説明

ニコチン組成物の製造方法

計量された量のニコチンを溶液に入れて混合することを含む、消費可能なニコチン組成物の製造方法。ニコチン濃度は溶液中0.0001%〜0.1%に達し、各々の部分が一人の一回の使用の消費に適切な正確な量のニコチンを含有するように、この溶液を配分する。各々の部分はそれぞれの一回分の飲料に入れられる。消費可能なニコチン組成物の別の製造方法も、計量された量のニコチンを溶液に入れて混合し、ニコチン濃度が溶液中0.0001%〜0.1%に達することを含む。同様に、各々の部分が一人の一回の使用の消費に適切な正確な量のニコチンを含有すべく、この溶液を配分する。各々の部分はそれぞれの飲料、及び別々の一回分のディスペンサーに包装される各々の飲料に入れられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、禁煙を試みている人にとって、タバコの代用品となるニコチン飲料に関する。さらに詳細には、本発明は、通常の飲料製造装置を用いて、正確な一回分の量のニコチンを有する消費可能な組成物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1881年にタバコ巻き用機械に特許権が与えられたとき、それは当時比較的マイナーな生産品であったタバコが、非常に人気のある製品となるのを可能にした。それはタバコの生産を5000%に増やし、個々のタバコの値段を半分に切り下げた。しかし、タバコの人気の増加は多くの健康に関する問題も伴った。
今日、禁煙を試みている多くの人がニコチンを含有する製品を代用しようとしている。医師らは、禁煙を試みている人は大量の水を消費するべきであると、長い間推奨している。液体を消費することは本来、人の健康に必要である。さらに、禁煙をした人はしばしばタバコを切望することを空腹と誤解し、たびたび体重増加を招いてしまう。液体を飲むことはタバコを切望することの抑制を助け、且つ体重増加の抑制を助ける。また、液体を飲むことは、喫煙を連想させる同じ手を口に運ぶ運動を組み入れるので、禁煙を試みている人にとって心理的な助けとなりうる。
前述のことを踏まえて、特に効果的なタバコの代用品はニコチン飲料である。上記の利点に加え、人は危険な量のニコチンを消費する前に流体消費量の限界に到達するように、飲料中のニコチン濃度を調整することができるため、ニコチン乱用に対する本来備わった防御も有する。
【0003】
上記のように、タバコ巻き用機械は、製造費用の本質的な減少と同様にタバコ製造の莫大な増加を可能にし、それによってタバコが非常に人気のある生産品となった。本発明の目的は、製造費用の減少と同様に飲料製造の増加を可能とする方法によって、ニコチン飲料市場に類似の効果をもたらすことである。これはニコチン飲料が、消費者にとってより入手しやすくなり、より安価で、及びより人気になる結果をもたらすであろう。
ニコチンが強力な物質であることはよく知られている。非常に少量のニコチンで成人に顕著な効果を示すことができる。実際、一回の使用で人が消費するのに適切なニコチンの量、すなわち一回のタバコ代用品として効果的に作用するのに必要な量は、通常の飲料製造設備で正確に計量するには少なすぎる。その装置は十分に正確ではないので、計量におけるどのような誤りもその飲料の消費者にとって致命的な結果となりうる。
正確な装置を用いることによってニコチンの一回分の量を計量することができる。しかし、そのような装置は高価であり、通常の飲料製造設備に普通は利用できない。タバコの魅力的な代用品となるためには、ニコチン飲料は比較的安価でなければならない。正確な計量用設備を使用するとより高価なニコチン飲料になってしまい、禁煙を試みている人にとってより魅力のないものになるであろう。
【0004】
従って、一人の一回の使用に適切な正確な量のニコチンを含有する組成物を、安価に製造する方法が必要である。この方法は、非常に正確な計量用装置の使用を必要とすべきではなく、その代わりにすでに通常の飲料製造設備に備わっている装置を利用するべきである。さらに、市場性を増すために、この方法は液体、固体、錠剤、丸剤、及び粉末を含む多様な組成物が生産可能であるべきである。本発明はこれらの要求を満たし、且つ他の関連する利点を与える。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、一人の一回の使用に適切な正確な量のニコチンを含有する組成物を製造する方法に属する。この方法は通常の飲料製造設備に標準的に備わっている装置、及びニコチンを一つ以上の連続する中間溶液に入れて混合して、一回分の飲料に適切な最終組成物が生じるまで生成する液体ニコチン溶液を分割することによる機能を利用する。多量の中間液体ニコチン組成物を分割するこの方法は、高価な高精度計量装置の必要性を排除する。結果として、ニコチン飲料は製造するのがより安価になり、広い市場となる可能性を有するであろう。
本発明を具体化する消費可能なニコチン組成物の製造方法は、計量された量のニコチンを溶液に入れて混合することを含む。ニコチン濃度は溶液中0.0001%〜0.1%で得られる。各々の部分が一人の一回の使用の消費に適切な正確な量のニコチンを含有するように、この溶液を配分する。各々の部分はそれぞれの一回分の飲料に入れられる。
