説明

ナンバプレート読取装置

【課題】入力された車両の画像内に複数のナンバプレート候補が存在しても読取対象とする1つのナンバプレート候補を選択して読取ることができるナンバプレート読取装置を提供する。
【解決手段】入力された車両の画像からナンバプレートを読取る際、ナンバプレート候補が複数存在する場合、当該複数のナンバプレート候補の中からあらかじめ定められた車種のナンバプレート候補を読取対象として選択し、この選択されたナンバプレート候補に対し読取処理を行ない、単一のナンバプレート候補が抽出された場合は当該ナンバプレート候補に対し読取処理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、有料道路を走行する車両に対しノンストップで利用料金の収受処理を自動的に行なうETCシステムと称される料金収受システムにおいて、有料道路を走行する車両のナンバプレートを撮像し、得られる画像を処理することによりナンバプレート上の文字を読取るナンバプレート読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、高速道路等の有料道路の料金所において、料金収受車線側に設置された路側無線装置と、車両側に設置された料金支払い用のETCカード(ICカード)が装着された車載器との間で、料金収受車線上に設置されたアンテナ装置を介して無線による通信を行なうことで、車両をノンストップで利用料金の収受処理を自動的に行なうETCシステム(ノンストップ自動料金収受システム)と称される料金収受システムが実用化されている。
【0003】
最近、このような料金収受システムにおいては、不正通行防止、速度違反取締り、通行時間計測等のニーズが高まっており、走行する車両から得られる車載器の車両情報と道路側に設置されたカメラからの車両画像情報とを照合する方法が数多く提案されている。たとえば、カメラにより得られた車両画像中のナンバプレートから、車種(大板・中板・小板)、一連指定番号、陸運支局名、分類番号、平仮名などの情報を読取り、車両を特定し、この画像から読取ったナンバプレートの情報が車載器の情報と異なる場合は、その履歴を保存したりオペレータに提示したりするなどして、不正通行防止に役立てることなどが行なわれている。
【0004】
このようなナンバプレートの読取りに用いられるのがナンバプレート読取装置である。一般的に、この種のナンバプレート読取装置は、カメラにより入力された車両画像から画像処理によりナンバプレートの候補を抽出し、この抽出したナンバプレート候補に対して文字の切出しや文字認識を行なっている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−357287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、入力された車両画像中からナンバプレートを読取る際、読取対象としてのナンバプレート候補が複数存在する場合があり、しばしば読取対象を誤って処理することがある。
【0006】
特に、たとえば、車両の後方からナンバプレートを含む画像を取得する場合で、対象車両が乗用車等を積載したキャリアカーの場合、キャリアカーのナンバプレートとその積載車両のナンバプレートの両方がとも車両画像中に存在する場合がある。
【0007】
このような場合、車載器の情報との照合にはキャリアカーのナンバプレートを読取るべきであるが、従来は、単純にスコア値最大基準でナンバプレート候補を選択しているため、スコア値によっては積載車両のナンバプレート候補が選択される場合があり、そのため車載器の情報と食い違いが生じたり、不正通行を見過ごしたりするなど、システムの性能低下を引き起こす要因の1つとなっている。
【0008】
そこで、本発明は、入力された車両の画像内に複数のナンバプレート候補が存在しても読取対象とする1つのナンバプレート候補を選択して読取ることができるナンバプレート読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のナンバプレート読取装置は、道路を走行する車両から少なくともナンバプレートを含む画像を取得する画像取得手段と、この画像取得手段により取得された画像から読取対象である前記ナンバプレートの候補を抽出するナンバプレート候補抽出手段と、このナンバプレート候補抽出手段により複数のナンバプレート候補が抽出された場合、あらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在するか否かを判定し、あらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在する場合、当該ナンバプレート候補を選択するナンバプレート候補選択手段と、このナンバプレート候補選択手段により選択されたナンバプレート候補に対し読取処理を行ない、前記ナンバプレート候補抽出手段により単一のナンバプレート候補が抽出された場合は当該ナンバプレート候補に対し読取処理を行なう読取手段とを具備している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力された車両の画像内に複数のナンバプレート候補が存在しても読取対象とする1つのナンバプレート候補を選択して読取ることができるナンバプレート読取装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、本発明の実施の形態を説明する前に本実施の概要について説明する。
