説明

ナフタレンテトラカルボン酸誘導体及び半導体としてのその使用

本発明は、一般式(I)で示され、その式中、R1、R2、R3及びR4は、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、かつその他の基は、水素を表し、Y1は、OもしくはNRaを表し、その際、Raは、水素もしくはオルガニル基を表し、Y2は、OもしくはNRbを表し、その際、Rbは、水素もしくはオルガニル基を表し、Z1及びZ2は、互いに無関係に、OもしくはNRcを表し、その際、Rcは、オルガニル基を表し、Z3及びZ4は、互いに無関係に、OもしくはNRdを表し、その際、Rdは、オルガニル基を表す、ナフタレンテトラカルボン酸誘導体、その製造方法並びに前記誘導体を、特にn型の半導体として用いる使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナフタレンテトラカルボン酸誘導体、その製造方法並びに前記誘導体を、特にn型の半導体として用いる使用に関する。
【0002】
電子工学産業の多くの範囲において、古典的な無機半導体の他に、低分子もしくは高分子の材料を基礎とする有機半導体もその使用が増してきている。有機半導体は、古典的な無機半導体に対して、例えばより良好な基板適合性、該半導体を基礎とする半導体部材のより良好な加工性、より高い可撓性、安いコストに加えて、分子設計の方法によって該半導体の限界軌道エネルギーをその都度の用途範囲に厳密に適合できるといった多くの利点を有する。電子工学産業における主要な使用分野は、いわゆる電界効果トランジスタ(Field−Effect Transistors、FET)である。有機電界効果トランジスタ(Organic Field−Effect Transistors、OFET)は、例えば記憶素子及び光電子集積装置において大きな開発の可能性があると見なされている。従って、有機半導体、特にn型の半導体として適した、特に有機電界効果トランジスタで使用するのに適した有機化合物に高い要求がある。
【0003】
DE−A−3235526号は、ペリレン骨格がアルコキシ基もしくはアルキルチオ基並びにフッ素、塩素もしくは臭素で置換されているペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド、その製造方法並びにそれらの集光プラスチックにおける使用に関する。
【0004】
DE−A−19547209号は、1,7−ジアリールオキシ置換もしくは1,7−ジアリールチオ置換されたペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸並びにそれらの二無水物及びジイミドに関する。その製造のために、1,7−ジブロモペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドが中間生成物として使用される。前記のジブロモ化合物の製造は、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物から出発して、ヨウ素と硫酸の存在下での臭素化によって達成される。
【0005】
M.J.Ahrens他は、J.Am.Chem.Soc.2004,126,8284〜8294頁において、共役の多重発色団型のペリレン−3,4,9,10−ビス(ジカルボキシイミド)繰返単位からなる自己組織化の超分子集光アレイを記載している。
【0006】
M.J.Ahrens、M.J.Fueller及びM.R.Wasielewskiは、Chem.Mater.2003,15,2684〜2686頁において、シアノ置換されたペリレン−3,4−ジカルボキシイミド及びペリレン−3,4,9,10−ビス(ジカルボキシイミド)並びにそれらを、例えばフォトニクス及びエレクトロニクスにおいて使用するための発色団酸化剤として用いる使用を記載している。
【0007】
B.A.Jenes他は、Angew.Chem.2004,116,6523〜6526頁において、ジシアノペリレン−3,4,9,10−ビス(ジカルボキシイミド)をn型半導体として用いる使用を記載している。
【0008】
US2005/0176970号A1は、置換されたペリレン−3,4−ジカルボキシイミド及びペリレン−3,4,9,10−ビス(ジカルボキシイミド)を基礎とするn型半導体を記載している。前記の文献においては、極めて一般的に、かつ製造例による裏付けなしに、置換されたナフタレン−1,8−ジカルボキシイミド及びナフタレン−1,4,5,8−ビス(ジカルボキシイミド)並びにそれらをn型半導体として用いる使用も記載されている。ペリレンの製造のための中間体として、1,7−ジブロモペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物及び相応の1,7−ジブロモペリレン−3,4,9,10−ビス(ジカルボキシイミド)が挙げられ、その製造に関して、相応の炭化水素出発化合物の直接的な臭素化の可能性が引き合いに出されている。しかしながら、ペリレンとは異なり、相応の2,6−二臭素化されたナフタレンは、例えばヨウ素及び硫酸の存在下で、直接的な臭素化によって得ることができない。
【0009】
C.H.Thaiackerは、自身の学位論文(ウルム大学、2001年)において、水素結合とπ−π相互作用を基礎とするナフタレン−及びペリレンビスイミド色素の超分子化成を記載している。前記文献の136及び147〜148頁において、2,6−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物の合成が記載されているが、両者の無水物基のみのイミド化は達成されない。
【0010】
DE10148172号A1は、一般式
【化1】

[式中、
1及びR2は、互いに無関係に、水素、置換もしくは非置換のアルキル又は置換もしくは非置換のアリールを表し、かつ
X及びYは、互いに無関係に、水素、ハロゲン、アミノ又は式−NHR3もしくは−OR3の基を表し、その際、R3は、−CH24、−CHR45もしくは−CR456を表し、その際、R4、R5、R6は、互いに無関係に、水素、置換もしくは非置換のアルキル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシもしくはアリールチオを表し、その際、両方の置換基X及びYの少なくとも一方は、水素、ハロゲンではない]で示されるナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ビスイミドを記載している。
【0011】
前記の化合物の製造のための可能な出発物質としては、2,6−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物が挙げられており、具体的な記載なくして、相応の2,5−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ジイミドの製造のための公知方法を指摘している。しかしながら、その反対に、Thaiackerの上述の学位論文と一致して、実施例4は、2,6−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を2−エチルヘキシルアミンでイミド化する際に、同時に、芳香族基本骨格に結合される臭素原子が2−エチルヘキシルアミノ基によって置換されることを記載している。2,6−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ジイミドの製造のための実施可能な合成は、従って、DE10148172号A1にも、Thaiackerの学位論文にも開示されていない。
【0012】
本発明の課題は、n型半導体として適した、例えば有機電界効果トランジスタで使用するために適した新規化合物を提供することである。
【0013】
前記課題は、一般式I
【化2】

