慮される。2次元階段生成部134は、生成した2次元階段補間点182を一時的に記憶部118に記憶する。ここでは、図5を用いて、2次元平面補間点168が6つの場合を例に挙げたが、2次元平面補間点168は、2次元平面補間点168の連結点172さえ特定できれば、4以上のいずれの数であっても本実施形態を適用することができる。
【0035】
かかる2次元平面補間点168に付番して2次元階段補間点182を導出する構成では、番号の大小関係以外の複雑な判断が不要になり、2次元階段補間点182を短時間かつ軽負荷で生成することが可能となる。
【0036】
3次元階段生成部136は、3次元平面補間点174と、2次元階段補間点182と、設定された歩道橋厚みDを示す情報および歩道橋高さHを示す情報とに基づいて、歩道橋階段部170を立体的に示すための3次元階段補間点186を生成する。以下、3次元階段生成部136の詳細な処理を説明する。
【0037】
まず、3次元階段生成部136は、3次元平面生成部132が生成した3次元平面補間点174の連結点172(図4(b)に示したP12、P13、P15、P16、P22、P23、P25、P26)、および2次元階段生成部134が生成した2次元階段補間点182(図5に示したF2、F3、F5、F6)の座標情報を抽出し、また、記憶部118に予め保持された歩道橋厚みDを示す情報と歩道橋高さHを示す情報とを読み出す。
【0038】
図6は、3次元階段生成部136の処理を説明するための説明図である。3次元階段生成部136は、図6(a)に示すように、2次元階段補間点182(F2、F3、F5、F6)と緯度・経度が等しく、高さが0である3次元階段補間点186(F22、F23、F25、F26)を生成する。このとき3次元階段補間点186(F22、F23、F25、F26)と3次元平面補間点174の連結点172(P22、P23、P25、P26)とをそれぞれ結ぶ斜線は歩道橋階段部170の傾斜(H/L)を示すこととなる。
【0039】
続いて、3次元階段生成部136は、図6(b)に示すように、3次元階段補間点186(F22、F23、F25、F26)と3次元平面補間点174の連結点172(P22、P23、P25、P26)とを結ぶベクトル(/(P22F22)、/(P23F23)、/(P25F25)、/(P26F26))が、それぞれ3次元平面補間点174(P12、P13、P15、P16)を通った場合における高さ0の平面との交点を3次元階段補間点186(F22、F23、F25、F26)とする。3次元階段生成部136は、生成した3次元階段補間点186を一時的に記憶部118に記憶する。
【0040】
3次元フェンス生成部138は、歩道橋平面部164の側面および歩道橋階段部170の側面に位置する3次元平面補間点174および3次元階段補間点186を、設定されたフェンス高さZだけ鉛直方向に延設した端点を導出し、3次元フェンス補間点190とする。
【0041】
図7は、3次元フェンス生成部138の処理を説明するための説明図である。3次元フェンス生成部138は、3次元平面生成部132が生成した3次元平面補間点174の上面に位置する点(P11、P12、P13、P14、P15、P16)および3次元階段生成部136が生成した3次元階段補間点186の上面に位置する点(F12、F13、F15、F16)の座標情報を抽出し、また、記憶部118に予め保持されたフェンス高さZを示す情報を読み出す。そして、3次元フェンス生成部138は、3次元平面補間点174の上面に位置する点(P11、P12、P13、P14、P15、P16)および3次元階段補間点186の上面に位置する点(F12、F13、F15、F16)を用いて、フェンス高さZを有する3次元のフェンスを形成する。
【0042】
詳細に、3次元フェンス生成部138は、図7(b)に示すように、3次元平面補間点174の上面に位置する点(P11、P12、P13、P14、P15、P16)および3次元階段補間点186の上面に位置する点(F12、F13、F15、F16)と緯度・経度が等しく、高さが各補間点よりフェンス高さZだけ高い3次元フェンス補間点190(C1〜C10)を生成する。従って、歩道橋平面部164上の3次元フェンス補間点190の高さは、歩道橋高さHと歩道橋厚みDとフェンス高さZとの和となる。3次元フェンス生成部138は、生成した3次元フェンス補間点190を一時的に記憶部118に記憶する。