本発明では、まず、画像取得手段としてのカメラにより車両の少なくともナンバプレートを含む画像を取得し、この取得された画像から読取対象であるナンバプレートの候補を抽出し、いずれもスコア値の高い複数のナンバプレート候補が抽出された場合、複数のナンバプレート候補において車種として大板および中板のナンバプレート候補が混在していれば、大板のナンバプレート候補を選択し、複数のナンバプレート候補において同じ車種の場合には、あらかじめ定められた条件の座標情報を満たす位置に存在するナンバプレート候補を選択し、この選択されたナンバプレート候補に対し読取処理を行なう。
【0012】
また、実際の稼動前に行なわれる調整時(学習時)には、ユーザに対し選択されたナンバプレート候補を提示し、選択結果の確認を促すとともに、ナンバプレート候補を選択できない場合は、ユーザに対し複数のナンバプレート候補を提示し、ユーザに教示データを入力させることで、その教示データを蓄積しておく。そして、実際の稼動時には、上記蓄積された教示データを利用してナンバプレート候補の選択を行なう。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るナンバプレート読取装置の構成を概略的に示すものである。このナンバプレート読取装置は、画像取得手段としての画像取得部11、ナンバプレート候補抽出手段としてのナンバプレート候補抽出部12、ナンバプレート候補選択手段としてのナンバプレート候補選択部13、読取手段としての読取部14、出力手段としての出力部15、教示データ取得手段としての教示データ入力部16、および、教示データ蓄積手段としての教示データ蓄積部17を有して構成される。
【0014】
画像取得部11は、たとえば、道路を走行する車両の後方から少なくともナンバプレートを含む画像を取得するもので、ビデオカメラ(以降、単にカメラと略称する)および被写体を照明する照明装置などから構成される。
【0015】
ナンバプレート候補抽出部12は、画像取得部11により取得された画像から読取対象であるナンバプレートの候補を抽出する。
【0016】
ナンバプレート候補選択部13は、ナンバプレート候補抽出部12によりいずれもスコア値の高い複数のナンバプレート候補が抽出された場合、あらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在するか否かを判定し、あらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在する場合、当該ナンバプレート候補を選択する。すなわち、たとえば、抽出された複数のナンバプレート候補において車種として大板および中板のナンバプレート候補が混在しているか否かを判定し、混在していれば大板のナンバプレート候補を選択し、複数のナンバプレート候補において同じ車種の場合には、あらかじめ定められた条件の座標情報を満たす位置に存在するナンバプレート候補を選択する。
【0017】
読取部14は、ナンバプレート候補選択部13により選択されたナンバプレート候補、および、ナンバプレート候補抽出部12により単一のナンバプレート候補が抽出された場合は当該ナンバプレート候補に対し読取処理(文字の切出しや文字認識等)を行なう。出力部15は、読取部14の読取結果を外部へ出力する。
【0018】
教示データ入力部16は、実際の稼動前に行なわれる調整時(学習時)に、ユーザに対し選択されたナンバプレート候補を提示したり、ナンバプレート候補を選択できない場合は、ユーザに対し複数のナンバプレート候補を提示し、これに対しユーザが教示データを入力したりするもので、ナンバプレート候補を提示するためのディスプレイおよび教示データを入力するためのキーボードなどから構成される。
【0019】
教示データ蓄積部17は、教示データ入力部16からユーザにより入力された教示データを蓄積するもので、記憶装置などが用いられる。
【0020】
次に、上記のような構成において、実際の稼動前に行なわれる調整時(学習時)の動作について図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0021】
まず、画像取得部11は、たとえば、道路を走行する車両の後方から少なくともナンバプレートを含む画像を撮像して入力する(ステップS1)。図3は、入力された車両画像の一例を示しており、この例では、キャリアカー21に車両(乗用車)22が積載されている場合で、画像内に積載車両(乗用車)22に対応する中板のナンバプレート候補23とキャリアカー21に対応する大板のナンバプレート候補24の2つ候補が存在している。
【0022】
次に、ナンバプレート候補抽出部12は、画像取得部11により取得された画像を処理することにより読取対象であるナンバプレートの候補を抽出する(ステップS2)。図3の例では、積載車両22に対応する中板のナンバプレート候補23とキャリアカー21に対応する大板のナンバプレート候補24の2候補が抽出されたものとする。
【0023】