[式中、
基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、
1は、OもしくはNRaを表し、その際、Raは、水素もしくはオルガニル基を表し、
2は、OもしくはNRbを表し、その際、Rbは、水素もしくはオルガニル基を表し、
1及びZ2は、互いに無関係に、OもしくはNRcを表し、その際、Rcは、オルガニル基を表し、
3及びZ4は、互いに無関係に、OもしくはNRdを表し、その際、Rdは、オルガニル基を表し、
1がNRaを表し、かつ基Z1及びZ2の少なくとも1つがNRcを表す場合には、Raは、1つの基Rcと一緒に、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表してよく、
2がNRbを表し、かつ基Z3及びZ4の少なくとも1つがNRdを表す場合には、Rbは、1つの基Rdと一緒に、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表してよい]で示される化合物によって解決される。
【0014】
本発明の範囲内で、表現"アルキル"は、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルを含む。好ましくは、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C30−アルキル、特にC1〜C20−アルキル、殊に好ましくはC1〜C12−アルキルである。アルキル基のための例は、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2ーヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、イソトリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル及びn−エイコシルである。
【0015】
アルキルという表現は、アルキル基であって、その炭素鎖が−O−、−S−、−NRe−、−CO−及び/又は−SO2−から選択される1つ以上の隣接していない基によって中断されていてよい基も含む。すなわち、そのアルキル基の末端は、炭素原子によって形成される。Reは、好ましくは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表す。
【0016】
上述のアルキルについての態様は、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル及びアルキルスルホニル中のアルキル部についても当てはまる。
【0017】
表現"アルケニル"は、本発明の範囲においては、直鎖状及び分枝鎖状のアルケニル基であって、鎖長に依存して1つ以上の二重結合を有してよい基を含む。好ましくは、C2〜C20−アルケニル基であり、特に好ましくはC2〜C10−アルケニル基である。表現"アルケニル"は、例えば1、2、3、4もしくは5つの置換基を有してよい、置換されたアルケニル基をも含む。適した置換基は、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ニトロ、シアノ、ハロゲン、アミノ、モノ−もしくはジ−(C1〜C20−アルキル)アミノである。
【0018】
その際、アルケニルは、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、1,3−ブタジエニル、1−メチル−1,3−ブタジエニル、2−メチル−1,3−ブタジエニル、ペンタ−1,3−ジエン−1−イル、ヘキサ−1,4−ジエン−1−イル、ヘキサ−1,4−ジエン−3−イル、ヘキサ−1,4−ジエン−6−イル、ヘキサ−1,5−ジエン−1−イル、ヘキサ−1,5−ジエン−3−イル、ヘキサ−1,5−ジエン−4−イル、ヘプタ−1,4−ジエン−1−イル、ヘプタ−1,4−ジエン−3−イル、ヘプタ−1,4−ジエン−6−イル、ヘプタ−1,4−ジエン−7−イル、ヘプタ−1,5−ジエン−1−イル、ヘプタ−1,5−ジエン−3−イル、ヘプタ−1,5−ジエン−4−イル、ヘプタ−1,5−ジエン−7−イル、ヘプタ−1,6−ジエン−1−イル、ヘプタ−1,6−ジエン−3−イル、ヘプタ−1,6−ジエン−4−イル、ヘプタ−1,6−ジエン−5−イル、ヘプタ−1,6−ジエン−2−イル、オクタ−1,4−ジエン−1−イル、オクタ−1,4−ジエン−2−イル、オクタ−1,4−ジエン−3−イル、オクタ−1,4−ジエン−6−イル、オクタ−1,4−ジエン−7−イル、オクタ−1,5−ジエン−1−イル、オクタ−1,5−ジエン−3−イル、オクタ−1,5−ジエン−4−イル、オクタ−1,5−ジエン−7−イル、オクタ−1,6−ジエン−1−イル、オクタ−1,6−ジエン−3−イル、オクタ−1,6−ジエン−4−イル、オクタ−1,6−ジエン−5−イル、オクタ−1,6−ジエン−2−イル、デカ−1,4−ジエニル、デカ−1,5−ジエニル、デカ−1,6−ジエニル、デカ−1,7−ジエニル、デカ−1,8−ジエニル、デカ−2,5−ジエニル、デカ−2,6−ジエニル、デカ−2,7−ジエニル、デカ−2,8−ジエニルなどを表す。前記のアルケニルについての態様は、アルケニルオキシ、アルケニルチオなど中のアルケニル基についても当てはまる。
【0019】
表現"アルキニル"は、置換もしくは非置換のアルキニル基であって、1つ以上の隣接していない三重結合を有する基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−1−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル、1−エチル−1−メチル−2−プロピニルなどを含む。前記のアルキニルについての態様は、アルキニルオキシ、アルキニルチオなど中のアルキニル基についても当てはまる。
【0020】
表現"シクロアルキル"は、本発明の範囲においては、非置換のシクロアルキル基も、置換されたシクロアルキル基も含み、好ましくは、C3〜C8−シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルもしくはシクロオクチル、特にC5〜C8−シクロアルキルを含む。前記シクロアルキル基は、置換されている場合には、1つ以上の、例えば、1、2、3、4、又は5つのC1〜C6−アルキル基を有してよい。
【0021】
非置換もしくは1つ以上のC1〜C6−アルキル基を有してよいC5〜C8−シクロアルキルは、例えばシクロペンチル、2−及び3−メチルシクロペンチル、2−及び3−エチルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−、3−及び4−メチルシクロヘキシル、2−、3−及び4−エチルシクロヘキシル、3−及び4−プロピルシクロヘキシル、3−及び4−イソプロピルシクロヘキシル、3−及び4−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−s−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、2−、3−及び4−メチルシクロヘプチル、2−、3−及び4−エチルシクロヘプチル、3−及び4−プロピルシクロヘプチル、3−及び4−イソプロピルシクロヘプチル、3−及び4−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−s−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−t−ブチルシクロヘプチル、シクロオクチル、2−、3−、4−及び5−メチルシクロオクチル、2−、3−、4−及び5−エチルシクロオクチル、3−、4−及び5−プロピルシクロオクチルを表す。
【0022】
シクロアルケニルという表現は、好ましくは、3〜8個の炭素環員、有利には5〜6個の炭素環員を有する、単環式の、一不飽和の炭化水素基、例えばシクロペンテン−1−イル、シクロペンテン−3−イル、シクロヘキセン−1−イル、シクロヘキセン−3−イル、シクロヘキセン−4−イルなどを含む。
【0023】
ビシクロアルキルという表現は、好ましくは、5〜10個の炭素原子を有する二環式の炭化水素基、例えばビシクロ[2.2.1]へプチ−1−イル、ビシクロ[2.2.1]へプチ−2−イル、ビシクロ[2.2.1]へプチ−7−イル、ビシクロ[2.2.2]オクチ−1−イル、ビシクロ[2.2.2]オクチ−2−イル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.4.0]デシルなどを含む。
【0024】
表現"アリール"は、本発明の範囲においては、単核もしくは多核の芳香族炭化水素基であって、非置換もしくは置換されていてよい基を含む。表現"アリール"は、好ましくはフェニル、トリル、キシリル、メシチル、ジュリル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニルもしくはナフチルを表し、特に好ましくはフェニルもしくはナフチルを表し、その際、前記のアリール基は、置換されている場合には、一般に、1、2、3、4もしくは5個の、有利には1、2もしくは3個の置換基を有してよく、前記置換基は、C1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、CONRfg、CO2f、アリールアゾ及びヘテロアリールアゾから選択され、その際、アリールアゾ及びヘテロアリールアゾ自体は、非置換であるか、もしくはC1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及びシアノから互いに無関係に選択される1つ以上の基を有する。Rf及びRgは、好ましくは、互いに無関係に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表す。
【0025】
非置換であるか、もしくはC1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及びシアノから互いに無関係に選択される1つ以上の基を有するアリールは、例えば、2−、3−及び4−メチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−、3−及び4−エチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−、3−及び4−プロピルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−、3−及び4−イソプロピルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−、3−及び4−ブチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−、3−及び4−イソブチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−、3−及び4−s−ブチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジ−s−ブチルフェニル、2,4,6−トリ−s−ブチルフェニル、2−、3−及び4−t−ブチルフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジ−t−ブチルフェニル及び2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル;2−、3−及び4−メトキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−、3−及び4−エトキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2−、3−及び4−プロポキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジイソプロポキシフェニル、2−、3−及び4−イソプロポキシフェニル、2,4−、2,5−、3,5−及び2,6−ジイソプロポキシフェニル及び2−、3−及び4−ブトキシフェニル;2−、3−及び4−シアノフェニルを表す。
【0026】
表現"ヘテロシクロアルキル"は、本発明の範囲においては、一般に5〜8個の環原子、有利には5もしくは6個の環原子を有する、非芳香族の、不飽和もしくは完全に飽和の、脂環式の基であって、その環炭素原子の1、2もしくは3つが、酸素、窒素、硫黄及び基−NReから選択されるヘテロ原子によって交換されており、かつ非置換であるか、もしくは1つ以上の、例えば1、2、3、4、5もしくは6個のC1〜C6−アルキル基で置換されていてよい基を含む。係る複素脂環式の基のための例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラニル、1,2−オキサゾリン−5−イル、1,3−オキサゾリン−2−イル及びジオキサニルが挙げられる。
【0027】
表現"ヘテロアリール"は、本発明の範囲においては、非置換又は置換の、複素芳香族の、単核もしくは多核の基、有利にはピリジル、キノリニル、アクリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル及びカルバゾリルを含み、その際、前記の複素環式芳香族基は、置換されている場合には、一般に1、2もしくは3個の置換基を有してよい。前記置換基は、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ及びシアノから選択される。
【0028】
1つの窒素原子を介して結合された5員ないし7員のヘテロシクロアルキル基もしくはヘテロアリール基であって、場合により他のヘテロ原子を有する基は、例えばピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル又はキナルジニルを表す。
【0029】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。
【0030】
以下の式において挙げられる基並びにそれらの置換基のための具体的な例は、詳細には以下のとおりである:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシル(前記の名称のイソオクチル、イソノニル、イソデシル及びイソトリデシルは、慣用名であり、オキソ合成により得られるアルコールに由来する);
2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−及び3−メトキシプロピル、2−及び3−エトキシプロピル、2−及び3−プロポキシプロピル、2−及び3−ブトキシプロピル、2−及び4−メトキシブチル、2−及び4−エトキシブチル、2−及び4−プロポキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、2−及び4−ブトキシブチル、4,8−ジオキサデシル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9−トリオキサドデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル及び3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル;
2−メチルチオエチル、2−エチルチオエチル、2−プロピルチオエチル、2−イソプロピルチオエチル、2−ブチルチオエチル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−プロピルチオプロピル、2−及び3−ブチルチオプロピル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−プロピルチオプロピル、2−及び3−ブチルチオプロピル、2−及び4−メチルチオブチル、2−及び4−エチルチオブチル、2−及び4−プロピルチオブチル、3,6−ジチアヘプチル、3,6−ジチアオクチル、4,8−ジチアノニル、3,7−ジチアオクチル、3,7−ジチアノニル、2−及び4−ブチルチオブチル、4,8−ジチアデシル、3,6,9−トリチアデシル、3,6,9−トリチアウンデシル、3,6,9−トリチアドデシル、3,6,9,12−テトラチアトリデシル及び3,6,9,12−テトラチアテトラデシル;
2−モノメチル−及び2−モノエチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−及び3−ジメチルアミノプロピル、3−モノイソプロピルアミノプロピル、2−及び4−モノプロピルアミノブチル、2−及び4−ジメチルアミノブチル、6−メチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジアザオクチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザオクチル、9−メチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリアザウンデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザウンデシル、12−メチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル及び3,6,9,12−テトラメチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル;
(1−エチルエチリデン)アミノエチレン、(1−エチルエチリデン)アミノプロピレン、(1−エチルエチリデン)アミノブチレン、(1−エチルエチリデン)アミノデシレン及び(1−エチルエチリデン)アミノドデシレン;
プロパン−2−オン−1−イル、ブタン−3−オン−1−イル、ブタン−3−オン−2−イル及び2−エチルペンタン−3−オン−1−イル;
2−メチルスルホキシドエチル、2−エチルスルホキシドエチル、2−プロピルスルホキシドエチル、2−イソプロピルスルホキシドエチル、2−ブチルスルホキシドエチル、2−及び3−メチルスルホキシドプロピル、2−及び3−エチルスルホキシドプロピル、2−及び3−プロピルスルホキシドプロピル、2−及び3−ブチルスルホキシドプロピル、2−及び4−メチルスルホキシドブチル、2−及び4−エチルスルホキシドブチル、2−及び4−プロピルスルホキシドブチル並びに4−ブチルスルホキシドブチル;
2−メチルスルホニルエチル、2−エチルスルホニルエチル、2−プロピルスルホニルエチル、2−イソプロピルスルホニルエチル、2−ブチルスルホニルエチル、2−及び3−メチルスルホニルプロピル、2−及び3−エチルスルホニルプロピル、2−及び3−プロピルスルホニルプロピル、2−及び3−ブチルスルホニルプロピル、2−及び4−メチルスルホニルブチル、2−及び4−エチルスルホニルブチル、2−及び4−プロピルスルホニルブチル及び4−ブチルスルホニルブチル;
カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、5−カルボキシペンチル、6−カルボキシヘキシル、8−カルボキシオクチル、10−カルボキシデシル、12−カルボキシドデシル及び14−カルボキシテトラデシル;
スルホメチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、5−スルホペンチル、6−スルホヘキシル、8−スルホオクチル、10−スルホデシル、12−スルホドデシル及び14−スルホテトラデシル;
2−ヒドロキシエチル、2−及び3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピ−2−イル、3−及び4−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシブチ−2−イル及び8−ヒドロキシ−4−オキサオクチル;
2−シアノエチル、3−シアノプロピル、3−及び4−シアノブチル、2−メチル−3−エチル−3−シアノプロピル、7−シアノ−7−エチルヘプチル及び4,7−ジメチル−7−シアノヘプチル;
2−クロロエチル、2−及び3−クロロプロピル、2−、3−及び4−クロロブチル、2−ブロモエチル、2−及び3−ブロモプロピル及び2−、3−及び4−ブロモブチル;
2−ニトロエチル、2−及び3−ニトロプロピル及び2−、3−及び4−ニトロブチル;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、t−ペントキシ及びヘキソキシ;
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、t−ペンチルチオ及びヘキシルチオ;
エチニル、1−及び2−プロピニル、1−、2−及び3−ブチニル、1−、2−、3−及び4−ペンチニル、1−、2−、3−、4−及び5−ヘキシニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−及び9−デシニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、10−及び11−ドデシニル及び1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、11−、12−、13−、14−、15−、16−及び17−オクタでシニル;
エテニル、1−及び2−プロペニル、1−、2−及び3−ブテニル、1−、2−、3−及び4−ペンテニル、1−、2−、3−、4−及び5−ヘキセニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−及び9−デセニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、10−及び11−ドデセニル及び1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、11−、12−、13−、14−、15−、16−及び17−オクタデセニル;
メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ、ジフェニルアミノ及びジベンジルアミノ;
ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ及びベンゾイルアミノ;
カルバモイル、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、ヘキシルアミノカルボニル、ヘプチルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、ノニルアミノカルボニル、デシルアミノカルボニル及びフェニルアミノカルボニル;
アミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル、N−メチル−N−エチルアミノスルホニル、N−メチル−N−ドデシルアミノスルホニル、N−ドデシルアミノスルホニル、(N,N−ジメチルアミノ)エチルアミノスルホニル、N,N−(プロポキシエチル)ドデシルアミノスルホニル、N,N−ジフェニルアミノスルホニル、N,N−(4−t−ブチルフェニル)オクタデシルアミノスルホニル及びN,N−ビス(4−クロロフェニル)アミノスルホニル;
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ヘキソキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、(4−t−ブチルフェノキシ)カルボニル及び(4−クロロフェノキシ)カルボニル;
メトキシスルホニル、エトキシスルホニル、プロポキシスルホニル、イソプロポキシスルホニル、ブトキシスルホニル、イソブトキシスルホニル、t−ブトキシスルホニル、ヘキソキシスルホニル、ドデシルオキシスルホニル、オクタデシルオキシスルホニル、フェノキシスルホニル、1−及び2−ナフチルオキシスルホニル、(4−t−ブチルフェノキシ)スルホニル及び(4−クロロフェノキシ)スルホニル;
ジフェニルホスフィノ、ジ(o−トリル)ホスフィノ及びジフェニルホスフィンオキシド;
フッ素、塩素、臭素及びヨウ素;
フェニルアゾ、2−ナフチルアゾ、2−ピリジルアゾ及び2−ピリミジルアゾ;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、2−及び3−メチルシクロペンチル、2−及び3−エチルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−、3−及び4−メチルシクロヘキシル、2−、3−及び4−エチルシクロヘキシル、3−及び4−プロピルシクロヘキシル、3−及び4−イソプロピルシクロヘキシル、3−及び4−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−s−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、2−、3−及び4−メチルシクロヘプチル、2−、3−及び4−エチルシクロヘプチル、3−及び4−プロピルシクロヘプチル、3−及び4−イソプロピルシクロヘプチル、3−及び4−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−s−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−t−ブチルシクロヘプチル、シクロオクチル、2−、3−、4−及び5−メチルシクロオクチル、2−、3−、4−及び5−エチルシクロオクチル及び3−、4−及び5−プロピルシクロオクチル;3−及び4−ヒドロキシシクロヘキシル、3−及び4−ニトロシクロヘキシル及び3−及び4−クロロシクロヘキシル;
1−、2−及び3−シクロペンテニル、1−、2−、3−及び4−シクロヘキセニル、1−、2−及び3−シクロヘプテニル及び1−、2−、3−及び4−シクロオクテニル;
2−ジオキサニル、1−モルホリニル、1−チオモルホリニル、2−及び3−テトラヒドロフリル、1−、2−及び3−ピロリジニル、1−ピペラジル、1−ジケトピペラジル及び1−、2−、3−及び4−ピペリジル;
フェニル、2−ナフチル、2−及び3−ピリル、2−、3−及び4−ピリジル、2−、4−及び5−ピリミジル、3−、4−及び5−ピラゾリル、2−、4−及び5−イミダゾリル、2−、4−及び5−チアゾリル、3−(1,2,4−トリアジル)、2−(1,3,5−トリアジル)、6−キナルジル、3−、5−、6−及び8−キノリニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアジアゾリル、2−及び5−ベンゾイミダゾリル及び1−及び5−イソキノリル;
1−、2−、3−、4−、5−、6−及び7−インドリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−及び7−イソインドリル、5−(4−メチルイソインドリル)、5−(4−フェニルイソインドリル)、1−、2−、4−、6−、7−及び8−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、3−(5−フェニル)−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、5−(3−ドデシル−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−及び8−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)及び2−、3−、4−、5−、6−、7−及び8−クロマニル、2−、4−及び7−キノリニル、2−(4−フェニルキノリニル)及び2−(5−エチルキノリニル);
2−、3−及び4−メチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−、3−及び4−エチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−、3−及び4−プロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−、3−及び4−イソプロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−、3−及び4−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−、3−及び4−イソブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−、3−及び4−s−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジ−s−ブチルフェニル及び2,4,6−トリ−s−ブチルフェニル;2−、3−及び4−メトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−、3−及び4−エトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2−、3−及び4−プロポキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロポキシフェニル、2−、3−及び4−イソプロポキシフェニル、2,4−及び2,6−ジイソプロポキシフェニル及び2−、3−及び4−ブトキシフェニル;2−、3−及び4−クロロフェニル及び2,4−、3,5−及び2,6−ジクロロフェニル;2−、3−及び4−ヒドロキシフェニル及び2,4−、3,5−及び2,6−ジヒドロフェニル;2−、3−及び4−シアノフェニル;3−及び4−カルボキシフェニル;3−及び4−カルボキサミドフェニル、3−及び4−N−メチルカルボキサミドフェニル及び3−及び4−N−エチルカルボキサミドフェニル;3−及び4−アセチルアミノフェニル、3−及び4−プロピオニルアミノフェニル及び3−及び4−ブチリルアミノフェニル;3−及び4−N−フェニルアミノフェニル、3−及び4−N−(o−トリル)アミノフェニル、3−及び4−(m−トリル)アミノフェニル及び3−及び4−(p−トリル)アミノフェニル;3−及び4−(2−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(3−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(4−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(2−ピリミジル)アミノフェニル及び4−(4−ピリミジル)アミノフェニル;
4−フェニルアゾフェニル、4−(1−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ナフチルアゾ)フェニル、4−(4−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ピリイルアゾ)フェニル、4−(3−ピリジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリジルアゾ)フェニル、4−(2−ピリミジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリミジルアゾ)フェニル及び4−(5−ピリミジルアゾ)フェニル;
フェノキシ、フェニルチオ、2−ナフトキシ、2−ナフチルチオ、2−、3−及び4−ピリジルオキシ、2−、3−及び4−ピリジルチオ、2−、4−及び5−ピリミジルオキシ及び2−、4−及び5−ピリミジルチオ。
【0031】
好ましいフッ素含有基は、以下のとおりである:
2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミン、1−ベンジル−2,2,2−トリフルオロエチル、1H,1H−ペルフルオロヘプチル、1H,1H−ペルフルオロノニル、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジメチルエチル、2,2,2−トリフルオロ−1−(メチル)エチル、1,1,1−トリフルオロ−イソプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−ピリジン−2−イルエチル、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−ノナデカフルオロデシル、3,5,7,8−テトラブロモ−2,2,3,4,4,5,6,6,7,8,8−ウンデカフルオロオクチル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル、1H,1H−ペルフルオロペンチル、2,2−ジフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)エチルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミン、2,2−ジフルオロ−1−フェニルエチルアミン、1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピルアミン、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル−、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロデシル、3−(ペルフルオロオクチル)プロピル、4,4−ジフルオロブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,5,6,6,6−ペンタフルオロヘキシル、2−フルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、4−シアノ−(2,3,5,6)−テトラフルオロフェニル、4−カルボキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−5−ニトロフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、4−カルボキサミド−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル、4−ブロモ−2−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2−フルオロ−4−ヨードフェニル、4−ブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2−ブロモ−3,4,6−トリフルオロフェニル、2−ブロモ−4,5,6−トリフルオロフェニル、4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル、2,4−ジフルオロ−6−ニトロフェニル、2−フルオロ−4−ニトロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、2−フルオロ−4−メチルフェニル、3−クロロ−2,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジブロモ−6−フルオロフェニル、3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル、4−シアノ−1−フルオロフェニル、1−クロロ−4−フルオロフェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチル−6−フルオロフェニル、2,3,4,6−テトラフルオロフェニル、3−クロロ−2−フルオロフェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2−ブロモ−4−クロロ−6−フルオロフェニル、2,3−ジシアノ−4,5,6−トリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロ−3−カルボキシフェニル、2,3,4−トリフルオロ−6−カルボキシフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、4−トリフルオロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、1−フルオロ−5−カルボキシフェニル、2−クロロ−4,6−ジフルオロフェニル、6−ブロモ−3−クロロ−2,4−ジフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロ−6−ニトロフェニル、2,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル、2,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェニル、4−トリフルオロメチル−2,3−ジフルオロフェニル、2−ブロモ−4,6−ジフルオロフェニル、4−ブロモ−2−フルオロフェニル、2−ニトロテトラフルオロフェニル、2,2′,3,3′,4′,5,5′,6,6′−ノナビフェニル、2−ニトロ−3,5,6−トリフルオロフェニル、2−ブロモ−6−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロ−6−ヨードフェニル、2−フルオロ−6−カルボキシフェニル、2,4−ジフルオロ−3−トリフルオロフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロフェニル、2−フルオロ−4−カルボキシフェニル、4−ブロモ−2,5−ジフルオロフェニル、2,5−ジブロモ−3,4,6−トリフルオロフェニル、2−フルオロ−5−メチルスルホニルフェニル、5−ブロモ−2−フルオロフェニル、2−フルオロ−4−ヒドロキシメチルフェニル、3−フルオロ−4−ブロモメチルフェニル、2−ニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、3−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロフェニル、2,6−ジブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチル−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,3−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−4,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル、5−クロロ−2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−ヨード−4−トリフルオロメチルフェニル、2−ニトロ−4,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル、3,5−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、2,3,6−トリクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(トリフルオロメチル)ベンジル、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル、3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル、3−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジル、4−フルオロフェネチル、3−(トリフルオロメチル)フェネチル、2−クロロ−6−フルオロフェネチル、2,6−ジクロロフェネチル、3−フルオロフェネチル、2−フルオロフェネチル、(2−トリフルオロメチル)フェネチル、4−トリフルオロメチルフェネチル、2,3−ジフルオロフェネチル、3,4−ジフルオロフェネチル、2,4−ジフルオロフェネチル、2,5−ジフルオロフェネチル、3,5−ジフルオロフェネチル、2,6−ジフルオロフェネチル、4−(4−フルオロフェニル)フェネチル、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェネチル、ペンタフルオロフェネチル、2,4−ジ(トリフルオロメチル)フェネチル、2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェネチル、(2−フルオロ−3−トリフルオロメチル)フェネチル、(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル)フェネチル、(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル)フェネチル、(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル)フェネチル、(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル)フェネチル、(2−フルオロ−6−トリフルオロメチル)フェネチル、(2,3,6−トリフルオロ)フェネチル、(2,4,5−トリフルオロ)フェネチル、(2,4,6−トリフルオロ)フェネチル、(2,3,4−トリフルオロ)フェネチル、(3,4,5−トリフルオロ)フェネチル、(2,3,5−トリフルオロ)フェネチル、(2−クロロ−5−フルオロ)フェネチル、(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル)フェネチル、(2−クロロ−5−トリフルオロメチル)フェネチル、(2−フルオロ−3−クロロ−5−トリフルオロメチル)フェネチル、(2−フルオロ−3−クロロ)フェネチル、(4−フルオロ−3−クロロ)フェネチル、(2−フルオロ−4−クロロ)フェネチル、(2,3−ジフルオロ−4−メチル)フェネチル−、2,6−ジフルオロ−3−クロロフェネチル、(2,6−ジフルオロ−3−メチル)フェネチル、(2−トリフルオロメチル−5−クロロ)フェネチル、(6−クロロ−2−フルオロ−5−メチル)フェネチル、(2,4−ジクロロ−5−フルオロ)フェネチル、5−クロロ−2−フルオロフェネチル、(2,5−ジフルオロ−6−クロロ)フェネチル、(2,3,4,5−テトラフルオロ)フェネチル、(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル)フェネチル、2,3−(ジフルオロ−4−トリフルオロメチル)フェネチル、(2,5−ジ(トリフルオロメチル))フェネチル、2−フルオロ−3,5−ジブロモフェネチル、(3−フルオロ−4−ニトロ)フェネチル、(2−ブロモ−4−トリフルオロメチル)フェネチル、2−(ブロモ−5−フルオロ)フェネチル、(2,6−ジフルオロ−4−ブロモ)フェネチル、(2,6−ジフルオロ−4−クロロ)フェネチル、(3−クロロ−5−フルオロ)フェネチル、(2−ブロモ−5−トリフルオロメチル)フェネチルなど。
【0032】
式Iの化合物は、特定の1つの態様において、式中のZ1、Z2、Z3、Z4、Y1及びY2が0を表し、かつ基R1〜R4が水素及び臭素から選択される化合物ではない。
【0033】
式Iの化合物は、特に、式中のZ1、Z2、Z3、Z4、Y1及びY2が0を表し、かつR1及びR4又はR2及びR3の両方が臭素を表す化合物ではない。すなわち、特定の1つの態様において、式Iの化合物から、2,6−ジブロモナフタレン−1,8;4,5−テトラカルボン酸二無水物は除外される。
【0034】
式Iで示され、その式中、R1、R2、R3及びR4の全てが臭素を表すか、又は全てがフッ素を表すか、又は全てがシアノを表す化合物が好ましい。
【0035】
更に、式Iで示され、その式中、基R1、R2、R3及びR4の3つが臭素もしくはフッ素もしくはシアノを表し、その他の基が水素を表す化合物が好ましい。
【0036】
更に、式Iで示され、その式中、R1及びR2が互いに無関係に、フッ素及びシアノから選択され、かつR3及びR4が水素を表す化合物が好ましい。好ましい一実施態様においては、その際、R1及びR2の両者は、フッ素を表すか、もしくは両者は、シアノを表す。
【0037】
更に、式中のR1及びR3が互いに無関係に、フッ素及びシアノから選択され、かつR2及びR4が水素を表す化合物が好ましい。好ましい一実施態様においては、その際、R1及びR3の両者は、フッ素を表すか、もしくは両者は、シアノを表す。
【0038】
更に、式中のR1及びR4が互いに無関係に、フッ素及びシアノから選択され、かつR2及びR3が水素を表す化合物が好ましい。好ましい一実施態様においては、その際、R1及びR4の両者は、フッ素を表すか、もしくは両者は、シアノを表す。
【0039】
更に、式中のR1及びR2が臭素を表し、かつR3及びR4が水素を表す化合物が好ましい。
【0040】
更に、式中の基R1、R2、R3及びR4の1つが臭素もしくはフッ素もしくはシアノを表し、その他の基が水素を表す化合物が好ましい。
【0041】
特に、式I.a
【化3】