【0043】
かかる3次元フェンス生成部138を設けることで、3次元のオブジェクトをより実際に近い形状で表示することができるため、搭乗者は、表示部112に表示されているのが歩道橋162であることをより迅速かつ確実に把握することができ、ナビゲーション装置100の利便性を向上させることが可能となる。
【0044】
鳥瞰図生成部140は、2次元地図データの地図情報および記憶部118に保持された各補間点を取得し、ラインまたはポリゴンを形成して、車両位置後方の所定の高さにある視点から2次元地図を見下ろす鳥瞰図を生成する。
【0045】
図8は、表示部112に鳥瞰図を表示する場合の画面形成処理を説明するための説明図である。まず、鳥瞰図生成部140は、2次元地図データから地図情報を取得し、進行方向の道路の補間点に基づいてライン描画を実行し、図8(a)に示すような、車両150と道路192のみの鳥瞰図を生成する。ここで道路情報は、道路、川、鉄道などのノード情報を含み、各ノード情報は複数の補間点を有する。たとえば、道路の場合、補間点は、緯度・経度の2次元座標と車線数などの道路属性で構成される。
【0046】
続いて、鳥瞰図生成部140は、鉛直方向に延長される角柱状または円柱状に形成された単純な建物194を構成するポリゴンを描画し、図8(b)に示すように、車両150と道路192のみの鳥瞰図に建物を加える。
【0047】
最後に、鳥瞰図生成部140は、3次元平面補間点174、3次元階段補間点186、および3次元フェンス補間点190によって構成される歩道橋162を3次元ウィンドウ座標系に射影変換し、3次元ウィンドウ座標系の各補間点を連接してポリゴンを展開し、図8(c)に示すように、鳥瞰図にその歩道橋162を重畳する。
【0048】
図9は、ポリゴンの展開を説明するための説明図である。鳥瞰図生成部140は、図9(a)に示した、3次元平面生成部132が生成した12の3次元平面補間点P11〜P16、P21〜P26(3次元オブジェクト)を射影変換して、3次元ウィンドウ座標を算出する。3次元平面生成部132は、算出された3次元ウィンドウ座標における歩道橋平面部164の3次元オブジェクトを複数のポリゴンに展開する。
【0049】
ここでは、図9(b)に示すように、鳥瞰図生成部140が、3次元オブジェクトを、上下2つの四角形176(P11−P12−P13−P14−P15−P16、P21−P22−P23−P24−P25−P26)と、歩道橋階段部170に連結される2つの四角形178(P12−P13−P23−P22、P15−P16−P26−P25)と、側面に対応する4つの四角形180(P11−P12―P22−P21、P13−P14―P24−P23、P14−P15―P25−P24、P16−P11―P21−P26)との8つのポリゴンに展開する。
【0050】
同様に、鳥瞰図生成部140は、3次元平面生成部132が生成した12の3次元階段補間点186(P12、P13、P22、P23、F12、F13、F22、F23)、(P15、P16、P25、P26、F15、F16、F25、F26)の2つの3次元オブジェクトを射影変換して、3次元ウィンドウ座標を算出する。鳥瞰図生成部140は、算出された3次元ウィンドウ座標における歩道橋階段部170の2つの3次元オブジェクトを複数のポリゴンに展開する(図6(b)参照)。
【0051】
具体的には、鳥瞰図生成部140が、一方の3次元オブジェクトを、上下2つの四角形(P12−P13−F13−F12、P22−P23−F23−F22)、歩道橋平面部164に連結される四角形(P12−P13−P23−P22)、地面に連結する四角形(F12−F13−F23−F22)、側面に対応する2つの四角形(P12−F12−F22−P22、P13−F13−F23−P23)との6つのポリゴンに展開する。また、他方の3次元オブジェクトに関しても、鳥瞰図生成部140が、上下2つの四角形(P15−P16−F16−F15、P25−P26−F26−F25)、歩道橋平面部164に連結される四角形(P15−P16−P26−P25)、地面に連結する四角形(F15−F16−F26−F25)、側面に対応する2つの四角形(P15−F15−F25−P25、P16−F16−F26−P26)との6つのポリゴンに展開する。
【0052】