次に、ナンバプレート候補選択部13は、ナンバプレート候補抽出部12で抽出されたナンバプレート候補の数量が「1」であるか否かを判定する(ステップS3)。この判定の結果、抽出されたナンバプレート候補の数量が「1」である場合、ナンバプレート候補選択部13は、このとき抽出されたナンバプレート候補を教示データ入力部16のディスプレイで表示することでユーザに対し提示し、選択結果の確認を促す(ステップS4)。
【0024】
次に、読取部14は、ステップS2で抽出された単一のナンバプレート候補に対し読取処理(文字の切出しや文字認識等)を行ない(ステップS5)、その読取結果を出力部15により外部へ出力し(ステップS6)、処理を終了する。
【0025】
ステップS3における判定の結果、抽出されたナンバプレート候補の数量が「1」でない場合、ナンバプレート候補選択部13は、次に抽出された複数のナンバプレート候補の中に大板のナンバプレート候補が唯一存在するか否かを判定する(ステップS7)。
【0026】
この判定の結果、大板のナンバプレート候補が唯一存在する場合、それを読取対象(図3の例ではナンバプレート候補24を読取対象)として選択し(ステップS8)、以降、前記同様なステップS4〜S6の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0027】
ステップS7における判定の結果、大板のナンバプレート候補が唯一存在しない場合、ナンバプレート候補選択部13は、次に抽出された複数のナンバプレート候補の中に中板のナンバプレート候補が唯一存在するか否かを判定する(ステップS9)。
【0028】
この判定の結果、中板のナンバプレート候補が唯一存在する場合、それを読取対象として選択し(ステップS10)、以降、前記同様なステップS4〜S6の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0029】
ステップS9における判定の結果、中板のナンバプレート候補が唯一存在しない場合、ナンバプレート候補選択部13は、次に抽出された複数のナンバプレート候補が全て同じ車種であるか否かを判定する(ステップS11)。
【0030】
この判定の結果、全て同じ車種であれば、あらかじめ定められた条件の座標情報を用いて読取対象としてのナンバプレート候補を選択し(ステップS12)、以降、前記同様なステップS4〜S6の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0031】
ここで、上記座標情報とは、たとえば、図3の例では、大板のナンバプレート候補24の上方の位置に中板のナンバプレート候補23が位置し、かつ、中板のナンバプレート候補23が一定値以上の高い位置に存在し、大板のナンバプレート候補24が一定値以下の低い位置に存在する、といったことであり、それらの条件を満たすときに、たとえば低い位置に存在する大板のナンバプレート候補24を読取対象として選択するものである。
【0032】
ステップS11における判定の結果、全て同じ車種でない場合、ナンバプレート候補選択部13は、このとき抽出された複数のナンバプレート候補を教示データ入力部16のディスプレイで表示することでユーザに対し提示し、ユーザによって教示データを入力するように案内を表示する(ステップS13)。
【0033】
ここで、上記教示データとは、たとえば、提示された複数のナンバプレート候補の中で、どのナンバプレート候補を読取対象とするのか、その読取対象とするナンバプレート候補が存在する位置の座標情報や当該ナンバプレート候補のサイズ情報などである。
【0034】
ユーザは、教示データ入力部16のキーボードにおいて、提示されたナンバプレート候補に対する教示データを入力する(ステップS14)。ナンバプレート候補選択部13は、ユーザによって入力された教示データを取込み、教示データ蓄積部17に蓄積する(ステップS15)。
【0035】
次に、ナンバプレート候補選択部13は、このとき抽出された複数のナンバプレート候補をリジェクトとして(ステップS16)、その旨の結果を出力部15により外部へ出力し(ステップS17)、処理を終了する。
【0036】
次に、上記のような構成において、実際の稼動時の動作について図4および図5に示すフローチャートを参照して説明する。b
まず、画像取得部11は、たとえば、道路を走行する車両の後方から少なくともナンバプレートを含む画像を撮像して入力する(ステップS21)。図3は、入力された車両画像の一例を示しており、この例では、キャリアカー21に車両(乗用車)22が積載されている場合で、画像内に積載車両(乗用車)22に対応する中板のナンバプレート候補23とキャリアカー21に対応する大板のナンバプレート候補24の2つ候補が存在している。
【0037】
次に、ナンバプレート候補抽出部12は、画像取得部11により取得された画像を処理することにより読取対象であるナンバプレートの候補を抽出する(ステップS22)。図3の例では、積載車両22に対応する中板のナンバプレート候補23とキャリアカー21に対応する大板のナンバプレート候補24の2候補が抽出されたものとする。
【0038】
次に、ナンバプレート候補選択部13は、ナンバプレート候補抽出部12で抽出されたナンバプレート候補の数量が「1」であるか否かを判定する(ステップS23)。この判定の結果、抽出されたナンバプレート候補の数量が「1」である場合、読取部14は、ステップS22で抽出された単一のナンバプレート候補に対し読取処理(文字の切出しや文字認識等)を行ない(ステップS24)、その読取結果を出力部15により外部へ出力し(ステップS25)、処理を終了する。