[式中、R1、R2、R3及びR4は、前記の程度と同じである]で示される化合物が好ましい。
【0042】
式Iの化合物中の置換基Ra及びRbの意味に関しては、冒頭で行った説明を参照されたい。
【0043】
好ましくは、Ra及びRbは、互いに無関係に、水素を表すか、又は非置換もしくは置換されたアルキル、アルケニル、アルカジエニル、アルキニル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表す。
【0044】
特に好ましくは、基Ra及びRbの少なくとも1つは、求電子的に置換された基を表す。
【0045】
特定の一実施態様においては、基Ra及びRbの少なくとも1つは、フッ素で一置換もしくは多置換された基を表す。特に好ましくは、RaもRbも、フッ素で一置換もしくは多置換された基を表す。好適なフッ素化された基に関しては、同様に冒頭で行った説明を参照されたい。
【0046】
更なる特定の一実施態様においては、基Ra及びRbは同一である。更に、特に、一般式I.b
【化4】

[式中、R1、R2、R3及びR4は、上述の意味を有し、かつRa及びRbは、互いに無関係に、上述の意味の1つを有する]で示される化合物が好ましい。
【0047】
好適かつ好ましい基R1、R2、R3、R4、Ra及びRbに関しては、全範囲において上述の説明を参照されたい。
【0048】
更なる好ましい一実施態様は、一般式I.c
【化5】