続いて、鳥瞰図生成部140は、3次元フェンス生成部138が生成した10の3次元フェンス補間点190(C1〜C10)の3次元オブジェクトを射影変換して、3次元ウィンドウ座標を算出する。鳥瞰図生成部140は、算出された3次元ウィンドウ座標におけるフェンスの3次元オブジェクトを複数のポリゴンに展開する(図7(b)参照)。
【0053】
具体的には、鳥瞰図生成部140が、3次元オブジェクトを、歩道橋平面部164の側面に該当する四角形、即ち、歩道橋平面部164と連結する線分P12−P13、P15−P16を含まない4つの四角形(C1−C2−P12−P11、C3−C4−P14−P13、C4−C5−P15−P14、C6−C1−P11−P16)、歩道橋階段部170の側面に該当する4つの四角形(C2―C7−F12−P12、C3―C8−F13−P13、C5―C9−F15−P15、C6―C10−F16−P16)との8つのポリゴンに展開する。
【0054】
本実施形態では、2次元座標で構成された2次元地図から、その平面外形を特定可能な歩道橋情報160を取得するだけで、構造が複雑な歩道橋162を3次元表示することが可能となる。従って、搭乗者は、進行方向に歩道橋162がある場合に、表示部112を見るだけで、目印となる歩道橋の位置や距離を確実に把握することができる。
【0055】
また、鳥瞰図生成部140は、射影変換された歩道橋162のポリゴンを透過処理して鳥瞰図に重畳してもよい。
【0056】
図10は、鳥瞰図生成部140の透過処理を説明するための説明図である。本来、鳥瞰図生成部140は、図10(a)の如く、他の建物等と同様に歩道橋162のポリゴンも着色する。しかし、歩道橋162はその目的から、図10(a)のように車両150の進行方向の道路192を覆うこともあり、道路192の形状を把握し難くなるおそれがある。
【0057】
ここでは、鳥瞰図生成部140が歩道橋162のポリゴンを所定の透過度で透過処理することで、図10(b)のように、歩道橋162の目印としての機能を損なうことなく、その背後にある道路192を搭乗者に視認させることができる。
【0058】
さらに、鳥瞰図生成部140は、射影変換された歩道橋階段部170のポリゴンに、階段を表す画像をさらに重畳してもよい。
【0059】
図11は、鳥瞰図生成部140の描画処理を説明するための説明図である。鳥瞰図生成部140は、図11(a)のように歩道橋階段部170を構成するポリゴンを平面的に着色する。しかし、歩道橋階段部170には凹凸のある階段が設けられていることが通常であり、その平面的な着色が違和感を与えることもある。
【0060】
ここでは、鳥瞰図生成部140が歩道橋162の歩道橋階段部170の上部ポリゴン(図6(b)のP12−P13−F13−F12、P15−P16−F16−F15)に、図11(b)に示すような、階段を表す画像(テクスチャー情報)を重畳することで、3次元のオブジェクトをより実際に近い形状で表示することができるため、搭乗者は、表示部112に表示されているのが歩道橋162であることをより迅速かつ確実に把握することができ、ナビゲーション装置100の利便性を向上させることが可能となる。
【0061】
画像音声処理部142は、音声入出力部114を通じて入力された搭乗者の音声による指示を分析処理すると共に、車両150の行き先方向を表示部112や音声入出力部114に表示または音声出力させる。
【0062】
以上説明したように本実施形態のナビゲーション装置100では、表示部112に鳥瞰図を表示する際、歩道橋162も加えて3次元表示している。かかる歩道橋162は、同様の外観で複数並置された建物群よりも低出現頻度かつ特徴的であり、走行中に視点をほとんど変えなくても容易に視認できるので、目印として有効に機能するといった利点を有する反面、構造が複雑すぎて厳密な3次元化を行うには処理負荷が高すぎるといった問題がある。
【0063】
本実施形態では、車高の規制等により歩道橋厚みD、歩道橋高さH、階段長さL、フェンス高さZは所定値に近い値がとられるので、たとえその値を所定値に決め打ちしたとしても、実際の歩道橋162の外形と相違しないことに着目し、予め設定された、歩道橋厚みD、歩道橋高さH、階段長さL、フェンス高さZを用いて、情報量の少ない2次元地図から、簡易な処理で、鳥瞰図に表示可能な3次元の歩道橋162の大凡の外観を模擬している。ここでは、簡易的な形状ではあるものの、歩道橋162を鳥瞰図に含めることで、搭乗者の利便性を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0064】