【0039】
ステップS23における判定の結果、抽出されたナンバプレート候補の数量が「1」でない場合、ナンバプレート候補選択部13は、次に抽出された複数のナンバプレート候補の中に大板のナンバプレート候補が唯一存在するか否かを判定する(ステップS26)。この場合、ナンバプレート候補候補選択部13では、教示データ蓄積部17に蓄積された教示データを利用して判定する。
【0040】
ステップS26における判定の結果、大板のナンバプレート候補が唯一存在する場合、それを読取対象(図3の例ではナンバプレート候補24を読取対象)として選択し(ステップS27)、以降、前記同様なステップS24〜S25の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0041】
ステップS26における判定の結果、大板のナンバプレート候補が唯一存在しない場合、ナンバプレート候補選択部13は、次に抽出された複数のナンバプレート候補の中に中板のナンバプレート候補が唯一存在するか否かを判定する(ステップS28)。この場合も、ナンバプレート候補候補選択部13では、教示データ蓄積部17に蓄積された教示データを利用して判定する。
【0042】
ステップS28における判定の結果、中板のナンバプレート候補が唯一存在する場合、それを読取対象として選択し(ステップS29)、以降、前記同様なステップS24〜S25の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0043】
ステップS28における判定の結果、中板のナンバプレート候補が唯一存在しない場合、ナンバプレート候補選択部13は、次に、教示データ蓄積部17に蓄積された教示データ、および、あらかじめ定められた条件の座標情報を用いて読取対象としてのナンバプレート候補を選択する。
【0044】
すなわち、まず、抽出された複数のナンバプレート候補が全て同じ車種、たとえば、全て同じ大きさのナンバプレート候補であるか否かを判定する(ステップS30)。この場合も、教示データ蓄積部17に蓄積された教示データを利用して判定する。
【0045】
ステップS30における判定の結果、全て同じ車種(全て同じ大きさのナンバプレート候補)である場合、たとえば、抽出された複数のナンバプレート候補が2つであったとすると、2つとも大板のナンバプレート候補であるか否かを判定し(ステップS31)、2つとも大板のナンバプレート候補である場合、処理不能として、抽出された複数のナンバプレート候補をリジェクトとして(ステップS32)、その旨の結果を出力部15により外部へ出力し(ステップS33)、処理を終了する。
【0046】
ステップS31における判定の結果、2つとも大板のナンバプレート候補でない場合、次に、2つとも中板のナンバプレート候補であるか否かを判定し(ステップS34)、2つとも中板のナンバプレート候補でない場合、たとえば、2台の小型車(オートバイ等)が並走している場合が考えられるので、処理不能として、前記同様なステップS32〜S33の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0047】
ステップS34における判定の結果、2つとも中板のナンバプレート候補である場合、たとえば、中型車が中型車を牽引している場合が考えられるので、あらかじめ定められた条件の座標情報を用いて読取対象としてのナンバプレート候補を選択し(ステップS35)、以降、前記同様なステップS24〜S25の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0048】
ここで、上記座標情報とは、たとえば、図3の例では、大板のナンバプレート候補24の上方の位置に中板のナンバプレート候補23が位置し、かつ、中板のナンバプレート候補23が一定値以上の高い位置に存在し、大板のナンバプレート候補24が一定値以下の低い位置に存在する、といったことであり、それらの条件を満たすときに、たとえば、低い位置に存在する大板のナンバプレート候補24を読取対象として選択するものである。
【0049】
なお、座標情報の利用においては、上記した下方のナンバプレート候補の選択のみならず、たとえば、盗難車両の発見などの用途に対しては、上方(積載車両側)のナンバプレート候補を選択する方が望ましい場合も考えられる。
【0050】
ステップS30における判定の結果、全て同じ車種(全て同じ大きさのナンバプレート候補)でない場合、まず、2つのナンバプレート候補は大板と中板のナンバプレート候補であるか否かを判定し(ステップS36)、大板と中板のナンバプレート候補である場合、たとえば、大型車が中型車を牽引している場合(図3の例)が考えられるので、以降、前記同様なステップS35,S24〜S25の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0051】
ステップS36における判定の結果、大板と中板のナンバプレート候補でない場合、次に、2つのナンバプレート候補は中板と小板のナンバプレート候補であるか否かを判定し(ステップS37)、中板と小板のナンバプレート候補である場合、たとえば、中型車が小型車を牽引している場合が考えられるので、以降、前記同様なステップS35,S24〜S25の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0052】