[式中、R1、R2、R3及びR4は上述の意味を有し、かつXは、二価の架橋基であって、その両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す]で示される化合物及びその構造異性体である。
【0049】
好ましくは、前記の架橋基Xは、該基が結合されているN−C=N基と一緒になって、5員ないし8員の複素環であって、場合によりシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及び/又はヘテロアリールと一縮合、二縮合もしくは三縮合されている複素環を表し、その際、それらの縮合された基が互いに無関係にアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンイミン、COOH、カルボキシレート、SO3H、スルホネート、NE12、アルキレン−NR12、ニトロ及びシアノから選択される1、2、3もしくは4つずつの置換基を有してよく、その際、E1及びE2は、互いに無関係に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表し、かつ/又はXは、置換されていてよいアルキル、置換されていてよいシクロアルキル及び置換されていてよいアリールから選択される1、2もしくは3個の置換基を有してよく、かつ/又はXは、1、2もしくは3個の置換されていてよいヘテロ原子によって中断されていてよい。
【0050】
好ましくは、架橋基Xは、式
【化6】

[RI、RII、RIII、RIV、RV及びRVIは、互いに無関係に、水素、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンイミン、COOH、カルボキシレート、SO3H、スルホネート、NE12、アルキレン−NE12、ニトロ、アルコキシカルボニル、アシルもしくはシアノを表し、その際、E1及びE2は、互いに無関係に、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表す]の群から選択される。
【0051】
以下に、幾つかの特に好ましい本発明による化合物を示す:
【化7】

【0052】
【化8】

【0053】
【化9】

【0054】
【化10】

【0055】
【化11】

【0056】
【化12】

【0057】
【化13】

【0058】
【化14】

【0059】
【化15】

【0060】
【化16】

【0061】
【化17】

【0062】
目下、驚くべきことに、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物の臭素化の際に、溶剤として、20%より高い濃度、特に少なくとも28%の濃度を有するオレウムを使用することによって(例えば30%のオレウムを使用することによって)驚くべきことに、テトラブロモ二無水物が得られることが判明した。更に、前記のテトラブロモ二無水物は、
− その臭素原子においてフッ素原子もしくはシアノ基によって完全な置換がされていてよい、
− その臭素原子において水素によって部分的な置換がされていてよい、又は
− その臭素原子においてフッ素原子もしくはシアノ基によって部分的な置換がされるのと同時に水素によって部分的な置換がされていてよい
ことが判明した。
【0063】
従って、本発明の更なる対象は、一般式I.a
【化18】

[式中、
基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、その他の基は、水素を表す]で示される化合物の製造方法において、
i)ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、20%より高いオレウムの存在下でジブロモイソシアヌル酸による臭素化に供して、2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
【化19】

を得て、
ii)場合により2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、その臭素原子においてフッ素もしくはシアノ基によって置換し、又は2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、その臭素原子において水素と、場合によりフッ素もしくはシアノ基によって置換し、
iii)場合により、工程ii)で得られた化合物を、少なくとも1つの分離工程及び/又は精製工程に供する製造方法である。
【0064】
工程i)
工程i)の反応のために、有利には、少なくとも25%の、特に少なくとも28%のオレウム(例えば30%のオレウム)を使用する。
【0065】
ジブロモイソシアヌル酸とナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物とのモル量比は、好ましくは、約4:1〜0.9:1、特に好ましくは3:1〜0.9:1の範囲にある。前記のモル量比は、特に4:1〜1.5:1、殊に2.5:1〜1.5:1である。
【0066】
工程ii)
臭素原子もしくは塩素原子のフッ素原子による芳香族求核置換(ハロゲン−脱ハロゲン化)のために適した方法条件は、原則的に公知である。ハロゲン−脱ハロゲン化のために適した条件は、例えばJ.March,Advanced Organic Chemistry,第4版、John Wiley&Sons出版(1992),659頁並びにDE−A−3235526号に記載されている。前記の内容は、参照をもって開示されたものとする。
【0067】
第一の実施態様においては、工程ii)における反応は、臭素原子とフッ素原子との交換であり、場合により部分的な脱ハロゲン化を伴う。フッ素基の挿入のために、好ましくは、アルカリフッ化物、特にKF、NaFもしくはCsFが使用される。
【0068】
工程ii)におけるハロゲン交換のために好ましい溶剤は、非プトロン性極性溶剤、例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、(CH32SO、ジメチルスルホン又は、特にスルホランである。好ましくは、溶剤は、その使用前に、当業者に公知の慣用の方法に従って水の除去のために乾燥に供される。それは、特に残留量の水をスルホランから除去するために有効である。
【0069】
工程ii)におけるハロゲン交換のためには、更に錯形成剤、例えばクラウンエーテルを使用することができる。それには、例えば[12]クラウン−4、[15]クラウン−5、[18]クラウン−6、[21]クラウン−7、[24]クラウン−8などが該当する。錯形成剤の選択は、ハロゲン交換のために使用されるアルカリハロゲン化物のアルカリ金属の錯化能力に応じて行われる。フッ素基の挿入のためにKFを使用する場合に、錯形成剤は、好ましくは[18]クラウン−6が使用される。
【0070】
他の好適な相転移触媒は、工程ii)において使用するために、例えば2−アザアレニウム化合物、カルボホスファゼニウム化合物、アミノホスホニウム化合物及びジホスファゼニウム化合物から選択される。A.Pleschke、A.Marhold、M.Schneider、A.Kolomeitsev及びG.V.Roeschenthalerは、Journal of Fluorine Chemisty 125,2004,1031−1038において、更なる好適な相転移触媒についての概要を示している。前記文献の開示を参照されたい。好ましい一実施態様においては、2−アザアレニウム化合物、例えば(N,N−ジメチルイミダゾリジノ)テトラメチルグアニジウムクロリド(CNC+)が使用される。特に好ましくは、その際、スルホランが溶剤として使用される。上述の相転移触媒の使用量は、好ましくは、使用されるリレン化合物の質量に対して、0.1〜20質量%、有利には1〜10質量%である。
【0071】
無水の非プロトン性極性溶剤中でのアルカリフッ化物との反応に際して、ハロゲン交換の他に、一般にある程度まで脱ハロゲン化が起こる。その際に得られるジハロゲン−、トリハロゲン−及び/又はテトラハロゲンナフタレンテトラカルボン酸無水物からなる混合物は、後に分離に供することができる。
【0072】
更なる実施態様においては、工程ii)における反応は、臭素原子とシアノ基との交換であり、場合により部分的な脱ハロゲン化を伴う。シアノ−脱ハロゲン化のために適した条件は、同様にJ.March,Advanced Organic Chemistry,第4版、John Wiley&Sons出版(1992),660〜661頁並びにWO2004/029028号に記載されている。それには、例えば銅シアン化物との反応が該当する。更に、アルカリシアン化物、例えばKCN及びNaCN並びにシアン化亜鉛は、極性非プロトン性溶剤中でPd(II)塩又は銅錯体もしくはニッケル錯体の存在下で適している。好ましい極性非プロトン性溶剤は、ハロゲン交換について挙げたものである。
【0073】
工程iii)における分離及び/又は精製は、当業者に公知の慣用の方法、例えば抽出、蒸留、再結晶化、好適な固定相並びにこれらの措置の組み合わせにより行うことができる。
【0074】
驚くべきことに、今まで達成でなかったハロゲン置換もしくはシアノ置換されたナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ジイミドを、ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物をまず臭素化に供し、次いで臭素のフッ素もしくはシアノ基による置換(場合により部分的な脱ハロゲン化と併せて)に供し、引き続きイミド化に供することで得ることができると判明した。更に、今まで達成でなかったハロゲン置換もしくはシアノ置換されたナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ジイミドを、ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物をまずイミド化に供し、次いで臭素化に供し、引き続き場合により臭素のフッ素もしくはシアノ基による置換(場合により部分的な脱ハロゲン化と併せて)に供することで得ることができると判明した。両方の変法において、臭素置換されたナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物のイミド化は回避される。
【0075】
従って、本発明の更なる対象は、式
【化20】