混合工程は、少なくとも50mgのニコチンを含むニコチンの量を計量する工程を含む。
このニコチンは、限定はしないが、タバコの葉、きれいに切ったタバコ、又は粉末にしたタバコを含む多様な自然源から抽出された液体成分を含む。ニコチン(C10H14N2)は非自然源からも得られる。
飲料の主成分は、限定はしないが、水(炭酸又は炭酸でないもの)又は天然の液体を含有する多様な液体/流体を含んでよい。
この溶液は、限定はしないが、液体又は液体以外のものを含有する多様な形状であってよい。
これらの部分は、販売又は流通の前に、飲料に導入される。
この飲料は、50%以下のアルコールを含むアルコール成分を含有する。この飲料は容器内に入れられる。
本発明を具体化する消費可能なニコチン組成物の別の製造方法は、計量された量のニコチンを溶液に入れて混合することを含む。ニコチン濃度は溶液中0.0001%〜0.1%で得られ、各々の部分が一人の一回の使用の消費に適切な正確な量のニコチンを含有するように、この溶液を配分する。各々の部分はそれぞれの飲料、及び別々の一回分のディスペンサーに包装される各々の飲料に入れられる。
一回分のディスペンサーは販売又は流通されて、消費者によって飲料に導入される。一回分のディスペンサーは、限定はしないが、点眼器、ティーバッグに類似の多孔性又は半多孔性小袋、小包、蓋をされたチューブ、又は溶解可能な丸剤又は錠剤を含む多様な形状にすることができる。
飲料中の体積による0.0001%〜0.1%のニコチン濃度は、一回分のディスペンサーの中身をそこに加えた後に達成される。
本発明の付加的な特徴及び利点は、下記のより詳細な記載から明らかになるであろう。
【0006】
≪発明の詳細な説明≫
本発明は、一人による一回の使用に適切なニコチンの正確な量を含有する組成物の製造方法である。ニコチン組成物は、製造装置における一回分の量の飲料容器に導入されて、又は一回分のディスペンサーに包装されて消費者に販売される。どのようにしてこの組成物が有用とされるかに関わらず、この組成物の製造方法は同じままであり、且つ本発明の主題である。
この方法は、50mg又はそれよりも多くの既知量のニコチンを、ニコチンの望みの濃度が達成されるまで、少なくとも1つの中間溶液に混合することを含む。50mg又はそれよりも多くのニコチンは人が消費するのに危険及び/又は致命的な量と考えられているので、ニコチン濃度は混合又はそうでなければ希釈されなければならない。各々の連続する中間溶液によって、ニコチン濃度は連続的に減少する。この溶液は、より大きな体積と同じニコチン濃度を保持する、より小さな体積に分割される。例えば、タバコはおおよそ1〜4mgのニコチンを含有し、約1mgのニコチンが一本のタバコから吸入されることが知られている。従って、ニコチン飲料は、一回当たり約1mgのニコチンを供給する、おおよそ同等の量を含有するべきである。1mgのニコチンは通常の飲料製造設備で正確に計量するには少なすぎるので、本発明の方法を、例えば以下のように使用することができる。第一に、既知量のニコチン(例えば50mg)を、計量された量の水、又は他の溶媒に調合/混合し、中間溶液を製造する。この既知量は飲料製造設備で容易に計量可能である。この中間溶液中のニコチン濃度は、水又はいくつかの他の溶媒に対するニコチンの望ましい濃度比の範囲内になくてもよい。その場合は、追加の中間溶液が必要とされ、最終の溶液において0.0001%〜0.1%の望ましいニコチン濃度を達成する。
望ましい濃度が達成されたら、次に、最終の溶液を、望ましいニコチン濃度を保持しながら、多数の小さな同等の体積の部分に分割する。各々の部分は、最終の分割された溶液のニコチン含有量が一人による一回の使用に適切な正確な量のニコチンを含有する。
次に、最終のニコチン組成物を含有する部分は、販売又は流通の前に製造設備において1つの飲料容器(例えば缶、瓶、水差し、又は類似のもの)中に置かれる飲料中に入れられる、又は最終のニコチン組成物は一回分のディスペンサー(例えば小包、チューブ、缶、瓶、又は類似のもの)に包装された後に飲料中に混合される。後者の場合、最終のニコチン組成物を蒸発させ、そこに含有される一回分の量のニコチンを得、次に、これを水溶性粉末増量剤と混合し、小包に密閉してもよい。この小包は一回分に適切な量のニコチンを含有し、開くことができ、その中身は消費者又は飲料を供給する人によって選択される任意の飲料中に混合される。
このニコチンは、限定はしないが、タバコの葉、きれいに切ったタバコ(例えば湿ったかぎタバコ)、又は粉末にしたタバコ(例えば乾いたかぎタバコ)を含む多様な自然源から抽出された液体成分でよい。ニコチン(C10H14N2)は非自然源からも得られる。
飲料の主成分は、限定はしないが、水(炭酸又は炭酸でないもの)又は天然の液体を含有する多様な液体/流体を含んでいてもよい。この飲料は、多くて50%アルコールまでのアルコール成分を含有してもよい。
この溶液は、限定はしないが、液体又は液体以外のものを含有する多様な形状であってよい。
混合/希釈及び配分方法の記載において水が特に挙げられているが、本発明の方法は幅広い範囲の物質を溶媒として用いることができることに注目されるべきである。本発明の方法を操作することで、液体、固体、錠剤、丸剤、粉末、又は任意の他の望ましい形状である最終のニコチン組成物が生じることも注目されるべきである。