ステップS37における判定の結果、中板と小板のナンバプレート候補でない場合、次に、2つのナンバプレート候補は大板と小板のナンバプレート候補であるか否かを判定し(ステップS38)、大板と小板のナンバプレート候補である場合、たとえば、大型車が小型車を牽引している場合が考えられるので、以降、前記同様なステップS35,S24〜S25の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0053】
ステップS38における判定の結果、大板と小板のナンバプレート候補でない場合、たとえば、処理不能として、前記同様なステップS32〜S33の処理を繰り返し、処理を終了する。
【0054】
このように、入力された車両の画像からナンバプレートを読取る際、ナンバプレート候補が複数存在しても、ナンバプレート候補の車種(ナンバプレート候補の大板・中板・小板)や座標情報を考慮して候補選択することにより、読取対象とする1つのナンバプレート候補を選択して読取ることができ、システムの性能向上が図れる。
【0055】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、様々な様態に変形して実施できる。たとえば、車種を判定するのにナンバプレートの大きさ(大板・中板・小板)を用いたが、これに加えてナンバプレートの色情報を用いてもよく、さらには、ナンバプレートの色情報だけを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係るナンバプレート読取装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】実際の稼動前に行なわれる調整時(学習時)の動作について説明するフローチャート。
【図3】入力された車両画像の一例を示す図。
【図4】実際の稼動時の動作について説明するフローチャート。
【図5】実際の稼動時の動作について説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0057】
11…画像取得部(画像取得手段)、12…ナンバプレート候補抽出部(ナンバプレート候補抽出手段)、13…ナンバプレート候補選択部(ナンバプレート候補選択手段)、14…読取部(読取手段)、15…出力部(出力手段)、16…教示データ入力部(教示データ取得手段)、17…教示データ蓄積部(教示データ蓄積手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を走行する車両から少なくともナンバプレートを含む画像を取得する画像取得手段と、
この画像取得手段により取得された画像から読取対象である前記ナンバプレートの候補を抽出するナンバプレート候補抽出手段と、
このナンバプレート候補抽出手段により複数のナンバプレート候補が抽出された場合、あらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在するか否かを判定し、あらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在する場合、当該ナンバプレート候補を選択するナンバプレート候補選択手段と、
このナンバプレート候補選択手段により選択されたナンバプレート候補に対し読取処理を行ない、前記ナンバプレート候補抽出手段により単一のナンバプレート候補が抽出された場合は当該ナンバプレート候補に対し読取処理を行なう読取手段と、
を具備したことを特徴とするナンバプレート読取装置。
【請求項2】
前記ナンバプレート候補選択手段は、判定の結果、複数のナンバプレート候補の中にあらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在しない場合、あらかじめ定められた条件の座標情報を満たす位置に存在するナンバプレート候補を選択することを特徴とする請求項1記載のナンバプレート読取装置。
【請求項3】
前記ナンバプレート候補選択手段において、判定の結果、複数のナンバプレート候補の中にあらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在しない場合、当該複数のナンバプレート候補をユーザに対し提示し、これに対しユーザが入力する教示データを取得する教示データ取得手段と、
この教示データ取得手段により取得された教示データを蓄積する教示データ蓄積手段とをさらに具備し、
前記ナンバプレート候補選択手段は、前記教示データ蓄積手段に蓄積された教示データを利用してナンバプレート候補の選択を行なうことを特徴とする請求項1または請求項2記載のナンバプレート読取装置。
【請求項4】
前記ナンバプレート候補選択手段は、ナンバプレートの大きさおよび色のうち少なくともいずれか一方を用いて、あらかじめ定められた車種のナンバプレート候補が存在するか否かを判定することを特徴とする請求項1記載のナンバプレート読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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