[式中、
基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、かつその他の基は、水素を表し、
1、Z2、Z3及びZ4は、Oを表し、
a及びRbは、互いに無関係に、水素を表すか、又は非置換もしくは置換されたアルキル、アルケニル、アルカジエニル、アルキニル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表すか、又は
基Z1もしくはZ2の1つは、NRcを表し、かつRa及びRcは、一緒になって、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表し、かつ/又は基Z3もしくはZ4の1つは、NRdを表し、かつRb及びRdは、一緒になって、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す]で示される化合物の製造方法において、
a1)ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、N,N′−ジブロモイソシアヌル酸による臭素化に供して、一般式I.a
【化21】

[式中、基R1、R2、R3及びR4の2つもしくは3つもしくは4つは、Brを表し、かつその他の基は、水素を表す]で示される化合物を得て、
b1)工程a1)で得られた式I.aの化合物を、臭素のフッ素もしくはシアノ基による置換と、場合により部分的に水素による置換に供し、
c1)工程b1)で得られた化合物を、一般式Ra−NH2のアミンの反応と、場合により式Rb−NH2のアミンとの反応に供するか、又は工程b1)で得られた化合物を、式H2N−X−NH2(式中、Xは、二価の架橋基であって両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す)のアミンとの反応に供する製造方法である。
【0076】
従って、本発明の更なる対象は、式
【化22】

[式中、
基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、かつその他の基は、水素を表し、
1、Z2、Z3及びZ4は、Oを表し、
a及びRbは、互いに無関係に、水素を表すか、又は非置換もしくは置換されたアルキル、アルケニル、アルカジエニル、アルキニル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表すか、又は
基Z1もしくはZ2の1つは、NRcを表し、かつRa及びRcは、一緒になって、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表し、かつ/又は基Z3もしくはZ4の1つは、NRdを表し、かつRb及びRdは、一緒になって、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す]で示される化合物の製造方法において、
a2)ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、式Ra−NH2のアミンとの反応と、場合により式Rb−NH2のアミンとの反応に供して、一般式I.a21)
【化23】

[式中、基Rbは、Raと同じ意味を有してよい]で示される少なくとも1つの化合物を得るか、又は
ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、式H2N−X−NH2のアミンとの反応に供して、一般式I.a22)
【化24】

[式中、Xは、二価の架橋基であって両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す]で示される少なくとも1つの化合物又はその異性体を得て、
b2)工程a2)で得られた化合物を、N,N′−ジブロモイソシアヌル酸による臭素化に供し、
c2)場合により、工程b2)で得られた化合物を、臭素のフッ素もしくはシアノ基による置換と、場合により部分的に水素による置換に供する製造方法である。
【0077】
工程a1)及び工程b2)
第一の実施態様においては、工程a1)及びb2)における臭素化は、臭素化における溶剤として、20%より高い濃度を有するオレウムを使用して(例えば30%のオレウムを使用することによって)行われ、その際、前記のように、四臭素化化合物が得られる。その反応のために、その際、有利には、少なくとも25%の、特に少なくとも28%のオレウム(例えば30%のオレウム)を使用する。
【0078】
第二の実施態様においては、工程a1)及びb2)における臭素化は、高くても20%の濃度を有するオレウムを使用して行われる。その際、十分に二臭素化された化合物が得られる。ジブロモイソシアヌル酸とナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物との比率は、その際、有利には、1.5:1〜1:1、特に1.25:1〜1:1の範囲にある。
【0079】
第二の変法の好ましい一態様においては、工程a2)におけるナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物の反応のために、式Ra−NH2のアミンと、場合により式Rb−NH2のアミンもしくは式H2N−X−NH2のアミンが使用され、その際、Ra、Rb及びXは、工程b2)におけるジブロモシアヌル酸との反応によって臭素化できない基を表す。基Ra及びRbは、その際、有利には、アルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表し、それらは臭素に対して交換可能な基によって置換されていてよい。しかしながら、基Ra、Rb及びXの少なくとも部分的な臭素化は一般的に重要でなく、場合により式Iの化合物を半導体として使用した場合にも好ましいことがあるので、臭素化可能な基を使用することもできるが、その際に、臭素化のために使用される工程b2)におけるジブロモシアヌル酸の量は、その際には場合により高めねばならない。
【0080】
工程b1)及び工程c2)
臭素原子を、別のハロゲン原子、例えばフッ素によって(ハロゲン−脱ハロゲン化)又はシアノ基によって芳香族求核置換するために適した方法条件は、工程ii)で既に記載されており、ここではその記載を参照されたい。
【0081】
工程c1)及び工程a2)
工程c1)におけるイミド化のために、工程b1)で得られる化合物を式Ra−NH2のアミンと、場合により式Rb−NH2のアミンとの反応に供する場合に、一般式I.c1)
【化25】

[式中、基R1、R2、R3及びR4は、工程a)で得られる化合物Ia)においてはBrを表すが、FもしくはCNを表し、その際、基R1、R2、R3及びR4の一部は、工程a)で得られる化合物Ia)においてはBrを表すが、水素を表してもよく、その際、
bは、Raと同じ意味を有してよい(アミド化の場合には、1つだけの式Ra−NH2のアミンが使用される)]で示される少なくとも1つの化合物が得られる。
【0082】
工程c1)におけるイミド化のために、工程b1)で得られる化合物を式H2N−X−NH2(式中、Xは、二価の架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す)のアミンとの反応に供する場合に、一般式I.c2)
【化26】