一回分のディスペンサーは、限定はしないが、点眼器(ニコチン溶液を含有する瓶と共に又は無しに)、ティーバッグに類似の多孔性又は半多孔性小袋、小包、蓋をされたチューブ、又は溶解可能な丸剤又は錠剤を含む多様な形状にすることができる。
本発明の実施態様を、例証するために詳細に述べたが、多様な改良を本発明の範囲及び意図からそれないで行ってよい。従って、本発明は、請求項によることを除いては制限されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費可能なニコチン組成物の製造方法であって、計量された量のニコチンを溶液に入れて混合し、ニコチン濃度が前記溶液中0.0001%〜0.1%の溶液を得、各々の部分が一人の一回の使用の消費に適切な正確な量のニコチンを含有するように前記溶液を配分し、及び各々の部分をそれぞれの一回分の飲料に入れることを含む、方法。
【請求項2】
前記混合の工程が、少なくとも50mgのニコチンを含むニコチンの量を計量する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ニコチンが、タバコの葉から抽出された液体成分を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ニコチンが、きれいに切ったタバコから抽出された液体成分を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ニコチンが、粉末にしたタバコから抽出された液体成分を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
非自然源から前記ニコチン(C10H14N2)を得る工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記飲料の主成分が水を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記飲料の主成分が炭酸水を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記飲料の主成分が天然のジュースを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記溶液が液体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記溶液が液体以外のものを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
販売又は流通の前に、前記部分を前記飲料に入れる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記飲料が、50%以下のアルコールを含むアルコール成分を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記飲料を容器内に入れる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
消費可能なニコチン組成物の製造方法であって、計量された量のニコチンを溶液に入れて混合し、ニコチン濃度が溶液中0.0001%〜0.1%の溶液を得、各々の部分が一人の一回の使用の消費に適切な正確な量のニコチンを含有するように前記溶液を配分し、各々の部分をそれぞれの飲料に入れ、及び各々の飲料を別々の一回分のディスペンサーに包装することを含む、方法。
【請求項16】
前記一回分のディスペンサーが、消費者によって飲料に入れられるように販売又は流通される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記一回分のディスペンサーが点眼器を含む、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記一回分のディスペンサーが、ティーバッグに類似の多孔性又は半多孔性小袋を含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記一回分のディスペンサーが小包を含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記一回分のディスペンサーが蓋をされたチューブを含む、請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記一回分のディスペンサーが、溶解可能な丸剤又は錠剤を含む、請求項15記載の方法。
【請求項22】
前記一回分のディスペンサーの中身を飲料に加えた後に、前記飲料中の体積0.0001%〜0.1%のニコチン濃度が達成される、請求項15記載の方法。

【公表番号】特表2008−528028(P2008−528028A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553071(P2007−553071)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/002573
【国際公開番号】WO2006/080919
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(505250269)
【Fターム(参考)】