(ナビゲーション方法)
次に、上述したナビゲーション装置100を用いて、車両150の移動経路を案内するナビゲーション方法を具体的に説明する。
【0065】
図12は、ナビゲーション表示方法の全体的な流れを示したフローチャートである。割り込み処理が発生すると(S200のYES)、ナビゲーション装置100の情報取得部130は、歩道橋162の平面部分である歩道橋平面部164の平面外形を特定可能な4以上の2次元平面補間点168の座標情報と、4以上の2次元平面補間点168のうち、いずれが歩道橋162の階段部分である歩道橋階段部170との連結点172にあたるかを示す連結情報と、を含む歩道橋情報160を取得する(S202)。
【0066】
そして、3次元平面生成部132は、座標情報と予め設定された歩道橋厚みDを示す情報および歩道橋高さHを示す情報とに基づいて、歩道橋平面部164を立体的に表示するための3次元平面補間点174を生成する(S204)。
【0067】
2次元階段生成部134は、連結情報と予め設定された階段長さLを示す情報とに基づいて、2次元平面補間点168をすべて連接した場合に、連結点172にあたる2次元平面補間点168と連接している2つの2次元平面補間点168のうち、同一の歩道橋階段部170と連結している2次元平面補間点168とは異なる2次元平面補間点168と、連結点172にあたる2次元平面補間点168との結線184を、連結点172にあたる2次元平面補間点168から階段長さLだけ延長した端点を、歩道橋階段部170の平面外形を特定可能な2次元階段補間点182として生成し(S206)、3次元階段生成部136は、2次元階段補間点182と歩道橋厚みDを示す情報および歩道橋高さHを示す情報とに基づいて、3次元階段補間点186を生成する(S208)。
【0068】
3次元フェンス生成部138は、歩道橋平面部164および歩道橋階段部170の側面に位置する3次元平面補間点174および3次元階段補間点186を、設定されたフェンス高さZだけ鉛直方向に延設した3次元フェンス補間点190を生成する(S210)。
【0069】
鳥瞰図生成部140は、3次元平面補間点174および3次元階段補間点186を射影変換して鳥瞰図を生成する(S212)。このとき、鳥瞰図生成部140は、射影変換された歩道橋162のポリゴンを透過処理して鳥瞰図に重畳したり、射影変換された歩道橋162のポリゴンの歩道橋階段部170に階段を表す画像をさらに重畳したりすることができる。
【0070】
最後に画像音声処理部142は、鳥瞰図生成部140によって生成された鳥瞰図を表示部112に表示させる(S214)。
【0071】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0072】
例えば、上述した実施形態では、車両150に固定的に搭載されるナビゲーション装置100を示したが、かかる場合に限らず、例えば、独立して持ち運び可能なポータブルナビゲーション装置にも適用することが可能である。
【0073】
なお、本明細書のナビゲーション方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、目的地までの車両の移動経路を案内するナビゲーション装置およびナビゲーション方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
100 …ナビゲーション装置
130 …情報取得部
132 …3次元平面生成部
134 …2次元階段生成部
136 …3次元階段生成部
138 …3次元フェンス生成部
140 …鳥瞰図生成部
142 …画像音声処理部
160 …歩道橋情報
162 …歩道橋
164 …歩道橋平面部
168 …2次元平面補間点
170 …歩道橋階段部
172 …連結点
174 …3次元平面補間点
182 …2次元階段補間点
186 …3次元階段補間点
190 …3次元フェンス補間点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの車両の移動経路を案内するナビゲーション装置であって、
歩道橋の平面部分である歩道橋平面部の平面外形を特定可能な4以上の2次元平面補間点の座標情報と、前記4以上の2次元平面補間点のうち、いずれが歩道橋の階段部分である歩道橋階段部との連結点にあたるかを示す連結情報と、を取得する情報取得部と、