[式中、基R1、R2、R3及びR4は、工程a)で得られる化合物Ia)においてBrを表すが、FもしくはCNを表し、その際、基R1、R2、R3及びR4の一部は、工程a)で得られる化合物Ia)においてはBrを表すが、水素を表してもよい]で示される少なくとも1つの化合物が得られる。
【0083】
反応工程c1)及びa2)におけるカルボン酸無水物基のイミド化は、原則的に公知である。好ましくは、二無水物と第1級アミンとの反応は、極性非プロトン性溶剤の存在下で行われる。好適な極性非プロトン性溶剤は、窒素複素環、例えばピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、キナルジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピペリドン及びN−メチルピロリドンである。
【0084】
該反応は、イミド化触媒の存在下で行うことができる。イミド化触媒としては、有機酸及び無機酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸及びリン酸が適している。好適なイミド化触媒は、更に、遷移金属、例えば亜鉛、鉄、銅及びマグネシウムの有機塩及び無機塩である。それには、例えば酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、酸化亜鉛、酢酸鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(II)、酢酸銅(II)、酸化銅(II)及び酢酸マグネシウムが該当する。イミド化触媒の使用は、好ましくは芳香族アミンの反応において行われ、一般に脂環式アミンの反応のためにも好ましい。脂肪族アミン、特に短鎖脂肪族アミンの反応に際して、一般に、イミド化触媒の使用は省くことができる。イミド化触媒の使用量は、アミド化されるべき化合物の全質量に対して、好ましくは5〜80質量%、特に有利には10〜75質量%である。
【0085】
好ましくは、アミンと二無水物とのモル量比は、約2:1〜4:1、特に有利には2.2:1〜3:1である。
【0086】
反応温度は、工程c1)もしくはa2)においては、一般に周囲温度から200℃までであり、有利には40〜180℃である。脂肪族アミン及び脂環式アミンの反応は、有利には約60〜100℃の温度範囲で行われる。芳香族アミンの反応は、有利には約120〜160℃の温度範囲で行われる。
【0087】
好ましくは、反応工程c1)もしくはa2)における反応は、保護ガス雰囲気下で、例えば窒素雰囲気下で行われる。
【0088】
反応工程c1)もしくはa2)は、常圧で、又は所望であれば高められた圧力下で行うことができる。好適な圧力範囲は、約0.8〜10バールの範囲にある。揮発性アミン(沸点約≦180℃)を使用する場合には、好ましくは高められた圧力下で作業される。
【0089】
一般に、反応工程c1)もしくはa2)において得られるジイミドは、更なる精製を行うことなく、後続反応のために使用することができる。しかしながら、該生成物を半導体として使用するためには、該生成物を更なる精製に供することが好ましいことがある。それには、例えばカラムクロマトグラフィー法が該当し、その際、生成物は、有利にはハロゲン化された炭化水素、例えば塩化メチル、クロロホルム又はテトラクロロエタン中に溶解され、そしてシリカゲル上での分離もしくは濾過に供される。引き続き、溶剤が除去される。
【0090】
本発明による化合物並びに本発明による方法に従って得られる化合物は、特に好ましくは、有機半導体として適している。それらの化合物は、その際n型半導体として機能し、そしてその空気安定性に優れている。更に、前記化合物は、高い電荷輸送移動度を有し、かつ高いオン/オフ挙動を有する。前記化合物は、特に好ましくは、有機電界効果トランジスタに適している。半導体材料の製造のためには、本発明による化合物を、以下の方法:印刷(オフセット、フレキソ、グラビア、スクリーン、インクジェット、電子写真)、蒸着、レーザー転写、フォトリソグラフィー、ドロップキャスティングの1つに従って再加工することができる。前記化合物は、特にディスプレイ及びRFIDタグで使用するのに適している。
【0091】
本発明による化合物並びに本発明による方法に従って得られる化合物は、更に、特に好ましくは、データ記憶のために、有機LEDにおいて、光電池において、UV吸収剤として、蛍光増白剤として、光学ラベルとして、そして生体分子用、例えばタンパク質、DNA、糖及びそれらの組み合わせ用の蛍光ラベルとして適している。
【0092】
本発明を、以下の制限されない実施例により詳細に説明する。
【0093】
実施例
実施例1
2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物
【化27】

【0094】
2.86g(10ミリモル)のジブロモシアヌル酸を30%のオレウム中に溶かした溶液に、4時間以内で、2.68g(10ミリモル)のナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物の溶液を滴加する。添加が完了した後に、なおも1時間、室温において更に撹拌してから、該混合物を500mlの氷水に注ぐ。沈殿物を濾別し、そして水で中性になるまで洗浄し、メタノールで洗浄し、そして真空中で乾燥させる。3.5g(60%)の2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物が帯黄色の固体の形で得られる。
【0095】
実施例2
ジフルオロ−及びテトラフルオロナフタレンテトラカルボン酸無水物からなる混合物
【化28】

【0096】
32mlの無水スルホラン中に、5mlの塩化チオニルを添加し、130℃に加熱し、そして揮発性成分を留去する。それを100℃に冷却させる。引き続き、0.85g(1ミリモル)の上記のテトラブロモ二無水物化合物並びに0.1gの18クラウン6及び1.4g(12ミリモル)の乾燥されたフッ化カリウムを添加する。それを120℃に加熱し、そして該混合物を前記温度で2時間保持する。引き続き、それを145℃に加熱し、そして該混合物を前記温度で2時間保持する。反応混合物を、室温にまで冷却させ、水で沈殿させ、濾過し、そして水で洗浄する。質量分光分析による調査によれば、ジフルオロ−及びテトラフルオロナフタル酸二無水物からなり、微量のトリフルオロナフタル酸二無水物を含有する混合物が得られる。
【0097】
実施例3
2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
【化29】

【0098】
(実施例1に挙げられる化合物の製造のための更なる実施例)
5.36g(20ミリモル9の1,8:4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を、1時間以内で100mlの30%のオレウム中に溶解させる。前記の溶液に、室温で4時間以内に、12.6g(44ミリモル)のジブロモイソシアヌル酸を100mlの30%のオレウム中に溶かした溶液を添加する。添加が完了した後に、該反応混合物を16時間にわたって撹拌し、そして引き続き慎重に1000mlの氷水に注ぐと、固体が沈殿する。その残留物を、希塩酸と、少量のメタノールとで洗浄し、そして真空中で乾燥させる。10.8g(92%)の黄色の固体が得られる。
【0099】
実施例4:
2,6−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
2,7−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
【化30】

【0100】
2.68g(10ミリモル)の1,8:4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を50mlの20%のオレウム中に溶かした溶液に、室温で4時間以内に、3.44g(12ミリモル9のジブロモイソシアヌル酸を100mlの20%のオレウム中に溶かした溶液を添加する。添加が完了した後に、なおも1時間にわたり撹拌してから、該反応混合物を2000mlの氷水に添加する。該混合物を室温で16時間撹拌し、濾過し、そして希塩酸と、メタノールとで洗浄し、そして乾燥させる。3.4g(80%)の黄色の固体が得られ、それは36.6%(理論的には37.5%)の臭素値を有する。
【0101】
2SO4中での1H−NMRによれば、該生成物は、2つの上述の化合物の1:1の異性体混合物からなっている。
【0102】
実施例5
オルト−フェニレンジアミンと
2,6−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
2,7−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
との縮合
【化31】

【0103】
0.21g(0.5ミリモル)のジブロモナフタレンテトラカルボン酸二無水物を、2.5gのフェノールと、0.12g(1.1ミリモル)のオルト−フェニレンジアミンと、0.09g(11ミリモル)のピラジンとからなる混合物中で80℃に加熱する。該反応混合物を、前記温度で4時間にわたり保持し、引き続き2.5mlのメタノールを添加し、室温に冷却させて、濾過する。その残留物をメタノールで洗浄し、そして乾燥させる。0.19g(67%)の黒青色の固体が得られる。
【0104】
実施例6
1,8−ジアミノナフタレンと
2,6−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
2,7−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
との縮合
【化32】

【0105】
130gのフェノールと、11.0g(26ミリモル)のジブロモナフタレンテトラカルボン酸二無水物と、9.36g(57ミリモル)の1,8−ジアミノナフタレンと、4.68g(57ミリモル)のピラジンとからなる混合物を、80℃に4時間加熱する。室温に冷却した後に、130mlのメタノールを添加し、更に16時間撹拌し、そして該反応混合物を濾別する。黒青色の残留物を、メタノールで洗浄し、引き続き温水で洗浄し、そして真空乾燥チャンバ中で乾燥させる。
【0106】
実施例7
2,3,6,7−テトラシアノナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
【化33】

【0107】
0.58g(1ミリモル)の2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を50mlのジオキサン中に入れた混合物を、1.76g(15ミリモル)のシアン化亜鉛と、70mg(0.143ミリモル)の1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)と、79mg(143ミリモル)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムと混合する。該混合物を100℃で22時間撹拌する。それに5mlのスルホランを添加し、そして更に還流下で97時間撹拌する。引き続き、該反応混合物を水で希釈し、そして形成される残留物を濾別し、水で洗浄し、そして乾燥させる。0.46gの固体が得られる。
【0108】
実施例8
N,N′−ビス(フェニルエチル)−2,6−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ジイミド
N,N′−ビス(フェニルエチル)−2,7−ジブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ジイミド
2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,4:5,8−テトラカルボン酸二無水物のイミド化による
【化34】

【0109】
25mlのキシレンと、2.3g(4ミリモル)の2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物と、1.94g(16ミリモル)のフェニルエチルアミンとからなる混合物を、85℃に6時間加熱し、引き続き110℃に1時間加熱する。その反応混合物を室温に冷却させ、濾過し、そして残留物をエタノールで洗浄する。2.3gの固体生成物が得られる。
【0110】
実施例9
N,N′−ジ−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ジイミド
ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸(200mg、0.343ミリモル)及び2,6−ジイソプロピルアニリン(425mg、2.40ミリモル)を、濃縮された酢酸(5ml)中に装入し、120℃で6時間撹拌する。次いで、水(50ml)を添加し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、そしてクロロホルムで抽出する。濃縮された有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶剤を除去する。残留物をペンタン/ジクロロメタン(2/1)を用いてシリカゲル上で溶出させる。目的化合物は、第二の淡黄色のフラクションとして単離される。該化合物は、ジクロロメタン/メタノール(16/84)での分取HPLC(RP18)によって純粋形で得ることができる。
【0111】
収量:51mg(0.051ミリモル、15%)
ESI−MS:C5053Br334についての計算値[M+H]+:1000.1558、実測値1000.1478;C5052Br3NaN34についての計算値[M+Na]+:1022.1378、実測値:1022.1303
融点:344.5〜346℃
【化35】

【0112】
実施例10
2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸ジイミド
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸(500mg、0.857ミリモル)及び酢酸アンモニウム(1.32g、17.1ミリモル)を、濃縮された酢酸を用いて還流加熱することで、最初に黄色の溶液が生ずる。更なる経過において、橙色の固体が沈殿し、それを2時間後に高温で濾別する。該物質を、濃縮された酢酸(3ml)、水(5ml)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3ml)、もう一度水(5ml)で洗浄し、そして引き続き五酸化リン上で乾燥させる。
【0113】
収量:150mg(0.258ミリモル、30%)
EI−MS:C142Br424についての計算値[M]+:581.7、実測値:581.7
融点:>350℃
【化36】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、
基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、かつその他の基は、水素を表し、
1は、OもしくはNRaを表し、その際、Raは、水素もしくはオルガニル基を表し、
2は、OもしくはNRbを表し、その際、Rbは、水素もしくはオルガニル基を表し、
1及びZ2は、互いに無関係に、OもしくはNRcを表し、その際、Rcは、オルガニル基を表し、
3及びZ4は、互いに無関係に、OもしくはNRdを表し、その際、Rdは、オルガニル基を表し、
1がNRaを表し、かつ基Z1及びZ2の少なくとも1つがNRcを表す場合には、Raは、1つの基Rcと一緒に、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表してよく、
2がNRbを表し、かつ基Z3及びZ4の少なくとも1つがNRdを表す場合には、Rbは、1つの基Rdと一緒に、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表してよい]で示される化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、その式中、R1、R2、R3及びR4の全てが臭素を表すか、又は全てがフッ素を表すか、又は全てがシアノを表すことを特徴とする化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、その式中、基R1、R2、R3及びR4の3つが臭素もしくはフッ素もしくはシアノを表し、その他の基が水素を表すことを特徴とする化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であって、その式中、R1及びR2が互いに無関係に、フッ素及びシアノから選択され、かつR3及びR4が水素を表すことを特徴とする化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物であって、その式中、R1及びR3が互いに無関係に、フッ素及びシアノから選択され、かつR2及びR4が水素を表すことを特徴とする化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であって、その式中、R1及びR4が互いに無関係に、フッ素及びシアノから選択され、かつR2及びR3が水素を表すことを特徴とする化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であって、その式中、R1及びR2が臭素を表し、かつR3及びR4が水素を表すことを特徴とする化合物。
【請求項8】
式I.a
【化2】

[式中、R1、R2、R3及びR4は、請求項1から6までのいずれか1項に示される意味を有する]で示される化合物。
【請求項9】
一般式(I.a)
【化3】

[式中、
基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、その他の基は、水素を表す]で示される化合物の製造方法において、
i)ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、20%より高いオレウムの存在下でジブロモイソシアヌル酸による臭素化に供して、2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物
【化4】

を得て、
ii)場合により2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、その臭素原子においてフッ素もしくはシアノ基によって置換し、又は2,3,6,7−テトラブロモナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、その臭素原子において水素と、場合により部分的にフッ素もしくはシアノ基によって置換し、
iii)場合により、工程ii)で得られた化合物を、少なくとも1つの分離工程及び/又は精製工程に供する製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、工程ii)における反応のために、アルカリフッ化物、特にKFを使用することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法において、工程ii)における反応のために、
− シアン化銅もしくはアルカリ金属シアン化物もしくは
− シアン化亜鉛を、Pd(II)塩の存在下で
使用することを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9から11までのいずれか1項に記載の方法において、工程ii)における溶剤として、有利にはジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、(CH32SO、ジメチルスルホン、スルホラン及びそれらの混合物から選択される、少なくとも1つの非プロトン性極性溶剤を使用することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項9から12までのいずれか1項に記載の方法において、工程ii)において、付加的に、錯形成剤、有利にはクラウンエーテルを使用することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9から12までのいずれか1項に記載の方法において、工程ii)において、付加的に、2−アザアレニウム化合物、カルボホスファゼニウム化合物、アミノホスホニウム化合物及びジホスファゼニウム化合物から選択される相転移触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項15】

【化5】

[式中、
基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、かつその他の基は、水素を表し、
1、Z2、Z3及びZ4は、Oを表し、
a及びRbは、互いに無関係に、水素を表すか、又は非置換もしくは置換されたアルキル、アルケニル、アルカジエニル、アルキニル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表すか、又は
基Z1もしくはZ2の1つは、NRcを表し、かつRa及びRcは、一緒になって、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表し、かつ/又は基Z3もしくはZ4の1つは、NRdを表し、かつRb及びRdは、一緒になって、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す]で示される化合物の製造方法において、
a1)ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、N,N′−ジブロモイソシアヌル酸による臭素化に供して、一般式I.a
【化6】

[式中、基R1、R2、R3及びR4の2つもしくは3つもしくは4つは、Brを表し、かつその他の基は、水素を表す]で示される化合物を得て、
b1)工程a1)で得られた式I.aの化合物を、臭素のフッ素もしくはシアノ基による置換と、場合により部分的に水素による置換に供し、
c1)工程b1)で得られた化合物を、一般式Ra−NH2のアミンの反応と、場合により式Rb−NH2のアミンとの反応に供するか、又は
工程b1)で得られた化合物を、式H2N−X−NH2(式中、Xは、二価の架橋基であって両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す)のアミンとの反応に供する製造方法。
【請求項16】

【化7】

[式中、
基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは、Br、F及びCNから選択される置換基を表し、かつその他の基は、水素を表し、
1、Z2、Z3及びZ4は、Oを表し、
a及びRbは、互いに無関係に、水素を表すか、又は非置換もしくは置換されたアルキル、アルケニル、アルカジエニル、アルキニル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールを表すか、又は
基Z1もしくはZ2の1つは、NRcを表し、かつRa及びRcは、一緒になって、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表し、かつ/又は基Z3もしくはZ4の1つは、NRdを表し、かつRb及びRdは、一緒になって、架橋基であってその両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す]で示される化合物の製造方法において、
a2)ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、式Ra−NH2のアミンとの反応と、場合により式Rb−NH2のアミンとの反応に供して、一般式I.a21)
【化8】

[式中、基Rbは、Raと同じ意味を有してよい]で示される少なくとも1つの化合物を得るか、又は
ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物を、式H2N−X−NH2のアミンとの反応に供して、一般式I.a22)
【化9】

[式中、Xは、二価の架橋基であって両端の結合の間に2〜5個の原子を有する基を表す]で示される少なくとも1つの化合物又はその異性体を得て、
b2)工程a2)で得られた化合物を、N,N′−ジブロモイソシアヌル酸による臭素化に供し、
c2)場合により、工程b2)で得られた化合物を、臭素のフッ素もしくはシアノ基による置換と、場合により部分的に水素による置換に供する製造方法。
【請求項17】
請求項1から8までのいずれか1項に定義される一般式Iの化合物を、半導体として、特に有機電界効果トランジスタ及び有機光電池のための半導体として用いる使用。
【請求項18】
請求項1から8までのいずれか1項に定義される化合物を、データ記憶のために、有機LEDにおいて、光電池において、UV吸収剤として、蛍光増白剤として、光学ラベルとして、及び生体分子用の蛍光ラベルとして用いる使用。

【公表番号】特表2009−521421(P2009−521421A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546476(P2008−546476)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/070143
【国際公開番号】WO2007/074137
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】