前記座標情報と予め設定された歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて、前記歩道橋平面部を立体的に表示するための3次元平面補間点を生成する3次元平面生成部と、
前記連結情報と予め設定された階段長さを示す情報とに基づいて、前記2次元平面補間点をすべて連接した場合に、前記連結点にあたる任意の2次元平面補間点と連接している2つの2次元平面補間点のうち、同一の歩道橋階段部と連結している2次元平面補間点とは異なる2次元平面補間点と、前記任意の2次元平面補間点との結線を、前記任意の2次元平面補間点から前記階段長さだけ延長した端点を、前記歩道橋階段部の平面外形を特定可能な2次元階段補間点とする2次元階段生成部と、
前記3次元平面補間点と前記2次元階段補間点と前記歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて、前記歩道橋階段部を立体的に示すための3次元階段補間点を生成する3次元階段生成部と、
前記3次元平面補間点および3次元階段補間点を射影変換して、車両位置後方の所定の高さにある視点から2次元地図を見下ろす鳥瞰図を生成する鳥瞰図生成部と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記2次元平面補間点には、連接する順を示した番号が付され、
前記2次元階段生成部は、前記番号に従って、前記階段長さだけ延長する2次元平面補間点を特定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記歩道橋平面部および前記歩道橋階段部の側面に位置する3次元平面補間点および3次元階段補間点を、設定されたフェンス高さだけ鉛直方向に延長した端点を3次元フェンス補間点とする3次元フェンス生成部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記鳥瞰図生成部は、射影変換された前記歩道橋のポリゴンを透過処理して前記鳥瞰図に重畳することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記鳥瞰図生成部は、射影変換された前記歩道橋階段部のポリゴンに、階段を表す画像をさらに重畳することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
目的地までの車両の移動経路を案内するナビゲーション方法であって、
歩道橋の平面部分である歩道橋平面部の平面外形を特定可能な4以上の2次元平面補間点の座標情報と、前記4以上の2次元平面補間点のうち、いずれが歩道橋の階段部分である歩道橋階段部との連結点にあたるかを示す連結情報と、を取得し、
前記座標情報と予め設定された歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて、前記歩道橋平面部を立体的に表示するための3次元平面補間点を生成し、
前記連結情報と予め設定された階段長さを示す情報とに基づいて、前記2次元平面補間点をすべて連接した場合に、前記連結点にあたる任意の2次元平面補間点と連接している2つの2次元平面補間点のうち、同一の歩道橋階段部と連結している2次元平面補間点とは異なる2次元平面補間点と、前記任意の2次元平面補間点との結線を、前記任意の2次元平面補間点から前記階段長さだけ延長した端点を、前記歩道橋階段部の平面外形を特定可能な2次元階段補間点とし、
前記3次元平面補間点と前記2次元階段補間点と前記歩道橋厚みを示す情報および歩道橋高さを示す情報とに基づいて、前記歩道橋階段部を立体的に示すための3次元階段補間点を生成し、
前記3次元平面補間点および3次元階段補間点を射影変換して、車両位置後方の所定の高さにある視点から2次元地図を見下ろす鳥瞰図を生成することを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−7755(P2011−7755A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154222(P2009−154222)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】